おもちゃ屋「両さん、麗子さんのフィギュアのことなんだが…」(79)

麗子と両さんが結婚したけどドタバタに巻き込まれ、
というお話です、はい

浅草神社

本田「すごいですねえ、三社祭よりにぎやかかも……」

麻里愛「纏さんと両様が結婚するって間違えたときも大騒ぎでしたけど」

中川「さすが先輩と麗子さんの結婚式だ。あれ、部長、泣かれてるんですか。そんなに、先輩の結婚を喜ばれて……」

部長「泣いてなんかおらん!ただ、麗子君のご両親の無念を思うと、申し訳なくてだな……」

中川「そうですか……」

部長「こんな結婚式は見るに耐えん。わしは先に失礼させてもらう」

中川「お気をつけて…………部長も素直じゃないんだから。素直にうれしいって言えばいいのに。でも、祝い酒は心置きなく一人で飲みたいのかな……」

・・・ある日の夕方、両津家・・・

麗子「ただいまぁ」

両津「お、麗子遅かったじゃねえか、残業か?」

麗子「ううん。米吉おじさんところの総菜屋さんを手伝いに行ってきたから。あ、これ、米吉おじさんがお土産だって」

よね(両津母)「おやまあ、ずいぶん奮発してくれたね」

両津「そりゃあ、麗子が店番したら売り上げが違うからな」

よね「麗子さん、ホンとは良い所のお嬢さんなんだろう?申し訳ないねえ、あんな表六玉と結婚したばっかりに、こんなところに住まわせちまったり、店番手伝わせたりしてさあ」

麗子「そんなことないわ。毎日楽しいですもの。お母さんたちさえよければ子供ができるくらいまではこのまま……」

両津「子供ができるまでって行ったら、いつになるかわからねえじゃねえか」

麗子「え、どうして?」

両津「お前声デカイから、この狭い家じゃ思うように…ガンッ!!…ウウッ」パタッ

麗子「あら、両ちゃん疲れてたのかしら、急に寝ちゃって……先に休ませてもらいますね」

よね「あ、ああ。おやすみ」

麗子「もう両ちゃんたら重いんだから、ダイエットしてもらわなきゃ……ズリズリ……じゃあ失礼します」ズリズリ

銀次(両津父)「勘吉の奴、白目むいてたな……」

よね「上流階級の人のコミュニケーションてのは激しいねえ」

おもちゃ屋「両さん、ちょっと相談ごとがあるんだけど」
おもちゃ屋「両さん、ちょっと相談ごとがあるんだけど」 - SSまとめ速報
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の、おまけです。もやもやを解消したくて書いてしまいました。
蛇足と重々わかっちゃあいるんですが、ご容赦を……と言うか、蛇足って言うほどたいした物でもないですけど

