ゆゆゆ妄想最終回(69)




みんな報われて良かった。
ハッピーエンド万歳!

でも、こうした方が良かったんじゃ?
と、各サイトやブログでの意見や※の考察を参考に妄想してみました。

良ければお付き合いください。
鷲尾須美の物語は未読です。






     勇者システムによる満開後の後遺症は治らない。

     神樹は、何かを隠している。

     そう思って調べに行った壁の外は更なる絶望の現実だった。



     神樹に選ばれた勇者は

     死にたくても精霊に防がれて死ぬ事もできない。

     真実を知った私は……









     絶望という恐怖から逃れるために……

     壁を破壊し、バーテックスを招き入れ

     自分達ごと神樹と、世界を終わらせる事しか無かった。






友奈「東郷さん、聞いて!」

東郷「もう……私たちが救われる方法はこれしかないのよ!」

友奈「違う!」

     ゴウッ! ガキィッ!

東郷「違わないわ!」

東郷「友奈ちゃんも壁の外を見たでしょ!?」

東郷「バーテックスは永遠に居なくならない!」

東郷「倒しても倒しても復活して、永遠に出てくる存在なのよ!」

友奈「東郷さんっ!」

     ババンッ!!

友奈「うあっ!」


東郷「私達勇者は、そのバーテックスを止める、侵攻を阻止する為に存在する」

東郷「大赦にとって都合のいい道具でしかない!」

友奈「それでも……私達は、勇者は、みんなを救う存在だよ!」

     ガガンッ! バキンッ!

東郷「その結果は!?」

東郷「満開して、散華して……少しずつ体を削られて……」

東郷「それでも生きていかなければ ならないなんて、苦痛でしかないっ!」

東郷「そこに救いはないわ!」

東郷「乃木園子の様に!!」

友奈「っ!!」

     ダァンッ!!

友奈「ああっ!!」


東郷「はあっ……はあっ……」

友奈「東郷……さん」

東郷「……だから」

東郷「これしかないのよ……」

東郷「私達勇者が救われる為には……!」

東郷「神樹を倒して、何もかもを終わらせるしかないのよ!!」

友奈「…………」

友奈「……違う」

東郷「何が違うのよ!?」

     ドンッ! ドンッ! ドンッ!

友奈「違うよ! 東郷さん!」


東郷「くっ……!」

友奈「そうじゃないんだよ!」

東郷「だから何が違うの!?」

友奈「私が東郷さんに言いたい事は、ね……」




友奈「どうして私たちに相談してくれなかったの!?」




東郷「っ!?」

友奈「私達は、勇者である前に勇者部・部員同士で」

友奈「友達じゃなかったの!?」

     バキィッ!

東郷「うあっ!」


友奈「…………」

友奈「そりゃ……東郷さんみたいに頭は良くないし」

友奈「この世界の現実を何とかする事なんて、無理かもしれない」

友奈「でも!」

東郷「…………」

友奈「でも……ひとこと言って欲しかった!」

友奈「一人で抱え込んで、勝手に行動して欲しくなかった!」

東郷「……っ」

友奈「私だって怖いよ……」

友奈「けど、たった一人で五体の大型バーテックスを倒した夏凜ちゃんは」

友奈「私の笑顔を無くしたくないって……ボロボロになりながら戦ってくれた」

東郷「!!」


友奈「もう……夏凜ちゃんは」

友奈「目も耳も……」

東郷「…………」

友奈「東郷さんは夏凜ちゃんの頑張りは無駄だって言うの?」

友奈「何もかも無くなって……本当にそれでいいの!?」

東郷「…………」



     おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっっ!



東郷「!!」

友奈「バーテックスが!」












     ドガアアアアアアンッ!!











東郷「きゃあああああああああっ!!」

友奈「ああああああああああっ!!」


     ズズズズ……


友奈「……くっ……うっ」

友奈「負け……ないいいいいぃぃぃぃっ!!」


     満   開  !!


