P「お前じゃないんだな?」 旬「……」【sideM】(12)

短いです


 315プロ事務所 早朝



P「このテーブルの上に有る……」コトッ

P「男性向けアダルトビデオに出演してるのは、お前じゃないのかと聞いているんだが?」


旬「……」

旬「違います……そんなビデオ、出ていません!!」グッ



P「ふぅっ」

P「あくまでしらを切るか……」



ガチャ

夏来「おはよう」

P「おはよう夏来、ちょうど良かった、こっちに来てくれ」クイックイッ


夏来「なに?」タタッ

旬「……」



夏来「あ、おはよう。旬……」ニコリ

旬「おはよう、夏来」プイッ


夏来「ん? どうしたの? 期限、悪い?」

P「ああ……ちょっとすまんが、奥の休憩室でこのビデオテープを見て来てくれないか?」スッ



旬「ッ!? プロデューサー!!?」ビクッ

P「これでハッキリする筈だ……頼む夏来」


夏来「よく分からないけど、コレを見てくればいいの?」スッ

P「……」コクリ



夏来「わかった。旬もそれでいい?」チラッ

旬「うん……」


夏来「……」ニコリ

夏来「じゃあ、見て来る」タタッ



P「……」

旬「……」


P(バカか俺は!! アイドルを追い詰めてどうする!? こんな暗い表情をさせてどうする?)

P(プロデューサーなら、アイドルを守るべきだろ?)グッ



P「旬?」

旬「はい……」


P「夏来が、旬じゃ無いと言えば、この件はこれで終わりにしよう?」ニコリ

旬「えっ?」



P「万が一、出演していたのが旬だったとしても、これで終わりだ。俺は忘れるよ」

旬「プロデューサーさん……」ウルッ


P(仲間思いの夏来の事だ。旬を庇う為に、ビデオに出ていたのは旬ではないと言うだろう)

P(たまたま、中古のアダルトホモコーナーであのビデオを見付けただけだし)



P(それに俺が見た限りでは、ビデオに映っていた旬はまだ小学~中学生。余ほど身近な人物が見なければ気付かれないだろう)

P(偽名も使っていたし、安心しても良いか?)


旬「聞いて、くれますか?」

P「ああ、何でも言ってくれ」ニコリ



旬「まだ若くて、まだ小さくて……」

P「うん」


旬「新しい機材を買うには、お金が必要だったんです」

P「やはり、そう言う事か……」



旬「今にして思えば過去の過ちですけど、当時……ビデオに出演して貰えるギャラは、魅力的でした」

P「……」


P「出たのは、あの四部構成の一章だけか?」

旬「はい。あれだけです」コクリ



P「そっか……なら問題ない」

P「過去の過ちは誰にでも有るし、もし将来このビデオが掘り起こされて話題になっても、俺が守ってやる!!」ギュッ


旬「ッ!?」

旬「はい、はいっ!!」ギュッ



P「と、なれば……もう夏来に確認して貰う必要も無いか」ニコリ

旬「そうですねっ」ニコリ


旬「でも、確認するだけにしては随分……」

P「まさかっ!?」ガタッ



   休憩室


ガチャ
 夏来「……」ドクッドクッ

夏来「あ」ドクッドクッ


旬「なつきいいいいいいい!!」ダッ

P「夏来っ!! すぐ救急車を呼ぶからなっ!!」ピッ



夏来「ビデオ、に……旬、は、出て……ない」ガクッ

P「わかったから、もう喋るな!!」


P(誰よりも繊細な夏来に、メンバーのホモビデオなんて見せてしまったからか?)

P(それで精神的ショックを受けて、こんなに鼻血を流しているのかっ!? 全て俺の責任だ!!)グッ




 数時間後


P(夏来は無事だった。軽い貧血で、点滴を受けながら二日の短期入院で済むらしい。今は気持ちよさそうに眠っている)

P(そうだ原因は俺。過去の過ちなんて掘り起こしちゃイケないんだ)


P(旬はホモじゃない。金に釣られて仕方無く出演しただけ。幾らでもやり直せる)

P(トップアイドルにだって、総理大臣にだって、大リーガーにだってなれるんだ。それを俺が応援しないでどうする!?)



旬「プロデューサー、そろそろ戻りましょう?」

P「そうだな……新たにスケジュールを組み直すか?」




P(315プロにホモなんて居ない……)

P(315プロは、最高の事務所だ!!)




おわり

前回は間が空いてぐだったんで、今回は短く。


ほんとにおわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom