妹「空から舞い降りたい」 (179)


兄「なに言ってんのお前」

妹「正確にはラ○ュタみたいに空からすすす?っと降りたい」

兄「そんなことできるか」

妹「マンションで良かった」

兄「?」

妹「屋上行ってくる」バッ

兄「待て」ガシッ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418869213


妹「空から降ってくる美少女ってなんか良くない?」

兄「自分で美少女語ってる時点で、ねぇ(笑)」

妹「美少女ですよね?」

兄「わたくしの股間を踏みつけるのはやめて頂けないでしょうか」

妹「ご褒美になっちゃうね」

兄「俺は断じてドMなどではない」


妹「そうだ。お兄ちゃん試しにやってみてよ」

兄「[ピーーー]気か」

妹「ちゃんと受け止めてあげるから」

兄「飛○石がない」

妹「そこは気合いで」

兄「凄いな気合い」


妹「ここ8階でしょ」

兄「8階から落ちても死ぬぞ」

妹「やってみて」

兄「なんの怨みがあって」

妹「You can fly!!」

兄「飛べるという記憶はない」

妹「翼を授ける!!」

兄「レッドブル飲んだ記憶はない」


兄「落ちたいとか言い出すのはお前で三人目」

妹「お母さんは?」

兄「狂ってそこのベランダから落ちた」

妹「お父さんは?」

兄「屋上から落ちた」

妹「お姉ちゃんは?」

兄「使われた」

妹「そうだったね」


妹「落ちたい。飛びたい」

兄「飛べない豚はただの豚」キリッ

妹「私のことを豚呼ばわりとは良い度胸ですな」

兄「言ってみたかっただけ」


妹「紅の豚面白いよね」

兄「また見るか?」

妹「外にでれたらね」


兄「疲れてきたな」

妹「飛んじゃう?」

兄「気楽に自殺してたまるか」

妹「いつまで言ってられるかなぁ」ニヤニヤ

兄「ウゼェ」


兄「新しい登場人物出てこないのか?」

妹「なんかメタいね」

兄「幼なじみとか出てこないかなぁ」

妹「出てくるわけないじゃん」

兄「ですよねー」


妹「父の借金ていくらだったの?」

兄「1億円」

妹「うわぁ」

兄「借金返済のために人生売った親父って凄くね」

妹「そうかなぁ」


妹「雛市や まぼろしの子を 連れて見る」

兄「なんだいきなり」

妹「お気に入りの俳句であります」

兄「めちゃくちゃ悲しい内容だったような」

妹「この子みたいになりたかったなぁって」

兄「シリアスはやめて」

妹「ごめん」


妹「投身自殺てどうなんだろうね」

兄「さっきお前がやろうとしたことだ」

妹「舞い降りたいだけ」

兄「人は舞えない」


妹「舞えるよ」

兄「舞えない」

妹「しつこい。食い下がれ」ボコッ

兄「痛い」


兄「でも落ちたら舞い上がるかもな」

妹「昇天?」

兄「そうだ」

妹「天国ってあるのかな?」

兄「中学生のころそんなこと考えたなぁ」

妹「私中学生なう」


兄「天国なんてないだろ」

妹「どして?」

兄「神様は俺たちを助けてくれないから」

妹「そっか」


兄「楽しいことしたい」

妹「トランプしよう」

兄「なにすんの?」

妹「真剣衰弱」

兄「二人だと終わるのに時間かかりそうだな」


妹「真剣衰弱つまんなかったね」

兄「今更言うか」


兄「このマンション何階建て?」

妹「たしか20階建て」

兄「このマンションに入居数は?」

妹「たしか1306人」


兄「今どんだけ居なくなってんだろ」

妹「さぁ」

兄「俺たちだけだったりして」

妹「お兄ちゃんとふ・た・り・き・り(はぁと)」

兄「ウザイ」

妹「はい」


兄「なんで飛び降りたいの?」

妹「義務のために生きたくないから」

兄「逃げ出したいのか?」

妹「うん」


兄「死ぬぞ」

妹「それでも良いや」

兄「俺が止める」

妹「ちぇっ」


妹「妹は今元気かな?」

兄「さぁな」

妹「兄と仲良くやってるかな」

兄「さぁな」

妹「死んでないかな」

兄「さぁな」


妹「エロいことしたい」

兄「やめてくれ」

妹「セックス!セックス!セックス!」

兄「うるせぇ」