まってた

あれの続きか


・・・とある昼下がり、亀有公園前交番・・・

おもちゃ屋「両さん、ちょっと相談があるんだけど」

両津「なんだ?金ならないぞ、麗子に全部押さえられてるからな」

おもちゃ屋「違うんだ、前に頼んだ麗子さんのフィギュアのことなんだが…」

両津「もうあれはやめだ、キャンセルしといてくれ」

おもちゃ屋「困るよ、両さん。急にそんなこと言われても…」

両津「自分の嫁のフィギュアなんか人にやるわけないだろう」

おもちゃ屋「しかし、さっさとよこせって注文主のホンダラ国王から矢の催促なんだ」

両津「ホンダラ国王ってヤツだったのか、あんなもの欲しがってたのは。違約金ならいくらでも出すって言っといてくれ、じゃあな」


・・・その夜の両津家・・・

両津「おう、麗子。今月は小遣い増やしてくれ」

麗子「もう音を上げたの?月1000円で暮らすって約束したじゃない」

両津「そうじゃねえ。ちょっと入用なんだ」

麗子「なんに使うの?オゲレツなDVDでも買おうと思ってるんでしょう?」

両津「違う!エーと、少し言いにくいんだが……少し前にお前の人形を作ろうとしたことがあっただろう?それを断るのに違約金の支払いをしなきゃいけねえんだ」

麗子「つまらない小遣い稼ぎしようとするからよ。今度あんなことしたら部長さんに言って度井仲村に単身赴任してもらうわ。で、いくら必要なの?」

両津「請け負ったとき500万ドルだったから1000万ドル以上請求されることはないと思うんだが」

麗子「今日の相場なら、12億円ぐらいね。それぐらいなら良いけど、もうこんな無駄遣いしちゃだめよ」

両津「おう、わかってる」

麗子「ほんとにしょうがないんだから。で……」

勘吉「で?」

麗子「お小遣い増やしてあげたんだから……」

勘吉「ん、なんだ?」

麗子「いつもより、そのう……言わせないでよ!」

勘吉「ああ、そういうことか、任せとけ、ちゃんと満足させてやる」

麗子「うん……あっ……」

勘吉「どうした、口押さえて」

麗子「ほら、声が大きいって言ってたでしょ。私、そんな大きい声出してる?お父さんたちに聞かれてないかしら……」

勘吉「別に恥ずかしいことしてるわけじゃないんだから……」

麗子「恥ずかしいわよ!」

勘吉「まあ、そうだな。じゃあ少し静かにするか……」

● 合 体 ! ●

・・・そのころふすまの裏では・・・

銀次「母ちゃん、勘吉の奴小遣い12億円だって。わしの小遣いもすこし増やしてくれねえか」

よね「なに言ってんだい。この店売ったって12億になんかならないじゃないか。お話にならないよ」

銀次「しかしこの様子だと……」

よね「意外と早く子供できるかもねえ。鴨居がぎしぎし言ってるじゃないか」

今日はここまでです

ご存知の方も多いとは思いますが、米吉は両さんの母方のおじさんで柴又で総菜屋をやってます
いまさらですが……

・・・数日後、交番近くの喫茶店・・・

おもちゃ屋「両さん、ちょっとまずいことになってるんだ」

両津「どうしたんだ、例の件か?ちゃんと断っとけよ」

おもちゃ屋「フィギュアを欲しがってるのは王様じゃなくて王子なんだ」

両津「それがどうした?」

おもちゃ屋「大使館の人が言うには、王子はいつも甘やかされてるから、言うこと聞いてくれないらしいんだ。金なんか要らないと言ってるって……」

両津「そんなことわしは知らん」

おもちゃ屋「しかし産油国の王様を怒らすと外交問題になるぞ」

両津「そんなことは、国が考えれば良いことだ。下町の警官には関係ない」

おもちゃ屋「そんなあ。両さん頼むよ……」

両津「自分でなんとかしろ。じゃあな」

・・・ある夜の両津家・・・

黒電話 ジリジリジリ

よね「麗子さん、ガースーさんて人から電話だよ~」

麗子「すみません、今行きまーす。もしもし…あ、ご無沙汰してます…え?うすうす聞いてはおりますが…それはちょっと…どうしても私じゃないといけないんですか…
出来ましたらお断りしたいんですけれど…はあ、そうですか…考えさせてください……では失礼します」

両津「今年の舞台は、また警察なのか?」

麗子「なんのこと?」

両津「ガースーって笑ってはいけないシリーズのプロデューサーだろ?また中川と一緒に漫才してくれって言われたんじゃないのか?
あのオッパイを頭にのせてミッキー○ウスって言うネタは、なかなかよかったぞ。ちょんまげはどうかと思うが……」

