【艦これ】木曾「スキンシップをしてこない提督」 (125)

※艦隊これくしょんのSSです(初投稿)

※ごくたまに安価あり

※荒らし、批判等は極力避けてほしい

※R-18要素はあるかもしれない

※口調崩壊、キャラ崩壊もしてるかも

※誤字脱字があったり、駄文だったり
 以上のことを踏まえて、それでもOKな人はどうぞ↓
 暖かい目で見てくれるとうれしいです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419426357

注意:鎮守府の構造は独自解釈ですので。

 とある鎮守府のある日の朝。

軽巡洋艦寮のある一室の、窓にかけられたカーテンの隙間から朝日の光が差し込む。

??「んん…朝か…。」

 その部屋の艦娘は、ベッドの上で目を覚ました。

 彼女の名前は木曾。球磨型軽巡洋艦五番艦である。

木曾「さって、今日も一日頑張るか!」

 木曾は手早く寝間着から制服に着替え、右目にトレードマークの眼帯をつけ、

頭に白いベレー帽を被った。そして、隣の布団でまだ寝ている相部屋の少女に声をかけた。

木曾「おい起きろ、まるゆ。朝の点呼に遅刻するぞ。」

 まるゆ、と呼ばれた少女は眠そうに体を起こした。

まるゆ「…う~ん、木曾さんは早起きですね…」

 まるゆは最近陸軍から派遣されてきた潜水艦であり、この鎮守府に着任した日に自分の潜航能力を披露したが、

木曾から見れば"泳げない奴がおぼれているようにしか見えない"と不安に思い、まるゆの教育や海軍のノウハウを

教えるために一人部屋だった自分の部屋へ住まわせたのだ。

木曾「まぁ、俺は秘書艦だし、あのまま放っておいたらずっと寝ていそうだったから早めに起こしといたぜ。

   それに、陸軍とは勝手が違うから海軍に早く慣れてもらいたくてね。」

まるゆ「は~い…」

 まるゆは布団からもそもそと出てきて、のんびりと寝間着から提督使用の白いスクール水着に着替えた。

木曾(恥じらいはねぇのかな…?俺には真似できないね。)

 木曾はまるゆの白スク水姿を見て思った。

 この鎮守府にも他に潜水艦娘がいる。しかし、その潜水艦娘全員の制服は提督指定の紺のスクール水着である。

その制服を見るたびに、木曾は彼女たちに羞恥心というものはあるのかと毎回思っている。

木曾(っと、そんなことを考えている場合じゃなかった。)

 この鎮守府では、秘書艦は朝6時の点呼の前、朝5時半に提督の執務室に来るように言われている。

そして今は、木曾が秘書艦だった。今は5時20分。

木曾「じゃ、俺は執務室に行くから。お前は点呼に遅れるなよ?」

 木曾は早足に部屋を出て、提督の執務室へと向かった。

後ろからは、まだ眠そうなまるゆの「は~い…」という気の抜けた返事が聞こえた。

 他の艦娘の部屋からも、早起きな艦娘達の声が聞こえてくる。

 もうすぐ、この鎮守府の一日が始まる。

 ここまでは、どこにでもありそうな鎮守府の朝のやりとり。

 しかしこの鎮守府には、少し変わった提督がいるのである。

今日はここまで。

支援コメントありがとうございます。

ちなみにこのSSは短い(予定)

投下します。

今日は筆者の都合上、朝と夜の二段階で投下します。

 木曾は、提督の執務室の前に着いた。時間は5時25分。そしてノックを2回する。

??「どぞー。」

 中から気の抜けた男の声が聞こえた。

木曾「失礼する。」

 そう言って木曾は執務室に入った。

 ドアの正面には執務机と椅子がある。そして、その椅子には20代前半の男が座っていた。

彼がこの鎮守府の提督であり、唯一の男である。本当の名前は、誰も知らない。

提督「おはよう、木曾。今日も一日、秘書艦を頼む。」

木曾「おう、頼まれたぜ。」

 早速2人は、今日の予定の確認を済ます。

提督「あ~、今日第八鎮守府の提督と演習か…。あそこの艦隊強いんだよな…」

 この鎮守府では、週に2~3回の頻度でほかの鎮守府の艦隊と演習を行う。そして、この提督は他の鎮守府の

艦隊と何度も演習をしたことがあるが、その中でも第八鎮守府の艦隊に勝ったことは一度もなかった。

木曾「あそこの艦隊の強さは俺もよく分かっている。今回こそ勝てるように、艦隊を再編成したほうがいいぜ」

提督「そうだな。でも、お前は外さないぞ。お前の強さは、俺が一番よく分かってる」

木曾「言ってくれるぜ」

 そして、演習の話はそこまでにして、他の予定を確認していく。そんなことをしているうちに、時刻は5時50分

になっていた。

提督「そろそろ、運動場へ朝礼に行くか」

木曾「おう」

 そういって2人は、執務室を出た。


 鎮守府の朝礼は、鎮守府本館のそばの運動場で行われる。そこの朝礼台の前に、各寮ごとに艦娘が二列に並んで

待機していた。皆はまだ眠そうな表情をしていた。特に、軽巡洋艦寮の川内などは立ったまま寝ていた。

 朝礼の前に、各艦娘寮の代表が提督のところへ欠員等の報告をしてくる。

 駆逐艦娘寮代表の吹雪、軽巡洋艦寮代表の天龍が報告をしていく。ここまでは夜間遠征以外での欠員はいなかった。

秘書艦の木曾は、欠員の報告を記録していく。しかし、重巡洋艦娘寮代表の妙高が残念そうな表情で言った。

妙高「重巡洋艦娘寮代表妙高より報告。最上が発熱のために朝礼には参加できずとのこと。他の欠員は無しです。」

提督「ありゃ。後でお見舞いに行こうかな。」

 提督は心配そうな表情で言った。

 その後、戦艦娘寮代表の長門、潜水艦娘寮代表の伊168、特別艦娘寮代表の明石が報告をした。

木曾は、潜水艦娘寮報告の時、まるゆがちゃんと並んでいるのを見て、少し表情が緩んだ。

(まるゆは一応潜水艦なので、潜水艦娘達の後ろに並んでいるということで) 

 全艦娘寮の報告を聞いた後、提督は朝礼台に上った。

木曾「気を付けぇーッ!」

 秘書艦の木曾が号令をかける。全員が姿勢を正した。

木曾「敬礼!」

 全員がビシッと海軍式の敬礼をする。だが、まだ海軍になれていないあきつ丸は陸軍式の敬礼をしようとして、

海軍式の敬礼に直した。

提督「楽にしてくれ」

 提督がそう言うと、全員が休めの姿勢となった。

提督「皆おはよう。今日は一人発熱で休みということで少し残念だが、それ以外は全員揃っているということで、

   皆元気そうでなによりだ。今日も一日、皆頑張ってくれ。以上!」

 まるで小学校の朝礼のように薄い挨拶だが、これがこの提督の特徴だった。小難しいことが少し嫌いで、儀礼的な

事も少し苦手だった。そして、そんな提督を皆は信頼していた。無論、木曾もだ。

 提督が朝礼台から下りると、木曾がラジオをセッティングした。

木曾「体操の隊形に開け!」

 艦娘全員が他と間隔を空けた。そして、放送を流し、ラジオ体操を始めた。

 ラジオ体操が終わると、朝礼が終わる。そして、全員が食堂へ向かい、朝食を摂るのだ。

ちなみに提督は、自分の執務室で食べる。提督曰く、「自分がいると皆遠慮しちゃうだろ?だから、俺はいいのさ」

とのことだった。そのことに木曾は、少しモヤモヤしていた。

木曾(あいつと一緒に飯を食べたかったな…って、何を考えてるんだか)

まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」

 一緒に朝食を食べていたまるゆに聞かれ、木曾は慌てて答えた。

木曾「い、いや。なんでもない」

 木曾は、そんな風に提督と一緒にいたいという感情が前から何度も湧いていた。そして、木曾はその感情がどういう

ものなのかわからないフリをしていた。

木曾(わかってる。気づいてる。俺はアイツが…好きなんだ。)

 それは、提督の傍で秘書艦をし始めてから感じ始めていた。提督の傍にいればいるほど、提督という男の良さを知り、

同時にこの男の傍にいつまでもいたいという気持ちが湧いてきたのだ。

木曾(だけど、俺なんかが…無理だろうな)

 木曾は、自分の性格や容姿を考えて思った。およそ女の子のようではない話し方、物々しい右目の眼帯、

男勝りな性格。どれをとってもあの提督の好みとは思えない。

木曾(だから、告白なんてしてもフラれるだろうな…)

 木曾はそう思っていた。いや、そもそも「あの」提督のことだから、おそらく恋愛感情などというものは

ないだろうと確信していた。

 そう、ここの提督は、他の鎮守府の提督と違い、艦娘にセクハラを一切してこないのだ。

肉食系女子の金剛や陸奥、愛宕が誘惑してきても提督は一切動じず、冷静に対応してくる。

木曾(あいつ、まさかあの年で枯れてるのか?っつーか、そんなことより俺が提督のことを好きっていう感情を

   他の奴らにばれないようにしないと。そんなことになったら俺もう部屋から出られない…)

 特に姉妹艦の球磨や多摩、北上や大井にばれてしまったら絶対バカにされる。さらに青葉にバレて青葉タイムスの

記事にされたら恥ずかしさで死んでしまうだろう。

木曾(そんなことになったら、そんなことになったら…)

 木曾が一人うんうん唸っていると、まるゆが心配そうに尋ねた。

まるゆ「木曾さん、本当に大丈夫ですか?ご飯もあまり食べていないみたいだし…」

 木曾のお椀や皿にはまだご飯が多く残っていた。

木曾「あ、いや、なんでもない」

 そう言ってご飯を食べ始め、ふと時計を見た。時刻は7時50分。

木曾「ヤベッ!」

 秘書艦は、8時に執務室で準備をするように言われている。どうやら考えすぎて時間が経つのを

忘れてしまったようだ。

 木曾は急いでご飯を掻き込み、ごちそうさま!と急いで言って食器を返し、食堂を出て全速力で執務室へ向かった。

木曾(ま、優しいアイツのことだから多少遅れても許してくれるだろうな…?)

