加蓮「凛ってさ、甘えるの下手そうだよね」 (83)

凛「…………急にどうしたの、加蓮」

奈緒「そうだよ、加蓮。なに言ってんだ、まったく」

凛「ホントだよ。奈緒、もっと言ってあげて」

奈緒「下手そう、じゃなくて下手の間違いだろ」

凛「!?」



加蓮「ごめんごめん。ホント今更だね」

凛「!!??」

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奈緒「ん? 凛、どうかしたか?」

凛「どうかしたじゃないよ!? 加蓮はともかく奈緒までそう思ってたの!?」

奈緒「うん」

凛「即答!?」




奈緒「なぁ、加蓮。凛はどうしたんだ? なんかショック受けてるみたいだけど」

加蓮「さぁ? そういう年頃なんじゃない?」


凛「……私って…………私って」ブツブツ

加蓮「あっ、そうだ。この前奈緒が貸してくれた漫画、面白かったよ」

奈緒「だろっ!? 加蓮ならわかってくれると――」



凛「そんなことないよっ!!」バンッ



加蓮「………………」

奈緒「………………」

凛「………………」



奈緒「……最近、その漫画の最新刊が出たんだけど」

加蓮「ホント? 続きが気になるから貸して――」


凛「二人ともちゃんと聞いてっ!!」バンッ

奈緒「な、なんだよ……なに怒ってんだ、凛」

加蓮「そんなに強く叩いて手、痛くない?」

凛「痛い…………じゃなくて!」

奈緒「別に甘えるのが下手でも良いだろ? 悪いことじゃないんだし」

加蓮「そうそう。例え甘えるのが下手でも凛は凛なんだよ?」

凛「そんな良い話風にしても騙されないよ、加蓮!」



加蓮「ひどいっ……わ、私は凛を慰めようとしただけなのに……およよ」

奈緒「加蓮……おい、凛。加蓮に謝れ、加蓮が可哀想だろ」

凛「ご、ごめん加蓮…………って! 騙されるか!」

加蓮・奈緒「わぁー! 凛がご乱心だー!

