ノリスケ「ブン屋をナメてもらっちゃあ困りますね…」ニコ…(7)

駅前

ノリスケ「マスヲさん…また20万ほどおこづかいくれませんか」

マスヲ「な…何を言ってるんだいノリスケくん!…20万だなんて大金…今すぐには…!」

ノリスケ「これを見て下さいマスヲさん…」ピラッ…

マスヲ「こ…この写真は…!」ピクッ…

ノリスケ「マスヲさん…不倫はよくないなぁ…サザヱさんが知ったら悲しむだろうねぇ…」

ノリスケ「ただでさぇ婿養子として肩身がせまいのに…これが明るみになったら…」

ノリスケ「厳格な磯野家のカーストの中でマスヲさんはでうなっちゃうんだろうなぁ…」

マスヲ「く…!…分かったよ!近々用意するから勘弁してくれよ」

ノリスケ「はっはっはっ…ボクは物分かりの良い人は好きですよ?…マスヲさん」

マスヲ「キミというヤツは…」ワナワナ…

マスヲ「しかしどこでこんなモノを…」

ノリスケ「やだなぁマスヲさん…ボクを誰だと思ってるんです?」ゴソゴソ…スッ…
ノリスケ「ブン屋をナメてもらっちゃあ…」カチッ…シュボ…

ノリスケ「…困りますねぇ…」スゥー…プハァー…

ムダヅモ無き磯野家

第一章

『その漢、ノリスケ』

~ブン屋の四暗刻(スーアンコ)~

磯野家…

戦後、ghqの統治下の元で三井…住友…三菱など名だたる財閥は解体された。

しかし…

光あるところには必ず闇があり…

歴史の表舞台には決して姿を現さないが…

日本の政界、経済界、警察、官僚など…あらゆる権力機構に金でモノを言わす黒幕の存在があった。

それこそが…

…磯野財閥である。

現当主である磯野波平を頂点としてこの国を牛耳る影の内閣府(シャドウキャビネット)とでもいうべき存在。

その一族は皆、幼い頃から英才教育を施されたエリート達である。

だが…

磯野マスヲ…彼は婿養子として迎えられ、肩書きこそは磯野商事ceoと、立派なモノではあるが、

社内での発言権はほぼ皆無な上に、磯野家の中でも“平民出身”として肩身の狭い思いをしていたのであった。

そこに目をつけた一人の漢がいた。

…名を、ノリスケという。

ノリスケ(ボクは磯野家を許さない…)

ノリスケ(幼くしてボクをボロ雑巾のように切り捨てた…あの磯野家を…!)ギリッ…

ノリスケ「…まずはマスヲくんをこちらの味方につけることからだな…」

ノリスケ(マスヲくんにはできればこんなことをしたくはないけど…)

ノリスケ(それに…タイコにはまた迷惑をかけるなぁ…)

ノリスケ(…でも…やってやるさ!)

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