 木曾は少し顔を赤らめて執務室へ向かった。

木曾(これからあいつの傍にいられるから…少し嬉しいね///)

 ちなみに、この時の木曾とすれ違った鳳翔さんは後にこう語った。

鳳翔「あんなに乙女な顔をしていた木曾さんは初めて見ましたね。まるで恋する乙女のような…」

 8時5分に、木曾は執務室に駆け込んだ。

木曾「すまねぇ!少し遅れた!」

 提督は既に執務机で書類の整理をしていた。

提督「珍しいな、木曾が遅れるなんて。何かあったのか?」

 木曾には提督のことを考えていたなんて死んでも言えない。

木曾「いや、ちょとな…」

提督「ふ~ん、ま、いいか」

 提督は詳しく聞いてこなかった。

木曾「と、そんなことより、この後9時に夜間遠征組が返ってくるぜ。」

提督「おお、じゃ出迎えに行かないとな。だがその前に、8時半に夜間当直組の報告があるからな」

 8時半までは、2人は黙々と書類整理をしていた。そして8時半になると執務室のドアがノックされた。

提督「どぞー」

鈴谷「失礼しまーす」

 執務室に昨日の夜間当直組の鈴谷、足柄、長良、龍田が入ってきた。

ちなみに、姉妹艦にしないのは艦娘同士で仲良くなってもらおうという提督の計らい故だった。

(それでも仲良くなれない艦娘はいるが)

鈴谷「昨夜の夜間当直の報告!異常、不審者の目撃等は無し!」

足柄「ただ、軽巡洋艦寮の川内が『夜戦!夜戦!』とうるさいという不満が…」

提督「…あとで説教するか。ま、ご苦労さん。今日の出撃等は免除でいいから」

 そして、報告は終わり、夜間当直組は出ていった。その報告のあっけなさに木曾は不安になり、提督に聞いた。

木曾「あんな薄い感じでいいのか?」

提督「あれぐらいでいいんだ。あまり厳しくすると、艦娘達のストレスになり兼ねんからな」

 それから再び2人で書類仕事を黙々と再開する。

木曾(この静かな雰囲気もいいもんだな…)

 そして9時前になると、提督は立ち上がった。

提督「それじゃ、遠征組の出迎えに行きますか」

木曾「ああ」

 そして2人は執務室を出た。

 提督と木曾が波止場に着くと、水平線の向こう側に黒い人影がいくつも見えた。

提督「おーい!」

 提督が声を上げ手を振ると、黒い人影も手を振り返してきた。そして遠征組が波止場にやってきた。

遠征組の旗艦、祥鳳が報告をした。

祥鳳「報告します!祥鳳、瑞鳳、暁、響、雷、電。以上六名は夜間遠征より帰還しました!」

提督「ご苦労様。それで、結果はどうだった?」

 すると暁が一歩前に出た。

暁「大成功よ!資材がたくさん取れたわ!」

響「ついでに家具コインもいくつか見つかったよ」

提督「お、やった!」

 提督は駆逐艦娘達と一緒にはしゃいでいる。木曾はそれを見て、唇が少し緩んだ。

木曾(まったく、ガキみたいにはしゃいで…まぁそういうところも…って俺はぁぁぁ!!)

 木曾が頭をガシガシ掻いているのを見て、提督は聞いた。

提督「どうした、頭が痛いのか?」

木曾「うるせぇ、今ちょっと話しかけんな!///」

提督「…まぁ、無理すんな」

すると、暁が少しもじもじして言った。

暁「それでね提督、私たちは遠征で大成功したからレディーとしてご褒美が欲しいのよ。」

提督(レディーはご褒美など欲しがらないと思うが)

暁「それで、できれば…その…頭を撫でてほしいな、と思って…」

 暁以外の全員が、ちっともレディーっぽくないと思った。しかし、木曾はここで考えた。

木曾(こいつ、本当に頭を撫でるのか?)

 他の提督ならすぐに暁だけでなく他の皆の頭を撫でるだろうが、ここの提督はそうはいかなかった。

提督「…そんなことよりも、もっと実用性のあるものにしよう。」

 そして提督はポケットから財布を取り出し、中から数枚の紙を差し出した。

提督「ほら、間宮の無料券だ。これで、美味しいものを食べてこい。ほら、お前らにも」

 そう言って提督は全員に無料券を渡した。皆嬉しそうに受け取っていたが、暁だけがなぜかしょんぼりしていた。

だが提督は気づかない。

暁「…ありがとう、お礼はちゃんと言えるし」

木曾(やっぱりやってこないか)

 木曾はある程度こうなることを予測していた。この鎮守府には、提督からセクハラを受けた、ということを言った

娘は一人もいない。頭を撫でられたこともないのだという。せいぜい艦娘と接するのは、新しい艦娘が着任した時に

握手を交わすくらいだった。 

 すると、提督が木曾に聞いた。

提督「そういや、朝食の時、食堂に最上はいたか?」

木曾「へ?いや、いなかったと思うぞ」

提督「そうか…やっぱ熱で朝食は食えなかったか…。じゃ、粥でも作ってお見舞いに行くか。」

 提督はそう言って、本館の厨房へと向かった。

 提督は基本艦娘のことを第一に考えている。前に他の艦娘が病気になった時も提督はお見舞いをしていた。

ちなみに木曾は、一度も病気になったことがなかったので提督のお見舞いを受けたことはない。

木曾(いいなぁ、見舞い…)

 なんとか口に出すのを抑えて、頭を左右に振り、木曾は提督の後を着いていった。

午前はここまで。次の投下は夜にやる予定。

なんだかグダグダになったり、話がそれたりして申し訳ありません。

なんとか皆様の期待に応えられるように頑張ります。

※寝取られ、轟沈等の鬱展開はありません。

こんばんは。投下します。

沖ノ島海域が突破できない…

 木曾と提督は厨房で手早くお粥を作ると、慎重にお粥を持ちながら重巡洋艦寮の最上と三隈の部屋へと向かった。

部屋の前に着くと、提督はドアをノックした。

最上『…はい』

 ドアの向こうからは辛そうな最上の声が聞こえた。

提督「提督と木曾だ。見舞いに来たぞ。入っていいか?」

最上『…いいけど、そっちこそ風邪をひかないようにね?』

木曾「おう、安心しろ。提督は健康優良児だし、言っちゃあ何だが俺は結構丈夫なほうだぜ」

提督「勝手に人を健康優良児扱いすんな。俺だってインフルエンザにかかったことあるんだぞ」

 そう言って2人は部屋に入った。部屋の中はやけに暖かい。そして部屋にいたのは、布団で寝ていた最上だけで

三隈はいなかった。

提督「三隈は?」

最上「食堂で金剛型の皆とお茶会だって。こほっ」

 最上は布団の上で小さく咳き込んだ。

提督「大丈夫か?朝飯食べに来てなかったみたいだから、お粥作ってきたぞ。食えるようなら食べるか?」

最上「ホント?嬉しい、ありがと!」

 最上の目が突然キラキラと輝いた。それを見ていた木曾が、なんだかモヤッとした気分になった。

木曾(嫉妬か…この俺が…)

 そんな雰囲気の木曾に気づいてか気づかずか、最上はこんな提案をしてきた。

最上「あのさ、提督…。ボク、提督に食べさせてもらいたいなーって…」

提督「え?」

木曾「!」

 木曾は驚いた表情で提督と最上を交互に見た。というか、よくよく最上を見ていると、風邪をひいているせいか

何だか妙に色っぽい。

木曾(普通の男なら、最上にあーんをしてあげるついでに襲っちまうのだろうが…コイツはどうするか…)

 木曾の心配などまったく考えず提督は最上にお粥を食べさせ始めた。

提督「しょうがないな…ほれ、あーん」

最上「あーん♪」

 最上にあーんをしている提督を、木曾は横目に見た。そして、驚いた。

木曾(何…だと…?)

 提督の目からは、下心が一切感じられない。むしろ優しい目をしている。

木曾は、日々の戦闘からか物をよく見る目を持っている。そこから人の感情を読み取ることも少しはできる。

その純粋な瞳を見て、木曾は不気味な感覚を得た。

木曾(こいつ…本当に下心がないのか…?この年で…?)

 そんな木曾など構わず、最上は調子づいてか提督に更なる要求をする。

最上「ついでにさ、ボク汗かいちゃって、少しぬるぬるして気持ち悪いんだ。

   よかったら提督、拭いてくれないかな…?」

提督「木曾、頼む」

 即答した。

木曾(なにぃ!?あの誘惑を即拒否するだと…?)

 木曾は提督のわからなさについていけなくなる。木曾はさらなる謎の沼におぼれていく。

提督「木曾、聞いているのか?」

木曾「へっ!?あ、ああ」

 そう言うと提督は部屋を出た。木曾は最上からもらったタオルで、最上の体を拭いてあげた。

 ちなみに最上は、木曾に体を拭いてもらっている間、少し涙目だった。

 昼食を食べた後、木曾と提督は執務室で書類仕事を黙々とこなしていく。そして気づけば、第八鎮守府と

演習をする時刻が近づいていた。

提督「お、もうすぐ時間だな。木曾、準備してくれ」

木曾「わかった。じゃ、俺は一回部屋へ戻るぜ」

 この後の演習の編成は、昼食の時に発表されていた。そして、演習艦隊の旗艦は木曾だった。

木曾は部屋に行く道すがら、少し疑問に思っていた。

木曾(提督の奴、演習にするとなんで俺を旗艦にするんだ?)

