カイジ「百花王学園……?」【カイジ×賭ケグルイ】 (36)

和也「カカカ、その学園は普通の学校じゃねえっ……!」

カイジ「どういうことだっ……和也!」

和也「なんと百花王学園では生徒同士が……ギャンブルを行ってる!」

カイジ「あ? でも所詮学生のやること……小博打だろっ!」

和也「ところがどっこい、その学園に通ってんのは金持ちっ……!」

和也「金持ちのガキ! 資産家や政治家の子供がうじゃうじゃいる!」

カイジ「なるほど……ようはお前みたいな奴がいっぱいいる……ボンボンの学校ってことかっ!」

和也「ククク、言い方は気に喰わねえが、そうだ!」

和也「俺ほどではないとはいえ奴らは持ってんのさ……金をっ!」


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和也「賭け金も普通の学生がやるギャンブルとは桁違いっ……!」

和也「十万、百万……場合によっちゃ一千万を超えることもある!」

カイジ「マジ! マジかよ……! 学生がそんな額をやりとりしてんのか!」

和也「カカカ、そこでなら俺に再び挑む金を集めることも、できんじゃね」

カイジ(そう……俺は和也にギャンブルで負けたっ……!)

カイジ(ワンポーカーで負けて処刑されかかったが……ネット!)

カイジ(奴が用意した延命ネットを上手く落下地点の上方に止めることによって……生き長らえたっ!)

和也「まさか、あのネットで助かっちまうなんてな」

和也「やっぱりあんたは普通じゃねえってことかっ……!」

カイジ「よせっ……! そんなお世辞は聞きたくねえ!」

カイジ「生き長らえようが俺は負けて、失った……4億をっ!」

カイジ「素寒貧さ……今の俺は!」

和也「ククク、そうさ、カイジ……今のお前には金がねえ」

和也「だから貸してやる……2000万ほどなっ!」

和也「10万、20万ならともかく、1000万を超える金を賭けるギャンブルをするとなれば必要さ……見せ金はっ!」

カイジ「……まあ、そうだろうな」

和也「利息はとらねえよ、俺とお前の仲だろ」

カイジ「ふんっ……! それで期限までに返せなかった時はどうなる!」

和也「もちろん、処刑だ……カカカ、今度は延命ネットもなしっ!」

和也「落下してもらうぜ……カイジ!」

カイジ(本来ならそう簡単に受けられることじゃねえが……大丈夫!)

カイジ(今度の相手は学生……所詮はガキ!)

カイジ(これまであらゆる修羅場を潜り抜けてきた俺が負けるはずがねえっ……!)

カイジ(楽勝さ……まず必勝は間違いない! 約束された勝利っ!)

カイジ「いいだろう、金を返せなきゃ処刑……上等だ!」

カイジ「その勝負、受けて立つ!」

百花王学園


カイジ「転校生の伊藤カイジですっ……!」

カイジ「これからよろしくお願いしますっ……!」

カイジ(和也の根回しで何とか転校できた、だがっ……!)

カイジ(この歳で学生、しかも自己紹介とか……恥ずかしい!)

カイジ(がっ、がっ、がっ!)

カイジ(覚えてろよ……和也!)

カイジ(この屈辱は勝負で晴らすっ……!)

カイジ(奴とのギャンブルに必要な金は最低でも2億!)

カイジ(つまり手持ちの2000万を10倍にしなくちゃならない!)

カイジ(いくらボンボン共とはいえ、1000万を賭ける勝負ができる奴は限られてくる)

カイジ(まずは勝負ができる奴は探さなきゃいけないんだが……実は俺は既に一人知っているっ……!)

カイジ(蛇喰夢子っ……!)

カイジ(和也の情報によれば、俺と同じく最近転校してきた奴らしいが……転校早々クラスを仕切ってた奴を倒して大金をせしめたらしいっ!)

カイジ(その額は約1000万っ……! しかも見せ金で1000万出したらしいから……今、奴は2000万もの大金を持ってることになる!)

カイジ(ガキには不分相応な金さ……悪いが大人である俺が回収させてもらう!)

カイジ(大体、2000万のうち半分は他人から奪った金……強奪金っ!)

