僕は怒ってるんだ! (4)

「またダメだったのか!?」

やる気の無さそうに頷くそいつに、先生は腹を立てた

そいつは、また自分が出来なかったことに怒ってるんだろうと思った

相手はとても厳しい人だ、
結果が全てだというのを象徴したような人

何でこんなに自分は出来ないんだろう
怒鳴られたそいつは自分のダメダメさを悲しく思った

先生はイライラしたように首を振る





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「なぜ君はこんなにできないか分かるか!?」

先生の問いかけにそいつは〜以下略



長いので略


〜〜〜〜


だが、今回の先生は違った
先生は自分の事のように腹を立て、悔しそうな目でそいつを見ながらこう言うのだ

「できないのに努力をしない、君はな、本当はあることに関して物凄い資質を持ってるんだ!普通の人よりもズバ抜けた才能を持ってるんだ、なのに何故努力をしないんだ!!」

周りの人達がびっくりした目で先生を見た

普段の先生からは想像も出来ないことを口にしたからだ
無気力なそいつはその時、無表情で…だが、目を見開いてその先生を見ていた

長いので略

〜〜〜〜〜








〜〜〜〜


そいつ…いや、少年だ
今まで無気力で物事から目をそらしてきた少年は、少しずつ前を向き始めた

その少年の課題は普通の人とは違った
努力をしないことだったのだ

ズバ抜けた才能を持ちながら、興味の無いことにはとことん無関心な少年の性格

小さな頃から何も努力をしてこなかった少年は、初めて努力をし始めた
そう、一歩ずつ努力をし始めたのだ

それから〜〜







〜〜〜〜〜〜


少年は楽しそうな顔で、言った

「ずっと今まで、バカにされて生きてきました。できると言ってもバカにされて、やってみても実際にできなくて…かといって、いちいち興味の無いことをがんばろうと思わないし、本当はできるのになぁ…と心の中で思っているような、そんな人でした」

先生は頷きながら、相槌を打つ

「でも、それじゃあダメだったんですね。そんな自分を少し情けなく思います。これからはいろんなことに興味を持って、努力していきたいです。……少しだけ、もっと昔から努力をしていればなぁと思ったりしますが」

ははっと先生は小さく笑った

「君は精神的な物に問題があったんだ、物事に失望して、目を背けていたんだよ。大丈夫さ、悩んでいると道が見えてくる、実際そうやって君は今こうして活き活きとしているじゃないか」

先生は少年の背中をポンッと叩いて、つぶやいた

「君の人生は、これからだよ」

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