ほむら「幸せに満ち足りた、世界」(まど☆マギ×禁書) (453)

本作は

「魔法少女まどか☆マギカ」



「とある魔術の禁書目録」

及びその外伝のクロスオーバー作品です。

二次創作的アレンジ、と言う名の
ご都合主義、読解力不足が散見されそうな
予感の下で、

とにもかくにもスタートです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419447208

>>1

 ×     ×

目を覚ました暁美ほむらは、少しの間きょとんとしていた。
そこは、自宅マンションのベッドの上。
目覚まし時計が示している時間も程よい朝。

病院ではない、その違和感と共に鳩尾辺りを掴んでいたほむらは、
自分は寝ぼけていたのか、と結論付ける。
確かに、それが当たり前だった日々は長かった。
だから、そんな勘違いをする目覚めがあっても不思議ではない。

着替え洗顔から始まる朝の儀式を一通り終えて
慣れた手つきで用意したトーストのコースの朝食を平らげる。
転校まではもう少し間がある。
本来の予定では既に両親と同居している所だが、親の仕事に予想外の展開があったとかで、
転校後も少しの間、一人暮らしは続きそうだ。

 ×     ×

転校初日、見滝原中学校の廊下を行く暁美ほむらは、
何となく様々な視線を感じる。異性の視線も感じる。

こちらに来る前は女子校に通っていたほむらだが、
それでも、ほむら自身が客観的に情報を分析しても、
自分は美少女の部類に入るらしい。

その意味で、未だ異性に慣れない所のあるほむらにとって、
担任が未だ若い女性である事は少し、安心できる要素だった。

>>2

 ×     ×

「今日は皆さんに大事なお話があります。
心して聞く様に。
目玉焼きとは固焼きですか、それとも半熟ですか?
はい、中沢君っ!」

「えっ、えっと、ど、どっちでもいいんじゃないかと」

「そのとおぉーりっ、どっちでもよろしいっっっっ!!
女子の皆さんはくれぐれも、君の作るものなら何でも美味しいよmy honey
うんーまっ、んーまっんーまっんーまっ、
なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんてなぁーんて素敵なmy darling!!
こぉーんなっ最っ高にいい男を見つけて捕まぉえて確保して交際する様に。
そして男子の皆さんはぁ、
絶対にそんないい男になって素敵な彼女を見つけてくだっさぁーいっっっ」

自分の担任として安心できるかどうかはとにかく、
個人的に幸せそうで何よりですと、
暁美ほむらは寛大な心で幸あれと祈りながら
担任教諭早乙女和子の怪しい踊りを廊下から眺めていた。

「はい、後それから、
今日はみなさんに転校生を紹介します」
「そっちが後回しかよ」
「じゃあ暁美さん、いらっしゃい」

苦笑が広がる教室に、ほむらは足を踏み入れる。
どうやら、温かな雰囲気の教室らしい。
男女問わず凄い美少女、と言う声がちらほら聞こえるのも
こそばゆいけど悪い気はしない。

「はーい、それじゃあ自己紹介いってみよう」
「暁美ほむらです、只の人間には興味はありません。
この中に魔法少女超能力者魔術師がいたら私の所に来なさい、以上。
ごめんなさいほんのジョークです、よろしくお願いします」

ほむらがぺこりと頭を下げると、一拍遅れて拍手が起こる。
担任の異様なノリにいつの間にか乗せられていたが、
どうやらみんな華麗に流してくれたらしい。

>>3

頭を上げたほむらの目が、ふと一人の少女に吸い寄せられた。
率直に言ってどこか鈍くさそうな、そこがいかにも素直な家庭を思わせる、
素直な可愛らしさを見せているちょっと小柄なそんな少女。
鈍くさいとは失礼な、自分も人の事を言えたものではないと、
胸の奥に笑みが浮かんだ頃、その少女に近くの女子生徒がひそひそ話しかけている。

こちらはボーイッシュなショートカットがいかにも活発そうな少女。
恐らくは仲のいい友人なのだろう。
長い期間ではなかったとは言え、
女の園から来たほむらは多少の勘も働く、いいコンビなのだろうなと。
だから、自分も不躾な視線は程々にしないとあらぬ誤解を招く所だ。

