【アイマス】響「アゲハ蝶」【ポルノグラフィティ】 (19)

『寝付けない時の他処方は?』

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自分はマンションのベランダに出て月を眺めることにしてる。夏場の熱帯夜などは特に、

自分の中での決まり事だ。

カーディガンを羽織りながら目線を下げると
そこにはまるで宝石箱をひっくり返したかの様な、色とりどりの光が拡がっていた。

「ん? んんん???」

この頃、少し目が悪くなったみたく世界がぶれる
完璧とか言っていた自分が恥ずかしいぞ。
「そのせい」と言うか「お陰」というか
昔、見ていた世界よりも光が拡散して悔しくも世界がより綺麗に見える

とか考えてたら

「ックシュン!! うぅ~」

夏といえども夜は流石に冷える。
ふるさとと比べると特に違いを感じてしまう。

背中に家族たち皆の『いびき』とも『寝言』ともとれない唸り声を聴きながら月を眺めていると

「ん?」

ふと月明かりに照らされキラキラと光りながら
ヒラヒラと………そう!まるで舞い踊るような何かに気付いた。

「んしょ  んん~~~~!」

届かないとわかっている、手の届く場所にあるものではないとわかっていても手を伸ばしてしまう。体を乗り出すようにして

「んん~~~~   うわぁ!!!」

体を前に乗り出しすぎたか
不意にバランスを崩す。
世界の向きが変わっても舞い踊る何かの向きはまるで変わらない。

不思議に思いながらも引き続き手を伸ばすとぐんぐんと近づき

目を凝らすまでもなく正体を確認できる距離になった。

舞い踊る何かは、アゲハ蝶だった。

「貴音………本当に行ってしまうのか?」

「はい……誠、心苦しいことですが」

「どこに行くんだ?……手紙書くからさ!教えてよ」

「響……申し訳ありませんが文が届く所ではないのです」

「じゃあ! じゃあさ! またここに帰って来てよ!自分待ってるから」

「………」

「貴音のするべきこと終わるまで待ってるから」

「…終わりは、ありません 終わらそうと思えば今すぐにでも出来るのですが………」

「そう………そっか」

「はい…」

「気を………つけてね」

「はい……」



「では、わたくしはここで………」

「うん………じゃあ」

とうの昔に顔は忘れてしまった。
今確かに覚えているのは、
『貴音』と言う名前
銀色の髪
それだけだ。

自分と貴音は別々の道を選び歩んだ。

自分はトップアイドルを目指して
貴音は成すべきことを成すために

貴音はまだ還ってこない。

「きっと貴音と自分は同じだと思うんだ。」

目の前を舞い踊るアゲハ蝶に説く

意味などありはしない。
あるとすればそうしなければいけない気がしからだ。

気がつけば漆黒の世界を舞っていたアゲハ蝶は純白の世界に佇む誰かになっていた。

後ろ姿だが銀色の髪が見える。

頭には、カーマイン色のカチューシャ

思い出した。貴音はカチューシャをしていた。

この貴音に振り向いてもらえればきっと顔を思い出せる

そう思い必死に手を伸ばす。

後少し、後少し、後少し!

気がつくと見慣れた天井に向けて手を伸ばしていた。

「ヂュ!?」

「ん? ハム蔵か? おはよー」

「ヂュヂュ!!」

「んー?うえぇ!?心配したって!?なんでぇ?」

「ヂューーー!」

「うなされてた!? ご、ごめんだぞ」

「ヂュ…」

「ってうわぁ!! 遅刻だぞ!」

「ヂュヂュ!」

「急げ急げ!」

ガチャ

「おはようございまーす! 遅刻しちゃったぞー! ごめんなさい!」

「おぅ、おはよう 響が遅刻とは珍しいな。ハハハ」

「笑い事じゃありませんよ!プロデューサーどの!」

「うっ ご、ごめん」

「しかし、あなた様の言う通り響にしては珍しいですね。 昨晩何かあったのですか?」

「実は…昨日の夜、寝付けなくて月を見てたんだ。」

「ほう、それは誠良きことですね。わたくしも今夜から寝付けないときはそう致しましょう」

「聞いてよ貴音!そしたらさ、夜中にしては珍しくアゲハ蝶がひらひらーって飛んでてさ!」

「それでさ!………それで………あれ?」

「響?どうか致しましたか?」

「いや………なんでもない……ぞ…」

昨日の夜は月を眺めてて………アゲハ蝶を見つけて………それで……それで………………???

どこまでが……夢?


「ふふふ、『とっぷしーくれっと』ですよ」


二番までは無理でした
文書くのって難しいわ
短いけど終わりです。

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