P「ゲームソフト『ウルトラim@s倶楽部』」 (108)

巷でク○ゲーと評判のファミコンソフト『ウルトラマン倶楽部3』とのパロディです。

アイドルマスターのアイドル達が、原作をなぞる形になります。

多少の改変はありますが、全体の流れはほぼ原作通りなので、ご了承ください。

それではどうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419779031

   765プロ 会議室

P「みんな、忙しい中集まってもらって悪いな!」

小鳥「今日はみんなに、重大発表があるのよ!」

千早「重大発表……ですか?」

P「実はな……ふっふっふ」

伊織「何よ? もったいぶらずに、さっさと言いなさいよ!」

P「お、おう! 実は我が765プロの、ゲーム業界への参入が決定したんだ!」

春香「えっ!? ゲーム業界ですか!?」

小鳥「記念すべき作品第一号は、ついさっき完成しました! パチパチパチ!」

響「えええーっ!? ピヨコ、それホントなのか!?」

小鳥「もちろん!」

P「俺と小鳥さんも数日前、いきなり社長に言われて驚いたクチだけどな」

雪歩「すごいですぅ! どんなゲームなんですかぁ?」

小鳥「765プロの全員が登場する、ドキドキのテキストアドベンチャーノベルですって!」

美希「わぁ……何だか面白そうなの!」

P「しかも! なんとあの有名な、2208プロとのコラボ作品なんだ!」

あずさ「2208プロって確か……ウルトラマンを作ってる会社だったかしら~?」

亜美「スッゲー! すごすぎるZE、兄ちゃん!」 

真美「そんなの、絶対ハマるに決まってるっしょ!」

P「だよな! やっぱりそう思うよな!」

小鳥「ちなみにシナリオライターは、我らが高木社長よ!」

貴音「ほう……。高木殿には会社の経営力だけでなく、文才も備わっていたのですか」

伊織「こう言っちゃなんだけど、ちょっと意外ね?」

P「いやあ。正直、俺も聞いた時はびっくりしたよ」

小鳥「社長曰く、かなりの自信作に仕上がってるそうよ?」

千早「へえ……」

真「社長って、ホントに何でもできるんですね! へへっ、すごいや!」

P「で、俺達はその社長から、ゲームのテストプレイを頼まれたってわけだ!」

小鳥「今日みんなには、そのお手伝いをしてほしいのよ!」

やよい「お手伝い……ですか?」

やよい「えっと……私、何をすればいいんでしょうか?」

小鳥「そんなに構えなくても大丈夫よ、やよいちゃん」

P「俺が最後まで通しでプレイするから、みんなは後ろで一緒に見ててほしいんだ」

真「なるほど! ゲームにおかしな所がないか、チェックすればいいんですね?」

小鳥「そういうこと! 最初はプロデューサーさんと二人でやろうとしたんだけど……」

P「どうせなら、みんなでワイワイ遊んだ方が面白いと思ってな!」

春香「確かに、すっごく楽しそうです! よーし、張り切ってガン見しちゃいますよ!」

律子「ところでプロデューサーと小鳥さんは、ゲームの中身を把握してるんですか?」

小鳥「いいえ。実は私達も、内容は全然知らないんです」

P「開発も全部、社長一人で秘密裏にやってたっぽいからなぁ」

小鳥「一体どんなゲームなのかしら? 楽しみですね、プロデューサーさん!」

P「ええ、全くですよ!」

亜美「兄ちゃん兄ちゃん! 亜美、もう待ちきれないYO!」

真美「早くあそぼーYO! 早く早くぅ!」

P「おう、そうだな! それじゃ早速、スイッチオン!」

   ガチャ



   ウルトラim@s倶楽部   出撃! 765プロのアイドル達!


ナレーターのP『今日も一日アイドル活動を終えた春香』

ナレーターのP『そんな春香が自宅に帰ってきた時だった!』


   リリリィーン リリリィーン

春香「電話? 誰からだろう?」

   ガッチャッ!