 木曾は自分の部屋に着くと、壁に掛けてあった黒いマントを羽織り、剣を手に取った。秘書艦の仕事をしている

時は、邪魔になるのでマントを外していた。

 そして、演習用集合場所につくと、他の演習参加艦娘たちが集合していた。

提督「それじゃ、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹、演習頑張ってこい。相手を叩きのめしてやれ!」

皆「ハイ!」

 皆が演習場へ向けて出発し、最後に集合場所を出ようとする木曾の肩を提督がポンと叩いた。

提督「頑張れ、あともう少しだから。」

木曾「?…何だかわからないが、がんばってくるぜ」

 そう言って木曾は演習場へ向けて出発した。

 演習場は、鎮守府から北に1キロ離れた場所に、半径2キロにわたって広がっている。

両鎮守府の提督は、鎮守府の視聴覚室で演習の様子を観るのだ。演習の様子は、廃棄される予定だった水上偵察機を

明石が改造し、カメラを搭載できるようにしたもので撮影され、視聴覚室のスクリーンに生中継される。

 提督が視聴覚室に来ると、既に審査員の艦娘3人と第八鎮守府の提督が来ていた。階級は元帥。この鎮守府の提督

よりも階級が3つ上である。

第八鎮守府提督(以下、元帥)「やあ、提督」

提督「お久しぶりです。元帥殿」

 提督は自分の鎮守府の艦娘に対してはフランクだが、このように自分より立場が上な人に対しては敬語を使える人間

である。

提督「今回こそは、あなたの艦隊を撃破して見せますよ」

元帥「それは楽しみだね。ま、期待しているよ」

 実際のところ、提督の頭では、元帥の艦隊に勝つことは二の次だった。それよりも重要なことがある。

提督(この演習を終えれば、アレができるようになる。そして…)

 その提督の思考は、審査艦娘の一人、霧島の声によって途切れた。

霧島「お二方、席についてください」

提督「あ、ああ」

元帥「おっと、失礼」

 提督と元帥が席に着くと、霧島が言った。

霧島「これより、第六鎮守府と第八鎮守府の模擬戦闘演習を行います。

   第六鎮守府の艦隊は、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹の6名。
   
   第八鎮守府の艦隊は、大和、大鳳、長門、陸奥、青葉、赤城の6名。

   審査係は私霧島と、鳥海、大淀が担当します。」

提督(資材に余裕があるからって、ガチ勢過ぎるだろ…。青葉を編入したのは俺への気遣いのつもりか…?

   こっちには戦艦をホイホイ動かせるような資材はないんだぞ…クソ羨ましすぎる…)

 そんな恨みがましい視線を元帥に向けると、気づいた元帥がドヤ顔を向けてきた。

提督(まあ、いい。強ければ強いほどこちらに得がある)

※説明し忘れましたが、木曾がいる鎮守府は第六鎮守府(名目上)です。

霧島「両陣営、準備してください」

 霧島がマイクに向かって言うと、演習場の両陣営の艦娘が身構えた。撮影用の水上偵察機にスピーカーが設置されて

いて、それが鎮守府のマイクと繋がっているのだ。

提督(皆、頑張れ…!)

 提督は手を組んだ。元帥は余裕の表情を浮かべている。

元帥(それでは、お手並み拝見といこうか)

霧島「では、演習開始!」

 その瞬間、画面の中で両陣営の艦娘が激突した。

今日はここまで。

思ったより用事が長引いたせいであまり書けませんでした。すみません。

ちなみに、この戦闘シーンはカットで。(戦闘シーン書けないなんて言えない…)

ホントどうでもいいことですけど、一言だけ。

クリスマスなんてなかった

おはようございます。

投下します。

 演習開始から数時間後…。

霧島「制限時間になりました。これにて模擬戦闘演習を終了します。」

 霧島がマイクに向かって言うと、画面の中で戦っていた両陣営も動きを止めた。その後、霧島、鳥海、大淀が

少し話し合った。各陣営の損傷状態を確認し、どちらの勝利かを決めているのだ。

元帥「前より少し強くなったんじゃないか?」

 元帥は勝利を確信しているからか、提督に話しかける。

提督「そうでしょうかね?しかし、元帥殿もまだ衰えていないようですね」

元帥「当たり前だ。私の指揮能力をなめるなよ」

 この二人の会話はまたも霧島の声によって途切れた。

霧島「演習の結果を発表します。お二方、そして両陣営もお静かに」

 霧島がそう言うと、提督と元帥、そして演習場で励まし合っていた両陣営の艦娘も静かになった。

霧島「第六鎮守府の演習艦隊は、轟沈判定1、大破3、中破2。

   第八鎮守府の演習艦隊は、大破2、中破3、小破1。

   第六鎮守府の演習艦隊旗艦は中破、第八鎮守府の演習艦隊の旗艦も中破。

   しかし、第六鎮守府の演習艦隊の方が被害損傷は多いので、

   今回の演習は、第八鎮守府の勝利とします。勝利判定はBです。」

 提督は、「はぁ…」と小さな溜め息をついた。元帥はやはり表情が柔らかかったが、こう呟いた。

元帥「まさか…大和が大破するとはな…」

 提督はそんな元帥の言葉など無視して元帥に言った。

提督「元帥殿、本日は演習に付き合っていただきありがとうございます。この後、夜に食事会があるので、

   よろしければそちらの艦隊の皆さんもご一緒にご出席してください。」

元帥「そうか、じゃぁ参加させてもらおうかな。ついでで悪いんだが、少し寝かせてくれないか?

   朝が少し早かったもんでね」

提督「では、奥の仮眠室を使ってください」

 そう言うと、元帥は席を立ち、手を振って「また後で」と言いながら視聴覚室を出た。

提督「霧島、鳥海、大淀、ご苦労さん。演習場の皆に、帰還し次第シャワーを浴びるように言っといてくれ。

   第八鎮守府の演習艦隊の皆にもだ。」

霧島「はい、わかりました」

 霧島はマイクに向かって、さっき提督からの伝言を伝えた。その時、提督の業務用タブレットPCから

メールの着信音が聞こえた。提督はそのメールを確認すると目を見開いた。

提督「やっとか…」

 提督は、先に執務室に帰ることを審査係の3人に伝え、視聴覚室を出た。そして、執務室に着くと、目的のモノが

置いてあった。提督は、今夜話をつけることを決めた。

 第六鎮守府と第八鎮守府の演習艦隊は鎮守府に戻ると、すぐにシャワールームへ向かった。

演習では実弾を使わずペイント弾を使うので、洗えば簡単に落ちる。シャワールームの脱衣場で、轟沈判定を受けた

夕立は木曾に泣きついていた。

夕立「ふぇぇぇぇん、木曾さぁぁぁぁん!私、轟沈判定をうけたっぽい~!」

木曾「まぁ、大和の46センチ3連装を喰らえばな…。だが、旗艦の俺が長門からの一撃を喰らわなければ…」

 だが、今回木曾は自分が前の演習より少し強くなったように感じた。

木曾(俺の一撃が、大和を大破させただと…?やっぱり、アイツに励ましてもらったからかな…?)

 そんなことを考えながら制服を脱いで洗濯用の籠に置き、シャワールームに入っていった。

シャワールームはブースごとに仕切りで分けられている。

 木曾がシャワーを浴びていると、隣のブースに陸奥が入ってきてシャワーを浴び始めた。

陸奥「はぁ~、極楽極楽~♪」

木曾(陸奥なんてスタイルいいし、あっちの提督からセクハラなんて受けてるんだろうな…)

 たまりかねて、木曾は陸奥に聞いてみた。

木曾「陸奥さん、ちょっといいか?」

陸奥「何かしら?」

木曾「陸奥さんってさ…その、お前のとこの提督からさ、えっと、せ…セクハラとか受けたことあるか…?」

陸奥「へ?」

 陸奥は拍子抜けした声を上げた。木曾がそんなことを聞いてくるとは思わなかったのだろう。

しかし質問の内容が面白かったので、答えてあげることにした。

陸奥「そうねぇ~、週に2、3回の頻度でされるわねぇ~。主にお腹触られたり胸揉まれたり」

木曾「そんなことをそんなにされるのか!?」

 すると、木曾の声に驚いたのか、大和が声をかけてきた。

大和「ど、どうかなさったのですか!?」

木曾「あ、い、いや―」

陸奥「木曾ちゃんがね、私が元帥からセクハラされたことある?って聞いてきてね、答えてあげたらねぇ、

   ウブな木曾ちゃんが声を上げてね~」

木曾「おい、バカ!///」

 陸奥が調子に乗って説明してしまうと、木曾が恥ずかしそうに声を上げ、大和は顔を赤らめた。

大和「は、はぁ…まぁ、木曾さんも女の子ですから、そういうことに興味があるのはわかりますが…。

   ちなみに、私も恥ずかしながらセクハラを受けたことがあります…」

木曾「恥ずかしいなら自分から説明すんな!」

 そんなこんなであーだこーだ言い合っている3人を見ていた夕立は、

夕立「何々ー?なんの話してるのー?」

扶桑「あなたは聞かなくてもいいのよ?」

 扶桑に耳をふさがれていた。

大和「それより―」

 大和がそんな言い合いの中で真剣な表情になると、木曾は口をつぐんだ。

大和「演習の時、私を大破させた手管は見事でした。私を大破に追い込むとは、あなたもよほどの鍛錬を積んでいる

   のでしょうね。」

木曾「あ、ああ。どうも」

大和「またいつか、お手合わせ願いたいですね。今度は負けませんよ?」

木曾「ああ、俺もまたいつか戦いたいぜ」

 そう挨拶を交わすと、大和はシャワールームを出た。木曾は少し考えた。なぜ、自分のような軽巡洋艦が

大和のような超弩級戦艦を大破できたのか。

木曾(やっぱり試合前にアイツに励ましてもらったからか…)

