モバP「だりやすかれんと年の暮れ」 (26)



―――事務所


李衣菜「――ということで! 数日遅れのクリスマスパーティ兼、忘年会を始めたいと思いますっ!」


ちひろ「いえーーいっ♪」

加蓮「ふふっ、いえーい♪」

李衣菜「いぇい! 盛り上がっていこうぜっ♪」ウッヒョー

ちひろ「いこーぜええええいいえええええいっっ♪♪」

泰葉「ふふふっ。ちひろさん、はしゃぎすぎです」クスクス

ちひろ「だってだって、パーティ久しぶりなんですもんうふふえへへ♪」

P「最初からそんなんじゃあとでバテますよ……。とにかく李衣菜、乾杯の音頭頼むよ」

李衣菜「まっかせてください! それじゃみんな、今年1年お疲れさまでしたっ! かんぱいっ♪」


   『かんぱーいっ!!』

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加蓮「んくんく……ぷは。ふふ、シャンメリーって美味しいね」

李衣菜「大人な感じするよね!」

P「はは、こんな子供シャンパンで何言ってんだ」

李衣菜「こういうのは雰囲気が大事なんですー。ねー?」


加蓮「えっ?」

泰葉「え?」

李衣菜「あれぇ!? ここはノッてよぉ!」

加蓮「ふふっ♪」

泰葉「ふふ、あはは……♪」

ちひろ「うふふ。この調子なら、みんな笑顔で年を越せそうですね」

李衣菜「うー、今の私はブルーな気持ちなんですけどぉ……」

ちひろ「ふふ、よしよし李衣菜ちゃん」ナデナデ


加蓮「ふふ、楽しいな……今日はありがとね、Pさん」

P「ん、何がだ?」

加蓮「こうしてパーティを開いてくれたこと。年末は忙しいって言ってたのに」

P「うーん……まぁな。こっちこそ悪かったな、今年最後の休みだったろ?」

泰葉「いえ、そんなこと。最近はお仕事以外でみんなと会う機会なんて、ほとんどありませんでしたから」

加蓮「うんうん、久しぶりに李衣菜をイジれたしね」クスクス

泰葉「ふふっ。お仕事も楽しいですけど、日常も楽しみたいじゃないですか」

P「……うん、そうだな。喜んでくれて良かったよ」

泰葉「はいっ」ニコ

加蓮「あ、楽しいお仕事と言えばさ。クリスマスにやったネットの生放送! あれ面白かったよね」

泰葉「ああ、ファンの方のコメントが画面を流れてくる……」

加蓮「そそ、みんなと一緒に過ごしてる感じがして新鮮だったなぁ」

P「おっ、あれ気に入ったか? 最近主流になってきたんだよな、ああいうの」

泰葉「生放送ということで、アイドルがその日に――クリスマスに、どこで何をしているのかが分かる、と……」

P「おおう……泰葉するどい」

泰葉「やっぱり」クスッ

加蓮「??? どういうこと?」

泰葉「ふふ、ううん。加蓮は純粋なままで、ね?」ナデナデ

加蓮「?」

李衣菜「ネットで生放送! 私も個人的にやってみたいんですよね!」ヒョコッ

P「わぁびっくりした」

李衣菜「ねぇPさん、私にも出来ますよね?」

P「あぁ、まぁ出来るけど。何するんだ?」

李衣菜「ギターですよギターっ。ゲリラ的なソロライブをですね……!」

P「よし、じゃあこの場でギターの腕前を……」

李衣菜「うぐぅっ!? ま、また今度に――」


ちひろ「はーい、軽食ですよー。たくさん食べてくださいね♪」

