ジョルノ「ええと、お嬢さん?」梓「なんですかジョジョさん」 (114)

酉合ってるかな?

覚えてないでしょうけど、ジョジョ×けいおん書いてた>>1です。
あれから少しゴタゴタがあって、ずっとこちらに来れませんでした。
過去スレのhtml依頼も出さずに放置してしまい大変申し訳なく思っています。

今は環境も変わり、気持ちの整理もついたのでもう一度書いてみようとスレを立てました。
内容としては『ジョセフ「ヘイ嬢ちゃん!」唯「はいジョジョちゃん!』の正当な続編になるつもりです。
(未完二作は『スマン、ありゃウソだった』ということにして下さい。本当にごめんなさい。
言い訳になりますが気持ちのリセットということで……)

ではゆっくりですが、どうぞ。

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学校の部室



純「卒業旅行は絶対にロンドンが良いーッ!」

菫「ロンドンですか?」

純「私も澪先輩の乗った観覧車に乗りたい!」

直「なんて安直な理由ですか」

梓「私は行ったことあるし別に……」

純「だからだよ羨ましい。梓はその時卒業関係無かったのにさぁ」

梓「先輩達が良いよって言ってくれたし」

純「ぶー!」

憂「私は無理に海外じゃなくても良いと思うな。北海道とか」

憂「食べ物も美味しいよきっと!」

純「カニ……ラーメン……」ブツブツ

純「北海道!」キラキラ

梓「おーい……ロンドンどこに行った」

菫「私は皆さんの決めたとこにならどこでも」

直「フランスとかどうでしょうか。やっぱり一度は凱旋門をこの目で見てみたいです」

梓「フランスならチーズにワインとか?」

菫「お、お酒は二十歳からですよー」

憂「ロンドン、北海道、フランス……なんかまとまんないね」

直「もういっそアミダで決めますか?」

梓「……いや、それは絶対にロクな結果にならないと思う」チラッ

純「……な、なんで私を見るのさ」

梓「こうなったら、あの子に決めてもらうしかないか」

菫「あの子?」



トンちゃん「?」

イタリア コロッセオ


純「コロッセオってさあ、『殺っせよ』って言ってるように聞こえない?」

憂「コロッセオ、コロッセよ、殺っせよ……本当だ!」

直「写真撮ろうスミーレ。ほら、もっとこっちに寄って」

菫「う、うん!」



梓「まさかのイタリア」



菫「ごめんなさい、私がマグカップに適当にイタリアなんて書いたばっかりに……」

梓「ううん、スミーレを責めた訳じゃないよ! ただ、予想外だったからさ」

菫「何回か紬お嬢様と個人的に来たことがあったので、つい……」

梓「なるほどね。じゃあ、案内とか任せちゃっても良いかな?」

菫「はい! それはもう!」

純「いい? 憂、直! 『ピザ』じゃないよ、『ピッツァ』だよ!」

直「……ピ、ピッツァ」

憂「pizza」

純「えっ、お、おお……」

憂「えへー」ニコッ


梓「なんかみんな、これはこれで楽しんでるみたいだね。もちろん私もさっ」

菫「良かったです!」

ミスタ「……は回収出来た。受け渡しの場所は?」

ミスタ「分かった。カモフラージュでそれっぽく見えねーよーなカバンに入れて持っていくぜ。
    『中身』はその場で確認してくれ。それじゃあな」

ミスタ「……さて」


ピストルズ1「ミスタァァァーーーッ!」

ピストルズ7「ハラガヘッテ、ショーガネーヨォ! ナニカクワセテクレヨーッ!」


ミスタ「おいおい、俺はまだ仕事中なんだぜ。昼メシはもう少しガマンしてくれねーかなァ」


ピストルズ5「オナカスイタヨォォー、ウエェーン!」

ピストルズ2「アンギャリダァァァーーーッ!」

ピストルズ3「ハラガヘッテハナントヤラダゼー、ミスタァーッ!」


ミスタ「わーった、わーったよッ!」

ミスタ「どこかでマルゲリータ・ピッツァでも買っていくからよ、騒がないでくれ」


ピストルズ6「ハヤクシロヨーーーッ!」


ミスタ「遅れちまったら、おめーらのせいだからなッ!」

純「お腹空いたー、今何時?」

憂「えっとね……ちょうどお昼の時間だよ」

梓「それじゃ、お昼にしようか」

純「はいはいはーい、ピッツァ! ピッツァ!」ビシィッ!

