七咲「二人の丘の上公園」 (68)

純一「…ふう、ふう…やっとついた…」

七咲「もう、先輩…何だかおじさんくさいですよ?」

純一「しょうがないだろ…冬休みに入って運動なんかしてなかったんだから…」

七咲「だからってこの階段くらいで音を上げるだなんて…」

純一「と、とりあえず向こうのベンチ座ろうよ。ちょっと疲れちゃってさ…」

七咲「はいはい、わかりましたよ先輩」クスッ


純一「よっこいしょっと」ストン

七咲「よっこいしょって…先輩、おじさんくさいですよ?」

純一「僕ももう歳だから…ふう」

七咲「なに冗談言ってるんですか、私と一つしか違わないのに」

純一「だいぶ違うもんだぞ?」

七咲「ただ単に先輩が運動不足なだけじゃないですか」

純一「ぐっ、そうだけどさ…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420034443

純一「大体冬休みに七咲と遊べたら色んな所に出かけれたのに…」

七咲「仕方ないですよ先輩。私水泳部で忙しいんですから」

純一「だからって年末のこの時期までやることはないだろうに…厳しいなあ」

七咲「当然です、あんまり長い間休みを取ると体がなまってしまいますからね」

純一「あ、なるほど」

七咲「はい、そういうことです」

純一「ふーん……」

七咲「………」

純一「………」

七咲「…ところで先輩、一つ聞いてもいいですか?」

純一「ん?」

七咲「どうして…丘の上公園に来たんですか?」

純一「どうしてって…特に理由はないけど、二人きりになれる場所って考えたら真っ先にここが浮かんだんだ」

七咲「なるほど…そういうことだったんですね」

純一「うん、折角こうやって今年最後に会うわけだし、どうせなら二人きりになれる所がいいかなって」

七咲「ふふっ、その考え、先輩らしいですね」

純一「そう?普通だと思うんだけどなあ」

七咲「ではそういうことにしときましょう」

純一「七咲は嫌だった?何なら今から場所を移動しても…」

七咲「いえ、私も…先輩とふたりきりになれるここがいいです」

純一「ははは、それならよかったよ」

七咲「もう今年も終わりなんですね」

純一「そうだなあ、何だかあっという間に過ぎた感じがするね」

七咲「私達が出会って、もう一ヶ月以上も経つんですね」

純一「そうだなあ、あの日々が何だか懐かしいね」

七咲「初めて先輩と会ったあの校舎裏…ふふっ」

純一「あの時はもう焦ったね、まさか水着を下にはいてるとは思わなかったから…」

七咲「あの時の先輩の顔、今でもはっきり思い出せますよ」

純一「そ、そんな記憶は早く忘れてほしいなあ…」

七咲「くすくすっ、駄目ですよ」

純一「な、七咲…」

七咲「冗談ですよ先輩、安心してください」

純一「どこにも安心できる要素がないんだけどなあ…」

七咲「ふふふっ」

純一「しかし、夜景が綺麗だなあ、ここは」

七咲「ええ、名前の通り丘の上にありますからね、見晴らしは絶景ですよ」

純一「あの頃来た時は、そんなの楽しむ余裕もなかったしなあ…」ボソリ

七咲「え?先輩何かいいましたか?」

純一「いや、こっちの話だよ」

七咲「そうですか…」

七咲「先輩、とうとう来年は三年生ですね」

純一「そうだなあ、僕もあっという間に受験生かあ」

七咲「先輩が机に向かって必死に勉強してる姿、何だか想像が付かないですね」クスクス

純一「ひ、ひどいな七咲!僕もやるときはやるよ!…多分」

七咲「多分ですか?」

純一「いや、絶対!」

七咲「そうですか、それを聞いて安心しました」

純一「七咲こそ、来年は水泳部の部長なんだろ?」

七咲「あれ?私が部長になるって先輩に言った覚えは…」

純一「塚原先輩から直接聞いたんだ」

七咲「あ、そうだったんですか」

純一「うん、塚原先輩も七咲には荷が重いかもしれないけどきっと出来るはずだって」

七咲「そうですか…塚原先輩がそんな事を…」

純一「僕も応援してるからさ!」

七咲「あ、ありがとうございます先輩。何だか恥ずかしいですね…」

純一「あ、でも気張ってばかりだとしんどいから、たまには息抜きも必要だよ」

七咲「そう言って私と一緒にどこかへ遊びに行こうと言う魂胆ですよね?」

純一「そ、そんなことないよ!」

七咲「もう、バレバレですよ先輩…」

純一「今頃みんな何してるかなあ」

七咲「きっと家族と一緒に仲良く過ごしていると思いますよ」

純一「そういえば、七咲は家の方は大丈夫なの?」

七咲「ええ、一応遅くなるとは言ってるんで多分大丈夫かと」

純一「でもあんまり遅くなると駄目だなあ」

七咲「そうですね…先輩の方こそ大丈夫なんですか?」

純一「僕も遊びに行ってて遅くなるとは言ってるし、確か去年も結局帰ったのが日付変わってからだったかなあ…」

七咲「日付かわるまでって…そんな時間まで何してたんです?」

