ハルヒ「SOS団に新たな仲間が加わったわ! 名前はキョンよ!」 (58)

キョン(シカ)「キョン、キョン!!」

古泉「んっふ、シカですね」

キョン「……」

ハルヒ「この子はね!シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種でキョン(シカ)という害獣よ!」

古泉「なるほど、害獣ですか…」

長門「千葉県と伊豆大島の両地域では、キョン(シカ)によるイネ、トマト、カキ、ミカン、スイカなどの農作物被害が発生している」

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キョン「そんなシカ連れてきて、一体何がしたいんだお前は」

ハルヒ「こう見えて意外と役に立つのよこの子!それに見た目も結構カワイイでしょ?」

キョン(シカ)「キョン!!キョン!!」

キョン「ん~、そうか? ただのシカにしか見えんが」

ハルヒ「あんた、本当に見る目がないわね。キョン(シカ)はみくるちゃんよりかわいい愛玩動物よ!!」

みくる「ふぇぇ…」

キョン「アホか!それは断じてない!!」

ハルヒ「うるさいわね!それに少なくともあんたよりはこの子の方が役に立つわよ」

キョン「なに言ってやがる。俺よりそのシカの方が役に立つだと?馬鹿も休み休み言え」

ハルヒ「馬鹿はあんたよキョン!いい?この子はあんたよりも何十倍も頭がよくて見た目もプリティ!しかも乗り物にもなるの!」

ハルヒ「そういうわけだから、キョン!あんたはもう要らないわ。我がSOS団から出て行きなさい!」

キョン「なっ!」

古泉「ふむ。確かに、この団にキョン2人(匹)も居るというのは……」

ハルヒ「そうなのよ。キョンが2人(匹)も居たらキョンキョンうるさくて、うっとうしいじゃない!」

長門「それには同意」

みくる「ですぅ~」

キョン「お前らまで。……本気なのか?マジで俺を追い出すのかよ……」

キョン「俺たちは固い友情で結ばれていたはずだ!それをこんな、こんなシカ如きにっ...!!」

長門「それはあなたの勘違い。最初から私たちに友情などなかった」

キョン「!!」

古泉「厳密に言えばあなたを除く僕たち4人には固い友情があります。しかしあなたには…」

キョン「古泉、てめぇ…」

みくる(うふふっ、キョンくんかわいそ~)