麗子「違うわ、そのガースーさんじゃなくて官房長官よ……」

両津「え、浣腸屋さん?お前、便秘してたのか、ちゃんと野菜食べないと…」

ガンッ

両津「痛え!なにすんだ!」

麗子「どこの世界に浣腸屋さんなんてものがあるのよ!官・房・長・官!!」

両津「ああ、たまにテレビに出て訳のわからんことをブツブツ言ってるおっさんか。で、あのおっさんが麗子に何の用があるんだ?」

麗子「私のフィギュア作るのに協力して欲しいって」

両津「なに!なんで、そんなお偉いさんがこんなことに首を突っ込んでくるんだ?」

麗子「ホンダラ国の大使館から強硬に要求されたらしいのよ」

両津「そんなのほっぽっとけ」

麗子「私もそうしたいんだけど……周辺産油国を巻き込んで日本への原油輸出を停止するって」

両津「うーむ、たかがフィギュアのためになんて大げさな手を使うんだ。しかし、だからと言って麗子がそんなことに協力しなくても……」

麗子「なに言ってるのよ。両ちゃんが作るって言ったからでしょ!」

両津「……すまん……」

麗子「……しょうがないわ。みんなに迷惑かけるわけ行かないもの、さっさとやっちゃいましょ。私は何をしたら良いの?」

両津「とりあえず、体の採寸だな」

麗子「わかったわ。身長からで良い?」

両津「ああ。ここの大黒柱で計るか。身長は……170センチと…もうちょっと高いと思ってたんだが」

麗子「作者の気分で変わるから…」

両津「そういうことを言うんじゃない!それはそうと、次は3サイズだ……」

麗子「下着になれば良い?」

両津「いや、もう少し詳しいデータがいる」

麗子「結局裸にならなきゃいけないのね。まあ良いわ、どうせ両ちゃんにはいつも見られてるんだし…ゴソゴソ…ポイッ…はい、どうぞ」

両津「良い脱ぎっぷりだな。さすがモデルをやってるだけある。バストは…98センチか。前よりでかくなったんじゃないか」

麗子「そうなの、支給の制服だと胸のところがきつくって。経験すると体質が変わるって言うけど…どう思う?」

両津「わしに聞いたって判るわけないだろう。えーと、ウエストが61…ヒップが93」

麗子「イヤだ、少し太っちゃったわ。ねえ、両ちゃん、太ったら嫌?」

両津「こんなの太ってるうちに入るか。それに少しぐらい太ったって麗子は麗子だろう」

麗子「よかった」

両津「次はノギスで…」

麗子「そんなもので何するの?」

両津「乳首の大きさを…」

麗子「そんな尖ったもので計らなきゃいけないの?」

両津「これが一番正確なんだ」ピタッ

麗子「ひゃっ、冷たい。傷つけちゃイヤよ」

両津「大丈夫だ……8.12ミリ…ん、8.64…いや8.9…9.4って、おい麗子、乳首大きくするな、計れんじゃないか」

麗子「無理言わないでよ、両ちゃんが刺激するからじゃない!」

両津「別に刺激してるわけじゃない。ただオッパイの弾力を確かめるためにもんでるだけで…」

麗子「それを刺激って言うのよ!だけど両ちゃん……」

両津「ん、なんだ?」

麗子「別に今日全部計らなくても良いのよね?それに前、私の人形を作ったときのデータもある程度残ってるんでしょ?」

両津「まあ、そうだが……」

麗子「両ちゃんがいろいろするから、そのう、私だって……」

両津「そうだな……しかしまだ胸のデータしか採れてない。下のほうも採らないと……」

麗子「下のほう?」

両津「感触とか、圧力とか……」

麗子「そんなところまで……なんてもの作ろうとしてるのよ!!でも、わざわざ調べなくたってもう判ってるでしょ?」

両津「こっちだっていつも夢中なんだ。そんなもの覚えてない」

麗子「そんなものって言い方はないでしょ。でも良かった」

両津「何が?」

麗子「私だけ、その、あれだったら申し訳ないなって思ってたから」

両津「そんなことはない。お前こそ、わしでいいのか」

麗子「うん、どうして?」

両津「わしのを見てかわいいって言っただろう」

麗子「そんなこと言ったかしら……?あ、特殊部隊になったってお芝居をしたときね。あれは大きさの話じゃないわ、あんなかっこしてはしゃいでるのがかわいいって言ったのよ。まだ根に持ってるの?」