菫「それなら少し歩きますけど、向こうの通りに美味しいピッツァを食べさせてくれるカフェがありますよ」

菫「オススメは『マルゲリータ・ピッツァのボルチーニ茸載せ』ですね」

純「おお、もう響きだけで美味しそうじゃない?」

直「なんとなく同意します」

梓「よし、そこに行こうか!」



ミスタ「……ら、静かにしろって! 今からピッツァ買うからよォーッ」



菫「あっ、梓先輩! 後ろっ!」

梓「へ?」クルッ



ドンッ!



ミスタ「うおッ!?」ズサァッ!

梓「にゃっ!?」ドタアッ!

梓「い、たた……」

ミスタ「痛ゥー……!」

ミスタ「悪い、お嬢ちゃん。ヨソ見してたぜ。怪我ァねーか? 立てる?」

梓「あ、いえ、こちらこそ……」

ミスタ「いーや、分かんねーぞ。どっか擦りむいてるかもしれねーからな。
    怪我ってよォ、気づかないウチは不思議と痛くねーが、
    気づいたら最後、ムチャクチャ痛くなるからな。俺の経験上ね」

梓「ほ、本当に大丈夫ですから」

ミスタ「そーお?」

ミスタ「って、こんな呑気にしてられねーんだったッ! 君たち観光客? 良い旅をッ!」ダダッ!

憂「あのー! カバン忘れてますよー!」


ミスタ「!!!」キキィーッ!


ミスタ「あ、あぶねー……危うく『お家』に帰れなくなるトコだったぜ。ありがとな」

憂「いえいえ」



ミスタ「じゃあーなッ!」ダダッ!



直「……変な服」

純「さすが、本場イタリアのセンスは違うわ」

憂「梓ちゃん、大丈夫?」

梓「うん、大したこと無いよ」

一旦ここまで。

徐倫「再開ィィィィィィィィィィーーーーーッ!!!」

菫「梓先輩、持ち物の方は大丈夫ですか?」

梓「スミーレ?」

菫「あの……たまにあるんです。間違ってぶつかったフリして、財布とかスられたりすることとか……」

梓「うそ!?」アセアセ

梓「……いや、特に何も盗られてないみたい。お財布もポケットにあるよ」

菫「よ、良かった……」ホッ

梓「『カバン』もちゃんと背負ったし、おっけー」



純「じゃあ、早く行こー! もう待ちきれませーんっ!」フリフリ



直「既にあんな所に!」

憂「純ちゃん、一人で行っちゃダメでしょー! 迷子になっちゃうよー」

梓「お母さんか!」

菫「純先輩、カフェは逆方向ですー!」



純「えー!?」



梓「よし、行こ行こ」

菫「え? でも……」

梓「いーからいーから」

???



「……は今、誰が?」

「グイード・ミスタ。アイツが持っている」

「ただの『おつかい』に組織の幹部がわざわざ出向くなんてフツーじゃあない。
 まず、『当たり』と見ていいだろう」

「そしてその『当たり』は『コロッセオ』にて組織に受け渡される予定だ。
 俺たちが奪い取れるチャンスもそこしかない」

「……今、ミスタはどうしてるの?」

「見張りならしっかりやってるさ。奴さん、順調に向かってるよ」

「『ボス』は来るかしら?」

「それが『それ』であるなら、恐らく来る。いや、来なくちゃあいけない」


「『ジョルノ・ジョバァーナ』」


「『栄光』を掴むのはヤツじゃあねえ」

「このオレだッ!」

コロッセオ



ミスタ「……」スタスタ

ミスタ「……」ピタッ

ミスタ「……」キョロキョロ

ミスタ「……」ボォーッ

ミスタ「ン」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



ジョルノ「……」バァーーーン!



