苗木「僕は苗木誠、超高校級の希望だ」 (477)

十神「おい…苗木と言ったな。お前で15人目だ。」

苗木「え?な、何が?」

セレス「見ればお分かりでしょう?」

桑田「ここにいるメンバーだよ。メンバー。あっ…ちなみに俺は桑田怜恩っーんだ!。よろしくな!」

苗木「よろしく。桑田…君。」

舞園「私は舞園さやかです。よろしくお願いします。」

苗木「わっ…!舞園さんだ!……あのアイドルの舞園さやかさんだ。すごいよ!よ、よろしく!」

霧切「私は霧切よ、よろしくね。苗g…「おいっ!」

石丸「苗木君!霧切君!自己紹介は大事だが、とりあえず後にしたまえ!」


自己解釈や独自設定が含まれます。
プロローグ後、chapter4に飛びますが深い意味はありません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418787719

江ノ島「つーかさぁ、アンタの才能っていったいなんなわけ?」

苗木「才能?なんのこと?」

葉隠「げっ!苗木っちも才能を覚えてねぇんか?」

苗木「君は覚えているの?」

葉隠「覚えてるもなにも、俺の才能は超高校級の占い師だべ!なんなら、いっちょ占ってやろうか?」

苗木「い、いいの?」

葉隠「こっから出たあとで、10万円頂戴するべ。むむっ!苗木っちには妹か兄貴が1人いるな!?当たってるべ?」

苗木「すごい!当たってるよ!本当に占い師なんだ!」


大和田「つーか、マジかよ…2人も覚えてねぇ奴がいるとはな」

山田「いやはや…記憶操作でもされてるんじゃあないでしょうな…」

苗木「2人?」

朝日奈「そこにいる霧切ちゃんもなんだよ」

腐川「あんた達…グルなんじゃないでしょうね!?」

大神「その心配はなかろう…我が聞く限り苗木は思い出せないのではなく、才能のこと自体を知らないような口振りだ。霧切とは少し事情が違うのかもしれぬ」

不二崎「でも、その2人には共通点があるよぉ」

十神「なんだ?説明してみろ」

不二崎「あの…ボクはここに来る前、皆がどんな人かネットで調べてみたんだ。でも他の13人は素性がはっきりしたけど、霧切さん達はどこにも情報がなかったんだ」

山田「じゃあ、拙者のあんなことやこんなことまで…」

不二崎「うん、セレスさんが本当はや…「ダァッてろ!ビチグソがぁああああ!」

石丸「とにかく!パソコンの系統に長けている不二崎君が分からなかったのだ。」

大和田「本人が話さねぇ限りは才能を知ることは無理っつーことだな!」

不二崎「あ、でも少し気になることも

ピンポーンパーンポーん!

モノクマ「オマエラ、至急体育館にお集まり下さ〜い!」

江ノ島「体育館?」

十神「あからさまに怪しいが、手がかりもない。俺は行くぞ」

葉隠「俺もだ!」

石丸「とりあえず、なんらかの説明があるはずだ!皆、行こう!」

桑田「ったく、かったりぃーな…舞園ちゃーん一緒に行こうゼェー」

舞園「は、はい」

朝日奈「行こう?えーと、さくらちゃん!」

大神「う、ぅむ」


ゾロゾロ

腐川「……」

苗木「…………みんな行っちゃったけど…行かないの?」

腐川「……なんで誰もあたしのこと誘ってくんないのよぉ」

苗木「えーと………一緒に行く?」

〜体育館〜

モノクマ「オマエラ!ようこそお集まりいただきました!ボクは学園長のモノクマでございます。」

大和田「ふざけんなよ!ゴラァ!さっさとこのくだらねぇ茶番終わらせやがれ!」ガシッ

モノクマ「うわぁ!止めてよ!学園長への暴力は校則違反ですよ!」

大和田「あぁ?知ったことかよ!」

モノクマ「うぷぷ」

霧切「危ない!投げて!!」

大和田「あ?」

霧切「早く!!」

大和田「チッ」ブン

ドッカァーン!!