ハルヒ「ほら、もうわかったでしょ、キョン」

ハルヒ「我がSOS団にあんたの居場所はないわ。さぁ、今すぐに…」

キョン「ちょ、ちょっと待ってくれ! ……そのシカと俺、どちらが有能か勝負させてくれ!」

キョン「その勝負に勝ったほうがSOS団に残れる……ってのは駄目か……?」

ハルヒ「はぁ~?何言ってるのよ。あんた如きじゃ勝負にならないわよ」

長門「結果が見えている」

キョン(シカ)「キョォオオン」

古泉「しかし、キョン同士の勝負と言うのも案外面白いかもしれませんよ」

古泉「結果は見えていますが、暇つぶし程度には楽しめるかもしれません」

ハルヒ「ん~そうねぇ~、最近、暇で暇で仕方なかったし…」

キョン「それじゃあ…」

ハルヒ「仕方ないわね。一週間後、北高グランドで3本勝負!勝負の内容はあたしが考えるわ」

ハルヒ「じゃあ、今日はこれで解散!」

ハルヒがキョン(シカ)に乗り、颯爽と部室を出て行く。
その日、キョンは長門と帰った。

キョン「なぁ、長門。この異常な事態をどう思う?」

長門「……異常?」

キョン「異常だろ!あのシカが俺の変わりに団員になるかもしれないんだぞ?このやろう」

キョン「まったく、あんなのどこからつれてきたんだハルヒのやつ…」

長門「……キョン(シカ)は涼宮ハルヒが千葉県まで行き捕獲してきたものだと思われる……」

キョン「わざわざ千葉まで行って捕獲したのかよ」

長門「そう。一昨日の17:56に涼宮ハルヒはテレビでニュースを見ていた」

長門「そのニュースではキョン(シカ)による被害についての報道がされていた」

長門「颯爽と畑を駆け巡り農作物を食べ散らかすキョン(シカ)を見た涼宮ハルヒはキョン(シカ)に対し淡い恋心を抱いた」

キョン「何で恋心?w意味わからんww」

長門「……事実。 現に涼宮ハルヒの鍵があなたからキョン(シカ)になりつつある」

キョン「ああ、そうかい」

長門「……あなたがSOS団にこだわる理由がわからない。あなたは以前、涼宮ハルヒから開放されたいと心の底から思っていたはず」

キョン「昔はな。でも今はSOS団での生活が楽しいと思えるようになったんだよ。……長門、お前のおかげでな」

長門「……私のおかげ……?」

長門「……あなたは何か勘違いをしている。今日、私があなたと一緒に帰るのには……」

キョン「あぁ、わかってる。最高に美味いの作ってやるよ」

-長門の家-

長門「……ただいま」

朝倉「おかえり長門さん、あら?キョン君も一緒なんだ」

キョン「おう朝倉、元気にしてたか」

長門「今日、彼をここに呼んだのは、究極のカレーライスとやらを作ってもらうため」

キョン「あぁ、美味しんぼもビックリの究極のカレーライスをご披露するぜ」

朝倉「へぇ~、それは楽しみね」

キョン「ただし、わかってるな長門?条件として……」

長門「わかっている。究極のカレーライスを作ってもらうかわりに、あなたを究極完全態キョンモスにする」

キョン「おお!」(究極完全態キョンモスになれば1週間後の勝負も楽勝だな)

長門「ただ、あなたの作るカレーライスが少しでもマズかった場合、最弱完変態チョンになるからその覚悟で」

朝倉(この人たち、何を言ってるのかしら…?)

そして、キョンによる究極のカレーライス作りが始まった。

-長門家キッチン-

キョン「よし、まずはこの洗面器に...ふんっ!!」ブリュリュ

キョンは洗面器に少し大きめの茶色の固めで乾燥したウンコを肛門から出した。

キョン「……ふぅ、出たな。カンチョウを使わずに済んだようだ」

キョンが必死にひりだしたウンコの表面には、昨日食べたトウモロコシのコーンが6粒ほどついていた。

キョン「最近便秘だったせいか、なかなかの乾燥ウンコだぜ」

キョン「便秘は2週間続いたわけだから、2週間分の俺のうまみがこのウンコには凝縮されてるわけだ」

キョン「さてと、まずはウンコ表面のトウモロコシのコーン6粒を丁寧に取らないとな。トウモロコシは長門の大好物だし」

コーン6粒を取った後、ウンコを丁寧に手でほぐしていった。

キョン「よし、表面は乾燥してたが、中はぐちょぐちょだ。これがまた濃厚でうまいんだよな」

キョンはウンコを慎重な手つきでほぐしていく。

キョン「ん?これは……!」

キョンは焦った。ウンコの中に未消化のヒジキが大量に入っていたからだ。

キョン「まずいな…、ヒジキがあるとコクがなくなる上に磯臭くなっちまう」

キョン「ピンセットか何かで全て取り除かないとな。……1つでも残したらアウトだ……」

キョンはダッシュで居間に移動した。
居間では朝倉がコタツに足を伸ばしてくつろいでいた。

朝倉「あら、キョン君どうしたの? もうできたのかしら?」

キョン「いや、まだだ。それより長門はどうした?いないようだが」

朝倉「長門さんなら図書館に出かけたわ。すぐ帰ってくると思うけど」

キョン「そうなのか(肝心なときに、長門め)」

キョン「……朝倉、この家にピンセットはないか?出来ればルーペも」

朝倉「ピンセット?知らないわ。この家は基本長門さんのものだし…」

朝倉「長門さんが帰って来たら聞いてみれば?」

キョン「そんな時間はない!朝倉、お前の力でピンセットを作れないか?ほら、あの宇宙的なトンデモパワーで」

朝倉「今の私には無理よ。あなたを襲ったあの日から長門さんによって能力が制限されているし」

キョン(くそっ、しょうがねえ、こうなったら時間はかかるが割り箸で地道に取り除くしかねえか…)