カイジ(なら俺が奪っていい! より優れた悪党が金を奪うのは当然のことっ……!)

カイジ(そして残りの1000万は、おそらくは親の金っ!)

カイジ(ガキが1000万なんて金を稼げるはずがない!)

カイジ(汗水流して働いて得たわけじゃない……親からポンと貰った金!)

カイジ(なら奪う! 情けはかけねえ……俺は容赦なく奪うぜっ……!)

カイジ「おい、あんたが蛇喰夢子だなっ……!」

夢子「あら、あなたは確か転校生の」

カイジ「伊藤カイジだっ!」

カイジ「蛇喰夢子……! あんたにギャンブルを申し込むっ!」

夢子「ギャンブル、ですか?」

カイジ「あ! どうしたっ! 怖気づいたかっ……!」

夢子「いえいえ、そんなことはありません」

夢子「むしろ、転校生の方と勝負ができることにわくわくしています」

カイジ(クク、馬鹿! やはりこの女、甘ちゃんだっ!)

カイジ(ギャンブルを挑まれたってのに、このふわふわした態度!)

カイジ(賭博のおっかなさを知らないっ!)

カイジ(所詮はガキ、女子高生っ! 楽勝だ! 俺の敵じゃねえっ!)

夢子「ところでどのような勝負を行うのですか」

夢子「この学園ではオリジナルギャンブルも流行っているようですが」

カイジ「ククク、それは都合がいいっ!」

カイジ「実はとっておきのギャンブルを用意しているっ……!」

夢子「まぁ! それは一体どのようなものでしょう」ワクワク

カイジ「ワンポーカーッ……!」

夢子「ポーカーということは、トランプを用いたギャンブルですね」ワクワク

カイジ「そうさ……! 勝負に使うのはこのトランプだ」カタ

カイジ「じゃあルールを説明するぜっ……!」

カイジ「まずワンポーカーは通常のポーカーのように手役を作らない」

カイジ「一枚のカードで勝負するっ!」

カイジ「札の強さは上から順に、A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2だっ……!」

夢子「ジョーカーは使用しないのですか」

カイジ「ああ、ジョーカーは未使用、ただし、一つだけ変則的なルールがある!」

カイジ「Aは基本的にどの札よりも強いが、唯一2……2だけには敗北するっ!」

カイジ「ここまでは理解できたかっ……!」

夢子「ええ、問題ありません」

カイジ「なら説明を続けさせてもらうっ!」

カイジ「トランプをシャッフルした後、カードを二枚ずつ配る」

カイジ「ここで配られたカードのうち一枚を出して勝負するわけだが……その前に自己申告を行う!」

カイジ「配られたカードがUPかDOWNか言わなければならない!」

カイジ「8以上がUP、7以下がDOWN……!」

カイジ「誤申告は反則負けだっ! マザー・ソフィーがあれば、そんな心配はいらないんだが、あいにくここにはない」

夢子「マザー・ソフィー?」

カイジ「何でもねえ、こっちの話だっ!」

カイジ「まあ、ここにはクラスの連中が何人もいるから、そいつらに確認してもらえばいい」

カイジ「一勝負が終わったら、互いに次のカードを追加するっ……!」

カイジ「勝負はどちらかのチップがなくなるまでやる……デスマッチ!」

カイジ「説明は以上だ……何か質問はあるか」

夢子「いえ、ありません」ニコ

カイジ「ふんっ……!」

カイジ(ニコニコしやがって……見てろ、その顔から血の気を引き抜いてやるっ!)

カイジ「それで掛け金についてだが、10万のチップを20枚からスタートってことでいいか」

夢子「分かりました。それで始めましょう」

一回戦

カイジ ハート10 クラブ4

夢子 ダイヤ9 スペード5


カイジ「UP、DOWNだっ……!」

夢子「私もUP、DOWNです」

カイジ(このギャンブル、和也との勝負ではここから対等な駆け引きが行われた)

カイジ(和也がUPを出すかDOWNを出すか読み、UPカードならそれが強いか読む!)

カイジ(だが今回の勝負は違うっ……!)

