【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★19【安価】 (1000)

・艦娘×提督の学園もの
・全然艦隊とか関係ありません
・エロ、グロといった描写があるかもしれません
・なんかドロっとしているかもしれません

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前スレ

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ヒロインまとめ(○はエンド艦娘、次回登場は不可、○付いてない子は出せます)


【1周目】

電(幼馴染)         
浜風(娘)          
あきつ(後輩)         
足柄(先輩)          
○青葉(同士)   



【2周目】

大和(管理人)       
○不知火(親友)      
飛鷹(教師)        
五十鈴(転校生)       
北上(同居人)       


【3周目】

雷(クラスメイト)       
球磨(スラッガー)      
間宮(バイト先の店長)   
○那珂(超人気アイドル) 
阿武隈(義妹)        


【4周目】

陽炎(幼馴染)        
川内(学生であり怪盗)  
卯月(妹分)         
榛名(後輩)         
○暁(妹)           


【5周目】


初春(宇宙人)
叢雲(↑のライバル)
長門(ながもん)
響(帰国子女)
山城(元カノ)

BAD。


【6周目】


千代田(義妹)
吹雪(親友)
赤城(大食いチャンピオン)
由良(後輩)
古鷹(フライフェイスとオッドアイの演劇の天才)

BAD。


【7周目】


比叡(記憶喪失・幼馴染)
○漣(家政婦)
明石(近所のお姉さん)
大井(クラスメイト)
レ級(クラスメイト)

【8周目】

○明石(義姉)
鈴谷(同居人)
文月(姉)
熊野(財閥令嬢・崩壊寸前)
白露(クラスメイト・電波)


【9周目】

○潮(従妹)
村雨(幼馴染)
鳳翔(先生)
朧(後輩)
武蔵(応援団長)


【10周目】

深雪(親友)
曙(従妹)
大鯨(母)
翔鶴(弟の彼女)
瑞鶴(弟の彼女)

BAD。


【11周目】

伊58(未亡人)
隼鷹(お嬢な同級生)
○初風(面白い同級生)
蒼龍(担任)
ビスマルク(留学生なお姫さま)


【12周目】

阿賀野(いつもニコニコガチサイコストーカー)
○瑞鳳(いじめられっこ)
龍驤(陰陽師)
睦月(おなちゅー)
翔鶴(従妹で居候な部活の後輩)


【13周目】

舞風(殺し屋)
○羽黒(許嫁)
雷(幼馴染)
霧島(生徒会員)
荒潮(未来からやってきた娘)


【14周目】

飛龍(家庭教師)    
磯風(幼馴染)    
卯月(お隣さん)    
大鳳(新人体育教師)    
○浜風(昼はクラスメイト/夜は…) 


【15周目】

霞(鬼教官)
雪風(幼馴染)
○島風(従姉妹)
弥生(クラスメイト)
加賀(部活の先輩)

【16周目】

摩耶(年上の同級生)
満潮(弟離れ出来ないダダ甘姉さん)
曙(脳天気でだらしない優しい妹)
○鬼怒(脳筋中学生)
山城(やたら尽くす幼馴染)

【17周目】


黒潮(ほんわかさん)
敷波(恩人)
大鯨(提督に片思いしている先輩)
衣笠(相棒)
○吹雪(凡人)


【18周目】


阿武隈(幼馴染)
伊58(幼馴染)
磯波(幼馴染)
摩耶(幼馴染)
○野分(親友)


【19周目】


大和(学園王)
○陽炎(転校生/ぱんつ)
金剛(帰国子女)
天津風(幼馴染)
雲龍(義姉)


【20周目】


秋月(貧乏高校生)
如月(お母さん)
三日月(就職難のアラサーフリーター)
陸奥(姉)
龍田(ショタ食い先生)


いまここ。

なにげに2回登場してどっちも200すら行ってない不憫なゴーヤ
ちょっと埋めネタ候補あらすじ書くから待ってて



A.曙とクソ兄貴、というお話。

「兄貴」
「……いつまでその呼び方してんだよ、曙」
「…へへ、だって、慣れてるし」
「……にしてもよ」
「…じゃあ…て、提督…?」
「…………」
「…提督?」
「………兄貴でいい、やっぱり」
「…あ、照れた?」
「うっせぇニヤニヤすんな殴んぞ」


B.鈴谷と熊野、というお話。

「……それが鈴谷の見た光景だよ、くーまのん」
「……………ぁ……ひっ…」
食堂の中央、奢侈なシャンデリアからぶら下がる二体の人形。
糞尿や体液でいかにも高そうなスーツを汚した土気色のソレは、未だにぶらぶらと揺れていた。
何かよくわからない嫌な匂いが、広い食堂の入り口に立っている俺達にまで漂ってくる。
「…くまのんがさ、邪魔するから悪いんだよねぇ」
「……………ゃぁ…っ…うぇっ…」
「…鈴谷はただ、少年が側に居てくれればいいって思ってたのに」
「……はー、ほんと、どこまでもくまのんのお家は鈴谷に嫌がらせしたいんだねぇ」
「おぇっ……うっ…」
「…あっは、ま、聞いてないかー」
「さー少年、どーする?」
「……貴女は…」
「怒んないでよ、『目的のためなら手段は正当化される』ってね?」
「だいたい、復讐なんてアホらしいことでここまでする気は無かったんさ、鈴谷さんとしても」
「だからこれは―ただの手段だよ、君の為のね」


C.花畑のお姫様、というお話。

咲き乱れる花。
その真ん中で、踊るようにはしゃぐ君。
いつか見た光景よりも、ずっと大きくなったその姿。
「……何それ、ポエム?」
「え、今口に出てた?」
「………うん」
「ごめん聞かなかったことにして」
「咲き乱れる花――」
「やめてください!?」
うふふ、と笑う彼女。
その左手の薬指に輝く指輪は、お姫さまの紋章。


D.陽炎ぱんつ、というお話。

「やめて」
「………いや、俺も…その」
「わかったわ、疲れてるなら相手してあげるから、とりあえず手に持ってるソレ降ろして」
「…………」
「お願いだから鼻の近くに持っていくのやめて!」
「…ちゃんと掃除してない陽炎が悪いんじゃないかな…」
「ほんとにやめてよ恥ずかしいから!」
「…………ごめん」
「謝る前にそれ置いて!」
陽炎の下着。
一週間くらい放置されていたと思われる。
早く洗濯しないと…。
早く洗濯しないと……。
……その前に少しくらい…。


>>+1-5

ぼのちんの新グラ可愛かったからね、仕方ないね
今日はここまでです
ありがとうございました

悪堕ち陵辱もの書きたい…書きたくない?
始めます

やるときは新しくスレ立てるさー


【4月1週】

提督「…司法試験…ですか?」

三日月「……うん」

ずっと落ちっぱなしだけどね、と三日月さんがはにかむ。

あの後、とりあえず家まで運んで。

三日月さんが少し落ち着いて、今に至る。

三日月「……全然ダメですけど」

提督「…い、いえ、凄いですよ!話くらいにしか聞いたことないですけど、難しいんですよね?」

三日月「…うん」

よく周りを見てみれば、そういった参考書が本棚に並んでいる。

なるほど、確かに真実のようだ。

三日月「………今日は、バイトの面接に行っていたんです」

三日月「…そしたら、…法科大学院を卒業してからの間、何やってたのかって言われて…」

三日月「………あはは、バイトすら、不採用でした」

提督「……え、えと…」

三日月「…ご、ごめんなさい!私ったら!…初対面の人にする話じゃないですよね…」

提督「だ、大丈夫です…あ、そうだ!少し、台所借りていいですか?」

三日月「え?…え、ええ…構わないです…けれど…?」

提督「お酒しか飲んでないって言いましたよね?ちょっとお腹に物を入れたら、落ち着くかも」

三日月「…け、けど…」

提督「勿論、迷惑ならやめときます」

三日月「…そういうわけじゃないんです…でも、いいんですか?」

提督「はい!」

三日月「…じゃあ…お願いします」

提督「任せて下さい!」

…こんなもの、いらぬ節介なのであろう。

しかし…だ。

『それじゃあ…僕、これで…』

『あ、あの…!ちょ、ちょっとだけ!寄って行ってくれませんか!?』

なんとしても引き留めたい、という剣幕だった三日月さん。

あんなに他者に飢えている彼女を、なんとなく放っておけなかったのだ。



陸奥    **0/500
如月    **0/500
秋月    **0/500
三日月   **0/500
龍田    **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



秋月「……………♪」

尻尾が付いてれば振っているだろう、みたいな表現を良く聞くが。

今、まさにそんな状況なのではなかろうか。

満開の笑顔の秋月さんの手の中。

渡した弁当が物凄い勢いで消えていく。

しかも絶妙にバランスよく。

偏った食べ方をしないのは偉い。うん。

そんなわけで、プラスチック製の安っぽい箸が弁当の底を擦るのは本当にすぐだった。

秋月「…ごちそうさまでしたぁ……」

提督「お、お粗末さまでした…」

秋月「すごく!美味しかったです!」

提督「…ど、どうも…」

秋月「はぁ…こんなに充実したご飯、久しぶりに食べました…」

昼休みの屋上。

人気のないそこで、秋月さんがうっとりとした様子で言う。

…お弁当渡した位でそこまで感謝されると、なんだか照れる。

秋月「提督くん、料理上手いんですね」

提督「…おか…んんっ、母さんが留守にすることが多かったから」

秋月「へぇ、そうなんですか…」

…ふうむ。

秋月さんって、こんな風に笑う子なんだ。

あんまりだれかと話したりしてるとこ見たことなかったなぁ、そういえば。

秋月「…提督くん?どうしました?」

提督「え?あ、えっと…」


>>+4


A.秋月さんって、そんな風に笑うんだなって。

B.秋月さんって、誰かと一緒にいるとこ殆ど見ないなって。

C.…足りなかった?