友奈「おおりゃあああああっ!!」

東郷「…………」

東郷「友奈……ちゃん」

東郷「…………」



     そうよ……

     友奈ちゃんの言う通り……『違う』……


東郷「…………」


     私は……神樹とか世界とか壁の外の現実とか

     本当は言い訳にしていただけ……


東郷「…………」


     私は……私が一番怖かったのは……





     友奈ちゃんを、みんなの事を

     忘れてしまうのが……恐ろしかった。



     誰かとの思い出を無くし

     乃木園子の様に ただ生きているだけの存在になるのが……

     嫌でも自分は『一人ぼっちなんだ』と思って

     孤独に生きていくのが……怖くて恐ろしくて













     どうしようも無かった……!!










東郷(……でも)

東郷(友奈ちゃんは、今)

東郷(何の為に戦っているの……?)

東郷(そんな未来が やがて来るとわかってて)

東郷(どうして戦えるの……!?)


友奈「おおおおおおおっ!!」

友奈「勇者、パーンチ!!」


東郷(…………)







友奈「どうして私達に相談してくれなかったの!?」






東郷(!!) ビクッ!

東郷(…………)

東郷(……そうよ)

東郷(私は……きっと……)

東郷(恐怖に負けて……大切な事を忘れていた)

東郷(…………)

東郷(だったら!!)


友奈「はあっはあっはあっ……」

     ガギィッ!!

友奈「ああっ!!」


     ズズズズ……


友奈「くっ……私だけじゃ……止められないっ!」

友奈「でもっ!!」


     ドンッ! ドンッ! ドンッ!


友奈「!?」


東郷「ごめんなさい、友奈ちゃん!」

友奈「東郷さん!」

東郷「私……目を覚ましたわ」

東郷「今はこの一言だけにしておく」

東郷「後でたくさん謝るから……!」

友奈「!」

友奈「うん! もちろんだよ、東郷さん!」

東郷「ありがとう、友奈ちゃん」

東郷「早くこのバーテックスを倒しましょう!」

友奈「もちろんだよ!」



     ズズズズ……


友奈「もう、止まれぇぇぇぇ!!」

     ドゴッ! ズガァッ!

東郷「これ以上は……行かせないっ!!」

     ドンッ! ドンッ! ドンッ!

東郷(二人共満開なのに……少しも勢いが衰えないなんて!!)


?「勇者部五箇条……」

?「挨拶は……きちんとぉぉぉぉっ!!」


     ズガガガガッ!


東郷「!?」

友奈「!?」


友奈「風先輩!」

風「東郷……言いたい事はたくさんあるけど」

風「後にするわ」 ニヤッ

東郷「すみません!」

風「さあ……とっとと終わらせるわよ!」

友奈「はい!」


     シュババババッ!


友奈「! 樹ちゃん!」

樹「…………」 ニコッ

風「樹……寝てなさいって言っておいたのに」


樹(勇者部五箇条……)

樹(なるべく……諦めないっ!!)

風「さあ、バーテックス!」

風「おとなしく封印されなさい!」


     満   開  !!


東郷「!!」

友奈「風先輩!! 樹ちゃん!!」

風「後輩の頑張りに……答えなくて」

風「先輩風吹かせられないわよ!」

樹「…………」 ニコッ

東郷「すみませんっ……風先輩っ……樹ちゃんっ……!」

東郷「すみませんっ……!」


夏凜(…………)

夏凜(……感じる)

夏凜(大気の振動を……全身で)

夏凜(とても大きな……物体が……少しずつ神樹に向かっている)

夏凜(…………)

夏凜(私……足でまといかもしれない)

夏凜(…………)

夏凜(でも……まだ)

夏凜(左腕も……左足も残ってて戦えるっ!!)

夏凜(友奈!……今、行くから!)


     満   開  !!


     ゴウッ!!

夏凜「わあああああああああああああああっ!!」

     ドガァッ!!