妹「性欲が抑えられない」

兄「俺だって」

妹「じゃあ」

兄「風呂で性欲吐き出してくる」

妹「ちっ」


妹「せーえきどこ棄てた?」

兄「ティッシュとともにゴミ箱へ」

妹「ご苦労」

兄「…………………」


妹「お風呂入ってくる」

兄「おい」

妹「なぁに?」ニヤニヤ

兄「なにもするなよ?」

妹「はい?」ニヤニヤ

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>>26
ありがとうございます


妹「えーっと……これだ!」ゴソゴソ

兄「……………」

妹「すー……はー………………やば…くせになる………………」

兄「おい」

妹「!!!」

兄「……………………」

妹「……………………な」

兄「“な”?」

妹「なんだ、お兄ちゃんか」

兄「なんだじゃねぇよ」


妹「そのいち。この丸まったティッシュを開きます」

兄「なにするつもりだ」

妹「そのに。開いたティッシュを口にあてがいます。そして」

兄「おい、おい」

妹「そのさん。せーえきをおもいっきり吸い飲む!!」ジュルルルルル

兄「お前は俺を怒らせた」

妹「以上…ムグムグ……お兄ちゃんの棄てせーえきを……ゴクン……飲む方法でした…」

兄「言い残すことはあるか」

妹「…ほわぁ……まろやかで濃いですなぁ」

兄「よろしい、ならば戦争だ」


妹「直接飲んでもよろしくてよ?」

兄「断る」


妹「ごめんなさい」

兄「次は跳び膝蹴り」

妹「いたいのやめて」

兄「ならやるな」

妹「お兄ちゃん大好き」

兄「反省してないだろ」


妹「大好き」

兄「……………………………………………」

妹「大好きだよ、お兄ちゃん」

兄「………………………………………………………………………………………………」

妹「照れてる?」ニヤリ

兄「う、うるさい」


兄「大好きだ」

妹「え?」

兄「結婚しよう」

妹「…………………………………………………………」

兄「赤くなるなよ」

妹「ばか」

兄「仕返し」


妹「塩ラーメンうまうま」ズルズル

兄「バター投入」

妹「あ、ずるい」

兄「うまうま」ズルズル

妹「バターよこせ」

兄「今ので最後」

妹「よろしい、戦争だ」


妹「デザートの雪見だいふくうまうま」モグモグ

兄「もちっとしてふんわりとしたこの食感がたまらん」モグモグ

妹「もちふわー」モグモグ

兄「もちふわー」モグモグ


妹「ギュー」

兄「抱き締めるな」

妹「ぬくい」

兄「柔らかい」

妹「なんか恥ずくなってきた」

兄「精液飲んだやつが何を」


兄「怪談話するか」

妹「きょうふのみそしる」

兄「それ違う」

妹「まんじゅうこわい」

兄「それも違う」

妹「駆け上がれ」

兄「それは階段話」


兄「元気が出ない」

妹「私は万年元気でない」

兄「お前ネガティブすぎ」

妹「しゃーない」

兄「ポジティブに生きろ」

妹「できるかな?」

兄「できるだろ」


妹「これで何日目かな?」

兄「さぁな」

妹「いつ終わるんだろ」

兄「きっと近いうちに」

妹「妹が危険な目に遭うまでだね」

兄「それまで生きないとな」

妹「そうだね」


妹「本物ってなんだろう」

兄「少なくとも俺たちではない」

妹「良い生き方ができればそれが本物なのかな」

兄「ここだと良い生き方をする選択肢もない」

妹「だよね」


妹「キスしようよ」

兄「やだ」

妹「愛はとっくに誓ったでしょ?」

兄「ジョークというのがわからんのか」

妹「むー」


妹「泣けない」

兄「大きな変化とかないからな」

妹「泣いてみたいな」

兄「俺が死ねばいいのか」

妹「やめて」


兄「雛市や まぼろしの子を 連れて見る」

妹「およ?」

兄「まぼろしの子ってたしか幽霊だよな?」

妹「ちがうよ」

兄「あれ?」


妹「死んだ実の子の幻覚だよ」

兄「うわっ、悲しい」

妹「幽霊よりも生々しいよね」

兄「その俳句が好きなんて暗いな妹よ」

妹「ある意味理想の句だとおもうんだけど」

兄「理想?」

妹「私が死んでもまぼろしの子にしてくれる人なんていないもの」