朝倉「……それよりキョン君。何かすごく臭いんだけど、その手についているものはまさか…」

朝倉が指摘したキョンの両手には茶色い物がべっとり着いていた。
ウンコである。

キョン「ち、違うんだ!朝倉!これはだな……。この手のこれは、その……。そ、そう!ぬか漬けの味噌なんだよ!」

朝倉「……ぬか漬け?」

キョン「そうだ。俺はカレーライスの付け合せは福神漬けより、ぬかに漬けたキュウリとナスの方が好きなんでな」

キョン「キョン家直伝のぬか床を今かき回していたんだ。それに漬けたキュウリが絶品でなカレーに合うんだよ」

朝倉「私はカレーライスにはらっきょうよ……って、もうっ!本当に臭くてたまらないわ!」

朝倉「もういいから!早くこの部屋から出て行って!」

居間から追い出されたキョンは再び台所へ向かう。

キョン(やれやれ、なんとか誤魔化せたようだな)

キョン(糞でカレーを作ってるなんて流石に言えないしな……)

キョン(まぁでも美味いがな糞カレー)

キョンは台所に戻ると、ヒジキの取り除き作業を開始した。

キョン(54本目、除去完了! 後少しだな……)

そして約30分後、ようやく全てのヒジキの除去が完了した。

キョン「よし、もうヒジキは残ってないようだな」

キョン「やれやれ。ピンセットがなかったせいで、余計な時間食っちまった」

キョン「……早く作らねえとな」

キョンはヒジキを取り除いたウンコをよくこねた後
各種スパイスを適当に入れ、更に念入りにこねる。

キョン(しかし、マジでくっせぇウンコだな。スパイスを入れてもまったく臭いが緩和されん)

キョン(流石、2週間分のウンコは格が違うってところか?)

そう思いつつ、キョンは長門家にある和式便所に向かっていた。

キョン「ほう、ここが長門自慢の和式便所か」

キョン「私の家のトイレは洋式ではなく和式。……とかなんとか長門が9回ぐらい自慢げに語ってたっけな」

キョン「おっ、あったな」

キョンは便器の隅に置いてあったトイレの消臭スプレー(薔薇の香り)330mLを手に取った。

キョン「本当は薔薇の香りより無香料の方がよかったんだが、この際仕方ない」

キョンは台所に戻り、形の整えられたウンコに消臭スプレーを噴射した。

プシュウウウウウウウウウウウウウ

キョン(このウンコ臭を消さないと話にならんからな。満遍なくふりかけねえと)

消臭スプレー2本すべてを使い切り、ようやく糞の臭いが取れた。

キョン(よし、完全にウンコの臭いが消えたぞ)

キョン(消臭スプレーが2本あったのは本当に運がよかった)

キョン(さてと後は、氷を作るときに使うアイストレーに糞を詰めてと…)

薔薇の匂いが染み込んだウンコを四角い型のアイストレーに1つ1つ丁寧に詰めていく。

キョン(ん~、薔薇の香りがする糞カレー、なかなか良さそうじゃねーか)

キョン(よし、できた)

ウンコを詰め終わったアイストレーを冷蔵庫の冷凍室にいれる。

キョン(これで後は固まるのを待つだけだ)

次にキョンはご飯の準備に取り掛かった。

キョン(俺と長門、朝倉の3人だから、4合ぐらい炊けばいいか?)