A.秋月さんって、そんな風に笑うんだなって。(*1.5)


提督「秋月さんって、そんな風に笑うんだなって」

秋月「…そ、そんなに意外でしたか?」

提督「うん、なんだか、秋月さんって、ちょっと近寄りがたいイメージだったから」

秋月「……そういう風に見えていたのですか…」

ううん、と秋月さんが考えこむ。

孤独主義者―という程でも無いけれど、彼女は必要以上に人に近寄らなかったように見えた。

ややあって、彼女は口を開いた。

秋月「…負い目、というか」

提督「負い目?」

秋月「……はい、私は…その、知っての通り、あまり生活状況が芳しくないので」

秋月「…だから…というわけでも、ないんでしょうけどね」

提督「……秋月さん」

秋月「……心が狭いんです、つまり」

背伸び一つ、秋月さんが立ち上がる。

話はこれで終わり、そう言わんばかりに。

秋月「それでは、お弁当、美味しかったです」

秋月「お礼は、いつか必ず」

提督「ちょ、ちょっと待って――」

去っていく背中に向かって放った僕の言葉は、屋上の扉に弾かれて虚しく消えた。



秋月→  *45/500



【4月2週】


龍田「提督くん?」

提督「あ、はい、何でしょうか」

龍田「うんと、少し手伝って欲しい事があるんだけど、いいかなぁ?」

提督「はい、いいですよ」

龍田「良かった、えっとね、これ運ぶんだけど…」

「せんせー!俺やるっすよ!俺!」

龍田「………君は別にいいわぁ」

「……えぇ!?」

提督「……下心隠せてないんでしょ」

「…ぐぅ…」

龍田「ふふ、じゃあ行きましょうか、提督くん?」



陸奥    **0/500
如月    **0/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

めっちゃ眠い、ごめんなさい
それとしばらく出来ないかも
出来てもいーもばです



如月「ねぇ、ねぇってば、てーいーとーくー」

提督「……お母さん、勉強してるんだけど」

如月「久々にお休み合ったんだから、どこか行きましょ、ねぇ?」

提督「…休んでた方が」

如月「ううん、提督とお出かけする方がいいの~」

提督「おね……姉さんは?」

如月「あの子ならバイトよぉ?」

にこにこ。

ね?ね?行きましょ、ね?と満面の笑み。

確かに母さんが一日家にいるなんて珍しいことではあるけれども。

僕だってもう母親と二人でお出かけという歳でもない。

しかしそんな心中を知るはずもない母は早く早くと僕の返答を待っている。

提督「…どこにいくのさ」

如月「んーとね、ご飯食べたりとか~、服見たりとか~…どうかしら?」

正直、結構行きたくない。

だけど、この期待を裏切って良いものか――


直下


A.ごめん、行きたくない。

B.…いいよ。

C.今度ね、今度…。

B.…いいよ。(*1.5)


提督「…いいよ、ちょっと待ってて」

如月「ほんと!?」

両手を挙げて、大袈裟に喜びを表現してみせる母さん。

子供っぽいとは思うものの、その仕草はなぜだか似合ってるように見えた。

提督「じゃあ着替えるから――」

如月「あ、待って待って、提督」

提督「なに?…っ!?」

ス、と母さんが僕に寄ってきたかと思うと、唇に柔らかい感触。

提督「な、な…」

如月「感謝のちゅー、ね?」

提督「なにやってんのさ!」

如月「も~、怒らないの、スキンシップじゃない」

提督「お母さん!」

如月「ふふっ、最近提督が冷たいのが悪いのよ~」

だから早く準備してね、と悪戯っぽい笑みを浮かべて、母さんが部屋を去っていく。

………。

…はぁ。

……ちょっとドキッとした、なんてことは。

一生胸の中にしまっておくべきだろう。



如月→  *69/500



【4月3週】


秋月「あの、提督くん」

提督「……秋月さん?」

「……あ、秋月さんっ!?」

秋月「えっと、少し、ここを教えて欲しいんですけど…」

提督「あ、そういえば昨日言ってたね、そんなこと…えっとね」

「ま、待てオイ!」ガッシ

提督「うわっ!?な、何すんのさ!?」

「お前これはどーいうことだ!?何でお前秋月さんに勉強教えてるんだ!?」ヒソヒソ

提督「…別に、ちょっと縁があって…」

「縁ンン!?お、おま、俺にも紹介しろよ!俺にも!」ヒソヒソ

提督「……ごめん秋月さん、図書館でも行こうか」

秋月「は、はい…構いませんが…良いんですか、その人、私に用があったんじゃ…」

提督「いいのいいの、行こう」

「ちょっとー!ちょっと待って!」


陸奥    **0/500
如月    *69/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



如月「提督~」

提督「うぐっ」

お風呂から出て、居間のソファーでゆっくりとバラエティ番組を見ていた途中。

母さんが帰ってきた。

…のはいいのだが、何故いきなり後ろから抱き着いてくるんだろうか。

如月「ただいま~♪」

提督「…お母さん、おかえり」

如月「むー、こっち見てよ、つめた~い」

提督「お母さんのせいで首が動かせないんだよ…」

しょうがないわねぇ、と肩に掛かった重みがなくなる。

それに合わせて後ろを向くと、母さんの笑顔が迎えてくれた。

品良く化粧であしらったその顔は、綺麗で。

とても仕事で疲れているようには見えなかった。

如月「提督?」

提督「あ、え…うん、おかえり」

如月「…ふふっ、お母さんに見惚れてたのかな~?」

提督「へ、…い、いや…」

あながち間違っているとも断言できないことを言われて、思わず狼狽える。

母さんはそんな僕を見て殊更楽しそうに肩を揺らす。

……。


>>+2


A.…み、見惚れてました。

B.……お母さん、汗臭いよ。

C.……何でもないったら。

A.…み、見惚れてました。(*1.5)


提督「…み、見惚れてました」

如月「んふふ、素直ねぇ、可愛いわぁ」

…下手に誤魔化すと、もっと色々誂われそうな気がする。

そう思って正直に言ってみたが…これはこれで恥ずかしい。

母親に見惚れてたことを白状するってそれなんて罰ゲームさ。

如月「でもぉ…お母さんに本当に惚れちゃ、ダメよ?」

提督「あ、あるわけないでしょそんなこと!」

如月「ふふっ…そう断言されると寂しいわぁ、ちょっと」

提督「…お母さんが変なこと言うから…」

如月「もう、怒らないの、ごめんなさいね、提督」

言葉と同時に、頭に伸ばして来た手を避ける。

すると、母さんは少し悲しそうな目をしたが、すぐにそれを隠した。

如月「……そうよねぇ」

提督「……?」

如月「…本当に惚れちゃダメ、なのよね」

提督「…お母さん?」

如月「ううん、ふふ、何でもないの」

提督「それなら…いいけどさ」

…やっぱり。

こんな事をしている僕って、マザコンなんだろうか。

…親離れ、重要だよなぁ。




如月→  188/500



【4月4週】



三日月「……こんな歳になったらね」

三日月「…君みたいな子のこと、羨ましいって思っちゃうの」

提督「……は、はぁ…」

あれからちょくちょくやって来ている三日月さんの家。

ご飯を作ったり、話し相手になったりして。

なんで僕はこんな事してるんだろうとも思うけど、やっぱり放っておけなかった、というか。

そして三日月さん、お酒が入ると非常に愚痴っぽい。

提督「で、でも…まだ二十代ですし…」

三日月「甘い、それは甘いの提督くん!」

三日月「まだ大丈夫、まだいける…そう言い続けてここまで来たんだよ…」

三日月「いつかは身長も伸びるし胸も大きくなるし素敵な…ううん、せめてまともな恋人が出来るって思ってたの…」

ぶつぶつぶつぶつぶつ。

…踏み抜いたのは、地雷でした。



陸奥    **0/500
如月    188/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



如月「……はふぅ、美味しい…」

陸奥「珍しいわね母さん、夕飯までに帰ってくるなんて」

如月「…何よ、邪魔かしら?」

陸奥「……そんな事言ってないじゃない、邪推しないでよ」

如月「…そういう風に聞こえたのよ」

……突然ですが。

食卓の空気が最悪です。

姉さんと母さんは、最近少し仲が悪い。

というのも、姉さんは今年度で二回目の浪人。略して二浪。

それが決まった時、母さんはかなり怒っていたのを覚えている。

お金はもう出さないだの、あんまり迷惑かけないでだの。

言い過ぎじゃないかとも思ったが、母さんの心中だって察せないことはない。

最終的にせめてバイトくらいはしろ――と落ち着いたのだが。

姉さんが始めたバイトはどれもサボリ気味で、すぐにやめてしまうのだ。

そんな事が続く内―親子関係が冷えきってしまった。

最近母さん達がやけに僕に構うのも、そのせいなのだろう。

如月「んー…やっぱり提督のご飯、あつあつのが美味しい~」

提督「あ、あはは…ありがと、お母さん」

如月「…陸奥も、家事くらいは手伝ってくれてもいいのに」

陸奥「わ、私だって勉強で忙しいんだから!」

如月「……昔からじゃない、提督に家事を押し付けてたのは」

提督「か、母さん…ちょっと」

陸奥「…も、…元はと言えば母さんが家に居ないのが悪いんでしょ!?」

如月「…母さんは二人の為に働いてるのよ?」

誰のお陰で貴女が生活できてるのかしら、と母さんが平坦な声で続ける。

姉が、それに少したじろいだ。

如月「……だから陸奥、どうせ何もしないんだったら予備校に入るべきだって言ったのよ」

如月「はっきり言うけど、多分このままじゃ何年やっても変わらないわ、貴女」

陸奥「…それは…だって」

如月「提督よりも学年が下になりたいなら、止めはしないけど」

陸奥「……そ、そんな言い方はないじゃない!」

提督「………」

やばい。

最近ちょっと仲直りしてきたかなぁとか思ってたけど、全くそんな事なかった。

ど、どうしよう…。


>>+2

A.姉の肩を持つ。

B.母親の肩を持つ。

C.ふたりとも、落ち着いて。

C.ふたりとも、落ち着いて。(両方*1.0)


提督「二人とも、落ち着いてよ!」

如月「……あ」

陸奥「……提督」

提督「せっかく3人でご飯食べられるんだからさ、喧嘩しないで仲良く食べようよ」

如月「でも…」

提督「…母さん、僕は別に家事をするの嫌じゃないんだし、お姉ちゃんだってたまに手伝ってくれるんだよ?」

提督「だから、…あんな風に言わないであげて」

提督「…それと、お姉ちゃんも」

陸奥「……うん」

提督「母さん、頑張ってるんだから」

陸奥「…わかってるの、でも…」

如月「陸奥」

陸奥「…母さん、その」

如月「…ごめんなさい」

陸奥「え?」

如月「……言い過ぎたわ、私」

如月「…貴女にも、事情はあるのにね」

陸奥「…わ、私こそ……ごめんなさい」

如月「…いいのよ、先に言い出したのは母さんだから」

如月「…勉強、頑張ってね」

陸奥「……うん」

提督「……………」

…これで晴れて仲直り。

なんてわけには、行かないんだろうなぁ。



陸奥→  *49/500
如月→  237/500



【如月―その1】


思えば、あまり恋をしたことなどなかった。

確かにお付き合いなら何度もしたけれど、夢中になるという程のものでもなかった。

恋愛なんかに夢中になったのは、二回だけ。

『…ごめん、如月』

一度目は、私じゃない子の所に行ってしまった、あの人。

二度目は――

「……二度目、は」

あの人に似ても似つかない、そんな人。

きっと、口に出してはいけない人。

口に出したら止まらなくなって、色々な物が壊れてしまう。

知らず、唇を拭った。

そこに何かが残っているような気がして。

「……ごめんなさい」

けれど、指に触れたのは冷たい感触。

それになんだか堪らなくなって、誰に向けてでもなく謝った。

「……本気になったら、ダメだったのになぁ」

いつからだったのだろうか、なんて。

そんなことすら、思い出なかった。



【5月1週】


陸奥「………♪」ギュー

提督「…お姉ちゃん、暑い」

陸奥「もう、我慢してよ?」

あと物凄く柔らかい、何がとは言わないけど。

この感触は身体と頭に毒だ。

陸奥「……あら?…あらあら、無視するのね…」

提督「……」

ひたすら無心で耐える。

これが僕にできることだ。

陸奥「……ふふー」

提督「飽きたらやめてね、お姉ちゃん」

陸奥「…んー……わかったわー…♪」

嫌なことがあると甘えてくる。

ほんとに、わかりやすい姉さんだなぁ。



陸奥    *49/500
如月    237/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

休憩
おっぱい吸うにはまだ早いんじゃないかな



龍田「提督くん、いつもごめんね~?」

提督「いえいえ、構いませんよ」

龍田「うふふ、ありがと」

先生から頼まれた荷物を生物準備室へと運ぶ。

生物教師の彼女は、様々な物を授業で使うらしく、よくこうして頼み事をされていた。

…多少面倒だとは思うが、担任から名指しされては断れない。

友人は僕を羨ましがっているが。正直引き受けてくれるのならその方がいいくらいだ。

龍田「提督くんは、優しいわねぇ」

提督「…別にそんな事は…」

龍田「ふふ、謙遜しないでいいのにぃ」

笑う先生の手が、背中に触れる。

…このナチュラルボディタッチも、何だか少し嫌だ。

でも自意識過剰かもしれないし…という思いで、されるがままになっている。

提督「…じゃ、じゃあ先生、僕はこれで…」

龍田「……提督くん、少しいいかなぁ?」

提督「は、はい?」

龍田「あ、ううん、お願いごととかじゃなくてねぇ、お茶でも飲んでいかない?」

提督「…お、お茶ですか?」

龍田「うん、ふふ、準備室にお茶っ葉、持ち込んじゃったぁ」

と、いたずらに成功した子供のような、無邪気な笑みを見せる先生。

……うーん、確かに時間はあるけど…。


>>+2


A.…味は保証できるんですか?

B.構いませんよ。

C.…いえ…忙しいので…。

C.…いえ…忙しいので…。(*0.5)


提督「…いえ…忙しいので…」

龍田「……そうなの~?」

提督「…はい、お気持ちは嬉しいんですけど」

龍田「………ううん、気にしないで」

提督「すいません」

龍田「またねぇ、提督くん」

提督「はい、また……」

別に、そのくらい付き合っても良かったのかもしれないけど。

…なんだろうなぁ…あの人、少し、苦手だな。

理由は、はっきりしないけど…。

……うーん…。


――――――――

「……あーあ、フラレちゃったぁ」

「…くす、案外ガード固いのねぇ」

「…でも…時間はいっぱいあるしぃ」

「……ゆっくり、ね?」




龍田→  *19/500



【5月2週】


秋月「………こ、これは…何ですか!?」

提督「キャビア、お母さんが同僚の人に貰ったんだってさ」

秋月「…きゃび……とんぶりとは違うのでしょうか?」

提督「…いや、見た目は似てるけどね…」

秋月「………い、頂いても?」

提督「うん、どうぞ!」

秋月「…………ごくり」

秋月「…………あ、あー…」

秋月「……………」ブンブン

秋月「……落ち着きましょう…味がわからなくなってしまいます…」

提督「…………」

提督(…ひたすらキャビア乗せたクラッカーを口に持って行って離して首振るのを繰り返してる)

秋月「……ああっ!?」

提督(……首振った拍子にキャビア落ちた…)



陸奥    *49/500
如月    237/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    *19/500


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龍田「…ふふ、フラスコで淹れたお茶はどう?」

少し味気ないかしら、と笑う龍田さん。

提督「い、いえ…美味しいですよ」

龍田「よかったぁ」

アルコールランプとフラスコで沸かしたお湯を使ったお茶。

どんなもんかと飲んで見れば、別になんてことはない、普通のティーバックの緑茶だった。

そりゃそうだよね。

紙コップを傾ける。うん、普通に美味しい。

龍田「ごめんねぇ、いつも手伝って貰って」

提督「あはは、何度も言ってますけど、構わないですよ」

提督「あ…でも、ちょっと内申を考慮してくれたら…」

龍田「ふふ、しょうがないなぁ」

提督「あはは、出来たらお願いしますね」

今回は、お茶をしようと押し切られてしまった。

前回断ったことを引き合いに出されると、どうも弱い。

それに今は休み時間ではなく放課後で、部活もやっていない僕が暇なのは向こうも知っているだろうし。

ただ…うん、やっぱり…悪い人じゃないよなぁ。

話をしていても、そう思う。

普通の良い先生…にしか見えない。

…なのに何故だろう、それでも、完全に警戒…というか、意識を外すことが出来ない。

あの始業式の日のことを、僕はまだ気にしているのか。

案外小さいことを気にする自分に溜息を吐くと、先生が目の前の空になったコップを取った。

龍田「おかわり、いるかしら?」

提督「…そうですね、お願いします」

僕の言葉に、先生は満足そうに頷いて、自分の分と一緒にアルコールランプの方へと引き寄せる。

少しして、煮立ったフラスコから紙コップへとお湯を注いだ。

そして、コップを僕の方へ――

提督「……ん?」

龍田「どうしたの~?」

あれ、今先生、コップを取り違えなかったか?

多分、こっちに出されたのは先生のコップ…だよなぁ…うーむ…。


>>+4


A.先生、間違いましたよ?

B.…ま、見間違えかもしれないし。

C.あの、今…。

C.あの、今…。(*1.0)


提督「あの、今…」

龍田「……?」

とりあえず指摘しよう、と声を出す。

が、間に合わなかった。

既に龍田さんは、ごくごくと喉を鳴らしてお茶を胃の中へ入れていた。

龍田「……提督くん?」

提督「い、いえ!何でもないです!」

誤魔化すように、目の前のお茶を傾ける。

提督「あちっ」

龍田「あら…もう、気をつけないとダメだよ~?」

提督「は、はい…」

だけど、それは淹れたて。

当然熱くて一気に飲めるようなものでは無かった。

龍田「…ふふっ、出がらしだけど、美味しいね?」

提督「……そうですか?」

僕は普通に最初の時のほうが美味しかったと思うんだけど。

…まあ、薄い方が好きな人なのかもしれないな。

龍田「……こうして見るとやっぱり……あはっ」

提督「へ?」

龍田「…ううん、何でもないよ?」

提督「……は、はぁ…」

…独り言、多いのかな?

……うーん、やっぱりティーバッグの出がらしは…薄い。



龍田→  *30/500




【5月3週】


如月「……ただいま…きゅぅ…」

提督「お母さん?」

如月「……疲れたぁ~…」

提督「…お疲れ様」

如月「…てーとくぅー…」ギュッ

提督「…いつも遅くまで、ありがとね」

如月「……ふふ…それだけで頑張れるわ、ありがと…」

提督「…それじゃあ、夕飯温めて…」

如月「…もうちょっと…」

提督「え?」

如月「もうちょっと、ね?」

提督「…うん」



陸奥    *49/500
如月    237/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



如月「…………」

提督「……お母さん…」

母さんが仕事で失敗をした、と聞いた。

大層大きな失敗だ、とも。

家に帰ってそれだけ僕に伝えた母さんは、何を言うでもなくソファーに横たわっていた。

提督「………」

如月「………」

掛ける言葉もない、とはまさにこの事か。

時計の針が動く音だけが、リビングに響いていた。

如月「……母さん、ね」

どれほどそうしていたか。

急に、母さんが弱々しい声を発した。

如月「…何も、出来なかったの」

提督「………何も?」

如月「…失敗してから…信じられなくて、固まっちゃって」

如月「何も指示できなくて…どんどん、状況は悪くなっていって…」

如月「…すぐに挽回に向けて動いてたら、こんなに大事にはならなかったのに」

如月「……頭、まっしろになって…何も考えられなくて…」

如月「…何のために、ずっと仕事してたのかなぁ…」

如月「……ダメなのよ、私…」

声に、段々と嗚咽が交じる。

…以前、母は自慢できる事を聞かれて…仕事と家族、そう断言していた。

大学を出てからずっとやってきた今の仕事に、母は誇りすら持っていた。

そこに、自分のせいで大失敗―その心境は、測れない。

……僕は…。


>>+4


A.キスする。

B.…だ、大丈夫だよ、お母さんなら。

C.…声掛けられるのは…嫌かもしれないな。

A.キスする。(*1.5)


