明石「媚薬売ります」 (75)

明石「提督が出張の間に資材をこねくり回してたら媚薬ができてしまいました……」

明石「調子に乗って資材を結構使っちゃったしどうすれば……」

明石「……」

明石「出張から戻るまでまだ数日あるし購買で薬を売って利益で資材を買い戻せばいいのでは?」

明石「……そうと決まれば早速やってみましょうか」

『媚薬売ります』

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購買部

明石「そもそも大っぴらにレジ前とかで売ってもいいものなんですかね……?」

明石「でも売れないことには……」

明石「……」

明石「お客さん、来ませんね……」

カラーン

明石「あ、いらっしゃいませ」

青葉「どもども~」

明石「今日は何を買いに来たんです?」

青葉「ちょっとお菓子と……あと面白いものでもあれば――」

明石「……面白いものありますよ?」

青葉「へっ?」

明石「偶然手に入れた効果抜群の媚薬があるんですよ」

明石「よろしければお試しに一本差し上げるのでそれとなーく宣伝してもらえると……」

青葉「本当に効くんですかぁ?」

明石「そこは使ってみてということで……」

青葉「うーん……もらえるなら宣伝はしてみますけど……」

数時間後

明石「青葉さんの宣伝はすごいですねぇ」

明石「あんなにあった在庫も全部売れちゃいましたよ!」

明石「皆さん娯楽に飢えてるんですかねえ?」

明石「……まあいいや、使った分の資材は買い戻しておきましょう」

明石「これでばれないはずですよね……?」

数日後

提督「ああ……やっと帰ってこれた……」

提督「もっと早くつけるはずだったのになぁ」

提督「……もうすぐ夕飯か」

提督「やっぱ鎮守府だと手料理が食べられるのがいいな!」

提督「まだちょっと時間があるし溜まってる書類でも片しますか!」

提督「ちなみに今日の夕食の当番は……?」

提督「お、大和か。楽しみ楽しみ」

厨房

大和「今日は数日ぶりに帰ってきた提督のために腕を振るいましょう!」

大和「漣ちゃんもお手伝いよろしくお願いしますね」

漣「はーい!メシウマさせちゃいましょう!」

大和「まずはニンジンを切って――」

………
……

大和「無事完成しましたね」

漣「いい感じのカレーですね!」

大和「それじゃあご飯をよそってきてもらってもいいですか?」

漣「ほいさっさー!」

漣(この隙にご飯に媚薬を……)

漣(この媚薬を口にしたご主人様と……)

――――――――――――――――――――――――

漣「ご主人さま!顔色が悪いですよ!」

提督「ああ……すまないちょっと」

漣「熱でもあるんですか?」スリッ

提督「ああっ触らないでくれ!」

漣「どうしたんですか?」

提督「そんなに近づいたら……ああもうっ!」ガバッ

漣「キャー!」

――――――――――――――――――――――――

漣(なぁんてことに!)

大和「提督が楽しみに待ってますから早く召し上がっていただきましょう?」

漣「ひゃい!?」ポタポタッ

漣(ヤバッいっぱいかかっちゃった……まぁいっか)

漣「よそってきましたよー!」

大和「ありがとうございます、それじゃあカレーもよそっちゃいましょうか」

大和(ここでこの間こっそり買った媚薬を……)