両津「そういうわけじゃないが……麗子なら外人さんのも見て来てるんじゃないかと思ってたからな」

麗子「両ちゃんのしか知らないわよ、身に覚えがあるでしょ?そうだ、ねえ勝負してみない?」

両津「勝負?」

麗子「どっちが先に相手を…」

両津「馬鹿!そんなもの勝負するもんじゃない」

麗子「そんな事言って負けるのがイヤなんでしょう?」

両津「ふざけるな、わしが負けるわけないだろう」

麗子「でも、もうこんなじゃない」スリスリ

両津「なにを言ってやがる!男はここからだ!」

麗子「ふーん、だったら勝てたらお小遣い増やしてあげるわ」

両津「小遣い……よしっ、その言葉忘れるな!」ガバッ

麗子「負けないわよ!」ギュッ

両津「あ、麗子きたねえぞ!」

・・・少しあと・・・

麗子「ハア、私の勝ちね」

両津「いや、わしの勝ちだ」

麗子「だってもうこうなってるじゃない」ツンツン

両津「じゃあ、わしの背中の引っかき傷はなんだ」

麗子「でも、両ちゃんのが先だったでしょ」

両津「そんなことはない。お前のが先だ。文句を言うなら、勝負やり直すか?」

麗子「いいわよ」

両津「今度は、グダグダ言えないぐらい叩きのめしてやる」

麗子「それはこっちのせりふよ!アン、そんなところいきなり…ズルイ……」

・・・ずいぶんあと・・・

麗子「あ、もうダメッ」パタッ

両津「ゼエゼエ、どうだ。わしの勝ちだ」クラクラ

麗子「ハアハア、ち、違うわ、まだ5勝5敗で引き分けよ」クラクラ

両津「なに!だったら次で決着だ!」

麗子「いいわよ!泣きの一回なんてもう無しだからね!」

両津「おまえこそ、今のは無し、なんてもう言うなよ!」

麗子「両ちゃんがいきなり変なところを突っつくからでしょ!」

スズメ チュンチュン

麗子「あ、いけない!もう朝よ、仕事行かなきゃ」

両津「もうそんな時間か、勝負はお預けだな……」

麗子「ハイ制服よ、早く着替えて」

両津「サンキュー…ゴソゴソ…麗子、頼みがある」

麗子「なあに?」

両津「派出所まで自転車乗せてってくれ。腰が立たん……」

麗子「偶然ね、私も同じ事言いたかったの……」

両津「……」

麗子「しょうがないわ、そこらへんでタクシーつかまえましょう。もう時間無いから朝ごはん抜きよ」

両津「わかった。おう、行ってくるぞ」ヨロヨロ

麗子「行って来ます……」ヨロヨロ

よね「いってらっしゃい、気をつけてね…………しかし、麗子さんも負けず嫌いだねえ」

銀次「そうだなあ、毎日こうだったらこっちの体がもたねえ」

よね「今日は店あけるの昼からにしようか?」

銀次「ああ、眠くてしょうがねえや」

今日はここまでです

・・・その日の亀有公園前交番・・・

本田「おはようございます、先輩。あれ、なんか元気ないですね?」

両津「ああ、ちょっとな……」

本田「麗子さんもなんか疲れてるみたいですね。あれ、お化粧もしないで来たんですか?」

麗子「お寝坊しちゃったの」

本田「麗子さんらしくも無い。ひょっとして、また夫婦喧嘩したんですか?」

麗子「そんなところかしらね」

本田「声も少しハスキーになってるし。喉がかれるほど怒鳴りあったんですか?」

麗子「そういうわけじゃないんだけど……」

本田「ダメですよ先輩、麗子さん怒らせたら。原因はなんですか?」

両津「麗子がな、わしを先に……ガツン…うっ」パタ

麗子「余計なこと言わないで!!まあ、ちょっとした意見の食い違いって言うか……ね、両ちゃん?」

本田「先輩は、気を失って机に倒れていますけど」

麗子「あら、ちょっと力加減を間違えちゃった……」

本田「おぼんの角でしたからねえ」

ガラガラ

部長「諸君、おはよ…ん?両津、なに朝から居眠りしているんだ!この馬鹿者、少しは麗子君を見習え!貴様のような愚か者はこうしてくれる!!ドカッボコッガツッ……」

両津「痛い!あ、部長?わしが何を?許して……」

麗子「あの部長、これは私が……」

部長「麗子君、こいつをかばいたい気持ちはわかるが、甘やかしたらいかん。この馬鹿のことはわしが一番よくわかってる…ドカッボコッ」

麗子「いや、そうじゃなくて……」

本田「もう無理ですよ、麗子さん。これは部長のライフワークみたいなもんですから」

麗子「ごめんね、両ちゃん…」合掌

両津「誰か助けてーーー」

・・・その夜の両津家・・・

両津「いてて」

麗子「大丈夫?」

両津「こんなもん唾でもつけとけば直る」

麗子「だめよ、ちゃんと消毒しなきゃ、ホラ……」

両津「よけいしみるじゃねえか」

麗子「ごめんなさい……私が余計なこと持ちかけたから、こんな……」

両津「部長に殴られるのは、いつものことだ。気にするな」

麗子「うん……でも昨日の続きはしなきゃ」

両津「もう無理だ、腰が言う事をきかねえ。わしの負けだ」

麗子「ホラ見なさい、って言いたいけど、わたしも一緒。今日一日椅子に座ってるのがやっとだったわ。足に力がぜんぜん入らないの。
だから今のところ引き分けね。だけど、そうじゃなくてデータどりの方よ。ガースーさんに頼まれてるし…」