大和田「ば、爆発しやがった!」

朝日奈「なんで!?そんなことしたら死んじゃうじゃん!」

モノクマ「惜しいねぇ、後ちょっとで大和田君を木っ端微塵にしてバターに出来たのに」


霧切「完全に大和田君を殺す気だったわね。どういうこと?」

モノクマ「どういうことも何もボクへの暴力は校則違反なので罰だよバツ!」

石丸「こ、校則違反にしては厳しすぎるのではないかッ!」

モノクマ「厳しい?超高校級の風紀委員からそんなセリフが聞けるなんて驚きだねぇー」

霧切「常軌を逸しているわ」

モノクマ「まぁ、今回は事前に教えてなかったから許してやるけど、次はないからね」

十神「おい、それより俺たちを呼び出したことになんか意味があるはずだ。さっさと話せ。」

モノクマ「……そうだねぇこんなテンプレ通りのツマラナイやりとりは終わりにして、そろそろ本題に入りましょうかね」

モノクマ「ところで、君たちなんか気づいたことなぁい?自分の身体のこと」

十神「なんだと?」

苗木「言われてみれば…身体が少し大きくなってる気がするよ」

大神「むっ、我以外にも気づく者がいるとはな…しかし、何故だ?ここに来て特別な事をした記憶がない。」

モノクマ「特別なこと?うぷぷ…」

腐川「…なによ!さっさと話しなさいよ!」

モノクマ「もう、教えてもいいかな?…オマエラはここで2年間共に学園生活を過ごしていたんだよ!」

苗木「2年間を過ごしたってどういうこと!?」

モノクマ「自分の身体の変化に敏感な大神さんはともかく…キミは成長が大きかったのかなぁ?」

苗木「だから、なんのことなの!?」

モノクマ「君たちは2年間の記憶をすっぽり抜き取られてしまったんだよ!黒幕によってね!」

十神「どういうことだ!?なぜそんなことができるというのだ!?」

モノクマ「…というか!絶望的に!計画失敗だよ!まさかこんな段階で失敗するとはおもってもみなかったよ!」

江ノ島「えっ?……ハァ!?何言ってんの、あんた!」

モノクマ「元々これはこの段階で話すことじゃなかったんだよ。でも、裏切り者のせいで計画が失敗したんだよ。」

十神「どういうことだ!さっぱり話が見えん!」

モノクマ「あぁーもう!本当にムカつくよ!ここにはいないはずの17人目の高校生がいるなんてね!」

桑田「おいおい!ここには16人どころか15人しかいねぇじゃねぇか!17人目ってどういうことだよ」

ザッ

江ノ島?「こういうことよ〜ん!」

江ノ島「へァッ!?」

朝日奈「どうなってんの?」

不二崎「江ノ島さんが…」

葉隠「2人?」

江ノ島?「どーもー!超高校級のギャルで超高校級の絶望の江ノ島盾子ちゃんでーす!」

江ノ島?「あ、もういいよ残姉」


江ノ島「………」

バサッ

戦刃「………」

霧切「………なるほど。中々間抜けね、この黒幕は…」

葉隠「あのーどういうことか分からんのだけど…」

朝日奈「私も…」

霧切「いいわ、順を追って説明する。」

霧切「まず、江ノ島盾子は偽物で、本当の彼女は黒幕だった。…元ね。」

霧切「なんらかの方法で私たちの記憶を奪い、この学園に閉じ込めた。そこで何をさせようとしてたのかは分からないけど、計画は誰かに乗っ取られて失敗した。」

霧切「何故、どう、失敗したのかは分からないけど、今の彼女は私たちとほぼ同じ状況にいるってこと。で、いいかしら江ノ島さん。」

江ノ島「…はい…いいです…」

江ノ島「じゃあ、今からは私様が説明するわ」

腐川「失敗したくせに随分偉そうね」

江ノ島「まず、今回の計画から説明します。私はオマエラの記憶を奪い隔離することでコロシアイを起こすことを目論んでいました。」

江ノ島「でもねぇ〜いろいろ誤作動が起きたみたいで、わたしの2年間の記憶もなくなっちゃったんだーもちろんお姉ちゃんもねー」

戦刃「うん…」

山田「というか、江ノ島さんじゃないのなら、彼女は誰なのですかな?」

不二崎「たぶん、超高校級の軍人の才能を持つ人だよね?」

戦刃「!?何故それを?」

不二崎「ネットにそういう噂があったから、あくまで噂どまりで確証は得られなかったけど…」

江ノ島「ああ、こっちは残念なお姉ちゃんの戦刃むくろ。いちおー双子って設定だから」

戦刃「…よろしく」

江ノ島「んで、起きたら計画のことは覚えてたみたいで…なんとかお姉ちゃんにも伝えてやってみようと思ったんだけど…」

桑田「ちょっと待て!そんな的確な誤作動があるかよ!」

一応言っとくが、不二咲な


江ノ島「まぁ、2年前からこのような計画がしたいと考えていただけなんですけどね。」

桑田「ハァ?」

セレス「待ってください。じゃあ、現状では2年前までの記憶しかないのでしょう?つまり、全ては推測でしかないのでは?」

江ノ島「まぁぶっちゃけると、本当の黒幕には既にあってんだけどね〜そいつが元黒幕である私には少し情報をくれたってわけ」

葉隠「はぁ?誰なんだよそいつは?俺らに何の用があってこんなことすんだ!」

江ノ島「アタシが起きたのはモノクマを操る部屋のようだったんだけど。なんかモニターがいっぱいついてる部屋と隣接してた。」

すいません。

すでに書き溜めてるんで、できるだけ直しときます。

他に誤字があったら、勝手に補完してください。

霧切「そこで、黒幕と話したのね。」

江ノ島「そうよ。」

霧切「じゃあ、そこは黒幕の拠点となる場所だった。」

霧切「つまり、あなたはもう計画を始められる寸前で失敗したんじゃないかしら?」

江ノ島「不運としか言いようがないわ。真の黒幕は記憶を奪われなかったみたいだし…アァーッ!今思い出しても本当に絶望的ィーッ」

十神「それで、真の黒幕との会話はどうだったんだ」

江ノ島「アタシが目覚めてしばらくして黒幕は現れたんだけどさ。」

江ノ島「黒幕は、間違いなく元クラスメイトなのよ。本人が言ってた。僕たち16人はクラスメイトなんだって。その後は、変な薬嗅がされて教室で起きたんだけど」

十神「16人…ということは今もこの場にいる。ということなのか?」

江ノ島「あぁ?何言ってんだよ、かませメガネがぁーッ!さっき言ったろ?17人目の高校生がいるってよ!そいつのせいなんだよ!何もかもなぁ!」

十神「な…」

セレス「分かりましたわ。」

山田「つまり、どーいうことだってばよ?」

霧切「クラスメイトではない人がこの中にいるようね。それを知るのは、記憶を失ってない黒幕だけだけどね。」

葉隠「記憶を失ってるのにクラスメイトだったかなんて分かるわけがねぇべ!」

石丸「むっ!しかし、入学者については不二咲君が調べていてくれたハズだぞ!」

大和田「そうだな!確か、いくら調べても出てこなかったのは苗木と、霧切だったな!」

苗木「えぇっ、そんなぁ、心当たりナイよ!」

霧切「当然、私もよ。」

不二咲「あのぉ一応、戦刃さんも確定した情報じゃないからぁ」

大神「しかし、その裏切り者も記憶を失ってはいるのだろう?もしやすると」

朝日奈「自分が、裏切り者だって事も忘れてるかも!」

セレス「まだ可能性の一つに過ぎませんわ。2人に決めつけるのは止しましょう。」

江ノ島「ところでぇ、アタシに聞きたい事はもうないかなぁーッ?」

江ノ島「あ、ちなみにさっきのモノクマは、黒幕が来るまでの間に作った携帯型操縦機で操っていたのでーす!」

霧切「なんであなたはやり直そうとしていた計画を突然、投げ出したの?」

江ノ島「だってぇ〜失敗したシィ〜つーか、飽きたっーか、こっち側で絶望を味わってみるのも悪くないかなぁ〜ッて」

十神「つまり、1人邪魔者が増えたってだけで状況的には今までとほとんど変わらんということか」

江ノ島「まっそういうことだねー。もちろん、私が知ってる計画通りならこれは絶賛全国生放送中だけどね〜」

葉隠「なんか、サラッとヤベェこと言わなかったか?こいつ」

霧切「江ノ島さん、それってどういうこと?」

江ノ島「そりゃあ、世界中に絶望をバァーッとばら撒くためだよ!」

十神「こいつの思考はさっぱり訳が分からんな」

そして、江ノ島さんがコントローラーをしまったあと…突如それは現れた。

モノクマ「はいはーい!ちゅうもーく!こんにちは!真の黒幕です。うぷぷぷぷ」

苗木「来た!モノクマだよ!」

腐川「うるさいわね、見りゃ分かるわよ」

モノクマ「えー君たちにはコロシアイをしてもらいまーす!」

江ノ島「カァーッ!やーっぱ、それかよ!」

霧切「あなたも絶望を世にばら撒きたいというの?」

モノクマ「それは違うよ!ボクは希望が見たいんだ!こんな状況だからこそきっと希望は輝くんだ!」

モノクマ「強いて言えば、ボクがばら撒きたいのは希望だよ!強い希望だ!」

苗木「え?」

霧切「で、あなたは2年間の記憶を覚えているのよね?」

モノクマ「そうだよ。ついこの前まで君たちとともに勉強していた。江ノ島さんはそんなボクらを陥れようとしていたんだ!」

葉隠「おめぇがやってる事も何もかわらねぇーぞ!」

モノクマ「…それは違うよ!ボクは希望の為にやっているんだ!」

十神「江ノ島といい、こいつといい、やはりこんな事をする奴は頭がどうかしている。」

モノクマ「とにかくぅ〜!ここから出たかったら、やってヤって殺りまくってちょうだいなぁー!じゃあねぇ〜」

江ノ島「うぷぷ、で、どうするの?」

桑田「な、何がだよぉっ!?」

モノクマ「あ、忘れてたあー。実はただ殺せばいいわけではないのです。誰にもバレずに殺せたら卒業。バレたら殺人を犯したクロとしてオシオキだよぉ〜」

江ノ島「ということみたいねぇ〜。……どうやら、計画は私様のものと同じみたいじゃな。」

葉隠「わけわからん状況と江ノ島っちの喋り方のせいでいろいろ混乱しそうなんだけど…」

江ノ島「ここまででよく分からなかった人は、私が本物で、さらに、残姉が参加したただのコロシアイと思ってくれて結構です。あと、裏切り者の存在もお忘れなきよう」

腐川「誰に言ってんのよ!?」

プロローグ 終ーー

狛枝かね?