凛「………………二人ともいい加減にして?」ゴゴゴゴゴ







加蓮・奈緒「あっ、はい」

凛「で? 二人はなんで私が……その……」

加蓮「ん? もしかして何でそう思ったのか、凛は聞きたいの?」

凛「……うん…………私、そんなことないもん」

奈緒「もんって……おい、どうすんだよ加蓮。凛がいじけちゃったぞ」

加蓮「どうするって言われてもねぇ、だって事実だし」

奈緒「そうだけどさぁ……あっ」



凛「…………」ムスー



奈緒「あちゃあ……こりゃ機嫌直すの時間がかかりそうだ」

加蓮「凛ってば頑固だからねぇ。凛自身が納得しないと直んないよ?」

奈緒「そんな他人事みたいに言うなよ……」

加蓮「はぁ……じゃあ、凛は甘えるのが上手だと思ってるんだ?」

凛「えっ……いや、別に上手とかそういうことじゃなくて……」

奈緒「じゃあ、なんだよ?」

凛「えっと……下手とか言われるのが負けたように感じるというか、なんと言うか」

加蓮「この負けず嫌いさんめ……」

凛「と、とにかく! 私、甘えるのが下手だと思われるのが納得いかないの!」

奈緒「でもアタシ、凛に甘えられたこと無いんだけど」

凛「えっ」

加蓮「私も。私たちは年上なのにね」

凛「えっ」

凛「そ、そんなこと無いよ……何かあるはずだよ、きっと」オロオロ

加蓮「本人がそんな不安げじゃあ駄目でしょ」

凛「はうっ!?」



凛「ふ、二人にはいろいろ助けてもらってるし! ねっ?」

奈緒「頼るのと甘えるのとじゃ違うと思うんだけど」

凛「な、奈緒のくせにっ!?」



奈緒「おい、奈緒のくせにってどういう意味だ」

凛「で、でも付き合いも長いし少しくらいは……」

加蓮「奈緒、なにかそんな話ある?」

奈緒「うーん、逆ならいくつかあるんだがなぁ」

凛「逆? どんな?」

奈緒「えーと、例えばこの前アタシの買い物に凛は付き合ってくれただろ?」

凛「う、うん、暇だったしね」

奈緒「で、お礼に飲み物でも奢ろうとしたらなんて言ったか覚えてるか?」

凛「…………」ダラダラ

奈緒「『別に良いよ、自分の分は自分で払うから』って言ったんだよな?」

凛「…………はい」

加蓮「うわぁ……せっかく奈緒が奢ってくれるって言っているのに……」

奈緒「だろ? 加蓮なんて特に理由も無く奢れって言ってくるのに。なぁ、加蓮?」

加蓮「…………」ダラダラ

凛「……加蓮、普段そんなこと言っているんだ?」




加蓮「えへっ」

奈緒「可愛く笑っても誤魔化されないからなー?」

凛「…………さすが加蓮」

凛「そ、それはともかく、百歩譲って私が下手だとしても、二人も……奈緒も下手だよね?」

奈緒「ん? アタシか?」

凛「うん、奈緒の場合、照れて甘えられないよね?」

奈緒「んー、別に照れるのは否定はしないけど、だからって甘えないわけじゃないぞ?」

凛「!?」



加蓮「あれ? 私は? ねぇ、凛、私は?」

凛「そんなっ!? どういうことなの、奈緒!?」

奈緒「どういうって……そうだな……あ、プロデューサーにご飯奢ってもらったりとか」

凛・加蓮「ん?」

奈緒「奢ってくれるって言うなら、多少はね」

凛「…………ねぇ、奈緒?」

奈緒「ん?」



凛「私、そんなの知らないんだけど」

奈緒「そりゃあ、プロデューサーと二人っきりだったしな」

凛・加蓮「は?」

奈緒「いやぁ、今思えばあの時プロデューサーと二人っきりだったんだなぁ」

凛・加蓮「…………二人っきり」

奈緒「アタシもあの時見た映画でテンション上がってたんだろうなぁ、うん」

凛・加蓮「…………二人っきりで映画……食事」

奈緒「あ、別に奢ってもらいたくて誘ったわけじゃないからな、勘違いすんなよ?」

凛「…………ねぇ、奈緒?」

奈緒「ん?」



凛・加蓮「その話、詳しく」ギロッ

奈緒「ヒッ!? は、は、はいっ!!」

加蓮「で?」

奈緒「え、えっと…………映画の前売り券を使い切れなかったのでプロデューサーと……」

凛「ふぅん……そんなに余ってたんだ?」

奈緒「いやぁ、前売り券に特典が付いていてな? 買ったは良いけど全部使うとなると――」

加蓮「そんな話はどうでも良いから。なんでプロデューサーを誘ったの?」

奈緒「えっ……だって凛が聞いてきたから――いえ、なんでも無いです」

凛「…………続けて?」

奈緒「その……プロデューサーと前にその映画の話で盛り上がったから……」

加蓮「それでプロデューサーを誘ったと? 私たちは誘わないで」

奈緒「は、はい。あ、あのっ、二人とも興味ないかなーって」


凛・加蓮「……………………」

奈緒「で、で、見終わったあとプロデューサーが前売り券の分、お礼にご飯奢ってくれるって……」

加蓮「それで二人っきりで食事、か。楽しかった?」

奈緒「は、はいっ! とても楽しかったですっ」



凛「…………二人っきり……羨ましい」

加蓮「…………まさか奈緒が動いていたとは」



奈緒「な、なんだよ!? 良いだろ別に! 無理やりとかじゃないんだし!」

凛「まぁ……そうだけど」

加蓮「でもそれってもうデートだよね?」

奈緒「!? で、で、デート!? い、いやっ、別にそんなつもりは…………あぅ」

凛「加蓮、奈緒に止めを刺して気は済んだ?」

加蓮「まぁまぁかな? 凛も気は済んだ?」

凛「私? ……………………そうだよ!? 私は別に甘えるの下手じゃないよ!」

加蓮「あ、そこまで戻るんだ。奈緒のことは無かったことにするつもり?」

凛「輝子……もとい証拠を見せれば良いんだよね」



奈緒「うわっ……今の駄洒落のつもりか?」

凛「……良いよ、見せてあげるよ…………私の本気を」

加蓮「りーん? 顔、赤いよ?」

凛「う、うるさいっ。それじゃあ、今から二人に甘えてみせるから――」

加蓮「あっ、ちょっと待って凛」

凛「?」

加蓮「状況を知ってる私たちに甘えてもつまらな…………証拠にならないと思うんだけど」

凛「えっ……今、つまらないって言おうとしなかった?」

奈緒「じゃあ、状況を知らない相手だな……今だと…………プロデューサーか?」

凛「えっ!? ぷ、プロデューサーにっ!?」

加蓮「だね。じゃあ、見せてもらいましょうか、凛の本気とやらを」

凛「えっ…………あの…………プロデューサーに?」

奈緒「ほら、言って来いって。ほらほら」



凛「二人とも……楽しんでるでしょ……良いよ、行くよ!」

凛「どんなときだって全力を尽くすよ。それがアイドル、そうでしょ?」

P「…………」カタカタカタ

凛「…………」

P「…………」カタカタカタ

凛「…………」オロオロ

P「…………ん? どうかしたか、凛?」

凛「………………べ、別に」

P「そうか?」

凛「…………」

P「…………」カタカタカタ

凛「…………」オロオロ

P「…………凛。なにか用事なら聞くが?」

凛「えっ…………な、なんでもないよ。邪魔かな?」

P「いや……邪魔ではないけど気にはなるな」

凛「…………コーヒーでも飲む? 入れてこようか?」

P「ん? そうだな、頼めるか?」

凛「うん、ちょっと待ってて」

凛「…………ふぅ」

奈緒「ふぅ、じゃないだろ」

凛「だ、だって……いきなり甘えるってどうすれば良いのかわからないし」

奈緒「あんだけ否定しておいてアレかよ……」

凛「うぅ……」

加蓮「まぁまぁ。しょうがないっていきなりだったしね。元気だしなよ」

凛「加蓮……」



加蓮「ね、三代目シンデレラガール(笑)」

凛「」

奈緒「まぁ、こうなるのは始めからわかってたしな」

凛「…………じゃあ二人もやってみせてよ。そうしたら納得する」

加蓮「え? 私たちも? どうする、奈緒?」

奈緒「アタシはパス。別に甘えるの下手って言われても気にしないし」

凛「そんなっ!?」



奈緒「それに……意識したら恥ずかしくて誘えないって」



加蓮「ん? 奈緒、なにか言った?」

奈緒「な、なんでもないよ!? うん、なんでもないっ」

加蓮「よし、じゃあ私が――」

凛「あ、やっぱり加蓮は良いや」

加蓮「なんでっ!?」

凛「だって、加蓮が甘えるの上手なの知ってるし」

加蓮「ひ、否定はしないけど……せっかくの見せ場が」

奈緒「まぁ、加蓮はなぁ……この前体調崩したときとかプロデューサーになぁ」

凛「この前? ああ、ちょっと長引いたアレ?」

加蓮「プロデューサーのお見舞いの話? あれ? でもその話したっけ?」

凛「ふーん、プロデューサー、加蓮のお見舞いに行ったんだ……」

加蓮「うん。部屋で大人しく休んでたんだけど、プロデューサーから電話があって」

凛「プロデューサーのことだから心配になって掛けてきたんでしょ」

加蓮「そうみたい。まぁ、久しぶりにやっちゃったからね」

奈緒「あはは、プロデューサーって心配性だからな」

加蓮「私も最初は断ったんだけど、心配だからお見舞いに行くって言うじゃない?」

凛「プロデューサーって頑固なところもあるしね」

加蓮「じゃあってことで、なにか甘いものでも買って来るって言うからさ」

奈緒「そこで高くておいしいプリンが食べたいーって甘えたんだろ?」

加蓮「そうだけど…………っ、まさか奈緒!?」

凛「なんか詳しく知ってるね、奈緒」

奈緒「いやぁ、まさかプロデューサーも入手困難なプリンを5つも買ってくるとはなぁ」

加蓮「あ、いや、もうこの話止めない? はい、やめやめ」

凛「その話、プロデューサーに聞いたの?」

奈緒「いや、加蓮のお母さん」

加蓮「お母さーんっ!!」



凛「? 加蓮、どうかしたの? お見舞いぐらいで恥ずかしがることないのに」

奈緒「それでアタシたちもお見舞いに行ったじゃん?」

凛「えっ、あ、うん。行ったときはほぼ治りかけだったけどね」

奈緒「アタシたちが行く前に熱が上がった日があるらしいんだけど」

加蓮「あーあーあーっ! わーわーわーっ!!」

凛「加蓮うるさい。それで?」

奈緒「プロデューサーが来るまで落ち着きがなかったらしくてさ」

凛「ふんふん」

奈緒「なんか熱があるのに急いでシャワーを浴びに行って、ちゃんと乾かさなくて熱が上がったんだと」

凛「なるほど、汗の匂いとか気にしたんだね」

奈緒「だろうな。な、加蓮?」



加蓮「…………あ、あは、あはは……もう……笑えばいいじゃない」

凛「加蓮、かわいい」

奈緒「加蓮も案外チョロいところあるよなぁ」


P(……コーヒーまだかな?)カタカタカタ

加蓮「んんっ。……で、どう甘えるかだっけ?」

