貴音「あなた様……この指輪は?」 (34)

P「……そのままの意味さ」


P「俺の気持ち、受け取ってくれ!貴音!」


貴音「……今日この西洋料理店にお誘いしたのは、これを渡す為に……ですか?」


P「あぁ……そうだ」


貴音「なんと……わざわざ私の為に……」


貴音「……ふふふ///」


貴音「大変嬉しく思います、あなた様」


P「!!」


P「じゃ、じゃあ……!」












貴音「私の身だしなみを磨き上げる為、この装飾品を贈ってくださるだなどと……」


P「……え?」


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貴音「私も容姿を向上させる意欲が湧いて来ました」


貴音「もっと明媚に、見目麗しく成長してみせますゆえ……」


P「あ、あの、貴音」


貴音「はい?」きょとん


P「この指輪の意味……わかってる?」


貴音「えぇ、もちろん」


貴音「これを着けて、るっくすに磨きかけるようにすれば良いのですよね?」


P「………………」


P「………………」


P「……あ、あぁ、そうだ」


P「がんばれよ、応援してるからな!」


貴音「はい、奮励努力、アイドル活動に努めていきます!」


P「ははは……」


P「………はぁ」





ーーー
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P「なんて言って、俺の告白に気付いてくれなかったんすよぉ〜……」


小鳥「破局して飯が美味い展開を期待してたのに……」


小鳥「貴音ちゃんも、以外と鈍感なんですね」


P「そうらしいんですよね……」


P「やっぱり、西洋風の告白がダメだったんですかね……」


小鳥「指輪を渡して告白って日本でもよくある事なんですけどね……」


P「はぁ……せっかく給料3ヶ月分を叩いて買った指輪だったのに……」


P「交際の申し込みに気付かないで受け取るだなんてなぁ……」


小鳥「え…交際のって……結婚の申し込みじゃなかったんですか!?」


P「い、いやそんな、付き合っても無いのにいきなり結婚って……」


小鳥「いつも事務所でイチャイチャしてるくせに、まだ付き合ってなかったんですか」


P「い、イチャイチャなんてしてませんよ!」



ガチャッ


貴音「おはようございます」


小鳥「あ、噂をすれば……」


P「お、おぉ、貴音おはよう」


貴音「今日も一日、仕事に勤しむといたしま……」ぴたっ


貴音「……………」じぃー…


小鳥「?」


P「どうした?俺を見つめて……」


P「もしかして、俺の顔に何かついて……」


貴音「………あ」ふるふる


貴音「あなた様ぁ!」ギュッ


P「わぁっ!?」ボフッ


小鳥「え、え?」


小鳥「何か目の前で貴音ちゃんがプロデューサーさんに抱きついてるんだけどなう」


P「た、貴音!?急にどうした!?」


貴音「………あなた様」


貴音「目の下に薄っすらと、くまが浮かび上がっております……」


P「え?そ、そうか……?」


貴音「昨日は睡眠を摂られたのですか?」


P「い……いや、何か昨日は寝付けなくてさ……ははは」


P(気付いて貰えなかったのがショックで寝れなかったんだよな……)


貴音「どうか無理をせず、ゆっくり休んで……」


P「大丈夫大丈夫!体調管理はバッチリだよ」


貴音「あなた様に何かあれば、私は……」うるっ


P「ほ、本当に元気だからさ!な!」


P「それにさ、俺は仕事をしてる方が調子良くなるし、楽しいからさ」


貴音「真……ですか?」じぃー


P「そんな暗い顔しないで……な?」なでなで


貴音「……あなた様が、そう仰るのなら///」


P「さぁ、もうすぐレッスンの時間だ、準備しとくんだぞ」


貴音「はい、わかりました」スッ


P「後で、差し入れに饅頭買って持ってくるからな」


貴音「なんと!……楽しみにしておきます」にこっ


P「本当、貴音は食べ物を持って行くと喜んでくれるな」


貴音「むぅ……あなた様?」ぷくっ


P「悪い悪い、食いしん坊みたいな言い方だったな、ごめん」


貴音「……私は食べ物も心嬉しく思いますが……それよりもあなた様が……」ちらっ


P「え?」


貴音「……いえ、何もありません」


貴音「では、準備をしますので失礼を……」とてとて


P「あ……あぁ」


P「………何だったんだろう」


小鳥「…………チッ」イライラ


P「それで音無さん、さっきの続きですけどイチャイチャなんて……」クルッ


小鳥「オラァッ!!」シュッッ!!


P「ぐえぇっ!」グシュッッ!!





ーーー
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次の日


P「はい……はい……そこは私の名を……はい」


P「それでは、今の案でよろしくお願い致します」ガチャッ


小鳥「……長いお電話でしたね」


P「相手側に支持を送るのに手間取っちゃって」


小鳥「それにしても、今日は一段と張り切って仕事してますね」


P「いえいえ、全くしてないですよ」


小鳥「いやいや、謙遜しないでくださいよ、このこのぉ!」イジイジ


小鳥「あんなに長い間に仕事相手の方に連絡してた癖にぃ!」イジイジ


P「いや、あれは仕事相手じゃなくて、貴音へのプレゼントの予約の電話です」


小鳥「……え?プレゼント?」


P「今日こそ貴音に告白をして、交際してみせますよ!」


小鳥「………………」


P「あ、それで聞いてくれます?作戦内容!あのですね、夜空を……」


小鳥「オラァッ!!!」シュビッッ!


