【ゆゆゆ】バーテックスの正体とは?【×?】(21)

美森「バーテックスは12体で終わりじゃない…。
 これから何度も戦うことになるの…。
 何度も何度もこんなつらい思いをしないといけない…。
 私だけじゃなく、皆が……!!」

美森「そんな風になるくらいなら、私が神樹を倒す!!」
友奈「東郷さんやめてええええええ!!」


バーテックスを率い神樹の破壊を目論む東郷。
戦慄する勇者部。
…そんな時、一筋の閃光が宇宙を貫いた。
1つの雄々しい雄叫びと共に。

??「チャアアアアアジィィィィィングッ、ゴオオオオオオオオオオッ!!」

チャーッチャチャーチャーチャラッラー♪
チャーッチャチャーチャーチャチャッチャー♪
チャッチャカチャッチャッチャー♪
チャッチャカッチャッチャッチャー♪
チャーチャーチャーッ♪ 

軽快なBGMが鳴り、一人の戦士が勇者とバーテックスの戦場へと躍り出た。

友奈「誰!?」
風「誰!?」
樹(誰!?)
夏凜「誰!?」

謎の小学生「待ってくださいお姉さん!そんなことをしてはいけません!!」
美森「しょ、小学生…!?」

謎の小学生「貴方はジュラル星人に踊らされているんだ!!」
美森「な、何を言ってるの…!?どきなさい!
 どかないと貴方もただではすまないわよ!!」
謎の小学生「えいっ!!」

ビーッ!!
チュドーンッ!!

謎の小学生「とおっ!ひとまとめに片付けてやる!!」

ビーッ!!ビーーッ!!
チュドドドドーンッ!!

友奈「す、凄い…!!」
風「あんだけいたバーテックスの群れが…」
樹(全部倒されてく…!!)
夏凜「何モンなのよ…。新しい勇者!?」

美森「…でも見たところ男の子。貴方は神樹の勇者ではないわね…?」
研「僕の名前はチャージマン研。人類の未来を救う戦士です!!」
美森「貴方が誰かは分からない…。でも知っている?
 もう人類にはもう四国しか残されていない。バーテックスの侵略は終わらないの。
 皆が苦しみながら滅ぼされていく世界なら、ここで滅びてしまった方がいい!!」
研「それは違います!!」
美森「違わない!!」

互いに銃を構える両名。
先に撃ったのは美森だったが…。
キィンッ!!

美森「効かない!?」
研「こんどはこっちの番だ!!」

ビーッ!!

美森「きゃあああああああああああああッ!!」

バタッ!!

風「東郷おおおおおおおおお!?」

美森「………」

樹(ああ、東郷さん!?)
研「大丈夫ですお姉さん。僕のアルファガンは麻酔モードにもなるんです。
 あのお姉さんは眠っているだけです」
樹(あれ…!? 貴方…、私の声が……!?)
研「ああ、はい。僕にはそういう、心の声を聞き取る超能力があるんです」
樹(すごい…!!)
研「いやあ…。それにしてもお姉さん綺麗な声ですね」
樹(…)←褒められたのと久しぶりに声で人と会話出来たのがちょっと嬉しいらしい。

夏凜「何よそのトンデモスキル!?」

風「友奈!東郷は!?」
友奈「大丈夫、本当に眠ってるだけみたいです、風先輩!!」

友奈「でも君…えっと…」
研「研です」
友奈「研君、助けてくれたことにはありがとうだけど、東郷さんは大事なお友達なの。
 あまり乱暴なことはしないでね」
研「はい…、ごめんなさい…」

夏凜「それはそうとあんた何モンなのよ」
樹(見たこともない力…)
風「じゅりゃる?がどうとかって…」
研「ああっ!!」

研「そうだ、急いで大赦に行かないと!!」
友奈「大赦に…?」
研「ようやく尻尾を出したんだ、ジュラル星人め!!許さないぞ!!」



――大赦にて。


大赦の偉い人1「勇者がついに暴走したという報告が来た」
大赦の偉い人2「ふふふ、我々の計算通りだ」
大赦の偉い人3「これで人類も終わりだな」
大赦の偉い人1「まさか我々が50年前に人類社会に入り込み大赦を作り上げ、
 神樹と勇者システムを開発し、宇宙からバーテックスを誘導して人類を襲わせ、
 戦っている最中勇者が絶望して人類を滅ぼすように仕向けたなどとは誰も思うまい…」

研「やっぱりお前達か!!正体を表せジュラル星人!!」

大赦の偉い人1→ジュラル1「貴様!!」
大赦の偉い人2→ジュラル2「チャージマン研だと!!」
大赦の偉い人3→ジュラル3「滅ぼしてやる!!」

研「それは僕の言う言葉だ!! えいっ!!」

ビーッ!!