春香「はい! 実はとっても強い正義のスーパーアイドル、天海春香です!」


ナレーターのP『何を隠そう、春香達765プロのアイドルは』

ナレーターのP『ウルトラマンにもヒケを取らない、超人的な力を持っているのだ!』

社長「大変だ、天海君!」

春香「あ、社長! どうかしたんですか?」

社長「亜美君が、外へ遊びに行ったきり戻ってこないのだ!」

春香「大変! すぐ探しに行きます!」

社長「うむ、頼むよ! まずは一度、事務所まで来てくれたまえ!」

春香「わかりました!」


ナレーターのP『こうして春香は亜美を探すため、765プロへと出撃した!』

ナレーターのP『物語は、ここから始まる……』

とりあえず、ここで中断します。

完結まで90~100レス程度の予定ですので、本日中にぼちぼち投下していければと思います。

それではまた後ほど、よろしくお願いいたします。

おはようございます。

それでは再開します。

ナレーターのP『765プロ事務所、社長室にて』


春香「失礼しまーす!」

社長「お、来たね! 待っていたよ!」

春香「社長。亜美がどこへ行ったかは、わからないんですか?」

社長「どうやら、事務所の北にある洞窟に向かったようなんだが……」

春香「北の洞窟ですか……。大丈夫かなぁ?」

社長「それと萩原君が、給湯室で遠くを見つめていたよ」

春香「え? 遠くを……ですか?」

社長「何か、悩みを抱えているようだったね」

春香「どうしたんでしょう? 私、行ってみます!」

ナレーターのP『給湯室では、黄昏の雪歩が途方に暮れていた』


春香「ゆーきほ!」

雪歩「あ、春香ちゃん! はぅ……」

春香「こんな所で悩み事? 私でよければ、力になるよ!」

雪歩「ありがとう……。実は私も亜美ちゃんが心配で、北の洞窟に行ってみたんだぁ」

春香「ふむふむ。それで?」

雪歩「そしたら洞窟の入口が、大きな岩で塞がれちゃってて……」

春香「ええっ!? それじゃまずは、その岩をどうにかしないと!」

雪歩「でもあんなの、私のスコップじゃ壊せないよぉ……」

春香「うーん……あ、そうだ! 小鳥さんに相談してみようよ!」

雪歩「そっかぁ! ひそかに超兵器を作ってるらしいし、何とかしてくれるかも!」

春香「決まりだね! 行こっ、雪歩!」

雪歩「うんっ!」


ナレーターのP『雪歩が仲間に加わった!』

ナレーターのP『春香と雪歩は、デスクで妄想中の小鳥さんに訳を話した』


春香「……というわけなんです」

小鳥「なるほどなるほど。北の洞窟が、大きな岩で塞がれているのね?」

雪歩「そこで、音無さんの超兵器の力をお借りしたいんですけどぉ……」

小鳥「それなら私が開発した、地底戦車『ペシルダー』で壊せると思うわ」

春香「本当ですか! やっぱり小鳥さん、頼りになるぅ!」

小鳥「えっへん!」

雪歩「ペシルダー……? 『ペルシダー』の方が、語呂がいいと思うけどなぁ……」

小鳥「ん? 雪歩ちゃん、どうかしたの?」

雪歩「な、何でもないですぅ!」

春香「それじゃ小鳥さん、お願いしてもいいですか?」

小鳥「まーかせて! それじゃあ、ちゃちゃっと行ってくるわね!」


ナレーターのP『小鳥さんは、張り切って事務所を飛び出していった!』

ナレーションのP『そして、小鳥さんが出撃してから三十分後……』


社長「天海君、萩原君! 音無君から連絡があったよ!」

雪歩「本当ですかぁ!」

社長「ペシルダーが洞窟の入り口の岩を壊し、作戦は成功に終わったようだ」

春香「おおー、さすがは小鳥さん!」

社長「が! そのすぐ後、ペシルダーからの連絡が途絶えてしまったのだ」

春香「え!?」

雪歩「ええぇぇ!」

社長「何かあったのだろうか……」

春香「なら、今度は私達が調べに行きます! 雪歩も一緒にお願い!」

雪歩「もちろんだよぉ!」

ナレーターのP『洞窟の入口には、金色に輝く怪獣がいたのである!』


ゴルドン「ケケケッ!」

雪歩「きゃっ、怪獣!?」

ゴルドン「ここから先へは行かせないぞ、覚悟しろ!」

春香「そうはいかないよ! スペシウム光線、ヴァイ!」バアアアアア

ゴルドン「ゴルゲゲゲゲー!」

   ドガーン


ナレーションのP『何を隠そう、春香達765プロのスーパーアイドルは』

ナレーションのP『ウルトラマン達の必殺技も、自由自在に使いこなせるのだ!』


春香「こんな場所にまで、怪獣が出るようになっちゃったんだ……」

雪歩「亜美ちゃん、音無さん……うぅ、不安ですぅ……」

春香「とにかく中に入って、二人を探そう!」

ナレーターのP『中で迷子になりかけた末、二人は洞窟の最深部に到着した!』


雪歩「ふぅ……。ここが、一番奥なのかなぁ?」

春香「あれ? 向こうに変な空間が見えるけど――」

雪歩「ああっ!? 見て、春香ちゃん! こっちの岩壁に、ペシルダーが!」

春香「あっ、本当だ!」

雪歩「ペシルダー、エンジンがおかしくなってるみたいだよぉ!」

春香「そうか! エンジンが暴走して、こんな奥まで来ちゃったんだ!」

雪歩「音無さん! 音無さぁん!」

小鳥「う、うーん……ピヨピヨ……」

雪歩「……気絶してるだけみたいですぅ」

春香「よかったぁ……あれ? ところで、亜美はどうしたんだろ?」

雪歩「近くには見当たらないねぇ……」

春香「むむむ……。とりあえず、小鳥さんを救助しよっか?」

雪歩「そうだね。私達で、765プロまで送り届けよう!」

ナレーターのP『春香と雪歩は小鳥さんを連れ、事務所に戻って来たのだが』


小鳥「助かったわ……。春香ちゃんと雪歩ちゃんは、私の命の恩人ね!」

春香「そ、そんな! 大袈裟ですよ、小鳥さん!」

雪歩「ケガがなくてホッとしましたぁ。ゆっくり休んでくださいねぇ」

春香「それにしても、亜美はどこに消えちゃったんだろ……」

雪歩「うーん……」

春香「そういえば……雪歩」

雪歩「ん? なあに?」

春香「ペシルダーを助けた場所の近くに、妙な空間があったと思わない?」

雪歩「えっ? あ、でもそう言われると、そんな気もするような……?」

春香「もう一度、洞窟を調べてみよう! きっと何か、秘密があるはず!」

雪歩「わかった! お供するよ、春香ちゃん!」

ナレーターのP『再び洞窟に潜った春香は、妙な空間が四次元空間だと見抜いた!』


春香「まさか洞窟の奥が、四次元空間に繋がってるなんて……」

雪歩「一面紫色で、何だか不気味ですぅ……」

??「はるるん! ゆきぴょーん!」

雪歩「え? この声は……」

春香「間違いない、亜美だ!」

雪歩「春香ちゃん! 亜美ちゃん以外にも、誰かいるみたいだよぉ!」

ブルトン「待ってましたよ、遅かったですね」

雪歩「あなたは……!」

春香「この怪獣が、亜美を捕まえてたんだ!」

ブルトン「いかにも。この通り、双海亜美は預かっていますよ」

亜美「わーん、助けてー!」

春香「亜美を返してもらうよ!」

雪歩「さあ、勝負ですぅ!」

春香「ここは任せて、雪歩! ええいっ! ウルトラアタック光線!」ヒュワワワワワ

ブルトン「グベベベベ……ベ」

   ドガーン

雪歩「春香ちゃん、お見事ぉ!」

亜美「うわぁん! 怖かったよー!」

雪歩「よしよし、もう大丈夫だよぉ」

春香「怪獣は、私がやっつけたからね!」

亜美「ねえねえ! 早くこんな変な場所から出て、765プロに帰ろうYO!」

春香「もちろん! 亜美の顔を見たら、きっと社長も安心すると思うよ!」

雪歩「うん! これにて任務完了ですよぉ、任務完了!」

春香「……雪歩。それ、私のセリフなんだけど……」

ナレーションのP『亜美を助けた春香と雪歩は、意気揚々と765プロに帰還した!』


春香「お疲れ様でしたー!」

社長「おお! どうやら、亜美君は見つかったみたいだね!」

雪歩「はい、無事に助け出せましたぁ」

社長「よくやってくれた! ありがとう天海君、萩原君!」

春香「そ、それほどでも……えへへへへ」

真美「あっ! はるるん、ゆきぴょん、お帰りー!」

雪歩「真美ちゃん、ただいまぁ。亜美ちゃん、帰ってきてよかったね――」

真美「うぐぅっ!」

雪歩「えっ!?」

真美「お、お、お腹が痛いよー!」

春香「あ、真美!? 急にどうしたの!?」

雪歩「大丈夫!?」

真美「た、助けてぇ! 痛いよー、痛いよー!」

社長「これはひどい! すぐに休ませないと!」


ナレーターのP『大変だ! 真美が病気になってしまった!』


雪歩「ううっ、一難去ってまた一難ですぅ!」

春香「どどど、どうしよう、どうしよう!」

社長「落ち着きたまえ。天海君、萩原君、エネルギー草というものを知ってるかね?」

春香「うーん……?」

雪歩「聞いたことないですけどぉ……?」

社長「エネルギー草とはどんな病にも効く、素晴らしい薬なのだ」

春香「へえ、そんな薬があるんですか?」

雪歩「すごいですぅ!」

春香「それで、その薬はどこで手に入るんでしょう?」

社長「うむ。薬を作るためには、きれいな水が必要なんだ」

雪歩「きれいな水ですかぁ……」

春香「こんな都会にゲットできる場所、ありますかね?」

社長「なーに、心配する必要はないさ!」

春香「と、言いますと?」

社長「実はこのビルの地下には、新鮮な水が湧き出す泉があるんだよ!」

春香「え? そーだったんですか?」

社長「そーなのだよ」

雪歩「へぇぇ……知らなかったですぅ」