 ×     ×

「ねぇねぇ暁美さん、前はどんな学校行ってたの?」
「髪、すごくきれいね」

休み時間、同級生の女子生徒がほむらの周囲に群がりあれこれと質問を重ねる。

「ごめんなさい、緊張しすぎたのかしら、少し気分が。
保健室に行かせてもらえるかしら?」

些かうんざりした所で軽い方便。

「それじゃあ私が」
「係の人は?」
「ああ、それなら」

かくして、呼ばれたのは先ほどの鈍くさそうな(失礼)少女だった。
名前はまどか、と言うらしい。

「大丈夫、暁美さん?」
「ええ、大した事ではないわ」

ほむらの顔を覗き込もうとするまどかの側で、
ほむらは多少の芝居を付けてよろりと立ち上がる。

>>4

「え?」

声が聞こえた気がしたが、それは、ほむらも同じだった。
立ち上がったほむらがまどかを見た、と、思った時には、
ほむらはまどかを抱き締めていた。

「暁美、さん?」
「あ、本当にごめんなさい。
少し、立ちくらみがしたみたいで、もう大丈夫」
「う、うん、保健室行こうか」
「ええ」

体勢を立て直し、何時もの冷静な口調でほむらが言った。
だが、その内心では、なぜこんなにドギマギしているのだろうか、と、
ほむら自身が驚いている状態だった。
そもそも、全くの仮病だった筈だ。
それが、今立ち上がった途端、丸で吸い寄せられる様にああなった。

 ×     ×

「暁美さん」
「ほむらでいいわ」

廊下でまどかに声を掛けられた時のこの反応も照れ隠し以外の何物でもなかった。

「鹿目まどか」
「は、はいっ」

小耳に挟んだ名字と共に呼びかける。
これも、名前を許した事への交換メッセージ、に過ぎない筈だった。

「あなた、家族や友達のこと、大切だと思ってる?」

口をついて出た言葉。
それは、本来は、かつて努力に努力を重ねて来た常々の自分への問いかけ。
そして今は、目の前の少女の芯に見えるものに不意に起こった好奇心。

>>5

「………もちろん、大切だと思ってるよ?
家族も友達も、みんな大好きだもん!」
「そう」

思った以上に真摯な返答に、ほむらは好感を持つ。
いい娘なのだな、と。
ほむらの視線がついと動き、まどかもそれに合わせる。

先ほどのショートカットの少女と、確か同じクラスにいたふわふわ髪の少女が
何か言い争う様な談笑する様な曖昧さでじゃれ合い、
その背景で一人の男子生徒、こちらも同級生だった筈、彼が苦笑いを浮かべている。

「ふうん」

ほむらの反応に、まどかもくすっと笑みを浮かべる。
余りその方面に縁が無かったほむらにも分かる、
前方の少女二人が交わす眼差しの中の艶の様なものは。

「あれは、確か」
「うん、あっちのショートカットの娘がさやかちゃんでもう一人の娘が仁美ちゃん。
男の子が上条恭介君」
「まどかとは付き合いが古いのかしら?」

「うん、小学校の時からの付き合いで、
私がこっちに転校して来た時に最初に友達になったのがさやかちゃんで、
それで、仁美ちゃんや上条君とも」
「ふうん………いい娘なのね」
「うん」

まどかが応ずる。
やはり、素直な娘だ、何の駆け引きも不要だとそのまま理解できる。

>>6

「上条君、ヴァイオリンがすっごく上手で今までいくつも賞取って、
仁美ちゃんもあんなに美人でおしとやかで、上品なお嬢様だからすっごくモテモテなの。
さやかちゃんも可愛いし、
小学校の頃なら男の子にも負けないぐらい元気でスポーツも出来てね。
私なんか、何のとりえもないからなぁ」

「そんな事ないわ」

ほむらは、即座に否定していた。

「そう、かな?」
「ええ」

ほむらは本心からそう思っていた。その素直な、心の綺麗さに好感を抱いていた。
只、それを理論化するのは確かに難しい。
説明を求められる前に本人が一応納得してくれて助かった。

「ここが保健室だから」
「ありがとう、少し休めば大丈夫だと思うから」

養護教諭との話も穏当に片付き、ほむらはベッドに入る。
学校は違えどこの部屋、このベッドを定宿にしていたあの頃を思い出す。

生まれつき、心臓の血管に少なからず問題があった。
小さくない肉体、行動への制約は心も弱くした。
ほむらの治療のために惜しみなく尽力して来た両親の金銭的負担は、
子どもだったほむらが察する程に限界に近づいていた。

それが、宝くじの当選で大きく変わった。
当初は海外での移植も視野に入れて専門家を当たっていたが、 
Dr.HAZA……、Dr.KAZU……、Dr.ASA……他
担当医に恵まれたほむらの心臓は超難易度の手術で部分的に修復され、
ほむらの生活からそれまでの支障を雲散霧消させていた。

>>7

 ×     ×

回想する内に意識は途切れ、そして再び取り戻される。
何時限かの授業は、体育も含めてある程度予想通りの賞賛の中で終わった。
心臓の障害が実質的に完治した後、
勉強、スポーツ、ほむらは今まで心身ともに制約されていた事を貪る様に努力した。
客観的な情報分析として、何時の間にか周囲の評判は才色兼備のスーパー美少女と言う事になっていた。

かつて、乱暴な男の子に小動物の様に怯えていたほむらを両親が慮り、
ほむらは両親が探してくれた医大のある女子大の付属校に通っていた。
しかし、今なら大丈夫だろうと、両親の引っ越しを機にそのまま共学の見滝原中学で
より普通の学校生活を取り戻す事に決めて現在に至り、そして、それは今も続く伝説。

ほむら自身が言ってしまうと大げさ以外の何物でもないが、
実際に自分の事が伝説になりつつあると、
主に美樹さやかの声を耳にしながら暁美ほむらは情勢を分析していた。

「ほむらちゃん」
「まどか?」

放課後、HRを終えて立ち上がろうとした辺りで、
ほむらはまどかに声を掛けられていた。

「あの、体、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。心配かけてごめんなさい」
「ううん。その、一緒に」

その言葉に、ほむらはふらりと吸い込まれそうになったが、
寸手で出踏みとどまり事実を告げる。

「ごめんなさい、今日は急いで帰らないといけないの」
「そうなんだ。じゃあ」
「うん」

残念ながらそれは事実だった。
今日中に父親の所にとんぼ返りする母親と待ち合わせて一つ二つ済ませなければならない事がある。
さしたる付き合いでもないのに、心の底から残念だと思っている、
そんな自分にほむらは気付いている。あの娘と友達になれたらいいなと。
下駄箱に向かった廊下で、ほむらはふと一組の女子生徒に気が付く。

>>8

「それじゃあ、材料を買って集合しましょう」
「オッケーパティシエ」
「楽しみですなー、いやいや頑張って手伝っちゃうよー」

どうやら、中心の女子生徒がケーキか何かを焼くと言う話らしい。
見た所上級生の様だが、実に楽しそうだ。
ふとそちらを見たほむらは、中心にいる先輩を見て心の底で「負けた」と感じる。
しかし、それは嫌な気分ではない、純粋に憧れる。

ぱっと見て目を引く美貌に軽くカールのかかった後ろ髪、
そして、制服の上からでも分かるスタイルの良さはどこか西洋人形を思わせる。
一見していかにも少女っぽく華奢なほむらとしては、年頃の女の子として羨むところだ。

ふと、その先輩と目が合い、先輩はほむらににこりと微笑みを向けた。
ほむらはぺこりと頭を下げて改めて思う、かなわない、と。

長い黒髪も相まって、クール美少女で通っている美貌にも振る舞いにも、ほむらは多少の誇りは持っている。
かつては何事も自信なさげに、実際に自信が無くて縮こまってばかりだったが、
体の回復でメキメキ実力を伸ばしてからは、長い病院生活その他による状況への不慣れも相まって、
同級生からも一部の悪意と敬意を受ける事が勝っていた。

もう少しフレンドリーに、と言う思いもないではなかったが、
今ではそれが自然ならまあいいかと言うぐらいの気持ちだ。
そして、自分にはないものに憧れる。

先輩の微笑みは温かで、お姉さんと言うイメージそのままだった。
暁美ほむらは未だ知らない、
程なく、自分が邪気の無い大爆笑の対象になると言う事を。

>>9

作者より
第一回投下後書き

Happy Merry Xmas

いかがお過ごしでしたか?

一説によると二次書きとして相当にヤバイ領域とも聞き及ぶ地雷原なクロスに突入した様ですが、
まあ、ぼちぼちやらせてもらいます。
書いてても確かにそうだろうなとは思いますし。

しかも、私の場合、本来は相当にプロットから練りに練って始めるタイプなのですが、
今回に関してはもちろんおよその事は決めていても正直珍しくストックが余りありません。

個人的な事情と気分的にと言いますか、
今年中、年末は年末でもその大詰を前に
触りだけでも始めておきたくてスタートしたと言うのが実際の所です。

まあ、色々言い訳になりましたが、
今の所は沈没しない様に細々とでも、無論、面白いものを、と、気構えだけは持って。
今年は後何度お会いできるか分かりませんが、

今回はここまでです。
続きは折を見て。

マジかよクソだなその作者



やり取り見てないから真偽は分からないしここの作者かどうかは知らんけど

>>80
ほい

846 名前:ほむnoたて◆lsEbMHwItw [saga] :2014/12/19(金) 14:35:11.42 ID:7mijeKmm0
ほむら「清丸国秀?」

ほむら「清丸国秀?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402376833/)

完結しました。
細かいリクエストは特にありません、批評お願いします。

848 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] :2014/12/29(月) 10:23:42.80 ID:5XcgYk1jo
>>846
藁の楯未見(あらすじは確認済み)