カイジ(イカサマ! 俺の用意したトランプには小さな傷がつけてある)

カイジ(ガン付け……究極の裏技、ガンカード……!)

カイジ(これで俺は蛇喰のカードが何なのかを知ることができるっ!)

カイジ(傷の形を覚えるのに一か月かかったが、それだけの手間をかけた価値はあるっ……!)

カイジ(俺のカードがDOWN、DOWNで蛇喰にUPがあれば勝負にならないが、今回のように互いにUPとDOWNがある時にこのイカサマは絶大な効果を発揮するっ!)

夢子「それじゃあ、私はこちらのカードを出します」パチ

カイジ(蛇喰が出したのはUPの9、俺の10なら100%勝てるカード)

カイジ「なら俺はこのカードを出す」

カイジ(当然、出すのはハートの10……これで勝ちは決まった、後はどうこの女から搾り取るか)

夢子「コールします」

カイジ「なら俺はレイズだっ!」

カイジ(こっちはノーリスク! 蛇喰が乗ってくれば、泥沼に引きずり込めるっ!)

カイジ(何せこっちは負ける可能性がないんだから幾らでも積める)

カイジ(限度いっぱいの200万まで積んでも勝負にいけるんだから問題はねえ)

カイジ(100%勝ちが決まった勝負! 必勝さっ……!)

夢子「ドロップしましょう」

カイジ「クク、何だ! そんな弱気じゃ勝負には勝てないぜっ!」

カイジ(とりあえず10万ゲット……!)

カイジ(こいつがチキンだったせいで稼ぎ損ねたが、このイカサマがある限り俺は負けない!)


二回戦

カイジ クラブ8 クラブ4

夢子 クラブJ スペード5


カイジ「UP、DOWN……!」

夢子「先ほどと同じですね、私もUP、DOWNです」

カイジ(くく、あんたから見りゃ同じかもしれないが……実は違う!)

カイジ(今度はあんたのUPカードの方が上!)

カイジ(俺がUPカードを出しても、UPカードを出されれば必敗だっ!)

カイジ(ならここはUPカードを温存しておく)

カイジ「コールだっ……!」

カイジ(レイズは論外っ! 負けると分かってる勝負にチップを積む馬鹿はいない)

カイジ(奴がレイズしてくれば即ドロップ!)

カイジ(被害を最小限に抑える……!)

カイジ(これが情報の差……蛇喰には見えない50%の情報!)

カイジ(この情報がある限り、俺が負けることはないっ!)










三十四回戦


カイジ「そっちのカードは9、こっちは10……!」

カイジ「これで俺の勝ちだっ……!」

夢子「……」

カイジ(ふんっ! この女、レイズしてこないどころか、こっちのレイズにも全く乗ってこなかった!)

カイジ(チキンめっ……! チキン女がっ!)

カイジ(おかげで金を巻き上げるのに時間がかかっちまったっ!)

カイジ(とはいえ、これで200万の儲けっ……!)

カイジ(クク、悪く思うなよ、蛇喰っ! どうせこの金は不当な強奪金!)

カイジ(ならより強者である俺が回収するのは当然のことっ……!)

夢子「レートを上げてもう一勝負しませんか」

カイジ(クク、やはり熱くなったかっ!)

カイジ(この女は前回レートを上げた勝負で大勝したらしいが、それが出来たのは相手がガキ! 女子高生だったから)

カイジ(大人である俺には通用しねえ……!)

夢子「賭け金は今回の10倍でどうでしょう」

カイジ「な、何だとっ……! じゅ、10倍!」

カイジ(馬鹿な、精々2倍か3倍ぐらいだと思ってたのにっ!)