凛「加蓮……耳が赤いよ?」

加蓮「…………私たちが考えてあげるから、ね?」

奈緒「なかったことにしたな」

凛「あんまり難易度が高いのは止めてよ?」

加蓮「任せてよっ、甘え初心者の凛でもできるやつだよね」

奈緒「甘え初心者って……」

加蓮「そうだなぁ……プロデューサーにだから……」

凛「なんだろう……悪い予感しかしないよ」

奈緒「大丈夫だって、アタシたち三人でトライアドプリムスだろ?」

凛「奈緒……」










加蓮「あっ、プロデューサーの持ち物をなにか貰うってどうかな?」

凛・奈緒「!?」

加蓮「なにが良いかな? んー、プロデューサーのシャツとか?」

凛・奈緒「!!??」

凛「なんでプロデューサーのシャツ!?」

加蓮「えっ、凛欲しくないの?」

凛「貰ってどうするのっ!?」

加蓮「えっ、匂いを嗅いだり、とか?」

凛「志希じゃあるまいし、嗅いだりしないよっ!?」

加蓮・奈緒「えっ!?」

凛「えっ、ってなに!?」

加蓮「り、凛って嗅いでたりしていないのっ!?」

凛「なんで驚いてるの!? まるで私が嗅いでるのが普通みたいじゃん!?」

奈緒「な、なぁ、凛って本当に嗅いでないみたいだぞ」

加蓮「そんな……はっ!? さては凛の偽者!?」

奈緒「なんだって!? くっ、アタシたちを騙すとは……なにが目的だっ!」


凛「…………」イラァ


加蓮・奈緒「あっ、うん、ごめんなさい」

凛「次は無いよ」

加蓮・奈緒「りょ、了解です!」

加蓮「じゃあもう、ご飯でも奢ってもらえばいいんじゃない?」

凛「いきなり適当にっ!?」

奈緒「諦めろ、凛。これが加蓮だ」

凛「はぁ……もうそれでいいよ。……ご飯か」

加蓮「うん、奈緒も行ったみたいだし。ね?」

奈緒「も、もうそれはいいだろっ! 恥ずかしいから思い出させるなぁ!」

凛「……ねぇ、奈緒もって加蓮もプロデューサーと二人っきりでご飯に行ったことあるの?」

加蓮「えっ? ……………………ナイヨ? ウン、ナイナイ」


凛・奈緒(これは行ってるね……それも何回も)

凛「二人とも……ずるい」ムスー

奈緒「ずるいって……ご飯ぐらいで」

加蓮「凛ってホント、プロデューサーのこと好きだよね」

凛「…………そんなんじゃないよ。……別に嫌いってわけでもないけど」

奈緒「ふーん」

凛「私は二人みたいにチョロくないし」

加蓮「あんなこと言ってますよ、奈緒さん」

奈緒「ここは笑うところなんでしょうか、加蓮さん」

凛「ふんっ、笑いたければ笑えばいいよ」

加蓮・奈緒「プークスクス! プークスクスっ!」

凛「も、もうっ! これからが……始まりなんだ。見ててよ、二人ともっ」

加蓮・奈緒(なんだろうこのデジャヴ……)

凛「おまたせ、プロデューサー。コーヒーだよ」

P「おっ、ありがとう」


凛「…………」

P「…………?」

凛「…………」

P「…………凛、やっぱりなにか用があるんじゃないのか?」

凛「…………ご飯」

P「ん? ご飯がどうした?」

凛「……………………ご飯食べに行こう」

P「…………なんだ、お腹でも空いたのか?」

凛「……駄目、かな? 無理にとは言わないけど」

P「ご飯ぐらいなら別に良いぞ? 好きなもの奢ってやる」

凛「ホント!?」

P「凛はいつも頑張ってるからな」ナデナデ

凛「……プロデューサー」

P「よし、じゃあ昼までに仕事を片付けるから待っててくれ」

凛「うん、待ってる。……ふふっ」

P「おう。なんだったら暇そうな何人かに声かけて一緒に行くか?」

凛「…………えっ」チラッ



加蓮・奈緒(…………)フリフリ



凛「…………居なかったよ、暇そうな人。みんな忙しいんじゃないかな」

加蓮・奈緒(!?)

P「そうか? じゃあ今回は二人っきりだな」

凛「ふふっ、そうだね。たまには悪くないんじゃないかな」

凛「どう? 私だって甘えることくらい出来るんだから」

奈緒「ああ……うん、そうだな」

加蓮「まぁ、甘え初心者だし……こんなもんだよね」

凛「……なんで生暖かい目で見てるの」

奈緒「でもプロデューサーとご飯に行けるんだし、良かったじゃん」

凛「うん、甘えるって……やっぱり恥ずかしいね」

奈緒「うんうん、わかるわかる」

加蓮「で、凛? 私たちもこの後暇なんだけど?」

凛「…………」プイッ

加蓮「凛?」

凛「…………あー、うん。ちょっとトイレに行ってくるね」スタスタ

奈緒「逃げた」

加蓮「逃げたね。……ふふっ、まぁ今回は見逃してあげよう」

―後日―

奈緒「で、どうだった? プロデューサーとご飯は」

凛「うん、楽しかったよ。プロデューサーといっぱい話をしたんだ」

加蓮「ホント楽しかったみたいだね、凛」

凛「今日もこの後プロデューサーと一緒にご飯行くしね」



加蓮・奈緒「…………ふーん」



凛「昨日の仕事を頑張ったご褒美だって、ふふっ」

奈緒「なぁ、凛? 昨日の仕事はアタシたちと一緒だったよな?」

凛「…………」

加蓮「プロデューサーは私たちに声かけてないんだけど?」

凛「…………あ、今日の降水確率10%だって」スマホポチー

加蓮・奈緒(……プロデューサーに私たちは用事があるって嘘ついたな)