キョン(……いや待て、長門はよく食べるし、8合ぐらい炊いとくか)

キョンは8合分の米を炊飯器の釜に入れ、水でよく研いだ。

キョン(……よし、研ぎ終わったな。後はこれをサフランライス(黄色いご飯)にするために、サフランとバターが必要なわけだが……)

キョン(んー、バターはあったがサフランが無いな)ゴソゴソ

キョン(サフランの代用にできそうなカレー粉もないのか…)ガサゴソ

キョン(まいったな、他に黄色く着色できそうなものはなさそうだし)

キョン(いつもの白いご飯で我慢するか……?)

キョン(……いやダメだ。サフランライスじゃないと最高に美味い究極のカレーライスにはならねえ。長門も絶対納得しないはずだ)

キョン「……」

キョン(……やれやれ仕方ない。この手でいくか。ちょうど限界に近かったし)ゴソゴソ、ポロン、ジョボボボボボボボ

キョンは綺麗に研ぎ終えたばかりの米の中に小便をした。

キョン(ふぅ、すっきりした……)

キョン(よし、朝から溜めてただけあって中々に黄色だぜ。これならイケる)

キョン(色はこれで問題ないとして。……後は、このおしっこ臭さをどうするかだが)クンクン

キョン(今はそんなに臭わん方だが、炊いた後、アンモニア臭がキツくなってるかもしれんし)

キョン(……さて、どうしたもんかね……)

キョンはどうするか考えながら、居間に足を運んでいた。

キョン「お、長門。帰ってたのか」

長門はいつの間にか帰宅していて、こたつで分厚い本を読んでいた。
ちなみに朝倉はこたつに寝転がり、寝息を立てている。

キョン「ん?この匂い…これはファブリーズ(そよ風の香り)か……」

居間はファブリーズの匂いで充満していた。
匂いの原因であるファブリーズはこたつ板の真ん中に置かれている。

キョン「長門、このファブリーズどうしたんだ?」

長門「……知らない。私が帰宅してきた時には既に置かれていた」

長門「……朝倉涼子の物だと思われる……」

キョン(朝倉よ、そんなに臭かったのか。……まぁ臭かったがな)

キョン(……ファブリーズじゃ、小便臭さは消せんだろうしなぁ)

キョン「なぁ長門、小便のにおい、…アンモニア臭を消すにはどうすればいいと思う?」

長門「……なぜ?」

キョン「ん?あぁ、いやな。俺の家の便所は未だにボットンなわけだが」

キョン「最近、便器からアンモニア臭が異常にキツく臭ってきていてだな……」

長門「……クエン酸……」

キョン「え? …クエン酸?」

長門「…そう。クエン酸はアルカリ性である尿のアンモニアを分解する性質がある」

キョン「じゃあ、クエン酸を使えば消臭できるんだな?」

キョン「どこで手に入るか、わかるか?」

長門「掃除用のクエン酸スプレーならホームセンターで買うことが出来る」

長門「また、粉末のクエン酸を買い自作でスプレーを作ることも可能」

キョン(クエン酸スプレーねぇ……買いたいが、金がねえ…)

ここ最近の不思議探索での出費(奢った分)がかさんでキョンの全財産は23円しかなかった。

長門「……北高2階、東側の男子トイレにもトイレ用クエン酸クリーナーが複数存在している」

キョン「マジか!」

キョン(今から学校に行ってそれを拝借してくるとするか……。SOS菜園にも用があったしな)

SOS菜園とは北高付近に存在する、SOS団が管理する野菜畑である。
ビニールハウスなので今の寒い季節でも新鮮な野菜が栽培されている。

キョン「スマンが、ちょっと出かけてくる」

長門「……」

キョン「ん?どうした長門?」

長門「……カレーライス……」

キョン「ああ、カレーライスな。……もうちょっと待っててくれ。すぐ戻って作ってやるから」

キョン「あー、それと台所には入らないでくれ。色々とやりかけなんでな」

長門「……わかった」

キョン「それじゃあ、行ってくる」

キョンは急いで北高へと向かった。

キョン(よし、学校はまだ開いているようだな)

学校に着いたキョンは2階の東側にある男子トイレへ直行する。

キョン(どこだ!どこにある!クエン酸クリーナー!!)