特に要望はなし だって清丸をリンチしたかっただけだろ?
できてよかったじゃないか
あと、完結した作品であることは褒める

突っ込みどころ

・これはクロス「×」ではなくて「k」
交わるのではなく一方が他方の話をへし折っただけ
ハリーポッターで例えるならヴォルデモートが攻めてきたときに突如ゴジラとモスラが
現れて喧嘩になり、たまたま足元にいたヴォルデモートを踏み潰しホグワーツを崩壊させて
満足して帰っていったようなもの
ハリーの七年にわたる学園生活の帰結が「やっぱりゴジラいいよねー」でいいのか

・軒並みひどい扱いの登場人物
四方八方から刺客が来る状況で、むしろ殺されてしまえばいいような護送対象のクズ清丸を
任務に忠実に、ストイックに体を張って守る銘苅――はここにはいない
いるのは小娘に一蹴されて任務を切り上げてしまった無様な男だけ
ついでに、刺客に気づくのはいつだって歴戦のSPたちではなくほむら
まあ女性SPがいるのにほむらの身体検査スルーする連中が有能であるわけがない
時計型銃じゃないけど麻酔で眠らされる銘苅とか、もう締めに「暁美ほむら、魔法少女さ」と
言わないのが不思議な活躍ぶり
山場になるはずの魔法少女たちの襲撃を待たずして護送メンバーは全員ドロップアウト(!)
ゲストの意向でレギュラー全員降板なんて大英断だな!
ほむらは手の平を返して清丸をリンチ、あえて問うけど
「この話の清丸ってほむらに半殺しにされるようなこと何かした?」
嫌いなキャラを掲示板でひどい目にあわせるのは結構だけど、そのために手を汚される
キャラもいるんだぜ
手を汚すのももっともだと思わせてくれないと、異世界から来た暴力少女以外の何者でもない
この展開は誰得なのかよくわからない 誰も止めなかった魔法少女たちが寒々しい

・話の展開が破綻
新幹線に乗り換えたのに居場所がばれてる!内通者が発信機を埋め込んでいるせいだった、
という流れから、発信機の助けもなくいともたやすく清丸のもとに到達する魔法少女たち
予知能力持ちはそういうものだろう、けれど黄色や青はどうやって追いついた?
キヨマルサイトってまさか清丸が自分で更新しているのか?

・言行の不一致
妻に人を守るのが仕事と言われたのに護送をやめている銘苅
死人がそんなことを言うはずない、と自嘲しなかったね
「魔法少女は清丸事件に関わるものではない」と言いつつ地元を離れ追いかけてきたマミ
いつの間にか縄張りが大きくなっていたらしい
銘苅を尊敬すると言いつつやったことはリンチに爆弾使った脅迫のほむら
どこに敬意を払ってそんな行動に出たのかわからない
元病人が病院に爆弾を仕掛けるという粗さも悪い意味で邦画に通じるものがある

幸せな家族がいた             .__   
   ж´`⌒ヾж              .,r=== ヽ 
  (彡リハ从リ!))W жハヽж . ,r´= ヽ l!!ハノリ从!l 
   w(リ ‘ヮ‘ノリ  w(^ヮ^ノw  l(^ヮ^ ノl. リ(‘ヮ‘,リ.l|
    ミ_ノ    ミ、,,,,,,)  . !、_ミ   !、_ミ|从
     ″″                   ″″

しかしその家族はもういない                                              コホムチャン ハシャイジャッテ♪
                                                              オナカイッパイ タベヨウネ♪
ホムホムゥ♪ゴチソウヨ!                                           ホミュ♪タノチミ~♪    ,--‐― 、

コマドチャン!                                       .__ ⌒;;)       . ___     |`'v ,    l`'v^l
    , --‐―‐ 、  ミャロ~♪オイチソウ  ж´`⌒ヾж (⌒;;(⌒;;), ((⌒)  .,r=== ヽ ;;ジュウジュウ .r === ヽ.  .,/|〈ノハ/ハヽi|__X_ハ,
   /  「ニニニiヽ         (⌒(彡リハ从リ!))W жハヽж ,r´= ヽ  l!!ハノリ从!l  ;; ).     |ノリハ从リ!|  イノハ|| ハ ハ l |N,丶ゝ
   l i| |ノ/ノハノ))!  i>i<!´`⌒ヾ<i(⌒;.w(リ#゙;;o゙ノリ  w(;;゚q゙ノw l(゙-;;゙;; ノl. リ(X0;;゙,リ.l| ;; ).      N^ヮ^,,リ l|.  .Vvレ、'' ワ''ノNルハル`
   | (| | ┰ ┰| | .((( ノノリ从从ゝ.=y===ミ;;;;;ノ====ミ、;;;;;;)====!、;;;;;;ミ====!、;;;;ミ从====y=.   ⊂〉!央<|_|_!!    C{|l 丗 l|}つ