加蓮「ま、この後についてはあとでプロデューサーに確認するとして」

凛「ちゃうねん、これには深いわけが――」

奈緒「凛、キャラが間違ってるぞ。落ち着けって」

加蓮「凛もすっかり甘えるの上手になったね。お姉さんはうれしいよ」

凛「なんでお姉さん目線なの……まぁ良いけど」

奈緒「とりあえずあとはアタシたちに甘えられれば本物だな」

凛「大丈夫だよ、それくらい。甘えすぎるのも駄目だけどね」

加蓮「そっかそっか。そういうところは凛らしいよね」

奈緒「よっし、じゃあ凛が甘えられるようになったお祝いに、このお姉さんが飲み物を奢ってやるよ!」

加蓮「ホント!? えっと私は――」

奈緒「誰も加蓮に奢るとは言っていないんだけど……まぁ、加蓮が買ってくるってことなら良いか」

加蓮「うんうん、それくらいはするよ。で、凛はなにが良い? 奈緒が奢ってくれるって」





凛「えっ、別に良いよ、自分の分は自分で払うから……………………あっ」

加蓮・奈緒「…………凛」

凛「ちゃうねん」

おわり

もう一個投下

関連性は無い

凛「どうだった、加蓮?」

加蓮「…………駄目だったよ、凛」

奈緒「…………そうか」

加蓮「ごめんね……みんな…………私の力不足で」

卯月「そんな……気にすること無いよ、加蓮ちゃん」

未央「そうそう、私たちみんな駄目だったんだしね」



凛「これで……全敗、か」

奈緒「ホント、手強いな……」

加蓮「あーっ、もう! なんなのっ! ここまで梃子摺るなんて!」

凛「加蓮、落ち着きなって。卯月、加蓮にアレを渡してあげて」

卯月「うん。はい、加蓮ちゃんこれで深呼吸して」

加蓮「…………ありがと」

未央「うーむ、こうなったら次なる手を考えないとだね」

凛「次か……うまく行くと良いけどね……ふふっ」


奈緒「凛……」

卯月「凛ちゃん……」

未央「どうしたのさ、しぶりん。らしくないよ?」

凛「らしくない、か…………」

加蓮「ま、ここまで失敗が続くとさすがの凛も自信なくすよね」

卯月「大丈夫だよ! まだ終わったわけじゃないよ! 頑張ろう? 凛ちゃん!」

凛「卯月……そうだね、ここで諦めたら私たちらしくないよね」



未央「しぶりん……へへっ、そうだよしぶりん。まだ終わったわけじゃないよ!」

奈緒「諦めたらそこで試合終了ってな。アタシたちならやれるって!」



凛「うん。じゃあ、次はどうするか決めようか」








凛「プロデューサーに手を出してもらうにはどうしたらいいかをっ」キリッ






加蓮「はぁ……でもやっぱりプロデューサーのシャツは堪らないね」クンカクンカ

卯月「さっきまで怒っていた加蓮ちゃんも落ち着いたみたいだね」

奈緒「プロデューサーの匂いには鎮静効果があるからな」

未央「でも吸い過ぎたら興奮してきちゃう諸刃の剣……ごくり」




凛「みんな? 聞いてる?」




加蓮「あ、凛も匂い嗅ぐ?」

凛「うん」クンカクンカ

未央「返事と同時に嗅ぎに行くしぶりん……恐るべし」

奈緒「でもさぁ、今までいろいろ試してきただろ?」

卯月「うん、プロデューサーさんにまったく相手にされてないよね」

未央「なんで手を出さないかなぁ……襲いたくなるようにアピールしてるんだけどねぇ」

卯月「やっぱり私たち、魅力が無いのかなぁ」

凛「そ、そんなこと無いはずだよ。……きっと」

加蓮「まさかプロデューサー……女に興味がない?」














みんな「……………………はは……そ、そんなことないでしょ……」

加蓮「だ、だよね! ごめんごめんっ、いくらなんでもないよね!」

奈緒「……ま、まったく加蓮は…………うん、ないよ……たぶん」

凛「よし、気持ちを切り替えて考えよう」

卯月「だね! 次は…………どうしようか?」

未央「まぁまぁ、しまむー。次を考える前に一度反省をしようじゃないか」

卯月「反省? えーと…………なんの反省?」

加蓮「つまり、今までの失敗を反省して、次に活かすということ?」

未央「ずばりそのとおりなのだよ!」

奈緒「なんで未央は偉そうにしてんだ……」

凛「未央がおかしいのはいつものことだし」



未央「聞こえているぞ! しぶりん! いつもおかしいってなんだっ!」

凛・加蓮・奈緒「えっ」

未央「えっ、って…………みんなしてひどくない?」ショボーン

卯月「だ、大丈夫だよ、未央ちゃん! うん、大丈夫!」

未央「しまむー、なにが大丈夫なのかよくわからないんだけど……」

凛「でも未央の言うとおりかもね。同じことを失敗していてもしょうがないし」

奈緒「だなぁ。そういえばみんながどんな手で行ったのか知らないしな」

加蓮「そうだね。これで誰かと被ってたら目も当てられないよね」

卯月「ほ、ほら、未央ちゃん! 元気出して! みんなで反省しよっ?」

未央「じゃあ、しまむー。しまむーはどんな手で行ったの?」

卯月「えっ、私からですか?」

凛「そうだね。卯月なら基準になるし、卯月からで良いかな」

奈緒「妥当なところだな」

加蓮「うんうん、基準になるよね。卯月なら」

卯月「えへへ、なにか悪い気はしませんね。卯月、頑張りますっ」








卯月以外(卯月ってこの中で一番普通だから基準になるよね)