陸奥「木曾ちゃ~ん、ピンクトークはもういいの~?」

木曾「もういいわ!」

 陸奥の一言で、木曾は思い出した。

木曾(向こうの提督は、艦娘達にセクハラをしているみたいだけど、こっちの提督がセクハラをしたという話は

   ここに着任してこの方一度も聞いたことがない…つまり…)

 木曾は、二つの最悪の結論を考え出した。

木曾(提督は、とっくに枯れたのか男色だったのか…)

 木曾は、泣きそうになった。

木曾(俺の好きだった提督は…)

妙高「木曾さん?大丈夫ですか?」

 さっきまで騒いでいたのに全く喋らず動かない木曾を見て、妙高が不安に思ったのだろう。

陸奥「木曾ちゃん?」

木曾「…いや、なんでもない」

 そう言うと、木曾はシャワールームを重い足取りで出ていった。

 妙高は頬に右手を当て心配そうに声を上げた。

妙高「木曾さん、どうしたのかしら…。演習ではあんなに活躍したのに…」

 陸奥は、顎にに手をやって少し考えて、閃いた。

陸奥「あ、そういうことか」

妙高「どうなさったのですか?」

 陸奥は、自分の推論を妙高に耳打ちした。

妙高「…なるほど、木曾さんも乙女なんですね…。はぁ、若いっていいですね」

陸奥「何言ってるんですか、妙高さんもまだ若いですよ?」

妙高「ありがとうございます。ですが、うちの三女はもう―」

陸奥「それ以上言ってはいけません」


 重巡洋艦寮の一室で、妙高型三番艦の足柄がクシャミをした。

足柄「クシュッ!」

 足柄の部屋に遊びに来ていた那智と、足柄と同室の羽黒が心配した。

那智「何だ風邪か?」

羽黒「気を付けてくださいね…?最上さんも風邪をこじらせてしまったようですし…」

足柄「いえ、違うわ。これはおそらく私に出会いを求めている男が私の噂話をしているのよ!」

2人「…………。」

 妹(姉)の超ポジティブな思考回路に、2人の艦娘は呆れるしかなかった。

 そして夜の食事会は、皆が話せるように立食形式だった。第六鎮守府の皆や、第八鎮守府の演習艦隊がわいわいと

食事を楽しんでいたが、木曾は部屋の隅にいて何も食べていなかった。シャワールームで出した結論から、ショックを

受けていたのだ。他の艦娘達が心配そうに声をかけても、木曾は「別に…」と答えるだけであった。親しいまるゆや、

同型艦の球磨や多摩にもこんな態度をとるので、まるゆは涙目、球磨と多摩は魚料理をやけ食いである。

 一方、提督は元帥と酒を飲みながら今日の演習について語り合っていた。戦術が甘いだの、あの時の機転は見事だった

だのと話し合っていると、話の内容は木曾のことになっていた。

元帥「しかし、今回のお前さんのところの木曾の活躍はすごかったよ。大和を大破させるとは、さすがに

   度肝を抜かれたよ。」

提督「いや、それは俺も驚きましたよ。普段は、戦艦相手でも中破が精いっぱいだったというのですから」

元帥「演習前に木曾に何かしたんじゃないのか?」

 提督は少し考えた。提督の記憶にあるのは、木曾の肩をたたいて「頑張れ」と言ったことしか覚えてない。

提督「いや、特には?」

元帥「そうか。だが、その木曾は何だかしょぼくれているようだぞ?」

 元帥に言われて、提督が木曾の方を見てみると、言った通り木曾の周りにはどんよりしたオーラが。

提督(今のうちに言っておくか…)

 そう考えた提督は、少し席を外させてもらうと木曾の方へと歩いて行った。そして、木曾がびっくりした表情を

浮かべると、提督は少し小声で言った。

提督「木曾、夜の点呼の後21:00に執務室に来てくれ。大事な話があるんだ」

木曾「…大事な話だと?」

 木曾は面食らったが、自分も提督に真意を聞きたいと思っていたところだったので、こう言った。

木曾「わかった。俺もお前に話があるところだったんだ」

提督「?わかった」

 そう言うと提督は元帥のところへと戻っていく道すがら考えていた。

提督(まさかあいつ、俺がなんで木曾に肩入れしているのか、その理由に気づいちまったのか…?)

 木曾は、少し何か食べようと考え、フライドポテトなどのサイドメニューを食べながら考えていた。

木曾(大事な話って何だ?…ま、まさか、俺はホモだったなんて言うつもりなのか?そうなったら俺がアイツを好き

   だっていうこの感情も全部無駄だってことに…)

 2人は勘違いを抱えながら食事会を過ごした。

いったん切ります。

再開します。突然切ってしまいすみません

 20時に食事会が終わると、第八鎮守府のメンバーは帰って行った。次に、20時15分に夜間遠征の千歳、千代田、

吹雪、白雪、初雪、深雪が遠征任務に出発した。そして、20時半に夜の点呼を行い、艦娘達は各自風呂に入って

後は21時に就寝となる。

 秘書艦の仕事も20時半で終了となる。しかし、木曾は21時に執務室に呼び出されていたので、それまでに木曾は

風呂を済ませておき、制服に着替えて執務室に行こうとする。が、そこでまるゆに声をかけられた。

まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」

木曾「あ、ああ。少し提督に呼ばれてな。多分戻るのは9時過ぎだから先に寝てていいぞ」

まるゆ「?はい、わかりました」

 まるゆは深く尋ねずに部屋へと戻っていった。それを見送ると、木曾は執務室へと歩みを進めた。

木曾(どうしよう…俺に話って何だ…?)

 そんな風に悶々と考えていると、気が付けば執務室の前にいた。

 木曾は深呼吸をし、ノックをする。

提督「どぞー」

 いつも通りの返事が聞こえてくる。しかし、今となっては木曾の不安を煽ることしかない。ちなみに、木曾の知る由

もないが、提督もこれからとても重要なことを伝えるので彼もすごい緊張している。

木曾「し、失礼する」

 木曾がガチガチになって部屋に入ってきた。

提督「…どうした、お前?」

木曾「な、なんでもにゃい!」

 思わず噛んでしまったが、提督も木曾も気づかない。それほど2人は緊張していた。

提督「そ、そうか。まぁ、まだ少し書類が残っているからそこに座っててくれ」

木曾「あ、だったら手伝うぜ」

提督「おお、すまないな」

 すると提督は書類を半分木曾に渡し、少しの間2人で書類仕事を片付ける。

 そして、21時15分。2人は仕事を終えた。

木曾「終わったぜ」

 そう言って自分の分の書類を提督に渡す。すると、丁度提督もすべての書類を片付けたようだった。

提督「ありがとな」

 そんな言葉を爽やかな笑顔で言われた。その笑顔に、木曾はドキッとした。

木曾(うぅ…だけど提督は…)

提督「さて、じゃあ早速話をしようと思うんだが…」

木曾「!」

 木曾は運命の宣告をされたような感覚になった。しかし、木曾はいまさら後戻りできない。だが、提督も重要な

話をするため、入室禁止の札を執務室のドアにかけた。

木曾(うわぁやべぇもう後戻りできねぇやっぱここで真意を聞くしかないのか!?)

 しかし、いざ聞くとなると、質問の内容が酷すぎるということに気づく。だがもう遅い。

木曾(やべぇこんなこと聞いて嫌われたらどうしよう!そしたら俺…沈むしかない…)

 提督は、木曾のうろたえっぷりを見て、先に木曾の話を聞いた方が木曾のためにもなるし、自分がリラックス

することもできるという結論に達した。

提督「…先に木曾の話を聞こう。かけてくれ」

 そういうと、木曾に応接用のソファに座るように勧めた。

木曾「あ、ああ!」
  (ええい、ままよ!)