ミスタ「持ってきたぜ」スッ

ジョルノ「ミスタならきっとやってくれると信じていました」

ジョルノ「それで、『何人』ですか?」

ミスタ「確認出来たのは『二人』だ。これで全部ってワケじゃあねーだろーけど」

ミスタ「ナメられたもんだぜ。
    俺ら相手にそれだけの人数でドンパチかましに来たんだからな」

ジョルノ「油断は出来ません。正直、『組織』の枠は『広がり過ぎて』いる」

ジョルノ「僕の把握していない『スタンド使い』が埋もれていてもおかしくは無いんだ」

ミスタ「安心しろよジョルノォー、ここには俺とお前の二人しか居ない」

ミスタ「アンラッキーの『4』じゃあないんだ。
    『2』も正直良くはねーけど、『4』よりかはスゲーマシだぜ」

ミスタ「つまり、心配ないっつーこと」

ジョルノ「でも、敵の人数も足したら『四人』になりますね」

ミスタ「!!!」ガァーンッ!

ミスタ「どっ、どうするッ!? 今からでも誰か呼ぶかッ!?」

ミスタ「そうだっ、そーするべきだッ! 『4』はゼッテーダメなんだッ!」

ジョルノ「もう遅い、ミスタ。すぐそこまで『近づいて』いるッ!」



黒服の男「……」ザッ



ミスタ「……」

ジョルノ「貴方は?」

黒服の男「……」スタスタ

ジョルノ「話す言葉は持たないと? この僕が『誰』なのか理解しているのか?」

黒服の男「……」スタスタ

ジョルノ「最後のチャンスだ。歩みを止めて僕の質問に答えろ」

ジョルノ「これは君のこれからに関わる非常に重要な質問だ。欺くことは許されない」

ジョルノ「『カバン』の『中身』がどういうものか知ってここにいるのか?」

黒服の男「……」スタスタ

ミスタ「オーケー、もうそのままだんまり決めてろ」カチリ

ミスタ「てめーは『組織』を『裏切った』」



ミスタ「『セックス・ピストルズ』ッ!!!」ドギャ! ドギャ! ドギャ!



ピストルズ1「イィィィィーーーヤッハァァァァァーーーッ!」ドバアーッ!

ピストルズ3「ブチケマテヤレーーーッ!」ドバアーッ!


ガンッ! ゴギャアッ!


ピストルズ1「フギャッ!?」

ピストルズ3「イタイヨォーッ!」


ミスタ「うぐっ……!?」

ジョルノ「ミスタ!」

ピストルズ1「ナンダーッ!? イキナリ『カベ』ニブチアタッタゾッ!」


ミスタ「何やってる、No.1、No.3! なんで『まっすぐ』飛ばねえッ!」

ピストルズ3「マ、『マッスグ』トンダゾタシカニッ!」


黒服の男「……」スタスタ


ジョルノ「これは……?」

ジョルノ「ミスタ、『カバン』を後ろに抱えて守るんだ……回収を優先する」

ミスタ「チッ、しゃあねえ……」スッ


スカッ


ミスタ「おっ?」

ジョルノ「何してるんですミスタッ! 早くッ!」

ミスタ「ジ、ジョルノ……俺は確かに『カバン』に手を回したんだ。お前も見てたよな?」

ジョルノ「ええ、ですから……」

ミスタ「う、動かないんだよ……」

ジョルノ「……?」

ミスタ「『カバン』が地面に根を張ったみたいに動きやしねえッ!?」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ジョルノ「それは、どういう……!」

黒服の男「……」スタスタ

黒服の男「……」ピタッ

黒服の男「では、『カバン』はもらっていくよ」スッ

ミスタ「てめーっ、喋れたのかよッ! 『カバン』に触るなッ!」

ミスタ「『セックス・ピストルズ』!」ドギャ!

ミスタ「ジョルノ! 『カバン』の回収はお前だッ! 『制裁』は俺一人に任せてもらうッ!」



ドバアァァァアーーーーーッ!!!



ピストルズ5「ヤアァァァァーーーーーッ!」


ジョルノ「頼みますミスタッ!」ダッ!

ジョルノ「うっ!?」スッ

ジョルノ「(僕は確かにこの手で『カバン』に触れたッ! だが、ミスタの言うとおり『カバン』は動かないッ!)」

ジョルノ「(『カバン』の布生地の感触も、中身が詰まっているという感覚もしっかり感じているのに!
      重いワケじゃあない、ただひたすらに『動かない』ッ!)」

ピストルズ5「クラエェェェェーーーーーッ!!!」


黒服の男「そこは行き止まりだ」


ゴォンッ!