今日はここまで
次は土曜くらいに投稿します

前述した通り、次からいきなりchapter4に飛びますが特に意味はありません。

しかし、その際、死んだメンバーには少し意味があります。



期待
苗木っちが2年で身長伸びるとは思えんしきっと狛枝っちの体に苗木っちの記憶を移植したんだべ(適当

苗木と狛枝の記憶と人格を入れ替えて、黒幕が苗木か、中身が狛枝で体は苗木といったほうが正しいな

なるほど、言われてみれば苗木を狛枝に置き換えでもって違和感無いわ。

展開予想はよそうぜ
当たってたとき気まずくなる

chapter 4 (非)日常編


石丸「さて!諸君!この生活もかなり長くなってきた。そして、誠に遺憾ながら既に6人の犠牲者が出てしまっている。しかし、彼らが残した物は…」

大和田「朝からうっセーよ!要はなんなんだ!?コラァ!」

石丸「何だね、その態度は!これから我々が一丸となって脱出しようとしている時に!そういう風紀を乱すような事は……」

大和田「んだコラァ!」

石丸「物に当たるのはよしたまえ!……


ワーワーギャーギャー


腐川「まーた、始まったわね」

苗木「ははは…仲が良いんだか悪いんだか…」

腐川「悪いでしょ!?どう見ても!!」

十神「ふん…くだらん。俺は一足先に新たな場所を調べるぞ」

石丸「待ちたまえ!…まだ話は!」

十神「なんだというんだ、霧切も江ノ島も今はここにいない。残った全員で団結することなど無理だと思うが?」

石丸「くっ…」

葉隠「心配すんなって、石丸っち。調査は霧切と十神に任せておけば大体のことがわかるんだからよ」

石丸「いや、僕も行く!」

葉隠「あぁ〜行っちまったべ……なぁ!苗木っちに舞園っちもトランプでもしねぇか?」

始まってた

メール欄のsageは消した方がいいよ。
更新したか否か解りにくいから。

舞園「そうですね。やる事もないですし…」

苗木「うん、いいけど。でも…お金を賭けるのはナシね。」

葉隠「ちぇっ!それじゃあつまんねぇべ。」

腐川「葉隠、あんた。また、借金が増えるわよ…」

葉隠「セレスっちは死んじまったからノーカンだべ!」

腐川「本物のクズね…」

大神「それより、お主ら…体を動かさぬか?特に、舞園…少し太ったように見えるぞ?」

舞園「うっ…本当ですか」

腐川「確かに…あんたアイドルのくせに結構、食べるわよね。あんまり踊ってるとこも見たことないわよ。」

舞園「えっ…と、ここのところ体調を崩してまして…すいません。」

舞園「やっぱり私…部屋に戻ってますね……」

大神「そうか…体調にはきをつけるのだぞ?」



苗木「舞園さんって、なんか想像してたより、元気がないっていうか…大人しいよね。」

葉隠「カメラがないところでは、アイドルだって、そんなもんだべ」

大神「それだけならよいのだが…」


葉隠「ま、いいべ!じゃあ、オーガと腐川っちもトランプやるべ。」

大神「なっ…我もか」

消した方が良かったのか…知らんかった。

ご指摘ありがとうございます。

ーー4階

十神「ここが新たに解放された4階か…」

霧切「ちなみに入れるのは音楽室、職員室、化学室だけね。」

十神「ふん、化学室とやらは見てみる価値があるようだな」

石丸「しかし、部屋の数はもう少し多かったはずだが?」

霧切「入れないのは学園長室と情報処理室ね。」

十神「情報処理室…霧切」

霧切「ええ、江ノ島さんが言っていた情報からして…黒幕がこの学園にいるのなら、ここはかなり可能性が高いかもしれないわね。」

十神「間違いなくここだろう。」

霧切「待ってればいつかは出てくるんでしょうかね。」

石丸「それは妙案だぞ!霧切君!人間であれば、トイレや食事、風呂など必要な習慣があるはずだからな!」

ヒョコヒョコ

石丸「ん?今何か音が」

霧切「モノクマね…こっちに近づいてくるわ」

十神「何か食料を持っているぞ」

モノクマ「……」ヒュッ

石丸「て、天井に吸い込まれていったぞ!どういうことだ!?」

十神「モノクマを遠隔操作し、食料や必要な物資は補給できるのか」

霧切「つまり…見張られてようが関係ないってことね」


十神「ここにいても無駄なようだな…俺は化学室を見て一足先に帰るぞ」

すいません…用事ができたので続きは夜に

今はここにいないとかいうから霧切死んだかと思った

死んだのは桑田戦刃江ノ島不二咲朝日奈山田セレスで、誰かと入れ替わってるっぽいのが苗木と舞園か
連続殺人はあっただろうから、見せしめが無かったのかな

六人が死んだと書いてあるからその中からあと一人は生きてる。江ノ島かな
大和田が生きてるってことは動機の内容も違うのかもしれん

というか、舞園まさか詐欺師なのか?w

ここまで山田が一度もしゃべってなくない?
SSだと基本ステルスになってるけど

〜化学室〜

十神「ここが化学室か」

石丸「おお!ここに便利そうな台車があるぞ!」

十神「普通はこっちの棚に目が行きそうなものだが…」

霧切「凄い量の毒ね……使い方を知ってる人はいないとは思うけど…」

石丸「使い方と言っても飲ませたり、嗅がせたりしかないのではないのか?」

霧切「まぁ、遅効性か即効性でも2つに別れるし揮発性のあるものとか、水に溶けるものとかもあって、それぞれ量も様々だし…」

十神「捜査する側にとっては、使われるとかなり厄介だと言うことだ。」

十神「つまり、知識があるものにとっては最適の凶器になりかねない……」

石丸「うーむ…ではこのことは彼女にだけは言ってはならないな」

十神「どうだろうな…昨日の内にここは解放されていたんだ。既に知っているどころか…手にしていてもおかしくないぞ」

石丸「ぐぬぬぬ」

霧切「まあ、これまで通り彼女の行動には気をつけた方がいいでしょうね」

石丸「そうだな…もう、ここには用はないはずだ!食堂へ戻ろう!」

〜食堂〜

石丸「〜〜と、言うことだ!」

大神「それより、そんなものがあるとはな…今までにない、直接的な凶器だ。」

十神「ああ…便利なものが結構あったぞ、フン…台車もあったしな」

霧切「まあ、殺人だけでなく、麻酔にも用いられるものもあったわ…モルヒネとか」

石丸「まあ、あとは音楽室と職員室があったが、至って普通だったぞ!」

十神「入れない部屋も2つほどあったが、それは今はいいだろう…」

『あっみんなー!』

そう声を合わせてこっちに向かって来たのは…

スク水姿の超高校級の、アイドルとギャルの姿だった。

葉隠「お、おおっ」

大和田「おお…」

石丸「………はっ!け、けしからんぞ、そ、そんなものは!」

十神「ふん、くだらん」

江ノ島「ちょっとぉ〜十神くぅーん、アタシのボディのどこがくだらないのよぉ〜〜」


腐川「ちょっ!あんた!やめなさいよ!び、白夜様はあんたなんかのデカイだけの乳に興味ないのよ!」

江ノ島「へぇ〜じゃあ、貧乳好きなんだ。腐川みたいな?」

腐川「えっ!?……そ、そうなの!そうなの!?白夜様!」

十神「臭い、寄るな腐川。」

腐川「」

苗木「ね、ねぇ?ところで、なんで二人とも水着なの?」

舞園「えっ〜とですね。話せば長くなるんですが、あのぉ…大神さんに言われたあと、少しショックで、軽く泳ごうと思いまして」

江ノ島「そしたら、アタシがすでに泳いでたのよねー?」

霧切「そう…じゃあ、江ノ島さんとずっとプールにいたのね?」

舞園「ま、まぁそうですね。」

霧切「彼女、どこにも行かなかった?」

舞園「!……はい、江ノ島さんはどこにも行きませんでしたよ?」

十神「本当だな?では、怪しいものを持ってなかったか?」

苗木(十神君と霧切さんは毒を江ノ島さんが手にしていないか気にしているのかな…)