P「一思いに右でグホッ!!」ボコッォッ




ーーー
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貴音「……あなた様!」タタタ…



P「おぉ、来てくれたか」


貴音「こんな夜遅くに、公園に何か用があるのですか?」


P「あぁ、貴音に大事な事を伝えたくてな……」


貴音「はて……伝えたい事?」


P「……夜空を見上げて見てくれ」


貴音「夜空……ですか?」スッ


P「……綺麗な星が並んでるだろ?」


貴音「……えぇ、それはもう言葉では表せない程の……」


P「……でも、貴音の綺麗さには勝てないさ」


貴音「まぁ……///」


P「………………」


P「……」キョロキョロ


貴音「……どうか致しましたか?」


P「いや何かまた音無さんに殴られそうな気がして……」


ーーーーーーーーー


小鳥「今なんかリア充の臭いがしたわ」


ーーーーーーーーー


P「……まぁ、気のせいだよな」


貴音「……むぅ、あなた様?」


貴音「私は今、少ない2人だけの時間を共に過ごしたいのです……」


貴音「今は他の女性の話はやめてくださいまし……」ピトッ


P「貴音……」


P「……そうだな、ごめんな」なでなで


貴音「いえ、私もワガママが過ぎました……すみません」


P「いや……俺も貴音と2人っきりの時間を大切にしたいからな」なでなで


P「さぁ、夜空を見上げてごらん」


貴音「えぇ……」












ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥ………



貴音「おや……何かが空を登って……」


パァアンッッッッッ!!!


貴音「これは……花火……ですか?」


P「浮き出てる文字を読んでごらん?」


貴音「文字……」スッ








『愛してる 付き合ってくれ P』


貴音「何と……これは……!」


P「……ふふふ」


P(こんなにダイレクトに伝えたんだ……)


P(いくら鈍感な貴音でも、これなら絶対に伝わるに決まってる……!)


P「……貴音、どうだ?」


P「お前の気持ちを聞かせて欲しい」


貴音「…………」


貴音「あなた様……」









貴音「文字が出てくるなどと、素晴らしい演出の花火ですね!」


P「え?……あ、あぁ」


貴音「私、少々興奮して来ました」


貴音「あの様な画期的な花火が打ち上げられるなど……」


貴音「作成した方、案を考え出した人は本当に素晴らしいですね!」


P「………………」


P「え?」


P「あ、あのさ、貴音」


貴音「はい?」きょとん


P「このメッセージ花火……誰からのか分かってないのか?」


貴音「……いえ、わかりませんが」


P「だ、だって最後Pって描いてただろ!?」


貴音「……ぴぃ、とは何でしょうか?」きょとん


P「………………」


P「そこ読めないのかよ……」ガクッ


貴音「あなた様?どうか致しましたか?」


P「………………」


P「えぇい!こうなりゃハッキリ言わして貰うぞ!」ガシッ


貴音「きゃっ……りょ、両肩を……///」どきっ


P「貴音!俺は、お前を愛してる!」


貴音「!!」


P「いつもクールで冷静で美麗で大人っぽくて」


P「時たまに、子供っぽくて可愛い所があって」


P「らあめんとおでんが大好きで、ミステリアスで面妖な」


P「お前の容姿性格全てが好きだ!!愛してる!」


P「俺が一生を掛けて幸せにしてみせる!」


P「だから、付き合ってくれ!貴音!」


貴音「………………」


P「………………」ドキドキ


貴音「………………」


貴音「………あなた様」


P「……な、何だ?」


貴音「……私は今、心の中で……」
















貴音「大変、憤りを覚えております……」ごごごごごご……


P「………………え?」


貴音「……あなた様」じっ


P「え……な、何?」ビクッ


貴音「先月の『でぇと』の帰り道に、私が言った台詞を覚えておりますか?」


P「えっと……先月って……」


P「……あぁ、確か帰り道で月が綺麗とか言ってたよな」


貴音「その時、あなた様も同じ台詞を、私に返してくださいましたよね?」


P「それがどうかしたか?」


貴音「………………」


貴音「……もういいです」ふぅ…


貴音「昔から鈍感なあなた様に、この言い回しで伝えるのは無理がありましたね」


貴音「どうやら、私だけがお付き合いをしてると思っていた様ですね……」


P「え、え?」


P「何の話をしてるんだ?なぁ?」


貴音「……いえ、何もありませんよ」


P「な、何なんだよ……本当」


貴音「……それよりも、あなた様」


P「ん?」


貴音「先程の言葉……心に響き渡りました」


貴音「少し違う感情も出て来ましたが、今は大変心嬉しく思っております」にこっ


P「え……じゃ、じゃあ!」


貴音「……私からの返事は」


貴音「『月が綺麗ですね』……とでも言っておきます」


P「な、何だよそれ……先月のデートの帰り道で話した時と同じ事言ってるじゃないか」


P「何か深い意味でもあるのか?」


貴音「……ふふふ」


貴音「それは……トップシークレットです///」









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