両津「そっちか…」

麗子「気乗りしないみたいね」

両津「まあな、昔から人に何か言われてやるのは好きじゃねえんだ」

麗子「でもしょうがないわ。いやな事は早く済ませましょう。今日は下のほうね、はあ……ゴソゴソ…クルクル…ポイッ…いいわ」

両津「お前、下はツルツルにしないんだな」

麗子「そうだけど…どうして?」

両津「外人のモデルさんはみんなツルツルにしてるって週刊誌に書いてあった」

麗子「私は日本人だし、モデルは本業じゃないもの。でも、両ちゃんがそっちのほうが好きって言うんなら全部処理してもいいけど……」

両津「わしはそんなもので好きになったり嫌いになったりすることはない、好きなようにしてくれ」

麗子「それならこのままにしとくわ。またノギスで測るの?」

両津「いや、最初にシリコンで形をとる」

麗子「それ下の毛にくっつかないかしら?」

両津「そうだな、なにかオイルないか?」

麗子「スキンケアに使っているオリーブオイルなら…」

両津「それでいい、そいつを塗っておこう」

麗子「えーと…ガサゴソ…これよ。両ちゃん塗ってくれる?」

両津「わしが?まあ、かまわんが……ペタペタ、スリスリ……ん?麗子、お前……」

麗子「オ、オイルよ!別に私は……」

両津「わしは何も言ってない」

麗子「……いじわる!両ちゃんが微妙なところまで触るからじゃない!」

両津「………」

麗子「どうしたの、じっと見て。なんか変?」

両津「おかしい……」

麗子「やっぱり昨日無茶したから腫れてるのかしら。ちょっとヒリヒリしてるし……」

両津「やめた!こんなこと!」

麗子「え、どうしたの急に?」

両津「どっかの王様やお偉いさんになんか言われたからって大事な嫁さんに嫌がる事をさせるなんて絶対におかしい」

麗子「そうかもしれないけど」

両津「こんな事麗子にさせたら、江戸っ子の名が廃るってもんだ。わしが自分で行って話をつけてくる。おい麗子、動かせる金はいくらある?」

麗子「急だから10兆円ぐらいかしら」

両津「それだけあれば十分だ、この口座にあるだけ金を振り込んでくれ!」

麗子「はい……」

両津「しばらく休むから、代休の処置も頼む」

麗子「代休も有給休暇も全部使っちゃったでしょ?」

両津「じゃあ、高円寺のおばさんが死んだ事に…」

麗子「それは先月」

両津「だったら、米吉おじさんが死んだ事にしといてくれ」ダダダダダッ

麗子「……ああ、行っちゃった。でも、米吉おじさんのお店には署長さんが買い物に来るのに。どうやってごまかそうかしら……」

ここまでです

まぁ両さんならそうするわな

・・・数日後、亀有公園前交番・・・

中川「先輩まだ休んでるね」

麗子「うん」

中川「本田さんから聞いたんだけど、先輩とまた喧嘩したんだって?先輩が休んでるのと何か関係が有るんじゃないの?」

麗子「直接関係あるわけじゃないわ。ただ……」

中川「ただ?」

麗子「ホンダラ国とちょっとしたトラブルがあってね、で、自分で話をつけてくるって」

中川「ホンダラ国と?先輩が?」

麗子「うん、それで、ここに10兆円振り込んどいてくれって」

中川「10兆!そんなとてつもない額をいったいどこに……あ、ここは!」

麗子「え、何か問題があるところなの?」

中川「こんなところまで先輩の交際範囲が広がっていたとは……」

テレビ「それでは次のニュースです。ホンダラ国が正体不明の海軍により攻撃を受けているという情報がたった今入りました。奇跡的に死傷者は出ておりませんが…云々…」

中川「まずい、始まってしまった!」

麗子「これって、両ちゃんが……」

中川「ああ、間違いない。先輩の仕業だ。外交問題にならないようになんとか手を打とう……」


・・・ホンダラ国沖、ミストラル級強襲揚陸艦・・・

死の商人「フフン、お前さんが指揮官をやるような時代が来たか」

指揮官「自分で雇っておいてよく言うよ」

死の商人「空母の注文があったんだが、強襲揚陸艦しか手に入らなかったんじゃ。強襲揚陸艦じゃVTOLしか使えんからな。
VTOLでの戦闘をお前さんほど知ってるパイロットはおらんじゃろう。それにしても敵味方とも死傷者0ってのはたいしたもんじゃ」

指揮官「あそこでの戦いを思えばなんて事無いよ。それより、よくF35Bなんて手に入ったね」

死の商人「金さえ出せばクレムリンだって引っ張ってくるって言っただろう。ハリアーがよければ持って来てやるぞ」

指揮官「いまどきハリアーで戦う勇気は無いよ」

死の商人「そうだ、忘れてた。これは報酬のおまけじゃ」

指揮官「あ、イチゴジャム!ありがとう!」

・・・無線通信・・・

オペレーター「SEAD(敵防空網制圧)および当面の航空優勢獲得に成功。目標の80%を破壊、王宮上空のヘリの飛行に支障なし、進入を開始せよ」

ヘリパイロット「ハンター了解……リョーツ、降下地点だ。あの塔のバルコニーに降下すれば直接国王の部屋に入れる。
パラシュートは降下と同時に開く。操縦しなくてもすむようピンポイントで落としてやる」