純一「友達の家でね、年越しパーティーしてたらいつの間にか…かな」

七咲「はあ…なるほど…」

七咲「…静かですね」

純一「そうだな。何かこうしているとさ…ふと思うんだよ」

七咲「…?」

純一「実はこの世界には僕と七咲しかいないんじゃないかってさ」

純一「今までのは全て夢で…ほんとはこうやってずっと七咲と二人でここに居て…とても幸せな時間で…」

七咲「先輩…」

純一「ってあれ?僕は何意味不明な事言ってるんだろう…ははは…」

七咲「…私もそうですよ」

純一「え?」

七咲「私も…ずっと昔から、ここでこうやって先輩と二人で居たような…そんな感じがするんです」

七咲「とても素敵な時間で…これからもずっと…ずっとずっと先輩の傍に居れたらなって…この幸せがずっと続けばって」

純一「……」

七咲「ふふっ、私も途中から何言ってるのか分からなくなっちゃいました」

純一「七咲……七咲!」ガバッ

ギュッ

七咲「きゃっ…もう先輩どうしたんですか?急に抱き付いたりして…」

純一「いや…特に理由はないんだけど…七咲が可愛くてつい、かな」

七咲「……」

純一「あ、もしかして嫌だった?それならすぐ…」

七咲「もう…先輩、私が先輩に抱きしめられて嫌なんて言うと思いますか?」

ギュウッ

純一「あっ、七咲…」

純一(七咲の体温が直に伝わって…)

七咲「先輩、ずるいですね」

純一「え…?ずるいって…何が?」

七咲「そんな急に抱きしめられたりなんてしたら…我慢できなくなっちゃうじゃないですか」ボソッ

純一「七咲…?」

七咲「…先輩、ちょっとこっち向いてください」

純一「え、うん」クルッ

七咲「………」スッ

純一(あ、七咲の顔がこんなに近く…)

七咲「目、つむってもらえますか?」

純一「え、それってどういう…」

七咲「いいから先輩、早く」

純一「は、はい」

純一(七咲、一体何を…)

チュッ

純一「…え?」

七咲「えへへ…先輩、キス…しちゃいました」

純一「な、七咲の方からしてくれるだなんて」

七咲「たまにはいいじゃないですか、ふふっ。…それより先輩」

純一「ど、どうした?」

七咲「次は先輩から…お願いします」

純一「…うん、わかったよ。じゃあ目をつむって…」

七咲「はい…」

純一「行くよ、七咲」

七咲「来てください、先輩…」

純一(七咲…七咲…!)

「う~さみいなあ…なんだって年末と言うのにこんな寒いんだか」

純一・七咲「!?」

「まあ…冬だし寒いのも当たり前ってもの…ん?そこに居るのはもしかして…」

純一「って梅原!お前なんでこんな所いるんだよ!」

梅原「おいおい、そりゃあこっちのセリフだぜ大将。お前こそ一人…って横にいるのは七咲か?」

七咲「梅原先輩、こんばんは」

梅原「…ほほう」ニヤリ

純一「な、なんだよその笑顔。気持ち悪いな」

梅原「いやあー、何だか邪魔したようで悪いな大将!」ポン

純一「邪魔って…そ、そんなことないよ!なあ七咲!」

七咲「えっ!?あ、そ、そうですよ!お邪魔だなんてそんな全然!」

純一・七咲「あははは…」

梅原「…はあ、いいよなあお前はよ…こうやって大晦日を一緒に過ごせる人が居るって」

純一「梅原…」

梅原「俺なんか今年は一人だぜ一人、やってらんねえよなあ…」

純一「一人って…マサとかケンはどうした?どうせあいつらも暇してるだろうに」

梅原「マサは年末バイト、ケンは彼女に会うから忙しい、だとよ」

純一「ケン、また新しいギャルゲー仕入れたのか」

梅原「とまあ、そういう訳で家に一人居ても仕方ないし、取り敢えずブラブラしてたって事だ」

純一「あー…その、梅原。何か…ごめん」

梅原「良いって良いって!気にすんなよ大将。二人が幸せなら俺も嬉しいってもんだ!」

梅原「さーて、これ以上邪魔すんのも悪いしもう少しブラブラしつつ帰るかな」クルリ

七咲「あっ…う、梅原先輩!」

梅原「ん?七咲…どうした?」

純一「七咲…?」

七咲「あの、良かったら…ここで一緒に除夜の鐘聞きませんか?」

純一「おお、それはいいアイデアだ!」

梅原「え?でもそれじゃ二人に悪いだろ…」

七咲「いえ、そんなことありませんよ。ねえ先輩?」

純一「そうだぞ梅原、折角ここまで来たんだし一緒に新年迎えよう!」

梅原「二人とも…ううっ、俺なんかの為に…!」ウルッ

純一「何言ってるんだ、梅原は僕の唯一無二の親友だろ?当たり前じゃないか!」

梅原「大将…大将ーー!」ガバッ

純一「うわあ!な、なんで急に抱きつくんだよ!」

七咲「梅原先輩、大胆ですね…」

純一「何冗談言ってるんだ七咲!」

梅原「俺は…俺はお前みたいな親友を持てて幸せだああああ!!うおおおおおお!」

純一「分かった!分かったからとりあえず離せってもう!」グイグイ

七咲(これは…私、完全に蚊帳の外だ)

七咲(…ってあれ、足音が…また誰か来た?)