   | ハN、'''..▽''ノN  ゞ(リ,,^ヮ^ノリ. | | ,;从し;ノ从Jし;ノ从゚ (⌒,;从し;ノ从Jし;ノ从゚:::):::)  | |     ノノVVゝD .    .くvAWAv_ゝ
  ノノ /,}| {.介} l_つ   ⊂}li:i}つ  | |  ヾ;(;(;;'));;ノ;;):)ノ.;):)ノ;(;(;;'));;ノ;;):)ノ.;):)ノ     .| |      (__i__>        (__i__,)   
  ((バCく_/_l_j_,ゝリ   く(人人)ゝ  ^^   ノ'`/~''~゙`i;ヾ`゙;^^i`i;ヾ`゙;^`i;ヾ`゙;^;ヾヽ     ^^                       
      (__j__)       し'ノ


 ×     ×

「ふぁー、食った食った」

手伝い方々こちらの避難所に移っていた佐倉杏子が、
美味しい夕食を終えて体育館に長座して寛いでいた。

「あんだけ旨いってなると、御代わりなしってのがホント辛いわ」
「杏子がよく自制したね、偉い偉い」
「ったく、そんぐらいあたしだって場ぁ読むってーのっ」

杏子の頭を撫でるさやかとそれを避ける杏子を、
仲間達が生暖かく見守る。

「晩御飯、仕切ったのまどかのパパでしょ。
やっぱ流石だわ」
「只者じゃないわね」
「師匠だもの」
「ウェヒヒヒ………」

さやかの言葉にほむらとマミが続いていた。

「おう、まどかこっちにいたか」
「どうも、お借りしてます」

そこに現れた詢子に勝手知ったるさやかが調子を合わせ、
他の面々も頭を下げる。

「朗報だ」

詢子がにかっと笑った。

==============================

今回はここまでです>>427-1000
続きは折を見て。

それでは今回の投下、入ります。

==============================

 ×     ×

>>435

「いいお湯ぅー」

人でごった返してはいても、広い浴槽で熱い湯に浸かりながら
美樹さやかは歓喜の声を上げた。

「こういう銭湯ってあんまり来ないけど、いい気持ち」

寛ぐまどかの側で、ほむらも口に出さず同意していた。

「ほらほらゆまにモモ、混んでるから気を付けろよ」
「そうです、なぎさお姉さんについて来るのですはわわっ」
「ほらほら危ないわよなぎさちゃん」

なぎさが胸を張った途端に浴槽に伝わる複雑な振動にずっこけそうになり、
マミが抱き留めて受け止める。

「まろかー、ほむー」
「あら、タツヤ君」

呼びかけに応じてほむらが声を掛ける。

「混んでんだから走るんじゃねーぞ」

タツヤと共に洗い場側にいる詢子が、
タツヤの腕をしっかと握って言った。

「パパはまだ?」
「ああ、後片付け終わったら来るってさ」

そして、詢子がタツヤを抱き上げて共に浴槽に入る。


「よぉーっ、タツヤ君」
「きゃっきゃっ」

詢子に抱かれたまま幼馴染のお姉さんの美樹さやかに頭を撫でられ、
タツヤは上機嫌で応じる。

「ほむ、ほむっ」
「こんばんは、タツヤ君」

詢子の側でちょこちょこ動きながら接近していたタツヤを見つけ、
側にいたほむらが頭を撫でる。

「あら、暁美さんに、鹿目さんの弟さんだったかしら?」
「ああ、織莉子さんに呉さんも一緒で」
「当然だね」

ほむらと美国織莉子、呉キリカが言葉を交わし、
きゃーっと歓喜したタツヤにほむらが少々バランスを崩す。

「元気な子ね」

そのタツヤをひょいとキャッチして抱き留めた織莉子が言う。

「うーん、やっぱり面影があるかな」
「ティヒヒヒ」

タツヤの頬をつんつんつつきながら
タツヤとまどかを見比べるキリカにまどかが笑みを返す。

「ほらほら、あんまりよそ様に迷惑かけてんじゃねーぞ」
「みーまーみ、きゃっきゃっ」
「どうも」

詢子が近寄ってきて、
織莉子の側にいたマミがタツヤを受け取り詢子に引き渡す。


「いいお湯、こういう銭湯ってあんまり知らないですけど、
気持ちいいです」
「ま、たまには、って言ったらオヤジさんに悪いかな。
無事が確認出来たんで
今夜はボランティアって言うか男気で使わせてくれてんだから」