ジュラル1、2、3「「「うわああああああああああッ!!」」」

研を追いかけてきた勇者部一行は(東郷さんも無事回復しました)、
チャージマン研と、正体を現した大赦の偉い人達の戦いを目の当たりにする。
異形の宇宙人が次々と葬られていく姿があった。

友奈「ああっ!!大赦の偉い人達が!!」
美森「死んだ!!」
樹(大赦の偉い人達は人間じゃなかった…!?)
風「バーテックスの仲間だったっていうの!?」
夏凜「いったいどうなっているって言うのよ」

?「それは私が話そう…」

戦いの終わりを待ちかねていたかのように入室したのは、
青いスーツに身を包んだチョビ髭をたくわえた紳士であった。

研「パパ。ジュラル星人の陰謀は阻止しました」
?「研、よく殺(や)ったぞ」

樹(パパって…!?)
夏凛「研君のお父さん…!?」

その通り。
彼は自らを泉博と名乗った。



博「彼らはジュラル星人…。地球から遥か遠く離れた銀河からやってきた宇宙人だ」
風「宇宙人!!」
夏凜「やっぱりバーテックスの仲間なのね!!」

博「仲間…というのは少し違うかも知れない。奴らはバーテックスを利用していた。
 順を追って話すと、全ての始まりは50年前に遡るのだ。
 ジュラル星人は地球人になりすまし、人類を滅ぼすための結社を作り上げた。
 それが大赦だ。神樹というのは、ジュラルの科学の生み出した惑星防衛プログラムなのだ」
夏凜「そんな…」
風「大赦が人類を滅ぼすためのものだったなんて…」
樹(けど、それっておかしくない…?)
友奈「さっきの人達も言ってたけど、なんかまどろっこしいよね…?」

博「そう。ジュラル星人は妙にまどろっこしい戦略、戦術を好む。
 50年前に彼らの技術があれば人類殲滅など容易かったはずだ。
 それに今も、自分たちがバーテックスを宇宙の果てから誘導し人類を滅ぼすのなら、
 わざわざ勇者など作り出す必要もなかった。
 結界など張って普段バーテックスから世界を守る必要もない」
美森「でもジュラル星人は、最終的に人類が自分の手で人類を滅ぼすように仕向けた…?」
樹(いったい何故…)
夏凜「ただ技術力のある頭でっかちで、頭が悪かっただけなんじゃないの」

???「ははは、手厳しいな。だが反論出来ないところが少し情けないよ」
研「お兄さん!」

風「あ、貴方は!!」
樹(見たことある!確か剣道の…)

そこへ新しく登場した青年を、風達は知っていた。
学校で何度か見かけた顔だったからだ。

Jー7「君たちのことは知ってるよ。勇者部の生徒たちだろう」
友奈「剣道部の師範の先生ですよね!?」
Jー7「そうだ…。そして」
博「ジュラル星人Jー7号君。研の兄貴分であり、私の友人でもある…」


当たらな人物の登場で説明は更に続く。



Jー7「我々ジュラル星人には…いつからか感情の欠損が見られるようになったんだ。
 だから地球人を滅ぼすことを第一の任務と考えてはいても、
 何かアクリョンに対する地球人のリアクションを試してみたかったのかも知れない。
 最後は地球人の憎悪によって地球人を滅ぼさせようとしたのも、
 自分たちの失った生の感情を、最後まで見ていたかったのかも知れないなぁ」
夏凛「かも知れないって…随分他人事のように語るわね」
美森「貴方もジュラルなんですよね?」
博「確かに彼はジュラルだが、早くから感情に目覚め地球人に理解を示してくれた人物なんだ。
 実は我々が大赦の現トップを壊滅出来たのは彼がいたからなんだ」
友奈「どういうことですか…」

樹(…なんとなく分かった)
研「そうです。神樹はジュラルが長年かけて作り上げたジュラルによる
 惑星防衛システムなんです。味方になってくれるジュラル星人がいなければ、
 今後世界を守っていくことが出来ないんです」

友奈「つまりJー7号さんがこれからは神樹を使って人類を守ってくれる…!」
Jー7「ああ。しかし僕に出来ることはさっき言った通り、
 今までの神樹としての役目を引き継ぐことだけなんだ。
 宇宙にはこびるバーテックス、そしてジュラル本星との決戦に参加することは出来ない…」
美森「結局…終わりのないに等しい戦いの中で傷つき続けるしかないの、私達は…」
友奈「東郷さん…」

博「私は常々、大赦の勇者システムには疑問を持っていた人間だった。
 いやバーテックスの襲来については、大赦に対抗する勢力、科学研究派を率いて、
 盟友の吉阪博士と共に勇者システムに依らない人類防衛を唱えていた…」
美森「勇者システムに依らない人類防衛システム…!?」
博「今研が着用している、チャージングシステム”スペクトルアロー”だよ」
風「確かにこれ凄い力だもんね」
樹(健康じゃなくなるとか、なさそうだし…)
夏凛「使い勝手はいいのかしらね…。ちょい悔しいけど」