如月「……え?」

提督「………」

頬の涙を手で拭って、母さんを正面に向かせる。

如月「どうしたの…ふふ、涙、拭ってくれてるの?」

提督「………」

如月「………!」

そして、震える唇に触れた。

少しだけ、塩の味がした。

如月「…て、提督…?」

提督「……お母さん、あのさ」

提督「…昔、言ったよね」

如月「……昔…って」

提督「僕が失敗した時、いつも『母さんがいるから、大丈夫』って」

如月「…うん」

提督「……お母さんも、同じだよ」

提督「僕と、お姉ちゃんがいるから」

提督「…お母さんはダメなんかじゃないって、ちゃんと知ってるからさ」

提督「誰だって、失敗くらいするよ」

提督「…だから、大丈夫」

もう一回、キス。

顔を離すと、母さんは笑っていた。

そして、小さい声で、ありがとう、って。

…うん、これはスキンシップ…もとい、慰めだから。

家族間の、何でもない行為だから…うん、問題ない。



如月→  352/500



【如月―その2】


弱ってるところなんて、少し卑怯。

そのせいで、必死で押さえつけていた気持ちが、全部出てきてしまった。

私は、気付いてしまった。

「……提督」

自分でお腹を痛めて産んだ息子。

その認識に、間違いは無い。

普通なら既に、子離れしなきゃいけない歳。

なのに、気持ちは前に向かっていく。

もっと一緒にいたくなって。

もっと近くにいたくなって。

もっと触れていたくなった。

一度気付いてしまった物は、もう、隠せない。

家族とか、親子とか。

そんな修飾、全部全部、捨てて。

ただ一人の女として、如月として。

貴方の側に、居たいと思った。

「…ごめんね」

その謝罪は、何の意味があったのか。

指で触れた唇は、暖かかった。



【5月4週】


三日月「……はふぅ」

提督「どうでしたか?」

三日月「…び、微妙……かも、毎年だけどね…」

提督「でも、すっごく頑張ってたじゃないですか」

三日月「……皆だよ、皆」

提督「どのくらい出来ました?」

三日月「……考えたくないなぁ」

提督「…弱気ですね」

三日月「…ずっと落ちてた、から」

提督「……あー…」

三日月「あ!き、気遣わせて、ごめんなさい!」

提督「い、いえ…そ、そうだ!ご飯作りますよ!ご飯!」

三日月「お、お願いしますっ」



陸奥    *49/500
如月    352/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

ほげっ…
今日はここまで
すまんな

年またぎ更新
多数決からっす



如月「ただいま~っ♪」

提督「…おかえり、お母さん」

如月「うんうん、待っててくれてありがとうねぇ、提督」

帰ってくるなり、抱き締められた。

香水の匂いがする。

柔らかな、柑橘系の匂い。

提督「…お姉ちゃんは、バイトだよ」

如月「そうなの?」

言葉の上ではあまり興味無さそうにしながらも、母さんはそれを聞いて少しだけ眉を緩めた。

…昨日、また姉さんと大げんかしてたからなぁ。

だから顔を合わせづらいのだろう。

…そして、僕にこうして、甘えてくる。

母さんも姉さんも同じだ。

だけど、なんだか。

提督「…ねぇ、お母さん」

如月「どうしたの?」

提督「……最近、僕にやたらと構うのは、お姉ちゃんと仲が悪くなったから?」

如月「え…?」

そんな理由だったら、嫌だと思った。

母さんと触れ合う時間は、恥ずかしいけれど、苦痛ではない。

むしろ何だか落ち着くとさえ思う。

だから―僕は、母さんが寂しさを紛らわすためだけに僕を求めているのは、嫌だと思った。

如月「……どう、したの?」

提督「あ…………ご、ごめんなさい、いきなり変なこと…」

僕を不思議そうに見つめる母さんを見て、自分が酷く不躾な質問をしてしまったと気付く。

そして慌てて頭を下げたが、母さんは気を悪くしたような顔をせず、優しく微笑んでいた。

如月「…謝らないで、提督」

如月「心配しないでも、貴方を陸奥の代わりに―なんて思ったことはないわ」

如月「…でも、いきなりどうしてそんな事を聞いたの?」

提督「………それは」

母さんの言葉で一つ胸を撫で下ろして、次の質問でまた嫌な物が上がってきた。

…何で、だろう。

何で、僕は――――


>>+1-5


A.…お母さんの、こと。

B.…ううん、なんでもないんだ。

C.……そういう風に見えたから、だよ。

A.…お母さんの、こと。(*1.5 401~499)


提督「…お母さんの、こと」

提督「……好きだから」

如月「え…?」

信じられない、そんな顔で母さんが此方を見る。

言ってしまった。

秘めておくべきソレを、口に出してしまった。

顔を、逸らした。

もう、母さんの顔をまともに見ておけなかった。

気持ち悪い。

自分が、自分が抱いた想いが、気持ち悪い。

僕は。

僕は、母さんを好きになってしまったのだ。

この世で最も近くて、最も遠い彼女を。

愛して、しまったのだ。

提督「…ご、…ごめん…なさいっ」

だから、耐え切れなくなって。

背を向けて、そこから走り去ろうとして。

如月「……提督」

提督「…お母さん…?」

如月「…嬉しい…」

けれど、それは。

後ろから、僕を抱きしめてきた母さんによって遮られ。

発しようとした言葉もまた、彼女の甘い声を聞いて言えなくなって。

ああ――

僕らは、想いを通わせてしまったのだ。



如月→  429/500



【如月―その3】


背徳感。

罪悪感。

色んな物が織り交ざって。

けれどそれは、一つ越えてしまいさえすればただの燃料。

間違っている方向へ進んで行くための火を燃やす、燃料。

抱き締めた背中は、愛しい人。

私に最も近い人。

家族で、恋人で、親子。

一度、口にしてしまった想いは、やはり留まることなどなく。

どんどん、どんどん、燃えていく。

それが消えるのは、きっと。

燃え尽くして、炭になった時だけ。

でも、それでいいと思った。

いや―それがいいと、思った。

だから、貴方を愛そう。

燃え尽きるまで。

幸い、燃料は積み上がる程にある。

「…提督」

愛してしまって、ごめんなさい。

コナン「毛利蘭嫌い 毛利蘭キモい 毛利蘭ブサイク 新蘭キモい 新蘭 理性 毛利蘭ブス 消えろ 毛利蘭[ピーーー] コ哀最高 毛利蘭のファンは犯罪者」

歩美「毛利蘭嫌い 毛利蘭キモい 毛利蘭ブサイク 新蘭キモい 新蘭 理性 毛利蘭ブス 消えろ 毛利蘭[ピーーー] コ哀最高 毛利蘭のファンは犯罪者」

光彦「毛利蘭嫌い 毛利蘭キモい 毛利蘭ブサイク 新蘭キモい 新蘭 理性 毛利蘭ブス 消えろ 毛利蘭[ピーーー] コ哀最高 毛利蘭のファンは犯罪者」

小五郎「毛利蘭嫌い 毛利蘭キモい 毛利蘭ブサイク 新蘭キモい 新蘭 理性 毛利蘭ブス 消えろ 毛利蘭[ピーーー] コ哀最高 毛利蘭のファンは犯罪者」

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【6月1週】


提督「……如月さん」

如月「…うん?」

提督「……慣れない」

如月「ふふっ、初々しくて、可愛いわよ」

提督「……はぁ」

如月「…いいじゃない、私まで若くなったみたいで…ふふっ、嬉しいわ」

提督「……母さ…如月さんは、若いよ、十分」

如月「うふ、ありがとね」



陸奥    *49/500
如月    429/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



陸奥「提督」

提督「お姉ちゃん?」

少し、声が低かった。

姉の声に違和感を感じた原因は、それだろう。

いつもの、僕を誂うような高い声では無かったから。

陸奥「…貴方、母さんと何かあった?」

提督「………お母さんと?」

心の中の、跳ねるような鼓動を隠して。

ううん、と首をふる。

それに姉は、気のない声を出した。

陸奥「ふぅん…」

陸奥「…嘘、ね」

提督「………どうしてさ?」

陸奥「…貴方の癖」

提督「え?」

陸奥「私に嘘を吐くとき、いつも目を伏せてるわよ、提督」

提督「……そ、そんなこと…」

陸奥「……ねぇ、何かあったの?」

ずい、と。

一歩、姉が歩み寄る。

合わせて下がろうと思ったら、背後の壁に阻まれて。

先程よりも大きくなった姉の顔が、僕を見下ろしていた。


>>+4


A.…何も無いって言ってるでしょ。

B.……ごめん、ちょっとね、話すようなことじゃ…。

C.……………。

B.……ごめん、ちょっとね、話すようなことじゃ…。(*1.5)


提督「…ごめん、お姉ちゃん」

提督「…ちょっとね、色々あった」

陸奥「……そう」

提督「でも、話すようなことじゃ…」

陸奥「…ううん」

僕のその答えに、姉は満足したのだろう。

首をニ、三振って、また此方に顔を向けた時には、笑顔だった。

陸奥「ごめんね、無理やり聞き出すようなことして」

提督「…こ、こっちこそ、隠すみたいな…」

陸奥「いいのいいの、提督にだって、言いたくないことくらいあるわよね」

提督「…お姉ちゃん」

いいこいいこ。

そんな言葉を優しく呟きながら、姉が僕の頭を撫でる。

陸奥「………後は…」

提督「…?」

陸奥「…ううん、何でもないの」

姉は、そう言って頭をぽむぽむと叩いた。

その瞳は、笑っていた。



陸奥→  115/500



【6月2週】


秋月「……ご、豪華ですね」

提督「…そ、そうかな?」

秋月「…い、いえ…勿論、嬉しいのですが…」

秋月「いいのでしょうか、と…」

提督「う、うん、食べて食べて」

秋月「…で、では…失礼して…」

秋月「…………」ムシャムシャパクパクモグモグ

提督(…お母さんが、今日大事な仕事だって聞いたから…)

提督(……なんだろうなぁ、多分)



陸奥    116/500
如月    429/500
秋月    *45/500
三日月   **0/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



三日月「いらっしゃいま――――あ」

提督「……あ」

近所のコンビニ。

今日は非常に身体がダルいので、しょうがないから夕飯は少しだけ楽させてもらおう、と。

そんな心積りでやって来た場所。

そこに彼女は居た。

コンビニの制服を着て、呆けた顔で。

三日月「……え、えと…いらっしゃい、ませ」

提督「あ、は、はい!」

入り口で立ち尽くしていた僕を促すように、三日月さんが復唱する。

それに、固まっていた僕も動き出した。

…いや、別に特段驚くほどのことでもない。

ただ単に、知り合いがコンビニで働いていただけだ。

弁当の棚を物色しながら、先ほどの事を考える。

三日月さんも司法試験はこの前終わったらしいし、バイトをする余裕も出来たのだろう。

…はぁ、何で僕はここまで動揺しているんだ、コンビニで知り合い見つけただけだぞ。

三日月「…あ、温めますか?」

提督「はい、お願いします」

そのままレジに持って行き、会計も恙無く終了。

うぃーんと回るレンジを横目に、時間を待つ。

レジの利用者は現れず、三日月さんと僕の間には沈黙が流れていた。


>>+4


A.…話し掛けてみる。

B.…黙っておく。

C.…話し掛けられた。

A.…話し掛けてみる。(*1.5)


提督「…あの、三日月さん」

三日月「………っ、はいっ!」

ぱぁぁっ。

まるでその瞬間をずっと待っていたかのように、三日月さんの顔が綻んだ。

提督「…ここで働いてたんですか?」

三日月「うんっ、あのね、面接受かったんです」

提督「そうですか…えっと、いつからです?」

三日月「先週からで…ちょうど、提督くんに伝えられなくて、教えたいなって思ってたんだけど…」

ちーん。

そんな所で、会話の終了を告げる合図。

三日月さんは少し残念そうな顔をして、レンジの中から弁当を取り出す。

三日月「お買い上げ、ありがとうございましたっ」

けれど、そう言って弁当を入れた袋を渡してきた彼女は、すっかり笑顔になっていた。

…もしかして、仕事中、ちょっと寂しかったんだろうか、なんてことを思った。



三日月→  114/500  



【6月3週】


龍田「…てーいとくくーん?」フーッ

提督「わぁっ!?」

龍田「ふふっ、驚いた?」クスッ

提督「…先生、なにやってるんですか」

龍田「隙だらけだったから…ね、つい」

提督「…ついじゃないです」

龍田「ごめん、ごめん」クスクス

提督(……絶対反省してない…)

「…お、俺も隙だらけですよ!あー!めっちゃ隙あるわ今ー!隙あるわー!」



陸奥    116/500
如月    429/500
秋月    *45/500
三日月   114/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