社長「というわけで! そこの水を、このコップで汲んできてくれたまえ!」


ナレーターのP『社長からコップを受け取った!』

ナレーターのP『井戸で水を汲んだ二人は、こぼさないように社長の元へ向かった!』


春香「水を汲んできましたよ!」

社長「おおっ、美味しそうな水だねぇ! 少し、コップを貸してくれるかね?」

春香「わかりました! はい。どうぞ!」

雪歩「それで社長、この水をどうすれば――」

社長「ごっくんごっくんごっくん、プハァー」

雪歩「あ」

春香「え」

社長「へっ?」

雪歩「…………」

春香「…………」

社長「…………」

社長「いやいや、これはすまん!」

春香「あ、あの……」

社長「で、でも大丈夫だ! 見たまえ、コップの底に少し残っているだろう?」

雪歩「本当に、ちょっぴりしかないですけど……」

春香「後で、もう一回汲みに行こっか……」

社長「さて! それではこの水を、日本一高い山の頂上にふりかけてくれたまえ」

春香「つまり、富士山ですね?」

社長「うむ。そうすれば、たちどころにエネルギー草が生えてくるはずだ」

雪歩「ここからだと、ずいぶん遠いですねぇ……」

春香「でも、それで真美が治るなら!」

雪歩「そうだね。行ってみよう、春香ちゃん!」

ナレーションのP『再び二人が765プロに姿を見せたのは、丸一日が経った頃だった!』


春香「ただ今戻りましたー!」

社長「おお、それはエネルギー草だね!」

雪歩「はい、何とか取ってこれましたぁ」

春香「野良メフィラス星人の群れとか、倒すの大変だったんですよ?」

社長「いやはや、ご苦労だったね。さ、早く真美君に食べさせてあげたまえ!」

春香「はいっ! 真美、今すぐ治してあげるからね!」


ナレーターのP『春香は、エネルギー草を真美に与えた!』


真美「わーいわーい! 治った治った、嬉しいYO!」

春香「うん! 元気になったみたい!」

雪歩「真美ちゃん……よかったぁ――」

貴音「大変です!」

雪歩「はうっ!?」

春香「あっ、貴音さん!」

雪歩「ビ、ビックリしましたぁ……」

春香「そんなに慌てて、どうしたんですか?」

貴音「西の自衛隊基地に、ゼットンが現れたらしいのです」

雪歩「え、ゼットンですかぁ?」

春香「ゼットンって確か、すごく強い怪獣だったよね……」

貴音「二人にはただちに、自衛隊基地へ向かってほしいのですが」

春香「わかりました! すぐに出撃します!」

貴音「ゼットンは手強いので、このウルトラブレスレットを使うといいでしょう」

雪歩「四条さん、ありがとうございますぅ!」

春香「ところで貴音さんは、一緒に来てくれないんですか?」

貴音「わたくしは急ぎの用があるので、ここで別れなければなりません」

雪歩「そうなんですかぁ……残念ですぅ」

貴音「春香、雪歩。あなた達ならできると、わたくしは信じておりますよ!」

春香「はい! 私達に任せてください!」

雪歩「どんな怪獣でも、春香ちゃんと二人で何とかしてみせますぅ!」

貴音「頑張ってくださいね。それでは、テレポート」シュン


ナレーターのP『ウルトラブレスレットを手に入れた!』

ナレーターのP『自衛隊基地に到着した春香と雪歩。しかし……!』


春香「見つけた、ゼットンだ! さあ、いざ勝負!」

ゼットン「はっはっは! 罠にかかったな、天海春香!」

春香「え、罠? あうっ!?」

雪歩「は、春香ちゃん!?」

春香「う、ううっ……!? か、身体が……身体が動かないよ!」

雪歩「ああっ!? 春香ちゃんの頭上に、空飛ぶ円盤が浮かんでますぅ!?」


ナレーターのP『何と! 突如現れた円盤のビームが、春香の身体を包み込んでいた!』


春香「し、しまった!? これ、トラクタービーム!?」

雪歩「いけない! 早く助けないと――」

春香「か、身体が引っ張られるぅ!? き、き、きゃああああっ!?」

雪歩「春香ちゃん! 春香ちゃぁぁぁん!」


ナレーターのP『抵抗する春香を拘束した円盤は、どこかへ飛び去ってしまった……』

ゼットン「見たか、我が力を! 邪魔者は倒したぞ、萩原雪歩!」

雪歩「……ゼットン! こんなやり方、卑怯ですぅ!」

ゼットン「さて! これで誰にも邪魔されずに、貴様と一対一で戦えるな!」

雪歩「春香ちゃんを、どこへ連れていくつもりなんですか!」

ゼットン「知らんな……ひっひっひ――」

雪歩「ゼットン、覚悟ぉ! ウルトラブレスレット、ウルトラスパーク!」ヒュンズバアッ

ゼットン「グホッ!?」

雪歩「四条さんからもらった武器の力、甘く見ないでほしいですぅ!」

ゼットン「こ・い・つ……など……に……倒される……とは……何てことだ……」

雪歩「春香ちゃん……仇は討ったよ」

ゼットン「……グフッ」

   ドガーン

雪歩「さあ、あの円盤を追いかけないと!」

ナレーターのP『一方、ところ変わって961プロ前では』

ナレーターのP『三人のアイドルが、盗まれた衣装の捜索活動を行っていた』


美希「宇宙人にドロボーされたミキ達の衣装は、この近くにあるみたいなの」

あずさ「そこに、961プロの事務所があるけど……」

真「もしかすると、何か情報を掴んでるかもしれないぞ!」


ナレーターのP『何を隠そう、961プロのアイドル達は』

ナレーターのP『情報収集に長けた、スゴ腕のエージェントでもあるのだ!』


あずさ「それじゃあ、お邪魔させてもらいましょうかしら~?」 

美希「うん! 昨日の敵は今日の友、なの!」

真「だね! さあ、調査開始だ!」

ナレーターのP『961プロの事務所では、ジュピターが情報収集を行っていた』


真「こんにちは、北斗さん!」

北斗「チャオ、真ちゃん! どうだい、これからランチでも?」

真「すいません、今はそれどころじゃないんです」

北斗「おやおや、これは手厳しいね。どうかしたのかい?」

あずさ「私達の衣装が、何者かに盗まれてしまって……」

美希「何か情報とか、ないかな?」

北斗「そういえばバルタン星人が、何かの衣装を着て空を飛んでいるのを見たね」

あずさ「バルタン星人……。場所って、わかりますか~?」

冬馬「ちょっと待ってな……よし、アンテナに反応! ここから南へ行った所だぜ!」

真「アンテナって……もしかして、あのアホ毛のことなのかな……?」

翔太「平原の上を、フラフラ飛び回ってるみたいだね」

美希「わかったの! どうもありがとうなの!」

真「よーし、やっつけてやるぞ! バルタン星人!」

ナレーションのP『南の平原には、フォッフォと鳴きながら飛んでるバルタン星人が!』


あずさ「いたわ、バルタン星人ね!」

バルタン星人「チッ、見つかったか」

美希「その衣装を早く返すの!」

バルタン星人「やだよーだ! 取れるもんなら取ってみろ!」

真「うおーっ! 泥棒めー!」

あずさ「ま、真ちゃん! もっと、冷静になった方がいいと思うわ!」

真「は、はい! すいません、あずささん!」

美希「口で言っても無駄みたいだね」

あずさ「仕方がないわ……勝負です!」

美希「はああああっ……ストリウム光線、なの!」フォォォォォォピィィィィィィ

バルタン星人「俺様が、こんな簡単にやられるとは……グヘッ」

   ドガーン


ナレーターのP『汚れた衣装を手に入れた……』

ウルトラマン倶楽部3ってクソゲー呼ばわりされてるのか
俺は好きで昔何度もやってたけどな

あずさ「あら? 何だか、随分と色がくすんでいるような……?」

真「これ……ボク達の衣装じゃないぞ!」

美希「えーっ!? じゃあ本物は、一体誰が持ってるの?」

真「……ん!」

あずさ「真ちゃん、どうしたの?」

真「今、貴音からボクに、テレパシーが送られてきたんだ!」

あずさ「貴音ちゃんから?」

美希「何て言ってるの?」

真「別行動を取ってたやよいが、マグマ星人に捕まってしまったらしい!」

美希「ええっ!? 大変なの!」

あずさ「真ちゃん、早く助けに行ってあげてちょうだい!」

真「わかりました! テレポート!」シュン


ナレーションのP『真が隊列から外れた』

ナレーションのP『真と別れた美希とあずささんは』

ナレーションのP『新たな情報を求め、961プロの事務所へと引き返した』


あずさ「みなさん、先程はありがとうございました~」

北斗「いえいえ。お役に立てなかったみたいで、何だかすいません」

美希「ねえねえ、他に情報はないの?」

冬馬「俺のアンテナが、東の方に異常反応が出てるのをキャッチしたぜ!」

翔太「この反応、宇宙船みたいだよ?」

黒井「ウィ。ベムスターらしき怪獣が、東へ飛んでいくのを先ほど確認したぞ」

冬馬「……おっさん、ナチュラルに混じるなよ」

黒井「細かいことを気にしていては、セレブにはなれんぞ?」

美希「もしかして、社長室に一人で寂しかったの?」

黒井「……ウィ」

あずさ「ベムスター……強敵ね」

美希「でも、怪獣を放ってはおけないの! 東へ行こう、あずさ!」

ナレーションのP『しかし東の宇宙船の入口で、悲劇は待ち構えていた』


美希「こんな所に、宇宙船が来てるなんて――」

ベムスター「バッシィーン!」

美希「しまった、不意打ち!? ああああああっ!?」


ナレーションのP『ベムスターの強烈な一撃が、美希を貫いた!』


あずさ「み、美希ちゃん!?」

ベムスター「へっへっへっ。星井美希、敗れたり」

あずさ「ベムスター……何てことを……!」