舞園「ま、まあ今もこういう服装ですし…持ってないと思います。」

霧切「まあいいわ…で、二人とも、寒くないのかしら?」

舞園「ああ!そうです。だから、みんなで大浴場に入ろうって、江ノ島さんと話してたんです。」

霧切「…いいかもしれないわね。」

江ノ島「んじゃ!けってーい!男子はとりあえず、テキトーに待っといてねー?」

腐川「私の身体を覗きに来たり!すんじゃないわよ!」

大神「覗いても構わんぞ?最近、鈍っているからな…サンドバッグが欲しかったところなのだ…フフ」

葉隠「アイドルの身体もリスクを考えれば霞んで見えるべ」

石丸「素晴らしい友情だ!後に、我々男子も仲を深めるために大浴場へ行こうではないか!」

大和田「いいアイデアだな!」
十神「ふん…くだらんな…貴様らの身体など見ても何の価値もない。」

葉隠「とか言って、サウナが苦手とかなんじゃねぇか?」

十神「なんだと…そんなわけないだろう!」

舞園「フフ、じゃあお先に失礼します。」

苗木「また後でねー」

ーーpm8:00

男子が入っている間に女子達みんなで食事の準備をして、午後8時に夕食が始まった。

石丸「むっ!……これは、美味いな!」

江ノ島「あ!それそれ、自信作なのよね〜」

大和田「江ノ島が作ったのか!?嘘だろ?」

苗木「すごいよ!もうどこに嫁に出しても恥ずかしくないできだよね!」

舞園「悔しいですけど…江ノ島さんって本当に何でもできますよね。」

江ノ島「分析できればそれを自分のものにできるって感じなのよ〜アタシの才能は…まあ、この容姿だけは生まれ持ったものだけどねー」

腐川「恐ろしい才能ね…」

十神「ふん…所詮は猿真似だ。いくら足掻いたところで、十神の名は受け継げまい。」

十神「俺の才能には十神家に産まれることが必須だからな」

江ノ島「そうかしら〜?嫁入りするっていう手もあるわよ〜十神くぅーん?」

十神「フッ…それがありえんと言っているんだ。」

大神「しかし、葉隠のような才能は…使えるようになるのか?」

江ノ島「それは無理〜。だって、葉隠のってインチキ臭いしー」

葉隠「インチキじゃねぇぞ!」

霧切「葉隠君の才能は勘的な要素が大きいものね。決して真似できるものではないわ」

葉隠「よく分からんが…霧切っちの言う通りだべ!」

舞園「……才能と言えば、苗木さんと霧切さんの才能は結局、なんなんでしょうね…」

十神「よく分からんが、霧切には捜査においては才能があるように感じる。推理力も俺と肩を並べられる程だ。」

腐川「苗木…は、まぁ至って普通の高校生ってところね」

苗木「はは、本当にただ忘れてるだけじゃない気がするよ。」

霧切「それもそうね。ここにいる人たちは才能を軸に生きているようなものだから、その人を見てると自ずと才能も分かってくるもの」

大和田「最初っから、何も持ってないってことか?」

舞園「そんなことありませんよ!」

大神「まあ、あれば良いというものでもなかろう…才能などなくとも幸せな人間などいくらでもいる。」

苗木「大丈夫、気にしてないよ…別に…全然…」

腐川「モロに気にしてるじゃない!」

十神「まあ、少なくとも葉隠以上の知能はあるはずだ。安心しろ」

葉隠「あまりの落ち込みように十神っちがフォローに入ったべ!」

大和田「引き合いに出されてんの、お前だぞ…」

石丸「心配するな!苗木君、僕にも才能などない!だが、自分は幸せだと感じている!しかし、努力だけは怠るんじゃないぞ!自分に胸が張れればそれでいいのだ!」

江ノ島「うん!苗木はカワイイし、それでいいわよ!」

苗木「えっ…そ、そそ、そんなことないよ!」

腐川「ホントに流されやすい奴ね…」

苗木「そういえば、黒幕も同じクラスメイトだったんだよね?じゃあ、何か超高校級の才能があったんじゃないかな?」

十神「確かにそうだな…どんな才能かは検討も付かんが…」

石丸「しかし、不二咲君は黒幕の才能についても何も言っていなかったはずだ!」

霧切「確かデータは14人分だったわね…戦刃さんの分は確かじゃなかったようだけど…まあ1人分として考えましょう」

葉隠「うん…と、14人分データがあったってことは黒幕と霧切っちと苗木っちのデータがなかったってことか?」

十神「それに裏切り者の存在…しかし、なかなか厄介なことになっているな」

誰が死んだ?
桑田とセレスと不二咲と戦刃か?

舞園「本当に裏切り者なんているんでしょうか?そんな、怪しい人は見たことがないんですが…」

十神「そもそも、裏切り者と呼んではいるが、いったい俺たちにとってどんな存在なのかが判明していないな…」

霧切「今のところ分かっているのは、裏切り者は同じクラスの人間ではないということだけね…」

葉隠「ヘェ〜そうなんか」

江ノ島「あれれれ〜ちょっとまってよ、おじさん」

葉隠「俺はおじさんじゃねぇぞ!?」

霧切「何かしら」

葉隠「霧切っちはおじさんだったんか!?」

江ノ島「元クラスメイトとはいえ…その記憶がない以上、自分が本人だと言えるの〜?」

葉隠「言えるべ!俺は葉隠康比呂だ!」

腐川「そういうことじゃないわよ!」

葉隠「どういうことだべ!?」

十神「例えば、葉隠になりすました存在がお前で、本当の葉隠が黒幕だ、ということだ…」

腐川「この場合の言えるって言うのは証明できるって意味よ…」

大和田「ん?」

苗木「それって、江ノ島さんがやろうとしていた手だよね…」

江ノ島「うん!そうそう」

大神「確か…戦刃に自分の代わりをやらせ、自分は黒幕として動く…そういうことだったな」

十神「フン……俺の代わりをできる人間などいる訳がない」

葉隠「でも、本物を知らんから、俺たちにはどんなに似てなくても判断できねぇべ」

大和田「そらそうだな…」

石丸「つまり、不二咲君の情報がある僕等にも、裏切り者の可能性はあるんだな!」

腐川「……誰が裏切り者なのよ!」

江ノ島「つーか、まだ生きてるのかね?」

十神「それも分からんな…」

石丸「そうだ!」


石丸「今日は裏切り者を行動させないために、みんなで行動を監視し合うというのはどうだ!」

苗木「いいね!それに賛成だよ!」


大和田「俺はパスだな」

葉隠「俺もだべ」

十神「……」

石丸「むぅ…仕方ない…では女子はどうだ?」

舞園「私、したいです!」

江ノ島「アタシもー」

大神「たまにはこういうのも悪く無いかも知れぬな…」

腐川「わ、わた、私……も、い、」

苗木「腐川さんも来るよね?」

腐川「ふ、ふふん…そこまで言うならき、来てやってもいいわよ」

舞園「霧切さんはどうします?」

霧切「私は少し用事があるから、今回は遠慮しておくわ」

舞園「そうですか……残念です」

舞園「じゃあ、誰の部屋にします?」

江ノ島「アタシの部屋でいいわ!」

石丸「ハッ!や、やはり今回は遠慮させてもらえるか…」

苗木「え?どうして?」

石丸「監視という名目とはいえ、男女が夜に同じ部屋にいるとは…不健全とまでは言わないが…やはり僕がそういうことをするのはマズイと思ってな」

江ノ島「アタシは別に気にしないけどね〜」

舞園「まあ、石丸君ならしょうがないですね。」

石丸「す、すまんな…みんなはぜひ楽しみたまえ」

大和田「じゃあ、今日はお開きだな」

葉隠「そうすっべ」

今日はここまでにします。

参考までに現在の死者
山田・桑田・朝日奈・セレス・不二咲・戦刃

順番は僕の殺意が湧いた順です。

ちーたん朝日奈に殺意沸くってどんな鬼畜生だよ

>>70
いや、《僕》がイッチとは限らんだろ。
黒幕の一人称も《僕》みたいだし

大和田の悪口はヤメルンダ!

