天龍「ん…？何かこっちに向って…」

フラグシップレ級『あれ核や』

エリートヲ級『そんなん反則やわ』

戦艦棲鬼『ほんまありえへんわ、人質おるっちゅーのに』

ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

―――――――――
日向「この前の作戦、よくやったじゃないか」

不知火「いえ…不知火は任務をこなしたまでです…天龍さんは？」

日向「あぁ、ピンピンしてるよ」

不知火「さすが天龍さんですね。周りの深海棲艦は灰になったというのに」

日向「あれぐらいの損傷ならガムテープでなんとかなったらしい…ところで不知火」

不知火「はい？」

日向「核は一日一回と言ったばかりだろう」

日向「改装によって核を搭載出来たからといって、あんなにバカスカ撃つ物じゃない」

日向「お前、巷で何て言われてるか知ってるか？」

日向「『デストロイヤー不知火』とか言われてるんだぞ」

不知火「駆逐艦ですから」

日向「いや…」

不知火「一日一回は少なすぎます、やはり一日千回ぐらい」

日向「全てを破壊しつくすつもりか」

不知火「日向さん、この間の作戦で起きた『あの事』を忘れたのですか！？」

日向「……」

不知火「あの時、不知火が核を撃てば黒潮は沈まずに済んだのに日向さんは…！」

日向「……」

黒潮「生きとるで！」

日向「それでも、だ」

日向「不知火、明日からお前の核攻撃はロックさせてもらうからな」ｻﾞｯ

不知火「日向さん！」

黒潮「生きとるで！」

翌日


日向「それでは出撃開始する」

不知火「クッ…ロックされてて核が撃てない…」

日向「昨日言っただろ」ｽｯ

不知火「何ですか？そのラジコンみたいのは？」

日向「核攻撃はこちらでやる、このラジコンのボタン一つでお前から核を発射させる事が出来る」

日向「なのでお前の意思では核を撃てない」

日向「このラジコンは大井が管理してもらう」ｽｯ

大井「任せて下さい」

不知火「クッ…これじゃあ、ただの駆逐艦じゃない…！」

不知火「誰も黒潮の二の舞にさせたくないのに…！」

黒潮「生きとるで！」

―――――――――――

北上「よーし北上さまの攻撃だよー！」

大井「キャーッ！北上さーーん！素敵ィーーーッ！」

不知火「……」

―――――――――――――――


北上「うわっ！攻撃あたった！」ﾎﾞｫﾝｯ!

北上「くぅ～…なんて遠くから撃って来るんだ…」

大井「北上さん…」ﾊﾗﾊﾗ…

北上「うわっ！また！」ﾎﾞｫﾝｯ!

北上「うっ…今度は魚雷が来た…！」

大井「どうしようどうしよう…あの距離じゃ私の攻撃も届かないだろうし…」ﾊﾗﾊﾗ…

不知火「……絶好のポジションですね」

大井「えっ！？」

不知火「こういう時の為の核ですよ、大井さん」

大井「ば、馬鹿言わないで！こんな事に核なんか使えないわ！」

不知火「別に良いですよ…このまま北上さんと、お別れしたいと言うなら」

大井「う、うぅぅ～～…うぅぅぅううう……！」

北上「大井っち…私どうやら…ここまでみたい…」

北上「なんか…動けないし…不知火、大井っちお願いね」

大井「うぅぅぅ～～～～～～～～！！！」

大井「ハァッ…！ハァッ…！ハァッ…！」

不知火「このままでは北上さんに集中砲火が来る可能性があります」

不知火「しかし大井さん、あなたにはそれを防ぐ方法を持っている」

大井「ハァッ…！ハァッ…！」

不知火「助けるか助けないか、あなた次第ですよ。大井さん」

大井「ハァッ…！ハァッ…！」

北上「大井っち…ありがとね」


大井「そ、そんなに…！核の力が見たいのか…！？」

大井「き、北上さんに…攻撃してくる…お前達が悪いんだぞ…！」ｶﾞｸｶﾞｸ…

大井「ヒッ…！や、やってやる…！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ…

大井「北上さんが…！やられる…前に！」ｶﾁｯ!


バシュウウウウウウウウウ！！！


北上「あ、動けたわ」

――――――

利根「な、なんじゃなんじゃ！？花火か！？花火かのう！？」

球磨「あ、あれは…不知火の…誰が発射ボタンを押したクマ！？」

球磨「！」

大井「あ…あぁ…」

球磨「大井ィッ！貴様ァッ！勝手に核戦争をおっ始めるつもりかクマーッ！？」ｶﾞｼｨｯ!

大井「や、やらなきゃ…北上さんがやられます…！球磨姉さん…！」

球磨「…」ﾁﾗｯ

北上「大丈夫でしたわ」

球磨「コイツを艦隊から叩き出すクマ！」

利根「たーまやー！」


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・


利根「おー、最近の花火は変わっとるのー」

不知火「つまらないわね…もっと装甲が硬い敵は居ないのかしら」

球磨「日向にはどう説明すればいいクマ…」

北上「こーいうのヒューマンエラーってヤツですかね？」

球磨「ぐぬぅ…」

利根「なんじゃ？その『ひゅーまんえらー』ってのは？それがあの花火の名前か？」

不知火「さぁ、帰りましょう」

――――――――――――

日向「大井では駄目だったか」

日向「それでは次は暁に任せる」

暁「不知火さん！絶対に撃たせないんだからね！」

不知火「むぅ」

日向「それでは出撃しろ」

不知火「行って参ります」

暁「暁が旗艦なんだから言う事聞くのよ！」

不知火（何だか、黒潮と一緒に出撃した時の事を思い出しますね）ﾌｯ…

不知火（あの頃が懐かしい）

黒潮「生きとるで！」

―――――――――――

暁「フフーン、絶好調ね！」

不知火「……」ｳｽﾞｳｽﾞ…

不知火「暁さん」

暁「何？」

不知火「この本あげます」

暁「何それ？」

不知火「これを読むだけで誰でもレディーになれる本です」

暁「えっ！？本当！？」

不知火「はい、ですがタダでは…」

暁「その手には乗らないわ！」

不知火「！」

暁「フフ、暁を騙せると思ったのかしら？」

暁「だいたい暁はスデに一人前のレディーなんだからね！」

不知火「……そうですか」

不知火「おっと」ﾊﾞｻｯ

不知火「失礼」ｽｯ

暁「ま、待って！さ、さっきその本のページに間宮さんとプリンらしき物が…！」

不知火「あぁ…間宮さんの新作プリンです。不知火は食べましたよ」

暁「ど、どうだった！？」

不知火「程よい甘さで、ちょびっと高いプリンのような感じでした」

不知火「あー…あれ良かったなー」

暁「……！」

不知火「しかし簡単には食べられませんよ」

暁「ど、どうして！？」

不知火「合言葉が必要なんです、その合言葉はこの本に載ってます」

暁「み、見せて！」

不知火「タダでは駄目です」

暁「ボタン押すから！」ｶﾁｯ!

不知火「ＧＯＯＤ」


ドシュウウウウウウウウウウ！！！


ヲ級『ヲ～♪ヲ～♪』

タ級『ター、ター』

ヲ級『ヲ？』

ヒュゥゥウウウ・・・

ヲ級『またアレかい』

タ級『ウチらこんなんバッカやな』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

――――――――――――

日向「暁を騙すとは何事だ不知火」

不知火「だって…」

暁「うぐっ…ヒック…し、不知火さんが…間宮さんの…ヒック、プリンの…合言葉あるって…言ってたのに…」

暁「うぇえええええ～～～～！！！！」

不知火「泣かないで下さい、不知火の特製『アトミックプリン』を作ってあげますから」

暁「本当！？本当の本当の本当に！？」

不知火「はい」

日向「……」

日向「これからお前は出撃無しだ不知火」

不知火「何故です」

日向「あの手この手で核を撃とうするからだ」

不知火「ぐぬぬ…しかし、不知火は黒潮の無念を…！」

黒潮「生きとるで！」

日向「さすがに鎮守府内じゃ核は撃てんだろ」

不知火「うぅぅ……！」

――――――――――――

不知火「赤城さん赤城さん」

赤城「あ、何ですか？不知火さん？」ﾑｼｬﾑｼｬ

不知火「これから出撃ですか？」

赤城「そうですけど」ﾑｼｬﾑｼｬ

不知火「それでは爆撃機にこれを積んでみて下さい」

不知火「きっと役に立つハズです」

赤城「ありがとうございます、わざわざ」ﾑｼｬﾑｼｬ

―――――――――――――――――――

赤城「艦載機！」ﾊﾞｯ!

グォオオオオオオオオ・・・

ツ級『ツ！？』

ガチャ、ヒュウゥゥゥゥゥ・・・

ツ級『あかん』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・


赤城「」

加賀「赤城さん…」

赤城「ち、違いますよ！？あ、あれは不知火さんから貰った物で……！」

日向「……あのアトミックハッピーめ」

日向「不知火、お前に監視に付ける事にした」

響「響だよ」

日向「それじゃあ、頼んだ」

響「任せてよ」

響「不知火さん、с уважением」

不知火「……響さん」

響「何だい？」

不知火「Ваше будущее в моих руках」

響「！？」

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

不知火「良い感じね」

響「うん…」

日向「……」

日向（一体何があった…？あの響が…不知火に怯えている…？）

不知火「よし、後数発撃ちましょう」

響「うん」

日向「響も駄目か……」

日向「不知火、どうしても核を外さないのか？」

不知火「これは外せません」

日向「どうして」

不知火「この核は全てを破壊する事も出来ますが、抑止力にもなるのです」

日向「抑止力を使いまくってるが」

不知火「そしてこれは黒潮の無念も詰まってるんです」

黒潮「生きとるで！」

不知火「黒潮の魂が、ここにあるんです」

黒潮「生きとるで！」

不知火「そしてこれをヤツらに撃つ事によって、ようやく黒潮の無念は晴れるのです」

黒潮「生きとるで！」

日向「お前はさっきから黒潮黒潮と…黒潮の事はもう忘れろ！」

黒潮「生きとるで！」

バンッ！

不知火「たった一人の…！不知火のたった一人の妹を…！日向さんは忘れろというのですか…！？」

黒潮「生きとるで！」

不知火「それがどれだけ残酷な事か…！日向さんは分かっているんですか！？」

日向「い、いや…そうじゃない！」

日向「ただ、黒潮は核による復讐なんて望んでないのではないか？私はそう思う」

黒潮「生きとるで！」

不知火「………」

不知火「すみません、少し熱くなってしまいました…」

日向「いや、私も…、すまなかった」

黒潮「生きとるで！」

不知火「うぅ…黒潮ォ…」ｶﾞｸｯ

不知火「あの時…あの時…核を撃っていれば…！」

日向「……っ」

日向（あの不知火が泣いている…！）

黒潮「生きとるで！」

日向「しかしだからと言って、核を好き勝手に撃たせないぞ」

不知火「チッ」

日向「次も監視を付けるからな」

日向「次は曙を監視につけておく」

曙「曙よ」

不知火「クッ…よりによって曙ですか」

曙「よりによってって何よ」

日向「それじゃあ任せたぞ」

曙「はい」

―――――――――――――――
曙「……」ｼﾞｰ…

不知火「何ですか？何をジロジロと見てるんですか…」

曙「あなたがおかしな動きをしないように見張ってるのよ」

不知火「……」

曙「！」ﾊﾞｯ!

不知火「ッ」ｶﾞｯ!

曙「フフ…何かしら？このスイッチは？」

不知火「クッ…」

曙「あなたも…まだまだｒｙ」

ドンッ！

曙「きゃっ！」

提督「おっと、すまない」

曙「あ…」

曙「ま、前ちゃんと見なさいよ！このクソ提督！」

提督「あぁ、以後気をつける」

曙「まったく…」

不知火「………」

女子トイレ前


不知火「すみません、少しトイレ行っていいですか？」

曙「構わないわ…何かするんじゃないでしょうね？」

不知火「それじゃあついてきて不知火の放尿シーンでも見ますか？」

曙「…さっさと行きなさい」

不知火「ありがとうございます」

――――――――――

不知火「確かここに隠し通路が…」ｶﾞﾁｬｯ

ガシッ

不知火「！？」

曙「そんな事だろうと思ったわ」

不知火「……やりますね」

不知火「しかし！」ﾊﾞｯ!

曙「あっ！」

不知火「ここで易々と捕まる不知火ではありません！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…

曙「待ちなさい！」ﾀﾞｯ!



曙「ハァ…ハァ…！待ちなさい！」

不知火「この辺りですね…今の時間帯なら…！」

不知火「それ！」ﾄﾞﾝｯ!

バターンッ！

曙「な、何！？この壁だけ張りぼてだったの！？」

曙「ここは…お風呂？」

提督「……」ｶﾎﾟｰﾝ

イャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！！！！


―――――――――――――――――
執務室

提督「まったく…あまり鎮守府内をジタバタするな」

不知火「申し訳ありません」

曙「～～～～！」

提督「不知火、お前はどうしてそこまで出撃したいんだ」

不知火「当然、核を深海棲艦の連中に撃ち込む為」

不知火「そして黒潮の無念を晴らす為」

提督「死んでないぞ」

不知火「提督、ＯＫと言って下さい。あなたの命令一つで不知火は出撃して今でも深海棲艦の本拠地の核を打ち込みに向います」

不知火「黒潮の仇を不知火に取らせて下さい！」

提督「死んでないぞ。曙、不知火をたのむ」

曙「フン、分かってるわよ。ほら来なさい！」ｶﾞｼｯ

不知火「うわぁあああああ！離してください！離してください！不知火は！不知火はーーーッ！」

提督「まったく…」

陽炎型の部屋


不知火「まぁ、そこの黒潮のベットを使ってください。もう黒潮は……居ませんから」

黒潮「それウチのベットやで」

曙「それじゃあ…」

不知火「ハァ…どうしても不知火を解放してくれませんか？」

曙「当たり前よ、解放なんかしたら日向さんに怒られちゃうわ」

不知火「司令って漬物が好きらしいですよ」

不知火「特にキュウリの浅漬けとか、たくあんが好きらしいです」

曙「フーン、ダッサイ」

不知火「作ってあげたらどうですか？」

曙「ハァ？何でアタシがクソ提督なんかに」

不知火「そうですか」

曙「ま、まぁ、作るぐらいなら…いいけどさ」

不知火「……」

――――――――――

あきつ丸「ん、誰か食堂に居るのでありますか？」

不知火「あけおめアトミック！」ｶﾞﾁｬｯ!

ダダダ・・・

あきつ丸「あれは不知火殿…？」

曙「うわーッ！フライパンが燃えたー！！！」

あきつ丸「な、何をやってるでありますかーッ！？」

あきつ丸「これは焼く物ではないであります」

曙「そ、そうだったんですか…」

あきつ丸「しかし何故、浅漬けを」

曙「え、えっと…あ！？し、不知火は！？」

あきつ丸「不知火殿ならさっき走ってどこかに行ったであります」

曙「しまった！」

あきつ丸「？」

―――――――――――

不知火「夕立」

夕立「んー？なぁに？不知火」

不知火「これから出撃ですか？」

夕立「そうだけどー？」

不知火「それではこれを持って行って下さい」

夕立「核っぽい！」

不知火「これで不知火の代わりに黒潮の仇を取ってください」

夕立「黒潮死んでないっぽい！」

不知火「お願いします」

夕立「夕立は別に良いっぽい…けど、日向さんに怒られるからヤダー」

不知火「クッ…！」

不知火「こうなったら…！」ﾀﾞｯ!

夕立「不知火ー？」


―――――――――――

天龍「天龍様のお通りだ！オラオラァー！」

夕立「天龍さん？艤装増えてるっぽい？」

天龍「あ？そう言えば何か肩が重いと……ん？何だこの音？」ｷｨｲｲｲｲﾝ…

天龍「うぉっ！？」ﾎﾞｫｵｯ!

球磨「ヴォー！」

夕立「ジェットエンジンっぽい！」

利根「天龍のヤツ、このままでは敵の艦隊のど真中に突っ込むぞ！？」

夕立「もう止められないっぽい！」

天龍「へッ…ヘヘへ！コイツはいいぜ！このスピード！島風以上じゃねぇか！」

ヲ級『ヲ…？』

タ級『フフ…艦娘が一人死ニニ来タワ……』

レ級『ココデ沈メテアゲル…なんやアレ！？』

天龍「オラァーッ！天龍様のお通りだーーーッ！」

タ級『レ級！逃げるんや！』

ヲ級『アイツ、背中に核積んで突っ込んできよるで！』

レ級『ホンマや！』

タ級『あー！アカン！逃げ切れん！』

レ級『また核爆発かいな！』

ヲ級『もうウチ慣れたわ』

天龍「何だテメェら！普通に喋れるじゃねぇか――」

カチッ

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・





利根「天龍ゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーッッッ！！！」

夕立「不知火…いつの間に…」

球磨「早く天龍を助けるクマ！」

―――――――――――

球磨「天龍！大丈夫かクマ！？」

木曾「天龍！大丈夫だ、傷は深いぞ！」

天龍「う…うぅ…ここは…？」

球磨「ヴォー！？本当にガムテープで修復出来たクマ！？」

木曾「しかも一分も経ってないぞ！？」

天龍「ガムテープ？なんの事だ？」

天龍「って、そんな事より俺にあんな物積ませたヤツは誰だ！？」

木曾「不知火だろうな」

天龍「アイツか！」

天龍「見つけたぞ不知火！」

不知火「何でしょうか？」

天龍「よくも俺の装備に核爆弾を積みやがったな！？」

天龍「演習で痛い目にあわせてやる！」

不知火「不知火に挑む気ですか…いいでしょう」

天龍「駆逐艦が軽巡に勝てる訳ないだろ！」

不知火「Давай 」

不知火「Если я выиграю, я уничтожу вас всех」

天龍「何言ってるか分からねぇけど表出ろ！」

―――――――――――

夕立「それじゃあ天龍さんＶＳ不知火！スタートォオオオオーーーっぽい！」

天龍「行くぜーッ！」

天龍「核は無しだかんな！」

不知火「装備してる核はロックされてて使えませんから…」

不知火「これを使いましょうか」

不知火「トマホーク、ハープーン全門発射！」

天龍「トマ…？え…？」

天龍「うぎゃああああああああああ！！！」ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵ!

不知火「勝負ありましたね」

天龍「ま、まだまだ！」

不知火「ほぅ、案外硬いですね」

天龍（俺なんで不知火と戦ってるんだろう…）

夕立「あれだけの最新兵器の攻撃を受けてもピンピンしてる天龍さん凄いっぽい！」

不知火「では、核を…」

天龍「核は無しだと言っただろう！」

不知火「天下無敵の天龍さんが、核如きに怯えてるんですか？」

天龍「お、怯えてねぇし！う、撃ってきやがれ！そんなもん絶対に効かないからな！」

不知火「よろしい、では核を使います。夕立、ラジコンを」

夕立（演習に核使うとか、どうかしてるっぽい）

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

利根「なんじゃなんじゃ！？地震か！？」

筑摩「いえ…あれは…」



「早く修復しろー！色々垂れてるぞー！」

「どうしてこんな事になったんだ天龍！」



利根「また天龍が大怪我して戻ってきたのか、心配じゃのう」

筑摩「天龍さんなら…まぁ大丈夫だと思いますけど…」

――――――――――
「おかしいと思いませんか？」

古鷹「何が？」

「どうして不知火さんはあんなに核爆弾を保有しているのでしょうか」

古鷹「うーん、そういえば…何でだろうね？」

「これは核を作っては不知火さんに裏で渡している人物が居ると思うのです！」

古鷹「協力者が居るって事？」

「そうです！その人物を見つければ…大スクープ間違い無しです！」

青葉「青葉！調査に向かいます！」ﾊﾞﾝｯ!