ピストルズ5「グゲッ!?」

ピストルズ5「ウ……ウェェェェーーーン!」

ミスタ「ま、まただッ!?」

黒服の男「これで『カバン』はオレのだ」スッ

ジョルノ「『ゴールド・エクスペリエンス』!」ドンッ!

ゴールド・エクスペリエンス「無駄ァッ!」


ガァンッ!


ジョルノ「て、手応えは無いッ!?」

黒服の男「ボス……」

黒服の男「オレとアンタは今、薄っぺらいガラス一枚を隔てて隣合っている」

黒服の男「このガラスは割れそうで割れない絶対的な『差』だ」

ジョルノ「……?」

黒服の男「アンタの『夢』はここで終わった。ここからは……」スッ

ミスタ「(俺とジョルノでも取れなかった『カバン』をガキでも抱き上げるみてーに持ち上げやがっただとッ!?
     どーなっていやがるッ!)」

ジョルノ「(マズい……! 『カバン』の中身は組織のパワーバランスを揺るがすほどのものだ。
      『裏切り者』がどれだけいるのかは分からないが、そいつらの手に渡るのはッ!)」

黒服の男「オレが『夢』を見る番だッ!」ガサァッ!






プラーン……




黒服の男「……え?」

ジョルノ「……」

ミスタ「……女の……ブラジャー?」



ピストルズ5「……ブラジャー?」

ピストルズ7「No.5ニャア、マダハエーゼ」サッ

ピストルズ5「ミ、ミエナイヨォ」アタフタ

黒服の男「……ウソだろ?」ガサゴソ



ジョルノ「……ミスタ?」チラッ

ミスタ「」ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンッ!



黒服の男「……着替え? みてーなのと、お菓子と、イタリア観光名所ガイド……」ガサゴソ

黒服の男「なんじゃあこりゃァーーーーーッ!?」

黒服の男「ちっ、違うのかッ!? 『カバン』の中身は『アレ』じゃあないのかッ!?」



ミスタ「お、俺は何も知らねーからなッ!? 俺だって今頭ン中グルグルしてるんだぜ!?」

ジョルノ「じ、じゃあ、『アレ』は……どこに?」

イタリア市内 ホテル



憂「梓ちゃん、次シャワーどうぞ」ポカポカ

梓「うん、ありがと」



梓「着替え、着替え……」トテトテ



梓「……あれ? ……服が無い」ガサゴソ

梓「うそ、入れ忘れちゃった? あんなに行く前に確認したのにー!」ガサゴソ


キラッ!


梓「なんだろう? 何か光ったような……」ガサゴソ

梓「……何これ?」スッ




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



梓「……『矢』?」

一旦ここまで。

気づいたので>>27修正だけ。

○ピストルズ3「ブチマケテヤレーーーッ!」ドバアーッ!
×ピストルズ3「ブチケマテヤレーーーッ!」ドバアーッ!

ではまた夜(深夜かな)に。

ディアボロ「これは……『再開』だ」

コンコン!



梓「は、はーい?」



ガチャリ



菫「梓先輩、憂先輩、直ちゃんが人生ゲームを持ってきたからみんなで遊びませんか?」

菫「純先輩はもう、私たちの部屋に来てますよ」

憂「うん、良いよ~。梓ちゃんはお風呂入ってからにする?」

梓「う、うん……そうしたいトコなんだけど……」ガサゴソ

梓「(何これ、よく見たらカバンに入ってるものがメチャメチャだよ。私のカバンじゃない……)」ガサゴソ

梓「(誰かのと間違えちゃったのかな……?)」ガサゴソ



憂「私、先行ってるね」トテトテ



梓「うーん……」ガサゴソ

菫「……?」

菫「梓先輩、どうかしたんですか?」

梓「それがさ……」

梓「私の旅行カバン、どこかで誰かのと間違えて持ってきちゃったみたいでね……」

菫「ええ!? 大変じゃないですか!」

菫「もしかして、空港で荷物を受け取った時に他の人のと間違えてしまったとか……」

梓「違うと思う。その時、念のために中をチェックしたんだけど、ちゃんと私のものが入ってたからさ」

梓「入れ替わるとしたら、それ以降なんだけど……」

菫「そうですか……」

梓「どこだろう……」

菫「……」

菫「!」ピコーンッ!