妹「I watch Hina items with my illusional sister in Hina dolls' market.」

兄「なぜ英語で言った」

妹「なんかかっこいいじゃん」



兄「………………あれ?」

妹「はい?」

兄「もう一度英語言ってみろ」

妹「やだ」

兄「なんか間違えてなかったか?」

妹「間違えてないよ」

兄「うーん、そっか」


兄「アニメって見てる?」

妹「見れない」

兄「そうでした」

妹「プリキュアとかどんなもんか見てみたいと思うけど」

兄「うちラジオしかないもんな」


妹「もう夜だね」

兄「だな」

妹「星空綺麗だね」

兄「あぁ」


兄「今日も楽しかったな」

妹「だね」

兄「まだ舞い降りたいか?」

妹「今日は保留」

兄「そうか」

妹「おやすみなさい」

兄「おやすみ」


???『妹』

妹「…………なに?寝てたんだけど」

???『オリジナルが移植を必要としています』

妹「いきなりですな」

???『兄に引き留めさせないための最良処置です』

妹「さいですか」

???『貴女を使いオリジナルの容態を安定させますがよろしいですね?」

妹「それしかないんでしょ?」

???『その通りです』


妹「嫌だと答えたら?」

???『貴女の首に埋め込んだチップを媒介し、貴女自身の身体を遠隔コントロールします』

妹「そんなことできるんだ。すごいね」

???『どう致しますか』

妹「行くよ。もちろん」

???『ではこのマンションのフロントまで来てください』


妹「うん。ついでに1つ聞いて良い?」

???『なんでしょうか』

妹「お兄ちゃんのオリジナルは無事?」

???『生きています』

妹「そうなんだ。なら良かった」

ピッ


妹(もう終わりだ)

妹(早く感じるなぁ)

妹(置き手紙でもしておこっと)カキカキ


妹「行きますか」

ガチャ


妹「さよなら、お兄ちゃん。私は本物の一部になってくるね」


バタン





これより


移植手術を開始します







提供者は脳死判定と書類上で記載された少女であり、何ら問題はなし


当院はその少女の母父、親戚が既に亡くなっているため、その実兄を保護者として判断した

実兄は提供を承諾した



提供者の名前は妹

披提供者の名前は妹


片方は片方のクローンであった


兄「ふあぁ…………」

兄「おはよう」

兄「………………………………」

兄「おい、妹」

兄「………………………………」


兄「?………なんだこの紙は」

ペラッ

『お兄ちゃんへ


雛市や まぼろしの妹 連れて見る


私はまぼろしの子でなくてもまぼろしの妹になれました

それだけで十分に幸せです

雛市なんて行ってないけど笑


妹より』


兄(………………あぁ)

兄「そうか」

I watch Hina items with my illusional sister in Hina dolls' market.


兄「………なるほどな」


兄「くそ」

兄「昨日で最後だったのか」

兄「………………3文字も字余りしてんじゃねぇよ」


兄「もっとたくさん話せば良かった」

兄(オリジナルが事故にでも遭ったか?)

兄(ダメになったのは心臓だろうか、腎臓だろうか、それとも脳の一部だろうか)

兄(どれにせよ、助かって良かった)


兄「…………………………………」

兄(クローンとして産まれたときは、楽しかったなぁ)


兄「…………………………………」

兄(お母さんもお父さんも妹もねぇちゃんもクローンで)

兄(俺を支えてくれたし)


兄「…………………………………」

兄(でもみんなもう死んだか)


兄「朝飯食べよ」

兄「…………………………」パクパク

兄「……………………不味い……」モグモグ

兄「……………………ごちそうさま」


一日後

兄「…………………………」

兄(泣いた)

兄(ひさびさに一日中泣いた)

兄(妹の死ということを自分の中で再確認してしまったからだ)


三日後

兄「…………………………」

兄(疲れた)

兄(おきあがる気力も湧かない)


一週間後

兄「楽しくない」

兄「何もなかった」

兄(最低の一週間だった)


兄「ああ」

兄(そうだ)

兄(もう俺にはなにも残っていない)

兄「つらい」




兄「消えたい」



兄「屋上へ行こう」

兄(人間に作られただけの俺たちにあの世なんてあるわけがない)

兄(でも妹にまた会いたいと思う)

兄「俺ってバカですな」

兄(妹をあんなに引き留めといて結局こうなる)


兄「気持ち良い風」

兄(周囲を見渡せばこの建物は森に囲まれていることがわかった)

兄(他にも高層ビルがあるが陳列はしていない。その回りにも森しかなく、一つ一つが孤立している)


兄(ここはクローンが住まう土地)

兄(一般世間から隔離された収容所)

兄(富豪や研究員、軍人の内臓ストックが何万単位で住まう隔離施設)


兄「そんなことどうでもいい」

兄「俺にとっての妹はもう死んだんだ」

兄「世界なんてどうでもいい」


トッ

舞い降りる


ラピ○タのようにはならない


浮かばない

ただ身体が落ちていく

兄(物足りない)

兄「さよなら」


兄(結婚したかった)



落ちて


兄(禁断の愛とかしてみたかった)


グチュ
そんな音とともに身体中が痛く

目の前が黒くなり



兄(でもそれは無理だ)

消えて

兄(だって)


兄(俺は本物じゃないから)


なくなってしまった


とりあえず一旦終わりになります

後日談があるのですが、それは公開しようかどうか考え中です


私のポエムじみた見にくい文章を見てくださってありがとうございました


「やっと起きてくれた………!」

声が聞こえる

「よかった…………グシュ…よかった……!!」ポロポロ

ねぇ、なんで泣いてるの?

私はなんでまだ意識があるの…………?

お兄ちゃん……………私、死ねなかったのかな?

本物の、妹の助けになれなかったのかな……?


連投すみません


温かい感じがする

きっと冷たいあのマンションじゃない


心が安らぐ

お兄ちゃんがそばにいるときのように


私は目を開けた

そこには

お兄ちゃ……………………誰?


まったく知らない男がいたのです


男「起きたか妹………」

泣いて目を腫らしたお兄ちゃんと同じくらいの歳にみえる男が私の目の前にいる

私の名前を呼んだ…………?


妹「ここ…………は…………」

私が寝ていたのは病室のベッドらしい

身体には大量のコードが取り付けられていた


男「おかえり………!」

ギュッ

男が抱きついてきた


突然のことに驚いた私は

妹「や、やめて…………!」

グイッ

拒んだ


恐かった

知らない男に抱きつかれて私は恐怖でガタガタ震えた

お兄ちゃん以外に触れることがこんなに恐かっただなんて知らなかったよ


男「ど、どうしたんだ妹…!」

男は私に拒まれたことに慌てていた

いったいこの人は私のなんなのだろうか

いや、私の記憶は自分の家族と暮らした記憶しかない

そこに偽りなんてあるわけないんだ


男「記憶………喪失………?」

医者「そのとおりだよ。彼女は完全に君と過ごした記憶を失っている」

男は医者の言葉を聞いてまた泣いていた

私は泣けも笑えもできなかった

わけがわからないんだ

私は誰なんだろうか

私は妹じゃないの?