 そう言って、木曾はソファにどすん、と座った。提督が向かい側にゆっくりと座るのを見て、木曾は切り出した。

木曾「先に言っとく、何を言っても笑うなよ?」

提督「あ、ああ」

木曾「それと、引くなよ!?」

提督「わ、わかったよ」

木曾「あ、それと―」

提督「もうさっさと話せよ!」

木曾「よし、言うぞ…?」

 木曾は全ての覚悟を決めて、こう言った。







木曾「………提督ってさ、ホモなの?」




提督「…はぁぁぁぁぁ!!?」

 提督は大声を上げた。そんなことを木曾に聞かれるとは思わなかった。

提督「んなわけねぇだろ!!」

木曾「何!違うのか!?」

提督「違ぇよ!俺の行動のどこにそんな要素があるんだよ!?」

木曾「だって提督、他の提督と違って俺たち艦娘にセクハラとかエロい事とかしてこねぇじゃねぇか!」

提督「!」

 提督はその一言で凍り付いた。

木曾「他の鎮守府の奴らと演習する度にその鎮守府の艦娘にセクハラされたことあるかって聞いたら、皆

   されたことあるって言うし!前に聞いた愛宕に俺らの提督はしたことないって言ったら、『それは

   あり得ないわねぇ』って言ってきたから!俺もう提督がホモなのかと思ってたよ!」

 木曾は声を荒げて語ると、提督がすごいヘコんでいるのに気付いた。

木曾「あ、すまねぇ…言い過ぎた」

提督「…そうか、まだ言ってなかったかな。俺がなんでお前たちにセクハラとかをしないのか」

木曾「え、理由があるのか?ホモとか枯れているとかそういう理由が」

提督「どっちでもねぇよ」

木曾「…よかったら、聞かせてくれねぇか?」

提督「木曾にならいいか…」

 そう言って提督は一呼吸置き、ソファに深く座りなおした。

提督「お前たち艦娘は日々、深海棲艦たちと戦っているよな。それはもうはぐれ部隊の雑魚連中から、海域中枢部の

   ボスまで。そして数々の戦闘で負傷し、終いには轟沈する奴らまでいる。俺は轟沈させた奴はいないが」

 木曾は黙って提督の話を真剣な表情で聞いている。さっきのホモだ何だという話は完全に忘れたようだ。

提督「だけど、俺はどうだ?」

木曾「?」

提督「お前たちのトップである『提督』は安全な鎮守府の執務室で、ただお前たちに命令を下すだけ。

   お前たちの痛みなんて知らず、自分は無傷だ。できることと言えば、執務室でお前らの成功を祈るか、

   帰ってきたお前たちにご褒美をあげたり褒めてやるくらいだ。朝に帰ってきた遠征部隊みたいにな。」

木曾「……」

提督「だから、多くの戦闘で負傷したり疲労して、およそ女の子らしい生活を送れないお前たちに、疲れも痛み

   も何も感じない俺みたいな『提督』がセクハラをするって言うのは少しおかしくないか?」

木曾「…そんな」

提督「おこがましいんだよ。俺みたいな安全地帯にいる奴が、戦いの中で傷ついたお前がさらに気づくようなことを

   するなんてのはな。だから、俺はお前たちにセクハラなんていうことはしない」

木曾「お前…そんなことを…」

提督「もちろん、世の中の全ての提督がセクハラばっかりしている野郎じゃないんだろう。

   でも、これだけは言える。お前らの『提督』はそんなことはしない。お前たちの痛み・苦しみをちゃんと

   理解しているつもりだ。感情的な面でな」

 提督は木曾をチラッと見た。すると、木曾は小刻みに震えていた。

提督(俺たち『提督』の実態を知って、怒りに震えているのか…。じゃ、こいつの話は無しだな…)

 そう言って提督は、手元の書類と『小さな箱』をチラッと見た。

 すると、木曾が震える声で呟いた。

木曾「…理解している『つもり』だと…?」

 提督は眉をひそめた。どうしてそんなところに疑問を思っているのか。すると、木曾は叫んだ。



木曾「ふざっけんな!お前が俺たちの痛みを実感してんだってことは知ってるんだよ!!」



提督「木曾…?」

 木曾は立ち上がり、提督の腕を掴んだ。

提督「おい、何するんだ!」

 木曾は提督の声を無視して、右手の手袋を脱がした。

 そして曝け出されたのは、包帯でグルグルに巻かれた右手だった。包帯からは血が滲み出ている。

提督「どうしてこれを知ってるんだ?」

木曾「前に俺らが港湾棲姫にボロ負けして帰ってきて、ここで報告した後、部屋から何かをドン、ドンって音が

   聞こえてきて、覗いてみたらお前が机を思いっきり何度も叩いてるのが見えて…」

 提督の机には凹みがある。木曾が港湾棲姫戦前に、この傷のことを聞いたら花瓶を落としたと提督は言っていた。

また、執務室の本棚には傷がついていた。木曾がそのことを聞くと、提督は転んで頭をぶつけたと説明していた。

そして、提督の頭には包帯が巻いてあった。

木曾「お前が、俺たちが負傷して帰ってくる度に、自分の体を傷つけて俺たちと同じ痛みを感じようとしていることに

   気づいたのはその港湾棲姫戦の時からだ。その後も、お前は自分の手にペンを突き刺したり、ナイフで自分の足

   を傷つけていたよな?」

提督「見られていたのか…」

木曾「だから、俺らと同じ痛みを味わおうとしているんだから、それだけで俺たちは十分だよ。お前が、俺たちのこと

   を理解しようとしているってだけで、俺たちは嬉しいよ。」

提督「……」

木曾「だから、俺はお前だけが安全地帯にいるなんて思わない。お前だけが楽をしているなんて思わない。そして、

   お前のことを恨んでもないし、怒ってもいない」

 そう言って、木曾は提督を抱きしめた。

木曾「…お前はもう十分俺たちの痛み・苦しみを理解しているよ。そして、ありがとう…。俺たちのことを

   理解しようとしてくれて…」

提督「……そうか、俺はお前たちのことを理解できたのか…?」

 そう呟いた提督の声は震えていた。木曾が顔を上げると、提督は涙目だった。

木曾「…泣きたいなら、泣いてもいいぜ。今ここには俺とお前しかない。俺の胸で泣いてもいいよ」

 そう言うと、提督は木曾の胸に顔を押し付けて泣き始めた。

提督「う、うぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

 提督は子供のように声を上げて泣きじゃくった。そんな提督を、木曾はさらに優しく抱きしめた。

木曾(本当に、ありがとう…)


ひとしきり泣いた後、提督は木曾の胸から顔を離した。提督の顔は涙と鼻水で濡れていて、眼は赤く充血している。

木曾は、提督の顔を拭いてあげた。

木曾「まさかお前があそこまで泣くとはな」

提督「…そうだな。あんなに泣いたのはガキの時にお袋に殴られた時以来だな」

 そんな冗談を言うと、木曾はクスッと笑った。すると提督は、思い出したように木曾に聞いた。

提督「そういえばお前、演習した相手の艦娘達に『セクハラされたことがあるか』を聞きまわっていたんだよな?」

木曾「ああ。それがどうした?」

提督「…ぶっちゃけ、お前多分その聞かれた艦娘から見れば相当変な奴に見られたんじゃないか?」

木曾「……あ」

提督「…まさか、考えたことがなかったのか?」

木曾「~~~~~~~~~!!///」

提督「おい待てやめろ!なぜ俺を殴る!!」

木曾「うるせぇ!とりあえず殴られろ!///」

 そんな感じで半ば八つ当たりで木曾に十数発殴られた。

 一通り殴った後、木曾は提督に聞いた。

木曾「そういえばお前も、俺に話があるんじゃないのか?」

提督「…ぐふっ、そ、そうだった…」

 そう言うと、提督は手元に置いてあった書類とタブレットPCを取り出した。書類には"最重要案件"と書いてある。

そして提督はタブレットPCの画面を木曾に見せた。

提督「これは、うちの艦隊全員のリストだ。個人の性能、装備品が載っている。そしてこれは、錬度の高い順に

   並んでいる。」

 一番上に載っているのは、レベル99の木曾だった。

提督「今日の演習で、お前の錬度(レベル)は上限の99になった。これ以上はいくら戦闘をしようが演習をしようが

   お前の錬度は上がらない」

木曾(まさか…)

 木曾は、提督は錬度が上がらなくなった自分を解体処分するのではないかと危惧した。しかし、提督もそんな残酷な

ことをしようとは微塵も思っていない。

提督「だが、例外もある」

木曾「?」

提督「ケッコンカッコカリというシステムがある。それは、錬度が上限99となった艦娘に指輪を渡すことで、艦娘の性能

   の制限を開放することだ」

木曾「結婚…(仮)…?まさか、お前…」

 そして、提督はそばに置いてあった小さい箱を開け、中の指輪を木曾に見せながら言った。




提督「木曾、カッコカリだが…俺と結婚してくれないか?」




 木曾は、提督が何を言っているのか一瞬わからなかった。

木曾「へ、え、お前、何言ってんだ…?」

提督「もう一度言う。カッコカリだが、俺と結婚してくれないか?」

 さっきと同じことを言われ、木曾は、自分の奥から熱いものが込み上げてくるのがわかった。

木曾「なんで、俺なんかに…」

提督「ぶっちゃけ言えば、俺、初めて会った時からお前のことが好きだったんだ。いわゆる一目ぼれってヤツだな…」

木曾「一目ぼれ…?俺のどこに…?」

提督「どこって言われると難しいんだが…その、勇ましさとか、強気な感じとかが…言わせんなはずかしい///」

木曾「そ、そっか…へへへ…」

 自分でもわからない笑いが口から出てきた。そこで木曾はこう返した。




木曾「実は、さ、俺もお前のことが好きだったんだよ」



提督「…は?」

木曾「さっき言ったように、お前は俺たち艦娘の痛みを理解しようとしてくれた。そしてお前は、誰よりも優しい男

   だっていうのは、お前の秘書艦としてお前の傍にいて気づいた。俺は、お前のそういうところが好きなんだ。」

提督「そんな、まさか…」

木曾「ああ、そのまさかだ。今日はっきりした。俺たちは、長い間両想いだったんだよ」

提督「…へっ」

 そう息を吐くと、提督は鼻の下を指でこすった。

提督「そうか、俺たちは互いに両想い、ね」

木曾「ああ。いいね、こういうの」

 2人の口から笑みがこぼれた。

提督「っていうことは、その、返事は…」

 木曾は、当たり前のように満面の笑みで言った。






木曾「おう、お前のプロポーズ、受け取るぜ!」





 その言葉を聞いて、提督はまた泣きそうになった。そして俯きながら言った。

提督「そっか、ありがとうな。本当にありがとうな…!こんな俺でもよろしく頼む…!」

木曾「こちらこそ。というか、男がそう何度も泣くなよ。ほら、顔を上げろ」

 提督はそう言われて顔を上げる。すると、両頬に木曾の手が添えられ…



木曾「んっ…」

提督「!」



 2人は口づけを交わした。

 数秒の間、唇を合わせた後、木曾はやっと唇を離した。そして、若干顔を赤らめて聞いた。

木曾「…どうだった?」

提督「…どうといわれても…な」

木曾「そっか…。ちなみに、キスをしたことは…?」

提督「あるわけねぇだろ…。お前が初めてだよ」

木曾「そっか…。お前の初めてがもらえてよかったぜ」

 そして木曾は挑むように言った。

木曾「なぁ…結婚したらその夜は…わかるよな?」

提督「……いいのか?」

木曾「…お前にされるなら」

 そういうと2人は、執務室の隣にある提督の私室へと向かった。

ここで一回切ります。再開予定時刻は21時過ぎの予定です。

ここで、このスレで唯一(かもしれない)の安価を取ります。

提督と木曾の夜戦、ゴーorカット?