加蓮「やった! フライドポテト、ポ・テ・トー♪」パクパクモグモグ

泰葉「そんなに急がなくても……。ふふっ、もう、加蓮ったら」

加蓮「大丈夫だいじょ、けふっこふっ!」

泰葉「ちょ……か、加蓮!?」

加蓮「けへ、こほ……あ、あはは、喉につかえちゃった。こほ」

ちひろ「あらら、大変! 加蓮ちゃん、はいお水!」スッ

泰葉「もう、ばか……!」トントン サスサス

加蓮「あ、ありがと二人とも……えへへ」クピクピ

泰葉「えへへじゃないでしょう……平気?」

加蓮「うん。優しいね、やすh――」


李衣菜「かれえええええええんんん!!!」ダダダ

P「無事かあああああああああああ!!!??」ドドド

加蓮「きゃあ!?」

李衣菜「大丈夫!? 平気!? 具合悪いとこはっ!?」

P「横になるか!? 寒くないか!? 痛いところはっ!?」

泰葉「お静かに」ビシッビシッ

李衣菜「あぅっ」

P「ぐはぁ」

加蓮「だ、大丈夫だよ。ポテトちょっと食べ過ぎただけ」

李衣菜「ほ、ほんと? 強がりじゃないよね?」

加蓮「ほんと。ふふ、心配してくれたんだ」

P「当たり前だろっ、びっくりしたなぁもう……!」

李衣菜「加蓮に何かあったらどうしようかと……!」ブツブツ

P「まったくだ……!」ブツブツ


泰葉「……ふふ。愛されてるね、加蓮」

加蓮「そ、そう? 嬉しいんだか恥ずかしいんだか……」

ちひろ「顔、赤いですよ? うふふっ」

加蓮「い、言わないでよちひろさん……!」カァ…

泰葉「ふふふ♪」

P「よし李衣菜! 来年も加蓮を守っていくぞ!」

李衣菜「おーっ!」

加蓮「あーもう、私のことなんだと思ってるの! 守られなくてもこの1年で体は丈夫になったんだからっ」

李衣菜「そ、そうだけどさぁ……」

加蓮「そもそも李衣菜も、意地はって無理することあるでしょ。私はそっちのが心配だよっ」

李衣菜「うっ……だ、だってぇ……」

加蓮「だってじゃないの!」キッ

李衣菜「ひぃ!」

泰葉「ふふっ、言われてるね李衣菜」

加蓮「泰葉もだからね?」ジロッ

泰葉「え、えっ?」

加蓮「泰葉は自分の中に抱え込みすぎなの。悩みでも何でも、ちゃんと相談して。いいっ?」

泰葉「う、うん……だ、大丈夫だから、ね?」

加蓮「……ほんとに?」ズイ

泰葉「ほ、ほんとに分かったからっ」

加蓮「ならよし」


李衣菜「加蓮って時々怖いよね……」ヒソヒソ

泰葉「うん……」ヒソ…

加蓮「何か言った?」

李衣菜・泰葉「「う、ううん何にも!」」

P「……ははは」

ちひろ「ふふ。もう1年ですか……すっかり仲良しさんですねぇ」

P「ですね。いやぁ、最初はどうなることかと思いましたけど」

ちひろ「そうですか? 私はなるべくしてこうなったと思ってますけどね」

P「へぇ、そうだったんですか」

ちひろ「ええ、女のカンってやつです♪」

P「……ほう」

ちひろ「あ、今嘘くさいなって思いました?」

P「はっはっは、そんなことないですよ」

ちひろ「むぅ」

P「あはは、信じてくださいって。はいシャンメリー」コポコポ

ちひろ「ふーんだ。……プロデューサーさん、来年もよろしくお願いしますね♪」

P「ええ、こちらこそ。ちひろさん」


かちんっ


加蓮(邪魔する? 邪魔する?)ソワソワ

李衣菜(いやここは様子見して……!)