私は移植手術の提供者として死んだはずだったのに生きていた

その世界にお兄ちゃんなんていないと思える

私はこの世界で生きるしかないのだ

この男に合わせて、生きるしかないのかもしれない


一年後

妹「お兄ちゃーん!はやく起きないと学校遅れちゃうー!!」ユサユサ

男「あー、起きてるって揺すんな」

妹「起きてるならなおさら早く!遅刻なんでダメ!」

男「でも布団が俺を縛り付けるんだ。しょうがないだろ?」

妹「ちょっとー!!」


ここから第二部です


男「んー………あと30分………」

妹「もー!」ユサユサ

ガチャ

キイィ………

「安心して妹ちゃん、私が起こすから」


男「あ…………………やばっ」

バッ

「ジャンピングキーック!!!」

ドスッ

男「ぐえぇっ!??」


妹「よ、幼さん、飛び蹴りはやりすぎですよ…」

幼「手加減はしたし大丈夫でしょ」

男「お、おまえええぇぇえ………」

幼「こんな可愛い妹に起こされてんだからすぐ起きなさいよ」


妹「お兄ちゃん大丈夫…?」ナデナデ

男「あぁ、癒される……………幼とは大違いだぜ!」

幼「妹ちゃんが優しすぎるのよ」


男「幼、長年隣りに住む幼馴染みとしてお前も見習え」

幼「あら、私は十分優しくてよ?」フフン

男「ジョークとかいいから」

幼「殴り飛ばす」

妹「二人とものんびりと喋ってないで早く行かないと遅刻しちゃいます!」アタフタ


通学路

幼「そういえば今日妹ちゃんのところに転校生が来るらしいわよ」

妹「転校生?」

男「今秋だぞ?こんな時期に転校生ってくるもんなのか………?」

幼「校長から聞いた話だから確定だけど」

男「さすが外道生徒会長。先生へと媚び売りは天才だぜ!」

幼「男、後でツラかしな。生きていることを後悔させてやる」


妹「校長先生からどうやってそんな話聞くんですか?」

幼「上目遣いぷらす手合わせてお願いしますっていえばイチコロよ!」

男「うわぁ………ひっでぇな………」

妹「さすがですね…………」


幼「コレが効かなかったのは男だけだった」

男「それ最初にやられたの小学生のころだぞ。小学生に女の魅了なんてわかるわけないだろ」

幼「今は?」ニヤニヤ

男「何とも」

幼「あ、そう」

ドゴッ

男「真顔で殴ってくんじゃねーよ!」


妹「お、お兄ちゃんはどんな女の子が好きなの?」

男「えっ!……うーん………」

幼「妹ちゃん、みたいな人でしょ」ニヤニヤ

妹「えぇっ!?///」

男「当たり」

妹「ええぇっ!??///」


幼「私も妹ちゃん大好きー!」

ギュッ

男「俺の妹を取るなー!」

ギュッ


妹「も、もう!///人目のつくところで抱きつくのはやめてください二人と……」


触るな

私に触っていいのはお兄ちゃんだけだよ


妹(ゾクッ)

男「?」

幼「どうしたの妹ちゃん?」


あれ?どうしたの??

何でそこで離して下さーい……って声が出ないの?


妹「……………っ!!」ガタガタ


それは本当のお兄ちゃんなの?

違うよね?

拒んでよ………

妹「す、すみません、先学校行ってます……!」

ダッ


幼「あ、ちょ、妹ちゃん!?」

男「行っちまった………」

幼「どうしたんだろ、抱きつかれたのが嫌だったのかなぁ……」

男「……………………………」

男(………なにか胸騒ぎがする)


友「おはよー」

妹「お、おはよー」

妹(………自分が呑み込まれそうな気がする)

妹(私の頭の中に入ってきた声は私自身の声だった)


友「どしたのー?元気ないね」

妹「なんでもないよ」ニコッ

友「大丈夫ー?」

妹「うん」

妹(……なにがなんでも…負けるわけにはいかない)

妹(この幸せな日常を手放したくない……!!)


先生「転校生を紹介する」

友「転校生だよ妹ちゃん!どんな子なんだろう」ヒソヒソ

妹「うーん……女子だったらいいよね。話せるし」

先生「入ってこい」

ガラッ





「おはようございます」





『妹』

『オリジナルが移植を必要としています』

『兄に引き留めさせないための最良処置です』

『貴女を使いオリジナルの容態を安定させますがよろしいですね?』




妹「どう………して」




「私の名前は」






『貴女の首に埋め込んだチップを媒介し、貴女自身の身体を遠隔コントロールします』

『ではこのマンションのフロントまで来てください』



妹(終わる)


妹(終わってしまう)


妹(この頭に流れ込んでくる記憶に私は溺れ死んでしまう)


女「私の名前は………女です」

『こんばんは、よく死ぬ直前だというのにご自身の意思でここまでいらっしゃいました。私、女という名前の者です』

女「以降、お見知りおきを」

『以降、お見知りおきを。とはいっても………』




なんでアイツがこんなところに!