「なんか聞き覚えのある声が聞こえてくると思ったら…あんた達何やってんのよ…」

梅原「ん?」

純一「うわ、誰だと思えば薫に田中さんじゃないか」

棚町「うわって何よ、うわって。失礼ねえ…」

田中「橘君に梅原君、こんばんは」

純一「うん、こんばんは田中さん」

七咲「棚町先輩、こんばんはです」

棚町「あら?七咲さんじゃない!…ということは」クルッ

純一「な、なんだよ薫…こっち見て」

棚町「ふーん、大晦日デートとは…あんたもやるわね!このこの!」ガスガス

純一「い、痛い痛い!脇でドつくのはやめてくれ!」

田中「七咲…さん?」

純一「あ、そうか。そう言えば田中さんには言ってなかったっけ」

梅原「大将…地味に酷いことするな」

純一「まあまあ…紹介するよ。一年生の七咲逢、僕の彼女だよ」

七咲「初めまして、1年B組の七咲逢です」

田中「あ、初めまして。2年A組の田中恵子です」ペコリ

田中「えっと、橘君の彼女の七咲さん……ってええ!?か、彼女!?」

棚町「え、まさか恵子…知らなかったの?」

田中「うん、初耳だよ…」

梅原「マジかー、クラスでも結構話題になってたからてっきり田中さんも知ってると思ってたぜ」

田中「ええ、そうなの!?全然気づかなかったよ…。薫も教えてくれればいいのに」

棚町「いや、あたしもてっきり知ってると思ってたから…」

田中「ええ~…ひどいよみんな…」

純一「ははは、まあそれは置いといて…」

田中「えっ」

純一「二人ともここへ何しに来たの?梅原と一緒でブラブラしてるとか?」

棚町「うーん、まあ半分正解と言えば正解かしら」

純一「ん?どういうことだ?」

梅原「あ、そういえば棚町って今日もバイトだったな」

棚町「そうなのよ~…さっき終わった所でね。何だかこのまま帰るのもあれかな~って思ったから」

純一「それでここに来た、と」

棚町「そういうことね~」

純一「まあ薫はいいとして、どうして田中さんまで一緒に?」

棚町「ああ、一人で行くってのも虚しいからどうせ暇してたであろう恵子も呼んであげたのよ」

梅原「呼び出した、の方が正しいだろうな」ボソッ

棚町「梅原…あんた何か言った?」

梅原「い~え何も?田中さんも大変だなあって。なあ田中さん」

田中「あはは…私なら平気だよ。薫の言う通り暇だったしね」

棚町「そーよ!むしろもっと私に感謝してほしいくらいね!」

純一「そんなに威張って言うセリフか…」

七咲「先輩…棚町先輩って結構強引な人なんですね」ヒソヒソ

純一「中学の頃からあんなのでね…僕も随分振り回されたよ」ヒソヒソ

梅原「で、棚町に田中さんはこれからどうするんだ?」

棚町「そうねえ…あんたらはどうするのよ」

純一「え?僕達はここで除夜の鐘聞きながら新年迎えようかと」

棚町「じゃあ私達もそうしましょっと。いいわよね恵子?」

田中「う、うん。別にいいけど」

棚町「よっし決まり!私達もしばらく一緒に居させてもらうわ」

純一「げっ…うるさいのが増えちゃったなあ」

七咲「まあまあ先輩、賑やかでいいじゃないですか」

純一「僕としては七咲と二人っきりで過ごすのも良かったんだけどなあ」

七咲「折角偶然出会えたんですから。それに二人きりの時間はこれからいくらでも作れるじゃないですか」

純一「うーん確かに…それもそうだな!」

棚町「しっかしここで新年迎えるったって…いかんせん暇ねえ」

梅原「まあ、せめて何か食い物でもあったらいいよな」

純一「おいおい…そんな贅沢言うなって。何だかお腹減ってくるじゃないか」

純一「ほら、何だかメロンパンの甘い香りが漂って来るようで…」

「あら、みんなしてこんな所で…何してるの?」

純一「あ、絢辻さん!?」

棚町「あら?絢辻さんじゃない。こんな所で奇遇ねえ」

絢辻「橘君、梅原君、棚町さんに田中さんに…その子がもしかして七咲さん?」

七咲「あ、はい。初めまして」ペコリ

純一「あれ、絢辻さんって七咲を知ってるの?」

絢辻「知ってるも何も、あれだけクラスで噂になれば嫌でも分かるわよ」

梅原「確かにそりゃそうだな」

絢辻「それはいいとして、橘君達はこんな所で何やってるの?」

純一「何って…特に何もしてないよ」

絢辻「え?」

梅原「そうだな、何もしてないな」

絢辻「ふーん…」

田中「ところで絢辻さん、その抱えている紙袋の中身って…」

絢辻「ああこれ?駅前で買ってきたメロンパンよ」ゴソゴソ

純一「なんだ、妙にいい匂いがすると思ったらそれだったんだね」

絢辻「ええ、もし良かったらみんなも食べる?」

梅原「おっ、マジか!」

棚町「絢辻さん太っ腹!」

絢辻「これだけの量、私一人じゃ食べきれないしね」

梅原「どれどれ…ってうお!確かにこの量は女の子一人じゃ無理だな…」

絢辻「そうなのよ…店のおじさんがちょっとおまけしてくれてね?」

純一(絢辻さん…またあの手を使ったのかな)