↓3までで多数決

まさか全員ゴーとは…。少し予想外でした。

ここから先、更新が亀スピードになります。

皆さんの期待にこたえられるかどうか不安ですが、少しずつ投下していきます。

初SSで夜戦シーンを描くとは…

 提督の私室は少し殺風景だった。部屋の隅には本棚、中央に小さいテーブル、壁際にベッド。それだけである。

提督「木曾、本当にいいんだな?」

木曾「ああ、お前になら、本望だよ」

 提督は、「そうか」と呟くともう一度木曾と唇を交わした。

木曾「ん…っ」

 提督は、木曾の口の中に舌を入れた。ディープ・キスというヤツだ。

木曾「ん…?何が…っ!」

 木曾の体が少しだけ震えた。そして少しの間だけディープキスをした後、唇を離した。2人の口から唾液が糸を引く。

木曾は少し顔が赤くなっていた。

木曾「ハァ…ハァ…何をした?」

提督「ちょっと、大人なキスを」

 そして提督は木曾の眼帯を外そうとした。

木曾「ま、待て!せめて電気を消してから―」

提督「断る」

 木曾の懇願を却下して、提督は木曾の眼帯を静かに外した。

提督「へぇ…」

木曾「ジロジロ見るなよ…オッドアイなんて、気持ち悪いだろ…?」

 木曾の左目はモスグリーンだが、今曝け出された木曾の右目はレモンイエローだった。

提督「何言ってるんだ。すごい綺麗だぞ…」

木曾「そんな、綺麗なんて…そんなこと―」

 また愚痴りそうになった木曾の口をキスで塞ぐ。

木曾「んぐっ…ん…」

 少しの間キスをした後、提督は木曾のセーラー服を脱がしにかかる。

木曾「ま、待って、やっぱり電気を消して…」

提督「はいはいばんざーいしてー」

 木曾は提督に言われるがまま手を上げてしまう。すると、セーラー服の上着が脱がされた。

提督「驚いたな、普通に女の子っぽい下着だ」

 木曾がつけていたブラジャーは、スポーツブラかと思いきや、普通の水色のブラだった。

木曾「…意外か…?」

提督「ああ、お前のことだからスポーツブラとか、もしくはノーブラとか―」

木曾「フンッ!」

 木曾は提督のおでこに頭突きをした。

提督「お…お…痛ぇ…」

木曾「…脱がすんなら…早くしてくれないか…?恥ずかしいんだ」

提督「じゃ、お望み通りに」

 そう言うと、提督は木曾の背中に手を回し、ブラのホックを外した。提督が手を離すと、ブラが床に落ちた。

ブラに隠されていたのは少し控えめだが形のいい胸があった。そして、二つの胸の中心には既に硬くなっていた

ピンク色の乳首が。

木曾「ハァ…ハァ…」

 木曾は、少し声を荒げていた。自分の好きな人に見られているだけで、興奮してしまうのだ。

提督「もう勃起してる…まさか、キスだけで感じちゃった?」

木曾「……」

 提督のそんな質問に、木曾は目をそらした。そんな反応を見て、提督は木曾の乳首をペロッと舐めた。

木曾「っ…!」

 提督は右の乳首を指で弄りながら、左の乳首を舐めたり吸ったりする。

木曾「あ、んあっ、や、まてっ…」

 木曾が、喘ぎ声を我慢しているのに艶めかしい声が漏れているのを聞くと、提督の興奮も増す。

提督(そろそろ、こっちも…)

 そう言って提督は木曾のスカートに手をかけた。一応木曾に確認を取る。

提督「いいか?」

木曾「…ああ。」

 木曾の返事を聞いて、提督は木曾のスカートとパンツを脱がした。 

木曾「うぅ…」

 木曾の膣からは、少しだけ蜜が流れていて、毛は生えていなかった。木曾は顔を横へ向けた。

提督は、木曾の膣に顔を近づけた。少し息を吐く。

木曾「う、ん…息、吐くな…っ!」

 そして提督は舌で膣を一舐めした。

木曾「ああ、んん!」

 木曾がブルリ、と震えた。その反応が可愛くて、愛おしい。そう感じると提督は木曾の膣内に舌を入れる。

提督「ペロッ、ジュルルッ、ジュズズッ、クチュチュッ」

木曾「や、やめっ、そんなに、ひっ、舐めるな、っ!あン…っ」

 提督は、普段強気な木曾がこんな色っぽい喘ぎ声を出すせいで興奮が止まらない。そんな興奮が提督を掻き立てる。

そしてそれにつれて、提督の舌の動きも早くなる。

提督「ジュルルルッ、ンチュッ、チュゥゥゥゥッ、ジュブブッ!」

木曾「やめ、待って、ひあっ、もう、んんっ、イクぅ…ッ!」

 最後に提督が、クリトリスを甘噛みする。

木曾「もう、ダメ…っ!」

 そして、木曾はついに―

木曾「んあああああああああああっ!」

 絶頂に達した。それと同時に、膣口から潮が噴き出た。

木曾「あ…あう…」

 木曾はブルブルと震えながら提督に寄り掛かった。

提督「木曾、すげーエロかったよ…」

 すると、木曾は涙目で提督にこう言った。

木曾「はぁ、お前も、っ、気持ちよくさせてやる…!」

 そう言って木曾は提督の股間に手を置いた。

木曾「!」

 木曾の手には、提督のモノが硬くなっているのが衣服越しにわかった。

木曾「……っ!」

 木曾は意を決して、提督のベルトを外し、ズボンとパンツを脱がした。

すると、提督の男根が木曾の目の前に突き出された。

木曾(これが…提督の…)

 そして、木曾は提督の男根に手を添えて上下に動かし始めた。

提督「……っく!」

 提督が身じろぎをした。木曾は、自分のおかげで提督が気持ちよくなっていると思うと、少し嬉しかった。

そう思うと、木曾は上下に動かす速度を速める。今度は動かしている最中に手首を少し捻ったり、親指で亀頭を

撫でたりする。

提督「木曾、待って、速っ、くぉっ!」

 すると、提督の男根がプルプルと震え始めた。もうすぐ射精が近いのだ。木曾はそれに気づくと、手を動かすのを

やめた。

提督「ハァ、ハァ…木曾…?」

 提督の問いを無視して、木曾は男根を口に含んだ。 

提督「うぉぉっ!?」

木曾「ん、んぶっ、んんっ」

  (苦い、イカ臭い、でも、なんでか幸せ…)

 木曾は、口を動かしつつ下で男根を舐めまわした。すると、提督が木曾の頭を掴んだ。

木曾「んぶっ!?」

提督「ごめん…無理、出っ!」

 その瞬間、木曾の口の中で、男根から濃い精液が発射された。

木曾「んんんんんっ!!」

 喉の奥に、提督の精液が流れ込んでくる。木曾はそれを何とか飲み込もうとしている。

木曾「ん、ん、ん…」

 精液を出し切ると木曾の口から男根を抜き出した。

提督「わ、悪い、すぐにティッシュを―」

木曾「ごくっ」

提督「へ?」

 木曾は精液を全て飲み込んだ。

木曾「ぷはぁ…っ、ゲホッ、ゲホッ」

提督「おい、バカ、辛いなら飲まなくても…」

 すると木曾は、少し微笑んで言った。

木曾「苦かった…だけど、提督を感じられてよかったよ…」

 その言葉を聞くと、提督の男根がさらに硬さを取り戻した。

木曾「…まだやれそうだな。じゃ、そろそろ…」

提督「…ああ」

 そして2人はベッドに寝転がった。木曾がベッドの端に寝転がり、提督がその上に覆いかぶさるような体形になる。

提督「本当にいいんだな?引き返すなら今のうちだぞ」

木曾「いつまで言ってんだ。こっちもそろそろ限界なんだ。お前もだろ?」

提督「ちなみに俺は初めてだが」

木曾「こっちもだ」

 そう言い合うと、2人は笑い、そして提督が自分の男根を木曾の膣口にあてがう。

提督「少し痛いぞ…」

 提督はそう言うと、自分の男根を木曾のナカに押し入れていく。

木曾「んんっ…」

 すると、提督は亀頭が何かにあたる感覚を得た。木曾の、純潔の証の処女膜だった。

提督「我慢しろよっ!」

 そして、力を入れて膜を突き破った。

木曾「ぐ、ぎあああああああああああああああ!!」

 木曾が苦痛の叫び声を上げた。そして、膣口からは少量の鮮血が流れ出てきた。

提督「だ、大丈夫か?俺がやっといてなんだけど…」

木曾「ああ、スゲー痛い…敵の攻撃を受けた時よりもずっと…」

提督「少し、動かないでおくから、楽になったら言ってくれ…」

 そして挿入した状態で待つこと数分。木曾が少し掠れた声で言った。

木曾「提督、もう動いてもいいぜ…?」

提督「いいのか?」

木曾「ああ、痛みもだいぶ引いてきた…」

提督「そうか…じゃあ、最初はゆっくりいくぞ…」

 そう言うと提督は、低速のピストン運動を始めた。

木曾「ん、あっ、あっ、うっ、んっ」

 木曾も少しずつ感じ始めた。その反応を見ると、提督は少しずつピストン運動を速めた。

木曾「んあっ、あっ、いっ、これっ、気持ちいっ、くっ、ひゃっ…!」

提督「これっ、俺もっ、気持ちいいっ…!」

 提督も、自分の男根が木曾の膣圧で気持ちよくなっているのがわかる。そして、膣内を陰茎がこすれて気もちいのか

木曾も蕩けた表情を浮かべている。その表情を見て、提督は木曾に熱い口づけをした。

提督「んんんっ!」

木曾「んぶっ!」

 提督はこれ以上早くできないくらい腰の動きを速めた。

木曾「提督っ、あんっ、ひんっ、くっ、うぁっ…!」

提督「ああっ、くっ、腰止まんねっ…!」

 すると、木曾の膣がピクピクと震え始めた。そろそろ絶頂が近いのだ。そして、提督も同時に限界が近かった。

提督「木曾っ、そろそろっ…!」

木曾「ああっ、俺もっ、だぁっ…!一緒に…イコうっ!」

 そして、木曾は足を提督の腰に回した。

提督「おいっ、くぅっ!」

木曾「大丈夫、だっ、俺たち艦娘はっ、艦娘をやめない限りっ、妊娠しないっ!」

提督「そうかっ、じゃぁっ、中に出すぞっ!」

木曾「ああっ、中にっ、全部出してっ、くれぇ!」

 そして―

木曾「うああああああああああああああっ!」

 木曾が絶頂に到達した。それと同時に、膣内の男根も膣圧で締め付けられる。

提督「く、おっ…!」

 そして提督も達し、木曾の膣内にあらん限りの精液を注ぎ込んだ。

提督「ハァッ、ハァッ…!」

木曾「ああ…中に…提督のが…いっぱい、出てる…」

 射精が止まると、提督は男根を膣から抜いた。すると、膣口から精液が溢れてきた。

木曾「はぁ、初めてだったが、気持ちよかったよ…ありがとう…」

 木曾は満面の笑みを提督に向けた。そして提督の首に手を回し、もう一度熱いキスをした。

今日はここまで。そして、エロシーンもここまでです。

皆さんの期待に応えられるような出来でしたでしょうか…?(初投稿でいきなりエロシーンとかハードル高すぎだぜ…)

また、明日は家の都合上、太陽の出ている間は投下できません。次の投下は明日の夜の予定です。

こんばんは。

もうこのSSもクライマックスになりました。

 初体験を終えた二人は、提督のベッドで裸で寄り添い合って寝ていた。さすがに少し寒かったので掛け布団を

かけていたが。そこで木曾が、提督に聞いた。

木曾「一つ聞きたいんだけどさ、もしかして演習の時いつも俺を旗艦にしてたのって、錬度を早くあげるためか?」

提督「ん?ああ、艦隊の旗艦は自分の部隊のメンバーを指揮することがあるから、もらえる経験値が従属艦がもらえる

   基本経験値より少し高いんだ。それに演習で強い奴と対戦すれば、もらえる経験値もグーンと上がるからな」

木曾「…その強い奴と戦う度に、俺たちは負傷しちまうんだが…?」

提督「う…す、すまん」

 提督が両手を合わせた。だが、木曾はそんな提督を責めはせず、優しく抱きしめた。

木曾「いいんだ。それだけ、俺に惚れ込んでたってことだろ?なら素直に嬉しいよ、ありがとう。」

提督「…ああ、そうだ、忘れてた」

 何かを思い出したかのように、提督はベッドから起き上がり、そばのテーブルに置いてあった小さな箱を掴んだ。

提督「木曾、左手を出せ」

木曾「?」

 木曾は言われるがままに提督に左手を差し出す。すると、提督は箱から取り出した指輪を木曾の左手薬指に優しく

はめた。

提督「木曾、これからもよろしく頼む」

 木曾は自分の薬指にはめられた指輪を少し見つめて、少し涙目な笑顔で答えた。

木曾「ああ、こちらこそ、よろしく頼むぜ!」

 そう言って2人はもう一度、抱き合った。



 翌朝、提督と木曾が起きると、朝5時50分。2人は急いで服を着ると、運動場へ駆け出した。既に全ての艦娘は

集合し整列している。ほとんどの艦娘が、2人が遅れたことに対してすごく疑問に思っていた。そして、昨夜のことが

思い出されたのか、木曾は朝礼の最中終始もじもじしていたし、提督の朝の言葉はすごくぎこちなかった。

 朝礼が終わった後、食堂の朝食で木曾の向かいの席に着いたまるゆはこう切り出した。

まるゆ「木曾さん!昨日の夜はどこ行ってたんですか!朝になっても布団にいなかったのですっごく心配しましたよ!