しかし真・江ノ島が参加してるコロシアイ学園生活って、なんか受け入れられてること多いよね

投下します

投下します

pm:10:00〜江ノ島'sルーム〜
(江ノ島、大神、苗木、腐川)

苗木「あれ?舞園さんは…?」

江ノ島「ああ、舞園っちなら少し遅れてくるって言ってたべ」

腐川「やめなさいよ、その口調。バカが移るわよ」

大神「乾杯は舞園が来るまでしばし待つとするか」

〜30分後〜
舞園「遅れました〜ごめんなさい。」

江ノ島「よし、舞園もきたところで始めますか?」

江ノ島「ほら、苗木」

苗木「え?何」

江ノ島「か、乾杯よ!さっさとしなさいよ!」

腐川「あ、アタシの真似してるんじゃないでしょうね!?」

苗木「え、えっーと、オホン!で、では せつえんながら私が…」

腐川「僭越よ!せ!ん!え!つ!」

江ノ島「つーか、堅いっつーの」

苗木「じゃあ、カンパーイ!」

江ノ島「イェーイ!」

舞園「かんぱーい!」

腐川「か、かんぱい」

大神「フフ…」

舞園「あれ?そういえば、霧切さんは…?」

大神「霧切なら、用事があると断っていたはずだが…」

舞園「そうでしたっけ?やっぱり、女子で霧切さんだけいないのもなんだか可哀想ですし、誘いに行きませんか?」

大神「用事というのがなんなのかは知らぬが…部屋にいるのなら誘うくらいいいだろう」

〜霧切の部屋の前〜

ピンポーン

ピンポーン
舞園「あれ?いないんですかね」

腐川「もういいでしょ!帰るわよ」

苗木「いないのかなぁ?霧切さん」

がチャッ

苗木「あ、あれっ!開いた、鍵が開いてたよ?」

大神「な、なんだと!」

江ノ島「もしかして……」

舞園「霧切さん!」

ガチャッ

〜霧切の部屋の中〜

舞園「…いない」

大神「どこにもいないか!」


葉隠「なんの騒ぎだ!どうしたんだべ!?」

苗木「霧切さんが…いないんだよ!部屋の鍵は開いていたのに」

葉隠「バスルームも探したんか…ここにいるかもし………な、なんじゃこれ?」

苗木「葉隠君?どうかしたの!?」

葉隠「い、いや男部屋に無いものがあったからちと驚いただけだべ…」

舞園「赤ちゃん用の浴槽ですよ?男の人の部屋にはないんですか?」

葉隠「ないべ…つか、なんでそんなもんがいるんだべ」

舞園「それは……」

大神「とにかく、霧切はいないようだな…」

腐川「きっと、鍵をかけ忘れて行っただけよ…」

江ノ島「本当、霧切ったらおっちょこちょいなんだから〜」

葉隠「ったく、傍迷惑な奴だべ」

苗木「なんで葉隠君はここの騒ぎに気付いたの?」

葉隠「ああ、なんか直感的に出てきちまった。俺って、変な場面に遭遇することが多いんだよな」

舞園「まあ、用事があると言ってましたし…どこか別の場所にいるんでしょう」

ーーpm11:00〜江ノ島'sルーム〜

江ノ島「じゃあ、気を取り直して!カンパーイ!」

舞園「カンパーイ!」

大神「むう…しかし、舞園…お主、こんな時間に甘いものを食して大丈夫なのか?」

舞園「だ、大丈夫ですよ。」

腐川「そ、そうよ。もっと太って醜くなればいいのよ」

苗木「そういえば、腐川さんは痩せてるよね?何かしてるの?」

腐川「べ、別に何もしてないけど…」

江ノ島「腐川の場合、胸にも栄養が行ってないものね」

腐川「キィイ!うるさいわよ!」

舞園「あはは!」

苗木「ハハハ!」

大神「フフ…」

〜am2:00〜

苗木「zzz…」

腐川「zzz…」

江ノ島「ゼッータイ、あの俳優、舞園のこと狙ってたよ!」

舞園「えーそうですかぁ?江ノ島さんもあのハリケーンの人と噂があったじゃないですか?あれはどうなったんですか?」

大神「フフフ……江ノ島と舞園には昔から面識があったのか?」

江ノ島「まあ、バラエティーとか雑誌の撮影とかでは共演することもあったわよねー」

舞園「そうですねー」

大神「フフ…いけめん俳優やジャニーズとやらと恋をするのだな」

江ノ島「そんな、純粋なものじゃないわよ〜話題になるために互いを利用したり、ドラマに出るために脚本家や監督とそういう仲になったり……色々よ」

舞園「まあ、私は芸能人と恋をしたいとは思いませんけどね…」

江ノ島「アタシには愛する人がいたから、一切そういうことはヤッてないんだけどねー!」

舞園「ええ!初耳です!誰ですか?」

江ノ島「うふふ、アタシの松田君…ふふふふ」

大神「ゾッコンのようだな…」

江ノ島「そりゃそうよ!一日中どうやって殺してやろうか考えてるんだもの!」

舞園「えっ!?殺すんですか!?」

大神「……なぜだ?」

江ノ島「だって、最愛の人が死ぬのよ〜?絶望的じゃなーい?」

舞園「そういえば、江ノ島さんってそういう人でしたね…」

大神「忘れていたな…」

江ノ島「うぷぷっ…で、大神はどうなのよ〜ん?」

大神「我か…我にも、想い人はいる。」

舞園「ええっ!そうだったんですか!?」

大神「ああ、ヤツは我の友であり師でありライバルであり、最愛の人でもある。いずれ…ヤツに勝つのが我の目標だ。」

江ノ島「大神でも敵わない相手なんているのね〜」

ヒョコッ

モノクマ「いいねー盛り上がってるねー」

舞園「モノクマさん!?」

大神「……何しに来たのだ」

モノクマ「いいじゃん!ボクも仲間に入れてよ!」

舞園「あ!そうだ!霧切さんは部屋に戻ってますか?」

モノクマ「え、いないけど?」

舞園「おかしいですねー…どこにいるんでしょうか?」

モノクマ「というか……ここにいる誰かが知ってるのかと思ってたけど…知らないみたいだね」

舞園「モノクマさんでも見つけられないところにいるんでしょうか?」

モノクマ「……それは困ったね〜探してみるよ…うぷぷ」

ヒュッ

〜am:3:00〜

舞園「ああ〜ちょっと外の空気を吸いたくなってきました。」

大神「そうか、では苗木と腐川は我が見ておく。行ってくるがよい。」

舞園「フフ…江ノ島さんのこともよろしくお願いしますね。」

江ノ島「zzz…」

大神「フッ…当然だ。任せておけ」

〜am3:30〜

舞園「ただいまー……って、まだ起きてたんですか?大神さん。」

大神「鍵を締めるわけにも、行くまい。」

舞園「そうでしたね…すいませんでした。」

大神「いや…良いのだ」

舞園「ふぁあ…散歩したら眠くなって来ちゃいました。」

大神「寝て良いぞ。我は今日は朝まで起きておく…」

大神「一応、集まったのは監視という名目だからな、皆が寝るわけにもいくまい」

舞園「すいません、じゃあお言葉に甘えて…おやすみなさい」

大神「フ…おやすみだ。」


am7:00ーー

モノクマ「オマエラ、朝です。おはようございます。」

苗木「ふわぁ…大神さん、早いね、おはよう」

大神「おはよう、苗木よ」

苗木「みんなも起こさないと…朝食会に遅れちゃうよ」

〜am7:30〜

石丸「おはよう!諸君」

舞園「おはようございます」

大神「ああ」

大和田「おう」

苗木「おはよう!」

石丸「いないのは葉隠君に霧切君に江ノ島君に腐川君、十神君だな…」

舞園「まあ、いつものメンバーですね。腐川さんと江ノ島さんはまだ寝ています。」

石丸「そうか!昨日は女子達は共に過ごしていたのだな!」

大和田「葉隠は気まぐれだし、十神に至っては殆どツラ見せねぇからな」

石丸「仕方ない!では、朝食をいただくとしよう!」




ピーンポーンパーンポーン

今日、2回目のチャイム…

それが鳴った瞬間に空気が凍りついた。

それが何を意味するのか…それをみんなが察したようだ…

思考が急回転する…この場にいない誰かが殺された…いつ?どこで?……誰に?どうやって?…まだなにも分からない………

しかし、これだけはハッキリしている…

あの学級裁判をまたやらなければならない…

chapter4(非)日常編ーー終

今日はここまで

ついでに、前に書いてた殺意が湧いたというのは僕が山田を嫌いとかいうことじゃなくて、物語上、殺さなければならなかった人達のことです。
今回のクロと被害者もその中に含まれます。