ベムスター「コイツは預かっていくぜ。じゃあな!」


ナレーションのP『ぐったりした美希を担ぎ上げ、ベムスターは逃走した!』


あずさ「ま、待ちなさい! 逃がさないわよ!」

一旦ここで中断します。

また午後に再開しますので、よろしくお願いします。

>>35
自分も個人的に、好きなゲームではあるんです。

ただ客観的に色んな要素を見ると、世間の評価は正しいような気も……。

それでは再開します。

ナレーションのP『宇宙船の通路で、あずささんはベムスターを追い詰めた!』

ナレーションのP『近くに、美希の姿は見当たらない……』


あずさ「覚悟しなさい、ベムスター! 美希ちゃんの仇!」

ベムスター「フン、生意気な奴だ!」

あずさ「負けるわけにはいかないわ! マザー破壊光線!」ギュバアアアア

ベムスター「うぐっ……! や、やられたぁ……」

あずさ「やった……! さあ、美希ちゃんを返してちょうだい!」

ベムスター「しかし、ヤツはすでに別の場所に連れて行ったのさ……」

あずさ「何ですって!?」

ベムスター「ざ、残念だったな……」

あずさ「どこなの!」

ベムスター「26番の部屋に行ってみろ……ガクッ!」

   ドカーン


ナレーションのP『美希が持っていた、キングブレスレットを回収した!』

ナレーションのP『宇宙船、26番の部屋にて』


あずさ「美希ちゃん……いない!? 罠だったの!?」

グモンガ「生きて戻れるかな?」

あずさ「どきなさい! マミー光線!」ビュルンビュルン

グモンガ「ゲアアアッ!」

あずさ「美希ちゃんをどこに連れて行ったの? 教えなさい!」

グモンガ「58番……」

   ドカーン

あずさ「美希ちゃん……無事でいてちょうだい!」

ナレーションのP『そして宇宙船、58番の部屋にて』


あずさ「この部屋も宇宙人がいるだけ……だましたのね!」

ベル星人「俺を倒さない限り、ここからは抜け出せないぞ!」

あずさ「邪魔をしないで! ギンガ光線!」ジャパァァァァ

ベル星人「ンアアアアッ!?」

あずさ「美希ちゃんはどこなの、教えなさい!」

ベル星人「……ガハッ!」

   ドガーン

あずさ「く、手がかりが……。美希ちゃん……!」

ナレーターのP『場面は変わって、とある離れ小島にある神殿内部では』

ナレーターのP『やよいを救出するため、貴音と合流した真が探索を行っていた!』


貴音「間違いなくやよいは、ここに捕らわれているはずなのですが……」

真「あっ! あそこの祭壇の近くに倒れてるの、やよいじゃないか!?」

貴音「むっ! この邪悪な気配は……怪獣ですね!」

レッドギラス「我々に勝てるかな?」

ブラックギラス「無理に決まってるさ!」

真「二体二か! でも、負ける気はしないね! クロスビーム!」ピュゥゥゥゥ

貴音「こちらはこれです、ゴッド光線!」ビャリビャリビャリ

レッドギラス「我々が負けるなんて!?」

ブラックギラス「二匹の仇をとってください、マグマ星人様!」

   ドガーン ドガーン   シュン

マグマ星人「クックックックッ……」

真「出たな、マグマ星人!」

貴音「真打ち登場、というわけですね」

マグマ星人「ほれ、お前らの衣装ならここにあるぞ?」

真「何っ!? お前が、衣装を盗んだ犯人だったのか!」

マグマ星人「悔しかったら、この俺と戦え!」

真「なめるなぁ! ボクのヌンチャクを受けてみろ!」ブンブンバキンバキン

マグマ星人「ぬわー! そんなー、俺が負けるなんて……」

   ドガーン

貴音「やりましたね。さあ真、精神を集中するのです」


ナレーターのP『真と貴音はやよいを助けるため、エネルギーを分け与えた』


やよい「うっ……真さん、貴音さん……。これは間違いなく、本物の衣装です……」

真「大丈夫か、やよい! しっかりするんだ!」

貴音「衣装はわたくしが届けましょう。真、やよいを頼みましたよ!」


ナレーターのP『衣装『チェックMYノート』を手に入れた!』

ナレーターのP『一方その頃、美希を追跡するための手がかりを失ったあずささんは』

ナレーターのP『途方に暮れ、961プロに戻っていた』


あずさ「ああ、美希ちゃん……どこへ行ってしまったの?」

冬馬「おい。北東の方角に、新しい空間が現れたみたいぜ?」

玲音「どうやら、ガマスが作り出した二次元空間のようだね」

冬馬「……何さらっと紛れ込んでんだよ、ヘボン」

玲音「別にいいじゃないか、鬼ヶ島」

冬馬「…………」

玲音「…………」

翔太「ちょ、ちょっとやめてよ冬馬君! 玲音さんも!」

あずさ「二次元空間……」

北斗「気持ちはわかりますけど、成すべきことがあるんじゃないですか?」

あずさ「……ええ。いつまでも、悲しんでばかりはいられないわ!」

ナレーターのP『二次元空間は、夢と希望に満ち溢れてはいなかった……残念だ』


あずさ「ガマス! どうしてこんな時に現れたの!」

ガマス「天海春香と星井美希が倒されたそうじゃないか」

あずさ「何ですって!? 春香ちゃんまでやられてしまったというの……?」

ガマス「もう、アイドル達も終わりだな」

あずさ「……いいえ! 私達アイドルは、どんな困難にも立ち向かっていくのよ!」

ガマス「フッ、か・て・る・か・な? 一人で」

あずさ「やってみせるわ! キングブレスレット、ブレスレットランサー!」ヒュンドスッ

ガマス「再び会おう、三浦あずさよ……ガッハハハー……バタッ」

   ドガーン

あずさ「やったわ……あら? 誰かがこっちに来るみたい――」

雪歩「テレポートぉ」シュン

貴音「テレポート」シュン

あずさ「あら~! 雪歩ちゃんに、貴音ちゃん!」

貴音「あずさ、チェックMYノートを取り返してきました」

あずさ「ほっ、よかった……。ありがとう、貴音ちゃん!」

雪歩「連れ去られた春香ちゃんは、北西の教会に捕まってるみたいなんですぅ!」

あずさ「教会……。もしかして、美希ちゃんもそこに送られたのかしら……?」

貴音「何と! 春香と美希は、敵に捕らえられてしまったのですか!?」

あずさ「……ごめんなさい」

雪歩「うぅ、私がもっとしっかりしていれば……」

あずさ「私も……ずっと美希ちゃんの傍にいたのに、守れなくて……」

貴音「あずさ、雪歩。過ぎたことを悔いても、仕方がありませんよ?」

あずさ「……そうね。貴音ちゃんの言う通りだと思うわ」

貴音「奪われたのなら、取り戻せばいいのです。さあ、教会に行きましょう!」

雪歩「はいぃ! 絶対ぜったい、二人を救いましょうねぇ!」


ナレーターのP『雪歩と貴音が仲間に加わった!』

ナレーターのP『チェックMYノートを装備した! 防御力がアップした!』

ナレーターのP『囚われの春香と美希を助けるため、教会に乗り込んだ三人』

ナレーターのP『その最深部で、彼女達は驚愕することとなる!』


あずさ「あ、ああっ!?」

雪歩「春香ちゃんと美希ちゃんが、石像にされちゃってますぅ!?」

貴音「これは、一体……?」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

あずさ「あなたは、バルタン星人ジュニア!」

バルタンJR「フォッフォッフォッ、よくここがわかったな」

雪歩「春香ちゃんを円盤で連れ去ったのは、あなたなんですか!?」

バルタンJR「フォッフォッフォッ! その通りだとも」

貴音「まさか、二人を石にしたのも……?」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

貴音「答えなさい!」

バルタンJR「それも私だ」

貴音「何ということを……」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

あずさ「……あなたという宇宙人は!」

雪歩「許せない!」

バルタンJR「フォッフォッ! お前達とも、そろそろ決着をつけようではないか!」

あずさ「笑っていられるのも、今のうちだけよ!」

雪歩「そうです、そうですぅ!」

貴音「ええ!」

あずさ「雪歩ちゃん、お願いするわね!」

雪歩「はい! バルタン星人が相手なら、これですぅ! 八つ裂き光輪!」ヒュウウウズパッ

バルタンJR「グフオッ!?」

バルタンJR「さ、さすがに強いな……だが……フォッフォッフォッ」

貴音「何がおかしいのです?」

バルタンJR「今頃、お前らの仲間の我那覇響も……フォッフォッ」

あずさ「何ですって……!」

バルタンJR「ブフォッ」

   ドガーン

雪歩「ま、まさか……響ちゃんに限って……」

貴音「しかし……胸騒ぎがします」

あずさ「貴音ちゃん、雪歩ちゃん。春香ちゃんと美希ちゃんを、安全な場所へお願い」

雪歩「は、はい! わかりましたぁ!」

貴音「あずさはどうするのですか?」

あずさ「私は765プロに戻って、律子さんとコンタクトを取ってみようと思うの」

貴音「わかりました。では石化の解除方法は、わたくしの方で探ってみるとしましょう」

雪歩「あずささん、気をつけてくださいねぇ!」

ナレーターのP『そしてその頃、765プロ前では』

ナレーターのP『一人のアイドルが、連絡の途絶えた千早を探していた』


律子「千早……。全く、一体どこへ行ってしまったのかしら」

律子「響に続いて、千早まで連絡が取れなくなるなんて……」

律子「どうも嫌な感じがするのよね……んっ!?」