絢辻「はい、七咲さんもお一つどうぞ」スッ

七咲「あ、ありがとうございます。絢辻先輩」

七咲「では早速…はむっ」

絢辻「お味はどう?」

七咲「もぐもぐ…うん!このメロンパン、すっごく美味しいです!」

梅原「うおっ!確かにこいつは美味いな!コンビニのメロンパンとは大違いだぜ」

絢辻「そうでしょ?あそこは作り立てを渡してくれるから温かくて美味しいのよ」

純一「外はカリっと、中はフワっとしてて…これは百点満点のメロンパンだね!」

田中「ほんとに美味しい!」モグモグ

絢辻「ふふっ、皆に喜んでもらえたようで良かったわ」

純一「そうだ、絢辻さんは何でここに来たの?しかもメロンパン抱えて」

絢辻「ああ、私は……何となく家に居るのが嫌だった…だからかな?」

梅原「何となく…?」

絢辻「ええそうよ。寒いからメロンパン食べようと思って買ったら思いの外サービスしてくれちゃってね」

絢辻「で、誰か知り合いに会ったら分けようかなって考えてたらいつの間にかこんなとこまで来てたのよ」

棚町「成る程ねえ…で、あんたはどうする?ここで私達と一緒に新年迎える?」

絢辻「そうねえ…特に行く宛もないし、私もここに居ようかしら」

梅原「ははっ、これでまた一人大晦日の暇人が増えたわけだ」

田中「何だかドンドン増えていくね!」

純一(うーん、何だか凄い事になって来たぞ)

純一「さすがにもう増えないよね…ははっ」

「…ちゃーん……ってよ~」

「…う…さく…いが…そす…るんだって」

純一「……何だかまた聞き覚えのある声が」

「もー桜井おそーい!もう私着いた…ってあれ?」

「え?…香苗ちゃーん!どうしたのー!」

「ほら、桜井も早く早く!」

純一「い、伊藤さん!伊藤さんが居るということはやっぱり…」

桜井「はあ…はあ…もう、香苗ちゃん登るの速いよ~…」

純一「梨穂子!やっぱりその声は梨穂子だったか」

桜井「ふえ?あ、純一!」

伊藤「橘君に…梅原君…絢辻さんまで!みんなこんな所で何してるの?」

絢辻「何…というわけじゃないけど、まあ暇つぶしってやつかしら」

伊藤「暇つぶしねえ…あ、そこのもじゃもじゃ頭のあなた、確か…棚町さんだったわね?」

棚町「も、もじゃもじゃって…」

純一「ぷぷーっ!も、もじゃもじゃ……ぶふっ」

棚町「あんたはうるさい!」ゴスッ

梅原「大将…」

純一「ぐふゅっ…わ、脇腹はやめて…」

七咲「せ、先輩…大丈夫ですか?」

梅原「大丈夫だよ七咲、いつもの事だ」

棚町「そうそう、いつもの事よ。ね、純一?」

純一「そうだよ七咲、心配してくれてありがとう。あいたた…」

七咲「い、いつもの事ですか…」

伊藤「あ、七咲って…あなたが橘君の彼女の七咲さんね!」

七咲「はい、そうですが…あなたは?」

伊藤「そうだ、自己紹介遅れちゃったね。私は2ーBの伊藤香苗、パソコン部の部長やってるんだ」

桜井「あ、私は桜井梨穂子。香苗ちゃんと同じクラスで茶道部所属なんだ。よろしくね~」ヒラヒラ

七咲「桜井先輩に伊藤先輩ですね。1-Bの七咲逢と言います。こちらこそよろしくお願いします」ペコリ

伊藤「わあ、礼儀正しくていい子ねー!橘君にはもったいない彼女だわ」

純一「い、伊藤さん…」

七咲「くすくすっ」

桜井「くんくん…ところでさっきからメロンパンのあま~い香りが…くんくん」

絢辻「ああ、これのことかしら」ガサガサ

純一「まったく、梨穂子は相変わらずだな。絢辻さん、良かったら一つ上げてもらってもいいかな」

絢辻「もちろんいいわよ。どうぞ、桜井さん。伊藤さんも良かったらお一ついかが?」

桜井「あっ!絢辻さんありがと~!」

伊藤「そう?じゃあ遠慮なく…はぐっ」

☆安価結果☆
15→提督の勝ち


ここで時間になりましたので、ちょっと本編を中断して、新年イベントのテンプレをもう一度貼ります。





《新年イベント ――年の変わるその瞬間こそチャンス?――》

☆年の変わるその瞬間に投稿された安価で、好感度ポイントをプレゼントする艦娘と、
 >>1が小ネタとして書く、安価ではない『息抜きオマケ短編SS』の内容を募集します。

☆まずは以下の項目(~の内側)をコピペする準備をしてください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ポイントを上げたい艦娘】:


【オマケSSに出す艦娘(1人or2人)】:
【オマケSSのテーマ(単語or短文)】:

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

☆上の項目では、好感度ポイントを上げたい艦娘を【一人だけ】書いてください。
☆年が明ける(2015/01/01 00:00:00.00になる)【直前】に投稿された有効安価に書かれた艦娘に、
 好感度ポイントを10ポイント授与します(同着の場合、新年に近い【下が優先】です)


☆下の項目では、オマケSSのリクエストを募集します。
☆艦娘欄では、オマケSSの中心人物にしてほしい艦娘を、【一人または二人】書いてください。
☆テーマ欄では、オマケSSのテーマを【単語か短文】の形で書いてください(例:○○な話etc)
☆オマケSSのテーマは、本編に関係するものでも、全く無関係のものでも構いません。
☆あんまりヒドいテーマだと、無効安価にするおそれがあります。常識の範囲内でお願いします。

☆SSリクエストの中心艦娘欄とテーマ欄は【両方書いてください】。両方書いてなければ、無効安価です。
☆年が明ける(2015/01/01 00:00:00.00になる)【直後】に投稿された有効安価を、
 リクエストとして採用します(同着の場合、昨年に近い【上が優先】です)