キョンはトイレの床に這いつくばり必死になってクリーナーを探した。

キョン(ねえ!ねえぞ! ……隅から隅まで探したが全くねえじゃねえか!)

キョン(……まさか、隣の女子トイレにあるんじゃあ……)

キョン「……」

キョン(……確かめてみるか)

キョンは隣の女子トイレへと入っていった。

キョン(よし、中には誰もいないようだな)

キョン(もう遅いし、校舎に人は殆どいない筈……大丈夫だ見つかりっこない)

キョンは物音を立てないように、ほふく前進で女子トイレ内を進んでいく。

キョン(それにしても……うっ。くせえ! ちょ、このトイレ全然掃除してねえだろ)

キョンの入った女子トイレは悲惨なもので、小便やら糞やらがそこらじゅう床に飛び散っていた。
キョンの着ている制服はみるみるうちに黄色とこげ茶色に染め上げられていく。

キョン(くそっ、ガキのトイレじゃあるまいし何だよこのありさまは……くっ、キツイな。やべえ……吐き気がっ……)

キョンはあまりの臭さに吐き気を催したが何とか根性で堪え、クエン酸クリーナーを探し続ける。
そして、苦難の末ついに目的の物を発見した。

キョン「……きょ、強力クエン酸クリーナー(トイレ用)400mL……」

キョン「これでいいのか?…まぁ、クエン酸とは書かれているわけだし、問題ないか」

キョン「っていうか古すぎだろこれ…、32年前の 鶴屋「キョン君?なにしてるにょろ?」

キョン「ぎゃああああああ」

女子トイレでうずくまっていたキョンは不意に声を掛けられ盛大な奇声を上げた。

鶴屋「キョン君、女子トイレでなn んっぷっ!」ベチャーン!

キョンは咄嗟に近くに落ちていた柔らかめのウンコを鶴屋に向かって投げ、見事に顔面へ命中させた。

鶴屋「く、くっさ!くっさいにょろ!! キョン君なにするっさ!!」

鶴屋「ううっ、目に染みるにょろ...」ゴシゴシ

鶴屋が狼狽しているその隙にキョンは全力ダッシュでその場から逃げ出した。

キョン(鶴屋さん、ごめん!後でちゃんと謝るから!)

キョンは制服に付着していた糞尿を校舎に撒き散らしながら全力で走り続ける。

キョン(はぁ…やれやれ。何で俺がこんな目に……)

生徒の痛い視線を浴びる中、やっとの思いで学校を脱出したキョンは次の目的地へと向かった。

キョン「もう6時か、早くSOS菜園に行かねえと」

学校を出て、北に500m歩いたところにSOS菜園はあった。

古泉「おや、これはこれは…」

キョン「……古泉。居たのか」

SOS菜園では古泉が野菜に水やりをしていた。

古泉「ええ。ダイコンに水をやり忘れていまして…」

キョン「ダイコン1つでも枯らせばハルヒが何言うかわからんからな」

古泉「そういうことです。……ところで、あなたは何をしにここへ?今日は僕が当番のはずですが」

SOS菜園は当番制で団員5人が1日交代で世話をしていた。

キョン「あぁ、ちょっとな……」

キョン(くそっ、古泉が邪魔だな)

SOS菜園の野菜は団長ハルヒの許可なしで収穫し持ち帰ることは許されなかった。
ハルヒの許可が下りる条件も非常に厳しく、他の生徒は勿論、団員達ですらあまり食べたことがない。
許可無く勝手に持ち帰った場合は罰金5万円の刑が処せられた。

キョン(ハルヒの許可なんか取ってる暇はない。コイツをここから追い出して、野菜をくすねるしかない……)

キョン「古泉、お前はまだ帰らないのか?」

古泉「そうですね。せっかくですので、ダイコン周りの草むしりを少ししようかと思っています」

キョン「待て古泉。今、森さんに会ったんだがお前のことを探していたようだったぞ」

古泉「森さんがですか……? 森さんはどこ… うっ……くっさいですね!あなた!」

キョン「うるせえ。……早く行ったほうがいいんじゃないのか?森さん、めちゃくちゃお怒りのようだったぞ」

古泉「近づかないでください! ……おい!ホント…くっせ……」

古泉は最高に臭いキョンから距離を取ろうとするが
キョンはどんどん古泉に近づいてくる。

古泉「近づかないでくださいってば!……も、森さんからは携帯から何も連絡が来ていないし何かの勘違いなのでは……?」

あまりの臭さにビックリ仰天の古泉は小石に躓き、しりもちをついた。
その隙にキョンは糞尿が着いた上着を脱ぎ、古泉の顔に押し付けた。

古泉「くっせぇぇぇええええああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

キョン「早く森さんの元に行かないと、更に臭い目にあうんだぞ?いいのか?ん?」

キョン「ありゃ……」

くっさい上着を顔に押し付けられ、暴れまくってた古泉だったが
気絶したのか急におとなしくなった。

キョン「おいおい。マジかよ……、そこまで臭いか?失禁までしやがって…」

キョン(…まぁいいか、かえって好都合だ)

キョン(今のうちに野菜をいただくか)

キョンはSOS菜園でジャガイモ、ニンジン、タマネギを入手した。

キョン(SOS菜園の野菜はハルヒこだわりの野菜だから相当に美味いはずだ)

キョン(さてと長門の家に帰るか)

キョンは古泉を放置して帰路についた。

キョン(しかし、この臭い上着はもう着れんな。……まぁ、仕方ないから谷口に売るとするか。あいつはスカトロ好きそうだし、女子の糞尿がついた上着だぜ、とでも言えば高く買ってくれるだろう)

帰る途中、ドブネズミの死骸が下水付近に3匹ほど転がっていたので回収した。

キョン(よし、これで肉の確保もできたな。ドブネズミは肉汁たっぷりジューシーで美味だからな)

長門の家に帰宅したキョンはさっそくカレーライス作りの続きに取り掛かった。

キョン(くっせえ…… もうアンモニア臭がひどくなってやがる)

キョン(だが、これを使えば、アンモニア臭は消えるはずだ。古いから少し不安だがな)

キョンは米8合と小便が入っている炊飯器の釜の中に
先ほど学校のトイレで入手した32年前のクエン酸クリーナー(トイレ用)を全て入れた。

キョン(これで暫くすればアンモニア臭は消えるはずだ)

キョン(後は炊くだけだな。……カレーのルーは固まったか?)

キョンは冷蔵庫から糞が詰まっているアイストレーを取り出した。

キョン(よしよし、カチコチに固まってる。上出来だ)

キョン(…次は、野菜とドブネズミ炒めて、最後にルー(糞)入れりゃあ完成だ)

そして、1時間後。

-長門家居間-

朝倉「へぇ~、中々美味しそうじゃない」

長門「……ご飯が黄色い。これは……?」

キョン「それは、サフランライスと言ってだな。カレーと相性が抜群にいいんだ。めちゃくちゃ美味いんだぞ!」

朝倉「ねぇ?このカレー少し薔薇の香りがしない?」クンクン

キョン「朝倉よ、よく気づいてくれた!薔薇の花びらの汁を絞ってカレーに少し混ぜてみたんだ。風情があっていいだろ?」

朝倉「ええ、ホントウに。それにしても良い香りだわ~」スンスン

キョン「長門には特別にトウモロコシのコーンを6粒、おまけとして入れてあるからな」

長門「……うれしい……」

朝倉「いいなぁ、長門さん」(でも、何で6粒なのかしら?)