    朝は遅刻してきた上にもじもじしていたし、本当にどうしたんですか!?」

木曾「あ、ああすまねぇ。提督との用事が長引いてな…」

まるゆ「…ふえ?夜に…提督と…用事…もじもじ…?」

 まるゆは、木曾の言ったことを吟味し、そこから予想できる昨夜木曾の身に起きたことを想像した。そして、まるゆは

顔をボンッと赤くすると机に突っ伏してしまった。

まるゆ「ふえぇぇぇぇぇ…木曾さんが、提督と…///」

 木曾はまるゆが何を想像したのかが理解できたが、間違えてはいないので否定できない。するとそこに、木曾と同じ

球磨型軽巡洋艦の一番艦であり長女、球磨が通りかかった。

球磨「クマ?まるゆ、どうしたクマ?」

まるゆ「木曾さんが…木曾さんが…///」

球磨「木曾がどうしたクマ?…ハッ、まさか木曾!お前まるゆをイジメたのかクマ!?」

木曾「ないない!それは絶対ない!」

 木曾は高速で両手を左右に振り、球磨の言ったことを全否定する。すると、球磨はあるものに視線が吸い寄せられた。

それは、今も高速で振られている木曾の左手の薬指。なんだか銀色に光るモノが。球磨=クマ=熊の名前の故か、球磨の

視力は伊達ではなかった。そして球磨は木曾に掴みかかる。

球磨「木曾、その左手薬指のモノはなんだクマ!?まさか、それってケッコンカッコカリ指輪クマ!?ということは、

   まさか提督と結婚したのかクマ…!?」

 球磨の大声に、食堂がしーんと静まり返った。そして、艦娘達のひそひそ話が聞こえてくる。

綾波「木曾さんが、提督と…?」

敷波「うそでしょ…ケッコンカッコカリって…?」

間宮「あらあら…」

鳳翔「それは、まぁ…」

 木曾は周りからの視線に耐えきれず、そして今さらごまかすこともできないと思い、小声で言った。




木曾「……ああ、そうだよ。俺は、提督とケッコンしたよ…///」



全員「……………」

 木曾は小声で言ったつもりだが、静かな食堂にはその声がよく響きわたった。その告白は全員に聞こえた。

 食堂に訪れる静寂。そして、その静けさはある艦娘の奇声によって打ち破られる。

金剛「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

 そう叫ぶと金剛は机に額を何度も打ち付けたり、床を転がりまわった。

比叡「お姉様、落ち着いて!」

榛名「気を確かにしてください!」

 ちなみに今霧島は、昨日の演習結果の集計を提督に渡していたのでこの食堂にはいない。それはともかく、他の艦娘

達もざわざわと騒ぎ始めた。

長門「ほう、やるな提督め」

陸奥「あら、あらあら…」

足柄「なんてこと…この世には夢も希望もないのかしら…」

天龍「あんなやつに…先を越されるなんて…!」

最上「」

三隈「ひぃ!?最上が息をしてませんわ!!だれか、だれか、衛生兵ーっ!!」

 そんな喧騒の中、金剛はオリンピック選手もびっくりの動きでテーブルを飛び越え、木曾の前に着地する。

金剛「Hey,木曾!テートクとケッコンしたって本当デスカ!?Lieとかじゃないんデスカ!?Lieなんでショ?ねぇ、

   答えてヨ!?」

木曾「そうだよ、本当だよ…嘘なんかじゃねぇよ…///」

金剛「Shit!なんでこんな小娘なんかに…ハッ!木曾、今朝はテートクと遅れて運動場に来ましたが、もしかして昨夜、

   その、テートクと…や、夜戦しちゃったのデスカ…?」

 その金剛の言葉に、再び食堂が静まり返る。そして、すべての艦娘が木曾に殺到した。他の艦娘は一斉に木曾に問い

詰めた。

北上「そうだ!それが一番気になる!」

扶桑「どうなのかしら、木曾さん?正直に答えて…?」

山城「姉様、眼が光っていませんよ…?」

天龍「どうなんだコノヤロー!」

暁「ほ、本当に…提督と、し、しちゃったの…?///」

那智「返答次第では許さんぞ貴様!」

 一部の艦娘からは殺意が滲み出ていた。すべての艦娘から問い詰められている中で、木曾は昨夜の提督との夜戦を思い

出すと―




木曾「…………………///」



 顔を真っ赤にして俯いてしまった。その反応を見た鈴谷が少し焦りながら聞いた。

鈴谷「えっと、もしかして…マジなの…?」

 木曾はこくりと頷いた。その反応で食堂はさらに騒乱の場と化した。

鈴谷「ウソダドンドコドーン!!」

天龍「なん…だと…?」

加賀「頭に来ました!」

陸奥「うわあああああああああああああん!長門姉ぇ!長門姉ぇ!提督がぁぁぁぁああああ!!」

長門「落ち着け陸奥!そうかお前も提督のことを…これはひどい」

那智「おい木曾、演習場に来い。お前の記憶がなくなるまで徹底的にボコらせてもらう」

足柄「いいわね姉さん。私も乗ったわ。この生意気な小娘をここで始末して…」

金剛「こんの[ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー]!!」

比叡「お姉様、それはさすがに言ってはいけません!」

球磨「そうか、木曾は、お姉ちゃんたちより先に女になってしまったのかクマ…!嬉しいような、悲しいような…」

北上「いいねぇ、痺れるねぇ」

間宮「今晩は、お赤飯かしら?」

鳳翔「少し、悲しいですね…」

 もはや、食堂は戦場と化していた。狂戦士と化した提督LOVE勢が木曾をボコボコにしようと襲い掛かってくる。

木曾が食堂を縦横無尽に逃げ回り、狂戦士たちがその後を追う。そんな争いを、数十分ほど続けていたその時だった。



??『マイクチェックの時間だゴラァ!!!』キィィィィィィィン



 その一声とハウリングで食堂は静まり返った。というか、ほとんどの艦娘がさっきの声と同時に聞こえたハウリングの

せいで耳を塞ぎ、床に転がっている。木曾が入口を見てみると、拡声器をもって仁王立ちをしている霧島が。そして、

霧島が言った。

霧島「なぜあなたたちは、木曾のケッコンを祝福せずにそんな醜い嫉妬をぶつけようとするのですか!これは、我々艦娘

   としても誇らしいことなんですよ!我々がやるべきことは、その嫉妬を木曾にぶつけるよりも、木曾を祝福するこ

   とじゃないのですか!?」

 その言葉で、全員がしょぼんとしてしまった。そんな中、さっきまで部屋の隅でしゃがんでいたまるゆが木曾に話しかけ

た。

まるゆ「え、と、木曾さん。おめでとうございます!」

木曾「お、おう。ありがとな」

 まるゆの祝福の言葉を皮切りに、他の艦娘達も木曾に祝福の言葉を送った。

球磨「木曾、おめでとうだクマ。これからも提督と仲良くやっていくクマ」

多摩「そうだにゃ。可愛い妹の旅立ちをお姉ちゃんたちは喜んで見送るにゃ」

木曾「お、おう」

 普段のんびりしている2人からそんなことを言われると、木曾も少し照れくさかった。今度は、第六駆逐隊が木曾の

もとにやってきた。

暁「おめでとう木曾。レディーとして祝福の言葉を贈るわ」

響「Поздравляю(パズドゥラリャーユ:おめでとう)、木曾」

雷「木曾さん、おめでと!でもこれからも、私を頼ってね」

電「おめでとうなのです。でも、その、初日から夜戦て…結構大胆なのですね///」

木曾「あ、ああ。今思えばそうだったな…///」

 今度は霧島がやってきた。ちなみに今金剛は、比叡、榛名に抑えつけられている。

霧島「木曾さん、おめでとうございます。金剛型を代表して、お礼を申し上げます」

木曾「ああ、ありがとな。でも、なんで拡声器なんて持っていたんだ?ていうか、なんで俺が提督とケッコンしたって

   知ってるんだ?」

霧島「執務室で昨日の演習の集計を提督に報告した後、食堂に行こうとしたらなぜか騒がしかったのでこれは何かあると

   思い、自室から拡声器を持ってきたのです。ちなみにあなたたちがケッコンしたということに気づいたのは今朝の

   朝礼の時ですね。木曾さんは頑なに左手を皆に見られないようにしてましたし、2人ともぎこちなかったので、

   もしやと思って提督に聞いたら教えてくれました」

木曾「アイツ、教えやがったのか…」

霧島「教えてくれた時の提督、顔がすごく赤くなってました。昨日はお楽しみだったようで?」

 そう意地悪気に言うと、霧島は金剛のもとへと小走りに向かった。

木曾「くっ…///」

 すると今度は、伊401がやってきた。

伊401(以下シオイ)「えっと、大丈夫ですか?」

木曾「あ、ああ!」

シオイ「えと、おめでとうございます!それでちょっと聞きたいんですが、プロポーズは木曾さんから?」

木曾「い、いや、提督からだ」

シオイ「へぇ~、提督さんもやるときはやるんですね~。あ、じゃあ提督に言っておいてください!もし木曾さんを

    泣かせたら、我々潜水艦があなたをオリョール海に沈めてやるって!」

木曾「本当にやりかねないから黙っとくわ」

 そんなこんなで木曾は皆から賞賛と祝福の言葉をもらった(ちなみに青葉は木曾がケッコン宣言をした直後、衣笠に

首チョップをされて気絶していた)。そして、しばしそんな明るい雰囲気が流れ、朝食の時間が20分遅れて終了した。

 食事が終わると艦娘が皆食堂を出る。皆それぞれが遠征や出撃に向けて準備を始める。最後に出たのは木曾だった。

食堂を出る時も祝福の言葉をもらい、なぜか鳳翔からは安産お守りをもらってしまった。

木曾「なんで安産お守りなんて持っていたんだ?」

 すると、木曾は食堂のすぐそばの壁に提督が寄りかかっているのに気付いた。

木曾「どうした?」

提督「いや、少しお前を秘書艦から外そうと思って」

木曾「え…」

提督「勘違いすんなよ?少しお祝いってことで2、3日休暇を与えるってだけだ」

木曾「な、なんだ…」

提督「なんだ?俺がもうお前に飽きて別の奴に乗り換えるとでも思ったか?」

 その言葉を聞き、木曾は少し考えてこう言った。

木曾「…もしそうなったら、お前を沖ノ島海域に沈めてやる」

提督「やめてマジで。せめて鎮守府海域のどこかにして」

木曾「そこかよ…冗談だよ。お前が浮気するような奴には思えねぇしな」

提督「そりゃどうも。ちなみにお前が休暇の間の秘書艦は球磨な」

木曾「それは俺へのあてつけか…?」

 そんな軽口を言い合っていると、提督が持っていたタブレットPCにメッセージが届いたことを知らせる音が鳴った。

それに気づき、メッセージの内容を見た提督は苦笑した。

提督「マジかよ…」

木曾「どうした?」

 提督は木曾に向き合って、言った。

提督「南西諸島防衛線の近くを航行していたタンカーが深海棲艦に襲われた。それも、相当強い。おそらく戦艦ル級とか

   軽空母ヌ級とかそこらだろうな」

木曾「前に倒した奴らの残党か?」

提督「そこでだ、木曾。さっきお前に休暇をやると言ったところで、お前にこいつらを討伐する第一艦隊の旗艦をやって

   もらいたい。一応拒否することもできるが?」

木曾「人使いの荒いことで。…けど、俺の錬度は上限が消えたんだろ?なら、俺は戦う。お前のために戦いたいよ」

提督「…そうか」

 そして、提督はポケットからスマホを取り出し、鎮守府のスピーカーにつなげた。

提督「南西諸島防衛線付近に深海棲艦が出現。これより呼ぶ者は艤装を装備し、波止場へ集合せよ。

   木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴。なお、次に呼ぶ6名は、艤装を装備し、待機室にて待機せよ。

   神通、加賀、陸奥、伊勢、暁、瑞鶴。他の者は、これ以降の命令を待て」

 提督の命令を聞いた後、木曾は聞いた。

木曾「資材がカツカツなんじゃなかったのか?」

提督「俺とお前のケッコン祝いだ。この程度の出費なんて、軽いよ」

木曾「…じゃ俺は、部屋に戻って―」

提督「ほれ」

 そう言うと、提督は持っていた木曾のマントと刀を木曾に向かって放り投げた。木曾はそれをキャッチしたが、すぐに

ジト目で提督を見つめた。

木曾「なんで俺のマントと刀を持ってるんだ?」

提督「いや、なんとなく必要になるかなー?と思って」

木曾「まったく…相変わらず訳が分からねぇな」

 そう言って木曾はマントを羽織り、刀を提げて、艤装が置いてある武器庫へ向かった。

 木曾は武器庫で艤装を装備し、波止場へ向かうと、既に他の艦娘達は集合していた。

そして、出撃する6人は横一列で提督と向かい合う。木曾が一歩前に出た。こんな時の提督からは、ふざけた表情が

消えている。

木曾「ではこれより、木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴、以上6名は、南西海域防衛線に出現した深海棲艦の討伐に

   向かう」

提督「了解。敵はおそらく残党だが、戦艦や軽空母の姿も確認されている。皆油断するな」

木曾「わかった。それと―」

 木曾はさらに前に一歩踏み出すと、ほんのわずかな間だけ提督と唇を合わせた。

提督「ん…なっ…お前…こんな時に…///」

木曾「…ヘッ」

 そんな様子に、他の5人はうろたえたり、顔を真っ赤にしたりした。

赤城「あらまぁ…」

長門「ほう、やるな。木曾よ」

山城「皆がいる前で…なんて破廉恥な…」

吹雪「あわわわわ…」

翔鶴「木曾さんたら…大胆…///」

 恥ずかしいからか、提督はヤケクソ気味に言った。

提督「ええい!全員出撃!全員生きて帰ってこい!轟沈は許さんぞ!」

 そう言うと、木曾以外の5人はやれやれといった表情で波止場から伸びているスロープを降りて海へと足をつけた。

木曾は顔を赤くし、俯きながら皆の後に続いた。皆が戦闘海域へ向けて移動し始めると波止場から提督が叫んだ。

提督「木曾ー!」

 木曾はその声に振り替える。それを見た提督はもう一度叫んだ。


提督「愛してるぞー!!」


 木曾は、このタイミングでそんなことを言われるとは思わなかった。だが、木曾は嬉しかった。そして、その左目から

は涙が流れていた。だが、木曾は右手でその涙を拭い、満面の笑顔でこう返した。






木曾「おう!俺もお前のことを『ずっと』愛してるぜ!!」





END

はい、ということでこの話は終了となります。なんというか、短いような長いような。そんな感じでした。

初めてのSSでしたが、皆さんいかがでしたでしょうか?皆さんが楽しめたのでしたら幸いです。


さて、一応次の話の構想もできております。そこでこのスレ最後の安価ですが、

       神通、青葉、陸奥、間宮

上記うちの誰か一人が主人公で次の話を書こうと思います。主人公の決め方はこの↓5までの多数決です。

ちなみにシチュエーションはこちらで決めてしまってます。それに関してはすみません。

また、次の話なんていらないと思った人は何も書かなくて結構です。

この木曾編に最後まで付き合っていただき、ありがとうございました。

また会うことができればその日まで。

青葉3、陸奥2ということで、次の話の主役は青葉となりました。

次の話がこれです。こちらも応援よろしくお願いします

【艦これ】青葉「仮面をつけた提督」
 【艦これ】青葉「仮面をつけた提督」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419743288/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月03日 (土) 18:22:13   ID: Luh1dBcV

王道だけど楽しめた
乙!

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