両津「ああ、頼む」

ヘリパイロット「よし、では俺の合図で飛び出せ…………降下用意…………降下!」

両津「いってくらあ!」

・・・・ガツッ・・・ユラユラユラ・・・・ガシャーン


両津「痛え!何がピンポイントだ、窓ガラスに直撃しやがった。まあいい、王さんはどこだ!?」

王様「騒々しい。お前は誰だ?」

両津「警視庁の両津だ!ん、おまえが王さんか?どこかであったことがあるような」

王様「東京には何度も行った事があるからな」

両津「それでか、まあいい。そんなことより、麗子のフィギュアはあきらめてくれ」

王様「麗子のフィギュア?なんの話だ?」

両津「とぼけるな!ここまでは怪我人が出ないようにやってきたが、ゴタゴタ抜かすとこの王宮ごと吹き飛ばすぞ」

王様「物騒な事を言うでない。ひょっとして東京のおもちゃ屋での話しか?あれは、戯言だ」

両津「しかしお前の息子が、日本政府に圧力かけてるって言うじゃねえか」

王様「わしに息子はいないが……ひょっとして、プリンスのことか」

両津「プリンスといったら王子様だろう?」

王様「そうじゃない。プリンスの通訳がなにか間違えたんだろう、この間、交代したばかりだからな。プリンス、こっちにおいで」

サル「キキィッ」

両津「サル?あっ、お前、昔わしが護衛してやったエテ公じゃねーか!そうか!ガースーの奴、こいつの名前を王子と勘違いしやがったのか!」

サル「キキィッ」

両津「サルの分際で人の嫁に懸想するとはいい根性だ!叩きのめしてやる!」

サル「キキィッ」

両津「痛え!てめえ、反抗するんじゃねえ!」

ガシャン ドカン ガツン グシャ ビリビリ… … …

王様「コラコラ、お前たち静かにしなさい。おーい、誰か来てくれーー」

・・・その日の夕方、亀有公園前交番・・・

中川「握りつぶすの大変だったよ、中東の王族たちにもずいぶん借りを作ったし。弁償やらマスコミ対策やらで結局2000億ドルくらいかかってしまったよ」

麗子「ごめんなさい、圭ちゃんにはいつも迷惑かけて」

中川「いいんだ、ぼくも先輩とは親戚だし……絶対認めたくないけど。とりあえずマフィアの内輪もめという事で決着をつけてもらったんだ。ニュースでもやると思うよ」

テレビ「朝のニュースでお伝えしたホンダラ国への攻撃の情報は、国王のペット同士による喧嘩を誤認したものであったということがわかりました。
なおペット二匹はお仕置きで動物園に収監されたそうです。その映像がこちらです」

