あやめ「ここがあやめの部屋です」みく「お邪魔しますにゃ」 (12)


あやめ「何も無い部屋ですが、ごゆるりとお寛ぎください」

みく「ダウト。何も無いは嘘だよ、どう見ても」

蘭子「闇に紛れし殺意……此処までとは…」(部屋中忍者グッズだらけ……こんなにあるなんて…)

みく「それでいて整理整頓が行き届いてて、煩雑さを感じさせない……見習いたいレイアウトだにゃ……」

あやめ「前日に大慌てで片付けて正解でしたね」

みく「そういうこと言う子に限って、普段から掃除をしてるものだけどにゃあ」

あやめ「いやはや、罠の解除には手間取りました。精進せねば」

みく「無理にボケなくていいから。……ボケだよね?」



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みく「それにしても、本当に忍者グッズだらけだにゃあ」

あやめ「童の頃から収集しておりましたので。ここにある忍具を使えば、大抵の任はこなせますよ」

みく「平成の世に忍具で大抵の任をこなせたら、それはもう本物の忍者だと思うけど……」

蘭子「わあ……! 鎖鎌だぁ……!」

みく「こっちはこっちで眼の色輝かせて……しかも鎖鎌って……」

あやめ「鎖分銅を外せばただの鎌ですので、身分を隠し暗躍する忍の武装としては評価が高いのですが……」

蘭子「……え? ……続けるが良い、影なる者よ」(……え? ですがって……どういうこと?)

あやめ「残念ながら、鎖鎌が忍具の括りにあるのは後世の創作による部分が大きいです。いえ、優秀な武器ではあるのですが、如何せん音が鳴りますので」

蘭子「な、なんたる……! な、ならば真に優れた爪牙とは如何なる物か!」(そんなぁ……! じゃあ、あやめちゃんのお勧め忍具を教えて!)

あやめ「真に優れた……となれば、やはり忍者刀でしょうね」

蘭子「忍者刀? 刀が断片程度に、如何な異能が隠されているというの?」(忍者刀? それって、普通の日本刀と何が違うの?)

あやめ「ふふっ、蘭子殿……良い質問ですね」

みく「………二人とも活き活きしてるにゃあ…。目がキラッキラしてて眩しいにゃあ…」


あやめ「忍者刀……これは模擬刀ですが、実際に見ていただいた方が速いかと。先ず一般的な刀に比べて、反りが極端に少ないのです」

蘭子「反り……成程…」

みく「この話、みくが聞いてる意味ってあるのかにゃあ……」

あやめ「当然反りが劣る分、切断力も劣るのですが……忍者とは忍んでこそ、刺殺が出来れば十分であり、ならば求めるのは頑丈さです」

蘭子「一を極めるよりも、全を網羅することを選び取ったのね……」(一つに特化するんじゃ無くて、汎用性を重視したのかな……)

あやめ「如何にも。あるときは地に突き立て鍔を踏み台に、またある時は鞘を潜水の息継ぎにと……これ一本であらゆる局面に対処できる優れもの!」

みく「突然セールストークみたいになったにゃ……」

蘭子「然し、巨万の富を積まねば掴むことさえ叶わぬ夢……」(でも、お高いんでしょう……?)

みく「あれ? これコントなの? コントだったの?」


―――――
―――



みく「………あやめチャーン? 起きてるかにゃあ……?」

あやめ「……zzz」

蘭子「……混沌の世に訪れた、一時の静寂……耐えよ…我が血肉…」(……やっと寝静まったね……私も…そろそろ限界…)

みく「……頑張るにゃ…みくだって眠いけど、本番はここからにゃ……」

蘭子「影忍ぶ者……語る狂言は刻限さえ霞ませる魔性……」(あやめちゃんの話が面白くって……つい夜更かししちゃったね…)

みく「いや、ごめん……みくは忍者でも厨二病でもないから、特には……。ただのツッコミ役だったにゃ……」

蘭子「……呪われし因果より、解き放たれた祝福……心せよ、迷える子羊…」(……あやめちゃんへのプレゼント……置く時は気を付けてね…)

みく「……気を付けるって……起こさないように?」

蘭子「……深淵を覗くとき、深淵もまた此方を覗くわ…」(……不用意に近づけば、あやめちゃんが気配を察知する可能性も…)

みく「…………あやめチャンの話を聞く限りでは、その可能性は薄そうだけどにゃあ……。まあ、それなりに気配を消して行くよ。猫足にゃ」

あやめ「……zzz」

みく「にゃっはっは……! その可愛い寝顔を、サンタリアリティショックで笑顔に歪めてやるにゃあ……!」

あやめ「………―――! 何奴っ!」ガシッ

蘭子「え?」

みく「えっ」


みく「アイエエエ!?……って、ちょっ、痛っ! 腕! あやめチャン、腕を離すにゃ!」

あやめ「ま、前川殿……? …ああっ! 申し訳ありません!」パッ

蘭子「わ、わわ我が魔力にきき気付くとは……あああ貴方もこここ此方側の……」(あわわわわ……あわわわわ……)

