右京「はい、特命係」メリー「私メリーさん、今あなたの――」(30)

右京「……はいぃ?」

以前vipでちょこっと投下したの
dion規制くらってるのと速報は別の書いてるからこっちでー

メリー「……後ろにいるの」

右京「……」

右京「僕は今、後ろを向いています。後ろには誰もいないようですが?」

 シーン

右京「……亀山くん」

薫「電話……俺っすか?」

右京「どうぞ」

薫「は、はい……もしもし?」

メリー「あ……わ、私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」

薫「……?(後ろ?)」

薫「よ、暇か♪」

薫「課長しかいねーじゃねえか……もしもし!?」

メリー「え、えーと」

薫「?」

メリー「あの、あの……」

薫「……イタズラっすね」

右京「みたいですねえ」

訂正
>>4  3行目
薫「よ、暇か♪」→課長「よ、暇か♪」

薫「『みたいですねえ』って……」

薫「あのね、君がかけてんのは警視庁なの! わかる? ケーサツ!」

薫「逮捕されたくなかったら、こんなバカみたいな真似は止めなさい、ね!? ったく……」がちゃ

メリー「……!」

 ツー ツー

課長「なんだよイタズラ電話かー?」

薫「そうみたい……っすね。珍しく」

課長「暇な部署はいいねえ、こっちはその手の電話はひっきりなしだよ」

右京「……」

 ぷるるるるるr

薫「……」

課長「……」

右京「……別の方かもしれません」

薫「は、はい……」かちゃ

薫「あー、もしもし、こちら特命係」

メリー「私メリーさん、今、えーと、西新宿駅の前にいるの」

薫「……」

薫「メリーさんみたいですよ、さっきの」

右京「……」

メリー「も、もしもし」

薫「あのねメリーさん、さっきも言ったけど、君がイタズラしてる相手は警察なの。俺警察官」

薫「こういうのは程々にしとかないと後で……って、聞いてる?」

 がちゃっ ツー ツー

薫「……切りやがった」

課長「なんだよ、さっきと同じやつか?」

薫「え、ええ」がちゃ

薫「でもまあ、慌てて切ったみたいですからね……流石にもうかけてこないとは思いますけど」むすっ

 ぷるるるるるr

薫「……!」

 かちゃ

薫「う、右京さん……!?」

右京「……特命係です」

メリー「わ、私メリーさん! 今けいしちょーの前にいるの!」

右京「おや、警視庁。随分と近くに居るものですねぇ」

右京「我々に、何か御用ですか?」

 がちゃっ ツー ツー

右京「……」

課長「また切れちゃったの? 何、なに、相手誰? 何って言ってきてるんだ?」

右京「メリーさんです」

課長「め、メリーさん?」

右京「……亀山くん。君は『メリーさん』という『都市伝説』をご存知ですか?」

薫「め、メリーさん、っすか……?」

薫「んー、そう言えばどこかで聞いたことあるような、ないような……」

課長「メリーさんっていやぁアレだろ、いきなり電話かけてくるやつ。ほら、知らない?」

課長「電話とったら『もしもし、私メリーさん。今どこどこにいるの』、なーんて台詞繰り返す」

右京「ええ」

課長「で、何度も何度もかけてきて、その度にメリーさんの居場所がこっちに近づいてくるって訳よ」

右京「そのメリーさんです」

薫「……え、そ、それで? 近づいてきて……結局どうなるんすか? 」

課長「どうなるって……最後は確か、『あなたの後ろにいるのー』で、振り返るとアレだよ」

課長「……どうなるんだっけ?」

右京「この手の都市伝説と呼ばれる口承には、人、地域、或いは時代によって様々な、
   異なるストーリーの展開が見受けられます」

右京「その中で、もっとも多いのは電話をとった本人――つまりメリーさんとの通話者に何かしら」

右京「『良くない出来事』が起こる場合が多いようですねぇ」

薫「よ、『良くない出来事って』……まさか、死んじゃう、とか?」

右京「その可能性もあるみたいですよ?」

 シーン

課長「い、今の電話が、そうなの?」

薫「……! は、はは……」つー

薫「って、んな訳ないじゃないですか。只のイタズラ電話っすよ」

薫「大体さっきの話――都市伝説って……ただの噂でしょ? 馬鹿馬鹿しい」

課長「だ、だよなぁ」

薫「都市伝説なんて右京さんらしくない」

薫「……もしかして右京さん。そういうの興味あったりするんすか?」

右京「興味があるかどうかは別として」

右京「何も僕は先ほどの電話が『そうだ』とは一言も言っていませんよ?」

右京「それよりも亀山くん。君が電話をとったとき、彼女はどこに居ると言っていましたか?」

薫「え……た、確か……西新宿、だったと思います。西新宿駅前」

右京「先ほど、彼女は僕に、警視庁の前――つまり我々の目と鼻の先に居ると言っていました」

薫「……」

右京「西新宿駅前からここ(霞ヶ関)まで、例え車を飛ばしたとしても優に15分はかかるはずです」

右京「電話で対応したあの短い時間。どうやって彼女は移動することができたのでしょう、気になりませんか?」

薫「いや、だってイタズラなんすから……そのメリーさん――」

薫「ていうか、さっきのヤツがウソついてるだけに決まってるでしょう」

ここまでー

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