☆オマケSSは、このシリーズのスレッド内で、近い内に本編を一時中断して投稿します。
☆オマケSSは、短時間で投稿が終わる短いものにする予定です。
☆オマケSSは安価SSではありません。


☆仮にコンマまで新年ピッタリ(2015/01/01 00:00:00.00)に有効な安価が投稿された場合は、
 その安価のポイント艦娘とSSリクエストを両方採用します。
☆更にポイント艦娘にはピタリ賞として、通常の10ポイントに加えて更に10ポイント(合計20P)を授与します。

☆新年ピッタリが複数あった場合、【ポイント艦娘は全員に】ピタリ賞を含めた20ポイントを授与します。
☆ただし、新年ピッタリが複数あった場合のSSリクエストに関しては、【上が優先】となります。


☆安価を投稿する際は、上のテンプレをコピペして記入してください。
☆テンプレに則らない場合、無効安価になる可能性があります。
☆ポイント艦娘、SSリクエストは、【両方書いても、どちらか一方だけ書いても構いません】
☆ただし、SSリクエストは【必ず中心艦娘とテーマの両方書いてください】。

☆ポイント艦娘と、SSリクエスト艦娘は同じでも構いません。
☆ポイント艦娘と、SSリクエスト艦娘の書く欄を、間違えないように気を付けてください。

☆仮に間違えた場合は、【今回の更新終了までに】同IDで>>1に訂正を申し付けてください。
☆訂正を受け付けるのは【SSリクエストのみ】です。ポイント艦娘は前日のIDとなるため、変更はできません。


☆ポイント艦娘の期限は【年が明ける直前まで】、SSリクエストの期限は【年が明けて10分以内】です。
☆それぞれ期限までに有効な安価が無かった場合、ポイント授与またはオマケSSは【なしになります】。
☆ただしサーバーに障害が発生するなど、やむを得ない災害が発生した場合は、柔軟に対処いたします。