側で湯に浸かる形になったほむらと詢子が言葉を交わす。

「この辺りも結構激しかったと思うんですけど、
この銭湯よく無事でしたね」
「ああ、多少は調べが進んでるんだけど、
何か同じ地区でも結構ムラがあるらしいな。
激しくぶっ壊れてたり無傷だったり。
まあー、滅茶苦茶なスーパーセルではあったからな」

その理由に多少は心当たりのあるほむらも当然その事は黙っている。

 ×     ×

「美国は上がったな」
「あら」

浴槽を上がったほむらが、島カランの陰での独り言に気付いた。
そこには大小二人の人影が立っている。

「浅古さんに………妹さん?」
「ああ、暁美か」
「友達?」
「まあ、な」
「浅古小糸です、姉がお世話になっています」
「暁美ほむらです」

小巻の側にいた小糸がぺこりと頭を下げ、
ほむらも礼を返す。


「織莉子さんなら上がったみたいよ」
「ああ、そうか。まああれだ、状況が状況とは言え、
あいつと裸の付き合いってのもぞっとしないからね」

そう言って、小巻は浴槽へとすたすた歩き出す。

「お姉ちゃんもスタイルいい方だと思うんだけどなぁ」
「そうね、背も高いしモデル系かしらね」

それを見送りながら、小糸とほむらが言葉を交わす。

 ×     ×

「うーん」
「あら、美樹さやか?」

洗い場で腰かけていたほむらが、近くの唸り声に反応した。

「いや、こうして見ると本当に綺麗な髪してるね。
ちょっと羨ましいわ」
「そのさっぱりとしたショートカットが
いかにも美樹さやからしくていいと思うけど」

長い黒髪の泡をシャワーで流していたほむらと、
その側で腰を曲げて話しかけたさやかが言葉を交わす。

「あー、ボーイッシュなお転婆だって言いたい訳?」
「否定する程間違ってないわね」
「このっ」

「子どもの頃に公園で跳ね回るなんて、
私にとっては夢の又夢、だから羨ましい。
そんなだから、みんなに好かれてるのよ、
まどかにも、杏子にもそれに、
あなたが一番魅力的な女の子だって知ってる人にもね」

さやかは、黒曜石の様なほむらの瞳を見ていた。


「ったく、真顔で言うなよな」
「ごめんなさい。独り者は僻みっぽいものよ」

隣のカランの前にどかっと座ったさやかの側で、
ほむらが立ち上がりさらっと黒髪を払う。

「それじゃあ、あんたこそ彼氏でも見つけなよ。
スーパー美少女がもったいないって」
「考えておくわ」

 ×     ×

体を洗い終えて湯を上がった奏遥香は、
最後に壁に設置されたシャワーを浴びていた。

「あら」

そして、混雑した浴室を出ようと動き出した所で、見知った顔と出会った。

「暁美ほむらさん?」
「奏遥香さん、あなたもこちらに?」

「ええ、元々生徒会の仕事でこっちに来てたんだけど、
不意打ち過ぎるスーパーセルの変更で身動き取れなくなったから
近くの避難所に入れてもらって、そこでここの銭湯を教えてもらったの」

「そう。今回の件では手を貸してもらって、お礼を言っておくわ」
「受け取らせてもらうわ」

そして、遥香がその場を離れ、ほむらが動き出した所ではたと足を止める。
目の前のシャワーを、一人の女性が使っていた。
遥香と話している間に、するりと使用を始めたらしい。
その女性、美琴椿は体を洗い流すとほむらに小さく頭を下げ、その場を離れる。

ほむらは、どこかで見た様な、と小首を傾げる。
そして、掛け湯替わりにシャワーを浴びた。
シャワーを終えて洗い場に足を向けると、
先程の女性、美琴椿が奏遥香と連れ立って歩いているのが見えた。

(知り合い?………もしかしたら、最終決戦にいた人、じゃあホオズキの………)


「ああ、ごめんなさい」
「こちらこそ」

ほむらの視線の先で、美琴椿が鹿目詢子と接触しそうになり、遥香がちょっと身を交わす。
何時の間にか、先日ほむらが共闘した遥香のチームの面々もそこに集まり、
詢子に手を引かれたタツヤがその様子を見上げていた。
取り敢えず、双方頭を下げて別れ別れになり、
ほむらは連れ立って動く椿達を目で追ったが、混雑がその追跡を妨げる。
ほむらは、掛け湯もした事だし浴槽へと移動する。