秋月「……あ、あの…」

提督「…?」

食事中。

秋月さんが、何か言いにくそうに身体を揺らした。

彼女は、半分程残った弁当を持ったまま、此方を見ていた。

提督「どうしたの?…あ、もしかして…今日のは…」

秋月「ち、ちち、違いますっ!美味しいですっ!今日のも、昨日のも、毎日毎日、提督くんのお弁当は美味しいですっ!」

提督「…あ、あはは、ありがと…」

そこまで言われると照れ臭い。

勿論嬉しいけれど、やっぱりどうしても照れが入る。

秋月「…そ、それで…その」

どうにも、本題はここからのようだ。

すぅ、と大きく息を吸い込んで、僕に向き直った。

秋月「……本当に、本当に恐縮ですが、お願いがあります」

提督「…う、うん」

秋月「…わ、私の家に…料理を作りに来て頂けませんか?」

提督「え?」

秋月「……その、私には妹が居るのです、…それで、…提督くんの料理を、皆にも、食べさせたくて」

秋月「も、勿論!食費は持ちます!え、えと…あんまり高いものは…その、ですけど」

秋月「…ですから…どうか、一度だけでもいいですから…」



>>+4


A.うん、良いよ。

B.…うーん…いきなりお邪魔するのは…。

C.……ごめん、それはさすがに…。

A.うん、良いよ。(*1.5)


提督「うん、良いよ」

秋月「…本当ですか!?」

提督「嘘は言わないって、それで…いつ行けばいいかな?」

秋月「え、えっと…今度の―」

それ程までに、自分を求めてくれるというのは―何となく、気分が良かった。

それに、料理を作るのは好きだ。美味しく食べてくれるのは、言うまでもない。

こんなことを言うと怒るかもしれないけど、僕は秋月さんの食べっぷりが好きだし。

妹さん達も同じ様に食べてくれたなら、それは凄く嬉しいと思う。

秋月「…提督くん」

提督「?」

秋月「…こんなことを引き受けてくれて、ありがとうございます」

丁寧に、しっかりと秋月さんが頭を下げる。

よしてよ、と手を振っても、彼女はやめない。

秋月「…お礼は…絶対、しますから」

提督「い、いいってば、大袈裟だよ」

秋月「いえ!…必ず、です!」

…思えば。

この時は彼女の決意を、見誤っていたのだろう。



秋月→  181/500



【6月4週】



提督「……料理…料理…」

陸奥「わ、珍しい、料理雑誌?」

陸奥「あら、もしかしてお姉ちゃんに感謝の気持ち、かな?」

陸奥「もー提督ったらかーわーいーいー♪」

提督「…お姉ちゃん、暑い、邪魔」

陸奥「…………」ガーン

如月(…そもそも、感謝するのは貴女の方じゃないかしら)




陸奥    116/500
如月    429/500
秋月    181/500
三日月   114/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



三日月「………はぁ…」

提督「…げ、元気だして下さいよ、豚丼ですよー…」

三日月「…何が悪いんでしょう…」

三日月さん。

バイトをクビになる。

現在、無職(2×)。

三日月「……精一杯やったと思うんですけど…何でいつもこう…」

提督「い、いったいどういう理由だったんですか…?」

三日月「…学生くんのバイトと一緒にレジしてたんですけど…その子が、レジのお金持ってっちゃって…」

提督「………」

三日月「……監督不行き届きだって、とばっちりで…」

…普通にかわいそうだった。

同情の余地しかない。

というか学生くん何やってるんだよ。

提督「だ、大丈夫ですよ!三日月さん、次の仕事、すぐに見つけて…!」

三日月「…うん、…ありがとう…」

そう言って、彼女は豚丼の肉に箸を突き刺したまま、固まった。

浅い溜息を何度も吐きながら、まばたきだけをしていた。


>>+4


A.…頑張ってください!

B.……大丈夫ですか?

C.僕がいますよ!

C.僕がいますよ!(*1.5)



提督「ぼ――僕がいますよ!」

三日月「…え?」

此方を見て、三日月さんが再度固まる。

…そりゃそうだよね。

言った後に気付く、この何言ってんだ僕感。

会話が成立していないじゃないか。

提督「あ…と、その」

三日月「………くすっ」

とりあえず何か言おうと口をもごもごさせていると、三日月さんの肩が震えた。

それは徐々に、身体全体へと伝わっていく。

三日月「…もう、何言ってるんですか」

先程まで動かすことのなかった箸で、丼を一口掬って口の中へ。

三日月「美味しいです、提督くん」

三日月「…本当に、ありがとうございます」

提督「い、いえ…」

三日月「……いてくれて、よかったです」

そう言って、彼女はいつもの笑みを見せてくれたのであった。



三日月→  123/500



【6月5週】


「…ふっ、ふっ」

提督「…何やってんの?」

「……プールの着替え…は、早くしろって、な?」

提督「…後ろで息荒げるのやめて」

「はぁ…っ、い、いや、いいだろ?ともだち」

提督「片言になってるよ…」

「…ぬ、脱がそうか?」

提督「ちょー!?」


陸奥    116/500
如月    429/500
秋月    181/500
三日月   123/500
龍田    *30/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



龍田「…ふふ、いらっしゃい」

提督「……いらっしゃい、って…荷物運んできただけですよ」

生物準備室。

この部屋まで荷物の運搬を頼まれた。

またか、とは思うが…また、なのだ。

龍田先生は僕を助手か何かだと勘違いしてはいまいか。

龍田「お茶、飲んでいくかしら~?」

提督「…いえ、…少し、急いでいるので…」

龍田「あらあら、ざんね~ん…」

フラスコとアルコールランプを取り出しかけた先生が肩を落とす。

…そういう気分では無いのだ、なんとなく。

提督「…あの、先生」

龍田「なぁに?」

僕の呼びかけに、先生が首を傾げる。

その先生に向かって、僕は――



>>+4


A.…もう、あんまりこういうことは頼まないで頂けると。

B.…何でもありません。

C.……僕以外に声を掛けて下さい。

C.……僕以外に声を掛けて下さい。(*1.0)


提督「…僕以外に声を掛けて下さい」

龍田「あらぁ?」

その言葉に、龍田先生が目を細めた。

細めた目に射抜かれて、僕は固まる。

提督「……い、いえ…あの、僕ばかり、のような気がして…」

龍田「…うふふっ、そう、そうねぇ、…確かに、ごめんなさいね、提督くん?」

提督「……は、はぁ…それで、できれば…」

龍田「嫌だよぉ?」

提督「え?」

龍田「ふふ、君以外に頼む気は無いかなぁ、って言ってるんだよ?」

提督「…あ、あの――」

龍田「それじゃあ…また、お願いね?」

会話は。

そこで、無理矢理閉じられて。

彼女の真意を窺い知る事は、出来なかったのだった。



龍田→  *71/500

5週ってなんじゃ


【7月2週】


三日月「…うーん…スーパーか…選り好みは…」

提督「バイト、見つかるといいですね」

三日月「……うん、司法試験の結果が出るまでは…働いておきたいしね」

提督「応援してます、三日月さん」

三日月「ありがとう、頑張るよっ!」

――――――

電話<スイマセンウチデハチョット…

三日月「あうっ!?」

提督「だ、大丈夫ですって!」




陸奥    116/500
如月    429/500
秋月    181/500
三日月   123/500
龍田    *71/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

ここまで
ありがとうございました


提督「…如月さん」

如月「……あら?」

抱き締められた、腕の中。

どうしたの、と目を細めて母さんが僕を見る。

提督「お父さんって、どういう人だったの?」

如月「……お父さん、かぁ」

その質問に対して、彼女はどのような感情を抱いたのか。

笑ったような、困ったような、そんなどこか曖昧な表情を湛えて、遠くへと視線を移した。

如月「……貴方とは、全然違う人、だったわねぇ」

提督「……そっか……他には?」

如月「…うん?」

提督「…お父さんの他にも、付き合っていた人はいたの?」

如月「……ふふ、そうねぇ」

それを肯定も否定もせず、母さんはやはり曖昧な表情を浮かべるだけ。

だけどきっとその行動は、何よりの肯定。

わかっていたことだ。

彼女は自分よりずっと年上で、様々な経験をしてきて―誰かの物になった事がある。

自分とは全く違う、誰かの物に。

知っていて、わかりきっていたこと。

なのに、自分の幼稚な独占欲にまみれた心は、針に刺されたようにちくちくと痛んでいた。

致命傷ではない、だけどいつまでも残る痛み。

やりようのない感情を、母の背に回した手に込める。

痛いわ、と母さんが声を出した。

如月「…もう、嫉妬したのかしら?」

提督「…………」

如月「……ふふっ、可愛いんだから」

よしよし。

ゆっくりと、母が僕の頭を撫でる。

僕は――――


>>+4


A.…物足りないよ、如月さん。

B.…どうしようもなく、されるがままにしていた。

C.…母を振り払った。

ぱっと見でわからんような選択肢にするわ、なるべくね
C.…母を振り払った。(*0.5)


如月「……あら…」

腕を払う。

幼稚な心を、隠すこともなく。

嫉妬と、羨望と、あとはよくわからない心の中。

その全てを、ぶつけるように。

自分はやはり、子供なのだろう。

思い通りになって欲しくて、好きな人は自分だけのモノでいて欲しくて。

そうでなかったら、折り合いすらうまくつけられない。

如月「……提督」

俯いた僕を、如月さんはじっと見て。

しばらく、何事かを考えていた。

如月「…ごめんね」

ややあって、出てきたのはそんな言葉。

僕は、何も答えられずに。

ただ、そこに立ち尽くすことしか出来なかった。




如月→  438/500



【7月3週】


「……あぢー…」

提督「…君はいつもそれだね」

「…それ以外に言うこともねーだろーが」

提督「何か考えなよ」

「…龍田先生の裸体とかか?」

提督「…………もういい」

「ちょ、待てって!悪かったから怒るなよ!」



陸奥    116/500
如月    438/500
秋月    181/500
三日月   123/500
龍田    *71/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ




提督「……おかえり、如月さん」

如月「…ただいま、提督」

交わしたのは、言葉。

それと、温度の無い視線。

何故だろうか。

あの後から、僕らは少しだけ、距離が開いた。

折り合いをつけられない幼稚な心は、素直に謝れば良いという理性が弾きだした最適解を拒む。

あるはずのない納得を、ずっと求めていた。

母さんは、そんな僕の心中を察したのか。

それとも、単にこの関係に思うことが出来たのか。

前よりもどこか、冷たくなって。

提督「ご飯、出来てる」

如月「うん…いつもあり…、ごめんね」

提督「…気に、しないで」

結局、いくら考えたって答えなんて無い。

母さんの過去は、戻ってくることはない。

納得はしないまでも、妥協できる着地点を見つけるしかないのだ。

こんな嫉妬を抱える事に、きっと意味など無いのだから。

…だから――


>>+4


A.いっそ、全て如月さんにぶつけてしまえばいい。

B.この嫉妬は、自分の心の中に飲み込もう。

C.きっと、どこまでも子供なのだ。

ごめんね、末尾Oさんは一回なんかレスしてください、じゃなきゃ安価下にしやす
もうどの子のぱんつ嗅ぎたいかとかでいいです
あんま口出したく無かったんだけどね、ごめんね