妹「……………なんで……アイツが………こ……な…っ」

妹(もう一人の私が私の身体を使ってしゃべろうとしてくる………!)


妹『お兄ちゃんのオリジナルは無事? 』

『生きています』

妹『そうなんだ。なら良かった」』





女『とはいっても………貴女も、お兄ちゃんもこれから消える運命。もう会うことはないでしょうけど』







妹「お兄ちゃんに何したの!!?」バンッ



クラスメイト「!?」ビクッ

女「?」

妹「………………あ、」

妹「えっと………」

妹(いつの間にかクラスメイトの前で私はもう一人の声の言葉を叫んでいた)


先生「ど、どうした妹」

先生(…………あの事件の後遺症か?)

妹「す、すみません……」

妹(私が自分の犯した失態で恥ずかしがりながら座るとき)

女「………………………」ニッコリ

妹(転校生の女さんは笑って私を見ていた)


先生「妹、調子悪かったら早退しろ」

妹「………………でも」

先生「安心しろ、根回しして公欠にしといてやるから」グッ

妹(それって公職違反じゃ………)

友「無理しないで妹ちゃん」

妹「ありがとう………でも大丈夫」


ついにきたね

妹(貴女はだれ?)

私は貴女の分身だよ


妹(何が目的なの?)

お兄ちゃんをどうしたのかあの女に問いただすこととか

妹(お兄ちゃん…………?男お兄ちゃんじゃなくて?)

お兄ちゃんはあんな奴とは違う

私のお兄ちゃんはもっとカッコいい

妹(イラッ)

妹(……………私のお兄ちゃんのほうがきっとカッコいいもん)


妹(……私の心を支配するつもりなの?)

いやいや

この身体の主導権は貴女のものなんだよ?

支配するなんて恐れ多い


私の目的に協力する?

妹(いやだ)

ムカッ

協力なさい

バチッ

妹「イタッ!」

友「!?」


妹(ちょっと!いきなり頭痛がしたんだけど!)

ちょっと干渉したの

妹(私の心は恐れ多いんじゃないの!?)

……………………………

妹(ちょっとーー!黙らないでよ!!)


友「大丈夫妹ちゃん!?」

妹「だ、大丈夫。小指をぶつけただけだから……」

友「小指…………?」

友(上履き履いてるのに?)


私の目的に協力しないの?

妹(あんた不可解すぎるんだもん)

私が不可解?

貴女の存在のほうが不可解だと思うけど

妹「?」


昼休み

友「ごはんだー!」

妹「もう、はしゃぎすぎだよ友ちゃん」クスクス

友「あ、そうだ!」

妹「?」


トットットッ

女「?」

友「女ちゃん、一緒にごはん食べよ!」

妹(さすが妹ちゃん)

妹(……転校したての子を昼御飯に誘うだなんて消極的な私には無理だな……)


女「はい、ありがとうございます。ではご厚意に甘えさせて頂きますね」ニコッ

トットットッ

女「これからよろしくお願いします、妹さん」

妹「よ、よろしく…お願いします…」

………ノコノコと出て来やがって

妹(悪い人そうには見えないけど)

貴女、悪党と正義の味方の見分けくらいつけられないの?

妹(いや、だって………)


友「女さんはどこから来たのー?」

女「私は○○学校から…………」

友「○○学校?………ごめん、聞いたことない名前だなー」

女「田舎の方ですから」アハハ…


妹(……どう考えても悪い人じゃないでしょ)

……………………○○学校……ね

妹(どうしたの?)

………やっぱり確定っぽいね

妹(なにが?)


アイツが私の敵だってこと


妹(いや、いきなりすぎて意味わかんないんだけど)

ちょっと身体借りるね

妹(え!?ちょ、ちょっと………!)


妹(いや、いきなりすぎて意味わかんないんだけど)

ちょっと身体借りるね

妹(え!?ちょ、ちょっと………!)


妹「女、廊下でろ」

女「…………………」


友「え!?」


友(呼び捨て!?しかもなんで怒り口調!!?)

女「わかりました」

妹「従順だね」

女「貴女に従わないのは私の本職に反しますので」

妹「へぇ、見直したよ」

友(なにこのアウェー空間)



ちょ、ちょっと!


何してんの!?