中川「あれ?ペット同士?」

麗子「2匹って言ったら、ひょっとして…」

テレビ「何でわしがサルと一緒に檻に入れられなきゃいけないんだ!出してくれーーー!!ぶちょーーーー!!」

中川「うーん、マフィアの抗争のはずだったんだけど、なんか手違いがあったみたいだ。
しかし、この程度なら先輩もなれてるだろう、地球の外ってわけでもないし」

麗子「そうね、あれくらいじゃびくともしないでしょう……でも、私のために行ってくれたんだもの、迎えにいってあげなきゃ」

中川「そうか。じゃあ、僕のプライベートジェット使ってよ」

麗子「ありがとう、助かるわ」

・・・その日の夕方、総菜屋「みはしや(米吉おじさんの店)」の店先・・・

麗子「そろそろ署長が来るころだわ……あ、来た……。あの、おじさま、少し奥で休んでいらしたら?」

米吉「麗子さんに手伝ってもらってるのに悪いよ」

麗子「おじさまに楽してもらうために来てるんですから」

米吉「そうかい。じゃあ、お言葉に甘えて」

麗子「なんとか間に合った……あ、署長、いらっしゃいませ」

屯田五目須「ああ、秋本君、じゃなくって麗子君、今日も手伝いに来てるのかね」

麗子「ええ」

屯田五目須「このお店もご主人がなくなられて、なかなか大変だろう」

麗子「ええ、それで少しでもお役に立てればと思って、ここのところお手伝いに来てるんです。あ、署長、ご注文は?」

屯田五目須「精進揚げを……」

麗子「精進揚げですか。ちょっと待ってください…いつもお世話になってるから、エビと貝柱も入れちゃいますね。ついでにイカも……はい、出来たてホヤホヤです!」

屯田五目須「なんか悪いなあ」

麗子「そんな事無いですわ、ホホホ…今後ともごひいきお願いします。ありがとうございました……ハア、なんとか今日もばれなかったわね……」

京子(米吉娘)「ねえ、麗子さん?」

麗子「なに、京子ちゃん?」

京子「今のおじさん、ご主人が亡くなったとか言ってたけど?」

麗子「なんか勘違いしてるんじゃないかしら…コホコホ」

京子「ふーん。でも、麗子さんて意外と両さんとやること似てるのね。両さんもあのおじさんの精進揚げにいろいろ入れてかき揚げにしてたわ」

麗子「いやよ、両ちゃんと似てるなんて……そうだ、京子ちゃん、一緒に海外旅行に行かない?前に話してたヨーロッパじゃないけどね」

京子「麗子さんと!!うれしい!!けど、どこへ行くの?」

麗子「ホンダラ国。両ちゃんを迎えにいくの。ちょっとゴタゴタが有ってね、帰って来れなくなってるのよ」

京子「大変ね。でも……お金かかるんでしょう?」

麗子「知り合いの自家用機で行くから旅費はただよ。どうせだから帰りがけに7つ星ホテルにも泊まってみようか?オーナーを良く知ってるから心配要らないわ」

京子「ほんと!でも良いの?両さんだって早く日本に帰ってきたいんじゃない?」

麗子「だって少しでも早く……じゃない」ポッ

京子「あら、どうしたの、麗子さん?真っ赤よ」ダイジョウブ?

麗子「そのう……大人の都合よ」
                        お わ り

結局艶っぽくなることもなくだらだらと長くなっってしまいました。
でも京子ちゃんを使う事が出来たから、個人的にはよしとしよう