泰葉(大人っぽい……!)ドキドキ



―――

――




P「――さて。飲んだし食べたし喋ったし、そろそろお開きにしようか」


李衣菜「えー、まだ夜は始まったばっかりですよ?」

P「始まったばかりだから言ってるの。明日も早くから仕事だし」

李衣菜「むむむ、そうですけど……もっと一緒にいたいです」

P「うーむ、俺もそう思ってるけど。それに……」


泰葉「むにゅ……くぅ……」スヤスヤ

加蓮「…………ん。まだ……ねむく、ない……すぅ」スヤァ


P「あれはもうダメだろ」

李衣菜「ですよね」

P「やっぱり日頃の疲れが溜まってたか……帰そうにも起こすのは気が引けるなぁ」

李衣菜「……ふわ、ぁふ」

P「って李衣菜まで」

李衣菜「ぁ……い、ぃえいえ! 私はまだまだいけますよっ」

P「いけなくてよろしい。……はぁ、仕方ないか」

李衣菜「?」

P「ありったけ毛布運ぶから、今日は仮眠室に泊まってけ。特別だぞ」

李衣菜「…………。……おお、かみんしつ!」

P「眠くて頭働いてないだろ、李衣菜」クスッ

P「――よっこいしょ。うし、移動完了っと」

加蓮「ふにゃ……」

泰葉「むにゃ……」

李衣菜「うんしょ……えへへ、二人の体温であったかいや」モゾモゾ

P「うん、くっついてればそう寒くないだろう。俺は向こうにいるから」

李衣菜「はい。……まだお仕事、残ってますか?」

P「あー……まぁ、少しな」

李衣菜「Pさんも、無理しないでくださいね?」

P「うん。ありがとな」

李衣菜「へへ。おやすみなさい……」モゾ

P「ん、おやすみ」


李衣菜「…………すぅ……」

泰葉「……くー……」

加蓮「んぅ……すー……」


P「……ふふ。俺も頑張らなきゃな」


――ぱたん……

P「……そういやちひろさんはどこ行ったんだ」キョロキョロ


がたっ


P「ん?」


「……うぅ~……」フラッ


P「あ」

ちひろ「……ひっく。ああ~ぷろりゅーしゃん~♪ どぉこいってたんれしゅかぁ? ふふふうふ♪」

P「はぁっ!? ち、ちひろさ、うわ酒臭っ!?」

ちひろ「あははあはあは♪ ちょろーっとのみしゅぎちゃいましたっ、えへへぇ~」

P「シャンメリーで酔っ払うわけないし……! ってあれ、ちひろさんそのボトル!」

ちひろ「あ、これぇ? んふふぅ、ひぞーのしゃんぱん~♪」

P「秘蔵って……あーあー1人でこんなに開けたんですかっ!」

ちひろ「しょーなの! ぷろりゅーしゃんがりーなちゃんたちといちゃこらしてたから!」

P「してないし! ちょっと、ボトル放して!」

ちひろ「いっしょにおとなのじかんをすごそーとおもったにょにぃ、しょれなのにぃ……!」グスン…

P「はいはい俺が悪かったです……ほら仮眠室――はダメだ、あいつらの安眠は邪魔できないっ」

ちひろ「うっうっ……うぇぇん……!」メソメソ

P「大の大人が泣かないでくださ――あれ?」


ちひろ「うぅ……うぇ」

ちひろ「…………ぉえぇ……」


ちひろ「……ぎぼぢわ゛る゛ぃ゛」


P「あっ」

ちひろ「ぅう゛っぷ……ぉえ」

P「待った待ったまったまった!! ダメダメダメダメちひろさんッ!?」

ちひろ「ハキソウ」

P「分かってます分かってる! あっち、トイレ行きましょトイレ!!」

ちひろ「ハイ」

P「そ、そーっとそーっと……これは地雷、いや核爆弾だ……! ゆっくり、ゆっくり連れていきますからね……!」

ちひろ「ハイ」

P「も、もうすぐ、もうすぐですよちひろさん、我慢して……あと3歩、2歩――」

ちひろ「ウッ」

P「あ」


―ゥボォロロロロロロロ…


ウワァァァァァァァァアアアアアアア……!!



李衣菜(来年も、その先も……)

泰葉(ずっとずっと……)

加蓮(一緒にいられますように……)


三人『……♪』



おわり

というお話だったのさ
これで書き納めだよ

1年間ありがとね、こんな起伏のないお話読んでくれて
良いお年をー

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