律子「西の方に誰かいる……もしかして、千早?」

律子「いや、あれはペガッサ星人ね。どうしてこんなところに?」

律子「十分用心して、かかるとしましょうか」

ナレーターのP『西の高原には、怪しげなペガッサ星人がうろついていた!』


律子「あんた、そこで何をしてるの?」

ペガッサ星人「うるさい、関係ないだろ! 死ねい!」

律子「そっちがその気なら! ハンドビーム!」ピィーーーー

ペガッサ星人「お、おのれー!」

   ドガーン

律子「随分と喧嘩っ早いヤツだったわね……あっ!?」

律子「向こうの空を飛んでいるのは、ペガッサ星人の宇宙都市?」

律子「逃がすもんですか! テレポート!」シュン

ナレーターのP『テレポートを使い、律子はペガッサ宇宙都市の内部に潜入した』


律子「ペガッサ星人、一体何を企んでいるのかしら……」

律子「とにかく、調べてみないとね!」

別のペガッサ星人「ぬうっ! あいつでは、秋月律子を食い止められなかったか!」

律子「ボスはあんたね!」

別のペガッサ星人「あ、俺はザコなんだ。ボスは奥だよ」

律子「あら、そう。なら、早く奥へ行かないと!」

ナレーターのP『最深部には、ペガッサ星人のボスが待ち構えていた!』


律子「今度こそ、ボスはあんたね!」

ペガッサボス「ええーい! もう少しで、地球へ乗り込めるところだったのに!」

律子「私の目が黒いうちに、そんな真似ができると思った?」

ペガッサボス「こうなったら勝負だ!」

律子「上等よ! ウエッジ光線!」ビシュゥン

ペガッサボス「くっそー! 私の野望が、地球侵略が!」

律子「ふ、大したことなかったわね」

ペガッサボス「しかし、他の仲間が三浦あずさを……ガクッ」

   ドガーン

律子「はいはい、負け惜しみ負け惜しみ」

律子「……あずささんといえば、さっきテレパシーが飛んできてたわね」

律子「何だか、大変なことになってるみたいだけど……」

律子「帰ってエネルギージュースでも飲んで、それから合流するとしますか!」

ナレーターのP『律子が765プロに戻ると、社長が慌てふためいていた!』


社長「おお、秋月君! 大変だ!」

律子「あら、社長。そんなに慌ててどうしたんです?」

社長「三浦君がエネルギージュースを飲んだ途端、急に倒れてしまったんだよ!」

律子「え、あずささんがですか!?」

社長「もしかすると、これは宇宙細菌ダリーの仕業かもしれん!」

律子「ダリーって、だり?」

社長「…………」

律子「…………」

律子「つまらないことを言ってないで!」

社長「私は、何も言っとらんのだが……」

律子「どうすれば、あずささんを助けられるんです?」

社長「うむ。おそらくダリーは、三浦君の体の中にいると思われる」

律子「体内に、ですか?」

社長「秋月君、ミクロ化はできるね?」

律子「まあ……それぐらいなら」

社長「それなら話は早い。ミクロ化して体内に入り込み、ダリーを退治するんだ!」

律子「なーるほど。了解です、ウルトラリダクション!」ギュィィィィン


ナレーターのP『ミクロ化した律子は、あずささんの体内に乗り込んでいった!』

ナレーターのP『うごめく宇宙細菌は、あずささんの心臓近くに巣食っていた!』


律子「見つけたわよ、ダリー!」

ダリー「アイドルは次々と倒してやる。次はお前の番だ!」

律子「遠慮しておくわ! ウルトラバブル!」バブルルルルルル

ダリー「ち、ちきしょう! せっかくジュースの中に隠れて潜り込んだのに……」

律子「残念だったわね。ま、作戦は悪くなかったと思うけど?」

ダリー「くやしー!」

   ドガーン

律子「よーし! やっつけたわね」

律子「これであずささんも、元に戻るかしら?」

ナレーターのP『律子があずささんの体外に脱出してから、しばらくの後』


あずさ「んっ……律子さん……? 私を助けてくれたんですか?」

律子「あずささん……よかった」

あずさ「ありがとうございます~! それじゃあ、一緒に行きましょう!」

律子「ええ。どうにかして、響と千早の行方を突き止めないと!」


ナレーターのP『あずささんが仲間に加わった!』


社長「そういえば、先程ここに水瀬君が来たよ」

律子「伊織が? 何か言ってましたか?」

社長「うむ。情報を集めに961プロに向かうと告げて、すぐ出て行ってしまったね」

あずさ「961プロに……」

社長「どうやら単独で、我那覇君と如月君の行方を追っているようなんだが……」

律子「今の状況で一人きりになるのは、危険な気がしますね」

あずさ「律子さん、私達も961プロへ行ってみましょう!」

ナレーターのP『961プロの入口で、律子とあずささんは伊織に追いついた!』


あずさ「待ってちょうだい、伊織ちゃん!」

律子「単独行動は危険よ! 私達と一緒に――」

伊織「あれっ? おかしいわね?」

律子「おかしい? 何がよ?」

伊織「たった今、律子がここの中に入っていくのを見たんだけど……」

律子「え? 私はついさっきまで、765プロにいたわよ?」

あずさ「これは……怪しいですね」

伊織「まさか、敵が律子に姿を変えて……?」

律子「……あり得る!」

伊織「こうしちゃいられないわ! 追撃するわよ!」

律子「私に化けるなんて、舐めた真似をしてくれるわね!」

あずさ「急ぎましょう! 手遅れにならないうちに!」


ナレーターのP『伊織が仲間に加わった!』

ナレーターのP『三人が961プロの事務所に踏み込んだ、まさにその時!』


??「お、お前は!? うおおおおおっ!? ヒィアアアアア!?」

伊織「きゃっ!?」

あずさ「今の悲鳴は……誰かしら?」

律子「もしや、黒井社長!?」

黒井「ヒィー! ヒィー! ウィウィウィウィ!」ゴロゴロゴロゴロ

伊織「あ! 奥の部屋から、黒井社長が転がり出て来たわ!」

あずさ「誰かに襲われてるみたいよ!」

律子「そこまでよ、偽物! 私達が相手になるわ!」

セブンロボット「本物のお出ましか」

律子「これ以上、犠牲者を出すわけにはいかないのよ……って……?」

セブンロボット「お前を倒して、このまま俺が本物の秋月律子になるんだ!」

伊織「……ん? このロボット、よく見ると律子には……」

律子「似てない! どう見ても、どっからどう見ても、ぜーったいに似てない!」

律子「ちょっと伊織! 何をどうしたら、アレと私を間違えるのよ!」

伊織「アイツの顔、ちょっとだけメガネっぽいじゃない」

黒井「その通りだ! 私も最初、秋月律子だと信じて疑わなかった!」

律子「そんなわけあるかい! と、とにかく! チェーンビーム!」ピュヨヨヨヨヨヨ

セブンロボット「あ、あと一歩で、身も心も秋月律子になれたのに……」

   ドガーン

律子「全く……何を言ってるのかしらね、こいつは」

黒井「フン! ありがとうございます」

あずさ「いえいえ、どういたしまして~」

冬馬「おい! 今の悲鳴は何だ!?」


ナレーターのP『騒ぎを聞きつけたジュピター達が、ようやく姿を現した!』


伊織「出てくるのが遅いのよ! アンタ達の社長、もう少しでやられる所だったわ!」

北斗「何だって……!」

あずさ「安心してください。襲撃者は、律子さんがやっつけてくれましたから!」

冬馬「すまねえ。どうやら、大きな借りができちまったみたいだな」

律子「気にしなくてもいいわ。別に、大したことしてないし」

あずさ「これからは、しっかりと守ってあげてくださいね?」

北斗「肝に銘じておきますよ。あ、そうそう」

あずさ「はい?」

北斗「貴音ちゃんが、ついさっきここに来てましたよ」

あずさ「あら、本当ですか~?」

冬馬「ああ。秋月達を探してるみたいだったな」

翔太「765プロで待ってるらしいから、早く帰った方がいいんじゃない?」

冬馬「ここはもう大丈夫だぜ! 行ってやんな!」

律子「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらいましょうか」

あずさ「伊織ちゃんにも、一緒に来てほしいのだけれど……」

伊織「仕方ないわね。手を貸してあげるから、ありがたく思いなさい!」

玲音「ツンデレデレデレツンデレラー」

伊織「う、うるさいうるさいうるさーい!」

ナレーターのP『銀髪の王女は、765プロの前で静かに佇んでいた』


貴音「待っておりましたよ」

あずさ「貴音ちゃん、何かわかったのかしら?」

貴音「申し訳ありませんが、南の展望台に向かっていただけませんか?」

伊織「展望台に? そこに何があるのよ?」

貴音「どうやら、千早が監禁されているようなのです!」

伊織「何ですって!?」

律子「やっぱり、敵に捕まってたのか……」

貴音「しかしわたくしは、春香と美希の石化を解く方法も探らなければならないのです」

律子「ふむ。ここは、二手に分かれるのがベストかしら?」

あずさ「それなら私が、貴音ちゃんと一緒に行きましょうか?」

伊織「頼むわ、あずさ。千早のことは、この伊織ちゃんと律子に任せなさい!」

あずさ「お願いね! 律子さん、伊織ちゃん、くれぐれも気をつけてちょうだい!」


ナレーターのP『あずささんが隊列から外れた』

ナレーターのP『あずささんと別れた律子と伊織』

ナレーターのP『二人はすぐさま、千早が囚われている展望台に向かった!』


律子「見張りがいるようね……」