――――――――――――――――――――――――

提督「大和、お前なんて魅力的なんだ」

提督「近づいてくれ」

大和「……はい」

提督「あぁ……なんていい匂いなんだ」

提督「もっと……もっと……」スッ

大和「んっそこは……ていっ……あっ……」

――――――――――――――――――――――――

大和(……こうなるはずですよね?)ポタッ

大和「協力しておいしそうなやつができましたね!」

大和「早速持っていきましょうか」

加賀「あの……すみませんお二人ともいいですか?」

大和「はい?」

漣「どうしました?」

加賀「二人とも装備の点検の結果の書類が出てないそうで……」

大和「いけない、提督が帰るまでに仕上げるはずだったのに……」

漣「漣も忘れてた……」

加賀「今日中に確認したいから至急しあげてもらってもいいかしら?」

大和「わかりました至急仕上げて持っていきますね」

漣「はーい……」

加賀「料理のほうは誰か別の人にお願いしてもらって……」

加賀「私もこれから工廠に書類を届けないといけないし」

大和「申し訳ないですが誰か手の空いている人……」

漣「ちょっとその辺見てきますね!」

漣「適当に呼んできてその足で私室でしあげちゃいますね!」

加賀「すみません」

大和「一応料理を見ててもらってもいいですか?」

加賀「わかりました。急いでお願いします」

加賀「……」

加賀「……」

――――――――――――――――――――――――

提督「こんな時間にすまない」コンコン

加賀「夜遅くに個室まで来て何の用かしら?」

提督「入ってもいいか?」

加賀「それは……デリカシーがないのではなくて?」

提督「すまないがもうっ」ガチャ

加賀「ちょっと……」

提督「ああ……かわいいよ……俺だけの秘書官にしてやる」

――――――――――――――――――――――――

加賀「……やりました」ポタッ

球磨「あとは球磨に任せるクマー」

加賀「!?」ビクッ

球磨「大和から頼まれてきたクマ」

加賀「そ、そうあとは任せてもいいかしら?」

球磨「おーけークマ」

球磨「美味しいそうクマ……」

球磨「今なら誰もいないしちょっとくらいつまみ食いしちゃっても……」

球磨「……」

球磨「いかんクマ!」

球磨「そういえばあの薬……」

――――――――――――――――――――――――

提督「お前はもうマイぬいぐるみだ!」

球磨「ひゃあ!」

提督「温かいなあ……頬ずりだって」

球磨「やっやめっ」

提督「うるさい自分のものをどうしようと俺の勝手だろ!」

球磨「まずはキスからっ……んっ……」

提督「んっ……」

球磨「ふっふっふー」ポタッ

球磨「……」

球磨「折角だしゆとりの行動をしておくクマ」ポタポタッ

球磨「提督ー!あなたのテディベアちゃんが今行くクマー」

………
……

球磨「おいしいカレー♪カレークマー♪」

霧島「お疲れ様です司令にですか?」

球磨「そうクマー」

霧島「そうですか……すごく美味しそうですね!」

球磨「球磨も食べたいクマー」

霧島「……」

球磨「……」

霧島「それじゃあ行きますね」

球磨「わかったクマ」

霧島「……」

霧島「……よしっ!」

霧島(事前に仕込んだ提督用のお皿を使ってくれた!)

霧島(こういうことを見越して前もって媚薬を塗っといたのよ!)

霧島(艦隊の頭脳は伊達じゃないわ!)

霧島(これで今夜は……)

――――――――――――――――――――――――

提督「メガネはずせよ」

霧島「はい?」

提督「俺はお前の本当の表情を覚えたいんだ」

霧島「は…はい……変じゃないですよね?」

提督「もっと近くで良く見せて……」

霧島「いやっ……」

提督「メガネだけじゃない……お前のすべてを……」バッ

霧島「ああっ!」

――――――――――――――――――――――――

霧島「いろんなところのチェックしておかなきゃ!」

………
……


球磨「もうすぐつくクマ~♪」

伊19「今日の提督のご飯なの?」

球磨「クマっ!?」

伊19「それ……お水忘れてるのね!」

球磨「……うっかりしてたクマ」

伊19「イクがもってきてあげるからちょーっと待っててほしいのね」

伊19「……」ジャー

伊19「……こんなものなのね」キュッ

伊19「これであとは……」ゴソゴソ

伊19「いひひっ」

伊19「……」ポタポタ

伊19「……」ポタポタ

伊19「……」

伊19「念のためなのね」ポタッ

――――――――――――――――――――――――

提督「うずうずしないか?」

伊19「なんのこと?」

提督「こっちこいよ」

伊19「……やさしくしてほしいのね」

提督「……6発はいけるかもな」

伊19「……めを離しちゃいやなの」

――――――――――――――――――――――――

伊19「夜に向けて準備なの~!」

………
……


伊19「急いでもってきたのね!」

球磨「ありがとう、気が利くクマー」

伊19「早く持っていかないと冷めちゃうのね!」

球磨「急ぐクマー」

球磨「提督ーご飯クマー」コンコン

球磨「……?」

球磨「あれ?いないクマ?」

ガチャ

鈴谷「あれ?いま提督留守だよ?」

鈴谷「留守番に鈴谷がいるだけだし入ったら?」

球磨「そうするクマ」

球磨「提督はどうしたんだクマ?」

鈴谷「ちょっと過去の資料さがしだってさ」

鈴谷「そんで鈴谷がお留守番」

鈴谷「……」

球磨「……」

鈴谷「それ美味しそうじゃん……?ちょっとくらいつまみ食いしても……」カチャ

球磨「だっダメクマ!」

ガチャン

鈴谷「あちゃー……スプーン落としちゃった」

球磨「ご、ごめんクマ」

鈴谷「いーのいーの悪いのこっちだし」

鈴谷「……スプーン洗わないわけにはいかないよね?」

球磨「さすがにそのままは駄目クマ」

鈴谷「……だよねー」

球磨「言わなきゃばれないとか思ってたクマ?」

鈴谷「そ、そんなことないし!ちょっと洗ってくるね!」

鈴谷「めんどくさいなーもう」

鈴谷「でも食中毒とか起こされても困るしなー」

鈴谷「……」ジャー

鈴谷「……」キュ

鈴谷「完璧じゃん?」

鈴谷(提督の使うスプーン……)

鈴谷「……」ソワソワ

鈴谷(どうする?やっちゃう?)