友奈「夏凜ちゃん!?」

夏凜「私は……東郷を止めるんだからっ!」

夏凜「バーテックス!! 邪魔をしないでっ!!」

風「夏凜……何を言って……?」

夏凜「目が見えなくても、耳が聞こえなくなっても!」

夏凜「私はまだ戦えるっ!」

風「!!」

東郷「……っ」






     おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっっ!




友奈「きゃあああああああああああああああああああっ!!」

風「友奈っ!?」

東郷「友奈ちゃん!!」

樹「……っ!!」


     ドサッ…… シュウウウウン……(散華)


友奈「く……うっ……」

友奈「!!」

友奈「あ……足が……!!」


東郷「友奈ちゃんは、しばらく休んでて!」

風「後は、私達が何とかするっ!」

樹「…………」 コクッ

夏凜「わああああああああああああああっ!!」


友奈「風先輩……みんなっ……!」


東郷「もうこれ以上行かせないっ!」

風「絶対にっ! ここで終わらせないっ!」

樹「……! ……!」

夏凜「このおおおおおおおおおおっ!!」





     おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっっ!




東郷「ぐ……ぎっ……あああああああっ!!」

風「負け…る……もんかぁあああああっ!!」

樹「――!!」

夏凜「こんな……痛みっ!」

夏凜「よく寝て、よく食べればっ……!」

夏凜「治るんだからああああああああっ!!」


友奈「みんなっ! みんなぁっ!」

友奈「ぐ……ううううっ……!!」

     ズズッ…… ズズッ…… ズズズッ……

友奈「行か……ないと……!」

     ズズッ…… ズズッ…… ズズズッ……

友奈「あそこに……みんなの所にっ!」

友奈「行くんだぁっ!!」



     満   開  !!



東郷「!!」

東郷「友奈ちゃん!?」


友奈「――勇ぅぅ者ぁぁ……」

友奈「パァァァァァァァァァァンチッ!!」





     ゴ  ガ  ァ ッ !!





友奈「ぐうっ……うっ…うっ………!!」


     おおんっ! おんおんっ! おおおおおおおおおおおおんっっ!


友奈「と、どけ……!」

友奈「とどけっ……とどけっ! とどけっ!!」


友奈「とどけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」






     カ    ッ   !!






東郷「友奈ち――」

風「友奈――」

樹「……――」

夏凜「手応えが――」



―――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――

―――――――――――

――――


????


東郷「…………」

東郷「……ん」

東郷「…………」

東郷「ここは……」

東郷「っ!」


東郷(…………)

東郷(目が……右目が……見えない)

東郷(……っ)

     東郷さん

東郷「!?」

東郷「友奈ちゃん!?」

東郷「どこ!?」

東郷「どこに居るの!?」

     え? 私が見えないの?

東郷「あ……」

東郷「…………」





     友奈ちゃんは確かに居た。

     他のみんなもすぐ近くに居る。

     ただ……全員……気絶しているのか、眠っているのか

     目を閉じて、静かに横たわっていた。



     友奈ちゃんも。




東郷「友奈……ちゃん?」

     うん。 ここに居るよ。

東郷「!?」


東郷(確かに……聞こえた)

東郷(でも……)

東郷(目の前の友奈ちゃんは口を動かしてない)


東郷「どういう……事なの?」

     説明が難しいんだけどね。

     神樹様は一時的に『神様』になってもらったって……

東郷「!?」

東郷「神樹!? 神樹が!?」

     うん。 そうみたい。

東郷「意味がわからないよ!」


     東郷さん。 説明したいんだけど、もう時間があんまり無いの。

東郷「そんな!」

     だから、簡単に言うね?

     今から私は、神樹様の力で私達人間に敵対している神様と

     話をしてきます。

東郷「敵対してる……神様?」

東郷「!」

東郷「バーテックスと!?」

     そうなの? よく分からないけど……

     今回の私達の頑張りを見てね

     いくつかの神様が、話をしたいって言ってきたらしいよ?

東郷「…………」


     それでね、神樹様は……

     味方になってくれる神様が、ある程度増えてくれたら

     不完全な勇者システムを再構築して

     満開しても『散華』が無いようにできるって言うんだ。

東郷「え……」

     上手く行ったら……私達の体も元通りになるって事なんだって!