―卯月の場合―

P「休憩スペースの掃除を手伝ってもらって悪いな、卯月」

卯月「気にしないでください、私はプロデューサーさんのお手伝いが出来て嬉しいです!」

P「そうか? 卯月は優しいなぁ。ったく、いつもなら誰かしら居るんだが……掃除から逃げやがったな」

卯月「あはは、プロデューサーさんの机の下にも誰も居なかったですね」

P「頼りになりそうな人たちも今日は仕事だしなぁ」

卯月「ちひろさんも買出しに出ているんですよね」

P「ああ、しばらく戻ってこない……。よし、卯月。あとでちゃんとお礼するから掃除、頑張ろう」

卯月「はいっ!」

P「で……卯月、ひとつ聞きたいんだが」

卯月「? なんですか、プロデューサー?」










P「なんでブルマ?」

>>50 訂正

× 卯月「? なんですか、プロデューサー?」
○ 卯月「? なんですか、プロデューサーさん?」

卯月「汚れても良い様にです! いろんな意味で!」

P「そ、そうか。えっと……じゃあ始めにこの机を部屋の端に動かそう」

卯月(えっと、私はお尻をアピールすれば良いって未央ちゃんは言っていたよね)

P「卯月? そっちを持ってもらっても良いか?」

卯月(でもアピールってどうすれば良いんだろう?)

卯月(お尻を使えば良いのかな? は、恥ずかしいけど頑張んなきゃ!)

P「卯月? 聞いているか? おい、卯月?」

卯月「プロデューサーさんっ!」

P「ひゃ、ひゃい!?」

卯月「えいっ!!」ヒップアタック!