朝倉「…私もコーン欲しかったなぁ」

キョン「すまんな。朝倉の方にもコーンを入れてやりたかったんだが、6粒しかなくてだな……」

長門「……私のを2粒あげる……」

朝倉「流石、長門さんね!うれしいわ! でも出来れば、もう1粒欲しいな~」

長門「……ダメ。大好物のトウモロコシ……私は最低でも4粒食べたい」

朝倉「長門さんのけちー」

ひとしきり談笑した後、3人は食べ始めた。

キョン・長門・朝倉「いただきまーす!」


キョン・長門・朝倉「…」パクッ

キョン・長門・朝倉「……」モグモグ

キョン・長門・朝倉「……ッ」ゴクン


キョン・長門・朝倉「……」パクッ

キョン・長門・朝倉「………」モシャモシャモシャ

キョン・長門・朝倉「………!」ゴクンッ


キョン・長門・朝倉「………」パクッ

キョン・長門・朝倉「…………」クチャクチャクチャ

キョン・長門・朝倉「………ぅ…」ゴクン


キョン・長門・朝倉「うげぇぇええええあああ!!!まじぃぃいい゛!!!!」ゲロゲロ

キョン・長門・朝倉「」バタンッ

キョンの作った究極のカレーライスは、
3人が失神するほど果てしなく不味い物に仕上がっていた。
あまりの不味さに激怒した長門は、
キョンをチョンに改変したのは勿論のこと、
長門家への出入りを一切禁止とした。
SOS団員を掛けた勝負もチョンになったキョンに勝ち目はなく
キョン(シカ)の圧勝で終わった。

-文芸部室-

ハルヒ「キョン(シカ)! これからSOS団雑用係としてがんばりなさい!」

キョン(シカ)「キョン、キョン!!」

古泉「おめでとうございます。今日から正式な団員ですね。」

みくる「うふふっ かわいいです~」ナデナデ

長門(……当分カレーは見たくない……)

ガチャ

チョン「よぅ、みんないるニダか?」

ハルヒ「げっ…」

長門「……」

ハルヒ「ちょっとキョン!あんたは勝負に負けてクビになったのよ!もうここに来るな!」

チョン「待ってくれ!俺はもうキョンではなくチョンニダ~!」

チョン「キョンが二人(匹)いるわけじゃないニダヨ!」

チョン「そもそもだ。俺が居ないSOS団なんて考えられナ・イヨ!」

チョン「それにだな。お前らわかっているのか?」

チョン「…宇宙人・未来人・超能力者も起源は韓国ニダ!」

チョン「情報統合思念体も韓国起源ニダ!」

チョン「朝比奈さんのオッパイデチンコハサムニダ!」

チョン「ハルヒ!お前のポニーテール姿パンニハムハ……ゲブフォ!」

ハルヒ「べちゃくちゃうっさい!!! キムチ臭いのよ!!いい加減出てけーーーーーーーーーーー!!」ドカッ!!

チョン「……キンポ」ドサッ…

ハルヒの強烈な回し蹴りがチョンの腹部にヒット。
チョンはその場に倒れこんだ。

みくる「うっ…、チョンくんのお口から何か出てきてますぅ~」

古泉「キムチですね。今の蹴りで胃から大量に吐き出されたようです」

キョン(シカ)「キョンキョン!」ムシャムシャ

ハルヒ「ちょっとキョン(シカ)!そんな汚ったないキムチ食べちゃダメよ!!」

みくる「ふぇぇ...おいしそうに食べてますよ~」

古泉「どうやらキムチが好物のようですね……」

ハルヒ「……そう、じゃあもうクビね。」

みくる「え?キョン(シカ)ちゃんをですか~?」

古泉「どうしてです?あれほど気に入られていたのに」

ハルヒ「あたしキムチは大っ嫌いなの…、だからキムチ好きのキョン(シカ)とは馬が合いそうに無いわ」

ハルヒ「はぁ……。所詮、害獣ね。……もういいわ。早くその二人(匹)をこの部屋から追い出してちょうだい」

その後、チョンとキョン2人(匹)を追い出したSOS団は残った4人で楽しく優雅に過ごしましたとさ。



~おしまい~

少し暇が出来たのでちょこっと修正、追加してみたけど
ダメですねwwつまらなすぎるwww

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