東郷「!!」

     これまでの勇者システムは、神樹様だけの力だったから

     どうしても『供物』が必要だった。 でも……

     ある程度の神様が味方になってくれたら、その力も使えるから

     そういう事ができるって事みたいだよ。

東郷「そんな……本当に……?」


     神樹様はね、こんな事を言ってたよ。

     花を咲かせ、散華した後には、必ず実を結ぶんだって……

東郷「実を結ぶ……」

     うん。

     これまでの勇者達の頑張りは、無駄じゃなかったんだよ。

     少しずつでも他の神様達を味方にしていって

     そして……それが今、実を結ぶかもしれないんだよ。

     ちょっと嬉しいよね。

東郷「…………」


     …………

     東郷さん。

東郷「うん、何? 友奈ちゃん」

     私、頑張ってくる。

     それで……お願いしたい事あるんだ。

東郷「うん」

     ちょっと時間が掛かるかもだけど……

     その間……抜け殻になった私の体

     見ててくれるかな?

東郷「もちろんよ……」

     ありがとう、東郷さん。

     必ず……みんなの体を元に戻せるようにするからね。

東郷「…………」

     東郷さん?

東郷「……ごめん、なさい」


     …………

東郷「本当は……私が……ぐっ……やらないと……ひっく……」

東郷「いけない、こと、なのにっ……!」

     ……東郷さん

東郷「ごめんっ……友奈ちゃんっ……ぐっ……私……」

東郷「私のっ……うっ……せいでっ……!!」

東郷「ごめんなさいっ……!」

     …………

     泣かないで、東郷さん。

     これはね『さよなら』じゃないから。

     『またね』だから!

東郷「でも……ぐっ……うっ……でもぉ……!」


東郷「友奈……ちゃ、ん……うっ……ぐっ……」


     じゃ……行ってきます。

     帰ったら、あの美味しいぼた餅、食べさせてね!


東郷「!!」

東郷「待っ……てっ! 友奈ちゃ……ぐっ……待って!」

東郷「友奈っ! 友奈ぁ―――――――――――!!」




     カ   ッ  !!