「どうも」
「こんばんは」

ほむらが湯の中で小さく頭を下げ、
にっこり笑った早乙女和子教諭が洗い場から浴槽に足を入れる。

「さっき、詢子………鹿目さんのお母さんにも会った。
全員は確認できないけど、
暁美さんのいつものグループは無事みたいね」
「お蔭様で」

和子がほむらの隣で湯に浸かり、言葉を交わす。

「出来るだけ情報集めたけど、今の所死んだ人や大きな怪我人は聞かない、
あれだけの嵐だから予断は許さないけど、それが何よりよ」
「そうですね」
「暁美さんも、一人暮らしの筈だけど親御さんは?」

「連絡は取っています。
今は危ないからこっちには来ない様に釘を刺しました」
「そう。でも、少し落ち着いたら色々とあるでしょう。
困った事があったら先生にも相談して頂戴」
「はい」

至って真面目に教師らしい事を言われ、ほむらも真面目に応じていた。


 ×     ×

「キャッキャッ」
「待ぁてこらあっ」

杏子が、叫び声を上げながらきょろきょろと周囲を見回す。

「タツヤッ!!」

詢子の一喝に、タツヤの足がぴたりと止まった。

「危ないから走り回るなって、あんだけ言ったよな」
「ごめんなさい………」
「お前らも、見たとこタツヤよりお姉ちゃんだろうが」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさいっ、こらお前らっ」

そこに、杏子が割って入った。

「妹か?」
「はい。妹とその友達で。お前らぁ」
「そうか。まどかの友達だったか?」
「は、はい、確かまどかのお母さんで」
「ああ。名前は?」

「佐倉杏子、それに妹のモモと千歳ゆま」
「佐倉モモです。ごめんなさい」
「千歳ゆまです、ごめんなさい………」
「そうか」

しゃがんだ詢子がゆまと、モモの頬に手を当てた。

「ごめんなさい出来るんなら、
あんまりお姉ちゃんに迷惑かけるなよいい子なんだから」
「「はーい」」

「杏子ちゃん、この子らあたしに預けてまどからと帰って来ないか?」
「え?」
「いや、避難所でちょっと見てたけど杏子ちゃん、
避難所来てから子守りでかかりきりだろ。
あたしで良かったら、ちょっと友達と一緒にいたらいいんじゃないか?」


 ×     ×

「いいお湯だったぁー」

銭湯を出たさやかが、路上でうーんと伸びをする。
その側では、まどか、ほむらとマミ、なぎさが連れ立って歩いている。
そして、さやかはふと星空を見上げた。

「おーっ」

そのさやかの背後から、いつもの如く杏子が絡みつく。

「やっぱ坊やの事が心配か?
お嬢と一緒に病院において来た」
「そうね」

にししっと笑った杏子にほむらが続いた。

「本当だったらこの辺で、
赤い手ぬぐいを首に巻いて一緒に歩きたい所だものね」
「杏子、ほむらっ!」

杏子がさやかに追い回され、ほむらがふふっと笑みを浮かべる。

「ったく、ガールズトークでいじり倒すキャラだったっけ転校生?」
「又、そのタグに戻ったのね美樹さやか」
「ウェヒヒヒ………」

にこやかにバチバチ火花を散らす二人の間で、
双方の親友である鹿目まどかがこめかみに汗を浮かべる。

「あら」

マミが何かに気づいた様だ。

「あ、先生」

まどかが言い、その視線の先を追うと、確かに早乙女和子がてくてくと歩いていた。

「せんせ………」

手を上げて声を掛けようとしたさやかが、途中でそれをやめた。


「かぁぁずこぉぉぉーーーーーーーーーっっっっっっっっっ!!!!!」

総員、思わず変身しかけた程の迫力で、
地響き土煙を立てる勢いで叫びながら突撃して来る男がいた。

「あら、あなた………」

和子が口を開いた時には、ガシッと抱き締められていた。

「出張じゃなかったの?」
「大急ぎで終わらせて戻って来たんだ、
ニュースで見滝原が大変な事になってるって。
無事だったんだね和子」
「ええ、お陰様で。有難う」
「そうか、良かった………よしっ!」
「?」
「この際だ、前々から考えてたけど、決心がついた」

和子の目は、目の前で開かれた小箱の中で、
復活した街灯に僅かに反射する小さな輝きに目を奪われていた。

程なく、見滝原を見下ろす丘の上では、
巴マミが天に向けて十連ティロ・フィナーレを連射し暁美ほむらが弾帯を一本撃ち尽くし
百江なぎさのシャボン玉を背景に美樹さやかと佐倉杏子が剣舞槍舞を一曲披露し
鹿目まどかが放った矢が無数の光となって天から降り注いでいた。