カイジ「100万のチップを20枚……つまり負けた側が2000万を失う勝負っ!」

カイジ(ぐっ! 万が一負けたら、俺は持ち金を殆ど失うことになる)

カイジ「いいのかよ! 今の勝負であんたは200万失ってるんだぜっ……!」

カイジ「俺に負ければ借金は免れないっ!」

カイジ「この学園では上納金を払えないと男はポチ、女はミケと呼ばれ奴隷のような扱いを受けるというっ……!」

カイジ「悪いが、俺は金を稼がなきゃならないから、勝った後あんたを助けてやるような真似はしない!」

カイジ「この勝負はさっきみたいな遊びじゃ済まねえっ!」

カイジ「どちらかが破滅するっ! 狂ったギャンブルだ!」

夢子「だからよいのではないですか」

カイジ「あ……?」

夢子「ギャンブルの本質は狂気でしょう?」

夢子「資本主義の世の中では金は命も同然。命を運否天賦に委ねるなど正気の沙汰ではありません」

夢子「にもかかわらずカジノに人が集まるのは、命を賭ける狂気に人は快感を覚えるからです」

夢子「で、あれば――ギャンブルは狂っている程、面白い」

夢子「さァ、賭 け 狂 い ま し ょ う!」

カイジ「ッ……!」ゾッ

カイジ(何だ、今の寒気はっ……!)

カイジ(兵頭や利根川、あの悪魔共とは別種、別種だが同格かそれ以上の何をこの女は持ってるってのか!)

カイジ(がっ! ありえねえ!)

カイジ(だってこいつは所詮ガキ! 女子高生っ! JKだっ……!)

カイジ「いいぜ、その条件で勝負だっ!」


一回戦


カイジ(まずはカードを引く、ここが重要だ)

カイジ(俺は奴のカードが分かるが、それでも両方のカードがDOWNだったら負けざるを得ない)

カイジ(そうしたらさっき稼いだ200万の半分である100万を失うことになる!)

カイジ(それだけは避けたいところ……来い! いいカードっ!)


カイジが引いたカードは……スペードK!


カイジ(やった、勝った! ここでK! 最強のKっ!)

カイジ(問題は蛇喰の手札だが、あの傷は……)

カイジ(ククク、なるほど……この女、それなりには強運みたいだな)

カイジ(この局面でハートのQを引いてくるとは)

カイジ(だが所詮は女王! 勝てねえ王、キングにはっ……!)

カイジ(そして蛇喰の2枚目はクラブの5! 大したことはねえっ……!)

カイジ(とはいえ俺の2枚目のカードもクラブの2)

カイジ(冴えないが、まあいい! とにかくKで一勝できるのは決定した!)

夢子「ところで伊藤さんは物を大切になさる方なのですね」

カイジ「あ……?」

夢子「だってこのトランプ、所々に傷があります」

夢子「新しいものを買わずに、こんなになるまで使い込むなんて、私も見習いたいです」

カイジ「ッ……!」

カイジ(まさか、気づかれたのかっ!)

カイジ(必勝の裏技、ガンカードにっ……!)

夢子「お互い良い手が入ったようですね。楽しい勝負ができそうです」

カイジ(抜かせ! 結局、お前はイカサマに気付いているのかっ!)

夢子「では私はこちらのカードを出しますね」パタ

カイジ(クイーンを出した……! ということはやはり気づいてないのか?)

夢子「伊藤さん、レイズの上限は互いが賭けられるチップの数でいいんですよね」

カイジ「ああ、そうだが、それがどうかして」

夢子「では私はこの勝負に全てのチップを張ります」ガバ

カイジ「何っ! 全てってことは20枚、つまりは2000万ってことか!」

夢子「はい。その通りです」

カイジ(馬鹿! やった、この女やりやがった!)

カイジ(やっぱり気づいてなかったんだ、俺のイカサマに気付いてたら、必敗の勝負にチップ20枚も張るはずがねえっ!)

カイジ(そもそも本当にイカサマを見抜いていたのなら、カードの傷のことを口にする必要はないんだ!)

カイジ(もしそれで俺にイカサマを見抜いたと気づかれたら最悪!)

カイジ(不必要なリスク! 自分から有利を捨てに行くなんて合理的じゃないっ!)

カイジ(所詮は女子高生……俺の敵じゃなかった!)