東郷「友――」




―――――――――――――――――――――――――――――――



―――――――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――



―――――――――――



――――




―――――――――――


病院の一室


東郷「――はっ!?」

東郷「ここは……」

東郷「…………」

東郷「病院……?」

東郷「…………」

東郷「…………」

東郷「……っ」

東郷「友奈……ちゃん……!!」





     ……私達勇者部のみんなは

     大赦系列の総合病院に収容されていた。



     あの戦いから数日がすぎ

     みんなもやっと意識が戻った、という事だった。



     友奈ちゃんを除いて……







     私は……あの何処だか分からない

     夢でも見ていたの?と言われても仕方のない出来事を

     風先輩と樹ちゃんに話した。

     二人共驚きを隠せない様子だった。



     ……夏凜ちゃんは聴覚を完全に失っているので

     伝える事ができない。

     胸が痛む……







     満開の後遺症で

     風先輩は右腕が全く動かなくなり

     樹ちゃんは私と同じく右目が見えなくなっていた……



     夏凜ちゃんは視覚と聴覚を完全に失い

     右腕と右足、そして左腕が動かなくなっていて

     意思の疎通すら難しい状態だった……



     ……目を背けてはいけない。

     これは……私の軽率な行動が引き起こした『散華』なのだから。





―――――――――――


夏凜の病室


     トン トン

夏凜「誰? 東郷?」

     トン

夏凜「やっぱり……」

夏凜「もう食事の時間?」

     トン トン

夏凜「違うの? ……様子を見に来た?」

     トン

夏凜「そう……でも身の回りの世話は看護師がやってくれるから」

夏凜「大丈夫よ」





     夏凜ちゃんとの意思疎通は合図しか無かった。

     軽く一度トンと叩くと『はい』 トントンなら『いいえ』

     会話はほぼ不可能だけど……これだけでも大きな進歩だった。



     突然暗闇と音のない世界に放り込まれた彼女は

     意思疎通の手段を学ぶことすら困難。

     ましてや左足しか動かせない為……トイレすら

     誰かの力を借りなければならなかった。






     ……彼女は、24時間誰かが世話をしないと自立できない。

     精霊は命を守るけど介護をしてくれないのだから。



夏凜「ねえ……東郷」

     トン

夏凜「友奈はどうしてる?」

夏凜「あっと……この質問じゃダメね」

夏凜「…………」

夏凜「友奈はここに来れる?」

     …トン トン

夏凜「……そっか」


夏凜「友奈は……どんな状態なの?」

夏凜「私より酷い?」

    …………

夏凜「東郷?」

夏凜「…………」

夏凜「……ごめん。 言いにくいよね」

     トン

夏凜「ふふっ……」

夏凜「…………」

夏凜「早く……友奈に会いたいな」

     …………

夏凜「…………」



―――――――――――


東郷「優奈ちゃん……」



     私が目を覚まして一週間が過ぎた。

     友奈ちゃんは完全な植物状態。

     自発呼吸はしているし『生きて』もいる。

     でも……夏凜ちゃん以上に24時間体制で

     見守らないといけい状態だった。



東郷(…………)


東郷(神樹様)

東郷(虫がいいのは分かっています)

東郷(でも……祈らせてください)

東郷(私はどうなっても構いません)

東郷(どんな償いだってします)

東郷(命がいるのであれば差し出しますっ!)

東郷(だから……みんなを……友奈ちゃんを)

東郷(救ってあげてくださいっ!)

東郷(お願いしますっ)

東郷(お願い……します……っ……から……)

東郷(どうか……どうか……)

東郷(……ど……うか…………)