――――――――――――――――――――――――

提督「頼む!ヤらせてくれ!」

鈴谷「えーどうしよっかなー」

提督「お前くらいしかいないんだ!」

鈴谷「それじゃあだめーっ!」

提督「お前とシたいんだよ」ズイッ

鈴谷「うわっ近っ」

提督「お前じゃなきゃダメなんだよ」ギュッ

鈴谷「もう……いいよ」

――――――――――――――――――――――――

鈴谷「……もうっ!」

鈴谷「さてさて、突撃いたしましょー!」ダバーッ

鈴谷「多い分には大丈夫だよねー!」

………
……


鈴谷「たっだいまー!」

提督「お!待ってたぞー!」

提督「スプーンがなきゃ食べられないからな!」

提督「ようやく食べられる」

鈴谷「感謝して使ってよね!」

提督「お前が落したくせに……」

提督「……びちょびちょじゃないか」

鈴谷「えっ!?あ、洗っただけだし濡れてても大丈夫でしょ」

提督「それもそうか」

鈴谷(よしっスプーンを口に……入れ…)

明石「すみませんよろしいですか?」ガチャ

鈴谷「!?」

提督「んあ?どうした?」

鈴谷(おしい!)

明石「購買の商品取り寄せの承認を……」

提督「はいはい、ちょっとまっててねー」

明石「すみません」

提督「ちょっとまってね判子がえっと……」

提督「あれっ朱肉が切れてたんだっけ?」

鈴谷「……食べないの?」

提督「なんだよお前も食べたいのか?いやしんぼだな」

鈴谷「いやっそういうわけじゃ」

提督「食堂に行けばお前のぶんもあるだろうし行って来いよ」

提督「もう留守番は大丈夫だし」

鈴谷「あ、うん」

鈴谷(ちゃんと確認したかったな)

鈴谷(まぁ後で確認しによーっと)

提督「……よし」

提督「判子おしましたよーようやく食べられる」

明石「……そのカレー美味しそうですね」

提督「なんだお前もか」

明石「あっいやそういうわけじゃ」

提督「冗談だよ」

提督「今日の担当は大和だから期待できるぞ」

明石「楽しみですね!」

明石「それじゃあ私もそろそろ失礼しま…」

提督「ちょい待ち!!」

明石「はい?」

提督「ちょっとニンジン食べてくれない?苦手なんだよ」

明石「ええ!?」

明石「いい年して何言ってるんですか!?」

提督「良いだろ!提督命令!はい、あーん」

明石「ちょ、ちょっと……あ、あーん」パク

明石「……」

明石「あ、やっぱりおいしいですね!」

提督「そうだろそうだろ!」

明石「作ったの提督じゃないですよ……」

提督「それじゃあ俺も……んむっ」

明石(あっ)

提督「うまいな!」

明石「そ、それじゃあ失礼しますね!」

明石(間接キスしちゃったっっ)

提督「じゃあなー……んむっ」

その夜

漣「来ない……」

大和「来ない……」

加賀「来ない……」

球磨「来ない……」

霧島「来ない……」

伊19「来ない……」

鈴谷「来ない……」

翌日

青葉「どうもーおはようございまーす!」

青葉「本日の秘書官の担当の青葉がお茶をいれてきましたよー!」コンコン

青葉(しかも媚薬入り!完璧ですね!)

青葉「……」

青葉「……あれ?」

青葉「入りますよー……って!?」

朝になり発見された提督は泡を吹いて倒れていた。

緊急で病院に搬送されたのち数週間の入院が必要と判断されたものの診断結果は過労であった。

退院後にはすでに薬に耐性ができておりもはや薬は意味のないものとなっていた。

その後資材の使い込みは当然のようにばれ明石は数か月のの減給が言い渡されたのであった。

おしまい

おまけ

提督が出張から戻った夜

明石「……」

明石「……」モゾッ

明石(ど、どうして……)

明石(こんなに体が熱いんでしょうか……?)

明石「……んっ」モゾッ

明石「だめっ……これじゃあ……提督っ!」

悶々とした夜を過ごしたそうな

今度こそおしまい

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