みく「抜かったにゃ……! あやめチャンが本当に忍者並の知覚能力の持ち主だっていう展開は、完全に予想外だよ……!」

あやめ「並外れた悪意を感じたものですから……前川殿と蘭子殿を守らねば、と思い……!」

みく「こ、心が痛いにゃ……! けど別に、みくに悪気は無かったよ! むしろ笑顔にするつもりだったよ!」

あやめ「今夜はクリスマス……サンタクロースの襲来に備えていたため、つい反射的に……!」

みく「この子の枕元にプレゼントを置いていけるあやめチャンのご両親は何者なのかにゃあ……」

あやめ「え? 両親?」

みく「あっ、ヤバいにゃ」

蘭子「ちょっ、猫!? うつけが!」(ちょっ、みくちゃん!? 駄目だよ!)

あやめ「両親が……サンタクロースと関係しているのですか…!? 此ればかりは聞き捨てなりません!」

みく「どうしてにゃ!? な、なんと言われようが、みくはサンタさんの正体を教えるわけには……!」

あやめ「甲賀の手の者であるサンタクロースと両親が関わっているとなれば、あやめは事情を聞かねばなりません! もし脅迫でもされていたら……!」

みく「あー、ごめん。やっぱり教えるよ、サンタさんの正体」

―――――
―――


あやめ「そういうことだったのですか………クリスマスの朝、枕元に放置してあった数々の忍具は全て、クリスマスプレゼントだったのですね……」

みく「そうなるにゃあ……ごめんにゃ…夢壊しちゃって……」

あやめ「……サンタクロースは、忍者ではなかったのですね……」

みく「……やっぱりガッカリする部分はそこなんだ……」

蘭子「影が巡らす呪詛。逃れし太源もまた、即ち影……」(あやめちゃんの気配感知をスルーしてプレゼントを置けるお父さんは、もう忍者でもいいと思うけど……)

あやめ「となると、この小箱はお二人からのプレゼント……ということで宜しいのでしょうか」

みく「なんか恥ずかしいにゃあ……。ちなみに忍具じゃ無いから、気に入らないかもだけど……」

あやめ「とんでもありません! この気持ちを、何と言葉にしたらよいのか……友からの気遣い…これほど嬉しい贈り物がありますか!」

蘭子「禁忌の扉を開くが良い。一足早く、貴女の世界は終焉へ向かうわ」(せっかくだし、今開けてみて? クリスマス…には、ちょっと速いけど)

あやめ「開いて……良いのですね? では、失礼して。……――――…」


あやめ「これは…釵ですか!」

蘭子「闇よりも深き逢魔ヶ時、彩る天元はトワイライト…!」(夕闇をイメージした、黒・紫・赤のグラデーションなの!)

あやめ「なるほど! この色彩は夜明けですね! 明日のライブに向け、気も引き締まります!」

蘭子「…ぁぅぅ……ゅぅゃm」

みく「忍者のイメージにもピッタリだったし、普段から使えそうだから釵にしたにゃ」

あやめ「はい! 素敵な色合いで、大変気に入りました! 勝負所には必ずや、これを挿して参ります! いざとなったら武器にします!」

みく「なんでやねん。武器にしちゃダメにゃ」

蘭子「武器……! いざというときの……!」

みく「蘭子チャン、『その手があったか!』みたいな顔やめて? 嫌だよみく、凶器の出所がみく達のプレゼントなんて」

あやめ「あははっ、心配無用です。そもそも忍とは、直接戦闘を避けるものですので」

みく「そういう問題じゃ無かった気がするんだけどにゃあ……いざとなったら、って言ってたし……」


あやめ「しかし、目論見は達せましたね! 明日のライブに向け、あやめの士気は最高潮です!」

みく「そっか。そう言われると、上げたこっちも嬉しくなるにゃあ」

あやめ「しかし、前川殿と蘭子殿がプレゼントを頂けないというのは少し……。わたくしも、何かお返しをしたいのですが……」

みく「別に今すぐじゃ無くてもいいでしょ? これから先、いくらでも機会はあるにゃ」

あやめ「……それもそうですね。では、今回のところは借りが一つということで。何れ倍にしてお返ししますので、御覚悟!」

みく「覚悟が必要なの? まさか仇で返されるの……?」

あやめ「あははっ、まさか。 今は一先ず、明日のライブに向けて英気を養うとしましょうか」

みく「そうだにゃあ……明日は朝の4時起きだから…――」

蘭子「………愚かな者共よ…闇は既に、解放へと足を進めて……」(………あの…もう25日になっちゃったけど……)

みく「……………明日は朝の4時起きだから……4時間も寝れない…にゃあ……」

あやめ「い、急ぎましょう……! 急いで寝ましょう……!」

蘭子「性急は無益なる闘争しか生まぬ……!」(そこで焦っても、余計寝れないよー!)

みく「こんなことだろうと思ったにゃ……でもまあ、悪くない……かにゃあ?」







   おしまい

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