―――――――――――


更に一週間後 午前中

東郷が壊した神樹の壁付近


風「……ここ、いつの間にか治ってるわね」

風「どうなっているのか気になって来てみたけど……」

風「大赦がやってくれたのかしら……?」

風「…………」

風「まあ……そうなんでしょうね」

風「あれからアラームも鳴らないし」

風「…………」

風「……帰るか」



―――――――――――


犬吠埼家


     ガチャ… キィ…

風「ただいまー」

風「樹、居るー?」


?「……ぉ…ねぇ………」


風「……え?」

樹「…………」

風「樹……今……」






樹「……お……ねぇ…ちゃん………!」




風「…………」

風「……い……いつ、き……?」

風「今……しゃべ……っ……」

     タッ タッ タッ… ギュッ

樹「おね……ちゃ……」

樹「お姉……ちゃんっ……!」

風「あ……ああ……ああっ!」


風「いっ……ぐっ……樹……樹ぃっ!!」

風「良かった……いつ、き……ひっく……良かったっ……!!」

樹「うん……うん……!」

樹「ゆ……うな…さん……がん……ばった……!」

樹「きっと……おね……ちゃ……の……目も……腕もっ……!」

     ギュッ…

風「……樹っ……良かった……ぐっ……」

風「本当に……ぐっ……く……良がっだ……!」

風「ううっ……あああああっ……あああああっ……」

風「ああああああああああああああああああああああっ……!」



―――――――――――


夏凜の病室


夏凜「…………」

夏凜「……ん?」

夏凜「誰?」


     供物返還


夏凜「え……」

夏凜「義輝?」

     サアアアアアア……

夏凜「…………」

夏凜「!!」

夏凜「……聞こえ……た……?」



―――――――――――


東郷の病室


東郷「…………」

東郷「……?」

東郷「…………」

     ピクッ

東郷「え!?」

東郷「…………」

東郷「……今……足が……動いた!?」

     サアアアアアア……

東郷「精霊が……精霊たちが、消えていく……」

東郷「!!」



―――――――――――


友奈の病室


東郷「はあっはあっはあっ……」

東郷「友奈ちゃんっ……!」


友奈「…………」


東郷「友奈ちゃん……」


友奈「…………」


東郷「友奈ちゃん……友奈ちゃんっ……友奈ちゃん!」



     ピクッ


東郷「!!」

東郷「友…奈……ちゃん……」


友奈「……と……ごぅ……さ……」


東郷「…………」

東郷「……っ」

東郷「友奈……ちゃん……」

東郷「……ぐっ…友奈ちゃんっ………友奈ちゃん……!」

東郷「うっ……くっ……ああああああっ……うああああああああっ……!」



友奈「東郷……さん……」


東郷「……っ……ふぐっ……くっ……」

東郷「うあっ……ああっ……あああああああああっ……!」

東郷「ぁ……ああああああああっ……ひっ……ぐっ……」

東郷「良、かった……ぐっ……本当にっ……良かったぁ……!」

東郷「……うっ……友奈ちゃん……うあっ……あああっ…………!」

東郷「うああああああああああああああああっ……!」


友奈「うん……うん……」


東郷「ひぐっ……ああああああ……ああああああああああっ……!」

東郷「友奈、ちゃん……ごめ、んっ……ごめん、ねっ……!」

東郷「うあっ……ひぐっ……っ………ああっ………!」



友奈「…………」


東郷「あああああああああああああああああああああああっ……!」

東郷「ひっ……ひぐっ……うああっ……あああああああっ……」


友奈「……ねぇ……東郷さん……」


東郷「うぐっ……くっ……はっ……?」

東郷「………ふ……ぐっ………く……」

東郷「………………」

東郷「……うん、何……?」


友奈「…………」












友奈「ただいま」 ニコッ










     おしまい


くぅ~つか。という事で終わりです。
この後、樹の歌ED(合唱でも可)に乗せて
五人のリハビリ風景や序々に治っていく様子
そして待望のぼた餅を食べている友奈や東郷達
演劇の公演風景など
とにかく五人で何かを楽しそうにしている止め絵とか流して
一番最後、何かにふっと気づいた東郷で締め
乃木園子のあの映像を持ってきて、彼女の何か一言で
終わって欲しかったかなーと、個人的に思いました。

勇者の物語?の演劇は、何か必要性があるから
ああなったのかもしれませんけど、余計な描写かなーと思ってしまいました。
一番違和感を感じたのは友奈が『歯ァ食いしばれパンチ』を
東郷さんにかました事ですね。友奈は東郷さんの顔面を殴ったりしないと思うなー。

二期もあったらぜひ見たいですね!
ゆゆゆ、予想外に面白かった!
読んでくれた人、ありがとう!

必要性というか、逆にあの最後の演劇と新聞から逆算されてできた話だろうしなー、あれ
友奈が一時的に植物状態になった必要性は、ぶっちゃけそれっぽくまとめるためだと思うけど

SSに関しては、本編みたいに満開から回復する説明なさすぎるのも微妙だけど
バーテックスの上の神様が、いくつかであれなぜか味方に寝返るって説明されるのも微妙かなー……って
これまで神樹様の描写が一切なかったのもあっていくらなんでも説明として急すぎると思う

>>63
申し訳ないです。一つ言い訳をするならあくまで
『友奈が説明をする』という前提があるので……
>>1でもちょっと言ってますけど、各サイトの※を参考にしてますので
それを>>1が完全にまとめきれていない、という事なのかもしれません。

満開から散華して実を結ぶ、という考察がとてもいいな、と思いましたし
アニメでは勇者部メンバーが『友奈は根性で帰ってきた』という事にしておきたかったのは
どこか神樹を信用していない、というか、嫌悪している印象もあって
感謝はしているけど、どちらかといえば悪く捉えていると感じます。

もちろん彼女達が置かれた状況や立場を考えれば至極当然とも言えますけど
それはあんまりじゃないのかな……と、少し擁護したかったので
こういう感じにしました。

根性で帰ってきたってしたのは単純に製作陣(と東郷さん)が
勇者(友奈たち)の行動がちゃんと結果に結びついたってしたかったんじゃないですかね
(というかそれ以前に、『鷲尾』での須美や園子の「根性」ってセリフを踏まえてるんだろうが)