P「……………………」







卯月「ど、どうですかっ?」

P「お、おう。……なにがどうなのかわからんが……机のそっち、持ってもらっても良いか?」

卯月「…………ぷ、プロデューサーさんの……プロデューサーさんのバカーっ!!」

P「えっ、おい、どこに行くんだ卯月!? 卯月!? う、卯月ーーっ!?」

――

卯月「という結果でした」

未央「お、おう」

奈緒「うん……そ、そうか」

加蓮「あはは……それでそのまま逃げちゃったんだ……」

卯月「あ、あれ? なんでみんなしてそんな反応?」

未央「あのね、しまむー」

卯月「うん? なに、未央ちゃん」











未央「なんでヒップアタックなんてしてんのっ!?」

卯月「ええっ!? お尻をアピールって違うの!?」

未央「違うよっ!?」

卯月「違うんだっ!?」

奈緒「誰だよ、卯月が基準になるって言ったやつ」

加蓮「凛」

卯月「ううっ……戻った後しばらくプロデューサーさんと気まずくなったのに……」

奈緒「ああ、それで……プロデューサー落ち込んでたぞ?」

卯月「収穫は掃除後のプロデューサーさんの汗が染み込んだタオルくらいだよ……」クンカクンカ



凛「方法はともかく、卯月のお尻でも駄目だったか……」

加蓮「こんな立派なお尻なのにねぇ」サワサワ

卯月「ひゃっん!? か、加蓮ちゃん!?」

凛「それじゃあ、次は……未央はどうだった?」

未央「おっ、私? 聞いちゃう? 聞いちゃう?」

奈緒「良いから早く言えって」

加蓮「結果は分かってるしねぇ」

未央「……あっ、はい」

―未央の場合―

未央「ねーねー、プロデューサー」

P「ん? どうした……って、それは2ndアニバのときのネコミミか?」

未央「うんっ、どう? どう? にゃんみおだよっ、にゃんみおー!」

P「ああ、うん。似合ってるが…………水着だと寒くないか?」

未央「うん……さ、寒いっ」ガクガクブルブル

P「事務所は暖房がついているからって……さすがになぁ」

未央「だ・か・ら、暖めてっプロデューサー☆」

P「お、おいっ!? 抱きつくなっ!」

未央「にゃんみおを構って欲しいのにゃー、ごろごろー…………へっぷしっ」

P「!?」

未央「えへへ、やっぱりまだ寒い――」

P「未央!」

未央「な、なにかな、プロデューサー? あっ、もしかしてにゃんみおの魅力に――」

P「ええいっ! このままでは風邪をひいてしまうなっ、待ってろ!」

未央「えっ、どこに行くのプロデューサー!? ぷ、プロデューサーーっ!?」

――

未央「って感じで毛布とかカイロとかてんこ盛りにされましたとさ」

加蓮「あはは……プロデューサーって心配し過ぎだよね。私もよくやられるんだけど」

奈緒「まったく、服着れば良いだけなのになぁ……」

未央「うんうん、くしゃみだけであの反応だからねぇ……加蓮ねーの気持ちが良くわかったよ……」

卯月「プロデューサーさんに大事されて良いと思うけどなぁ」

未央「だよねっ☆ いやぁ、プロデューサーの愛を感じたよ!」

加蓮「……………………あそこまでされるの、私だけだと思ってたんだけどなぁ」

凛「私もプロデューサーの前で風邪ひこうかな……」

未央「私はプロデューサーの匂いが染み込んだ毛布を貰ってきちゃった! 暖かいよ!」

卯月「良いなぁ……未央ちゃん」

未央「よしっ、じゃあ次は……奈緒ねー、行ってみようか!」

奈緒「うえっ!? あ、アタシかっ!? ああ、いや……アタシはほら……なにもやってないし!?」

加蓮「大丈夫だよ、奈緒。私がちゃんと見てたからっ」

奈緒「なあっ!? な、なんで見てたんだ!?」

卯月「えっと、あの日の奈緒ちゃんは……」

奈緒「卯月も!?」

―奈緒の場合―

奈緒「な、なぁ……ぷ、プロデューサー」

P「うん? …………メイド服。卯月といい、未央といい……コスプレでも流行ってるのか?」

奈緒「ぷ、プロデューサー……えっと……そ、その……」

P「な、なんだ? というか、顔真っ赤だぞ……大丈夫か?」

奈緒「な、なにかして欲しいこと……あ……ありませんか…………ご、ご」

P「ご?」

奈緒「ご、ご、ご……ご主人さ…………って言えるかーーっ!!」

P「!?」

奈緒「ああもうっ、なんだよ! な、なんかして欲しいこと言えば良いだろっ!」

P「…………え、えっと?」

奈緒「ううっ……も、もうこっちで決めるからなっ!」

P「は、はい」

奈緒「じゃあ……洗濯してやるっ! なにか洗うものないの、ごしゅ……プロデューサー!?」

P「む? と言われても……あー、じゃあロッカーに予備のシャツがあるからそれで……」

奈緒「ロッカーだな!? よしっ、アタシに任せろーっ!」

P「えっ、ちょっと待って。そもそもなんで奈緒はメイド服なの? ってもう居ない……」

――

卯月「って感じでしたね」

加蓮「うん、そんな感じそんな感じ」

未央「うーむ、結局洗濯物の回収しかしてないよね」

凛「奈緒…………それじゃあ、なんのアピールにもなっていないよ」

奈緒「うぅ……否定できない……」

未央「で、プロデューサーのシャツは?」

奈緒「ここにある」クンカクンカ

凛「それは洗濯したの?」

奈緒「そんなことしたら匂いが落ちちゃうじゃん……はぁ……良い」

加蓮「うわぁ……もう皺くちゃじゃん、それ」

卯月「……メイド服も駄目かぁ。えっと……次は凛ちゃんと加蓮ちゃん、どっち?」

加蓮「あっ、じゃあ私から良いかな? と言ってもついさっきの話だけど」

―加蓮の場合―

P「フンフンフーン、フレデリカー♪ ん? 休憩スペースに誰か居るかと思ったら加蓮か」

加蓮(ふふっ、さぁプロデューサー。寝てる私に襲い掛かっても良いよっ)

P「まったく……こんなところで寝てたら風邪ひくぞ……えっと」

加蓮(なにを探してるんだろ……こんなに隙だらけなのに、なんで襲ってこないの?)

P「あっ、そうか。俺の毛布は未央に使ってから行方不明だったな……」

加蓮(…………こうなったら奥の手を使うか)

P「どうしたもんか……暖房がついていてもこのままじゃあ風邪ひいてしまうな」

加蓮「んんぅ……」

P「ん? 起きたのか、加蓮?」

加蓮(寝返りを打って下着を見せちゃった。 ふふっ、襲いたくなったよね? さぁ、プロデューサー、カモン!)