カイジ「ククク、金の圧力で押しつぶそうって考えは悪くないが、俺には通用しねえっ!」

カイジ「悪いがドロップはしないぜっ! このカードで勝負だ、蛇喰っ!」

カイジカード スペードK

夢子カード  ハートA


カイジ「よし勝ったっ! 俺がキングで蛇喰は……エース?」

カイジ「あ、あああ、ああああああああああ……!」グニャー

夢子「私の勝ちのようですね。それじゃあ負け分の200万を引いた1800万をいただきます」

カイジ「何で、どうして、だってその傷は」

夢子「ハートのクイーンのはず、ですか?」

カイジ「あ、え、何で、そのことをっ……!」

夢子「山札の一番上からクラブの3、スペードのJ、ハートの8、ハートの6、ダイヤの4」パラパラパラパラパラ

カイジ「ま、まさかカードの傷に気づいた上に、全てのカードの傷をっ!」

夢子「ええ覚えました。ですからエースの傷を偽装してクイーンに見せかけることができたんです」

カイジ(蛇喰がこれまでレイズしなかったのは勝負を引きのばして傷を確かめるためかっ……!)

カイジ(俺が一か月かけて覚えた傷をこんな短時間で、この女の記憶力まともじゃねえっ!)

カイジ(しかもその傷を利用して俺を嵌めただとっ……!)

カイジ「……何で、言ったっ! カードを大切にしてるとか、傷がどうとか余計な発言だったはずっ!」

カイジ「あれで俺に気付かれたらあんたがやばかったっ!」

カイジ「しかも俺の手札には2があったんだぞっ!」

カイジ「全ての傷を覚えたんなら、見えてたんだろっ……!」

カイジ「もし俺がそっちを出してれば、あんたは負けてたんだっ……!」

カイジ「イカサマを見抜いたのなら、黙っていればいいはずっ!」

カイジ「それで自分が確実に勝てるタイミングで仕掛ければ良かったっ!」

夢子「だって、それじゃあつまらないでしょう」

カイジ「つまらない、だとっ!」

夢子「私は絶対に勝つ勝負も、絶対に負ける勝負も嫌いなんです」

夢子「それはギャンブルではありませんから」

カイジ「っ……!」

夢子「伊藤さんとの勝負、中々に刺激的でした」

カイジ(この女は狂っている……! まともじゃねえっ!)

カイジ(ギャンブル狂……賭けぐるいだっ……!)

カイジ(だが、それも俺はっ!)

カイジ「待ってろっ……!」

夢子「?」

カイジ「俺は復活するっ……!」

カイジ「確かに俺は負けたが、まだ金は残ってるっ……!」

カイジ「この金を博打で増やしたら、リベンジだっ! 蛇喰夢子っ……!」

夢子「ふふ、楽しみにしておきます」

夢子「あら、ようやくいらしたのですね、鈴井さん」

夢子「今日は学校を案内してくれる約束でしたよね」

カイジ(俺も転校生だから一緒に案内してもらうか?)

カイジ(駄目っ! 俺と蛇喰はライバル、もしくは宿敵のような関係っ!)

カイジ(慣れあうわけにはいかねえっ!)

カイジ「なあ鈴井で、いいよな」

鈴井「えっと君は転校生の」

カイジ「俺の名前なんてどうでもいいっ! それより大金! 大金を賭けて勝負できる相手を知らねえかっ……!」

鈴井「えっと、それなら夢子」

カイジ「それ以外でだっ……!」

鈴井「じゃあ生徒会の人なんてどうかな」

カイジ「なるほどっ! この学校を牛耳ってる奴らなら当然、持ってるってわけだ……金をっ!」

カイジ「鈴井、恩に着るぜっ! 俺は生徒会長を倒して金を巻き上げるっ!」

鈴井「え! 生徒会長はやめた方が」

カイジ「大丈夫! JKが相手だからってもう油断はしねえっ!」

カイジ「なら楽勝さっ……! 生徒会長だろうが、所詮は子供っ!」

カイジ「大人である俺の敵じゃねえっ……!」

カイジ「生徒会長を倒して、俺が学園のトップに立ったら、その時は再戦だ、蛇喰っ……!」


蛇喰夢子にリベンジする資金を稼ぐ手段としてカイジが選んだ方法は生徒会長の討伐!

百花王学園という新たな地で伝説のギャンブラー伊藤カイジの死闘が今、幕を開けたっ……!


第一部・完

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