☆このイベントの内容は、23:45に再度告知します。
☆何か質問があれば、年が明けるまでに質問してください。

桜井「もぐもぐ…もぐもぐ…」

伊藤「…うん!このメロンパン美味しいわ!」

桜井「ふぉんとだね~。おいひふぎてふぉまらないふぉ~」

純一「梨穂子…取り敢えず全部食べてから喋れよ…」

棚町「しっかし大所帯になったわね。1…2…8人かあ」

絢辻「一気に増えたのね」

梅原「んでさ、伊藤さんと桜井さんがここに来た理由って…」

伊藤「え、ここに来た理由?そうねえ……桜井、何でだっけ?」

桜井「ふえ?え~っと…そう言えば何でだろう?」

梅原「おいおい…まさか二人とも何となくでこんな所まで?」

棚町「あんたの言えた事じゃないと思うわね」

梅原「へいへい、ごもっともで」

純一「そうだ、二人ともこの後何か予定ある?」

桜井「ううん?特に決めてないよ~。もう家に帰るつもりだったから」

純一「良かったらここで僕らと一緒に年越ししない?」

伊藤「おっ、いいわねそれ!私は賛成よ」

桜井「そうだね、香苗ちゃんが残るって言うなら私もここに居ようかな」

絢辻「また二人追加、ね」

七咲「そうですね、ふふっ…あれ?」

絢辻「七咲さん、どうかした?」

七咲「何だか、誰かが急いでこっちに走ってくる足音がするような…」

「はあっ…はあっ…はぁっ…!」タッタッタ

絢辻「あら?ほんとね…誰かしら」

「はあっ……はあっ!」

七咲「あ、あれ?もしかして…美也…ちゃん?」

美也「ぜー…はー…あ、逢ちゃ~ん…」

純一「み、美也!?」クルッ

美也「お、お兄ちゃん…それにりほっちも…」ゼーハー

純一「どうしたんだ?そんなに息切らせて…」

美也「こ、これには…ふかーい訳が…」

「子猫ちゃーん!どこいったの~?」

美也「ふみゃっ!ご、ごめんお兄ちゃん!」ササッ

純一「ど、どうした美也、急に僕の後ろに隠れて…」

美也「ちょっとだけ、ちょっとだけお願い!」

純一「はあ、別にいいけど…

「子猫ちゃ~ん、もう逃さないわよ~?…ってあら?」

純一「あ、森島先輩!こんばんは」

森島「橘くんじゃない!それにこんな大勢で…どうしたの?」

七咲「森島先輩、こんばんは」

森島「わお!逢ちゃんまで居るのね!あっ、そうだ…ところで橘君」

純一「は、はい」

森島「美也ちゃん見なかったかしら?絶対こっちに来てるはずなんだけど…」

純一「い、いえ…知らないです」ササッ

森島「…むむっ?今何か隠さなかったかしら」

純一「いえいえそんなことは…ははは」

森島「むうー……あら?」

美也「……」コソコソ

森島「子猫ちゃ~ん…もう逃さないわよー!それ!」ガバッ

美也「み"ゃーー!!」ジタバタ

森島「あーんもう、本当に可愛いわね!このこのぉ!」グシグシ

美也「に、にぃに~~!助けてよぉ~!」

純一「と、言われても…」

七咲「この状態になった森島先輩を止めれるのはあの人しか…」

「はーるーかー、いい加減にしなさいっ」ペシン

森島「あいたっ、もう…ひびきちゃんったら固いんだから~」

塚原「もう、はるかったら急に走りだして…何かと思えば橘君の妹さん捕まえて何してんのよ」

森島「だって~…目の前にこーんな可愛い子猫ちゃんがいたら捕まえるしかないじゃない」

塚原「それが駄目だって言ってるのよ…ってあら?よく見たら随分人が…」

七咲「塚原先輩、こんばんは」ペコッ

純一「こんばんは、塚原先輩。やっぱり塚原先輩も来ましたね」

塚原「橘君に七咲に…あなたたち、こんな夜遅くにこんな大勢で…一体何をしていたの?」

純一「何をしてた…というわけじゃないんですけど」

七咲「ちょっとした暇つぶし…ですね」

塚原「暇つぶしねえ…というか橘君、今やっぱりって」

純一「あ、いえ…森島先輩が来たなら多分塚原先輩も一緒に居ただろうなって思って」

塚原「くすっ、そういうことね。それなら大当たりよ」

七咲「それで…どうして先輩方はここへ?しかも美也ちゃんも…」

塚原「私は…はるかから暇だから散歩に付き合ってって電話が来たから一緒に街を歩いてたのよ」

塚原「そしたらはるかがあなたの妹さんを見つけてね、はるかを追いかけてたらここまで来ちゃったのよ」

七咲「先輩…こんな大晦日までお疲れ様です」

塚原「ほんと、まさかコレだけ走り回るとは思わなかったわ」

純一「…ん?確か美也は今日中多さんと遊んでたはずじゃ…?」

美也「…あっ!紗江ちゃん置いてけぼりだった!」

純一「お、お前なあ…」

美也「ちょっと探してくる!」タッタッタ

純一「あ、み、みや!…行っちゃった」

七咲「あの行動力はさすが先輩の妹って感じですね」

塚原「ふふっ、確かにそうね」

森島「で、橘君達はここで何してるの?それもこんなに大勢で!」

梅原「いえね、何をしてるって訳じゃあないんですけど…そうだ大将!折角だし先輩方も…」

純一「ふむ、なるほど…。森島先輩に塚原先輩、良かったら僕達とここで新年を迎えませんか?」

塚原「ここで新年を…?」

森島「わーお!グッドアイデーアよそれ!もちろんいいわよ!」

塚原「そうね…私もどうせ暇だし、いいわよ。それに…」

純一「それに?」

塚原「はるかのストッパーが居ないと、色々大変な事になるでしょ?」クスッ

純一「あはは、確かにそうですね」

森島「ひっどーい!ひびきちゃんそれどういう意味よ!」

塚原「そのまんまの意味よ」

梅原「お?美也ちゃんが戻ってきたようだぞ」

美也「おまたせー!紗江ちゃん連れてきたよー!」

中多「あ、あの…皆さんこんばんは…」

純一「美也、わざわざこっちに連れてこなくても…そのまま家に帰ればよかったんじゃないか?」

美也「だってお兄ちゃんがいない家なんて何だか寂しいじゃん!にしししし!」

七咲「先輩と美也ちゃん、仲が良くて羨ましいです」

純一「そうかなあ…」

棚町「何だか盛り上がって来たわね~」

絢辻「そうね、まさかここまで増えるとは思いもよらなかったわ」

棚町「あれ?ところであんた、メロンパンはどこにやったの?」

絢辻「あそこよ、あそこ」クイッ

伊藤「桜井…あんたあれだけのメロンパン全部食べるとは…」

桜井「ふぇ?…ごくんっ、えへへ…美味しすぎてつい…」

棚町「…さすが桜井さん」

絢辻「橘君からたびたび聞いてはいたけど、まさかあれほどとはね」

桜井「う~ん、幸せ~」モグモグ

伊藤(私ももう一つ食べたかったな…)