P「なんだ、まだ寝てるのか。しょうがない、とりあえず上着でもないよりましだろ」

加蓮(…………)プルプル

P「おっ、こんなに震えて……まだ寒いのかな?」

加蓮「ぷ、プロデューサーのっ」

P「あっ、今度こそ起きたか? まったく、こんなところで寝てたら風邪ひくぞ? 美嘉といい、お前たちは――」

加蓮「プロデューサーのバカーーっ!」

P「えっ!? ど、どうしたんだ加蓮!? かれーーんっ!? って俺の上着ーーっ!!」

――

加蓮「って感じで今に至る、と」

奈緒「ああ、だからプロデューサーの上着をさっきから着てるんだな」

未央「しかもプロデューサーのシャツの匂いを嗅ぎつつだもんね」

卯月「プロデューサーさんに包まれてるみたいで良いなぁ」

加蓮「ふふーん、良いでしょー」

凛「でも結局手は出してもらえなかったんだよね」

加蓮「はうっ!?」

奈緒「行くときすごい自信満々だったよな」

加蓮「ごふっ!?」

卯月「えっと、なんて言っていたっけ未央ちゃん?」

未央「『ごめんね、みんな……私、プロデューサーに責任は取ってもらうつもりだから』」

凛「独り占めできると思ってたんだろうけど……失敗した今となっては恥ずかしいよね」

加蓮「えっ、なにそれー、かれんわかんなーい」

奈緒「まぁまぁ。加蓮を追い込むのはそこら辺で止めときなって」

加蓮「な、奈緒っ!」パァァァ

凛「ずいぶん加蓮に優しいんだね、奈緒」

奈緒「そんなことねぇよ。ただ追い込みすぎて加蓮が落ち込んだらさ」チラッ

卯月「あっ」










奈緒「加蓮の前に行って暴走した、そこのカリスマギャルみたいになられても困るだろ?」

未央「忘れてた……美嘉ねー……美嘉ねーも行く前は自信満々だったっけ」










美嘉「………………ブツブツ」

莉嘉「お、お姉ちゃん!? なんで部屋の隅で膝を抱えてるの!? なんか怖いよっ!?」

凛「プロデューサーの後ろから抱き付いても相手にされなくて、自棄になって着てるもの脱ごうとしたんだっけ」

奈緒「それでプロデューサーに説教されて戻ってきたんだよなぁ」

未央「カリスマギャルェ……」

加蓮「美嘉の件が無ければ私も暴走してたかも……」

卯月「美嘉ちゃん……なんて言っていいのかわからないよ……」

凛「じゃあ、最後に私の番かな」

奈緒「だな。アタシ、凛がやったことが一番興味あるんだよなぁ」

加蓮「凛のことだからプロデューサーに直接言ってそうだよね」

凛「そんなこと無いってば。前に言って駄目だったし今回は言っていないよ」

みんな「えっ」

凛「えっ……なに?」

卯月「……え、えっと、じゃあ聞いていいかな?」

凛「うん、良いよ。昨日の朝の話なんだけど――」

―凛の場合―

ピンポーン




P「はーい、って凛!?」

凛「プロデューサー、おはよ――」

奈緒「うん、ちょっと待とうか凛」

凛「なに、奈緒?」

加蓮「もしかして、プロデューサーの家に行ったの?」

凛「行ったよ?」

未央「しぶりん……ホント、しぶりんってしぶりんなんだね」

卯月「あ、あははは……」

凛「でも結局入れてもらえなかったけどね……」

奈緒「そりゃあ、いきなり来られても困るだろ……普通」

加蓮「それで? そのあと何時間粘ったの?」

未央「いやいや、いくらなんでも何時間も粘んないでしょ」

凛「だいたい3時間ぐらいかな」

未央「しぶりんっ!?」

奈緒「いや、3時間で済んだだけでも凄いことだよ」

卯月「さすがだね……凛ちゃん」

凛「プロデューサーの家の鍵さえあれば……」

未央「そんだけ粘ってなにもなかったんだよね……」

凛「プロデューサーとたくさん話はしたよ? 何度も帰るように言われたけど」

加蓮「説得に3時間もかかったんだ……プロデューサーも大変だね」

奈緒「それで帰る気になった決め手はなんだったんだ?」

凛「プロデューサーにたくさん頭を撫でてもらったんだ」

卯月「………………それだけ?」

凛「そうだよ?」

未央「忠犬しぶりん……」

加蓮「それで満足できちゃうのは凛らしいね」

卯月「とりあえずこれでみんなの話は聞いたかな?」

未央「えっと、ブルマにネコミミ水着、メイド服に下着姿……」

奈緒「…………まったくもって参考にならない」

加蓮「凛は論外として。プロデューサーに問題があるのか、私たちに問題があるのか……」

凛「えっ。なんで私だけ論外?」

卯月「それで…………次はどうするの?」

未央「…………どうしようか」

奈緒「うん……次ね、次……」

加蓮「もうわかんないね」

凛「…………ねぇ、加蓮」

加蓮「うん? なに凛」

凛「そのプロデューサーの上着、私にも着させてよ」

卯月「あっ、私も私も! さっきから気になってたんだ」

加蓮「えー、私もまだ着ていたいんだけど…………あれ?」

未央「ん? どったの、加蓮ねー?」

加蓮「いや、なんかポケットに硬いものが…………って鍵?」

奈緒「鍵だな……それも家の鍵っぽいの」

卯月「鍵ですね……プロデューサーの上着に入っていた」










みんな「つまり……プロデューサーの家の鍵」







P「はぁ……加蓮はどこまで行ったんだ……戻ってくるよな」

ちひろ「加蓮ちゃんがどうかしたんですか?」

P「いや、加蓮が自分の上着を持って行ってしまって……」

ちひろ「…………一体なにがあったんです?」

P「それがよくわからなくて……寝ているのを起こしたのがいけなかったのかなぁ」

ちひろ「…………よくわかりませんね」

P「よくわからないといえば最近の卯月たちもなんですよねぇ」

ちひろ「あらあら……」

P「なんか急にコスプレしたり、裸になろうとしたり、家に来たり……」

ちひろ「んん?」

P「ああ、大丈夫ですよ。手は出してませんので」

ちひろ「…………本当ですか?」

P「本当ですって。ちひろさんから貰っているドリンクを飲むとそういう気がなくなるので」

ちひろ「えっ、なにそれこわい」

P「えっ」

おわり

>>70
二度目の手痛いミス

× 卯月「鍵ですね……プロデューサーの上着に入っていた」
○ 卯月「鍵ですね……プロデューサーさんの上着に入っていた」

普通の話だけど終わりっす

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