菫「あ、梓先輩! 今日のお昼、カフェに行ったあの時!」

梓「お昼……?」

――――――

――――

――

菫「あっ、梓先輩! 後ろっ!」

梓「へ?」クルッ



ドンッ!



ミスタ「うおッ!?」ズサァッ!

梓「にゃっ!?」ドタアッ!

梓「い、たた……」

ミスタ「痛ゥー……!」

ミスタ「悪い、お嬢ちゃん。ヨソ見してたぜ。怪我ァねーか? 立てる?」

梓「あ、いえ、こちらこそ……」

ミスタ「いーや、分かんねーぞ。どっか擦りむいてるかもしれねーからな。
    怪我ってよォ、気づかないウチは不思議と痛くねーが、
    気づいたら最後、ムチャクチャ痛くなるからな。俺の経験上ね」

梓「ほ、本当に大丈夫ですから」

ミスタ「そーお?」

ミスタ「って、こんな呑気にしてられねーんだったッ! 君たち観光客? 良い旅をッ!」ダダッ!

憂「あのー! カバン忘れてますよー!」


ミスタ「!!!」キキィーッ!


ミスタ「あ、あぶねー……危うく『お家』に帰れなくなるトコだったぜ。ありがとな」

憂「いえいえ」



ミスタ「じゃあーなッ!」ダダッ!

――

――――

――――――

梓「そうだよ……そこだ!」

梓「あの時、私のカバンとあの変な服の男の人が持ってたカバンが入れ替わったんだ!」

菫「ど、どうしましょう?」

梓「もしかしたら、このカバンの中にその男の人の住所とか分かるものが入ってるかもしれない」ガサゴソ

菫「私も手伝います!」

梓「ありがとう、スミーレ」

梓「あ、でも気をつけて。危ないものとかも入ってるかも」

梓「さっきも変な『矢』? みたいなのがあっ……」



グインッ!



梓「わあっ!?」ビクゥッ!

菫「きゃあっ!?」ビクゥッ!

菫「なっ……なんですかぁ!?」

梓「『矢』が勝手に……!? ……浮いた!?」



ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア



菫「……ひっ!?」

梓「スミーレッ!?」



ドギャアッッッ!

菫「ひ……う……うぐっ……!?」ヨロッ

菫「……ゲホッ!」ドタアッ!

梓「スミーレ!?」

菫「……あ……う……」

梓「スミーレ、スミーレッ!? 大丈夫!? ねえ、起きてスミーレッ!」



菫「……」



梓「なんで……何……!?」

梓「なんで、『矢』が勝手に……!?」


ドクッ……ドクッ……


梓「(ち、血だ……! ひ……)」

梓「ぬ、抜かなきゃ……! ス、スミーレの体から『矢』を……」ガシィッ



コンコン! ガチャリ



純「遅い、梓!」

純「どんだけ待たせれば……」

梓「……純?」

梓「たっ、助けて純! スミーレが……!」



純「……何して……るの……? ……梓」



梓「……えっ?」

純「そ、その手に持ってるのは何……? スミーレをどうしたの……?」

梓「!」サッ

梓「ち、違うの! 私は何もしてないっ!」

純「スミーレ……血……流してない?」

梓「『矢』がっ! 『矢』が勝手に浮いてスミーレを!」

純「ま、待って……」



憂「純ちゃん? 梓ちゃんはまだお風呂?」

直「スミーレも梓先輩を呼びに行ったきり戻らなくて心配なので来てしまいました」



梓「憂……! 直……!」

純「あ、梓。これは何かの間違い……だよね? そうだよね?」

憂「純ちゃん、何のお話を……っ!?」

直「スミーレッ!?」ダッ!