七咲「中多さんごめんね、こんなのに付きあわせちゃって」

中多「あ、逢ちゃん…ううん、大丈夫だよ」

純一「いやーほんとすまない!うちのバカ妹が…」

美也「こらにぃに!聞こえてるってば!」

純一「だからにぃにって呼ぶなって!」

美也「あっ、いっけない」

中多「先輩と美也ちゃん、ほんとに仲が良くて羨ましいですね」ニコッ

純一「みんなそう言うんだけどなあ…」

七咲「事実ですからね」

梅原「兄弟愛ってやつだな」

やべぇ新年早々こんな良SSが投下されてるとは気づかなかったわ
支援

伊藤「ところで今何人いるの?」

梨穂子「えっと…1…2…3…」

絢辻「12人ね」

塚原「大晦日のこんな時間に12人って…凄いわね」

森島「何だかお祭りみたいね!」

純一「お祭りってほどの人じゃないような…」

森島「比喩表現ってやつよ、比喩表現!」

梅原「お、今年も後1時間を切ったな」

梨穂子「わあ、何だかあっという間だねえ~」

純一「これだけ居るなら折角だし年越しそばでもみんなで食べたかったなあ」

梅原「今からインスタント買いにコンビニ走るか?」

伊藤「それ、間に合うかしら…」

棚町「ダッシュでいけば何とかなるんじゃない?」

絢辻「まずお湯の心配しなさいよあなたたち…」

純一「ああ、なるほど…お湯かあ」

塚原「…何でみんな買うこと前提なのかしら」

七咲「さあ…」

森島「子猫ちゃ~ん!んー!」ギュー

美也「うへぇ…」グッタリ

紗江「み、美也ちゃん…」

森島「…むむっ、そこのあなた!」

紗江「は、はいぃ!」

森島「お名前は?」

紗江「な、中多紗江です…」

森島「紗江ちゃんか…むむむ」

紗江「あう…な、何でしょう…」

森島「あなた…かなりいいスタイルね!特に…」ジィー

紗江「え?あ、ありがとう…ございます?」

森島「ね、触ってもいい?いいわよね?触るわよ!」ガバッ

紗江「ひえっ!?あ、あひゃあー!」

グニグニ

森島「あー素晴らしいわ!このふかふか感…うーん最高!」

紗江「あ…駄目です先輩…!」

七咲「先輩…あそこ…」

塚原「ん?」クルッ

森島「ほらほらぁ!いいわよいいわよー!」モミモミ

紗江「だ、誰か助けてくださいぃ~」

塚原「……はぁ」

七咲「…お疲れ様です、先輩」

塚原「まったく、はるかったら何下級生の胸を揉んでるんだか…」

七咲「胸を揉む…」

七咲「………」スカッスカッ

七咲「………はぁ」

梨穂子「あれ?純一~、香苗ちゃん知らない?」

純一「ん?そう言えば見てないな。おーい梅原ー!」

絢辻「あら、梅原君ならさっき伊藤さんとどこかに行ったわよ」

純一「え?いつの間に…」

棚町「何だかあの二人、いい雰囲気だったわよ?」

田中「うんうん、確かに」

純一「伊藤さんと梅原さんが…か。まさかね…」

梨穂子「そう言えば何だか小腹空いてきたような…」グウー

絢辻(あれだけメロンパン食べておいてなおお腹を空かせるとは…)

絢辻「…さすがね桜井さん」

桜井「ふえ?」

伊藤「たっだいま~」

梅原「あー疲れたっと」

純一「あ、梅原に伊藤さん!二人して何処行ってたの?」

伊藤「ちょっとこれを買いにね」ドサリ

棚町「ん?それは…」

桜井「あ!ココアだ!」

梅原「そう!下の自販機まで買いに行ってきたんだぜ」

純一「さっすが梅原!気が利くなあ!」

梅原「いや、このアイデアは伊藤さんが出してくれてな」

伊藤「いやあ、年越しそばは駄目だから代わりに年越しココアってのもいいかなあーって」

桜井「さっすが香苗ちゃんー!」



>>52 桜井が梨穂子になってました。ごめんなさい

絢辻「でも何で伊藤さんはわざわざ梅原君を?」

伊藤「えっ!?あっ、それは…たまたまと言うか…そうたまたまよ!」

梅原「そうそう、たまたま俺が伊藤さんの近くにいたからな」

絢辻「…ふ~ん、たまたまねえ…」ニコリ

純一(あ、絢辻さんのあの顔は面白がってる顔だな)

棚町「本当にたまたまかしらねぇ~?」ニコニコ

純一(二人ともそっとしといてあげればいいのに…)

伊藤「ほ、ほんとよ!」

絢辻(また伊藤さんの気持ちに気づいてないのが梅原君らしいわね…やれやれ)