博「話の流れからして、大赦の勇者システムはジュラル星の技術を
 使用していることは理解して貰えていると思うが、
 実はこのチャージングシステムも純粋な地球の技術ではない。
 私が過去に救助した別の異星人から教わった技術をベースにしているんだ」

博「完成までは確かに我々科学研究派は大赦に遅れを取っていたが、
 見ての通り使い勝手やリスクを考えれば我々の方が政府に採用される確率は高かった。
 しかし実際には大赦の勇者システムが採用されてしまった」
友奈「どうしてですか?」
夏凛「いやいや当たり前でしょ。そもそもバーテックスを呼び寄せてたのはジュラル、
 つまり大赦って話なのよ」
博「そうだ。彼らの口先三寸にやられて政府は我々の計画を凍結し、
 大赦に援助をした…。自分たちが抹殺される未来に気付かずにだ…」

美森「まるで二次大戦中のコミンテルンですね。アカはいつだって国を内から食い潰す…!」
友奈(そこで宇宙人と共産主義者をいっしょくたにするの、東郷さん…!?)

博「他にも、我が科学研究派のメンバーが若返りの出来る細胞を作ったと言ったが、
 結局嘘だったことが分かり、社会的に批判の的に晒されたことも大きかったな…。
 何が若返りの細胞はありまぁすだ、ふざけおって…」
美森「功労に逸る兵士が軍全ての足を引っ張るのですね…」
風「東郷いい加減黙って」

博「大赦は勇者システムを完成させていながらバーテックスの一度目の攻撃を静観。
 地球は大損害を受け、私も妻と娘とバリカンを喪った…。
 かろうじて息子一人連れて、安全宣言の出ている四国へ逃げるので精一杯だった…」
研(ママ…キャロン…)
樹(そっか…。この子も家族を…)

博「大赦に悟られぬよう四国の地下に潜り私は研究を。
 この子は戦うための訓練を重ねてきた。
 全ては今日から、ジュラル星人とバーテックスに反旗を翻すためだ…!
 遂にチャージングシステム、スペクトルアローは完成を見た!!」
研「そうです。これからは僕が、世界を守ります!!」

夏凛「…ちょっと待って」
風「つまりそれを使えば勇者にならなくても戦える!?」
樹(チャージマンに変装して!!)
友奈「凄いよ、ね、いつだって希望はあるね東郷さん!!」
美森「私達も、その戦いには参加してもいいんですか、泉さん」

博「そりゃあ、君たちの分のスペクトルアローを作るのは容易いが…。
 良いのかい。チャージングシステムの適正者は他にもいる。
 他の人に依頼することも出来るのだが…。君たちは今まで…」

友奈「今まで戦ってたからもう休んでいいなんてことはありませんよ。
 だって勇者システムを使わなくなったとしても、私達は勇者だから…!!」

Jー7「…む。盛り上がってきたところで何なんだが…」
研「どうしたんですか、お兄さん」
Jー7「意外…という訳でもないのかな。かなりの大物が潜んでいたようだ!!」

剣術の達人、Jー7号の居合切りが壁を切り裂くと、
奥にある隠し部屋に一人の異星人が立っていた。
彼こそ大赦を裏で操っていた真の黒幕、
ジュラル本星から派遣されてきた総司令官、ジュラルの魔王であった。

魔王「おのれ裏切りもののJー7号め!!おのれ地球人め!!
 地球の女の子の絶望する力を利用すれば目的が達成出来ると、
 せっかく知り合いの白い営業宇宙人に教えて貰ったというのに!!」
Jー7「黙れ!地球の人々を不幸に追いやった貴方は裁かれるべきお人だ!!研君!!」
研「はい!!えいっ!!」

ビーッ!!

魔王「うわあああああああああああああッ!!」
研「地球人類を裏で操っていた、魔王の最期だ…!」

かくして地球人最後のシャングリラ、四国に潜伏していた悪いジュラル星人は一掃された。
地球人と地球人に理解を示してくれたジュラル星人たちは手を取り合うことができた。
しかし宇宙には数多のバーテックスがたむろし、
奴らをけしかけているジュラル本星は未だ健在である。
しかし彼ら、彼女らの活躍を目の当たりにした人々が後に続く限り、戦いは続き、
最後の勝利を得るまで戦うだろう。

その時まで行け、我らのチャージマン!!君たちこそが地球の勇者だ!!

Q,結局バーテックスの正体って何だったの?
A,たぶん宇宙に住む高次元生命体でしょう。だがまだその他一切のことは分かりません!

完。



何故こんな狂ったssを書く気になったのかも分からないよ…。
多分疲れていたのでしょう。

むぅ…乙ですー

狂ってるけど面白かったよ…

設定の拾い方がすごいと思ったw

一言言わせてもらおう

よくもこんなキチガイを!

>>1
人間を惑わすSS、ジュラル星人の仕業に違いない

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