妹(二人きりになれる空間を作ったんだよ)

というか私喋れないんだけど!

妹(そりゃそうだよ)

妹(今、この身体は私のものなんだから)


女「まさか貴女が生きているとは驚きましたよ、妹」

妹「お兄ちゃんはどこ?」

女「死にましたよ」

妹「」


女「……………………」

妹「……………………」

女「…………………ニヤッ」

ドゴッ

女「ふオっ!??」


妹「なに笑ってんだくそ女」

な!

なに女さん殴ってんのよ!!

妹「いや、そりゃあ殴るでしょ」

女「…………キツい一発ですね………お見事…………フフフ」フラフラ

妹「なんで笑ってんの?」

女「いえ、予想以上のパンチに興奮が抑えきれないもので……フフフ……………あはははははは!!!」

妹「」

うわぁ………………


転校初日で180度イメージが変わったんだけど………

妹(かなりヤバいやつかもしれない)

女「フフフ………この程度ですか妹?」

妹「イラッ」

バキッ

女「ぶふっ!?……………あはははははははははは!!!さいっこうです!生きていると実感できるっ!!!」

妹「なんだこいつ」


友「妹ちゃんーそろそろ昼休み終わるよー」トテトテ

妹「じゃあ戻ろうか」

友「……妹ちゃん、なんか雰囲気変わったね………」

妹「こんな私………嫌い?」

友「い、いや……!」

友「むしろ…………いいと………………思う………よ///」ドキドキ

あれ?

なんで赤くなってんの友ちゃん

百合なの?


友「………///」チラッ…チラッ……

友(今日の妹ちゃん、なんかカッコよくて可愛いなぁ……///)

妹「……………」


女「ハァ…………ハァ…///」

女(不味いですね……まだ興奮が抑えきれません)

妹「……………」


先生「……俺、正義の味方になりたいんだ。どうかな?妹」

妹「死ねばいいと思う」



妹(このクラスいろいろと終わってんじゃない?)

アンタが来るまではまだマシだったよ………


ていうか……なんでまだ乗っ取ってんのよ!!

妹(いいじゃん、今日くらい)

ダメ!

妹(しょうがないなぁ)


ギュルルルルルルルルルルルル

これでいいの?

妹(元に戻った……)

妹(ていうかいまのギュルルー……ってなに…?)

さぁ?


これから少し別主観に入るか、妹の物語を続けるか悩んでます

安価とってもいいですか?

すみません
安価についてのコメントは気にしないで下さい

再開します


数日後

男(………妹の様子がおかしい)

男(時折冷たくなり、またコロッと戻る)

男(………………なにがおきてるんだ……)

男(近ごろそれが治まってきたと思いきや……)

妹「おにいちゃーん」ウキウキ

男「ど、どうした妹」


妹「いっしょにお風呂はーいろ」

男(なんだこれは!)

男(だれだこの可愛い女の子はーーー!………あ、俺の妹か)


男「なんだいきなり?前まで別々に入ってたのに」

妹「お兄ちゃんと一緒にはいりたいの!」

男「いや、その、あのな………」

男「歳を考えろ。な?」


妹「お兄ちゃん」

男「なんだ?」

妹「信じてるから……ね?」

男「…………………………………」

男(信じてるから………ね?じゃねぇんだよ!!)

男(理性じゃ抑えきれないものもあるんだよ!!)


妹「お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん」

男「いみわからん」

妹「お兄ちゃんはお兄ちゃん。なんか良い響きだね」エヘヘ

男「」

男(相手は妹。相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹相手は妹)


妹「ほら、いくよ」グイッ

男「え、ちょ、ちょっと!」

妹「ほらほら」

男「いや、その、妹。あの………」ズルズル

男(いやぁぁぁぁあああ!!性欲が理性を邪魔して拒めないいぃぃぃい!!!)


脱衣場

妹「えへへ、お兄ちゃんとお風呂に入るなんて何年ぶりかな?」スルスル

男「脱ぎ始めるな!」

妹「え?だってお風呂入るんでしょ?」

男「あ、えっと………はい」


妹「ふんふふーん」スルスル

ポヨン

男「……………………………………………………」

男(Cカップか………)

男(……………………………………はっ!)