暁ちゃんのお子様パンツモグモグ

なんだこれは変態だらけじゃないか(驚愕)

C.きっと、どこまでも子供なのだ。(*1.5 500)


きっと、どこまでも子供なのだ。

気持ちに折り合いはつけられない。

嫉妬を抑えることも出来ない。

そんな子供染みた気持ちを抱えて、捨てられなくて。

結ばれた喜びよりも、思い通りにならない悔しさが先に出て。

母さんの事だって、考えられなくて。

なんで、僕の質問にあんな目をしていたのか。

なんで、謝ったのか。

全部、何も、知ろうともせずに。

ただ、この気持ちを発散することだけを考えていた。

提督「……そっか」

如月「…提督?」

提督「…如月さん…ううん、お母さん」

如月「……?」

母さんに背中から抱き着いて、その身体に手を回す。

振り向いた母さんの顔には、疑問符がありありと浮かんでいた。

提督「…やっぱ、僕にはこっちの方が似合ってるよ」

提督「……ごめんね、気持ち、整理出来そうにない」

提督「…だから、甘えさせて」

如月「……………くすっ」

僕の言葉に、しばらく母さんは考えて。

良いわよ、とだけ言って、笑ったのだった。


如月→  500/500

文句言ってるやつは同一人物かな



【7月4週】


三日月「…バイト採用、されてさ」

提督「…は、はい?」

三日月「……それで、凄く嬉しいなぁ、って思っちゃって」

提督「え、ええ…良かったじゃないですか」

三日月「…ううん、…そんな事を思う自分の目標が低すぎてさ、嫌になったの」

提督「…………」

三日月「…………」

提督「…え、えと…」

三日月「…ごめんなさい、嫌な事言ったね、私」

提督「…い、いえ…」

三日月「…ダメだなぁ」



陸奥    116/500
如月    500/500
秋月    181/500
三日月   123/500
龍田    *71/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

ぽい

末尾0なら単発でも構いません あとキャラ安価に関しては単発でも構いません

一人目>>+4

春雨(後輩)

蒼龍(水泳部)

二人目>>+4

春雨(後輩)

山雲(料理部)

三人目>>+4

春雨(後輩)

白雪(幼馴染)

四人目>>+4

春雨(後輩)

ビスマルク(ずっとも)

ラスト直下

春雨(後輩)

ビスマルクダブってるからズレて春雨だよね
良かった取れたー

蒼龍(水泳部)
山雲(料理部)
白雪(幼馴染)
ビスマルク(ずっとも)
春雨(後輩)