古鷹「どうなっても知らないよ…」

日向「不知火、またお前天龍に核を撃ったな」

不知火「あれは演習用の核です。安全を考慮されてありますから大丈夫です」

日向「前世が見えたとか言ってたぞ。大体何だ演習用の核ってのは」

日向「いい加減にしないと、山城の強化合宿に行かせるぞ。二週間ぐらい」

不知火「やめてください、この大量の核を持って亡命しますよ」


―――――――――

青葉「青葉、不知火さん見つけました…！これより尾行を開始しまーす…」

不知火「しかし核は撃たないと…」

日向「お前なぁ……やはり山城の強化合宿に」

不知火「亡命します」

日向「なら核を撃つのを我慢しろ」

不知火「しかし我慢すると禁断症状が」

日向「核を撃てなくて禁断症状ってヤバイだろそれ。とにかく山城の合宿が嫌なら我慢する事だな」

不知火「うぅぅ……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ…

青葉「……」ｺｿｺｿ…

――――――――――――――――

ビスマルク「あなた日本の艦ね」

不知火「そうです、よろしく核弾頭」

ビスマルク（核…！？）

長門「気にするな、ちょっとこの駆逐艦の頭の中がビキニ環礁になってしまってな」

ビスマルク「そ、そうなの…？」

長門「そんな事より鎮守府の中をこの長門が案内してやろう。付いて来い」

不知火「いってらっしゃい」

不知火「ハァ……する事がありませんね」ｽｯ

青葉（ようやく動きましたか……）ｺｿｺｿ…

青葉（ずっと尾行してますけど…中々尻尾を見せませんね）

青葉「あぅっ！」ﾄﾞﾝｯ!

青葉「いたた…すみませ――」

不知火「あら、青葉さん」

青葉「うぉっひぁああああああああああああ！！！！」


ドンガラガッシャーーーーン！

バキッ！ドコッ！ガッシ！

陽炎「あれ？さっき青葉さんの声が聞こえたような…不知火そこで何してるの？」

不知火「何でもありません」

ドンッ！ドンドンドンッ！ドンッ！

陽炎「その部屋に誰か居るの？物音が聞こえるけど」

不知火「あぁ…鶏が暴れてるだけです。気にしないで下さい」

陽炎「何で用具室に鶏が居るのよ」

不知火「それより陽炎、これから出撃では？」

陽炎「あっ！そうだった！急がなきゃ！」ﾀﾞｯ!

不知火「……」ﾌｩ

ガチャ

＜ｺﾛｽ

＜ﾏｯﾃ!ﾔﾒﾃｸﾀﾞｻｲ!ｼﾗﾇｲｻﾝ!ｲ､ｲｬｱｱｰｰｯ!ｱｯｰ!ｱｱｰｯ!ｲﾔ…ｲﾔｼﾞｬﾅｲ…

バタンッ

不知火「……どうにかして核を撃ち込む方法を考えないと」

不知火「…陽炎に撃たせる！」

不知火「いやいや…まさかそんな…さすがの不知火もそれは出来ません」

不知火「陽炎に核を撃たせるなんて…Ａ級戦犯ものですよ」

不知火「しかし、陽炎以外に出撃する人と言えば…球磨さんや日向さん…」

不知火「絶対に疑って持って行かないでしょう」

不知火「……何か別の方法を」

不知火「青葉さんに核を積ませて突撃させますか…」

不知火「いや…でもあの人は出撃しないし……」

比叡「不知火さん」

不知火「はい？何でしょうか比叡さん」

比叡「あのー…私が気合入れて作ったカレーの味見をして欲しいんですけど…いいですか？」

不知火「お断りします」

比叡「ヒェーッ！？」

不知火「不知火で化学実験するのはやめてください」

比叡「か、化学物質なんて使ってないですよ！ちゃんとした食材で作りました！」

不知火「嘘は止めて下さい。ちゃんとした食材を使ってたらエタノールの臭いなんかしません」

不知火「だいたい比叡さんのカレーを食べるなんて勇み足で死にに行くようなものですし」

比叡「ボロクソですね…で、でもでも！今度は大丈夫です！」

不知火「本当ですか？信じられないですね」

比叡「今回は自信があるんですよ！」

比叡「不味かったら私に核を撃ち込んでもいいですよ？」ﾌﾌﾝ

―――――――

陽炎「しまったしまった忘れ物…」

ドドドドドド・・・

陽炎「ん？」

不知火「ブッ殺してやる！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

比叡「ヒェエエエエエエエエエエーーーッッッ！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


ドドドドドドドドドドドドドド・・・


陽炎「不知火と……比叡さん……？」

陽炎「あ、不知火が蹲ってる」

陽炎「ちょっとー、大丈夫ー？」

不知火「うぅぅ…お腹の中で核爆発が…！」

陽炎「トイレに行く？」

不知火「お腹も痛いし…吐き気もする…何か視界が歪んでる…」

不知火「うわ～～～陽炎がいっぱいぃ～～～」

陽炎「しっかりしなさいよ不知火！何食べたか知らないけど、出したらスッキリするハズよ！」

黒潮「何やっとるんや二人共」

陽炎「あ、黒潮！不知火が気分悪いって…」

不知火「陽炎…不知火はここまでのようです…死んだはずの黒潮が見えてきました…」

陽炎「死んでないよ！？」

黒潮「いつまで死んだ事にしとんねん！」

黒潮「大体、あの作戦ウチ出撃してないし結局、姉ちゃん核撃ったやん！」

不知火「幻聴まで…」

黒潮「幻聴ちゃうわアホったれ！しまいにゃドツキ回すぞ！」

陽炎「そ、そんな事よりどうしよう…！」

黒潮「う～～ん…とりあえずトイレに連れて行こか」

陽炎「そうね…我慢できる？不知火？」

不知火「な、なんとか……」

―――――――――――――

黒潮「かれこれ３０分…まだかいな」

陽炎「ねぇ！まだー！？」

不知火「うぅぅ～～～な、何ですかこれは…この感じは…！」

不知火「うぇ、吐きそうなのに吐けないこの感じ……おぇ…核爆発が止まらない…」

黒潮「アカンみたいやな」

陽炎「他に方法は無いかしら…」

黒潮「ウチに良い考えがあるで」

陽炎「え？」

不知火「腹パンですか」

黒潮「そや、それで不知火姉ちゃんを吐かせるんや」

陽炎「よーし…私がやるわよ…」ﾎﾟｷﾎﾟｷ

不知火「ど、どぅぞ……！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ…

陽炎「ちょっと！力入れないでよ！」

不知火「だ、だって…」

黒潮「はよ殴らへんとずっと気分悪いの続くで！」

不知火「も、もっと別の方法を考えましょ――」

陽炎「隙ありッ！」ﾄﾞｺﾞｫｯ!

不知火「うッ」

陽炎「痛たぁあああああ！！！鋼鉄を殴った感覚がしたーーー！」

不知火「そんな訳無いでしょ…！陽炎のパンチが貧弱なだけです…！」

不知火「うぅ…中途半端なパンチだったせいで余計に気分が…」

黒潮「次ウチがやるわ。不知火姉ちゃん我慢してや」

不知火「ほほう…幽霊に殴れますかね？」

黒潮「なんやとコラァッ！」ﾎﾞｺﾞｫｯ!

不知火「うぐっ」

黒潮「ったああい！たーい！たいッ！メッチャ手ぇヒリヒリするー！」

不知火「うぐぐ…頼りないですね…！」

陽炎「この！」

黒潮「ダボが！」

陽炎「この！」

ドゴッ！ドゴッ！ドゴッ！ドゴッ！

陽炎「ハァ…ハァ…駄目だわ…このままじゃ私達の拳が粉々になる…」

黒潮「手の感覚も無くなってきたわ」

不知火「何やってるんですか…余計に気分が悪くなっただけじゃないですか…！」

陽炎「あ、そうだ！下剤を使いましょう！」

黒潮「そや！その手があったか！」

不知火「お尻のタイプですか？」

陽炎「それしかないわ」

不知火「じゃあ却下です」

陽炎「何でよ！？」

不知火「母親ならともかく姉と妹にお尻を見せるなんて恥ずかしい真似出来ません」

不知火「しかもそれを突き刺させるなんて」

黒潮「でもええんか、このままで？」

不知火「うぅ…核撃ったらきっと気分良くなります…」

黒潮「その手には乗らへんで」

不知火「チッ」

黒潮「浣腸が無理ならどうすんねん」

不知火「核です核」

黒潮「諦め悪いやっちゃのー！」

扶桑「どうしたの二人共？」

陽炎「あ、扶桑さん！実は不知火が変な物を食べたらしくて…それで気分が悪いって！」

黒潮「そいで腹パンして吐かせようとしたけど、姉ちゃん無駄に鍛えてて……」

扶桑「そうなの？じゃあ私が…」

不知火「え」

扶桑「フンッ！」ｼｭｯ!

ドゴォオオオオオッッ！

不知火「……ッ！？」ﾒﾘｯﾒﾘﾒﾘ…

陽炎「」

黒潮「」

―――――――――

陽炎「凄かったね扶桑さん…」

黒潮「風が裂ける音がしたで」

陽炎「さっきから不知火吐きっぱなしだし…」

陽炎「それより何で不知火は黒潮の事を死んだ事にしようとしてるの？」

黒潮「核撃てる大義名分作ろうとしよるだけや、気にせんでええ」

陽炎「何で日向さんまで…」

黒潮「あの人も少しおかしいからな」

―――――

不知火「フゥ…スッキリしました」

黒潮「まぁ、これからは比叡さんのカレーには気を付ける事やな」

不知火「ですね」

黒潮「もうウチを死んだ事にはせぇへんのか？」

不知火「いや、時と場合によってはします」

黒潮「シバくぞホンマ」

陽炎「とにかく！もっと不知火には治すべき所があるわ！」

不知火「何ですか…」

陽炎「その核発射中毒をよ！」

陽炎「あなたが改装されて核を搭載出来るようになってからバカスカ撃ってるじゃない！」

不知火「うぅ…」

陽炎「大体、この大量の核はどこで手に入れてるのよ！？」

不知火「この核は……工廠で」

―――――――――――

提督「よし、武器開発するか」

開発失敗しました。

提督「クソが」

不知火「おや…？司令、見て下さい」

提督「ん？」

不知火「いつもの失敗ペンギンじゃなくて、核が出来ましたよ」

提督「どうして開発失敗したら核が出来るんだ！？これ失敗なの！？」

提督「責任者出て来い！」

不知火「司令、不知火は改装によって核を積めるようになりましたから…損はしていませんし、良いじゃないですか」

提督「むぅ…じゃ気を取り直して開発を続けるぞ」

―――――――

不知火「しかし連続で失敗して、失敗ペンギンの代わりに大量の核で工廠は埋め尽くされました」

不知火「そして不知火はその核を使い続けました」

不知火「フラグシップだろうがエリートだろうが姫だろうが青葉さんだろうが灰にするその威力に不知火は圧倒されました」

不知火「それから使いに使いまくり、ＭＶＰも取りまくって……」

不知火「いつの間にか、不知火はこんな事になっていました」

陽炎「……」

不知火「それに、不知火を再び改装したらシースパローとかアスロックとか積めるようになりました」

不知火「何か不知火が不知火でなくなっていく気がします」

黒潮「どんな改装したらそんな事になんねん」

陽炎「とにかく…不知火、自分を取り戻す為に克服するのよ」

黒潮「そうやで、これはお姉ちゃんの為でもあるんやで」

不知火「……」

陽炎「薬の中毒者を個室に閉じ込めて中毒を治すのをテレビか何かで見たわ」

陽炎「これから個室に不知火を閉じ込めるわ…良い？」

不知火「……はい、お願いします」

―――――――――
１０分後


不知火「もう駄目です！出してください！核を撃たせて下さい！」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ!


黒潮「早いわ！」

陽炎「１０分しか経ってないわよ！」

――――――――
１５分後

悪比叡『撃ってしまえ！深海棲艦の本拠地を焦土化させろ！むしろ大陸に撃ってしまえ！』

善比叡『撃っちゃ駄目ですよ不知火さん！比叡も、気合！入れて！応援しますから！』

不知火「うわぁあああああああああああ！！！」


２０分後

悪比叡『撃たないと私が気合い入れて作ったカレーを食べさせますよー？』

善比叡『コンビニでカレーを気合い！入れて！買って来ました！』

不知火「あああああああああああああああ！！！」

３０分後

善比叡『６・八・金』

悪比叡『王手』

善比叡『ヒェーッ！』

不知火「うあああああああああああああ！！！」

４０分後

悪北上『撃っちゃえば？』

善北上『撃っちゃえ撃っちゃえ、撃ったら楽になる』

不知火「うぅううううううううう！！！」

―――――――――――――

日向「この中に不知火が？」

陽炎「はい、最初はずっと叫んでましたけど…今じゃすっかり静かになって」

日向「うむ…中の様子は見てないのか？」

陽炎「ドアが開いたと同時に飛び出て来そうなので開けてません」

日向「……私が開けよう」ｽｯ

「た、大変ー！日向さーん！一大事っぽいー！」

日向「！？　どうした夕立！？」

夕立「深海棲艦が攻めて来たっぽい！」

日向「何！？」

夕立「それで天龍さんが人質になったっぽい！」

日向「なッ…！？クッ、こうしちゃおられん！行くぞ！」ﾀﾞｯ!

陽炎・黒潮「「はい！」」ﾀﾞｯ!

黒潮「って、誰が不知火姉ちゃんの見張りをするんや！？」

陽炎「ドア閉めてるから出て来れないわよ……閉めたっけ？」

――――――――――――

秋雲「何だってこんな時に来るかねー」

秋雲「んあ？こんな所に部屋あったんだ」

秋雲「何の部屋だろ」ｶﾞﾁｬｯ

不知火「」

秋雲「ゲッ！不知火の姉貴ッ！？」

秋雲「何でこんな所に居るんだ…おーい」ｹﾞｼｹﾞｼ

不知火「ハッ…！」

秋雲「あ、起きた」

不知火「秋雲さんですか…陽炎は？黒潮は？」

秋雲「外だよ」

不知火「……」

秋雲「どうかしたの？」

不知火「不知火は……夢を見ました」

秋雲「夢？」

不知火「陽炎、黒潮、初風、雪風、天津風、時津風、磯風、谷風、野分、舞風……」

不知火「陽炎や妹達が核によって沈む夢を見ました」

秋雲「あれ？」

不知火「確かに核は抑止力にもなり、圧倒的な破壊力を持ち合わせております」

不知火「しかし、使い方を間違えれば敵どころか味方まで滅ぼしかねない兵器なのです」

不知火「……核は何回も撃つ物じゃない、と…今更ながら認識しました」

不知火「フッ…まぁ、当たり前ですけどね…」

―――――――――――

レ級『ハハハッ！皆沈メテヤルワ！』

天龍「みんなー！構わねぇ！撃っちまえ！」

北上「それじゃーお言葉に甘えて」

天龍「いや撃つな撃つな！」

北上「どっちなのさー」

タ級『待てレ級、コイツ捕まえてたら核が飛んでくるんとちゃうか？』

レ級『あ、そうやった』

早霜「ただいま…戻りました……」

レ級『あ』

陽炎「あ！」

タ級『動くなーッ！』ｶﾞｼｨｯ!

早霜「ッ！？」

レ級『おら、アッチ行かんかい！』ｹﾞｼｯ!

天龍「げふっ！」

天龍「何か解放された！」

木曾「良かったな」

日向「しかしどうする…人質が居る事には変わりはないぞ」

球磨「あ！不知火クマ！」

陽炎「！？」

不知火「………」

黒潮「秋雲！アンタが不知火姉ちゃんを解放したんか！？」

秋雲「え？駄目だったの？」

陽炎「不知火…大丈夫？」

不知火「はい…」

黒潮「不知火、早霜が捕まってしもうたんや…どうしよ…」

不知火「不知火に任せて下さい」


レ級『ゲッ！アイツハ…！』

タ級『ダ、大丈夫ヨ…コッチニハ人質ガ居ルモノ…』ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ…

早霜「フ…フフフ…あなた達…残念だったわね…」

早霜「あの人は…誰であろうが…人質が居ようが…核を撃つ人よ…」

早霜「フフフ…フフ…死なば…諸共…フフ…」

レ級『グヌヌ…』

タ級『人質ガドウナッテモイイノ！？本当二撃ツ気ナノ！？』

不知火「……」ｻﾞｯ…ｻﾞｯ…

早霜「！？」

早霜「ど、どうして…？どうして近付いて来るの…？あなたなら…核を撃って一網打尽に出来るのに…」

不知火「撃てば、早霜さんが死んでしまいます」

早霜「天龍さんには撃ってたじゃない…」

不知火「天龍さんは、ほぼ不死身だから撃てたんです」

早霜「何で近付いて来るの…そこから砲撃すれば…いいのに…」

早霜「近付く必要無いでしょ…」

不知火「近付かないと、早霜さんを助けられません」

早霜「……！」

タ級『フ…ソレハ勇気デハ無ク、無謀ト言ウノダ…艦娘』

レ級『私ガ、今マデノ…オ礼ヲシテアゲルワ』

不知火「……近付いたのには…もう一つ理由があります」

早霜「…？」

不知火「この距離でないと…『コレ』で攻撃出来ませんからね」

不知火「喰らえッ！比叡特製カレーミサイルッ！」ﾊﾞﾊﾞｯ!

タ級『』ﾊﾞｼｬｱ!
レ級『』ﾊﾞｼｬｱ!

タ級『ギャアアアアアアアアアア！！！！顔が溶ケルゥゥゥーーーーッ！！！』ｼﾞｭｳｳ…

レ級『硫酸ダァーーーーッッ！！！』ｼﾞｭｳｳｳ…

早霜「髪にちょっとかかった…」

金剛「えぇ…」

榛名「比叡お姉様…あれを榛名達に食べさせるつもりでしたの…？」

霧島「硫酸って…」

比叡「違います！違います！硫酸なんて入れてません！ちゃんとした食材を使いました！」

金剛「ちゃんとした食材使って硫酸なんて作れる訳ないデショ！」

比叡「ホントなんですぅーッ！他に入れたのは気合いだけですーッ！」

木曾「上手い事言ったみたいな顔しやがって」

不知火「大丈夫ですか？早霜さん」ｶﾞｼｯ

早霜「あ…」

不知火「やっと…この手を掴めましたね」

早霜「…あ…ありが…と…」

不知火「どういたしまして」

早霜「フフ…」

不知火「さて、あなた達の処刑を始めましょうか」

不知火「執行人は――」

響「響だよ、Добро пожаловать в ад（地獄へようこそ）」

レ級「ヒィィ！」

タ級「ヤメテ！今何モ見エナイノ！」

響「そんな事関係ないね」

響「Там нет пощады врагу！（敵に慈悲は無い！）」

響「Ура!（万歳！）」ﾊﾞｼｭｳｳｳ!

レ級『うわ！魚雷の音した！』

タ級『でもなんか寂しいなぁ』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！！

響「正義は下された！」

>>不知火「陽炎、黒潮、初風、雪風、天津風、時津風、磯風、谷風、野分、舞風……」
>>不知火「陽炎や妹達が核によって沈む夢を見ました」

浜風・浦風「えっ」

陽炎「不知火！」

黒潮「核中毒を克服出来たんやな！」

時雨「おめでとう不知火」

夕立「っぽい！」

不知火「陽炎…黒潮…時雨…夕立…」

不知火「いや、不知火が中毒から抜け出せたのは…あなた達や他の妹達のお陰です…」

不知火「今思い出しましたけど、夕立も時雨も居ましたよ夢の中に」

夕立「夢？」

不知火「いえ…何でもありません」

秋雲「……んん？」

秋雲「ちょっ、ちょっと待って」

不知火「何ですか秋雲さん」

秋雲「え、夕立と時雨って…」

夕立「……」

時雨「……」

夕立「陽炎型１１番艦、夕立だよ！」

秋雲「ええっ！？」

時雨「僕は時雨、陽炎型１３番艦ｒｙ」

秋雲「アンタら自分の姉が今居ないからってアンタ…！」

陽炎「秋雲も陽炎型よ」

不知火「え、そうだったんですか？」

黒潮「そうやで」

不知火「なーんだ、そうならそうと言って下さいよ」

秋雲「いや…自分の妹ぐらい覚えててよ…」

日向「これでもう不知火は核を撃たなくなった訳だ」

陽炎「はぁ…ようやくですよ」

日向「陽炎もよくやってくれた、疲れただろう」

―――――――――――――――

比叡「生麦生米生卵」

不知火「生麦生米生卵」

比叡「…国語熟語述語主語！」

不知火「国語熟語述語主語」

比叡「可逆反応の逆不可逆反応 不可逆反応の逆可逆反応 可逆反応も不可逆反応も化学反応！」

不知火「可逆反応の逆不可逆反応 不可逆反応の逆可逆反応 可逆反応も不可逆反応も化学反応」

比叡「水雷戦隊！」

不知火「すいらいせんたん！」

比叡「よしっ！」

不知火「ｄａｍｎ　ｉｔ！」ﾀﾞﾝｯ!

比叡「これでカレーの味見をしてくれるんですよね！？」

不知火「クッ…卑怯ですよ！」

比叡「いや、卑怯もクソも早口言葉でもなんでもないんですけど…」

比叡「とにかくどうぞ！私が気合い！入れて！作ったカレーです！」

不知火「これは罰ゲームなんて生温い物じゃないですね…処刑です…」

不知火「何ですかこれ…変な色してるし…何使ったんですか？」

比叡「普通の食材です！」

不知火「普通の食材でこんな色になる訳ないでしょ」

不知火「こんなの食べるぐらいならMark 17を食べた方がマシです」

比叡「そこまでですか！？」

比叡「つべこべ言わずに食べて下さいよ！」

不知火「クッ…」

ビスマルク「何してるの？」

不知火「あ、ビスマルクさん…そうだビスマルクさん、これ食べますか？」

ビスマルク「何、それ…？日本の化学兵器？」

比叡「カレーです！」

ビスマルク「カレー…！？これが！？」

比叡「はい！比叡の気合い！入れて！作ったカレーです！」

ビスマルク「こ、こんな物カレーとは言わないわ！」

不知火「まったくです」

ビスマルク「なんか色も変だし…臭いもなんか…エタノールみたいだし…」

ビスマルク「こんなの食べるぐらいならフジツボ食べるわ！」

比叡「ヒェーッ！？」

比叡「で、でもでも！味には自身があります！」

ビスマルク「こんなの食べる気になれないわよ！」

比叡「そんな事言わずにほら！」ｶﾞｼｯ!

ビスマルク「や、やめなさい！うっ…！無駄に力強いこの人…！」ｸﾞｸﾞ…

比叡「ほら！気合い！入れて！食べて下さいよ！」ｸﾞｸﾞｸﾞ…

ビスマルク「ムー！ムー！」

不知火「……」ｺﾁｮｺﾁｮ

ビスマルク「アハハハハハハッ！ちょっ、ちょっとやめっ――ムグッ！？」ﾊﾟｸｯ

バターーーーーーーーン！

比叡「ヒェーーーッ！？」

不知火「ふぅ…助かった…」

医務室

長門「ビスマルクの容体はどうだ」

不知火「えぇ、この通りです」

ビスマルク「Ciao，Corazzata italiana Roma（こんにちは、イタリアの戦艦ローマよ）」

ビスマルク「今日は雨時々曇…ひょっとしたら雪も降るかも…」

ビスマルク「Команечи，קומנצ'י（コマネチ、コマネチ）」

長門「見事に壊れてるな」

長門「しかし何故、突然倒れたのだろうな」

不知火「さぁ？トリウムでも食べたのでは？」

長門「死ぬだろそれ」

雷「待ちなさい響！その大量の核を持ってどこに行く気なの！？」

響「離して雷…！正義を…！正義を下さねば…！」

電「そんなに沢山撃つ物じゃないのです！」

響「死んだ深海棲艦が良い深海棲艦だ！」

雷「響！」

長門「響も核を搭載出来るようになったのか」

不知火「そのようですね」

ビスマルク「トルコの力を見せてやるわ！」

響「忘れたのかい雷！？核を撃たなかったせいで早霜さんが死んでしまったじゃないか！」

早霜「生きてるけど…」

響「早霜さんの仇を取りたくないのかい！？」

早霜「生きてるんだけど…」


長門「あのままにしておくと第二のお前が出来るぞ」

不知火「しかし、ああなってはどうしょうも無いですよ」

ビスマルク「ここはこのラリマルクに任せて！説得してくるわ！」ｶﾞﾊﾞｯ!

長門「お前は安静にしてろ」

不知火「待って響さん」

響「どいてくれ不知火さん！核を撃たなきゃ！」

ビスマルク「何を言ってるのよ！そんなんじゃまだまだね！」

ビスマルク「どきなさい！このビスケットがポルトガル魂を見せてやるわ！」

響「キチガイドイツ艦は黙ってろ！」

不知火「響さん」

響「……」

不知火「……核は無闇に撃つ物じゃありません」

不知火「不知火は…それを学びました」

不知火「早霜さんの事は残念でしたが…」

不知火「復讐は何も生みませんよ」

早霜「生きてる…けど…不知火さんに…フフフ…死んだ事にされるのは…嫌じゃない…フフ…」

響「……」

ビスマルク「目覚まし時計美味しい！」ｶﾞｼﾞｶﾞｼﾞ

長門「椅子だぞそれ」

不知火「核は抑止力にしておきましょう」

響「……深海棲艦に対して抑止力にはならないと思うけど」

不知火「…それもそうですね」

長門「おい」

川内「ちょっと待って、今さっき『夜戦』って言わなかった？」

長門「……」

川内「言ったよね？誰？誰さっき『夜戦』って言ったの？」

長門「……」

ビスマルク「この枕美味しいわ！さすがはフランス製ね！」

長門「タンスだぞそれ」

響「やっぱり核だ！核しかない！核を撃って早霜さんの仇を取るんだ！」

不知火「待ちなさい！早霜さんが死んだ程度で核を撃つのは止めなさい！」

早霜「あ、あの…もっと言って…」

提督「何だ騒がしいな」

川内「『夜戦』って言ったでしょ？ねぇねぇ」

ビスマルク「大革命だー！未来は明るいぞー！それーっ！」

早霜「もっと…もっと罵って…」

不知火「響さん！待ちなさい！」

響「一回だけ、一回だけ撃たせて」

不知火「……一回だけですよ」

長門「おい」

提督「……」

大井「木曾、あなたに女性同士の愛という物を教えてあげるわ」

大井「さ、来なさい木曾…ちょっ、なんで…何で逃げようとするのよ！」

大井「嫌じゃない！嫌じゃないでしょ！？」

大井「何でお姉ちゃんの言う事が聞けないの！」

赤城「ムシャムシャムシャ…晩ご飯まだですか？」

利根「大変じゃーっ！扶桑が伊勢を比叡のカレーで毒殺しおったー！」

提督「何だこの鎮守府」

ドンッ

提督「いたっ」

北上「おっと、ごめんよ提督。軍刀を振り回して追いかけて来る千代田さんから逃げてる最中なんだ」ﾀﾞｯ!

千代田「甲標的を…！甲標的を返せーーーーッ！返してよォーーーッ！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

千代田「せっかく、せっかくお姉と御揃いだったのに！よくも！よくもォーーッ！！！」

千代田「ブッ殺してやるゥーーーーッ！」

提督「……」

陽炎「ちょっ、ちょっと何よ！何の騒ぎなの！？」

黒潮「アハハハハハ！ヒヒヒヒヒヒヒッ！」

陽炎「どうしたのよ黒潮！？」

黒潮「ちょっ、ちょっと…比叡さんのカレー食べたら…笑いが止まらんなってもうたんや…ヒヒヒヒヒッ！」

陽炎「しっかりしなさいよ！」

曙「ヒーヒヒヒヒッ！アハハハハーハハハハハ！！」」

陽炎「曙！？あなたまで！？」

曙「ご、ごめんクク…アタシもちょっと…比叡さんのカレー…アハハハハハッ！」

陽炎「やめてよ！あなたまで壊れたらツッコミが…！」

提督「ククク…ハハハハハッ！ハーハッハッハッハッー！」

陽炎「提督が壊れたーーッ！」

提督「よし、一発ハワイに核でも撃ちこんでやるか」

陽炎「提督－－－－－－－ーーッ！！！！」

長門「……ム、いつの間にか響と不知火が居ないぞ」

ビスマルク「長門ちゃ～ん、遊びーましょーう」ｶﾞｼｯ

長門「うわ絡まれた」

――――――――――――――

不知火「何やら鎮守府が騒がしいですね」

響「何かあったのかな」

不知火「それより本当に一回だけですからね」

響「一回だけだから」

不知火「約束出来ますか？」

響「出来る」

不知火「八百万の神々に誓えますか？」

響「それはちょっと無理かもしれないけど……でも一回だけだから」

日向「一発も駄目だ」

響「日向さん」

不知火「駄目ですか？」

日向「駄目だ。アトミック響とかアダ名付けられたくないだろ？」

響「嫌だ」

日向「ならよしておけ、いいな？」

響「むむ……はい」

日向「よし」

――――――――――――――

提督「すまんが他の皆はカレーで頭をやられて出撃出来ない」

提督「ので、今回は君達が出撃したまえ」

日向「了解した」

不知火「了解しました」

響「了解した」

陽炎「了解しました」

比叡「了解です！」

ビスマルク「待ちなさい提督！」

提督「何だキチマルク」

ビスマルク「私もブラジル代表として出場するわ！」

提督「悪いがビスク、君に構ってる暇は無い。私が呼んだ医者と話しをしてくるといい」

ビスマルク「やーだー！出撃したいー！」

ビスマルク「出撃したい出撃したい！出撃しーたーい！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀｼﾞﾀﾊﾞﾀ

提督「暴れるな」

ビスマルク「じゃあ出撃させてくれる？」

提督「何故そうなる」

不知火「正気に戻った後大変ですね」

日向「動画を撮っておこう、役に立つ」ﾋﾟｯ

ビスマルク「私も出撃するノラー！」

提督「……比叡、残れ」

比叡「は、はい！」

提督「鬱陶しいから出撃させてやる、ビスマルク」

ビスマルク「やったー！粘り強い交渉の勝利よー！」ﾜｰｲ!

比叡「私は構いませんけど…大丈夫なんですかビスマルクさん？」

ビスマルク「はい！ビスマルクは大丈夫です！」

比叡「は、はぁ…」

提督「……いいから行ってこい」

ビスマルク「よーし！地の果てまで行くわよー！」

提督「みんなでビスマルクが変な所に行かないように見張っててくれよ」

提督「偵察に向った北上とこの座標で落ち合え」

提督「そこで深海棲艦の艦隊に攻撃を仕掛ける」

―――――――――

日向「この辺りに北上が居ると言っていたが……」

不知火「誰も居ませんね」

陽炎「……あれ？」

日向「どうした陽炎」

陽炎「ビスマルクが居ない！」

日向「何だと！？」

不知火「響さんと不知火でビスマルクさんを探しに行きます、二人は北上さんが来るのを待っていて下さい」

日向「あぁ、気を付けて行けよ」

不知火「それでは行きましょう」

響「うん」


ザアァァァーーー・・・・


陽炎「あの二人、大丈夫かな？」

日向「……大丈夫だろう」

―――――――――――
数分後

北上「いやーごめんね」

陽炎「どこに行ってたんですか」

北上「千代田さんにまた追いかけられてて…それより不知火と響と比叡さんは？」

日向「比叡は待機だ、代わりにビスマルクが来た」

北上「ビスマルク…？そのビスマルクはどこに？」

陽炎「今、不知火と響が探しに向ってます」

北上「大丈夫なの？」

日向「大丈夫だと願うしか……ん？」

陽炎「敵偵察機発見！」

日向「マズイ！見られた！」

日向「撃ち落せ！」

陽炎「ええーい！」ﾄﾞｫｰﾝ!

日向「そらっ！」ﾄﾞﾄﾞｰﾝ!

北上「あーあ、見事に全部外れましたねー」

日向「クソッ…逃がしたか…！」

陽炎「敵艦隊発見！あれは私達が襲撃する予定だった艦隊です！」

北上「どうしますぅ？」

日向「出来る限り迎撃するぞ！」

陽炎「了解！」
北上「りょうかーい」

―――――――――――――――

ビスマルク「嫌だぁーーっ！ドイツに帰らせてーーー！」

響「そんな事今更言ったって無駄だよ」

不知火「大体こっちに行ったらオーストラリアに行っちゃいますよ」

ビスマルク「アイオワー！サウスダコター！私ドイツに帰りたいよーー！」

不知火「ドイツ艦ではありませんよ、その艦」

響「待って、不知火さん。何か聞こえる」

ドドーン・・・ドーン・・・

不知火「…！日向さん達が居る方角からだ！」

響「あれは砲撃音だ、もう作戦が始まったのかな？」

不知火「いや…作戦開始時刻まで五分もあります」

響「敵に見つかったんだ！早く行こう！」

ビスマルク「閣下ァーっ！助けてぇーー！」

ビスマルク「卑劣なイワンに連れ去られる～～～！」

――――――――――――

陽炎「日向さん！危ないッ！」

ドォーーンッ！

陽炎「うわぁあ！」

日向「陽炎ッ！」

北上「まずい、このままじゃ陽炎が沈んでしまう…撤退しましょう」

日向「クソ…！」

不知火「日向さん！ビスマルクさんを見つけました！」

日向「ようやくか！」

北上「不知火、陽炎が…」

不知火「陽炎！大丈夫ですか！？」

陽炎「うん…なんとか…でもこれじゃあ戦えない…」

不知火「クッ…」

日向「撃て！撃つんだビスマルク！」

ビスマルク「ワレワレ　ノ　モクテキ　ハ　シンリャクデハナイ」

日向「緊急事態だというのにいつまで壊れているんだ！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

ビスマルク「ガードヲオロセ　ガードヲオロセ　ガードヲオロセ」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

日向「正気に戻れビスマルクーーーッ！」

ビスマルク「それは、そうです、彼〈彼女〉は見つけ出す事が出来ません。我々の予言は巨乳です、沿って帰ると君、私の未来を幻想へ還す」

不知火「……」

響「絶体絶命だね、不知火さん」

不知火「……」

響「この窮地を抜け出す方法…響知ってるよ」

不知火「まさか……」

響「そのまさか、さ」

響「不知火さん、持ってるかい？」

不知火「いえ……」

響「『コレ』はこういう時の為に使うんじゃないのかな？」

不知火「……」

響「不知火さん、一個あげるよ」

不知火「……」

響「思い出すんだ、あの頃の不知火さんを」

不知火「……」

響「アトミック不知火と恐れられていた、あの頃の不知火さんを！」

不知火「……」

不知火「……日向さん」

日向「……何だ」

不知火「皆と、撤退してください」

日向「分かった…」

日向「撤退するぞ！」

陽炎「不知火は…！？不知火はどうするの！？」

日向「……不知火はここで敵を食い止める」

陽炎「！」

響「早く逃げるよ！」ｻﾞｧｧｯ!

北上「撤退ー！」ｻﾞｧｧｯ

陽炎「不知火！」

不知火「……大丈夫ですよ陽炎…不知火は」


不知火「必ず戻ってきます」

不知火「さて…核を貰ったのは良いですけど……」

不知火「残念ながら今の不知火は核を発射する砲台を外してあります…」

不知火「だからこの核で攻撃する方法は…たった一つ…」


ル級『……！』ﾄﾞﾝｯ!

不知火「ッ！」ｻﾞｧｯ!

タ級『……！』ﾄﾞﾝｯ!ﾄﾞｰﾝ!

不知火「ッ」ｻﾞｧｯ!ｻﾞｧｱｯ!

レ級『ハヤイ…！』

ル級『コッチ二向カッテ来るゾ！？』

タ級『何ヲスル気ダ！？』

不知火「この距離なら……！」

レ級『ッ！？』

不知火「………起爆ッ！」ｶﾁｯ

ル級『自爆ダト！？―――』


ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

陽炎「！」

日向「……！」

響「……」

陽炎「し、不知火…核を撃ったの…？でも、不知火には核を発射出来る砲台を外されてる無いハズじゃ…！」

日向「自爆したのか…不知火…」

陽炎「えっ…！？」

日向「そうさせたのか響」

響「うん、あの距離じゃ撃っても届かなかっただろうし」

響「だから核を抱えて爆発してもらえれば――」

ガシッ！

陽炎「……！」

響「……？」

陽炎「それで…不知火にやらせたの…！？」

響「でも誰かがやらないと助からなかった」

響「それに不知火さんじゃないと――」

陽炎「ふざけないで！不知火を犠牲にしてまで生き残りたくなんか無かった！」

日向「よせ、陽炎」

陽炎「でも！」

日向「ああでもしなければ、多大なる被害が出ていた」

日向「そして、任務も達成出来た…不知火はよくやってくれた」

陽炎「……っ！なら…大破している私が行けば…！」

響「陽炎さんがやろうとすれば、不知火さんはきっと止めるよ」

響「それに、そんなボロボロの状態で行っても敵に近付く前に沈められるさ」

陽炎「……っ！」

――――――――――――

ザァアアアアアアアアア・・・・

不知火「ふぅ……」

不知火「不知火は核搭載艦に改装されると同時に特殊な装甲になった」

不知火「核爆発なんてそんなに効かないし、付着した放射能物質を自分で除去出来るし…」

不知火「つまり何が言いたいかと言うと」

不知火「日本の科学力は世界一」

不知火「響さんはどうやら特殊装甲にしてなかったようね…」

不知火「でも天龍さんは…特殊装甲じゃないハズなんだけど…」

不知火「まぁいいわ、とにかく早く戻らなきゃ」

鈴谷「おっ、アトミック不知火じゃん。チーッス、今日も核ブッ放っしてるゥ？」

不知火「これはこれは鈴谷さん、お久し振りですね」

――――――――

陽炎「離して！早く…不知火を…！不知火の所に…！」

比叡「駄目です陽炎さん！そんなボロボロの状態じゃ…！」

摩耶「あー？どうしたんだ？」

比叡「どうやら不知火が核を使って自爆したらしく…」

摩耶「核で自爆だと？ハッ、アトミックハッピー不知火が核爆弾で自爆したのか？」

摩耶「大好きな核と一緒に爆発出来てよかったじゃねぇか」

陽炎「ッ！」

霧島「摩耶…さっき何て言いました…？」

摩耶「え？」

バキィッ！

摩耶「えびぃっ！？」

霧島「歯を食いしばれ！」

摩耶「も、もう殴ってるじゃないッスか……」

摩耶「みんな知らないのかよ…アイツの装甲は……」

霧島「言い訳は無用。あなたは山城さんの強化合宿四ヶ月よッ！」

摩耶「ま、待って！そ、それだけは！だから話を聞いてくれって…あああ～～～～！！！」ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞ

陽炎「……っ」

比叡「陽炎さん…」

榛名「陽炎さん、提督が不知火さんの捜索艦隊を編成されました」

榛名「殆ど空母の皆さんですけど陽炎さんも入っています」

陽炎「そう…ですか。分かりました、準備します」

―――――――――――

不知火「って事があって」

鈴谷「へー、そうなんだー」

不知火「ん？」

鈴谷「？」

卯月「うーちゃんだよ！」

不知火「そろそろ、鎮守府に戻ります」

鈴谷「そう、んじゃあ気をつけてねー」

不知火「鈴谷さんは？」

鈴谷「あたしはまだ遠征の途中だからさ」

不知火「そうでしたか」

卯月「うーちゃんだよ！無視しないで！」

不知火「それでは、お気をつけて」

鈴谷「へーい。そっちもねー」

卯月「うーちゃん！」

――――――――――

不知火「あれ…？」

不知火「しまった、全然別の方向に来てしまいました」

卯月「うーちゃんだよ！ねぇねぇ！うーちゃんだよ！」

卯月「偵察帰りのうーちゃんだよ！」

卯月「ぷっぷくぷー！」

不知火「アトミックパンチが炸裂しますよ」

卯月「ヒッ！」

不知火「このままでは帰られませんね」

卯月「うーちゃんも偵察帰り途中迷子になってたぴょん！」

卯月「迷子になってる最中不知火を見つけたから、ついて行ったら帰れると思ったけど……」

卯月「不知火も迷子になってやんの～ぷっくっく～♪」

不知火「アトミックパンチッ！」ﾄﾞｫｯ!

卯月「危ねっ！」ｻｯ!

不知火「素が出ましたね…何ですかさっきの声」

卯月「す、素なんて無いぴょん！フツーだぴょん！」

不知火「ム…そろそろ暗くなってきましたね」

卯月「どうするぴょん？」

不知火「仕方がありませんね…どこかで休める所を…」

不知火「おや、あんな所に島が」

不知火「あそこで一晩過ごしましょう」

卯月「一晩過ごすって…何かエロいピョン」

―――――――――――

不知火「ここで朝になるのを待ちましょう」

卯月「待って、何か聞こえるぴょん」

―ターミネ●ターのテーマ―

デデステンデン♪デデステンデン♪デデステンデン♪

卯月「こ、このビージーエムは！？」

不知火「まさか……」

ガサガサッ！

卯月「そ、そこに誰か居るピョン！」

不知火「！」

ガサッ！

卯月「ひっ！」ﾀﾞｷｯ

不知火「暑苦しい」

ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・

卯月「聞き覚えのあるビージーエムを流しながらコッチに歩いて来るぴょん！」

不知火「……姿を現しなさい！」

ザッ！

卯月「！」
不知火「！」


菊月「菊月だ」


卯月「え…？」

不知火「菊月さん…」



不知火「どうして全裸なんですか…」

卯月「菊月！何で裸なの！？」

菊月「見ての通り大破した」

卯月「大破のレベルじゃないぴょん！」

不知火「この聞き覚えのある音楽は菊月さんが持ってるラジカセから流れていたのですね」

菊月「そうだ」

不知火「それより菊月さんはどうしてここに」

菊月「敵地偵察に行ってたのだが…敵に見つかってしまってな」

菊月「航行不可能になるまでになってしまったので、この島で助けを待っていたんだ」

不知火「なるほど」

卯月「何を普通に会話してるんだぴょん！早く服を！」

不知火「あ、服ですか…卯月さん貸してください」

卯月「これ一着しか無いぴょん！」

不知火「裸でいいじゃないですか」

卯月「いいわけ無いぴょん！」

不知火「仕方ありませんね…陽炎型の制服ですけど良いですか？」

菊月「構わない」

卯月「えっ、ちょっ、ちょっと待つピョン！何も自分のをあげなくても…！」

不知火「はい」

卯月「きゃーっ！」

菊月「礼を言う」

卯月「あれ…もう一着…？」

不知火「陽炎型の制服だと言いましたが…別に不知火の服とは言ってないですよ」

卯月「あ、あぁ…」

菊月「やーいスケベー」

卯月「う、うるさい！黙れ！」

不知火「ほら、キャラ忘れてますよ」

卯月「最初から渡せ！ぴょん！」

―――――――

菊月「こんな所に地下室があったのか」

不知火「確かこの辺りに……あった」

菊月「それは？随分と丁寧に保存されているが…」

不知火「見ての通り核です」

卯月「ぎゃーっ！」

菊月「これ全部核という事か…なるほど」

卯月「どうしてそんなに落ち着いていられるの！？」

卯月「これ爆発したらうーちゃん達、こんがり丸焼けになっちうかもしれないんだよ！？」

菊月「いや…こんがり丸焼けどころか灰になるだろ」

不知火「妖精さん達の技術力と国の最新化学力により、これ全てが爆発しても環境への影響はほぼありません」

不知火「ただし威力は核爆弾同様です」

卯月「衝撃を与えて爆発する事は…？」

不知火「それは無いです、爆発させるにはこのスイッチを押す必要があります」ｽｯ

卯月「そ、そう…ぜ、絶対押しちゃ駄目ぴょん！フリじゃないからね！？フリじゃないからね！？」

菊月「わっ！」

卯月「はぅっ！」ﾋﾞｸｩﾝｯ!

菊月「フッフッフ…」

不知火「小学生ですか」

不知火「もし深海棲艦が攻めて来たら、この核を使います」

菊月「核は卒業したんじゃなかったか？」

不知火「いや、よく考えたら深海棲艦相手じゃ抑止力にならないと思って」

不知火「陽炎達が核で沈んだ夢なんて、所詮夢ですし」

菊月「おいおい」

不知火「というか核で全てが解決しますし」

不知火「悲鳴を上げて、燃えさかる核の炎から逃げ出してきた敵艦を砲撃でなぎ倒した時など
胸がすくような気持ちだった」

不知火「哀れな抵抗者達が健気にも立ち上がってきたのをM-388 デイビー・クロケットが
拠点ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える」

卯月「アトミック不知火が再誕したぴょん！？」

菊月「これは荒れるぞ」

不知火「とりあえず一番手っ取り早く戦争を終わらせるには深海棲艦の拠点に核を撃ち込む事ですね」

不知火「シュミレーションゲームも核があれば勝てます」

菊月「あっても勝てない時もあるが」

卯月「この核だけは他の核と違うぴょん」

不知火「あ、それは通称『天国へのエスカレーター』です」

不知火「その核だけ爆発すると有害物質などを放出します」

卯月「へー」

菊月「……威力は？」

不知火「そうですね…」

不知火「ユーラシア大陸を一瞬で海に変えれる程の威力です」

卯月「」

菊月「……放射能は？」

不知火「通常核の何万倍も放出します、とりあえず地球上から全ての生物が消え失せるでしょう」

卯月「」

菊月「天国へのエスカレーター……ね」

不知火（特殊装甲の不知火だけ生き残るでしょうが、まぁ死んだも同然です）

卯月「こ、こんなに小さいのに…そんな威力が…！」

不知火「えぇ、これを使えば深海棲艦も確実に全滅出来ますが、地球上の生物も全滅します」

卯月「……！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

菊月「わっ！」

卯月「はぅんっ！」ﾋﾞｸｩﾝｯ!

菊月「フッフッフ…」

不知火「この核だけはボタンを押しても爆発しません」

不知火「暗号を入力する事で起爆出来ます」

卯月「こ、こんな危険な物…うーちゃんがしまっておくぴょん！」ｶﾞｸｶﾞｸ

不知火「わあぁーーーーーーーーーっ！！！」


わあぁーーーーーーーーーーっ！！

わあぁーーーっ！

わぁーーー

わぁーー…

わぁー…

ﾜｧｰ…

《※　エコー》


卯月「」

不知火「フフフ…」

菊月「フッフッフ…」

不知火「衝撃を加えても爆発しないとはいえ丁寧に扱って下さいね」

不知火「もしここにある全ての核が爆発すれば、この島どころか地球がフッ飛ぶでしょうね」

卯月「」

菊月「どうした卯月」

卯月「動けないぴょん…」

―――――――――――――

陽炎「ハァ…ハァ…」

加賀「陽炎さん一旦帰りましょう…もう暗くなるわ」

陽炎「ハァ…ハァ…はい、分かりました…」

赤城「しかし不知火さんはどこに行ったんでしょうね…」ﾑｼｬﾑｼｬ

赤城「心配で食べられる物しか喉を通りません」ﾑｼｬﾑｼｬ

加賀「……」

時雨「皆！捜索中止！」

龍穣「撤退やー！」


ザアァァァァ・・・

―――――――――

陽炎「不知火…あなた…やっぱり……」

陽炎「……」

陽炎「いや…あの不知火が核なんかで死ぬハズはないわ」

陽炎「きっと生きてる……ハズ」

提督「外に居たのか、陽炎」

陽炎「提督…不知火は…不知火は生きてるよね？」

提督「……」

提督「……どうかな」

陽炎「……」

提督「だが彼女はあんな所で沈むようなヤツじゃない、それは私はもちろん君もよく知っているハズだ」

陽炎「……はい！」

提督「うむ……ところで陽炎」

陽炎「？」

提督「明日、君を含める数名を改装し…ある任務に向ってもらう」

陽炎「私が…？」

提督「不知火の捜索は加賀達に任せておいてくれ」

陽炎「…あ…は、はい…」

提督「彼女達では信用出来ないか？」

陽炎「い、いや、そういう事じゃ…」

提督「大丈夫だ、安心して君は任務に向ってくれ」

陽炎「は、はい…分かった…」

陽炎「それで…何の任務なの？」

提督「……偵察任務に向った菊月の救出だ」

提督「菊月はどうやら艤装が壊れて島に漂流しているらしい」

提督「菊月が漂流している島の座標は当日知らせる」

提督「もう時間も遅い、明日の任務に備えてよく寝ておきたまえ」

陽炎「はい！」

タッタッタッタッ・・・

提督「……」




日向「菊月の救出か…」

北上「どうして救出の為に近代化改装する必要があるんだろうね」

日向「……大体その任務に陽炎は就かないはずだ」

北上「何する気なんでしょーね」

日向「……北上」

北上「んあ？」

日向「改装開始時刻ヒトマルサンマルまでに、改装される者達を私の所に集めてくれ」

北上「ん？あぁ、りょうかーい」

――――――――

不知火「……？」

菊月「どうした？不知火」

不知火「……無い」

菊月「何が？」

不知火「最新型の核爆弾…６つとも無い」

菊月「？」

不知火「しかし…あの核爆弾も起爆するには暗号が必要のハズ…」

不知火「そしてその暗号を知っているのは……」

不知火「……司令？」

菊月「司令が核爆弾を持ち運んだ、という訳か？どうしてそんな真似を」

不知火「……分かりません」

―――――――――――――

日向「何！？もう出発しただと！？」

北上「うん、工廠にも行ってみたけど…改装した艦娘達はスデに任務に向ったとか」

日向「早い…！どうしてそんなに早く…！？」

日向「ッ！」ﾊﾞｯ!

北上「？　どうしたの？」

日向「……！不知火捜索艦隊と菊月救出艦隊が向った目的地の距離が離れている…！」

日向「しかも…陽炎が居る艦隊が向った海域は……！」

北上「深海棲艦がウジャウジャ居る海域だねぇ」

日向「！　不知火捜索艦隊と菊月救出艦隊！どちらが鎮守府に残ってる！？」

北上「もう出撃してるらしいよ」

日向「…！任務開始時刻から数時間も早いじゃないか…！」

日向（不知火捜索艦隊は主力空母が殆ど出払っている…！菊月救出艦隊は主力の艦娘が…！）

日向（今、鎮守府から出て陽炎達に追いつくには数時間も掛かる…！）

日向（追いつく前に陽炎達が目的に到着してしまう！）

日向「北上！不知火捜索艦隊が出撃したのは何時だ！？」

北上「えーっと、２０分前だよ」

日向「今から行けばまだ間に合う…！不知火捜索艦隊を追いかけるぞ！」

――――――――――

陽炎「それにしても慣れないわね、この艤装」ｶﾞﾁｬ

深雪「ハハ、いつか慣れるって！」

潮「早く…菊月さんを助けに行きましょうね…」

早霜「……」

電「どうかしたのですか？早霜さん」

早霜「いや…何も…気にしないで…フフ……気のせいね…きっと…」

皐月「……？」

電「？」

―――――――――――

加賀「あと数分で捜索ポイントです、艦載機、発進準備」

赤城「了解」

「ちょっと待ったーーーー！」

翔鶴「ちょっと待ったコール！？」

龍穣「何や何や！？あれは…日向と北上！？」

日向「ハァ…ハァ…！待て！そっちに艦載機を飛ばすな…！」

準鷹「へ？何でだよ、飛ばさないと不知火を探せないだろー？」

北上「飛ばすなら陽炎達の方に飛ばして欲しいんですよ」

加賀「陽炎さんの艦隊…？菊月捜索艦隊の方角にですか…？」

北上「あー、違う違う、コッチだよ、この方向に飛ばして欲しいんだ」

赤城「この方向は…」

加賀「……深海棲艦の拠点！？」

日向「あぁ…それも巨大な拠点だ」

赤城「どうしてこんな方向に陽炎さん達が？」

日向「……提督のヤツ、陽炎達を特攻させるつもりかもしれない」

赤城「！」

加賀「！」

龍穣「な、何で…？どうしてそんな！？」

日向「分からない、でもそんな気がする」

日向「とにかく今すぐ陽炎達の方角に艦載機を飛ばすんだ！陽炎達を止めるんだ！」

赤城「わ、分かりました！」

日向（一応、私の艦載機も陽炎達の方に向って飛んでいる…追いつくといいが…）

――――――――――

提督「不知火捜索艦隊の艦載機が陽炎達の方に……」

提督「……気付いたか、日向」

提督「…さすがだな、私を上回ったかもしれん」

提督「だが…もう遅い……」

提督「後数分後で深海棲艦は、ほぼ壊滅する」

提督「そして…我々の力を世界に示し、人類は力ある者の下に着かざるを得なくなるだろう」

提督「大量の核と艦娘を保有する人物の下に」

ゴォオオオオオオ・・・

陽炎「……？何か来る？」

早霜「あれは…赤城さん達の……」

深雪「不知火さんを探してたんじゃ…」

皐月「……ん？何か音が」

雷「艦載機の音じゃ？」

皐月「違う、ボク達の艤装から……」

皐月「うわっ！？」ｺﾞｫｵ!

雷「あうっ！？」ｺﾞｵｵ!

深雪「どわぁっ！？」ｺﾞｫｵｵ!

電「はわぁ！？」ｺﾞｫｵｵ!

早霜「っ！これは……」ｺﾞｫｵｵｵ!

陽炎「天龍さんが一時装備させられていた…ジェットエンジン！？」ｺﾞｫｵｵ!

――――――――――――――――

赤城「陽炎艦隊！全速力前進開始！」

加賀「このスピード…島風さん以上よ…！」

日向「不知火が天龍にやった事をしようとしてるのか…！」

赤城「特攻なんて天龍さんにやらせればどうせ生きて帰って来れるのにどうして陽炎さん達が選ばれたんでしょうね」

日向「天龍はなんやかんや錬度がある…だが陽炎達は錬度が乏しい…」

北上「ダイナミック捨て艦戦法ってヤツですかい！」

加賀「クッ…戦闘機でジェットエンジンを破壊します！」

ドガガガガガ！！！

皐月「うわ！あわわわ！危ない！」ｶﾝ!ｶﾝ!

ボォンッ！

皐月「はうわぁっ！？」

皐月「あぶっ！」ｽﾞｼｬｱｱ!

ドガガガガガ！

潮「きゃーっ！」ｶﾝ!ｶﾝ!ｶｷｨﾝ!

ボンッ！

潮「わーっ！」ｽﾞｼｬｱｱ!

ドガガガガガガ！

深雪「ちょっ！ちょっと！当たるって！危ない危ない！」ｶﾝ!ｶﾝ!ﾁｭｲｰﾝ!

ボォンッ！

深雪「はぴゃあ！」ｽﾞｻﾞｱｱｱｱ!


ドガガガガガガ！


電「はわわー！」ｶﾝ!ｷｨﾝｯ!

ボォン！

電「あわー！」ｽﾞｻﾞｱｱｱ！


加賀「残り二人！」

北上「え？もう二人？」

北上「ヒュー…さすがだねぇ、痺れるねぇ」

日向「やはり…凄いな…」



ゴォオオオオオオ・・・

早霜「……」

ドガガガガガガガガガガ！

ボォン！

早霜「っ」ｻﾞｧｯ!

早霜「陽炎さん…！」

陽炎「うわああああああ！！！誰か止めてーーっ！」

ドガガガガガガガガ！

陽炎「わああああっ！」ﾁｭｲｰﾝ!


翔鶴「ごめんなさい！陽炎さんのエンジンを破壊し損ねました！」

加賀「大丈夫、私がフォローに入る！」

グォオオオオオオオオオ・・・！


陽炎「誰でもいいから止めてー！」

ドガガガガガガガガガガ！

陽炎「うわ！だ、誰でもいいって言ったけども！せめて別の方法で止めて！」ｷｨﾝ!ﾁｭｲｰﾝ!


翔鶴「今度こそ！」

ドガガガガガガガガ！

陽炎「うわぁああ！」ｷｨｲﾝ!ﾁｭｲｰﾝ!

ボォン！

陽炎「げふぅう！」ｽﾞｻﾞｱｱｱｱ!

早霜「他の皆と同様…盛大にズッコケたわね…フフ…」

翔鶴「全エンジン破壊確認！」

龍穣「やったー！」
赤城「やったー！」

翔鶴「やりましたよ加賀さん！」

加賀「えぇ…フフ…ハッ！？」

加賀「…」ﾌﾟｲｯ

翔鶴「」ｶﾞｰﾝ

日向「さすがだな」

北上「惚れ惚れしちゃったよ～」

日向「じゃあ早速、救出に向うか」

――――――――――――

卯月「……は！？」

卯月「あ、あれは……！？」

卯月「わーい！わーい！皆ー！救助が来たぴょん！」

不知火「あら本当」

菊月「ようやくだな」

ザァアアア・・・

比叡「卯月さん！菊月さん！不知火さん！救助に来ましたよ！」

卯月「比叡……！さん…？」

比叡「どうぞ！スペアの艤装です！」

菊月「ありがたい」

卯月「……？」

不知火「……」

比叡「あれ？どうかしましたか？」

卯月「い、いや…何でも無いピョン…」

不知火「……とりあえず鎮守府に戻りましょう、案内をお願いします比叡さん」

比叡「はい！気合い！入れて！案内します！」

―――――――――――

金剛「菊月が居る島が見えたネー！」

榛名「はぁー！長かったですね！」

比叡「待ちくたびれてるでしょうねーきっと」

長門「早く助けに行くぞ」



霧島「誰も居ませんね」

長門「そんな馬鹿な、確かにここに居ると言ってたハズだぞ」

陸奥「あら？見てこれ、足跡よ」

比叡「新しい足跡ですね」

金剛「もしかして誰かが連れ出したのデショウカ？」

榛名「連れ出したって誰が…？」

長門「……そう遠くへ行ってないハズだ、周辺を探そう」

――――――――――――

日向「おーい大丈夫かー」

深雪「あ、日向さん…いてて」

日向「みんな、無事で良かった」

準鷹「あともう少しで深海棲艦の拠点に突っ込む所だったな」

電「こ、怖かったのです…」

加賀「……」ｽｯ

ガチャッ

加賀「艤装の中に何かあります」

日向「核爆弾だ…スイッチで爆破出来るタイプのな」

潮「え、そ、それって……」

皐月「まさか司令が改装させたのは…この為に…！？」

加賀「…鎮守府に戻って提督を問いただしましょう」

日向「無駄だ、帰ったってどうせ居ない」

日向「その前に菊月救出艦隊と合流してこの事を伝えるぞ」

陽炎「……どうして」

―――――――――――――

比叡「ふ～んふふ～ん♪」

不知火「……」

卯月「……」

不知火「比叡さん」

比叡「はい？」

不知火「その作業服の様な格好…いつもの服はどうしたのですか？」

比叡「……」

不知火「それと…随分と装備が貧相になりましたね」

比叡「……」

卯月「惚けたって無駄ぴょん！あなたは比叡さんじゃないぴょん！」

菊月「ふざけてると思っていたが…やはり別人か」

不知火「比叡さんのようで比叡さんじゃ無い…あなたは何者ですか」

比叡「……不知火さん」

不知火「何でしょうか」

比叡「核で…全てが解決すると、お考えですか？」

不知火「はい、核を使えば何もかもが解決します」

不知火「戦争だって終わる」

比叡「しかし核によって、様々な人を苦しめる事にもなります」

不知火「比叡カレーよりマシです」

比叡「ぐっ…」

比叡「と、とにかく…核は所謂諸刃の剣なんですよ、使えば確かに戦況が大きく変わる」

比叡「汚染物質は出ないとはいえ、核の爆発の威力により何匹も海の生物が死んだハズです」

不知火「……それで？不知火を説教する為にここに来たのですか？」

比叡「いえ……あなた達の提督が今まさに核を使って人々を恐怖のドン底に突き落とそうとしている」

比叡「その事を伝える為にやってきました」

菊月「デタラメを言うな、司令がそんな事をする訳がない」

卯月「そうだそうだ！司令官はとっても優しい人なんだぴょん！」

不知火「……」

比叡「どう思うのは勝手ですが、一応気をつけてくださいね」

不知火「待って下さい、あなたの名は」

比叡「……ひえい」

卯月「まだ惚ける気かぴょん！」

ひえい「いや、それが本当に私の名前です。覚えておいてくれても構いませんよ？」

ひえい「……それでは私はこれで」

菊月「待て！置き去りにするつもりか！」

ひえい「大丈夫ですよ、あなた達の仲間が助けに来ますから」

ザァアアア・・・


不知火「……不思議な方でしたね」

「おおーーーい！」

卯月「あ！あれは！」

金剛「こんな所に居たのネ！って、不知火！？」

榛名「い、生きてらっしゃったんですか…！」

霧島「どうやって…」

長門「それより、さっきのは誰だ…重巡に見えたが…」

菊月「後で話す」

比叡「いやー、でも良かったですね見つかって！ん？どうしたんですか卯月さん？」

卯月「ふん！ひえいなんて大嫌いだぴょん！」

比叡「ヒェーッ！？」ｶﾞｰﾝ!

卯月「ぷっぷくぷー！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

比叡「ヒェーッ！？」

――――――――――――

日向「全員、揃ったな」

日向「とりあえず、話しを纏めておこう」

長門「…提督が陽炎達を改装しジェットエンジンを使って特攻させる」

加賀「比叡さんと同じ名前を持つ謎の艦の出現」

不知火「そして今、提督が核で人々を恐怖のドン底に落とそうとしている」

金剛「そんな事、絶対に提督はしないネ！そのニセ比叡のジョークネ！」ﾊﾞｯ!

榛名「は、榛名もそう思います！」

菊月「冗談を言ってるようには見えなかったが…」

金剛「そんなの有り得ないネ！ナンセンスネ！」

不知火「……じゃあ金剛さんと榛名さんは帰りますか？鎮守府へ」

金剛「モチロンネ！帰って提督の潔白を証明してみせるネ！」

金剛「行くヨ！榛名！」

榛名「は、はい！」


ザアァァァァ・・・・

不知火「他に帰りたい方は？」

シーン・・・

日向「…私は金剛達を追いかけ、鎮守府に残ってる皆の安全を確認しに行く」

長門「待て、私も行く」

日向「ありがとう…だが一人で大丈夫だ」

ザアァァァ・・・

不知火「……」

―――――――――――

金剛「提督ー！」

榛名「どこですか？提督ー！」

金剛「もう、どこに行ったのデショウ…」

榛名「榛名はあっちを探してみます！お姉様はあっちを！」

金剛「ＯＫネ！」ﾀﾞｯ!



日向「……そこに居るのは分かってる、出て来い、提督」

提督「バレていたか、さすがだな日向」ｶﾞﾀｯ

日向「提督、どういうつもりだ…何故陽炎達を特攻させるような真似を」

提督「あぁ…それは彼女達が不要になったからだ」

提督「解体するのも勿体無いから、核を搭載させて深海棲艦の所に突っ込んでもらい――」

提督「――そのまま自爆してもらって深海棲艦に大打撃を与えようとしただけだ」

提督「それが、何か問題でも？」

日向「何が問題だと…そんな事も分からないのか！」

提督「自分の国の為に死なせて何が悪い？」

日向「……！もういい、お前とは話しが通じん…」

日向「この場で…殺す…！」ｼﾞｬｷｯ!

提督「殺せるか？お前に、この私を」

提督「お前を拾ってやったのは、この私だぞ？恩を踏み躙るつもりか？」

日向「……ッ！」

提督「撃てぬ…か、フフ、まだまだ甘いな日向…」

提督「誰か助けてくれッ！！！殺されるッ！！！」

日向「ッ！？」

ザッ・・・

金剛「日向…フリーズ…ネ」ｼﾞｬｷｯ

榛名「……」

日向「金剛…！榛名…！」

提督「彼女達の好意には薄々気付いていた」

日向「！」

提督「恋は盲目とは…よく言ったものだな」

日向「……ッ！」

金剛「日向！動くんじゃないヨ！」

日向「金剛！聞いてくれ、コイツは意図的に陽炎達を特攻させたんだ！」

金剛「まだそんな事をッ！」

日向「自分を見失うんじゃないッ！こいつはお前が思ってるような人間じゃないんだぞ！」

提督「金剛！榛名！日向を捕まえろ！」

金剛「了解ネ！」

榛名「了解！」

日向「クッ…！こ、この…！」

日向「この分からず屋めええええええッ！」ﾄﾞｫｰﾝ!


ドゴォオオオオオオオ！！！


金剛「うわッ！」

榛名「うっ！」

提督「っ」ﾀﾞｯ!

日向「逃がすかッ！」ﾀﾞｯ!

金剛「ま、待つネ！」

ゴォオオオオオオオオ・・・

日向「こ、これは…！？」

榛名「あの軍艦は…一体…！？」

日向「……！」

金剛「甲板に提督が居るネ！」


提督「やぁ、日向、金剛、榛名」

日向「こんな大それた物で何をする気だ！？」

提督「……これは核搭載艦だ、これには二つの核弾頭が搭載されている」

提督「もう一つの核は実験で深海棲艦の拠点へ」

提督「もう一つは……日本に撃つ」

日向「！」

榛名「ど、どうして！？そんな事をして何のメリットが！？」

提督「叩き起こしてやるのさ、大和魂を捨て堕落しきった日本人達を」

提督「クソジジイ、クソババア、クソアマ、クソガキ関係なしに…ね」

日向「……そんな事をすれば上層部が黙っていないぞ！」

日向「軍総出でお前を倒しに来る！」

提督「百二承知だ、私を倒す為に一致団結してくれるというなら」

提督「それで日本人の大和魂を蘇るというのなら、本望だ」

日向「……！」

提督「そこでだ…お前達、艦娘も私と同じ舞台に立って欲しい」

日向「何…？」

提督「私と共に『敵』になろうというのだ」

日向「断る、誰がお前なんかと」

提督「金剛、榛名。お前達はどうだ？」

金剛「わ、私は…」

榛名「……」

日向「よく考えろ金剛、榛名、お前達でもアイツが何を言ってるのか分かるハズだ」

金剛「……」

日向「同じ日本人を殺す事になるんだぞ！」

金剛「……ゴメンなさい提督」

榛名「…榛名達は…提督の考えに…賛同出来ません…」


提督「そうか…冷たいヤツらだな」

提督「では、私だけでやらせてもらう」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


日向「軍艦が動くぞ！」

日向「軍艦が…！止めなくては！」

ドォオオンッ！

日向「！？」

金剛「砲撃！？」

榛名「み、見て下さい！アレ！」


提督「……！」


日向「あ、アイツらは……！」


ビスマルク「フッフッフ…待ちなさい提督！あなたの相手はこのビスマルク艦隊よ！」

プリンツ「私も居ます！」

Ｚ１「大きい軍艦だー」

Ｚ３「さて、やりますか…」


日向・金剛・榛名「「「（キチ）（ラリ）（ビス）マルクッッッ（さん）！！！」」」


ビスマルク「……」

ビスマルク「もう…日本なんて…消えればいいのよ…」

榛名「待って！待って下さい！」

金剛「ジョーク！ジョークネ！」

日向「そんなに本気にするな」

ビスマルク「せっかくカッコよく登場したのに！どうして今までのシリアスな空気をぶち壊そうとするの！？」

日向「すまんな、シリアスな空気に慣れて無くて」

金剛「凄く重苦しかったネ、でもビスマルクが来たお陰で空気がスッとライトになったヨ！」

ビスマルク「何それ全然嬉しくないんだけど！？まるで私、コメディアンか何かみたいじゃない！」

日向「それより大丈夫か？頭とか胃腸とか」

ビスマルク「お陰さまでもう何とも無いわ、カレー食べた後の記憶が殆ど残ってないけど」

ビスマルク「そんな事より日向！早く鎮守府に居る皆を叩き起こしに行きなさい！」

ビスマルク「皆であのデカブツを沈めるのよ！」


提督「なにをー」


プリンツ「何か言ってる」

日向「それじゃあ金剛は不知火達を、私は鎮守府の皆を呼んでくる」

金剛「ＯＫネ！」

榛名「榛名はビスマルクさん達と共に軍艦に攻撃します！」

―――――――――――――

日向「皆、起きろー」

川内「グォオオオオオオオオオオオ！！！グゴッゴゴゴゴッゴゴゴ・・・ガゴゴゴゴ・・・」

川内「ウゥウウウウウウウウウウウウウ！！！ウウウウウウウウウウウウウウ！！！」

川内「グッゥウウウウウウウウウウウウ！！！グゥウウウウウウウウウウウウ！！！」

日向「夜戦」

川内「え？」ｶﾞﾊﾞｯ

川内「あれ？あれ？あれれ？」

川内「夜戦って言った？夜戦ってさっき言ったよね」

川内「ねぇねぇ」

日向「ホラ、みんな起きろ。一大事だぞ」

――――――――――――――――

金剛「皆サーン！大変ネー！エマージェンシーネ！」


早霜「もっと…言って」

不知火「この豚…」

早霜「いいわ…もっと…」

不知火「…カスが」

早霜「そうそう…もっと…」

不知火「…存在価値なし」

早霜「うっ、いいわ…ノッてきた…」

不知火「死んでしまえ」

早霜「うぅっ、も、もっと！」ﾋﾟｸｯ

不知火「身の程を弁えろムシケラ」

早霜「おぉおおおおおおおおおおおお！！！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

早霜「もう駄目！興奮してきたわ！」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

早霜「さ！次は私のお尻をその可愛いお手でスパンキングして！早く！」

不知火「言われなくとも」ﾊﾟｯｽｨｲﾝ!

早霜「はうんッ！ワンモアセッツッ！」ﾋﾞｸｩﾝ!


金剛「日本に核が撃ち込まれるかもしれないって時に何をやってるんデスかァーーーッ！！！」

早霜「何かしら…フフ…」

金剛「今更、キャラを戻されても…！」

不知火「何かあったのですか？」

―――――――――――――

ビスマルク「クッ、なんて固い装甲なの…！？」

榛名「このままでは、榛名達の弾が底を突いてしまいます！」


提督「核発射地点から少し遠いが…もうここで撃つか」


ウイィィィィィン・・・


ビスマルク「マズイ！」

ドォオオオオオオン！！！

プリンツ「発射された！」

榛名「深海棲艦の拠点の方です！」

ビスマルク「まぁいいわ深海棲艦ぐらい」

――――――――――――

キラッ



ヲ級『お、流れ星や』

ツ級『何か祈っとく？』

ヲ級『いやーウチは祈る事ないなー充実しとんもん、自分どうなん？』

ツ級『あー、せやなー…』

ツ級『「核が飛んできませんように」って願っとくわ』

ゴォオオオオオオ・・・・

空母棲鬼『あれ、ちょっと待って。あれ流れ星ちゃう、あれ核や』

ツ級『嘘ォ、さっき願ったばっかりやん、早速飛んできたやん』

ツ級『全然叶ってないやん』

ヲ級『そらせやろ、自分、流れ星やのうて核に核が飛んできませんようにって願っとったんやからな』

ヲ級『ハハハハハハッ！傑作や！』

ツ級『笑うなや！』

空母棲鬼『笑うなって方が無理あるわ！ハッハッハッハ！』

ヲ級『ハッハッハッハッ！』

ツ級『ハッハッハッハッハッ！』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

――――――――――――――

ビスマルク「あーあ、深海棲艦壊滅しちゃったわ」

榛名「終戦ですね」


提督「まだ一発残ってる、これを発射する」


ビスマルク「そうはさせないわ！」

榛名「ここばかりは気合い入れます！」


提督「しつこいヤツらめ、ミサイル斉射しろ！」


バシュウウウウウウウウウウウウウ！


榛名「きゃっ！」

ビスマルク「まずい！最新兵器だ！避けろ！」

プリンツ「あれ追尾するハズです！」

ビスマルク「じゃあ逆に避けなければいいのよ！」

プリンツ「当たります！」

ビスマルク「じゃあどうすればいいのよ！？」


「シースパローサルボー！」

バシュウウウウウウウ・・・

ボォン！ドゴォン！ボォオン！ドゴォオ！


ビスマルク「な…！？」

プリンツ「最新兵器が最新兵器で撃ち落した！？」

榛名「だ、誰！？」

ひえい「皆さん！大丈夫ですか！」

榛名「やった！比叡お姉様だ！これで勝てます！」

榛名「比叡お姉様！さっきの新兵器であの艦を沈めて…あれ？何か随分と装備が貧相になりましたね」

ひえい「そりゃ護衛艦ですし」

榛名「ご、護衛艦！？（ってよく見たらこの人比叡お姉様に似てるけど違う！）」

ひえい「ただの護衛艦じゃありませんよ！最新兵器と気合いを詰めに詰め込んだハイテク艦なんですよ！」

ビスマルク「凄い！それじゃあ早速、そのハイテク艦の威力見せてもらおうかしら！」

ひえい「いや…でも戦艦の攻撃を受けても沈まないような艦を潰せるような兵器は搭載されてません…」

ビスマルク「何だ役立たず」

プリンツ「何しに来たんですか」

ひえい「ヒェー！？」

ひえい「で、でも！私が居れば皆さんをミサイル攻撃から護れます！」

ビスマルク「ふーん、じゃあお手並み拝見といこうかしら、プリンツ、お茶」

プリンツ「はい！」ｻｯ!

ひえい（何でこの人こんなに偉そうなんだろう…）


提督「もう核撃ってしまおう」


榛名「あ！まずい！」

ビスマルク「比叡！あの核をそのハイテクパワーで宇宙に飛ばしなさい！」

ひえい「無茶言わないで下さい！…でも止める事なら！」

ひえい「チャフ！」

バシュッ！

パァアアアン！


ビー！ビー！

提督「ムッ、電子機器が動かん…これでは核を撃てん」


榛名「凄い！」

ひえい「伊達に怪獣王（ゴジラ）と戦ってませんよ！負けましたけど！」

榛名「さすがです！比叡お姉様！」

―――――――――

不知火「ム…あれは…！」

金剛「ビスマルク！榛名！みんな連れて来たネー！」

長門「あの艦に核と提督が…！」

加賀「……しかしどうします、核が剥き出しになってる以上、無闇に攻撃する事は」

不知火「ッ」ｻﾞｱｱｱ!

金剛「不知火！？」


提督「…！」


不知火「ビスマルクさんッ！」ﾊﾞｯ!

ビスマルク「私を踏み台にしたぁ！？」ｸﾞｼｨ

榛名「と、飛んだ！」

スタッ！

長門「甲板に乗り込んだぞ！」

不知火「司令、お覚悟」ﾁｬｷｯ

提督「フフ……不知火、お前に私を撃て――」

パァンッ！

提督「うぐっ」ﾄﾞｼｬｱｱ!

榛名「迷い無しで撃った！？」

不知火「考える前に撃て、です司令」

提督「あぁ…そうだな…お前はそういうヤツだったな…」

日向「鎮守府の皆を連れて来たぞ！」

不知火「それでは皆でこの艦を――」

提督「フッ…フフフ…」

不知火「？」

提督「さすがだな不知火、こうもあっさりやられるとは思わなかった」

提督「このままでは私は死ぬ…」

提督「だが一人では死なん…地球と一緒に心中する」ｽｯ

不知火「それは…！？『天国へのエスカレーター』！？島にあったハズじゃ！？」

提督「あれはレプリカだ…本物はこっち」

提督「これに暗証番号を入れる事で爆破出来る」

提督「爆破までに３０分掛かるがな」

提督「これで本当の本当に最後だ」

不知火「待っ…！」

提督「『１９４５』…っと」ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ

ピーーーーーー！

提督「そらっ起動したぞ」ﾎﾟｲｯ

不知火「あっ！海に…！」

ヒューーーー・・・

不知火「ビスマルクさん！取って！」

ビスマルク「えっ」ﾊﾟｼｯ

ピッピッピッ・・・

日向「……」

長門「……」

榛名「……」

ビスマルク「何、これ…？反射的に取っちゃったけど…」

菊月「何って…核だろ…」

卯月「それ…確か不知火が言ってた…超強力な核爆弾って…」

菊月「爆発したら…ユーラシア大陸が吹っ飛ぶ程だとか…」

ビスマルク「」ｻｰ…

ビスマルク「ひ、日向！これどうにかして！」

日向「すまない、私は航空戦艦だから核とかちょっと取り扱ってないんだ」

ビスマルク「な、長門！あなたは確か核のエキスパートよね！？あなたに任せるわ！」

長門「知らん、そんなエキスパートになった覚えはない」

ビスマルク「プリンツ！」

プリンツ「反核主義なんで…」

ビスマルク「加賀…！」

加賀「核アレルギーですので…ゴホッゴホッ」

ビスマルク「比叡……」

ひえい「いや、私に渡されても！」

比叡「どうしようもありませんよ！？」

ひえい「あ」
比叡「えっ」

ビスマルク「も、もう！こんなの海に捨てて――」


「「「「「やめろッ！！！！！！」」」」」


ビスマルク「じゃあ見てないでどうにかしてよ！」

日向「不知火！どうやったら止めれるんだ！？」

不知火「止める為の暗号があるハズなんですが…不知火は知りません」

夕立「それじゃあもう手詰まりっぽいー！」

長門「提督が知っているハズだ！聞き出せ！不知火！」

不知火「暗号を言いなさい！」ｶﾞｼｯ!

提督「フッ…私はそう簡単には口を割らないぞ、一応軍人だ」

不知火「……っ！」

提督「この勝負…私の勝ちだな…フフ…」

提督「あと…もう少しで…爆発する」

ビスマルク「長門！パス！」ﾎﾟｲｯ!

長門「うわっ！日向！」ﾎﾟｲｯ!

日向「」ｻｯ

榛名「避けないでください！」ｶﾞｼｯ!

榛名「はい！パス！」ﾎﾟｲｯ

日向「」ｻｯ

金剛「避けるんジャネーヨ！」ｶﾞｼｯ!

金剛「それっ！」ﾎﾟｲ!

日向「」ｻｯ

比叡「ちょっとォーッ！」ｶﾞｼｨｲ!

日向「何故私に渡そうとするんだ」

比叡「近くに居るからですよ！」ﾎﾟｲｯ!

日向「何だその理由、だいたい誰かにパスしたって皆爆発に巻き込まれて死ぬさ」ｻｯ

早霜「」ｶﾞｼｯ

霧島「早霜がキャッチしたわ！」

金剛「早くその航空戦艦にパスするネ！」

日向「……」

早霜「Ｚｚｚ…」

日向「寝てる」

金剛「うわぁあああああああああああ！！！」

比叡「ヒエエエエエエエエエエエエエ！！！」

ビスマルク「＼(＾0＾)／」


ピーーーーーーーーーーーーーーー

――――――――――

早霜「ん…？」

金剛「」

長門「」

比叡「」

日向「」

早霜「どうして……皆伏せてるの…？」



不知火「爆発しない…？」

提督「…ハッハッハッハ！」

不知火「…？」

提督「私が起動させたのは『天国へのエスカレーター』のレプリカだよ」

提督「本物はあの島にある」

不知火「どうして…こんな真似を…」

提督「別に…深い意味は無いさ、悪足掻きとでも思ってくれ」

不知火「……」

提督「結局…日本人を叩き起こせなかったか……悔しいなぁ」

―――――――――

不知火（あの後提督は憲兵隊に捕まり、核搭載艦は解体された）

不知火（深海棲艦は壊滅、待ちに待った終戦が訪れた）

不知火（そして突如現れた護衛艦ひえいさんは……）

ひえい「みなさん！カレー作りましたよ！」

ビスマルク「いらないわ、『ひえい』という名前のヤツが作るカレーは一生食べないって心に誓ったの」

ひえい「ヒェー！？」

日向「そんな事言わずに味見ぐらいしてやれよ」ｶﾞｼｯ

長門「そうだぞ」ｶﾞｼｯ

ビスマルク「ちょっ、ちょっと待って、何かデジャブ…！」

ひえい「はい！どうぞ！」

ビスマルク「ま、待って！ムー！ムー！」

不知火「……」ｺﾁｮｺﾁｮ

ビスマルク「ブハァッ！アハハハッ！や、やめ―――ムグッ！？」

バターーーーン！

日向「美味すぎて倒れたようだな」

不知火（一時この鎮守府に身を置くそうだ）

不知火（……平和、か）

不知火（最後に一発ぐらいデカイいの撃ちたかったわ）

――――――――

利根「ここか、深海棲艦の本拠地の跡地は」

利根「う～む…見事に粉々じゃ、核というのは凄いのう」

利根「吾輩も核を持てば筑摩より強くなるかもしれんな！」

利根「そうと決まれば早速、帰って……」

ゴポポポポ・・・

利根「なんじゃ？海から何かが……」

ザッパァアアアーーーーー！


『アンギャアアアアアーーー！！！』



利根「おー、大きいトカゲじゃのー」

不知火「変な異臭がすると思ったら、カレーを作ってたのですか」

ひえい「どうですか？不知火さん、お一つ」

不知火「いや、いいです。比叡さんのカレーに拍車をかけたマズさだと聞きました」

ひえい「えー…うーん…どうやったら美味しいカレーを作れるのかな…」

不知火「そもそもそれカレーなんですか？」

比叡「お任せ下さい！私が気合い！入れて！教えてあげます！」

ひえい「本当ですか！？」

比叡「はい！」

ひえい「よーし、それじゃあ気合い！入れて！学びます！」

不知火「やめておいた方がいいのでは……」

ひえい「出来ました！」

デローン

比叡「さ！どうぞ！お食べ下さい！」

不知火「……」ｶﾁｬ

不知火「真・比叡カレーミサイルッ！」ﾊﾞｼｭｯ!

比叡「うわ！」ｻｯ!

ひえい「」ﾊﾞｼｬｱ!

ひえい「」ﾄﾞｼｬｱｱ!

比叡「ヒェーッ！？」

ひえい「」《大破》

不知火「やはり毒殺する気でしたか、危ない危ない」

比叡「だ、誰か！ひえいさんを医務室へ！」

――――――――――――――

―――――――――

――――

ひえい「私！はるなお姉様の妹分、ひえいは！」

ひえい「今日を持ちまして！退役させて頂きます！」



ひえい「やったー！終わったー！」

ひえい「思い起こせば色々ありましたね…ゴジラと戦ったり…」

ひえい「まぁとにかくこれで私はカレー作りに専念……」

ゴロゴロゴロ・・・

ひえい「あれ？何か雲が怪しい…」

ピシャーーン！

ひえい「ヒェーーー！？」


ドォオォオォオオオオオ・・・

――――――――――

ひえい「ハッ！？」

ひえい「こ、ここは…海の上！？」

ひえい「あれ！？艤装が…解体されたはずなのに！？」

ひえい「！」

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

ひえい「な、なんですか…あれ…まるで核爆発…い、いやそれより…」

ひえい「……ど、どうしましょう…とにかくレーダーを頼りに横須賀に…」




伊５８「誰か居るでち」

伊１６８「よく見えないの、深海棲艦？」

伊８「う～ん…アトミック不知火が撃った核のせいで見えにくい…これ本当に人体に影響しないの？」

伊１６８「あんな所に配備されてた人は居ないハズなの」

伊５８「それじゃあきっと敵でち！」

伊１９「待って、イクが攻撃仕掛けてみるの！」ｼﾞｬｷｯ!

ひえい「ハッ！？」

ひえい「うわっ！魚雷！？」ｻｯ!


伊１９「避けられたの！」

伊５８「凄い機動性でち！」


ひえい「潜水艦！？ど、どこから！？」

ひえい「ジッとしてたら…やられる…！」

ひえい「専守防衛！っでアスロック発射！」ﾊﾞｼｭｳｳ

伊５８「何か撃ったでち」

コーン・・・コーン・・・

伊１６８「探針音が聞こえるの」」

伊５８「あの魚雷さんからでち」

伊８「魚雷からソナー音？そんな馬鹿な事が」

コーン・・・コーン・・・

伊５８「」

伊１９「冗談キツイの」

陽炎「こちら陽炎、不知火がまた核を撃ったわ…それと天龍さんが瀕死の重体で――」

『みーんな死ぬの！みんなみんな！アハハハ！アハハハハ！』

『ぎょぎょぎょ魚雷かかからソソソソナー音がっががががががが』

『死にたくないでち！助けて！』

不知火「何かあったんですか？」

陽炎「何かよく分からないけど…大騒ぎになってるみたい」

不知火「それじゃあ陽炎は潜水艦の皆さんの様子を見に行って下さい」

陽炎「不知火は？」

不知火「天龍さんを連れて帰ります」

ひえい「……もう攻撃してこない」

ひえい「早く、ここを離れないと…」

吹雪「あ」

ひえい「あ」

吹雪「ひ、比叡さん…？どうしてここに…」

ひえい「！？　私を知ってるんですか！？」ｶﾞｼｯ!

吹雪「し、知ってるも何も……」

ひえい「良かったー！私を知ってる人が居て！」

ひえい「一時はどうなるかと思いましたよ！」

吹雪「は、はぁ…とにかく一緒に帰りましょう」

ひえい「はい！」

――――――――――
ゴォオオオオオオオ・・・

ひえい「まさか帰りの途中で台風に遭遇するとは」

吹雪「今日はこの島で野宿ですね」

ひえい「丁度良い洞窟があって良かったです」

吹雪「それにしても…お腹空きましたね」ｸﾞｳｩｩ…

ひえい「あ！私カレーが得意なんですよ！食べます！？」

吹雪「い、いや！結構です！いりません！」

《『いらない』と言う勇気！》

ひえい「かなり傷つきました…」ｼｮﾎﾞｰﾝ

吹雪「あ！ち、違っ、ご、ごめんなさい！」

―――――――――

ひえい「……おや、台風が通り過ぎましたね」

ひえい「もう出航出来ますよ…」

吹雪「Ｚｚｚ…」

ひえい「起きてくださいよー」ﾕｻﾕｻ

吹雪「Ｚｚｚ…」

ひえい「……起きませんか、先に戻りますからね」


ザアァァァ・・・



ひえい「あ」

ひえい「しまった…お気に入りのＣＤを置き忘れてしまいました」

ひえい「ま、いっか」

ひえい「今取り戻らなくてもいいや」

―――――――――

ひえい「ん？」

夕張「誰か…！誰か助けて！」

ひえい「大丈夫ですか！？」ｻﾞｧｯ!

夕張「あ！比叡さん！」

ひえい「待って下さい！今助けます！」

夕張「……あ！」

ひえい「！」

ヲ級『ヲ…ヲヲ…』

グォオオオ・・・！

夕張「艦載機を飛ばしてきた…！」

ドガガガガガ！

ひえい「うわっ！撃ってきた！」

夕張「逃げて比叡さん！」

ひえい「怪我人を置いて逃げる事なんて出来ません！必ず！助けます！」

夕張「でも比叡さんじゃ…！」

ひえい「シースパロー！」ｼﾞｬｷｨｯ!

夕張「え？」

ヲ級『たかが一門の砲で何が出来るんや！』

ひえい「サルボーッ！」ﾊﾞｼｭｯ!ﾊﾞｼﾊﾞｼｭ!

ドゴォオンッ！バゴォオンッ！ボォオン！

夕張「す、凄い……！深海棲艦の艦載機を撃ち落した…！」

ヲ級『ヲヲ……！』

夕張「比叡さん…？あなた本当に比叡さんなんですか？」

ひえい「本当も何も私はひえいですよ」

ひえい（あれ…よく見たらこの人…）

ひえい「あなた…ゆうばりさん…ですよね？」

夕張「え？そうですけど？私の事覚えてないんですか！？」

ひえい「い、いえ！ちゃんと覚えてますよ！しっかり！」

夕張「もう…」

ひえい（なーんか違和感があるなー…でも名前は合ってるらしいし…）
夕張（なんか違和感があるわ…でも名前は合ってるのよね…）

ヲ級『ヲー！』

ゴオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

夕張「あぁ！また艦載機を！」

ひえい「もう一度…シースパローサルボー！」ﾊﾞｼｭﾊﾞｼｭ!


ドゴォオン！ボゴォオ！ドガアァッ！


夕張「また全機撃墜した！凄い！」

ひえい「気合い！入れて！撃ちます！BGM-109 Tomahawk！撃ちぃ～方、始め！」

夕張「何か強そう！」

ヲ級『ヲーッ！』


《そのような装備はありません》


ひえい「あー、そういえば私には装備されてありませんでした」ﾊｯﾊｯﾊ

夕張「ありませんでしたって…！何で撃とうとしたんですか！？」

ひえい「いや、ノリで…」

夕張「ノリって何の！？じゃあどうやって倒すんですか！？」

ひえい「大丈夫！７３式５４口径５インチ単装速射砲があります！」ｼﾞｬｷｯ

夕張「弱そう！」

ヲ級『ヲヲー！』

夕張「また攻撃して来ますよ！？さっきの最新兵器で倒せないんですかー！？」

ひえい「シースパローは対空ミサイルなので……」

夕張「比叡さんの役立たずー！いつもの砲はどうしたんですかー！？」

ひえい「いつものって…これがいつものですよ！」

ひえい「ゆうばりさんも攻撃してくださいよ！」

夕張「艤装もボロボロで使い物にならないんですよ！」

ひえい「ええい…！もう自棄です！」

ひえい「気合い！入れて！行きます！」ｻﾞｧｱｱ!

ヲ級『ヲッ！？』

ひえい「うりゃああああああああああああああ！！！」ｼﾞｬｷｯ!

ひえい「発射ーーーーーーッ！」ﾄﾞｫﾝ!ﾄﾞｫﾝ!

夕張「あのショボイ砲を撃った！」

ヲ級『ヲー！』ﾋﾞｽ!ﾋﾞｽ!

夕張「地味に効いてる！？」

ひえい「Ｍｋ.３２！撃ちぃ～方、始め！」

ひえい「発射ァッ！」ﾊﾞｼｭｯ!ﾊﾞｼｭｯ!

夕張「魚雷！？」

ヲ級『ヲーッ！』ﾄﾞｺﾞｫｵ!ﾎﾞｺﾞｫｵｵ!

夕張「あれは効いてるわ！」

ヲ級『ヲ～…！』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

夕張「やった！中破したわ！これで艦載機は飛ばせない！」

夕張「比叡さん！トドメを！」

ヲ級『ヲ…ヲ…！』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

ひえい「……！」

ひえい「撤退！」ｶﾞｼｯ!

夕張「えっ！？ちょっ――」

夕張「比叡さん！待って下さい！どうしてトドメを刺さないんですか！？」

夕張「あともう一息だったのに！」

ひえい「ゆうばりさん、忘れたのですか」

夕張「え？」

ひえい「私達は戦争する為に作られた訳じゃありません」

ひえい「私達の祖国と国民を…日本を、日本人を護る為に作られたのです」

夕張「……！」

ひえい「彼女はもう動けない、これ以上の追撃の必要はありません」

ひえい「だから私は同じ日本人であり、仲間でもあるゆうばりさんを――」

ひえい「―――気合、入れて、救出する事を優先します」

夕張（やだ…何…この比叡さん…）

ひえい「それが……『自衛隊』です！」

夕張「自衛…隊…？」

比叡『お姉ーさまー待って下さーい！』

比叡『あ！夕張さん！昨日作った、気合い！入れて！作ったカレーの感想を聞かせて下さい！』

比叡『待ってくださいよー！どうして逃げるんですかー！？』

比叡『うぅ…カレーの感想…』

ひえい『同じ日本人であり、仲間でもあるゆうばりさんを――』

ひえい『――気合い、入れて、救出する事を優先します』

夕張（やだ…比叡さんのイメージが崩壊してきた…）

夕張（普段はメシマズシスコン戦艦なのに…！）

ひえい「どうかしましたか？」

夕張「い、いえ！何でも！」

ひえい「大丈夫ですよ！敵が来ても、私が絶対に護りますから！」

夕張（そんな軽装備なのに…どうしてそんなに…）

――――――――――――――

チュン・・・チュンチュン・・・

夕張「ハァ…結局、明日になったわね」

夕張「まぁ、島があったし…海の上で立ち寝せずに済んで良かったわ」

夕張「……」ﾁﾗｯ

ひえい「Ｚｚｚ…」

夕張「この人…本当に比叡さんなのかしら…」

夕張「確かに雰囲気は似てるけど…比叡さんに近いようで遠い…」

夕張「そしてこのひえいさんが言ってた『自衛隊』とは…？」

―――――――――――

大井「そ、そんなに…！核の力が見たいのか…！？」

大井「き、北上さんに…攻撃してくる…お前達が悪いんだぞ…！」ｶﾞｸｶﾞｸ…

大井「ヒッ…！や、やってやる…！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ…

大井「北上さんが…！やられる…前に！」ｶﾁｯ

―――――――――――

シュゴオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

夕張「あれは…！」

ひえい「んあぁ…？何ですかぁ…？あれ？」

夕張「デストロイヤー不知火の核攻撃…？あっちの方に仲間が…みんなが居るのよ！」

ひえい「核ですって…？」

――――――――――――

球磨「大井ッ！貴様ァッ！不知火と二人で核戦争をおっ始めるつもりかクマーッ！」ｶﾞｼｨｯ!

大井「やらなきゃ…！北上さんがやられます…！球磨姉さん…！」

球磨「コイツを艦隊から叩き出せクマー！」

大井「北上さん…！北上さんハァハァ…！」ﾄﾞﾛﾄﾞﾛﾄﾞﾛ…

北上「大井っちぃ～ヨダレが滝のように出てるよー？汚いよ～」

利根「たーまやー！」


ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・


利根「おー、最近の花火は変わっとるのー」

不知火「ナイスアトミック」

――――――――――

ひえい「……！」

ひえい「あ、あれが…核…！？」

夕張「さぁ！早く行きましょう比叡さん！」

ひえい「っ！」ｻﾞｯ

夕張「比叡さん？」

ひえい「あ、あぁ…さ、先に行っててください」

夕張「……？そうですか、早く来て下さいね」



ひえい「海上自衛隊が核なんか撃つ訳がない…！」

ひえい「しかし…あのゆうばりさんは、ちょっと違和感はあるけど本物…！」

ひえい「核を撃ったのは…確か…デストロイヤー・シラヌイ…！」

ひえい「名前からして恐らく外国人！」

ひえい「日本は…外国に乗っ取られたとでもいうの…！？」

ひえい「デストロイヤー・シラヌイ！許すまじ！」ﾀﾞｯ!

ひえい「あ…」

ひえい「ね、燃料と…弾薬が尽きてる…」

ひえい「ど、どうしましょう…シースパローとかボンボン使いましたし…」

ひえい「いや…それより、燃料が無くなっては…島から出られない…」

ひえい「おわった…」ｶﾞｸｯ

――――――――――――　

夕張「おーい！みんなー！」

不知火「夕張さん？今までどこに行ってたんですか？」

夕張「うん、敵の襲撃を受けて大破してて……それで比叡さんに助けられたんですけど…」

不知火「比叡さん？その比叡さんはどちらに？」

夕張「あの島に……先に行ってて下さいって言われたんだけど……遅いなぁ」

北上「私が呼んで来るよー」

不知火「不知火も行きます、夕張さんは利根さんらと先に撤退してください」

―――――――――――

ザァアアアアアアアアア・・・

ひえい「ん…？あ、あれは！補給艦、ましゅう！」

ましゅう「……」ｻﾞｧｱ!

ひえい「どうしてここに！？」

ましゅう「……」

ひえい「でも助かったー！丁度、弾薬と燃料が切れてて…」

ましゅう「……」ｻｯ

ひえい「あ、燃料と弾薬…！ありがたい…！」

ましゅう「……」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

ひえい「何ですか？」

ましゅう「……」ｻｯ

ひえい「地図…？」

ましゅう「……」ﾄﾝﾄﾝ

ひえい「『この目印の所に行け』…って事ですか？」

ましゅう「……」ｺｸｺｸ

ひえい「わ、分かりました…」

ましゅう「……」ｸﾞｯ!

ひえい「こ、『幸運を！』って事ですね！」ｸﾞｯ!

ましゅう「……」ｽｨｰ…

ひえい「あ、あれ？ましゅうはどうするんですか……って行っちゃった…」

―――――――

不知火「……」

北上「比叡さん居ないねー」

不知火「どこかに行ったんでしょうか…」

北上「かもしれないね…どうするぅ？」

不知火「……もう少し私達で捜索してみましょう、いくら探しても居なかったら帰って捜索艦隊を編成してもらいましょう」

北上「ほーい」

―――――――――

ましゅう「……」

早霜「……ん？」

ましゅう「……」ﾋﾟｸｯ

早霜「……どちら…様…？…見慣れない…艦ね…」

ましゅう「……」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

早霜「『ただの名も無き試作艦だ、見慣れないのも無理はない、気にするな』ですって…？」

早霜「……」

ましゅう「……」

早霜「フフ…そういう事に…しておくわ…フフ…」

ましゅう「……」ﾌｩ…

ふむ、今までの話のひえい視点か…
ひえいが出てきてからはるな型護衛艦に関してwikiを見てるんだが、
トマホークを発射管制するには専用のシステムを積まなければならず、それ以前に
Mk41も装備していないひえいじゃ無理無理だよねーｗｗという話
後チャフも自艦を防御する為のものだから、投擲距離も自艦間近までしかないし、
作中のような使い方をするにはいささか無理があるんじゃ…

>>234
勉強不足でした。出直してきます

ジパングは結構ミサイルに関して間違っているので、参考にしちゃダメだよ
ほら、俺が手取り足取り教えてあげるからもっとミサイルを出そう

ミサイルには色んな種類がある

☆目的別

・対潜(潜水艦に対して撃つミサイル)
アスロック、VLA、07式など
・対艦(水上艦船に対して撃つミサイル)
ハープーン、90式、かつてのトマホークなど
・対地(地上目標に対して撃つミサイル)
トマホークなど
・対空(航空機に対して撃つミサイル)
シースパロー、ESSM、スタンダード(SM-1、SM-2)など

あ、対空にRAM入れるの忘れた

☆発射プラットフォーム(どこから発射されるか)
・航空機発射ミサイル
　　航空機発射対艦ミサイル(ASM)
　　航空機発射対地ミサイル(AGM)
　　航空機発射対空ミサイル(AAM)
・水上艦船発射ミサイル
・潜水艦発射ミサイル
・地上発射ミサイル

☆肝心の海自のミサイル達について
・海自はトマホークを運用したことがありません。
トマホークには対艦ミサイルと対地ミサイルがありますが、対艦ミサイルはもう既に米軍からも退役していますし
対地ミサイルについても、専守防衛かつ対潜重視の海自にはあまり必要な物ではありません。

・イージス艦はシースパローを使いません。
みらい搭載兵器は頭がおかしいのです。イージス艦の対空主兵装はスタンダードミサイルです。
米軍のイージス艦はESSMを搭載することもありますが、シースパローは搭載しません。
なぜか？シースパローは古いからです

皆さんありがとうございます。今後もミスがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

――――――――――――

鈴谷「んー？早霜ー、誰それー」

ましゅう「……」

早霜「名も無き試作艦……ですって……」

鈴谷「ふーん、名前は？」

ましゅう「……」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

鈴谷「……？何その変な踊り」

ましゅう「……（名前無い、そう言った、本当は、あるけど）」

鈴谷「？」

早霜「だから……名前…無いんですって……」

鈴谷「あぁそうだったわ、うっかりしてたわ」

ましゅう「……（あまり、長居、出来ない）」ｽｨｰ

鈴谷「あ、行っちゃった」

早霜「……」

☆主要な西側ミサイルたち

・ハープーン
西側で一番の対艦ミサイル。艦船・航空機・潜水艦から発射できる

・トマホーク
主に米軍が良く使用するミサイル。かつては対艦用や核搭載版なども存在したが、今現在使用されているのはもっぱら通常弾頭の対地ミサイルである
艦船と潜水艦から発射可能

・シースパロー(BPDMS、IBPDMS)
少し昔の対空ミサイル。戦闘機発射の対空ミサイル『スパロー』を艦船発射に改良した物
古いので射程距離は大したことない

・ESSM
シースパローを改良した対空ミサイル。
後述のSM-2のほどの性能は持たないが、比較的小型であるため

・スタンダード
西側艦対空ミサイルのベストセラー。SM-1、SM-2、SM-3そして今配備中のSM-6(ERAM)が存在する
SM-2はSM-1よりも優れた性能を持つミサイルで、全てのアーレイ・バーク級とそのクラスシップに搭載される
SM-3は弾道ミサイルを迎撃するためのミサイルで、これは地対空弾道弾迎撃システムにも利用される

――――――――――――

ましゅう「……（ひえい、もう、着いた、かな？）」

ましゅう「……（ん？）」ﾋﾟﾀｯ

吹雪「あ！た、助けてください」

ましゅう「……（見た所、駆逐艦、敵意、無し）」

ましゅう「………」ｻﾞｧｧ…

吹雪「あ、あの！（何この人！？見た事無い艦だ！？）」

ましゅう「……」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「えぇっ！？ジェスチャー！？」

ましゅう「……（何か、問題、でも？）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「あ、ありません！」

ましゅう「……（何が、あった？）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「鎮守府に戻ろうとしてたら、敵に襲われて…」

ましゅう「……（敵？）」

吹雪「う、うわ！追いかけて来た！あの敵です！こ、攻撃してください！」

ましゅう「？」ﾁﾗｯ

ル級『……ル』

ましゅう（こいつ、補給艦に、戦艦と、戦え、と言っている）

ましゅう（頭、おかしい）

ましゅう「……（まぁ、いい、倒す）」ｽｨｰ

ル級『……ル』ﾄﾞｫﾝ!ﾎﾞｫｵﾝ!

ましゅう「……」ｽｨｰ

吹雪「避けながら近付いて行ってる…でもどうやって攻撃するんだろ…大した装備なさそうなのに」

ル級『！？』

ましゅう「……（かなり、近付いた、攻撃、開始）」

ボゴォッ！

ル級『！？』ｽﾞｼｬｱｱ

吹雪「素手！？」

ましゅう「……（うりゃ、うりゃ）」ｹﾞｼｹﾞｼ

ル級『ル！ル！』

ましゅう「……（しぶとい）」ｹﾞｼｹﾞｼ

ル級『』

ましゅう「……（よし、静かに、なった）」

吹雪「えー…」

ましゅう「……（倒した）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「えー…ちょっと…なんか…」

ましゅう「……（助けて、やった、のに）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「そ、そうですけども！」

ル級『ル…！ルル…！』

吹雪「あぁ！ホラ！まだ生きてるじゃないですか！ちょっと小破してるけど！」

ましゅう「……（そんな、事、言ったって）」

ル級『ル…ッ！』ｼﾞｬｷｯ!

吹雪「もうおしまいだぁー！」

ましゅう「……（おわた）」

ル級『！？』ﾎﾞｫｵｵｵｵﾝ!!!

吹雪「え！？」

ましゅう「……（あれは、９０式艦対艦）」

「大丈夫？ましゅう！？」

ましゅう「……（大丈夫）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

「そう、良かったわ！その人は？」

ましゅう「……（名前、知らない、怪我、してる）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

吹雪「あ、あなたは…」

「任せて！私が助けるわ！」

――――――――――――――

提督「………」

日向「どうした提督、外を見つめて」

提督「随分と吹雪の帰りが遅くてな、今日帰って来る予定だったのだが……」

日向「捜索艦隊を編成するか？」

提督「うむ…明日まで帰って来なかったら編成する」

日向「提督、提督からも何か言ってやってくれないか？」

提督「不知火の件か？」

日向「そうだ」

提督「あぁ…だが撃ったのは大井の意思だ、不知火じゃない」

日向「そうかもしれんが…」

提督「だからと言って大井が悪いという訳でもない」

提督「親友である北上を助ける為にとった致し方が無い行動だ」

提督「それに、大井が核を撃たなければ、もっと被害は大きかっただろう」

日向「……」

提督「私は手段がどうであれ…まぁ『よくやってくれた』と思っているよ」

日向「む……」

提督「今回は大目に見てやってやれ、日向」

―――――――――

提督「……」

皐月「こ、こんにちは司令官！」

提督「……うむ」

皐月「っ」ﾆｬｰ

提督「……皐月」

皐月「な、何！？猫なんて隠して無いよ！」

提督「ほう」

皐月「うっ！」

提督「……皐月、その猫は一体誰が世話をするんだ？」

皐月「ぼ、僕がちゃんと世話をするよ！」

提督「……いいか皐月、我々は軍だ、何が起きるか分からない」

提督「もし君に何かあった時、その猫はどうなる？」

皐月「だ、大丈夫だよ！僕は沈まない！」

提督「あぁ、沈まないのは分かってる…任務か遠征に長時間行ってる間はどうする？」

皐月「そ、その時は…睦月型の皆に任せるよ…」

提督「皆だって忙しいんだぞ？」

皐月「それじゃあ司令官が！」

提督「私だって暇じゃないんだ、猫の面倒を見るような時間はないんだ」

皐月「うぅぅ……」

提督「昔……長門が野良犬を拾ってきた事があったんだ」

皐月「長門さんが！？」

提督「あぁ、もちろん説得して渋々諦めてもらったが…」

提督「皐月、みんなだって犬猫飼いたいんだ…君だけを特別扱いする訳にはいかないのだよ」

提督「分かってくれないか？」

皐月「……はい、分かりました」

提督「うむ」

皐月「……」

提督「今度、みんなで動物園にでも行こうか」

皐月「え！？」

提督「うむ、猫を飼う代わりといってはなんだがな」

皐月「本当の本当に！？」

提督「本当だ」

皐月「約束だよ！約束だからね！」

提督「あぁ、もちろんだ」

提督「……」



提督（夕張が言ってた比叡らしき艦について色々調べねば……）

―――――――――――――


提督「……ん」

中将「やぁ、大佐」

提督「こんにちは中将殿、また駆逐艦娘の下着を盗みに来たのですか？」

中将「ち、違う！あれは誤解だ！」

中将「あれは健全で紳士的なサンタクロースだ！」

提督「サンタですか…随分と奇妙な格好のサンタでしたね、まさか自分の下着を駆逐艦娘の下着に――」

中将「そんなのはどうでもいい！！！コホン…大佐、少し時間あるか？」

提督「えぇ」

――――――――――

提督「核…？確かに保有していますが…」

中将「この事が上にバレたら大変な事になるんじゃないか？」

中将「お前は、新型の兵器だと言って隠してるらしいじゃないか」

提督「まぁバレたら色々危ないですし」

提督「だから上には『核のような何か』と伝えてあります」

中将「この事をバラされたくないだろ？」

提督「まぁ」

中将「バラされたくなければ……私に従え大佐」

提督「ＯＫ」

中将「フッ、やはり断るか…だが考え直した方がいいぞ大佐、私には――え？」

提督「？」

中将「え？いいの？マジで言ってるのアンタ？」

提督「はい。それで、何をすればいいんですか？」

中将「あ、あぁ…それは…核を」

中将「核を日本に撃て」

提督「いいですよ」

中将「軽っ！？」

提督「しかしこの鎮守府から撃つ訳にはいきません…軍艦を…核を搭載出来る艦を用意してください」

提督「中将名義でね。核はこちらが用意します」

中将「か、構わんが…ちょっ、私がどうして日本に核撃つのかとか…！そういうのは聞かないのか！？」

提督「いいですよ、割愛しましょう」

提督「もうパパッと終わらせちゃいましょうよ」

――――――――――――
暁「み、見せて！」

不知火「タダでは駄目です」

暁「ボタン押すから！」ｶﾁｯ!

不知火「ＧＯＯＤ」


ドシュウウウウウウウウウウ！！！


ヲ級『ヲ～♪ヲ～♪』

タ級『ター、ター』

ヲ級『ヲ？』

ヒュゥゥウウウ・・・

ヲ級『またアレかい』

タ級『ウチらこんなんバッカやな』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・

―――――――――――――――

暁「うぅ…ヒック…」

提督「……？どうした暁、何故泣いているんだ？」

暁「うるさいわね！泣いてなんか…いないわよ！」

提督「どう見たって泣いてるじゃないか、何があった？話してみろ」

暁「放っておいてよ！」ﾀﾞｯ!

提督「暁！」

提督「……不知火、お前」

不知火「いや…まさか泣くとは思ってなくて…」

提督「お前というヤツは……」


日向「不知火、来い」

不知火「それでは司令、不知火はこれにて」

提督「……はぁ」

―――――――――――――――

日向「あれ以来、不知火を出撃停止させたが……あの手この手で核を撃とうとしてる」

提督「そうか……響も曙も駄目だったか」

日向「……ところでそれは何だ？その真っ黒い物」

提督「あきつ丸から貰った、漬物だとさ」

日向「あきつ丸から？」

提督「…実際は違うがな」

日向「え？」

ザワザワ・・・ガヤガヤ・・・

球磨「どくクマー！早く天龍を入渠させるクマー！」

木曾「どけどけー！」

提督「どうした？」

球磨「天龍の艤装からグォオオ！ってなってドカーンってなって！」

提督「分かった分かった、落ち着け」

木曾「それにしても酷い怪我だ……入渠で治るかどうか…」

提督「大丈夫だ、ガムテープでも張っておけば、すぐに治る」

球磨「ガムテープ？！」

提督「ほら、貸してやる」ｻｯ

木曾「分かった！ガムテープを張るぞ！」ﾋﾞｰ!

球磨「ガ、ガムテープで治る訳ないクマ！」

木曾「提督が言ってるんだ！俺は提督を信用するぞ！」ﾍﾟﾀｯ

球磨「何だその信頼はクマ！？」

天龍「ゲホッ！」

木曾「息を吹き返したぞ！」

球磨「マジで！？ガムテープで！？嘘だろ！？」

球磨「天龍！お前は一体全体何者だよ！？」

木曾「ジーザスもビックリだぜ！」

多摩「木曾が二人だ！語尾を忘れてるぞ球磨姉ぇ！」

球磨「天龍！大丈夫かクマ！？」

木曾「天龍！大丈夫だ、傷は深いぞ！」

天龍「う…うぅ…ここは…？」

球磨「ヴォー！？本当にガムテープで完全修復出来たクマ！？」

木曾「しかも一分も経ってないぞ！？」

天龍「ガムテープ？なんの事だ？」

――――――――――――
鎮守府外　庭


ひえい（ましゅうの地図を頼りに来たらこんな所に…！）

ひえい（見覚えのある人や見覚えの無い人とか一杯居る…！）

天龍「不知火ィーーーッ！どこだぁああああああ！！！」

ひえい「シラヌイ！？」

ひえい「あの建物の中にシラヌイが居るの！？」

ひえい「ついに見つけた…！」

ひえい「な、なんとか見つからないよーにと…」ｺｿｺｿ…

ひえい「シラヌイというのはどんな人物か…！この目で見ておきたい…！」

ひえい「核を持ち、人々を脅かす悪魔の顔を…！」

ひえい「窓から中の様子を伺いましょう…」ｽｰ…

ひえい「きっとショ●カーみたいな人達が一杯居るかも…！」



深雪「おーい！菊月ー！部屋でポーカーしようぜポーカー！」

菊月「悪いがそんな暇は無い、今から長期偵察任務に行かなければならないからな」

深雪「じゃあババ抜きでいいからさ」

菊月「ゲームの問題じゃない」

ひえい「…案外フツーですね」


深雪「おーい！卯月ー！」

卯月「何ー？」

深雪「ポーカーしよーぜー！」

卯月「ごめんねー！うーちゃん、これから任務があるぴょん！」

深雪「なーんだ…あ、司令官！一緒にトランプしよーぜ！」

提督「すまない、これから中将と話しがあるんだ」

深雪「ムー！」

ひえい「あの人が…司令官……」


深雪「誰か居ないのかよー！深雪さま達と遊べー！」

ポンポン

深雪「んあ？」

ましゅう「……」ｸﾞｯ

深雪「え！？一緒に遊んでくれるのか！？」

ましゅう「……」ｺｸｺｸ

深雪「それじゃあ部屋でやろうぜー！綾波と敷波を待たせてる、早く行こう！」


ひえい「ましゅうにソックリな艦が…！なんて事…！」ﾜﾅﾜﾅ…


吹雪「吹雪、ただいま帰還しましたー！」

深雪「しかしアンタ見ない顔だなー」

ましゅう「……」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

深雪「え？試作艦？あー、なるほどね…名前は？」

ましゅう「……」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

深雪「え？名前まだ無いの？じゃあ私が名付けてやるよ」

ましゅう「……（変な、名前、じゃ、ありませんように）」

深雪「よし！決めた！」

深雪「本か何かで見た北海道の湖の名前…摩周湖にちなんで…今日から君は『摩周』だ！」

ましゅう「！」

深雪「んぁ？どうしたんだ？鳩が豆鉄砲喰らったかのような顔して」

ましゅう「……（ この、駆逐艦、エスパー、だ！凄い！）」ｷﾗｷﾗ…

深雪（凄いキラキラした目でこっち見てくる…凄く気に入ったようだな）

――――――――――

提督「何でしょうか、中将」

中将「大佐、疑う訳ではないが…その核の威力…本物だろうな？」

提督「えぇ、もちろん」

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・

中将「！」

提督「あの通りです」

中将「そ、そうか…私の言う事を聞くと約束したな大佐？」

提督「えぇ」

中将「小耳に挟んだ事だが…お前の所の軽巡がジェットで突っ込んで深海棲艦と諸共核で自爆したらしいじゃないか」

提督「それが？」

中将「そのやり方で核の威力を実験したい」

中将「６つの核爆弾が同時に爆発すると、どれほどの威力があるか…言ってる意味はもう分かるな？」

提督「……私の艦娘を６つの核を積ませて特攻させろと？」

中将「あぁ、そうだ」

提督「そうですね…」

中将（悩め悩めこのボケがぁ～！昔は右も左も分からなく今と全然キャラが違ってたクセによォ～～！）

中将（情けない頃のお前に戻してやんよ～～！）

中将（俺より階級が下のクセに周りからチヤホヤされやがってェ～！）

提督「分かりました、やりましょうか」

中将「ハッ！無理とは言わせないぞ大佐、なんたって私は……え？」

提督「その実験しましょうか」

中将（こ、コイツ…！？史上最高のアホじゃねぇかァーーッ！！！）

提督「そうですね…駆逐艦を使いましょう」

中将「えっ！？」

提督「どうかしました？」

中将「い、いや…！そうか…分かった…」

中将「で、でも…駆逐艦じゃ、なくててもいいんじゃないかな？」

提督「どうしてですか？」

中将「ど、どうして…って…！い、いや…」

ガタッ

中将「ん？扉に誰かが…」

提督「核を使って日本を滅ぼす！！！」

提督「その為の実験でありますね！！！」

中将「う、うるさい！デカイ声出すな馬鹿！今さっき扉の前に誰か居たぞ！」

提督「大丈夫ですよ、この部屋は防音室ですから」

提督（本当は違うけど）

中将「そ、そうか…」ﾎｯ

―――――――――――――

ひえい「……ど、どうしましょう…ずっとここに居る訳にもいかないし…」

「ましゅうの地図頼りにここに来たのね」

ひえい「あ！い、いかづちさん！？」

いかづち「ようやく来たのね、ひえい」

ひえい「どうしてここに…？」

いかづち「分からないわ…気付いたらこの世界に居た…」

ひえい「へ？」

いかづち「もしかしてまだ気付いてないの？この世界は、私達が知ってる世界とは別の世界なのよ」

ひえい「えぇ！？」

いかづち「彼女達は自衛隊じゃないわ…一端の軍よ」

ひえい「軍……」

「やったー！一抜けたー！」

ひえい「あれが？」

いかづち「あれがよ」

いかずちは初代？２代目？
ひえいはどちらとも面識あるのだが

>>267
二代目です。

いかづち「それより…さっき凄い事を聞いたわ」

ひえい「何ですか？」

いかづち「司令官らしき人が部屋の中で言ってたんだけど…」

いかづち「日本を核で滅ぼすとか言ってたわ」

ひえい「えっ！？」

―――――――――――

ましゅう「……（すまない、少し、トイレ）」ｸﾙｸﾙﾋﾟｯ

深雪「おういってらー」

――――――――――


ましゅう「……（ここは、変わった、人、多い）」

長門「……ん？」

ましゅう「……（うわ凄い！長門！生で、見るの、初めて！凄い！凄い！）」ﾋﾟﾀｯ

長門「……見慣れないヤツだな、何者だ」

ましゅう「……」ｻｯ

長門「え？サイン？私の？」

ましゅう「……（書いて！書いて！）」ｺｸｯ

長門（ムゥ…何考えてるか全く分からんな…全然表情を変えんぞコイツ…）ｽｯ

長門（一体何の目的が…まぁ、書くが）ｻﾗｻﾗ

長門「えーと、名前は？」

ましゅう「……！」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

ましゅう「……！」ｸﾙｸﾙｸﾙ…

長門「あーはいはい、摩周ちゃんへと…ホラ、書いたぞ」

ましょう「……（平仮名、じゃない、けど、嬉しい！）」

ましゅう「……（嬉しい！いかづち、や、ひえい、や、自衛隊の、皆に、帰って、報告！自慢！）」ﾀｯﾀｯﾀｯ…

長門「あ、待て！お前は一体何者なんだ！？」

長門「……行ってしまった、後で提督に聞いてみるか」

―――――――

ガララッ

ひえい「わっ！窓が…って…ま、ましゅう！？何やってるんですか！？」

いかづち「見ないと思ったら…何堂々と中に入ってるのよ！？」

ひえい「あれは、ましゅうのソックリさんじゃなくて本物のましゅうでしたか…」

ましゅう「……」ﾌﾌｰﾝ

いかづち「ん？何かあったの？」

ましゅう「……（知りたい？知りたい？）」ﾁﾗﾁﾗ

ひえい「もったいぶらずに教えてくださいよ」

ましゅう「……（じゃーん）」ﾊﾞｯ!

いかづち「せ、戦艦長門のサインじゃない！？」

ひえい「うわ凄い！本物なんですよねコレ！？よくサイン書いてもらえましたね！？」

ましゅう「……」ﾄﾞﾔｱｱｱｱｱﾝ!

いかづち「うぅ…羨ましいわ…」

ましゅう「……」ﾄﾞﾔｱｱｱｱｱｱﾝ!

ましゅう「……（満足した、じゃあね）」ﾄｺﾄｺ

ひえい「えぇっ！？もっと見せて下さいよー！」

―――――――――――――

「ぎゃあああ！！この深雪があああああ！！！」

「深雪弱すぎ！」

―――――――――――――

陸奥「えぇ！？知らない子が鎮守府に入り込んでる！？」

長門「そうなんだ、提督に聞いても摩周なんて艦は無いらしい」

長門「騒ぎになる前に捕まえないと……あ」

ましゅう「～♪（トランプ、面白かった、深雪、弱い）」ﾃｸﾃｸ…

陸奥「あの子…？」

長門「噂をすれば……捕まえるぞ」

提督「待て長門、陸奥」

長門「何だ提督」

提督「これからお前達二人と、金剛、榛名、比叡の三人で霧島・暁の救出作戦に向ってもらう」

長門「何かあったのか？」

提督「うむ、護衛任務の途中だったのだが…深海棲艦の奇襲にあって中破したらしい」

提督「二人は現在、人が住んでいる島に漂流している」

長門「分かった…なぁ提督…もしもの事だが…霧島が目を離している隙に暁が島の人に拉致されたらどうする？」

提督「片っ端から民家を訪ねて、そいつの腕を折るなり指を切り落とすなりして聞きだせ」

長門「い、いや…それはちょっと…気が引ける」

提督「フッ、冗談だ」

提督「どうしても見つからないというなら、私に連絡してくれ、憲兵隊に事情を説明して探してもらう」

長門「了解した」

陸奥「了解しました」

長門「あ、そうだ提督」

提督「ん？」

長門「見ろ、あれが私が言ってた摩周――」

提督「……どこだ？」

長門「あれ？」

陸奥「どっかに行っちゃったわね」

―――――――――――

長門「それでは先に我々が行く」

金剛「気を付けて行ってクダサイネー！後で私達も行きマース！」

榛名「お気をつけて！」

長門「うむ、では行くか陸奥」

陸奥「えぇ」

――――――――――

ひえい「ん…見て下さい！いかづち！長門ですよ長門！しかも陸奥まで！」

いかづち「わ！本当だ！」

ましゅう「……（出撃、する、みたい、二人の、戦闘、見れるかも）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

ひえい「追いかけましょう！」

いかづち「当たり前よ！」

ましゅう「……（行こう行こう！）」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

――――――――――

長門「敵艦発見」

陸奥「攻撃するわ！」

長門「発射！」

ドォオオオオン！！！


ひえい「ヒェー！この距離でも凄い音ですね！」

いかづち「あれが４１cm砲の威力…」

ましゅう「……」ｷﾗｷﾗ…

いかづち「……！大変！近くに潜水艦が潜んでるわ！」

ひえい「え！？」

いかづち「長門達を狙ってるわ、どうしよう…」

ひえい「ならアスロックを気合！入れて！ブチ込めばいい話です！」ﾄﾞｼｭｳｳｳ!

いかづち「まぁ結局そうなっちゃうわよねー」

カ級『なんやあれ、魚雷やんけ』

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオン！！！



長門「！？な、なんだ！？」

陸奥「……！？」

レ級『レ！』

いかづち「危ない！」

いかづち「９０式！」ﾊﾞｼｭｳｳｳ!

レ級『』ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵ!

長門「うわっ！」

ル級『ル！』

いかづち「まだ残ってるわ！」

ましゅう「……（パンチ）」ﾎﾞｺﾞｫｯ

ル級『』ﾄﾞｼｬｱｱ!

ましゅう「……（戦いの、基本、は、格闘）」

ル級『ル…！ル！』

長門「まだ生きてるぞ！」

ましゅう「……（しつこい）」

ル級『ル！』ﾎﾞｫｵﾝ!

ましゅう「……（危ない）」ｻｯ

ましゅう「……」ﾃｯﾃｯﾃ…

陸奥「へ？」

ましゅう「……」ｽｯ

陸奥「何で私の陰に！？」

長門（いいなぁ…）


ひえい「７３式５４口径５インチ単装速射砲！気合い！入れて！狙い撃ちます！」ﾄﾞｫｵﾝ!ﾄﾞｫﾝ!

ル級『！』ﾎﾞｫﾝﾝ!

いかづち「そして！９０式喰らいなさい！」ﾊﾞｼｭｳｳｳ!

ル級『』ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵｵｵ!

ル級『ル…！』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…

長門「まだ生きてるぞ!」

ましゅう「……（撃てる、ものなら、撃ってみろ）」←陸奥の陰に隠れながら

ひえい「まだ戦う気…！？魚雷発射！これで今度こそ戦闘不能に！」ﾊﾞｼｭｯ!

ル級『ルーッ！』ﾎﾞｫｵｵﾝ!

ル級『ル…！』

ひえい「よし！もう彼女は戦う事は出来ません！」

いかづち「三人を助けるわ！」

イ級『イー！』

ひえい「まだ居た！」

いかづち「えぇっ！？」

長門「危ない！陸奥！」

ましゅう「……」ﾄﾞｺﾞｫｵｵ!

イ級『』ｽﾞｻﾞｱｱｱ!

陸奥「キック！？」

ましゅう「……」ﾁｬｷｯ!

陸奥「ナイフ！？」

ましゅう「……（貴様は、強く、無い）」ﾄﾞｽｯ

イ級『おぐぁああああーーーっっ！！！』

―――――――

陸奥「ありがとう…あの、向うの二人はあなたの友達？」

ましゅう「……」ｺｸﾘ

長門「あんな遠くから攻撃したのか…一体、何者？」

――――――――

ひえい「これ私達の存在バレちゃいましたね」

いかづち「仕方無いわ、彼女達に事情を話しに行き――」

グォオオオオオオオ・・・！

いかづち「ひえい！上！」

ひえい「え！？」

いかづち「正体不明機よ！」

ひえい「あれは…敵の…！」

ヌ級『ヌ』

ヒュウウウウウウ・・・

いかづち「空爆よ！」

ひえい「ヒェーッ！？」

ドゴォオオ！ボォオオオン！

―――――――――
長門「！？　おい、アイツら攻撃されてるぞ！？」

ましゅう「……」ﾋﾟｸﾘ


ヲ級『ヲ…ヲ…』


ましゅう「……」ｶﾞｼｯ!ｶﾞｼｯ!

長門「へ？」
陸奥「え？」

ましゅう｢～～～～！」ｸﾞｨｲｲｲ!

長門「……」
陸奥「……」

ましゅう「……！」ﾊｧﾊｧ…

長門「どうした？摩周？」


ヲ級『ヲ…！』ｺﾞｫｵｵｵｵｵ


ましゅう「……！（艦載機、飛ばして、来た！）」

いかづち「まずいわ！向うにも空母が！」

ひえい「クッ！」

いかづち「SH-60K！援護に行って！」ｺﾞｫｵｵ!

ひえい「SH-60Jはましゅう達を付近の島まで誘導を！」ｸﾞｵｵｵ!

いかづち「この！９０式！」ﾄﾞｫｵﾝ!

ヌ級『ヌ』ﾎﾞｫｵｵﾝ!

――――――――――――

SH‐60K「」ﾊﾞﾗﾗﾗﾗ…

ヲ級『ヲ？』

SH‐60K「」ﾊﾞﾗﾗﾗﾗ…

ヲ級『ヲー？』

SH‐60K「」ﾊﾞｼｭｯ!ﾊﾞｼｭｯ!

ヲ級「ヲーーーッ！？！？！」ﾎﾞｫｵｵｵﾝ!ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵ!

陸奥「ハァ…ハァ…敵艦載機、撃墜！」

長門「少し被弾してしまったな…ん？何か来るぞ…？敵機じゃない…何だあれは？」

ましゅう「……（あれは、ひえいの、SH‐60J）」

SH‐60J「」ﾊﾞﾗﾗﾗﾗ…

ましゅう「……（安全地帯、まで、誘導、する、つもりだ、二人共、来て）」ｽｨｰ…

長門「あ、お、おい！アレに着いて行く気か？」

陸奥「ちょっと！待ってよー！」

―――――――――――――――

いかづち「９０式！９０式！９０式！」

ひえい「魚雷！魚雷！魚雷！」

ヌ級『ヌ』ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵ!ﾎﾞｺﾞｫｵｵﾝ!ﾊﾞｺﾞｫｵｵﾝ!ﾄﾞｺﾞｫｵｵﾝ!ｽﾞｶﾞｧｱｱﾝ!ﾄﾞｶﾞｧｱｱﾝﾝ!

いかづち「９０式！９０式！９０式！」

ヌ級『ヌ』ﾎﾞｫｵｵﾝ!ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵ!ｽﾞｶﾞｧｱｱｱﾝ!

いかづち「ハァ…ハァ…そんな…ビクともしないなんて…」

ヌ級『ヌ』

ひえい「……もう艦載機は飛ばせないんでしょうか？攻撃してきませんね…」

ひえい「……ちょっと近付いてみます」

いかづち「気をつけてね」

ひえい「……」

ヌ級『ヌ』

ひえい「……」ﾎﾟﾝｯ

ヌ級『ヌ』ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ……

ひえい「沈んだ！？」

いかづち「じゃ、じゃあ…もうとっくに…倒してたって事…？」

――――――――――――――
付近の島


SH-60J「」ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…

霧島「アレは…？」

ましゅう「……（ここまで、来たら、一安心）」

長門「ん…？霧島？霧島じゃないか！」

霧島「長門さん！陸奥さん！来てくれたんですね！」

長門「あぁ、本当は金剛や比叡や榛名と合流してから来る予定だったんだが……意外と早く到着出来たな」

陸奥「あら？そういえば…暁ちゃんは？」

霧島「あれ！？さっきまでここに居たのに！？」

陸奥「どうする？長門？」

長門「とりあえず辺りを探してみよう、いざとなったら提督に連絡する」

ましゅう「……」

―――――――――

ましゅう「……（SH-60J、も、探して）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

SH-60J「」ｸﾞｫｵｵｵ･･･

ましゅう「……」

長門「暁ー！どこだー！」

陸奥「暁ちゃーん！」

霧島「暁ちゃーん！どこー！？」

ましゅう「……あ」

ましゅう「……暁ー」

長門「！？」
陸奥「！？」

霧島「？」

長門「な、何だ、しゃ、喋れるのか…！」

陸奥「てっきり喋れない子だと…」

ましゅう「喋れない、訳じゃ、ない、口は災いの元」

ましゅう「ジェスチャー、や、手話、なら、余計な、事、言わない」

ましゅう「こんな、意識、しながら、喋らなくても、大丈夫」

ましゅう「……（でも、暁の、名前、ぐらいなら、大丈夫、だよ）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

長門「そ、そうだったのか…」

ましゅう「暁ー、暁ー、おーい、暁ー」

長門「……出来るなら大きい声で呼んでくれないか？」

ましゅう「……（これが、限界、大声、出せない）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

長門「もっと腹から声を出せ」

ましゅう「……（そんなの、比喩、に、過ぎない）」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

長門「比喩でもなんでもいい、とりあえず声を最大限に振り絞ってみろ」

ましゅう「………！」

ましゅう「あ、暁ー…！おーい…！暁ー…！暁ー…！」

ましゅう「……（無理）」ｸﾞｯﾀﾘ

長門「分かった…もういい、無理ならいい…」

SH-60J「」ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…

ましゅう「……（SH‐60J、が、暁、見つけた、みたい）」ﾀﾞｯ！

――――――――――――

暁「うわぁああああああああああんん！！！」

陸奥「よしよーし、もう大丈夫だからねー」

長門「はぁ、ようやく見つけたか…提督に救出した事を連絡しておこう」

―――――――――――――

提督「……そうか、分かった。あぁ、後数分で金剛達がそちらに到着する、それまで待機しておけ」

提督「合流したら出発しろ」

北上「提督ぅー」

提督「あぁ、なんだ北上」

北上「あのパラボラアンテナみたいな髪型のおっちゃんが、また来たよ」

提督「中将だ、通してくれ」

――――――――――――
――――――
―――
現実世界



ピッ・・・ピッ・・・

ひえい「」

不知火「不知火に核爆弾級のマズイカレーを食べさせようとした罰です」

比叡「あれからひえいさん全然起きませんよ…？だ、大丈夫なんですかね？」

不知火「もう一回、比叡カレーを食わせてみますか」

比叡「そ、そうか！気合い入れたカレーを食べさす事によって――」

球磨「それはトドメになるクマ！」

比叡「はい！カレー！」ｻﾞｯ!

球磨「作るの早いクマー！？」

不知火「お食事の時間でーす」ﾄﾞﾁｬｱｱｱｱ!

比叡「顔にカレーを叩きつけたーッ！？」

球磨「どんな食わせ方だクマーッ！？」

――――――――――――――
―――――――
――――
再び、ひえいの走馬灯？夢？の中。

鎮守府　庭　


「キャー！」


伊５８「逃げるんじゃねぇでち！」ｶﾞｼｯ!

翔鶴「ひいぃー！」

伊５８「さぁ！とっとと、この新型魚雷の情報を言うでち！」ﾊﾞｯ!

アスロック「」

翔鶴「し、知りません！」

伊５８「あぁ～ん？惚けるんじゃねぇでち！ネタはあがってるでち！潔く吐くでち！」

翔鶴（ゴーヤさんや皆が…比叡さんのカレー食べてからおかしくなっちゃった…！）




ひえい「……？」

いかづち「どうしたの？ひえい？ボーッとして」

ひえい「い、いえ…」

ひえい（な、何でしょうか…何か…記憶が抜け落ちたような…感覚が…）

―――――――――

提督「……そろそろ、例の実験が始める頃だ」

提督「……核爆弾を駆逐艦達に搭載させ、ジェットエンジンで特攻させ」

提督「その核爆弾の威力の実験……」

提督「しかし、実験に使う核爆弾はダミー…」

提督「作戦当日に使う核搭載艦に搭載する二発の核ミサイル…深海棲艦に向けて発射する一本だけ本物…」

提督「核ミサイル、通称『フルート』と『クラリネット』を使う予定……」

提督「深海棲艦に撃つ『クラリネット』だけが本物」

提督「そして、『フルート』は…」

提督「ダミーを持って来させる予定だったが…」

提督「『本物を持って来ちゃいました（笑）』……か」　

提督「そしてダミーをここに持って来させ、本物を島に返す途中……」

提督「深海棲艦によって『フルート』を積んだタンカーを拿捕された…」

提督「……まずいな」

提督「いや、まずいとか言ってる場合じゃない、早く取り戻さないと……」

提督「使われたら、とんでもない事になる」


―――――――――――――――

提督「これより、タンカー奪還作戦を開始する」

提督「深海棲艦によって拿捕された、資源が大量に積まれたタンカーを奪還せよ」

提督「奪還後、タンカーの積荷の確認を頼む」

提督「船倉に『ほ-30067』と表記された巨大な青いコンテナがある」

提督「そのコンテナが船倉にあれば、早急にタンカーを回収」

提督「もしコンテナが無ければ、早急に私に連絡せよ」

提督「コンテナの中身は絶対に見るな」

提督「以上」

―――――――――――――

いかづち「……出撃するらしいわ！」

ひえい「自衛隊が盗聴なんかやっていいんですかね…」

いかづち「コンテナの中身……気になるわ……」

いかづち「ひょっとしたら以前言っていた核かも…！」

いかづち「行くわよ！ひえい！」ﾀﾞｯ!

ひえい「えぇっ！？ちょっ、待って下さいよ～！」

――――――――――

摩耶「アタシをこんなショボい任務に就かせやがって…クソが！」

提督「ショボくない（核ミサイル奪還作戦だぞ）」

提督「あとな摩耶」

摩耶「んだよ？」

提督「曙にも言ってるが、そのクソクソ言うのやめろ、上官だぞ」

摩耶「だから？」

提督「だから？じゃない、私だから許しているが…」

提督「大体、クソなんて品の無い言葉を使うんじゃ――」

大淀「提督！入渠ドックに火災発生！」

大淀「これでは大破した赤城さんを入渠出来ません！」

提督「クソが」

摩耶「おい」

提督「ほら、ちゃっちゃと行け」

古鷹「早く行きますよ摩耶さん！」

摩耶「おう、今行く！」

摩耶「アタシらが帰ってくるまで入渠ドックなんとかしとけよ」

提督「努力する」

摩耶「よーし！出撃するぜー！」


提督「それで、何故火災が発生した？」

大淀「比叡さんのカレーを食べた那珂さんが放火したらしくて……」

―――――――――――――――――

摩耶「たっく…何でアタシがこんな事を」

古鷹「仕方無いよ、殆どの子がカレー食べておかしくなっちゃったからね」

加古「眠い…」

古鷹「しっかりしなよ加古、もうすぐだからね…青葉ちゃんは大丈夫？」

青葉「えぇ、大丈夫ですよ…ちゃんと仮眠もとりました」

青葉「しかし…司令の言ってたコンテナには一体何が入ってるんでしょうか…」

古鷹「中は見るなって言ってたけど…」

摩耶「見てやろうぜ」

古鷹「駄目ですよ！そんな事しちゃ提督に怒られちゃいますよ！？」

摩耶「構わねぇって、バレやしねぇよ。なぁ？お前も気になるだろ青葉？」

青葉「……いえ、青葉は結構です」

摩耶「ンだよ、ノリ悪いな」

古鷹「もうすぐ作戦区域です！みんな！気を付けて！」

―――――――――

古鷹「やー！」ﾄﾞｫｵﾝ!

イ級『』ﾎﾞｫﾝ!

加古「おらー！」ﾄﾞｫｵﾝ!

ツ級『』ﾎﾞｶﾞｧﾝ!

摩耶「そーらよッ！」ﾄﾞｫﾝ!

ヌ級『ヌ』ﾎﾞｫｵﾝ!

青葉「沈め…」ﾄﾞｫｵﾝ!

チ級『』ﾎﾞｶﾞｱｱﾝ!

加古「よーし、粗方片付いたな」

古鷹「みんな！こっちに来て！大きな洞窟があるよ！」

摩耶「デケー洞窟だな…この中にあるのか？」

青葉「……かもしれません、青葉が明かりを灯し先導します。皆さん、ついて来て下さい」

古鷹「気を付けてね、青葉ちゃん」


―――――――――――――

いかづち「洞窟に入るみたいよ」

ひえい「どうします？」

いかづち「彼女達が出て来てから洞窟に入りましょう」

いかづち「それまで敵が洞窟に入らないように見張っておきましょう」

洞窟内

摩耶「なぁ、青葉よォ、ずっと思ってたんだが…勘違いだったら悪いんだけどよ」

青葉「何でしょうか？」

摩耶「背低くなった？」

青葉「気のせいですよ」

摩耶「声変わってない？」

青葉「気のせいですよ」

摩耶「そうか…」

古鷹「あ！見て！タンカーがあるよ！」

加古「おぉ、これかぁ」

青葉「……写真と同じですね、乗り込んでコンテナがあるかどうか確かめましょう」

――――――――――

摩耶「よし、乗り込んだ」

古鷹「確か、中にコンテナがあるんだよね」

青葉「中に敵が居るかもしれませんね、用心しないと」

―――――――――――
ガチャッ

摩耶「お？何か広い所に出たぞ？」

青葉「コンテナが沢山ありますね」

加古「えぇ！？この中から探すの！？」

古鷹「み、見つけられるかな…？」

青葉「仕方ありません、青色のコンテナを集中的に調べましょう」

青葉「確認するべきコンテナには『ほ-30067』と表記されているハズです」

古鷹「これじゃない…」

加古「これじゃないなぁ…」

摩耶「違う…」

青葉「中々見つかりませんね」

――――――――――――――

『ほ-30067』

摩耶「……！」

摩耶（こ、これだ…！）

摩耶（ど、どうする…？だが見るなって…）

摩耶（見るなと言われたら…余計に見たくなるだろうが…！）

ガチャッ

摩耶「……！？」

摩耶「な、何だ…こりゃ…？」

『Flute』

摩耶「ケースに入れられてるが…中には何があるんだ…？」

摩耶「……こ、ここまで見ちまったんだ、構うもんか」ﾊﾟﾁﾝｯ

摩耶「……！？」ｶﾞﾁｬｯ

摩耶(こ、こいつは…！？核ミサイルじゃねぇか…！？)

摩耶（何でこんな物が…！？）

青葉「摩耶さん」

摩耶「！？」

青葉「……青葉、見ちゃいました」

摩耶「あ、青葉…！」