男(いかんいかん!高校生にもなった妹の全裸を見たら全て終わる気がする!!)





妹「どしたのお兄ちゃん?脱がないの?」


男「」


妹(所詮処女チキンかよ)

ぶっ飛ばすよアンタ


男「…………………はっ!」

男「裸の付き合いだけは駄目だ!!」

妹「え、なんで?」ウルウル

男(理性がもたないんだよっ!!!)


妹(あと少し)

あと少し?

妹(男がケダモノになるまであと少し)

け、ケダモノ…………///

妹(………………………………ムッツリスケベ)

なっ!


ピンポーン

(インターホン?)

男「こんな時間に誰だ………」


妹「私出てくるよ」クルッ

男「半裸で行くんじゃない」ガシッ

誰だろ?

男「俺がでるから待ってろ」

妹「ほいほーい」


妹(チッ………誰だ邪魔したのは…………)

………………………………………

妹(…………………なんで少し残念そうにしてるの貴女)

…………!!///

ざ、残念じゃないよ!!////

妹(あぁ、なるほど)ニヤリ

妹(残念でしたねー愛しのお兄ちゃんとお風呂に入れなくてー)クスッ

だ、だから!///
そんなことないって言ってんでしょーがー!!/////



男「どなたですか?」ガチャッ

「こんにちは」

男(こんにちはって…………もう8時なんだが……)

「私、女というものでございます」

男(女ちゃん?随分ちっちゃい子だな。小学生高学年ぐらいか?声も高めだし)

男「どのようなご用件で?」

女「妹さんと話しがございまして」

男「妹?」


男「オレンジジュースで良いかな?」コトッ

女「お気遣いありがとうございます」ペコッ

妹「………………」

妹(敵陣に単騎で乗り込むなんて、なんのつもりだろう?)

変な人だけど良い人なんだよきっと

妹(ほんと貴女はお人好しだよね)ハァ…


ゴクゴク

女「このジュースは自家搾りですか?」

男「よくわかったな」

女「とても美味しいです」



男「それは良かった。にしても何の用だいお嬢ちゃん」

女「お嬢ちゃんではありません」

妹「女ちゃんは私と同級生だよ」

男「なにっ!?」

女「ええ、よろしくお願いします。お兄様」



女「申し訳ないのですがお兄様。妹さんと二人だけにして頂きたいのですがよろしいですか?」

妹(……………)ピクッ

男「あ、悪い悪い。自室に戻るわ」

妹(こいつ…………徹底抗戦のつもりか……)

男「なんかあったら呼んでくれー」タッタッタッ


女「………とても良い兄をお持ちですね」

妹「いやみのつもり?」

女「あら、貴女は“あの消えたはずの”妹さんですか?ごきげんよう」

妹「知ってたんだ」

女「逆に知らないとでも思ったのですか?」


女「それにしても不思議ですね」

妹「は?」

女「貴女が支配しているならなにも変わってないということになりますけども………」




女「なんで貴女が支配されてるんですか?」



え?

妹「……………………」

女「貴女はそんな弱い存在でなかった気がしますが」



……なんのこと?

妹(………チッ……)

妹(こいつは殺しておくべきかもしれない)

あ、アンタもなにを言ってるの!?


女「それにしてもブラ丸出しでお出迎えとは新手の挑発ですか?」

あっ!私のブラが丸出しのまま!!

妹「大胆でしょ?まるで誰かさんを誘ってるような」

うるさい!私の必死のアピールなの!!

女「ええ、そんな黒ブラを着けているとは驚きましたよ」

言わないで!見ないで!!//



妹「私の大切な子のセンスなの」

……………え

妹「その子が大好きな人にアピールするために決死の気持ちで買ったものなんだよ」

女「なるほど…………フフフ…ほんとうに貴女にそっくりですね」

妹「当然。アンタならその意味もわかってんだろうねー」


大切な子って…………………私のこと?

妹(当たりまえでしょ)

………えへへ

そっかぁ………………

大切に…………思ってくれてるんだね

妹(…………………………)


妹(…………ごめんなさい)

え?

妹(これから私は最悪な瞬間に立ち会う)

な、なにそれっ!?

妹(大丈夫。この身体を傷つけさせたりなんてしないから)

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