直「スミーレッ! スミーレッ!」

直「息……してない……?」

憂「き、救急車呼ばなきゃ……!」

純「『矢』が勝手に……だなんて、そ、そんなことあるワケないじゃん!
  メルヘンやファンタジーじゃないんだから!」

梓「ホントだよ! わ、私は……!?」

純「お願い梓……本当のことを言ってよ……私たち親友じゃないの……!?」

梓「違う……! 違う……!」



直「……梓先輩がやったんですか?」



梓「……!?」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

少し時は戻り……コロッセオ



黒服の男「馬鹿な……有り得んぞッ!」

黒服の男「(もしやこの『矢』の受け渡しそのものがオレを誘い出すためのフェイク?)」

黒服の男「(いや、違うッ! こいつらの表情を見ろ!

      『な、なんだそりゃあ!? オレらも知りませんでした』ってツラだ!
      ミスタの野郎だけならともかく、ボスまで出てきてウソっつーのは絶対にねえッ!)」

黒服の男「(そもそも監視の報告じゃあ、ミスタはここに来るまでに確かに『矢』の入ったカバンを持ってきてたんだッ!
      どこかでオレたちの目をすり抜けて偽物とスリ替えるなんて真似が出来るハズは……)」



ジョルノ「ミスタ、『矢』の入ったカバンの場所に心当たりは?」

ミスタ「待ってくれ、今思い出してるッ!」

ミスタ「(どっかで入れ替わったとしか考えられねえッ!
     だが、途中で手放すよーなマネはしなかった……なら、どこに……!?)」

ジョルノ「(あのカバンの中身……)」

ジョルノ「(チラッと見えたのは女性モノの衣類と『日本語で書かれた』イタリアの観光ガイド)」

ジョルノ「(となるとそのカバンの本来の持ち主は『日本人の女性』である確率が高い。
      いや、付け加えるならば、『日本人で女性の旅行者』だ)」

ジョルノ「ミスタ、『日本人の女性の旅行者』。これにピンと来るものはありませんかッ!」

ミスタ「……?」

ミスタ「(『日本人の女』で……『旅行者』ァ?)」

ミスタ「……」

ミスタ「あーーーッ!?」ピーンッ!

ミスタ「あるぜあるぜジョルノッ! 確かここに来る途中でよォ!」

――――――

――――

――

ジョルノ「そっ、それですッ!」

ミスタ「クッソ……オレはなんてくだらねーミスをッ!?」

ミスタ「ヤバいぜ、もしあの日本人のお嬢ちゃんが『裏切り者』の一員だったならッ!」

ジョルノ「いえ、その心配はありません。もしもそうなのであれば、彼は今ここにいない。
     恐らくその子は本当にただの旅行者でしょう」



黒服の男「オイ、聞いてるんだろッ! これはどーいうことだッ!」

黒服の男「……何だと? カバンがどこかですり替わった可能性がある? どこでだよッ!」

黒服の男「……昼? ……ミスタと……日本人の女のガキ? その時点で気づきやがれってんだド低脳ッ!」

黒服の男「そいつがいる場所を徹底的に探せッ! 持ち物からして恐らくそいつは旅行者だ。
     周辺のホテルを全て洗うんだよッ!」

黒服の男「まさか、こんなことになるとは……」

黒服の男「ボス、アンタをブッ殺すのは後回しだ。オレの『スタンド』は戦闘向きじゃあない。
     『矢』無しでやり合うのは分が悪すぎるからな」

黒服の男「オレは……いや、『オレたち』はアンタらより先に『矢』を手に入れさせてもらうぜ」

ミスタ「待ちな。『はい、そーですか』と俺たちがおめーを通すと思ってるのか?」カチリ

黒服の男「やめておけ。弾の無駄だ」

黒服の男「何故オレがこんなに自信タップリかって? 答えはカンタン。
     お前らは『スタート』にいてオレは『ゴール』にいるからだ」

ジョルノ「僕らが……『スタート』?」

黒服の男「……」チラッ

黒服の男「フム。どれだけ遅くても三十分以内には『矢』の居場所は分かる。
     それまでにアンタらがオレに『追いつけなければ』ゲームオーバーだ」



黒服の男「それじゃあ……せいぜいゆっくり『見つけて』くれ」スタスタ



ミスタ「『セックス・ピストルズ』!」ドギャ! ドギャ!



ピストルズ1「イクゼーーーーーッ!」ドバァァァーッ!


ガィン!