桜井「二人とも、なんだか仲よさそうだね!」



中多「はふぅ…もう駄目ぇ…」グデン

美也「さ、紗江ちゃんお疲れ様…大丈夫?」

七咲「うん、ほんとにお疲れ様」

森島「あーんふかふかちゃん…もう少しだけ…」

塚原「はーるーかー…?」

森島「もう、わかってるわよ…ひびきちゃんそんな顔しないで?」

塚原「はあ…どうして年末のこの瞬間まで振り回されなきゃ…」

伊藤「あの~、よかったらココアどうですか?」ヒョイ

塚原「え?あら、ありがとう。えっとお名前は…伊藤さんだったわよね?」

伊藤「あ、はいそうです!まさか覚えてていただけるとは」

塚原「ふふっ、新入部員を取り合った仲だものね」

伊藤「そうですね…結局中多さんは帰宅部に入部しちゃいましたし」

塚原「ほんと、残念だったわ…」

伊藤「パソコン部3人目の部員となるはずだったんですけどね…」

塚原「はるか、ココアあるけど飲む?」

森島「そうなの?是非頂きたいわ!」

伊藤「これ、どうぞ」

森島「ありがとう!これ、あなたが買ってきてくれたの?」

伊藤「はい、梅原君と二人で自販機まで」

森島「わざわざありがとうね!とっても嬉しいわ!」

伊藤「いえいえ、これくらいは…。はい、七咲さん達も」

七咲「ありがとうございます。では遠慮なく…はい、美也ちゃんと紗江ちゃんの分」

美也「逢ちゃんありがとう!はあ~ぬっく~い」スリスリ

中多「ありがとう、逢ちゃん」ニコリ

純一「ずずず…はあ、生き返るなあ」

棚町「ほんっと、この寒空の下で飲むココアはまた格別ね!」

桜井「あちちっ…ふうーふうー」

絢辻「ずずっ…うん」

梅原「どうだ?大将、わざわざ俺たちが長い階段を下って買いにいったココアの味は」

純一「うん、美味いよ梅原!ほんとありがたいよ」

梅原「うんうん、喜んでもらえたなら良かったぜ!」

絢辻「たまにはいいことするじゃない、梅原君も」

梅原「た、たまにはって…キツイぜ絢辻さん…」

純一「ははは…」


塚原「ずず…ふぅ」

七咲「美味しいですね、塚原先輩」

塚原「そうね、何だか飲み慣れてるのに新鮮な味だわ。環境のせいかしら?」

七咲「夜空の下でみんなで飲むココア…確かに一段と美味しく感じますね」

森島「ふうー、ふうー…」

七咲「あれ?森島先輩は飲まないんですか?」

塚原「ああ、はるかはちょっと猫舌気味なのよ」

森島「ずずっ…うん、丁度いいわ」





ゴーン ゴーン

梅原「はあ、今年ももうすぐ終わるんだな…」

純一「早いもんだね、一年なんて」

棚町「ほんと、あっという間ね」

絢辻「今年は特に忙しい一年だった気がするわ」

伊藤「今年も色々あったわねー…」

桜井「確かに~。…そういえばるっこ先輩達は今頃何してるのかな?」


夕月「ヘックショイ!…うう」

飛羽「…風の季節」

夕月「いや、絶対どっかで私らの噂してる奴いるな…?」

飛羽「…お節介」

夕月「しっかしなあ、年の瀬だというのにどうして私ら二人だけで年越し蕎麦食ってんだろうな」

飛羽「…恒例行事」

夕月「まあ、確かにそうだけどさ…せめて3年生最後だしワイワイ騒いで年越ししたいキモチもだな」

飛羽「…普通が一番」

夕月「普通か…まあ、これも私達らしくていいかな。…っと、除夜の鐘が聞こえてきたな」

ゴーン ゴーン

塚原「除夜の鐘…もう少しで今年も終わりね」

森島「はぁ~、今年も一年お疲れ様でした!」

塚原「ほんと、自分にお疲れ様だわ…」

七咲「くすくすっ、そうですね」

塚原「来年は今年よりもっと忙しくなると思うけど、頑張ってね七咲」

七咲「はい!塚原先輩を見習って、水泳部を引っ張っていきます!」

塚原「その様子なら安心ね。でもあまり無理しちゃだめよ?」

森島「そうそう!疲れた時には愛しの彼氏に甘えるってのもありよね~」

七咲「えっ!あ、はい…」カアァー

塚原「もう、はるかったら…あんまりからかっちゃ駄目よ?」

森島「赤くなってる逢ちゃん、か~わいい!」

七咲「あう…」

純一「七咲ー!どこだー!」

塚原「ほら、橘君が呼んでるわよ?行ってあげなさい」

七咲「あ…は、はい!せんぱーい!今行きまーす!」タッタッタ

森島「うふふ、青春ねえ」

塚原「あら、はるかも青春が味わいたいのならすぐにでもできるじゃない」

森島「そりゃそうだけど…なーんかね、こう…ズガーンと来ないのよ」

塚原「ズガーンねえ…」

森島「そうそう、そういう意味では橘君は良かったんだけどなあ…先越されちゃった」

塚原「はるか…」

森島「あー…いけないいけない、何だか私らしくないわね、うん!」パンッ

塚原「また大学とか職場とか、いくらでも出会いの場はあるわよ。ただ…」

森島「ただ…?」

塚原「橘君レベルの人は…きっと早々見つからないわね」クスクス

森島「確かに!それは言えてるわね~」

ゴーン ゴーン

田中「わあ、今年も後数分ね」

七咲「何だか新年を迎えるってドキドキしますね、先輩」

純一「何かこう、新しい何かが始まるって感じがするからじゃないかな」

棚町「確かに言えてるわね。やっぱり特別な日なのね、元旦って」

絢辻「新年を迎えるってのはそういうものなんじゃないかしら?」

桜井「な、何だかドキドキしてきた!」

伊藤「桜井…あんたせわしないわよ?」

桜井「だ、だって~…何だかジっとしていられなくて」


美也「今年ももう終わりだね、紗江ちゃん」

中多「そうだねえ、美也ちゃん。何だかこんな大勢で新年を迎えるなんて私初めてで…」

美也「うんうんわかるわかる!何だか訳もなくテンション上がっちゃうよね!」

中多「美也ちゃん、わかってくれるんだね!」



梅原「と、言うわけで今年も残り数十秒です!それでは皆さんカウントダウン行ってみましょうー!」

美也「じゅうー!」

中多「きゅ、きゅう…」

塚原「はち…何だか恥ずかしいわね」

森島「なな!」

伊藤「ろく!」

桜井「ご~」

絢辻「よん…ってなんで私まで」

棚町・田中「さん!」

梅原「にっ!」

純一・七咲「いち!」

ゴーン 

梅原「いえーい!あけましておめでとうございまーす!!」

棚町「あけましておめでとうー!」

田中「お、おめでとう!」

桜井「わーい!あけましておめでとう~」

伊藤「あけましておめでとうございます!」

絢辻「新年あけましておめでとうございます」

森島「ハッピーニューイヤー!!いえーい!!」

塚原「あけましておめでとう…ってはるか、騒ぎ過ぎよ…」

美也「あけましておめでとう!にしししし!」

中多「あ、あけまして…おめでとうございます…」

ワイワイ ガヤガヤ

純一「はははっ、凄い騒ぎだな」

七咲「ええ、ほんとにここだけお祭りみたいです」

純一「年が明けたんだなぁ…」

七咲「ええ、新しい1年の始まりですね」

純一「今年も無事に過ごせるといいね」

七咲「さあ、それはどうでしょう?」

純一「えっ、七咲…それはどういう…?」

七咲「ふふふっ、秘密ですよ」

純一「お手柔らかにお願いします…」

七咲「くすくすっ。何はともあれ、先輩」


七咲「…あけましておめでとうございます!」

純一「うん、あけましておめでとう、七咲!」


  ~完~

というわけで皆さん、新年あけましておめでとうございます!

今年も皆さんに取って良いお年でありますように

>>1
いいものをありがとう

おつおつ、面白かった

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom