龍驤「邪魔するでー」ガチャ (37)

提督「邪魔するなら帰ってー」

龍驤「あいよー」バタン




龍驤「――ってなんでやねん!」ガチャ

提督「――――あれがいわゆる『乗りツッコミ』というやつだ」

天龍「なるほどなー」

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12月31日 朝  提督執務室

龍驤「大晦日の朝っぱらから呼び出したかと思たらけったいな事させよって・・・・・・ホンマにぃ!」

提督「いやすまん。天龍がどうしても乗りツッコミを見たいと・・・・・・」タンコブ

天龍「な!? そもそも話を振ったのは提督だろうが! 俺は悪くねぇ!」タンコブ

龍驤「やかましい! 用が無いならウチは戻るで――ったく御節の用意せなあかんのにもー」スタスタ


天龍「あ、そういえば年越しそばは?」


龍驤「食べたきゃ自分で買(こ)うてき!」ブンッ

提督「痛てぇ! なんで俺に!?」バスン

天龍(なんだあのヒョウ柄のサイフは・・・・・・)

提督「やれやれ・・・・・・じゃー一緒に買いにいくか、天龍?」

天龍「おう」







【玄関】

提督「おーい天龍、まだかー?」

    マーダー

提督「女の支度はどうしてこうもなー・・・・・・」

「そんなこと言うもんじゃありませんよ、提督」

提督「んー? おう赤城か。おはよう」

赤城「おはようございます。お出かけですか?」

提督「ちょっと年越しそばを買いにな。お前も行くか?」

赤城「ぜっ・・・・・・! いえ、遠慮しておきます。龍驤さんに手伝いを頼まれましたので」

提督「そうか」

天龍「――悪ぃわりぃ、待たせたな提督」トタトタ

提督「3年は待ったぜ」ドッコイショ

天龍「よく言うぜ――ん? 赤城さんも行くのか?」

赤城「いえ私は――」

提督「台所でつまみ食いだそうだ」

赤城「!?」ガーン

天龍「ああ・・・・・・ほどほどにな、今龍驤さんムシの居所が悪いからさ・・・・・・」

赤城「いや、あの確かにあわよくば、と思っては・・・・・・」

テイトク「オマエノ セイジャ ネーカヨー」

テンリュウ「ダカラ ナンデソウ ナルンダヨ」

赤城「今日ばかりはですね私もちゃんと御手伝いを、と・・・・・・」

提督「あ、そうだ。赤城はそばの具は何がいい?」

赤城「エビ天でお願いします」キリッ

提督「わかった。じゃ、行ってくる」ヒラヒラ

天龍「デカいの選んできてやるぜー」ブンブン

赤城「い、いってらっしゃい」ズーン





赤城「龍驤さーん、御手伝いに来ましたよー」ヒョイ

龍驤「おお、頼むわー。とりあえず棚から大皿出してやー」グツグツ

赤城「はーい」
  (ああ、煮豆の甘いニオイ・・・・・・こっちにはツヤツヤのエビ)ジー



龍驤「――つまみ食いはアカンでー」トントントントン

赤城「し、ししし、してませんよ!?」ビクーン

【商店街】

ガヤガヤ    ワイワイ   ガヤガヤ

天龍「おー、大晦日だってのに朝からにぎわってんなぁ」キョロキョロ

提督「だからこそって気もするがな。いや、ここはいつ来てもこんなんだったかな?」

天龍「普段来る事もないからなー、よく分からんぜ」

提督「同感だ」


「あ、てーとく。てんりゅーもいる」


提督「?」

天龍「?」

58「おはよー!」

天龍「おう、ゴーヤじゃねぇか」

提督「お前こんなところでなにしてんだ」

58「ゴーヤはねぇ、お部屋に飾るおもちを買いに来たんだよ」

天龍「餅?」

提督「鏡餅か」

58「そうそう、そうでち」

天龍「・・・・・・あーそっか、お前、知らないんだ」

58「え?」

天龍「ウチじゃあな、正月に餅つきすんだよ」

58「そーなのー!?」

提督「だから鏡餅は毎年買わないんだ。ヤツが居るからな、かなりの量を作って、飾る以外はぜーんぶ正月中に食っちまうのさ」

天龍「ちなみにしめ飾りも買わねぇ。全部不知火がどっかからか仕入れてくるからな」

58「知らなかったでち・・・・・・」

提督「まーお前は今年からウチに来たわけだし、知らないのも無理は無い」

58「知ってたら早朝からあわてて出てこなくても良かったのになぁ・・・・・・」

提督「スマン、何も考えてなかった」

58「いや、いいでちよ」フゥ

天龍「もう買っちまったのか?」

58「幸いにもまだでち。店によって売り文句とか飾りが違うからちょっと見て回ってたの」

提督「そりゃ本当に良かった。――今から年越しそば買いに行くから、お前も一緒に行こう」

58「はーい、オトモするでちー」テチテチ




天龍「そういや、どこで買うんだ?」

提督「わかんね、テキトーに見て回ろう」

58「たしかあっちの方に売ってたよ!」

【寮内・倉庫】

不知火「・・・・・・」キョロキョロ

   (臼の用意を忘れていました。これは私だけの落ち度ではありません)

   (どこでしょうか? 確か隅の方に毛布にくるんで置いておいたような・・・・・・?)

  ガタガタ   ゴソゴソ


不知火「――――!――ありました」

  ゴゴッ  グイッ

   「うっ・・・・・・まぁまぁ重いわね」(約50kg)

   「でも、そんなんで、不知火は沈まないわ」フフフ



赤城(・・・・・・)ジー

不知火「――――」ブツブツ

赤城(あの娘は暗い倉庫で石臼かついで何を言っているのでしょう)ガタガタ







赤城「・・・・・・」スタスタ

龍驤「おかえり、重箱あった?」

赤城「はい」




――見なかったことにした。


提督「ただいまー」
天龍「ただいまー」
58「ただいまー」

不知火「お帰りなさい」ジャバジャバ ゴシゴシ

提督「おお、石臼。それも忘れてたな。掃除ご苦労さん」

不知火「一年触ってないわりにはあまり汚れていませんので、洗ったら庭に置いておきますね」

提督「おう、頼むわ」


  テンリュウ 「オーイ リュージョー」
  ゴーヤ 「タダイマデチー」


不知火「提督達は何を? 買い物ですか?」

提督「年越しそばをな。今年は赤城の希望で全員えび天そばだぞ」

不知火「あら。いい具。感謝します」

提督「おう。終わったら居間に来いよな」

不知火「はい」

 昼  寮・居間

「「「「「「いただきまーす」」」」」」


龍驤「今日のお昼は鍋やでー」カパ

天龍「おおーうまそー」

提督「おい、お玉取ってくれ」

58「はい、でち」

赤城「ゴクッ! ゴクッ! ゴクッ!」(3杯完食)

不知火「!? 熱くないのですか!?」







提督「ふぅー、ちょっと熱いな」パタパタ

天龍「ストーブ、コタツ、ドテラに鍋だからなー」パタパタ

提督「・・・・・・ゴーヤは寒くないの?」

58「え?」(年中水着)

赤城「身体を覚ますものが欲しいですね」

龍驤「雪見だいふくでええか? 冷凍庫にあったで」

不知火「あれは不知火のです。赤城さんと言えども手を出すというならば――」ゴゴゴゴ

天龍「あ、そういやさっきそばと一緒にアイスも買ったぜ」

赤城「いただきます」スッ スタスタ ガラッ トンッ

天龍「・・・・・・挙げるとも良いよとも言ってないんだが?」

龍驤「大事ならアンタも取りに行き」ヌクヌク


提督「――――」

「コタツで食べるアイスも良いものですね」
  「オレに何か言う事はないのかい」

                        「もーいーくつねーるーとー♪」
                       「もういくつもありませんが」
                      「いいの、気分きぶんー」

  「んーと掃除、終わった。洗濯、干すだけ。料理、あとちょっと――――ん?」

龍驤「なんやキミィ、ニヤニヤして」

提督「ん、そうか?」

龍驤「ちょっと気持ち悪いで?」

提督「酷ぇ・・・・・・いや、今年も色々あったが、終わっちまうなぁなんて思って」

龍驤「なんや今更、ようやく年の瀬気分になっとんの? ウチなんか26日から大掃除やらなんやら、クリスマスの余韻に浸る暇もなかったわ」

提督「いつもすまないな」

龍驤「ええよ。ウチがここの古株やねんから、みんなのお世話するのが道理や」

提督「・・・・・・すまない」

龍驤「・・・・・・はぁ、そんな何度も謝らんとき。年の瀬やねんから萎えてしまうやんか」

提督「・・・・・・そうだな、うん。ありがとう龍驤」

龍驤「へへ、おおきに」







龍驤「さーて! そろそろアンタらも動きぃ!」

天龍「うーい」ダラダラ

赤城「はい」

不知火「はい」

58「はーい!」ガバッ

提督「おう」

龍驤「不知火とゴーヤは注連飾りや、玄関と各部屋、水場に炊事場にも頼むでぇ」

不知火「はい。――行きましょうか」スッ スタスタ

58「うん!」ダダダダ

龍驤「提督と天龍は玄関と庭、あとついでに廊下の掃除や、神さん御招きする準備しぃや」

提督「了解した」ドッコイショ

天龍「うへー、やる事多いな・・・・・・」

龍驤「なんやー不満なら洗濯モンも任せよか?」

天龍「よっしゃぁっ! 掃除大好き!」ドタバタ ダダダダ

提督「やれやれ」スタスタ

龍驤「ほんで赤城はまた料理の方頼むわ」

赤城「はい」

 夜 寮・居間

「おそば出来たでー! 取りに来ぃー!」


提督「お? お待ちかねが出来たみたいだぞ」

天龍「今手が離せねぇ、頼むぜ」ジー   デデーン エンドーアウトー

不知火「不知火が行ってきます」スッ スタスタ ガラッ

58「ゴーヤも行くでち」 テチテチ    トン

提督「・・・・・・お前なぁ」

天龍「な、なんだよ」アセ




龍驤「コラぁ! 天龍ぅ! 食べたいゆーたヤツが何で取りに来んのや! おかしいやろ!」ガラッ スパーン!

天龍「痛ぇ!」

提督「だから言ったのに」


天龍「おい、オレのエビ、小っちゃくねーか?」

龍驤「自分で取りに来んからや」ズズッ

天龍「くっそー・・・・・・」プルプル

58「おいちー♪」ハフハフ

不知火「ゴーヤさん、ほっぺにネギがついてますよ」フキフキ

提督「あったけぇーうめぇー、さすが龍驤」

龍驤「にひひひ」クククク

提督「?」

赤城「あの、提督。これ作ったの私なんです」

提督「え、そうなの?」

龍驤「ホンマやでー、いっつも手伝ってくれるさかい、ちょっと任せてみたんや」

天龍「ほー、そりゃすげぇ、龍驤さんにだって負けてないぜコレ」

提督「ああ、美味いよ赤城」

赤城「ありがとうございます」

龍驤「これで来年からはウチもちょっとは楽できるなぁ」

赤城「はい、任せてください。がんばります」

提督「ぜひよろしく頼むよ」






提督「――――しかし、今年も色々あったなぁ・・・・・・」

天龍「じじクセェこと言ってんなよテイトクー」

提督「・・・・・・」

龍驤「ほんまやね、今年は新しい家族も増えたし」

58「えへへ」




提督「お前らどんな一年だった?」

天龍「――うーんオレはちょっとモノ足りなかったかなー」

不知火「というと?」

天龍「なんつーか、感覚的な話なんだけどよ? 今年はイマイチ『戦った』って気がしないんだよなー」

提督「あー・・・・・・」

天龍「そりゃあま、ウチに重要な任務や作戦が回ってこないのは分かってるけどよ、演習も手ごたえ無ぇし」

58「みんなの練度が高すぎるでち、ゴーヤじゃ半分にも届かないのに」

提督「俺も本営では半分隠居人みたいな扱いだしな」

龍驤「ええやないの、なんだかんだ平和が一番やで」

天龍「まーなー」ダルーン

提督「・・・・・・・・・・・・ふふふ、そんな天龍に朗報だ」

天龍「!?」


提督「先日、ウチに演習の依頼が来た。それも3ヶ所から、それもそれも全部前線でバリバリの奴らだぞ」

天龍「よっしゃぁっ!」

提督「暖かくなる前に2回、その後継続的に繰り返して行うらしい。来年は騒がしくなりそうだな?」

天龍「そう来なくっちゃな、抜錨だっ!」ガタッ


58「――いや、暖かくなってからって・・・・・・」

不知火「シー」



提督「不知火はどうだ?」

不知火「それなりに充実した一年だったと思います。――妹分もできましたしね」フフ

58「それってゴーヤのこと?」

龍驤「そうやでー、アンタが来るまで不知火が最年少やったからなー」

天龍「ああ、思い出すだけで涙が出るぜ」ヒーヒー

不知火「不知火を怒らせたわね・・・!」ガチャコン


     シズメ     ウォー!? ヤメロー
        ガチャン        バタンドタン  ドタドタ

赤城「不知火さん、天龍さんにはよく悪戯されてたんです」

58「なるほど」


    ズドンッ   ギャー! マヂデ ウチヤガッタ!

       グワァァアアア   テ、テイトクー






提督「・・・・・・ご、ゴーヤはどうだ?」プスプス

58「んー・・・・・・」


天龍「」チーン

龍驤「アホ」


58「・・・・・・ゴーヤ、始めはものすごく嫌だったの。お仕事は大変だったけど、生まれてはじめての鎮守府で、ここでずっと暮らすんだって思ってたから」

龍驤「・・・・・・」

58「だからね、ここに来るとき、てーとくに酷い事いっぱいいっぱい言っちゃった」

提督「・・・・・・」

58「でもみんなと過ごすうちに、どうしてここに来る事になったのか、なんとなくわかってきたでち」

赤城「・・・・・・」

58「秋に、前の鎮守府の人たちと会って、話をして、ようやく納得もできたんだ」

不知火「・・・・・・」

58「だからね、今年は嫌な事もびっくりする事もいっぱいあったけど、全部ひっくるめて『良い事』に変わった、とっても、グスッいい年だったと思う、でぢ」ポロポロ

提督「ごーや・・・・・・」


 「――ばっかだなぁ」


58「ふぇ?」

天龍「なーに泣いてんだよ、ここに居りゃあそれくらいの『良い事』これからなんっっっども起きるってーの」ウツブセ

龍驤「天龍・・・・・・」

天龍「今から泣いてちゃ、涙が枯れちまうぜ!」ガバッ  Σd ビッ
 

龍驤(・・・・・・号泣しとる!!)


58「うん! ありがとてんりゅー! ありがとみんな! 来年もゴーヤをよろしくね!」

提督「おう」

龍驤「よろしゅうな」

赤城「よろしくね」

不知火「よろしくお願いします。一緒に天龍を駆逐しましょう」

天龍「!?」



提督「――――赤城は?」

赤城「そうですねぇ・・・・・・」ウーン

天龍「――うぉ! やべぇ! カウントダウン始まるぜ!?」

赤城「えっ」

58「みんなでカウントするでちー!」

赤城「あ、私の一年はですね」

天龍「んなもん、6パックが1パックになったとかそんなんだろうが! 来年の目標は6パックを取り戻せ、だな!」

赤城「失礼な!」

龍驤「いやーあながち間違ってへんのとちゃう?」

赤城「龍驤さんまで!?」

龍驤「今のアンタの腹、加賀が見たら多分ショックで気ぃ失うで」

赤城「」ガーン



天龍「よっしゃー!」

58「いくでち!」


不知火「ごー」

龍驤「よーん」

赤城「惨・・・・・・」

天龍「にー!」

58「でーち!」


「「「「新年明けましておめでとー!」」」」   オメデト、ゴザイマス・・・


提督「うん、明けましておめでとう。今年もよろしく」






天龍「おらー! ちゃっちゃか歩けよぉ、赤城さん!」バシバシ

赤城「うう・・・・・・」トボトボ

不知火「心中、お察しいたします。来年・・・・・・いえ、今年は一緒に訓練しましょう」

赤城「ほこりぃ・・・・・・」


58「こんな夜遅くにお出かけなんて初めてでちー!」テテテテテテ

龍驤「おーい、そんなに急がでも神社は逃げへんでぇ」


     ドーン   グエ    アブネーナ ゴーヤ!  ダイジョウブ デスカ アカギサン

龍驤「アカン、聞いとらへん」ヤレヤレ

提督「ま、いいじゃないか俺たちはゆっくり行こう。不知火もいるし、神社までなら何も起こさないだろ」

龍驤「フラグやで、それ」

提督「・・・・・・」スタスタ

龍驤「・・・・・・」カラン コロン

提督「・・・・・・少し、冷えるな」

龍驤「ホンマやね・・・・・・」


提督「・・・・・・」スタスタ

龍驤「・・・・・・ハァー」カラン コロン

提督「・・・・・・」ソッ  ギュ

龍驤「っ・・・・・・」     キュ


提督「なぁ」

龍驤「んー」

提督「どんな、年だった?」

龍驤「ハッ、変わらへんよ、いつもどーり」

  「天龍がアホで、不知火が勤勉で、赤城がうまそうに食べて、ゴーヤが元気で――」


  「ほんで」



  「ほんで――――キミが居る」

提督「・・・・・・そっか」

龍驤「そやで。いつもどーり」


提督「・・・・・・」スタスタ

龍驤「・・・・・・」カランコロン

提督「・・・・・・」スタスタ

龍驤「・・・・・・少し、冷えるなぁ」

提督「・・・・・・そうだな」

龍驤「ウチもや・・・・・・でもな」


    ギュ

    キュ







龍驤「――――あったかい」

以上。思いつきのものでしたが、こんな大晦日を過ごしたい。
龍驤と過ごしたい。

見てくれた人、ありがとう
少しはやいけど、良いお年を!

一応言っとくけど、赤城さん好きだぜ!
即興で書いたからかなり駄目な感じになっちゃったけど、龍驤の次に発言力のある設定だから!
おなかがやわらかワンパックになってもそれはそれでいいよね!

今日はちらちらスレ見とくのでなにかあったらレス下さい。
てゆーか、ぜひ感想をお願いします。

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