エースロボット「フッハッハー! だまされたな、アイドル達よ!」

伊織「だまされた? どういう意味よ!」

エースロボット「如月千早はここにはいないぞ、フン!」

伊織「ふーん。なら、アンタはどうしてここで見張りをしてるのかしら?」

律子「見え見えのウソね! ウルトラスパイラルビーム!」ジュワワワワワ

エースロボット「ど、どうしてバレたんだトゥワーン!」

   ドガーン

律子「全く……誤魔化すつもりなら、もっとまともなセリフを考えなさいっての」

伊織「さあ、律子! とっとと千早を助けるわよ!」

ナレーターのP『展望台の最上階では、半裸の千早が十字架に磔にされていた!』


伊織「ち、千早! この変態! 千早に何してんのよ!」

エースキラー「ケッケッケーッ! 倒してくれるわ! アイドル達よ、覚悟!」

律子「お断り! 千早を返してもらうわ、エメリウム光線!」ジィィィィィ

エースキラー「ゲゲゲー! この俺が! 如月千早との十字架プレイがぁぁぁ!」

   ドガーン

伊織「変態って、種族を問わずにどこにでも存在してるのね……」

律子「千早、大丈夫!? 何もされてないわよね!?」

千早「え、ええ……。強いて言うなら、身体をジロジロ見られたぐらいかしら……?」

律子「ふぅ……間一髪だったか。さあ、早くこのチェックMYノートに着替えて!」

伊織「何にしても、千早は救い出せたわ。さあ、次は響よ!」

律子「千早、一緒に来るわよね?」

千早「もちろんよ。私にも手助けさせてちょうだい。平和を守る手伝いがしたいの!」


ナレーターのP『千早が仲間に加わった!』

ナレーターのP『展望台の外に出た三人が見た者、それは大切な一人の仲間』


千早「あら、萩原さん!」

雪歩「ここでみんなを待ってたんだぁ! 私も協力するよ!」


ナレーターのP『雪歩が仲間に加わった!』

ナレーターのP『なお、これが最終パーティとなります』


律子「わざわざ私達に会いに来たってことは、何かわかったの?」

雪歩「ジュピターの天ヶ瀬さんが、響ちゃんの居場所を調べてくれたんですぅ!」

伊織「アイツ、なかなかやるじゃない! で、どこにいるのよ?」

雪歩「南東にある、大きな居住地区ですぅ!」

律子「居住地区……か。よし! そうとわかれば時は金なり、善は急げね!」

伊織「この四人で、居住地区とやらに乗り込むわよ!」

千早「ええ。私達で、我那覇さんを助け出しましょう!」 

雪歩「頑張ろう! 春香ちゃんや美希ちゃん、そして響ちゃんのためにも!」

一旦ここで中断します。

続きはまた夕方6時近くに。

よろしくお願いします。

それでは再開します。

ナレーターのP『到着した居住地区には、異様な空気が充満しているようだ……」


律子「どうやらここが、決戦の場所になりそうね……」

伊織「おっと! 敵のお出ましみたいよ!」

ヤプール「ヤプール、プル、プルー。さあ来なさい」

伊織「……何言ってるのかしら、コイツ」

千早「ふざけないで! アニメじゃないのよ、バーチカルギロチン!」ズパァァァァァ

ヤプール「プルプルプルプルー!」

   ドガーン

雪歩「千早ちゃん、すごぉい!」

千早「このぐらい、別に何てことないわ」

伊織「ねえ、律子。敵の親玉と響、どこにいると思う?」

律子「きっと最深部じゃない? これまでのパターン的に考えても」

千早「敵の本拠地のようだし、気を引き締めて慎重に進みましょう」

雪歩「響ちゃん、必ず助けてあげるからねぇ!」

ナレーターのP『居住地区の内部は、複雑な迷路になっていた』


雪歩「気を抜くと、迷子になりそうですぅ……」

伊織「おまけに、ずいぶんと広そうね……ん?」

レッドジャック「ガァァァァァ!」

ルナチクス「グォォォォォ!」

律子「また敵か!」

伊織「ザコに用はないわ! ゼット光線!」ヴァアアアアア

千早「邪魔をしないで! アロー光線!」ガガガガガガ

   カキン カキーン

伊織「……えっ!?」

千早「しまった、はじかれた!?」

レッドジャック「ガァァァァァ!」バキィ

伊織「きゃあっ!?」

ルナチクス「グォォォォォ!」バキィ

千早「くうっ!?」

雪歩「だ、大丈夫千早ちゃん!? 伊織ちゃん!」

千早「な、何とかね……」

伊織「いつつ……」

律子「このぉ! シェイクハンド光線!」ジジジジジジ

雪歩「ウルトラブレスレット、ブレスレットブーメラン!」キュルンキュルン

   カキン カキーン

律子「き、効かない!?」

雪歩「そんなぁ!?」

レッドジャック「ガァァァァァ!」バキィ

律子「うぐっ!?」

ルナチクス「グォォォォォ!」バキィ

雪歩「いやああっ!?」

千早「律子、萩原さん!」

律子「いたたたた……」

伊織「こいつら……強い!」

千早「生半可な技では、倒せそうもないわね……」

雪歩「全力で戦わないと、こっちがやられちゃますぅ!」

律子「……それなら!」

律子「動けなくしてやるわ! ストップ光線!」キッキュアアアアアア

ルナチクス「グォッ!?」

   ピキーン

雪歩「あっ! 敵の動きが止まりましたぁ!」

律子「今よ伊織! 最強クラスの技をヤツにぶつけて!」

伊織「この隙、逃さないわ! 必殺、M87光線!」ズガアアアア

ルナチクス「グォォォォォ!?」

   ドガーン

律子「まずは一匹!」

千早「律子、もう一匹は私に任せて!」

千早「萩原さん、頼んだわよ! 敵の動きを止めて!」

雪歩「うん、了解だよぉ! フォッグビームだぁぁぁ!」ヒョワァァァァ

レッドジャック「ガァッ!?」

   ピキピキピキーン

雪歩「敵が凍りついたよ! お願い、千早ちゃん!」

千早「これでトドメよ! パンチレーザースペシャル!」ジジジジジビビヒィィィィ

レッドジャック「ガァァァァァ!?」

   ドガーン

千早「よし!」

雪歩「倒せましたぁ!」

伊織「危なかった……。今の連中、思ったよりも強かったわね」

律子「というよりも、間違いなく今までで最強だったと思うわよ?」

雪歩「これからも、このレベルの敵が出てくるんでしょうかぁ?」

千早「どうかしら……? 何はともあれ、油断は禁物ね……」

ナレーターのP『数時間の探索の末に、四人は一本道の通路へたどり着いた』


雪歩「ずいぶん進んで来たはずだけど……」

千早「まだ最深部には到着しない……か」

伊織「全く、ムダにだだっ広いわね!」

律子「でもさすがに、そろそろ終わりも近いはず……ん?」

千早「みんな、気をつけて。通路の奥に、悪の気配が満ち溢れてるわ!」

雪歩「向こうで待ち構えてるの、今まで倒してきた怪獣ですぅ!」

律子「ふーん。リベンジマッチ、ってわけか」

伊織「上等じゃない、片っ端から蹴散らしてやるわ! かかってきなさい!」

ゴルドン「冗談じゃないよ、もうー。ゆっくり寝ていたいのに!」

伊織「ズルッ! あ、あのねえ!」

律子「なら、大人しくしてなさいよ! ラインビーム!」ビュヒャアアアア

ゴルドン「睡眠不足はお肌の敵だぞぉぉぉぉ!」

   ドガーン

ブルトン「みんなの視線が冷たいよー。ダァッダー、ブルブル」

伊織「な、何か調子が狂うわね……」

千早「と、とにかく! マルチギロチン!」ヒュバッヒュバッヒュバッ

ブルトン「ブ……ブルゥゥゥアァァァ!」

   ドガーン

ゼットン「なんでー、アイドルが四人もいるんだよー」

律子「は?」

ゼットン「萩原雪歩と一対一で戦えないだろー、いい加減にしてくれ」

伊織「……雪歩、ご指名みたいだけど?」

雪歩「それなら、相手になりますぅ! ウルトラスピンキックゥゥ!」グルグルンズガアッ

ゼットン「ま、またしても……ゆきぽぉぉぉお!」

   ドガーン

バルタン星人「なんで!? ぼくらをいじめるのー」

千早「別に、いじめてるつもりはないのだけれど……」

バルタン星人「バルタン泣きたくなっちゃう、ニンジャだもの、フォフォフォー」

律子「知らんわ! アイスラッガー!」ヒュゥゥゥゥン

バルタン星人「涙が出ちゃうぅー! ブォー」

   ドガーン

ベムスター「お前ら、星井美希と同じ目に遭わしてやる。バシィ!」

律子「甘い!」サッ

ベムスター「あっ、かわされたか。ちきしょー、勝負だ!」

千早「こいつが、美希をやった張本人ね!」

伊織「美希の無念、思い知りなさい! ウルトラ霞切り!」ズバッ

ベムスター「な、なぜだー! 星井美希は不意打ちで倒せたのにー!」

   ドガーン

グモンガ「へっ。お前らにはわからんだろうが、私が本物のグモンガだ!」

雪歩「え?」

グモンガ「前に現れたのは、偽物なのさ!」

律子「……誰か、こいつ知ってる?」

千早「大方、あずささん辺りと戦ったんじゃないかしら? パンチレーザー!」ピー

グモンガ「この私が……この私がぁぁ!」

   ドガーン

ベル星人「キーンコーンカーンコーン!」

雪歩「ひゃうっ!? な、何ですかぁ!」

ベル星人「765プロの時計の音色より、いい音するでしょー?」

伊織「ふん! 私の家の時計の方が、もっとずっといい音よ!」

千早「み、水瀬さん……張り合ってる場合じゃないと思うけど?」

雪歩「ウルトラブレスレット、ブレスレットボムですぅ!」ヒュンボムッ

ベル星人「ギ……ゴンガン……ゴン」

   ドガーン

レッドギラス「もう負けるわけにはいかないな! ブラックギラス」

ブラックギラス「そうともよ!」

律子「複数の敵か……。ならコレよ、スリーワイドショット!」ガアアアアア