でも、意味が分かった時、怒られそうなので深く捉えるのはやめておいてください(笑

ぼっち死んだか

物語上、(いなくてもいいので)殺さなければならなかった人達。

1が書きづらいキャラなのかもしれん
。まあ、仕方無い
ただ、荒れるような発言はしない方がいいよとだけ

chapter 4 非日常編


モノクマ「死体が発見されさました!一定の捜査時間のあと、学級裁判を執り行いまーす!」


ここに閉じ込められて一カ月がたった。

朝日奈さん、戦刃さん、桑田クン、セレスさん、不二崎くん、山田クンが死んだ。

3回も殺人が起きてしまった。

…でも、それだけじゃ終わらなかったんだ。

モノクマ「ザ・モノクマファイル〜じゃあー捜査頑張ってねぇ〜」

十神「ふん、ついにこいつが死んだか…」

石丸「まさか、霧切君が亡くなるとは…」

大神「裁判ではほぼ霧切に頼りきっていたからな……今回のクロは本気で外に出ようとしてきたか」

大和田「ま、狙われるのは時間の問題だったか」

舞園「酷いですね…」

苗木「霧切さん…」

石丸「苗木君、ショックが大きいだろうが…彼女の分まで我々が頑張らねばならない!落ち込んでいる暇などないぞ!」

苗木「うん…分かってるよ!」

石丸「とりあえずは…モノクマファイルを見てみようではないか!」

〜モノクマファイル〜

被害者は霧切響子

死亡推定時刻は昨夜午後10:00〜午前2:00

死体発見現場は霧切響子の部屋のバスルーム。

身体からは薬品が検出されている。

外傷は特になし。


【モノクマファイル】

苗木「これじゃあ何にも分からないよ…」

十神「おい、モノクマ。死亡推定時刻だが…これはどういうことだ?」

モノクマ「と、言いますと?」

腐川「広すぎるのよ!時間帯が!」

モノクマ「広い?2時間にまで絞りこんでるんだから褒めてよね!」

腐川「4時間よ!」

大和田「ふざけんじゃねぇぞ!テメェはずっとカメラで見てたんだろうが!ぴったり答えやがれ!」

モノクマ「さぁねぇ〜ボクから教えられるのはそれぐらいなんだよぉ〜じゃあねぇ〜」

葉隠「あぁ、逃げやがった」

石丸「とにかくだ!広くともアリバイは確認しておこうじゃないか!ちなみに僕は既に就寝していたぞ!2時もまだ起きてもいない時間だ」

腐川「そんなの関係ないわ…犯人は…汚いオスどもよ!あ、白夜様は抜きよ!」

腐川「私と苗木、江ノ島、舞園、大神にはアリバイがあるわ!」

舞園「そうですよ!」

葉隠「なんでだ?」

大神「昨日の夜、我らは江ノ島の部屋に集まっていたのだ」

十神「遅れただとか…途中で出て行った者はいなかったのか?」

大神「舞園が30分ほど後から来たぞ…さらに3時から30分ほど散歩に出ていたようだ。」

大和田「てめぇら何時頃から集まってたんだ?」

江ノ島「だいたい10時には揃ってたわよ〜」

十神「そこから、30分…犯行を行うには充分な時間だ。後の30分は後処理と行ったところか」

腐川「全部の工程を1時間で終わらせるとは…なかなかやり手ね」

苗木「いや、待ってよ!舞園さんにはアリバイがあるよ!」

十神「なんだと…」

江ノ島「あーそうそう!舞園が来た後に霧切の部屋に行ったんだった。」

葉隠「そうだったべ!俺も見たんだった。確かにまだ死体はなかったべ!」

十神「じゃあ、アリバイがないのは俺に、大和田葉隠石丸か…では、アリバイのあるお前らだけで捜査を行うか?」

どうしよう…十神君の推理力は貴重だ……でも、犯人なのかもしれない…

苗木「2人1組で行動しようよ!そうすれば、証拠を消すことは難しいはずだよ!」

石丸「いい案だ!では、クジで決めよう!」

腐川「準備が良すぎて、怪しいわね…」

石丸「こんなこともあろうかと、用意していたのだ!ハッーハッハ…だが公平を期すため、僕は残りでいいぞ」

〜くじ引き後〜

十神「フン…苗木と一緒か、足を引っ張るんじゃないぞ」

苗木「うん…頑張るよ」


大和田「大神ィ……よろしくな」

大神「うむ…我らは、ここに残り、死体を守っておくことにせぬか?」

大和田「そうだな、頭使うのは苦手だ」


葉隠「ぎゃー江ノ島っちと一緒だべ〜誰か替えてくれ〜!」

石丸「葉隠君!それじゃあ公平にならんではないかッ」

江ノ島「よっしゃぁ〜行くわよぉ〜葉隠ェ!」

石丸「よし!腐川君!舞園君!共に真相を突き止めようではないか!」

舞園「はい!頑張りましょう!」

腐川「うっさいわねー静かにしてなさいよ」



ーー捜査開始ーー

十神「まずは死体から行くか」


苗木「うん、分かったよ!」

〜バスルーム〜

霧切さんは幼児用の浴槽に手から上半身だけを突っ込んでいた。

服装はいつもと変わらないように見える…しかし、ジャケットとブーツは脱がされていた。

かなり酷い体勢だ。

苗木「何故、ジャケットは脱がされているんだろう?」

十神「このジャケットは皮だ。お湯につかれば縮んでしまうだろう。」

苗木「犯人にとっては別に縮んでもよくないかな?」

【幼児用の浴槽】
【脱がされたジャケット】

浴槽にはお湯が張ってあった様子。

チャプ

浴槽に手を入れると、まだ微かに温かい。

死因は……溺死かと思われる。

十神「溺死か…長時間水に浸かった死体は酷いモノだと聞いていたが、あまり変化は見られないな…最低でも5時間は経っているはずだが、もっと時間がいるのか?」

苗木「どうなるの?」

十神「体が水を吸って肥大化する。所謂、土左衛門だな」

苗木「うぅ…」

十神「しかし、皮膚の状態からして…霧切が湯に浸かっていたのは、やはり、4時間から5時間程度だな…」

【溺死の特徴】

霧切さんの身体はいつもとほとんど変わらない……綺麗なままだ。

苗木「ねぇ十神君、モノクマファイルに死因は書いてないんだけど、どう思う?」

十神「溺死に見せかけようとした薬殺なのか、逆なのか」

十神「薬殺したはいいが、死んだ確証が持てず、念のため沈めた可能性もある。」

十神「何故そうする必要があったのか…まだ分からないな。」

苗木「うん…何故だろうね」

十神「捜査のかく乱ということもあり得る。深く考えすぎるのも考えものだぞ」

苗木「そうだね」

十神「これ以上、死体には特に何もないかもしれんが…苗木、服の中も調べろ」

苗木「えっ!なんで」

十神「霧切ならそうするだろう。もしかしたら、ダイイングメッセージが出てくるかもしれん。」

十神「さっさとしろ。俺よりお前の方が適任だろう。」

苗木「う、うぅ分かったよ…ごめん、霧切さん」

一旦、浴槽から霧切さんの死体を出す。

徹底的に全身をくまなく調べる事にした。

霧切さんが容赦なく調べたパンツの中も、霧切さんが嫌がった靴下の中も…シャツの中、さらにその中も……やりすぎかと思ったが、口の中も…しかし、証拠は何も見つからなかった。