昔のこち亀っぽいオチで、面白かったよ
おつした

>>56
エリア88の事ですね!

そのとおりです

今度こそ本当に最後

・・・七つ星ホテル・・・

両津「ようやく檻から開放されて人間扱いしてもらえるな……。おう、京子、お前の父ちゃんの稼ぎじゃ一生泊まれないホテルだからな、しっかり楽しめよ」

麗子「両ちゃん、言い方ってものがあるでしょう!」

京子「ううん、本当に麗子さんのおかげよ。両さんにはもったいないお嫁さんだわ」

両津「なに生意気な事言ってやがる。おう麗子、酒が飲みてえな」

麗子「シャンパンなら冷蔵庫に冷やしてあると思うわ。ウィスキーならそこのカウンターバーの横に……」

両津「酒って言ったら日本酒だろう」

麗子「ないわよ、こんなところに日本酒なんか」

両津「これだけでかいホテルだ、探しゃあ有る」

麗子「もう……」

両津「つまみはきゅうりの漬物が良いな」

麗子「あるわけ無いでしょう!日本じゃないのよ」

両津「だったらきゅうり生でもってこい。塩と麹を一緒に食って頭の上に石をのっけとくから」

麗子「馬鹿な事言わないの!」

両津「しょうがねえな。じゃあ、おでんが食いてえ」

麗子「こんどはおでん?」

京子「ひどいわ、両さん!麗子さん、わざわざ日本から迎えに来てくれたのに、わがままばっかり言って!」

麗子「いいのよ。ねえ京子ちゃん、おでんのたね作れる?」

京子「こんにゃく以外なら大体は」

麗子「じゃあ少し手伝って、ホテルのキッチンと材料を貸してもらって作るわ。両ちゃん、ちょっと待ってて」

両津「さっさとしろよ……あーあ、行っちゃった。 有り難いねえ、女房ならばこそ、わざわざ中東くんだりまで迎えに来てくれて、おまけに亭主のわがままを承知でおでんを作りにいって。
俺には過ぎたる女房だ。いい女だよ。本当に美人だし、スタイル抜群で胸だってでかいのに少しも垂れてねえ超一級品だ。口じゃあポンポン言うようなものの、心から済まないと頭を下げて……
おいっ、まだ行かねえのかい。いけねえ、元帳見られちゃった……毎度おなじみ”替り目"の一席でした。おあと御ゆっくり……」♪テケテンテン……

                                                           今度こそ続かない

まさかの落語オチ

続かないと言ってるけど、おだてたらまた続いたりして

どこからが落語なんだろう・・・・・・

やっちゃおうかな……

やっちゃえば

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月30日 (火) 11:58:40   ID: M5wiUdSA

やっぱ両津×麗子だよな~

2 :  SS好きの774さん   2014年12月31日 (水) 15:41:48   ID: J5L6oUnI

だがしかし婦警洋子ちゃんも悪くは

3 :  SS好きの774さん   2014年12月31日 (水) 22:30:16   ID: jQeKxAtm

琴音の立場は?

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