レッドギラス「あー!」

ブラックギラス「れー!」

   ドガーン ドガーン

マグマ星人「菊池真と四条貴音はどこへ行った?」

伊織「あんたに教える義理はないわ!」

律子「そういえば……貴音はともかく、真は本当に音沙汰がないわね……」

雪歩「真ちゃんはやよいちゃんと、各地で暴れてる怪獣をやっつけてるんですぅ!」

千早「つまり、高槻さんと二人っきり……なのね……」

マグマ星人「ふん、逃げるとは卑怯なやつらだ。アイドル達も、大したことないな!」

雪歩「真ちゃんと四条さんの侮辱は許さない! 流星キィィィックぅ!」バギイッ

マグマ星人「お、汚名挽回の機会が……あ、返上だった」

   ドガーン

ガマス「お前達なんて、私の敵ではないわ。倒してやる!」

千早「それはこっちのセリフよ! ダイヤ光線!」グワガガガガ

ガマス「に、二次元サイコー! 二次元バンザーイ!」

   ドガーン

バルタンJr「フォーフォフォフォフォッ。私は宇宙忍者バルタンジュニア」

律子「またバルタン星人? しつこいわね!」

雪歩「この宇宙人のせいで、春香ちゃんと美希ちゃんは石にされちゃったんですぅ!」

千早「なら、我那覇さんを連れ去ったのもあなたなの!」

バルタンJr「それも私……ではない」

雪歩「それなら一体、誰の仕業なんですかぁ!」

伊織「どうせここのボスじゃない? 響を助けるついでに、後でぶっ飛ばしてやるわ!」

バルタンJr「さあ、今度こそ決着をつけよう!」

千早「望むところよ! 切り裂く! ホリゾンタルギロチン!」ズヴァァァッ

バルタンJr「我が一族は不滅です! ブフォォァ」

   ドガーン

ペガッサ星人「地球侵略が失敗に終わったのも、お前達のせいだぞ!」

律子「あのねえ。逆恨みはやめてほしいんだけど?」

ペガッサ星人「覚悟しろ!」

律子「何度戦っても、結果は見えてるわよ! 手裏剣光線!」ピュピュピュピュピュピュ

ペガッサ星人「や、闇の世界の住人に幸あれー!」

   ドガーン

ダリー「お前達の血液を吸って、干物にしてくれるわ!」

律子「こいつは、あずささんの体内で戦った宇宙細菌?」

雪歩「等身大にもなれるなんて、芸達者ですねぇ……」

伊織「干物はアジだけで十分よ! ウルトラフロスト!」ヒュオオオオオ

ダリー「サンマも悪くないぞ……ガクッ」

   ドガーン

セブンロボット「おお、秋月律子! 我が兄弟よ!」

律子「うるさいわ! あんたに、そんなことを言われる覚えはないわよ!」

雪歩「ウルトラブレスレット、ウルトラクロスぅ!」ドシュッ

セブンロボット「お、俺は……りっちゃんに……なりたかった」

   ドガーン

エースロボット「ロボットとして生まれた俺のつらい気持ちが、お前らにわかるか?」

千早「つらい気持ちを味わうのはロボットだけじゃないわ。人間も同じよ……」

雪歩「やあああああっ! ウルトラショットォォォ!」シュワアアビイイイイイ

エースロボット「クックック……本当につらいのはこれからだ……!」

   ドガーン   グニャァァァ

雪歩「ひうっ!?」

雪歩「く、空間が歪んでいきますぅ!」

律子「な、何コレ!? さっきのロボットの仕業なの!?」

伊織「ちょ、ちょっと、どうなってんのよ!?」

千早「み、水瀬さん! 迂闊に動いちゃダメ!」

伊織「うあっ!? か、身体が引っ張られる!?」

律子「ま、まずい! 黒い闇が、私達を包んでいく……!?」

雪歩「い、いやあああああっ!?」

千早「きゃあああああっ!?」

ナレーターのP『四人が目を覚ますと、そこは一面紫色の不気味な空間だった』


律子「う、うーん……はっ!?」

伊織「ここ、どこなのよ?」

雪歩「おそらく、四次元空間……かなぁ?」

千早「萩原さん、どうしてわかるの?」

雪歩「昔ここで春香ちゃんと、亜美ちゃんを助けるために戦ったから……」

律子「それなら、脱出方法は知ってるのね?」

雪歩「はい! 確かここ、765プロの近くにある洞窟に繋がってるはずですぅ!」

律子「オッケー。さっさとここから出て、居住地区に戻るわよ!」

千早「……つまりもう一度、あの長い道のりを越えないといけない……?」

律子「……あ」

雪歩「はぅぅ……とてつもない時間がかかりそうですぅ……」

伊織「きぃぃぃぃ! 何なのよあのロボット! ふざけんじゃないわよぉ!」

律子「全く……嫌がらせにも、限度ってものがあるんじゃない? トホホ……」

ナレーターのP『元の場所に戻るために、彼女達は三日を費やす羽目となった』


千早「や、やっと戻って来られたわね……」

伊織「あーもう! 本っ気でやってられないわ!」

雪歩「つ、疲れたぁ……」

律子「き、気を取り直して仕切り直しよ! 順番的に、次の相手は磔マニアのはず!」

エースキラー「わざわざやられに来たのか!?」

伊織「そんなわけないでしょ? アンタ達を蹴散らしに来たのよ!」

エースキラー「今こそお前らを、全員十字架に張り付けてやる!」

千早「今度は遅れはとらないわ! サーキュラーギロチン!」ヒュッヒュッシュパァァァ

エースキラー「ちーちゃんの磔姿、マジ最高……グハッ!」

   ドガーン

律子「さて……と」

伊織「再生怪獣軍団、残るはアンタ一人よ!」

ヤプール星人「ち、ちきしょう!」

ヤプール星人「偽物を出現させ、お前達の信頼をなくそうと思ったのに!」

律子「は? 偽物?」

伊織「もしかして私が律子と間違えそうになった、あのヘンなロボットのこと?」

律子「だーかーらー! 間違える要素は無かったでしょーが!」

雪歩「でも、どんなに完璧に真似たロボットを作っても、ムダだと思いますぅ」

千早「萩原さんの言うとおりね。私達の友情は、偽物なんかで崩れはしないわ!」

ヤプール星人「ならば、我が手で倒す!」

伊織「どうでもいいけどアンタ、星人なのかそうじゃないのか、はっきりしなさいよ!」

雪歩「一気にケリをつけますぅ! スペシウム光線!」ヴィィィィィ

ヤプール星人「うごおっ、さすがだな……。だが……まだ、本体が……」

   ドカーン

雪歩「とりあえず倒せたみたい……だけど」

千早「本体……?」

伊織「ただの捨てゼリフには思えないわね……」

律子「今ので完全消滅したわけじゃない、ってことか……」

一旦ここで中断します。

本日9時以降の投下で終了予定です。

よろしくお願いします。

それでは再開します。

ナレーターのP『激戦を勝ち抜いた四人は、通路の奥へと足を運んだ』


雪歩「あ! 突き当りに扉があるみたいですぅ」

千早「待って、萩原さん。ここにも敵がいるみたいよ」

テンペラー星人「よくぞ、試練を乗り越えてここまで来たな」

律子「親玉のガーディアン、ってとこか……」

伊織「ま、そう簡単には通してくれないわよね」

テンペラー星人「だが、努力もここまでよ! お前達の運命は、ここで終わるのだ!」

千早「それはどうかしら?」

雪歩「運命とは、自分の力で切り開いていくものですぅ!」

律子「伊織、千早、雪歩、一気に片をつけるわ! フォーメーションアタックよ!」

伊織「任せなさいって! グランドスパーク!」ビガビガビガビガァ

千早「受けなさい! メタリウム光線!」ビイイイイイ

雪歩「いっけぇぇぇぇ! シネラマショットォ!」ギャリギャリギャリ

律子「これで! ワイドショット!」ビィィィィィ

テンペラー星人「ぐ……! まさか、ここまで強くなっていようとは……」

   ドガーン

伊織「ざっとこんなもんね! にひひっ!」

雪歩「この扉の奥に、敵のボスがいるのかなぁ?」

律子「おそらく親玉は、さっき戦ったヤプールの本体……ん?」

千早「え? 律子、どうかした?」

律子「……ゴメン、ヤプール星人だったっけ?」

伊織「どっちでもいいわよ!」

雪歩「どっちでもいいですぅ!」

千早「まあ、本気でどっちでもいいわね……」

ナレーターのP『四人が扉を開けると、その先の部屋には』

ナレーターのP『石像にされた響と、ヤプール人の本体が待っていた!』


律子「ようやく、ここまでたどり着けた……」

雪歩「長い道のりでしたねぇ……」

千早「我那覇さん、今助けるわ!」

伊織「ついでに、そこのアンタ!」

雪歩「響ちゃんを石にしたのは、あなたですね!」

伊織「ギタンギタンにしてやるから、覚悟しなさい!」

合体ヤプール「お前達は一体、誰のために戦っているのだ?」

雪歩「私達の愛する地球に住む、みんなの平和を守るためにですぅ!」

合体ヤプール「なぜそこまで、正義、愛、平和にこだわるのだ?」

千早「それが私達にとって、かけがえのない物だからよ!」

合体ヤプール「ふふ……もっと自分に素直になったらどうだ?」

合体ヤプール「そうすれば私のように楽しく生きられるぞ、アイドル達よ!」

律子「だまりなさい! 御託は結構!」

合体ヤプール「フッ、かわいいものだな……死ね、ア・イ・ド・ル・達!」


ナレーターのP『いよいよ最後の決戦だ! 響を助けて、地球に平和を取り戻そう!』


雪歩「てやぁぁぁぁあ! ウルトラハリケーン!」ギュインギュインギュイィィィン

千早「萩原さんが、ヤツを高速回転させながら空中に吹き飛ばしたわ!」

雪歩「今なら敵は無防備のはずだよぉ! トドメはお願いしますぅ!」

伊織「春香、みんな、私に力を貸して! マリンスペシウム光線!」シュバアアアアア