そのとき、何かの違和感が生じた。彼女の身体に何かの違和感が……

十神「苗木?どうした、何かを見つけたか?」

苗木「ううん…なんでもない……」

苗木「うん…なんでもない」

十神「本当か?つまらないことでもいい、何か言え…」

苗木「うーん、よく分からないけど何か違和感を感じたんだ、霧切さんの死体に…」

十神「違和感か…時に重要な手がかりになることもある、ここで感じたということを覚えておけ」

苗木「うん、そうだね。」

【霧切の身体の違和感】

十神「では、次は化学室に行くぞ、苗木」

苗木「化学室に?なんで?」

十神「これだから、愚民は……」

十神「身体から薬品が検出されたと書いてあっただろう…どの薬品がどの程度使われたか調べておくんだ。」

苗木「でも、薬に詳しくないから…どれだけ使ったら眠るとか死んじゃうとか分かんないよ」

十神「そのために、俺がいるんだ。霧切がいない以上、分かるのは俺ぐらいしかいないだろうからな」

〜化学室〜

化学室にはすでに江ノ島さんと葉隠君がいた。
どうやら、江ノ島さんも薬には詳しかったらしく、何やら十神君と意見を交換させていた。

十神「苗木、俺は江ノ島と使われた薬について話し合っておく…お前は葉隠の証言でも聞いておけ」


葉隠「お、俺は何にもしてねぇぞ!」

苗木「まだ、何も聞いてないって…」

苗木「ところで、葉隠君、昨晩なにか見なかった?」

葉隠「ここだけの話、実は見ちまったんだ。」

苗木「な、何を!?」

葉隠「デッケーモノクマだべ!」

苗木「デッケーモノクマ?」

葉隠「ああ、苗木っちと同じくらいの身長はあったかな…」

苗木「そ、そんなのいるわけないじゃん!も、もしいたら本物のクマだよ!きっと見間違いだよ!」

葉隠「俺は目だけはいいんだべ!見間違えるわけはないべ!」

苗木「じゃあ、ちなみにいつ頃、どこで見たの?」

葉隠「間違いねぇ!あれは2時頃だったべ、なんかピン!ときて部屋から出てみたら、浴場に入っていくモノクマを見たんだべ!」

葉隠「そんで、恐ろしくなって部屋から一歩も出られなかったべ!」

苗木(うーん、一応覚えておこうかな…)

【巨大モノクマ】

十神「苗木、使用された薬物はよく麻酔にも使われるものだった。」

苗木「麻酔?」

十神「…恐らく、意識を奪うためだけに使ったんだろう」

苗木「これでようやく、事件がみえてきたね!」

十神「ああ、霧切を眠らせ、幼児用の浴槽に上半身を突っ込み、溺死させた。そんなところだろう。」

苗木「でも、霧切さん相手にどうやって…」

十神「体格で勝る男か…まあ、大神でも可能だな。あるいは、何か策を講じたかだな…」

苗木「それが一番の難関そうだけど…」

十神「力づくにしろ、策を講じたにしろ犯人は間違いなく霧切を眠らせることに成功しているんだ。手段など、どうでもいい」

苗木「うん…確かに」

【麻酔】

十神「ところで、お前の方はなにか収穫があったか?期待はできんが…」

苗木「うん、あったかな…ハハハ」

十神「……まあいい、一応言ってみてくれ」

苗木「葉隠君が、昨日の2時頃に浴場に入っていく巨大なモノクマをみたらしいんだよ。」

十神「なんだ、それは」

苗木「一応、身長は160センチ以上あったらしいんだけど…」

十神「というと、お前くらいか」

苗木「うん、そうだね」

十神「とりあえず出るか」

十神君の後について、部屋を出ようとした時だった…また、違和感を感じたのは…

何かまだ調べていないことがある気がする……

化学室には他に何かなかったっけ?

十神「台車がないな」

苗木「あっ!」

十神君に言われて違和感の正体に気づいた。台車だ。

十神「まあ、事件には関係ないだろうがな。」

苗木「そうかなぁ?」

十神「今回の事件に台車は必要がないだろう……」

苗木「それもそうだね!」

【消えた台車】

十神「後は詳しいアリバイが必要か…もう一度霧切の部屋に行くぞ」



〜霧切の部屋〜

十神「お前は大和田から聞け、俺はもう一度大神にお前らのアリバイを確認する。」

苗木「大和田君、昨日のアリバイを教えて貰えるかな?できるだけ詳しく」

大和田「詳しくっても…」

大和田「昨日はオメェラとメシ食った後は部屋に帰ってすぐ寝ちまったぜ!」

苗木「じゃあ、なんか怪しいものを見たとか、聞いたとか」

大和田「ねぇな、こんなことが起こってんのに全く気づけなかった。マジで熟睡してたぜ」

苗木「そうなんだ……ありがとう」

苗木「大和田君は特に何もないってさ…」

十神「まあ、こちらもお前らがほぼシロだということがわかっただけだな」

十神「死亡推定時刻は10時からだが、その時すでに江ノ島、大神、腐川、苗木は揃っていた。」

十神「舞園が訪れ、霧切の部屋を確認したのが10:30〜11:00といったところか…」

苗木「うん、それくらいだよ。」

十神「しかし、霧切の部屋の鍵が開いていたのは気になるな」

苗木「確かに、あの時は締め忘れかと思ってたけど、殺されていたとなると……気になるね」

【開いていた霧切の部屋】
【いなかった霧切】

十神「腐川と苗木が寝付いたのは2時前で、その後、モノクマがやってきたそうだな」

苗木「えっ!そうなの!?」

十神「なんのためかは知らんが…意味がありそうだな…」

十神「そして、3時頃、江ノ島は寝付き、舞園は30分ほど散歩をしていた。」

十神「しばらくして帰ってきた舞園はそのまま眠り、大神は一晩中起きていた…か」

苗木「少なくともそのメンバーの犯行はあり得ないんじゃないかな?」

【大神の証言】

十神「舞園が散歩にでているのが少し気になるな…」

苗木「うん…あ!分かったかも!」

十神「なんだ?」

苗木「ああ見えて舞園さんって少し自分の体型を気にしていたんだよ」

苗木「あの日はお菓子もたくさん食べてたし、運動してから眠ろうとしたんだよ!」

十神「舞園は太っているのか?そうは見えんが…」

苗木「うん、大神さんにはそう見えたみたいで…確かに思ってたよりよく食べるし、でもその分運動をしている様子もない…」

十神「まあいい後で直接聞いてみよう、次は石丸たちだ。」

苗木「分かったよ」

〜食堂〜
石丸君、舞園さん、腐川さんは食堂にいた。

腐川「あ!白夜様!……と苗木」

石丸「やあ!苗木君、捜査は順調かね?」

苗木「うん…まあ、ボチボチだよ」

石丸「そうか、頑張りたまえよ!ところで僕のアリバイだが、昨晩は10時まで勉強して、そこから8時間眠って、朝の体操をし、身支度をすませ、6時半には食堂にいたぞ!」

苗木「け、健康的だね…」


十神「腐川はいい、黙っていろ…」

腐川「えっ……」

十神「舞園、お前は昨晩少し遅れて江ノ島の部屋に行き、3時頃部屋を出て行っているな?何をしていた」

舞園「遅れたのも、出て行ったのも両方散歩ですよ。少し太ってきちゃったようなので」

十神「フン…どうだかな、確かに言われてみると少し太って見えるが、言われないと気づかない程度だぞ」

舞園「本当ですか!?嬉しいです!」

腐川「………」

十神「いや…そういう意味じゃ……」

【散歩をしていた舞園】

苗木「これで、証拠は出揃ったね!」

【モノクマファイル】
【幼児用の浴槽】
【脱がされたジャケット】
【溺死の特徴】
【霧切の身体に感じた違和感】
【麻酔】
【巨大モノクマ】
【消えた台車】
【大神の証言】
【開いていた霧切の部屋】
【いなかった霧切】
【散歩をしていた舞園】


十神「まあ、こんなところか」

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ「じゃあ、そろそろ始めちゃっていいすか?いいよね?」

モノクマ「ではでは、オマエラまた学級裁判で!」

始まる…

霧切さんを殺した犯人を見つけるための学級裁判が……

今日はここまで



全然わからない

なぜキリギリスさんが死んでしまうんだ!?