ピストルズ1「ウゲエッ!」

ピストルズ1「ダメダミスタァーッ! マタ壁ミタイナノニブチ当タッタッ!」

ミスタ「ちくしょうッ! またかよッ!」

ジョルノ「……まさか!」

ジョルノ「……」スッ

ジョルノ「……」サッ

ミスタ「『壁』って言ったなッ! そいつを作り出すのがアイツの『スタンド能力』なのかッ!?」

ピストルズ1「壁ガアッタリ無カッタリシテオレタチモ混乱シテルッ!」

ミスタ「ハァー!?」

ミスタ「……ッ! 野郎、どんどん先に行っちまうぜッ! このままじゃあ逃げられるッ!」

ジョルノ「……分かったぞ」

ジョルノ「ミスタ。ヤツの『スタンド能力』は壁を作り出す能力なんかじゃあない」

ミスタ「何?」

ジョルノ「……」

ジョルノ「『オレとアンタは今、薄っぺらいガラス一枚を隔てて隣合っている』
     『このガラスは割れそうで割れない絶対的な『差』だ』
     『お前らは『スタート』にいてオレは『ゴール』にいるからだ』」

ミスタ「……?」

ジョルノ「『迷路』なんだミスタ……」



ジョルノ「僕らは巨大な『迷路』の中心にいるッ!?」バァーーーン!



一旦ここまで。

酉合ってますように!
>>1です。生きてます。しばらくネットに触れられない環境で来れませんでした……
まだ、落ちてないよね?本当にすみません。

ジョニィ「再開まで……本当に廻り道だった。本当に本当になんて遠い廻り道……」

ミスタ「迷路?」

ジョルノ「はい。ハッキリ断定したワケではありませんが、
     あの男の『言動』『有ったり無かったりする壁』からして、間違い無いでしょう」

ジョルノ「『組織』のボスと幹部を相手にしてあの落ち着きぶり……あれは自分は安全だと確信しているからだ」

ジョルノ「ディアボロから僕にボスの座が移り変わったことを知っているのはあの時のメンバーだけ。
     つまり、前ボスの悪名とか悪行は僕のものになっています。
     それを知りながら『矢』を狙ってくるってことは、余程の『切り札』を隠しているハズ」

ミスタ「それがこの迷路だってのか?」

ジョルノ「そこまでは分からないが……油断はするべきじゃあない」

ジョルノ「ですが、チンタラもしていられませんッ! 急いでヤツを追わなければ『矢』は奪われるッ!」

ジョルノ「何より、このカバンの持ち主が危険です。
     『矢』を手に入れる為なら裏切り者達は簡単に命を奪って口封じをするでしょうッ!」

ミスタ「オーケー、ジョルノ。最優先はヤツに『追い付く』ことだな」

ジョルノ「ええ」

ジョルノ「(しかし……見えない壁に囲まれた迷路か)」

ミスタ「安心しろよォー、ジョルノ」

ジョルノ「?」

ミスタ「俺はこーいう迷路の解き方をちゃあんと知ってるんだぜ。前にテレビか何かで見たからな……」


ピトッ


ミスタ「こうやって、迷路の壁にくっついてさァ、壁づたいに進んでくと……」スススッ

ミスタ「あーら不思議。いつの間にかゴールにたどり着いちゃうんだッ!」スススッ

ジョルノ「……」

ジョルノ「あ、あの、ミスタ」

ミスタ「なんだよ、急がなきゃあいけないって言ったのはオマエだぜ」スススッ

ジョルノ「……」

ジョルノ「ええ、ですから……」

ミスタ「? ハッキリしねぇーなァ」スススッ

ジョルノ「……」

ジョルノ「僕の目が狂ってなければ、ミスタはさっきから僕の周りをぐるぐる回っているだけなんですが」

ミスタ「うおおおおーッ!?」バッ!