 ×     ×

ほむらは、まどかやマミ、なぎさ、さやか杏子と、
見知った親水公園を歩いていた。
無論、設備自体はスーパーセルの影響で普段通りと言う訳にはいかないが。

「壊れてる所は壊れてるけど、
後何日もしない内に基本的な機能は回復しそうね」

ちょっと街を見て回り、それ以前に情報も収集していた巴マミが言った。

「じゃあ、あたしも明日辺り風見野に帰れるかな」

杏子が言う。


「まあー、壊れてる所も色々あるけど、
ここの面子は大体自宅も大丈夫っぽいしね」
「念のため、検査が終わり次第って所かしら」

さやかの言葉にほむらが続いた。

「ま、ワルプルギスの夜っつったって、
あたしらにかかったらあんなモンだってーの」
「こらこら、油断は禁物よ」
「又、反省会?」

杏子の軽口をマミが窘め、
杏子がにっと笑った。

「そうね、落ち着いたら今回の反省会ね。
いっぱい疲れたし、
カモミールティーに、エキアセナを用意しましょう」
「えー、酸っぱいのはやだなぁ」
「杏子の味覚はお子ちゃまだなぁー」
「何をーっ?」

さやかと杏子が互いを追い回すのを、ほむらは微笑ましく見ていた。

「おっ」

足を止めたさやかが言い、スリップした杏子が水路に突っ込みそうになる。

「いいねいいね、その笑顔。
やっぱりその大人な微笑でいい男見つけなよほむらぁー」
「そうね。じゃあ早速最高品質のスマイル引っ提げて
志筑さんと一緒に救助されたクラスメイトのお見舞いでもさせてもらおうかしら」
「よろしい、ならば戦争だ」
「ウェヒッ!?」

ニカッと笑ったさやかが、後ろからまどかを抱き上げた。

「それじゃあ、まどかはあたしの嫁になるのだぁーっ」
「ち、ちょっとさやかちゃんっ!?」
「オーケー美樹さやか、体育館に戻ったら裏口直行しなさい」

わいわいと騒がしい仲間達を、巴マミはくすくす笑って眺めていた。


 ×     ×

「周り、誰もいないわね」
「知らない人からしたら不謹慎ものだからね」

見滝原中学校の前で、寄り集まったほむらやさやか等が言った。
ほむら達が命懸けで守ったもの、その象徴の一つ。
その門前でなぎさを含め見慣れた面子がちょっとはしゃぎ気味に動き回っている。

楽しいなあ、と暁美ほむらは思った。
ワルプルギスの夜との決戦はギリギリの勝負だったし、
魔獣との戦いは決して楽なものではない、命の危険に晒される事だってある。
魔法少女である以上、或いはそうでなくても、
きっとこれからも大小様々な、時には命に関わる戦いの日々は続くのだろう。

それでも、こんなに頼もしい仲間達がいる。
親友と呼べる友達がいて頼もしい仲間がいて親しみも含めて憧れるに値する先輩がいる。
大切な家族がいていちいちカテゴライズしなくても大勢の大切な人達がいて
そんなみんなが住む自分も住む大切な街があって。
だからこそ、暁美ほむらは戦い続ける事が出来る。

明日も明後日も明々後日も、決して甘いばかりではなくとも、仲間達と支え合い大切なものを守る戦い。
そして、本当は些細な事も楽しくて愛おしくてたまらない日常。
こんなにも楽しい日々が続いてくれるんだろうなあと、暁美ほむらは本当に心の底からそう思う。

「さあさあ、ほむらも澄ましてないで」
「はいはい」

巴マミ以下六人衆が、学校をバックに三脚に設置したデジカメの前に集合する。

「はい、チーズ」

さて、全国幾千万の暁美ほむらの観測者達よ、御覧じよ。
暁美ほむらの斯様な笑顔を見た者があっただろうか。
ここは、黄金の笑顔に埋め尽くされた
幸せに満ち足りた、世界。

ほむら「幸せに満ち足りた、世界」
第一部
-了-

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後書き

まずはここまで、ご愛読ありがとうございました。

後書き、と言う程のものも無いのですが、
展開上ここまでを第一部とした方が良さそうなので、
つまりそういう事ですと言うお断りを。

第二部以降に関しては、それなりにプロットの用意等は出来ていますので
遠からず投下を開始できる予定です。

それではひとまず、
ほむら「幸せに満ち足りた、世界」
第一部 終幕です。
重ねてここまでのご愛読、有難うございました。

第二部は近々開始、の予定です、多分。

と、言うか、理論的には
同じ事を繰り返しているだけの後書きになってしまいましたが………

今回はここまでです>>438-1000
続きは折を見て。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月03日 (金) 20:53:57   ID: Cp690nxp

ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2(まど☆マギ×禁書)
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=285571

次スレあるから貼っといた

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