ありがとうございました
ここまでです
すいませんでした

今回は露骨過ぎたからね
雑談スレで機内モード知ったばかりの馬鹿がドヤ顔でやってるのが目に浮かぶわ



【プロローグ】



どこまでも蒼い水面が跳ねる。

屋内プールに差し込んだ、春の日差しを受けながら。

そのキラキラと反射する水を浴びる水着の少女たちは、まるで一粒一粒が宝石のよう。

「…輝いてんなぁ」

「詩的な覗き魔ねぇ」

呆れとも、笑いとも付かぬ声。

屋内プールの二階、目立たぬ場所で水を見ていた俺の隣にいつのまにか立っていた影が言う。

視線を向ければ、学校指定の蒼い水着を着た少女。

「おっと、一番の宝石じゃないか」

「はぁ、ちょっとはこう…驚くとかしたらどうよ?」

「なに、慣れた」

もう一度プールへと視線を戻せば、少女は今度こそ呆れた様子で溜息を吐いた。

「おーい、一番の宝石ほっぽってなーに見てんのよ」

「あまり高級品ばかり見ているとな、それはそれで良くない」

「おろ、高級品なのは否定しないの」

「ああ、…こう言っておけば怒らないからな、蒼龍は」

「…ちーくしょう、それ聞くまで結構いい気分だった自分を殴りたいなぁ」

「……冗談だよ、頼むからもうプールに投げ込むのはやめてくれ」

入学したてくらいに覗いてる場面を見つかって、思い切りプールに叩き落とされた光景が蘇る。

お陰で風邪を引いたのだ、あの時の事は忘れない。



「………川の方がお好き?」

「…まだ寒いんだが」

「あはは、死にゃしないわよ、大丈夫」

笑って、彼女が俺の隣、二階の手摺にもたれかかった。

触れるような距離。

…いや、ちょっと触れてるじゃんこれ。制服濡れてんだけど。

「んでんで、覗き魔様はどの宝石を頂きたいのよ?」

「ふむ…」

アフリカでも生きていけるであろう自慢の視力。

それを限界まで引き出して、プールを見た。

跳ねる水面、その中で輝く宝石達を吟味するために。

「………ピンク」

「…ぴんく?」

「あのピンクの子」

「ほーう…」

視線の先を追って、蒼龍が品定めでもするかのように目を細めた。

「あの子、初めて見たぞ?」

「新入生よ、新入生」

「…へぇ、新入生ねぇ」

「………粉掛けないでよ?」

「……掛けると思ったか?」

「……ううん、思わない」

「…ならいいだろ、ただの目の保養だ」

「……かもしんないけどさ」

「で―名前は?」

「………なんで教えると思ったのよ」

「…だめなのか」

「むしろ成功すると思った理由が聞きたいわ」

ふぅ、ともう一度息を吐いて、蒼龍がくるりと背を向けた。

どうにも会話は此処で終わりのようだ。



「適当に切り上げてね、見つかっても庇わないからそのつもりで」

「へーいよ、…あ、蒼龍」

「なによ?」

「…まだ、怒ってるか?」

階段へと差し掛かろうとしていた身体が止まった。

まだ残っていた水分が、水着伝いに床にぽた、と垂れた。

「…………どうだろね、そんなに子供じゃないつもりだけど」

「……そう見えるなら、そうなのかもね」

先程よりも一段低い声。

その表情は、窺い知れない。

「………悪かったよ」

「…あんたのせいじゃないじゃん、あの…イタリア人だっけ?」

「ドイツ人だよ」

「……なんでもいいけどさ、強いて責任を求めるなら、あの人でしょ?」

「……ビスマルクは…」

「…だから、なんでもいいのよ」

「…………そうか」

「…怒ってないとは、言えないかもね」

絞り出したような声でそう言うと、彼女は再び足を動かし始めた。

その姿が階段の下に消えて、俺はやっと息をついた。

「……一番つーのは、本当だよ」

水の跳ねる大きな音と、少女たちの声が響いていて。

それを心の中で言ったのか、それとも実際に口に出したのかは定かでなかった。

けれど、紛れも無い本心だったことだけは確かだった。

水に反射した光が壁にあたって、ゆらゆらと揺れる。

なんとなく、ぼぉっとそれを眺めていた。



「………ざっくざっく」

「……うーん…土はいいですよねぇー…癒やされますよねぇー…」

「…そうか?」

「わからないんですかぁー…?ざっくざっくー…」

間延びした声、遅れて土を掘る小さなシャベルの音。

そして、うーん、と唸り声一つ。

「提督くんはぁー…風情が足りませんねぇー」

「…そうかい」

良い言い方をするのならのほほんとした、悪い言い方をするならトロい喋り方の少女、山雲。

彼女は料理部菜園と書かれた小さな看板が挿してある花壇の隅で、楽しそうに土を弄っていた。

そんな中で、背後から不意に掛けた俺の声にもやはりのらりくらりと答えた彼女が、振り向いて俺を見た。

「でもー…わざわざ此処に来るなんて、何かあったんですよねー?」

「…鋭いなぁ、山雲は」

「てっきり土を弄って癒されにきたと思ってましたがー」

…土を弄って癒される人間などいるのか。

そいつには是非第一次産業に従事して日本を支えて貰いたいものだ。

まあ、癒やしを求めた、それ自体は間違っていない。

嫌なことがあると、つい此処に来てしまうから。

正確には…此処に、というより、山雲のところに、だが。



「…いや、何だろうな、お前が居ると思ったから」

「あらー…告白ですねー、照れますねー…」

「……あのな」

「冗談ですよぅ、いつもいつも相談相手にされちゃうものですからねー、少し悪戯くらいしたくもなるじゃないですかー」

「…相談つっても…ただ、横に居るだけだし、いいだろ」

「…せめて土掘るのくらい手伝ってくれればいいんですけどねー…、もー」

「ダンゴムシとかいるし…」

「……はぁー…相変わらず使えないですねぇー…」

「………山雲」

「…なんですかー」

「…俺が悪いのかなぁ」

「さぁ……」

山雲にはわかりませんねー、と。

来た時と同じ様に背を向けて、土を弄りながら、彼女は言った。

「……ただ――あの人は、悪いなんて欠片も思ってないでしょうねー」

「…それは、山雲にもわかりますねー」

「………」

「おっと、変に庇うのはやめてくださいねー」

山雲は、あの人の事が嫌いなんですから。

小さくそう付け加えて、それっきり、土を掘る音だけが響くようになった。

とりあえずここまで、良さそうなら続きを書く、前回割と心に来たから
エピローグは待って

>>800から



「提督くん」

「……白雪?」

菜園のある中庭を抜けて、正門に向かう途中。

俺を呼び止めたのは、幼馴染の白雪。

彼女は、とても上機嫌と言えるような表情をしていなかった。

「ビスマルクさんが探してましたよ」

「…そっか」

だから、俺は彼女を真っ直ぐに見ることは出来なかった。

それなのに身体はしっかりと彼女の視線に射抜かれていて。

まるで頭から地面に向けて串でも通されたかのように、身動ぎすら出来ずに立っていた。

「……何処に行ってたんですか?」

「…………」

その声は、詰問するかのような物。

答えは期待していない、知っている―とでも言いたげな物だった。

「…蒼龍さんの所ですか、山雲さんの所ですか」

「………白雪」

声の調子は変わらない。

鋭くて、細い声。

視線は、やはり伏せることしかできなかった。



「それとも、両方ですか」

―そうですよね、と確認でもするように、白雪が視線に力を込めた。

俺はなんとか顔を上げようとして、けれど出来なかった。

ただ、早く終わってくれと、そんな事を思っていた。

「……………」

「……私には、提督くんがしたいことがわかりません」

俺にだってわからない。

そう言いたくなった気持ちを飲み込んで、拳に力を込めた。

白雪は俺が握りしめた拳を見て、明らかに呆れと取れる息を吐いた。

「………提督くんは、蒼龍さんの気持ちも、山雲さんの気持ちも……私の気持ちも」

一度、そこで言葉を切って。

俺に言葉を促すように、大きな間を開けた。

それでも黙っていると、耐え切れなくなったという様子で彼女は続けた。

「…中途半端な、言い訳までして」

「…………それは、違う」

視線は、どんどん下がっていって。

遂に視界に地面が見えた、そんな時。

「――テートク!シラユキ!」

横から不意に声がして。

そちらを向けば、笑顔の金髪の少女が立っていた。



「…ビスマルクさん」

先に反応したのは、白雪。

一瞬だけ苦い顔をして、それをすぐに温和な笑みへと変えた。

垣間の表情は誰に向けたものであったのか―いらないこととわかっていても、そんな事を考えてしまう。

「提督くん、見つけましたよ」

「Danke!悪いわね、引き止めててくれたのかしら?」

「Bitte、お気になさらず」

慇懃とも取れる態度で、白雪が受け応えた。

それは凡そ、友達に対するものとはかけ離れていた。

「…それでは、これで私は失礼しますね」

「どうして?シラユキも一緒に帰りましょうよ?」

「……いえ、寄る場所があるので」

「そう?それなら仕方ないわね、またね、シラユキ!」

小さく手を挙げて、そそくさと去っていく白雪。

ビスマルクは彼女が見えなくなってから、浅い息を吐いた。

「…嫌われてるのかしら」

「……だとしたら、俺の方だろ」

「そんな事ないわよ、テイトク」

鼻の頭に、軽い感触。

それがビスマルクの人差し指だとわかるまでに、少し時間が掛かった。



「…シラユキは、きっと貴方の事が好きよ?」

「……そうかな」

―わかってるくせに。

ビスマルクが、愉快そうに微笑んだ。

笑っているのに、眼は、俺の内側まで見透かしているかのように鋭かった。

「……ビスマルク」

「…何かしら、テイトク」

「――Mein ewige Freund」

その笑みは、初めて出会った時。

俺の心から全てを奪っていった、危ういまでに魅力的な笑顔だった。

無邪気であどけない笑顔のようでいて。

その実、一度魅せられてしまえばそのままどこまでも堕ちて行ってしまうような、蠱惑的で妖艶な笑顔。

「……いや…何でも、ない」

辛うじて出せたのは、そんな声。

彼女はきっと、俺の心を見抜いていて。

その上で、言っているのだろう。

「そう…?じゃあ、一緒に帰りましょう?」

「………ああ」

――私の、永遠の友達。

それはまるで、俺にとっては呪詛。

心に張り付いて離れない言葉が、どんどんと俺を蝕んでいくのだ。



「………ちくしょう」

屋上に転がって空を見れば、晴れ。

うっとおしいくらいにまとわり付く、蒼。

心地よい筈の春の日差しも煩わしい。

意味も無いと知っているのに、腕で目を覆った。

遠くで、チャイムの音が聞こえた。

4限は終わったようだ。

保健室に行くと出てきたのに屋上に逃げるようにしてやって来た事。それを今更になって後悔していた。

「……寝るか」

だらんと身体の横に転がした腕を持ってきて、視界の全てを覆った。

見える蒼を遮れば、少し気分が良くなったような気がした。

暖かい陽気に意識を手放してしまえば、もっと気分も良くなるだろう。

そう思って目を閉じた時、上から声がした。

「…あの……大丈夫、ですか?」

「………?」

覆った視界を、晴らす。

蒼を遮った影が、風に靡いた。

それはまるで、舞う桜の花びらのような――

「……ピンク?」

「………ぴ、ピンク?」

その言葉に、影は怪訝な表情を浮かべた。

不思議そうに、転がる俺を覗いていた。



「…あ、…いや、髪の色がさ…」

「…わぁ」

それを聞いて、彼女は自らの頭を抑えた。

そして風に揺れる髪の毛を一房掴んで、なるほど、とでも言わんばかりに笑う。

「…確かに…そうですね、言われてみれば」

くすっ、と。

春らしい、そんな暖かな微笑だった。

胸のリボンの色は赤。新入生だ。

それを見て、ふと思い出す。

見たことがある、彼女を俺は知っている。

…そうだ、昨日、プールで――そう、話題を逸そうとした時に。

「………あのさ」

「はい?」

「……えと、何で話しかけてきたのかなって」

「ああ…それは、だって、気になったんです」

「気になった?」

「はいっ」

相変わらずの暖かな微笑を湛えて、続ける。

「私、お昼をここで食べるために、凄く急いで来たのに、先客がいたので」

「……それだけ?」

「…は、はい…」

そうですけど、と。

此方を窺うように言った。



「…そっか」

「あの…何か、もしかして事情が…」

「いいや、ただのサボり」

「サボりですか!?それはいけないですよ!」

「あー、いや」

「大丈夫ですよ!見たところ先輩は真面目そうです!元に戻れます!」

「…その、実はね、体調が悪くて」

「えっ!?だ、大丈夫ですか!?保健室に…」

大丈夫、と示す為に体の前で手を振る。

なんだかこの子、からかってみると面白いかもしれない。

「…名前、何て言うの?」

「……えっ?」

「…ああ、俺は、提督って言うんだ、よろしく」

「あ、え―は、春雨と言います!1年1組です!」

桜は、ちらつく蒼を塗り潰すのに丁度良かったのかもしれない。

彼女と話を交わしながら、そんな事を考えた。

蒼龍、山雲、白雪、ビスマルク、そして―春雨。

恋人ごっこと、本物の恋。

失恋と、永遠の友達。

奪われた心は、未だに掌の上だった。




【プロローグ 終】

ここまでです




【エピローグ】


触れてはいけない果実は、あまりにも魅力的だった。

僕は蛇に唆されるでもなく、その実に触れた。

それは確かに、見えた通り素晴らしい物だった。

そして、一度触れてしまえば、二度と再び元には戻れなかった。

「……母さん」

「……うん」

意味のない呼びかけ。

意味のない返事。

背中に当たる肌。

隔てる物のない感触。

それが触れる度、擦れる度、僕を堕としていく。

後悔、自責、背徳――

様々な念が混ざって、その中には確かな喜もあった。

―どころか、その感情が一番大きかった。

とどのつまり、自分の中の反省や後悔なんて全て偽りなのだ。

愛する人と繋がれたという嬉しさが、最も強く根を張っていて。

他の感情など、所詮全てそこから伸びた物に過ぎないのだ。

「……ごめんね、提督」

母が、また謝った。

謝って、背中から胸へと回した腕に力を込めた。

「謝らないで」

「…ごめんね…」

「…………」

こんな状況になってさえ謝る母がおかしいのか。

それとも、喜んでいる僕がおかしいのか。

判断してくれる人間など、誰もいなかった。

ああ、果実を食べるように唆した蛇は、僕だったのかもしれない。

だけど、それでも構わなかった。

認められることなどない。

迎え入れられることなどない。

その果実を、その恋を、貪り続けよう。

楽園を追われる、その時まで。

色々考えてたけど結局1レスで終わる体たらく、やっぱ間を空けるとアカンね
明日から頑張って間隔戻すんで許してくだち



【4月1週】


提督「…よ、ビスマルク」

ビスマルク「あら、おはよう、テイトク」

ビスマルク「…と、ヤマグモ…だったかしら?」

山雲「…ええ、おはようございますー、ビスマルクさん」

ビスマルク「よく一緒に居るのを見るけれど…ふふっ、貴方達、仲が良いのね」

ビスマルク「もしかして、付き合ってたりするの?」

提督「な、び、ビスマルク――」

山雲「……生憎ですが、そういう事はありませんねー…」

ビスマルク「あら?そうなの?」

山雲「…山雲は、これで失礼しますねー…」タッ

提督「………お、おい…」

ビスマルク「…ふふっ、可愛いわね、あの子」

提督「…………」

ビスマルク「……怒らないの?」

提督「…別に」

ビスマルク「…それとも、怒れないのかしら?」

提督「………」

ビスマルク「ふふ、貴方も可愛いわよ、テイトク」



蒼龍       **0/500
山雲       **0/500
白雪       **0/500
ビスマルク   **0/500
春雨       **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



白雪「……提督くん」

提督「…白雪…おはよう」

白雪「……おはようございます」

家を出るタイミングで、丁度白雪と鉢合わせてしまった。

なるべく会わないようにと心掛けていたつもりだったが、会ってしまったものは仕方ない。

それに、ここでじゃあ、と去るのも不自然だ。

無言で白雪の横に並ぶ。

白雪はそんな俺を横目で見て、ただ少しだけ間隔を広げた。

提督「……あ、あのさ」

白雪「…何でしょうか」

提督「…い、いや…今日は早いんだなー…って」

白雪「…そうでしょうか、いつも通りだと思いますけど」

声は、平坦だ。

起伏のない、ただの返事。

その声からは、聞かれたこと以外は答える気は無い、そんな意志がひしひしと伝わってくるようだ。

だから、黙るのは俺が先だった。

提督「…………」

白雪「…………」

音のない通学路。

並んでいるのに、二人の距離は遠い。

見た目よりも、ずっと。

そのまま、しばらく歩いて。

うっすらと学校の影が見えてきた辺りで、その沈黙を意外にも白雪が破った。

白雪「………提督くんは」

提督「……な、何だ?」

白雪「………私に、会いたくありませんでしたか?」

提督「…へ?あ、い、いや…」

白雪「…素直に答えてくれて構いません」

―毎度、いらないお節介を焼いてるのは、知ってますから。

彼女はそう言って、初めて顔を俺の方へと向けた。

俺は――


>>+2

A.……ああ、会いたくなかった。

B.……そんなことあるわけないだろ。

C.……何でもいいだろ。

A.……ああ、会いたくなかった。(*1.5)


提督「……ああ、会いたくなかった」

白雪「…そう―ですか」

会いたくない。

その否定の言葉に、何故か白雪は満足気に頷いた。

白雪「…まだ、そのくらいには言葉は届くんですね」

提督「……へ?」

白雪「……いいえ、何でも」

首をニ三度振って、白雪が改めて向き直った。

そして、今度は先程のような事務的な声音ではなく、少し鋭い口調で言った。

白雪「…ビスマルクさんからは、離れた方がいいですよ」

白雪「……彼女は―彼女は、きっと貴方を変えてしまいます、悪い方向に」

提督「……」

白雪「…では、それだけです」

白雪「……先に行ってますね、提督くん」

そのまま早足で去っていく白雪。

なぜ彼女があの言葉で満足したのかも、、そしてその次の言葉の意味もわからなかったけれど。

最後の忠告には、しっかりと答えることが出来た。

提督「………わかってるさ」

提督「…わかってても、離れられないんだよ」

魔性、という物がこの世に存在するのなら。

きっと、その言葉はあの金髪の彼女にこそ相応しい。

提督「…ごめん」

誰にも伝わらない言葉。

きっとそれに、意味はない。



白雪→  108/500



【4月2週】


提督「……桜」

春雨「?」

提督「…綺麗だな、ってさ」

春雨「ふふっ、はい、そうですね」

提督「…ここ…良い場所だよね、弁当食べるのに」

春雨「ですね、ふふん、実は私、学校案内の時からずっとこの屋上に目をつけてたんです!」

提督「へぇ…そうなの?」

春雨「はい、だって…えっと、少しこっちに来てくれますか?」

提督「うん?」

春雨「ほら、ここからだと、こんなに綺麗に通学路の桜並木が見えるんですよ!」

提督「……凄いね」

春雨「でしょう!?」

提督「…春雨ちゃん」

春雨「はいっ?」

提督「…ううん、何でもない、弁当、食べようか」

春雨「はいっ!」



蒼龍       **0/500
山雲       **0/500
白雪       108/500
ビスマルク   **0/500
春雨       **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ



ビスマルク「あら、テイトク」

「………」

春雨ちゃんでも居るかも、と。

何の気なしにやって来た屋上。

そこに彼女の姿はなく。

代わりに彫像のような金髪と、イケメンの先輩が居た。

彼女は俺の姿を認めると同時に唇を歪め。

男の方は、俺が視界に入った瞬間に恨みがましい眼で睨みつけてきた。

「…じゃあ、ビスマルクさん、考えといてね」

ビスマルク「……ええ、存分に考えさせて貰うわ」

それだけ言って、男は入り口に突っ立っていた俺を押しのけるようにして屋上を出て行った。

提督「………今のは?」

ビスマルク「気になる?」

提督「………まあ」

ビスマルク「ふふ、素直じゃないわね」

楽しげな微笑。

彼女は、やはり俺の心の底など見抜いている。

一体あいつとビスマルクは何の話をしていたのか、どんな関係なのか――

それが気になって仕方がないということを。

ビスマルク「告白されたの」

提督「……え」

ビスマルク「意外だったかしら?」

提督「…あ、いや…そっか」

言葉が告げなかった。

もっと上手い返し方なんて幾らでもあるだろうに、俺はただ狼狽えることだけしかできなかった。

ビスマルク「そう、それならいいのだけれどね、…そうだ、テイトク」

提督「…どうした?」

ビスマルク「今、迷っているのよ、私…さっきの告白の返事を」

提督「……っ」

動揺は、隠せない。

彼女はそれを見取って、しかし気付かないフリをして続けた。

ビスマルク「それで…トモダチのテイトクに、助言を貰いたいのよ」

ビスマルク「…ねぇ、どうすればいいと思うかしら?」

媚びるような、甘い声音。

俺は――


>>+4

A.……好きにしたらいい。

B.…受けないで欲しい。

C.……俺には関係無いよ。

B.…受けないで欲しい。(*1.5)


提督「…受けないで欲しい」

ビスマルク「………何で?」

提督「………それは…」

ビスマルク「…ふふ、少し、意地の悪い質問だったわね」

言葉を告げようとして俯いてしまった俺を見て、ビスマルクが笑う。

ぽん、と手が肩に触れた。

ビスマルク「大丈夫よ、最初から受けるつもりなんてなかったわ」

ビスマルク「ただ…そうね、ちょっとだけ、からかいたくなったの」

提督「……そうか」

無意識に、安堵の溜息を吐いた。

慌てて口元を覆ってみるが、彼女は見たわよ、とでも言うようにいたずらっぽい表情を受かべていた。

ビスマルク「心配しないでも、受ける筈無いじゃない」

ビスマルク「だって、ソーリューを捨ててまで、わざわざ友達になってくれた貴方がいるもの」

提督「………」

ビスマルク「だから―ずっと、私の友達でいてね、テイトク?」

提督「……ああ」

肯定するべきではないのだろう。

だけど、友達だとしても、永遠にそのラインを超えられないとしても。

俺はビスマルクの側に居たかった。

俺は、彼女に見放されたくなかったのだ。

視界の端に、蒼い空が見えた。

屋上に出てきたのは、やっぱり失敗だった。




ビスマルク→  *76/500



【4月3週】


蒼龍「あ、提督ー」

提督「おっす」

蒼龍「…どーしたの、なんか湿気た面してる」

提督「元からだろ」

蒼龍「あはは、確かにそうだねー」

提督「…いやいや、否定しろよ」

蒼龍「やーなこったー、って、急がないと」

提督「部活か?」

蒼龍「うん、そうだよ?」

提督「…頑張れな」

蒼龍「…ありがと」



蒼龍       **0/500
山雲       **0/500
白雪       108/500
ビスマルク   *76/500
春雨       **0/500


>>+1-5までのコンマに対応、最高値の子とコミュ

ここまで
次スレ立てて寝ます

【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★20【安価】
【艦これ】艦娘達と過ごすちょっとした学園もの★20【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421162869/)

ずっともの解釈、絶対求められてるのとは違うと思ったけど仕方ないね
20まで続くなんて思ってなかった(小並感)
おやすみなさい

結局飽きて捨てられて皆の物になる、仕方ないね
それでも彼女は幸せになるよ、エロ同人みたいに
冗談は置いといて埋めネタ投下、短し



【曙とクソ兄貴】

B.………変われる、のだろうか。


……。

曙は――

曙は、笑っている。

散々殴打されて、床に這いつくばって。

殴られた箇所を、痛々しげに押さえながらも。

曙は、笑っていた。

こんな俺に向けて、笑顔を見せていた。

「……なんで」

「…どうして、笑ってんだよ、曙」

「………兄貴を…さ」

「…安心、させてあげたいから…」

「…大丈夫だよ、って」

「……そういう風に、笑ってて、あげたいから」

変わらない、笑顔。

握った拳を下ろす。

もう、その顔を直視することなど出来なかった。



「……放っとけよ、俺のことなんか」

「なんか、じゃない…」

ふらつきながらも、立ち上がって。

一歩ずつ、距離を詰められる。

俺は動けずに、よろよろと覚束ない足取りで曙が近づいて来るのを、ただ眺めていた。

「……ごめんね、兄貴」

手が、触れた。

暖かい、人の温もり。

俺を想ってくれる、人の温もり。

求めていて、得られなくて。

だから、もう考えないように何処かへ投げ捨てた物。

ずっと、ずっと、欲しかった物。



「…………あけぼ、の」

全身から力が抜けて。

倒れるように、目の前の彼女に寄りかかった。

ボロボロの身体で、彼女はしょうがないなぁ、と俺の肩を支えた。

「………なんで」

「…簡単よ、わかんない?」

「………」

「……肝心な、所で…鈍感、なんだから、もう……」

「お、おい…?」

曙が、今度は俺に寄りかかるようにして前のめりに身体を傾けた。

それをとっさに抱えると、彼女は満足したようにそのまま俺へと全体重を預けた。

表情は、笑顔で。

だけど、瞼は閉じられていた。

「…曙!曙、おい!」

自分が取り返しの付かない事をしてしまった。

一気にそんな気分になって、家中に響くような大声を張りあげた。



「………うっさい、頭痛いから…黙れ」

「あと……今の兄貴、凄く格好悪い」

その声に、腕の中の少女は迷惑そうな声音で答えた。

「………あ」

そして、指摘されて初めて気付く。

自らより二回り程も小さな少女を抱えて叫ぶ俺の姿。

それがさぞ滑稽な光景であろうことは、曙の可笑しそうに歪めた唇からも見て取れた。

「…人殴って、かと思ったらいきなり心配して…意味わかんないわよ、ばーか」

「……そ、そうだな…そう、だよな」

「……」

「……」

「…………ごめん」

「……だーめ、許してあげない」



「………そう、か………」

「…ありがとう」

「……え?」

「こういう時は、ありがとうくらい言いなさいよ、兄貴」

「……………っ!」

「………ふふっ、やっぱり兄貴は、弱いんだから」

「今のどこに、泣くような要素があったのよ」

「…う、うっせぇよ、…っ、黙れ、バカ」

「…はいはい、黙るわよ…」

「だから……ちゃんと、起こしてね…」

「…え、お、おい、曙!?」

「……………くー…」

「…寝てるだけ……か、驚かせやがって」

「………あ、手当、しねーと…」

「……ありがとう、…なんて」

「…言う資格、ねーのによ」

「…………何でだろうな」

「……変われる気、するよ」

「…お前が、いれば」


――――――――――――


「……くっ、ぷっ、ふ、あは、あははははっ!」

「……………」

「あ、あんた…なにその、頭、ぷっ」

「………うるさい」

「…に、似合わ、似合わないっ!…うぷっ、あはははっ!」

「………決意表明だよ」

「決意表明って!どんだけ古風なのよ、バカじゃない!?あはははっ!」

「…………………」

曙が指をさして笑う俺の頭は。

見事なまでに坊主だった。

すっかり傷も癒えた彼女は、その短い頭がいたく気に入ったらしい。

死ぬほど楽しそうに笑っている。



「…………」

「…あははっ…って、ちょ、後ろ向かないでよ、拗ねたの?」

「………うるせぇ」

「せっかく決意表明したってんなら、元気出すっ!」

「いって!?」

ぱっしーん。

短くなった頭は、曙の平手に小気味の良い音を鳴らした。

「……何すんだよ!」

「兄貴」

ちくしょうと勢い良く振り向けば、またさっきとは少し違った笑顔の曙。

その顔のアップに、思わず気勢を削がれる。

「…な、何だよ」

「前向いて、歩け」

「…はぁ?」

「転んでもいいよ、そん時はあたしも一緒に転んであげる」

「全部うまくいくことなんて、きっとないけど」

「二人一緒なら、少しは気も紛れるんじゃない?」




「………意味わかんね」

「あっそ!」

俺は―いや、俺達は。

ほんの少しづつだけど、前へと進み始めた。

決して平らな道なんかじゃないだろう。

転ぶことも、間違うこともあるだろう。

それでも、もう止まることはしない。

止まったりなんか、しない。

どんなに辛くても、前を向いて歩こう。

弱くて醜い、どこまでも勝手な俺なんかを引っ張ってくれたお前の為にも。

――ありがとうな、曙。

「……なんか言った?」

「………なーにも」

「そう………うーん…でもなぁ、呼び方、変えた方がいいのかなー…」

「…おい、何ぶつくさ言ってんだ」

「なに、…て、提督」

「……………」

「…どしたの?」

「……いや、お前、今」

「…あー、照れた?」

「…………ニヤニヤすんな、殴るぞ」

「素直じゃないなー、兄貴は」

「…お前もだろ」

「どーだろね」

曙が笑った。

俺も、笑った。



【おわり】

ぼのちんのデレ所が難しい
16レベルまでやると別人になる
埋めます

埋め

いつも20レスくらいの分量の埋めネタ書こうとしてるけど成功した試しがない
埋め

諦めずに続けてみよう
次回の埋めネタはここ埋まったら次スレで募集します
もうあらすじは書いてきた

一応弁明しとくが熟成パンツを推したことに他意はない
埋め

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