ゆゆゆは叩きとか見たくないから他人の考察ろくに読んだことないけど
例えば、神樹様は三百年で消耗した神としてのエネルギーを、御霊壊したあとのキラキラから回収ししてた
エネルギー回収が十分できてしばらくの間余裕ができたので、結界の外からバーテックスが入ってこないように、と
勇者たちに喪失分を返却するという二つが可能になった、とか謎を増やさない整合的な解釈他にも多分何個かあるんじゃない?

一応これだと友奈たちが五話で宇宙に出て御霊を壊しちゃったからエネルギー回収が滞ったんだって
予定の十二体で終わらなかったことの説明にもできたりもする

いずれにせよ、謎について言葉で説明をしようとしてるときに、
なんで敵の神様が一部、新しく人間に肩入れするようになるのかって疑問を、後付で新しく増やすのは……


やりたいことは分かるけど…説明が多すぎる気がする
各サイトやブログでの意見や※の考察を参考にって書いてあるからおそらく説明不足とかそういうレスを見てそうしたんだと思うけど… うーん
あと回復後の日常パートは必要だと思う 他の作品ならその終わり方で良いかもしれないけどゆゆゆは日常を丁寧に描いているから日常パートはやっぱり欲しい
正直このSSを読んで自分があまり面白く感じなかったのはなんだかんだ言ってあの最終回に納得していたからかも知れない
あの最終回に納得していない人がこのSSを読んだら違う感想が出ると思うから他の人の感想レスを読んでみたいね

>>65
おお、それは面白い考え方ですね。
確かに封印の目的や、十分なエネルギー確保という点で
説明としても納得できる内容です。目からウロコでした。

>>66
ごもっともです。所詮素人が書いてますしねぇ……
ただ自分としては、やっぱり勇者部のみんなが同時に治るっていう方が
よりゆゆゆらしいかな、と思っていたのと
東郷さんにある程度の反省、というか行いの代償っていうのを
実感させたかったんです。

アニメでは友奈以外は割とあっさり回復してて、友奈個人はともかく
他の勇者部メンバーへの罪悪感が少ないんじゃないかな……
と感じてしまったので。

>>65
宇宙の県は神樹が宇宙規模の巨大結界ってなってるし宇宙の時のまわりの光景が普通だったことから考えるとちゃんと結界内じゃないか?

キラキラから回収は十分あり得ると思うから5話のレオのぶん含めて回収したおかげで2年前の園子と東郷の分も供物返還されたって思ってる
描写不足に関してはせめて東郷の記憶が戻ってる描写が欲しかった

あとは友奈が東郷さん説得するときに忘れないよ!って言ってたけど東郷が実際に忘れてる事に関して何の説得力もなかったのがなー…

>>68
宇宙に出てって意味は、宇宙ってことになると神樹の上層、葉が茂ってるところになるけど
そこで倒しても、根っこや幹に栄養はなかなか届かないのでは、とかそういうような意味に受け取っていただければ
他人様のSSでなるべく短く言おうとした結果明らかに説明不足だったね
まあ、十二体で終わらなかったことを説明するって目的が先行した解釈であるのは確か

東郷友奈の喧嘩に関しては、友達を殴るレベルで私は東郷さんにそうされることを望んでないって意思を突きつけられて
東郷のやり遂げようって意思が、真っ向から思い切り拒否されたから、
元から他に手段がなくて仕方なくだったのがそれで折れたってこと以外のなんでもなさそう

論破する必要は別になくて、相手の暴れざるをえない理屈を、感情で挫いて受け止めて止めたって展開、そこは俺結構好きだわ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月29日 (月) 18:15:39   ID: kNBexjtk

俺は別にあのご都合主義ハッピーエンドで良かったと思うけどね。ただ、最後の友奈ちゃんの立ちくらみがマジでまだ1人で勇者として戦ってる気がしてならんw

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