ミスタ「なッ、なんでだッ!? 迷路だったんじゃあねーのかよッ!」

ミスタ「『四方』を壁に囲まれてんじゃあねーかッ! こんなの迷路って言うかよッ!
    行き止まりだ行き止まり!」

ジョルノ「行き止まり……」

ミスタ「どーするんだ、ジョルノ? 俺のピストルズじゃあ、この壁はブチ破れねーのは証明済みだ」

ミスタ「これが迷路っていうお前の推理は外れてんじゃあないのか?」

ジョルノ「いや、出口が分からないなら聞けば良いんです」

ミスタ「誰に聞くって?」

ジョルノ「もちろん、さっきの男を知っているヤツにですよ」

ジョルノ「正確にはさっきの男の『匂い』を知っているヤツにですが」


ジョルノ「『ゴールド・エクスペリエンス』!」ドンッ!


ミスタ「!」


ズキュウウウゥ


ミスタ「う、うげェーーーッ!?」ゾゾゾッ

ドロォ……!


ミスタ「ジョルノ……な、なんだよこのいかにも『ドロッドロしてる気味悪ィの』はッ!」

ジョルノ「『粘菌』です」

ジョルノ「さっき、あの男がカバンの中の下着に触れていたでしょう? その下着に生命を与えて変化させました」

ジョルノ「この粘菌はあの男の『匂い』を知っていますから、
     そいつの場所まで最短ルートでどこまでも追跡出来ます」

ジョルノ「例え、『上下左右』のどこに道が続いてようともね」



粘菌「」ウゾゾゾォ



ミスタ「……! 粘菌が壁づたいに上に登っていくぞッ!」

ジョルノ「正解は『上』だったッ! 僕たちも続いて行きましょう!
     ついでに『ゴールド・エクスペリエンス』で木を生み出しましたから、これをハシゴ代わりにします」

ミスタ「分かったぜ、ジョルノ!」

ミスタ「……けどよォ、迷路で『上』ってアリかァ~~~? 下手なアスレチックみてーだよなァ?」

ジョルノ「シンプルに腹立たしいですね……」

直「……梓先輩がやったんですか?」

梓「ち、違うの。スミーレは……」

直「だって……! スミーレ、息してないんですよ!?」

直「どう見たってこの状況は……スミーレ、ねえスミーレ返事をして!」

純「ど、どうしよう……血が止まんない!」

純「憂、救急車はいつ来るの!?」

憂「それが、電話通じなくて……フロントにもかけてみたんだけど誰も出ないの……!」

純「何それ!?」

憂「わ、分かんないよぉ~!」ぐすっ


ドゴオオオオオオオオオオッ!


直「きゃあっ!」

純「なっ……何の音よ!?」

梓「……!?」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


ドリーム・ドランカー「下の階から聞こえましたね」

梓「あ、あなた……」

純「ば、爆発……?」

憂「下の方から聞こえたよ……!?」

直「……!?」

ドリーム・ドランカー「……!」

ドリーム・ドランカー「……凄く嫌な感じがするです」

梓「どういう意味……?」

直「そ、それより、スミーレを早く病院に!」

直「電話が通じないなら、私がスミーレを背負って病院まで行きます!」

憂「私も手伝うよ直ちゃん!」

純「待って! こ、こういう場合私達がスミーレを勝手に動かしても良いの?
  誰か助けを呼びに行った方が……」

直「そんな悠長にしてられません! それに……」

直「……」

梓「……直?」


キィン!


直「……梓先輩ト同ジ所ニ居タクナインデス」

直「コノ人殺シ」

ホテル 一階のフロント


シュウウウウウウウウウ……


「ここかい……『矢』がある場所は。アペリティボ」

「このホテルの宿泊客リストだ。市内で『日本人の女の子供』が泊まっているホテルはここだけだ」

「女……楽な仕事じゃあないか……しかも子供だ」

「油断は大敵だといつも言っているだろう、アンティ。
 この目で『矢』の存在を確かめ、この手に『矢』を手に入れるまでは油断してはならない」

「心配性だねェ」

「確実を取るんだ」

「分かってるぜ……俺の『スタンド』は既に動いている」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



アンティ「栄光を掴みに行くとしようじゃあねーかッ!」ドォーン!

アペリティボ「油断はするな」ドォーン!

裏切り者No.1 『アペリティボ』

スタンド名『ライアースマイル』


裏切り者No.2『アンティ・パスト』

スタンド名『イミテーション・クライム』

一旦ここまで。
長期間の放置について皆さんも色々思う所はあるとは思いますけど、完結だけは必ずしますので。

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