律子「ここで全てを終わらせる! リュウ弾ショット!」ギュウウウウドギュゥゥゥン

千早「最後よ! ギロチンショット!」キィィィィバシュウ

合体ヤプール「ゴ、ゴアアアアアアッ!」

   ドカーン

千早「勝ったわ!」

雪歩「悪は滅びましたぁ! 私達の勝利ですぅ!」

ナレーターのP『四人が響を連れて765プロに戻ると、そこには石像にされた春香と美希』

ナレーターのP『そして、残りのアイドル達が全員揃っていた』


真「あ! 律子達が帰ってきたぞ!」

小鳥「みんな、お帰りなさい!」

亜美「りっちゃーん! ゆきぴょーん!」

真美「いおりーん! 千早お姉ちゃーん!」

やよい「うっうー! 響さん、助けられたんですね!」

律子「と言っても、まだ石像のままなんだけどね……」

社長「秋月君、よくやってくれたね!」

律子「いえいえ。私は、当然のことをしただけですから!」

社長「水瀬君、ありがとう!」

伊織「私がもう少し早く気づいてれば、もっと早く解決できたのに!」

社長「如月君、無事で何よりだよ!」

千早「余計な心配をおかけして……本当にすみませんでした」

社長「そして萩原君。今回の旅は萩原君にとって、長く、そしてつらい旅だったね」

雪歩「私のことよりも春香ちゃんや美希ちゃん、それに響ちゃんの方が心配ですぅ」

真「そうだね。でも、大丈夫! 元に戻す方法がわかったんだ!」

貴音「わたくし達の力を集結して復活を強く祈れば、石化は解けることでしょう」

あずさ「さあ! 全員の心を一つにして……マザーシャワー!」シャワアアアアア


ナレーターのP『みんなの祈りを受け、あずささんが放った暖かい光流は』

ナレーターのP『春香と美希、響の石化を解くことに成功した! お見事!』


美希「う……ん。こ、ここは……?」

雪歩「やったぁ! 三人とも、元の姿に戻ったよぉ!」

春香「そっか! みんなが力を合わせて悪を倒し、私達を助けてくれたんだね!」

律子「ま、そんな所かしらね?」

伊織「感謝しなさいよ!」

春香「みんなの活躍、私はとっても嬉しいよ!」

美希「心配かけて、本当にごめんなさいなの!」

律子「さてと! これで、全員が勢揃いしたかしら?」

伊織「ね! 夜も更けてきたし、これから屋上に行かない?」

千早「あら、いいわね。再びこんなことを起こさないためにも」

雪歩「みんなの心を一つに合わせて、光輝く星に誓い合おう!」



ナレーターのP『かくして、アイドル達のつらく長きにわたる戦いは、今終わった』

ナレーターのP『そう、平和が戻ったのだ! この広大無限に広がる地球に!』

ナレーターのP『ありがとう、765プロのアイドル達!』



   END



   カチッ

   現実世界の765プロ 会議室

P「お、終わり……みたいだな」

小鳥「こ、これでエンディング……ですか?」

春香「…………」

千早「…………」

雪歩「…………」

やよい「…………」

律子「…………」

あずさ「…………」

伊織「…………」

真「…………」

亜美「…………」

真美「…………」

美希「…………」

貴音「…………」

響「…………」

P(アカン)

P「あ、あーっと……まあ……何だ、その……」

小鳥「な、何か感想があれば、どんどん言ってほしいんだけど……」

やよい「は、はい! ま、まあまあ面白かったんじゃないかなーって――」

春香「プ、プ、プロデューサーさん!」

やよい「はわっ!?」

P「お、おう! 何だ!?」

春香「わ、私、主役だと思ってたのに! 実は、囚われのお姫様役だったんですか!?」

美希「春香は最初に活躍してるからまだいいの! ミキの扱い、ヒドイすぎるのー!」

真「ボクだって! 中盤で、ちょっと出ただけですよ!」

やよい「そ、そういえば私も……セリフ、全部で二行しかありませんでした……」

亜美「っていうか亜美達って、そもそも戦ってすらいないじゃん!」

真美「社長とかあまとう達より出番が少ないって、絶対おかしいっしょ!」

千早「私も後半しか出番がなかったけど、まだマシな方なのかしら……?」

P「う、うーん……。見せ場に偏りがあるのは、どう考えても間違いないよな……」

小鳥「いくらなんでも、もう少し何とかできなかったんでしょうか……?」

あずさ「で、でも……シナリオも、何だかあっさりしすぎじゃないでしょうか~?」

小鳥「ラスボス戦とかエンディングとか、えらくサラッと終わりましたもんね……」

P「そもそもこのストーリーだと、2208プロとコラボした意味あったんですかね……?」

伊織「全体的に、怪獣のセリフがテキトーなのよ! 特に、最後のボスラッシュとか!」

貴音「戦いも、ほぼ必殺技で一撃のようでしたが……少々、味気ないのでは?」

律子「というか、どーして途中のザコ敵っぽいのに一番手こずってるんですか!」

雪歩「怪獣さん達の扱い方、2208プロのファンの人達に怒られないでしょうか……?」

小鳥「う……それは……」

P「正直、メチャクチャ怒られそうな気がするぞ……」

響「プロデューサー! じ、自分、自分、うぅ……」

P「ひ、響……?」

響「自分、一言ぐらいセリフが欲しかったぞー! うわあああん!」

P「わ、わかった! みんなの意見はよぉくわかった!」

小鳥「きょ、今日のテストプレイの結果は、ちゃんと社長に報告しておくわ!」

P「そ、それじゃあこれでお開きだ! 解散! これにてかいさーん!」

   一か月後 765プロ 会議室

小鳥「社長がみんなの意見を踏まえ、ゲームを改良したそうですけど……」

P「おお、本当ですか!」

小鳥「でも……はあぁ……」

P「ど、どうしたんです、ため息なんかついて? 一体、どこがどう変わったんです?」

小鳥「まず、ジャンルが変更されました」

P「へ? ジャンル?」

小鳥「先のノベル形式から、RPG形式に生まれ変わったそうです」

P「……何というか、随分と大胆にモデルチェンジしましたね」

小鳥「複雑なダンジョンが盛り込まれ、ゲーム性のある作品に生まれ変わったとか」

P「ふ、ふーん……? ホントかなぁ……?」

小鳥「特にラストダンジョンは、半端なく広大な迷路に仕上がってるそうです」

P「半端なく……? 具体的に、攻略にはどのぐらいの時間がかかるんですか?」

小鳥「社長はザコ戦も含めて、三時間ぐらいはかかるって言ってました」

P「それ、いくらなんでも長すぎじゃないか……ん?」

P「待った! ちょっと待ってください!」

小鳥「……何でしょう?」

P「確か最後の方で、敵のロボットに異次元へ飛ばされるイベントがありましたよね!?」

小鳥「……気がついちゃいましたか」

P「もしも、あれが再現されてたら……」

小鳥「最低三時間かかる迷路みたいなダンジョンを、二回も攻略するはめに……」

P「…………」

小鳥「…………」

P「無理無理無理! 心折れますって、絶対!」

小鳥「ですよねぇ……」

P「あ! もしかして何度でも楽しめる、飽きがこない戦闘システムが――」

小鳥「本気で組み込まれてると思います?」

P「え、ええっと……」

小鳥「あ、そうそう。戦闘と言えば、ボス戦は必殺技が一切使えないらしいです」

P「は!?」

P「何だそりゃ!? どうしてそんな意味不明なことをする必要が!?」

小鳥「必殺技が強すぎて味気ない、っていう意見を反映した結果みたいですけど……」

P「極端すぎる! 使えなきゃ使えないで盛り上がらないですよ! 確実に!」 

小鳥「ただの殴り合いですもんね……。そしてもう一つ、残念なお知らせがあります」

P「まだあるんですかい!? 今度は何ですか!?」

小鳥「シナリオや怪獣のセリフ回しは、一切変わってないみたいです」

P「まずはそこを変えるべきだろ社長! ってことは、春香は?」

小鳥「序盤で離脱します」

P「美希は?」

小鳥「ベムスターにやられて、以後復帰しません」

P「響のセリフは?」

小鳥「ありません」

P「…………」

小鳥「…………」

P「小鳥さん! 俺、もう一回作り直すように、今から社長に頼んできます!」

小鳥「プロデューサーさん。残念ながら、それは無理なんです」

P「どうしてですか!」

小鳥「もう、全ては遅すぎるからです」

P「そんなことはありません! しっかりと問題点を説明すれば、きっと社長も――」

小鳥「でも発売日、今日ですよ?」

P「え」

小鳥「…………」

P「……ウソ」

小鳥「ホントです」

P「…………」

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「…………」

P「ノ、ノオオオォォォォ!」

P「かくして、ゲームソフト『ウルトラim@s倶楽部』は発売されてしまった」

P「ネームバリューを最大限に活かし、初日に爆発的な売上を見せた本作は」

P「以後数週間の間、色んな意味でネットを大いに賑わすこととなるのだが」

P「それはまた、別の機会に語るとしよう……」



   おしまい

以上になります。

ク○ゲーの呼び声が高い原作ですが、光る部分もなかったわけではない……はずです。

原作をプレイしてる方にも覗いていただけたようで、とても嬉しく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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