マイゾノアリみたいに苗木に積極的に接触しなかったからさ

学 級 裁 判

〜 開 廷〜

モノクマ「さてと、じゃあ軽〜く学級裁判のルールでもおさらいしときますか」

モノクマ「オマエラの中に潜むクロを暴き出せばオマエラの勝ち!間違ったクロを選べばクロの勝ち!それだけの簡単なルールでーす」

モノクマ「ではでは、前置きはこれくらいにして、始めちゃってくださいな!」



石丸「よし、まずはかなり広い死亡推定時刻を絞り込もうじゃないか!」

葉隠「確か…モノクマファイルによると、pm10:00〜am2:00になってるべ」

腐川「あまりにも広すぎるわね…死亡推定時刻の意味分かってんのかしら」

モノクマ「分かってるよ〜死亡したと推定される時刻のことでしょ」

江ノ島「そのままじゃねーかッ!」

舞園「しかし、時間は少しだけ絞れましたよね?」

石丸「何故だ!?」

そうだ…確か、死体はある時刻には部屋になかったはず……

苗木「昨日の10時半頃、霧切さんは部屋にいなかったんだよ」


大神「そうであったな…我らが霧切を気にし、部屋に行ってみたが…霧切はいなかった。」

葉隠「そうだべ、俺もそこに出くわしたから間違いねぇぞ!」

舞園「しばらく待っていましたけど帰ってこないので、江ノ島さんの部屋に戻りましたけど…それは11時頃でしたよね?」

大神「そうだな」

十神「では、死亡推定時刻はとりあえず11時から2時ということにしておこう…しかし、何故お前らは霧切の部屋に入ることができたんだ?」

大和田「そうだぞ、普通鍵がかかってるもんだろ?」

舞園「それが…開いていたんです。」

石丸「霧切君の様子を気にしていたら、鍵が開いていた?偶然にしては出来すぎているぞ!」

大神「今、考えれば事件に何か関係があったのかも知れぬな。」

苗木「うーん………まだ分からないね」


石丸「むむっいきなり行き詰まってしまったな…では、話題を変えよう!」

十神「じゃあ、次は死体の話だ。見た目には不自然な点は何も残されてはいなかった。」

苗木「争った形跡もなかったよ」

葉隠「どうやって殺したんだべ!?」

石丸「たしか、モノクマファイルによると薬を飲まされた形跡があるそうだぞ!」

葉隠「じゃあ、霧切っちは薬を嗅がされて死んだんだべ!」

苗木「それは違うよ!」

苗木「使われた薬は、麻酔用だったよね?」

江ノ島「そうね〜。大量に使えば殺すこともできたと思うけど…致死量までは無くなっていなかったわ。」

腐川「麻酔用ってことは…眠らせる為に使ったのね」

石丸「では、霧切君は眠らされた後お湯に沈められて殺されたのだな」

大和田「争った形跡も外傷もなかったのはそういうことか」

大神「それは間違いないだろう。薬で殺せば死斑とやらで分かるらしいからな」

舞園「そうですね。霧切さんは眠らされてから殺された。」

腐川「じ、じゃあ、死因が明記されていなかったのは…」

江ノ島「たぶん、事件とは関係ないわね…黒幕の知識不足よ」

葉隠「バカなヤツだべ!」

モノクマ「むむっバカとは失礼だな。そ、それはオマエラを試しただけなんだからねッ」

十神「モノクマ……今回は多少、行動が目立ちすぎているようだな」


十神君の言ってることって…アレのことかな?


苗木「それって、葉隠君の見た、巨大モノクマのことだよねっ?」

葉隠「ああ、そうだべ!昨日の2時頃…俺は見たぞ!巨大なモノクマが浴場の方に歩いているのを」

大和田「んだそりゃ?」

舞園「そ…そうなんですか!?」

モノクマ「な、なんでもないよ…」

葉隠「怪しいべ…なんか隠しているんだろ!話すべ!」

モノクマ「そんなこと話す義務はないべ!黙秘権を行使するべ!」

大和田「いいから話せっつってんだろぉが!」


十神「フン…こうなったらモノクマは話さないことは分かっている。無駄だ」

モノクマ「さっすが十神君モノ分かりがいいね〜」

苗木「あくまで推理して、答えを出さなきゃならないってことだよね。」

江ノ島「まぁ、一応私たちにもクロにも公平にしなきゃならないって立場があんのよ」

石丸「では、今のところ…何故モノクマが現れたのかは分からないな!」

腐川「ていうか、これは犯人を当てる裁判でしょ!そんなことどうでもいいじゃない!」

舞園「そうですね!犯人を当てるには、まずアリバイですよね!」

大神「それならば、次はアリバイのない者共の詳しい行動を洗い出さないか?」

江ノ島「つっても、目撃者もいないし、アリバイがない奴は1人で行動してたんでしょ?意味ないわよ」

苗木「アリバイがないのは十神君、葉隠君、大和田君、石丸君だったよね…」

舞園「私たちもほとんど部屋に篭りっきりでしたし…目撃することはできませんね」

十神「いや、お前だけは合計1時間ほど部屋を離れているだろう?」

舞園「そうですけど…誰も怪しい人は見ませんでしたよ?」

大和田「舞園が出てた時間帯は2回とも、新たに決めた死亡推定時刻に当てはまってねぇじゃねぇか…関係ないだろ」

十神「まあいい、では、詳しい死亡推定時刻を決めるとするか…誰か霧切の身体を見て死亡推定時刻が割り出せた奴はいるか?」

江ノ島「そんなことわかんの、あんたかアタシぐらいでしょ?」

十神「まぁそうだな…皮膚の様子からすると霧切が沈められていたのは4時間程度だ」

葉隠「案外短いんだな」

石丸「どうやって分かるんだ?」

十神「お前らも風呂に浸かれば皮膚がふやけるだろう?その度合いで判断することができたんだ」

葉隠「湯に浸かってただけじゃ死んでるかどうかわかんねぇべ!」

十神「今回の死因は間違いなく溺死だ。それに、調べたのは顔の皮膚だ。」

葉隠「ハァ?説明になってねぇべ!」

苗木「顔がお湯に浸かってるんなら溺れちゃうよね?」

葉隠「そういうもんなんか?」

大和田「おめえはどういう体の構造してんだよ!」

十神「それより、頭の構造の方が不安だな。」

石丸「む!待てよ…死亡推定時刻が特定できるのではないか!」

腐川「死体発見が、7時ちょっとだったから…3時?」

舞園「そ、それって、おかしくないですか?確か…2時までが死亡推定時刻だったはずです!」

江ノ島「でもアタシも同じくらいだと思うわよ…お湯に沈められている時間はね」

苗木「でも、そんなに正確なものじゃないのかもしれないよ?」

十神「まぁそうだな…個人差や水温にも関係してくる…参考までに考えればいい」

石丸「なにしろ、あれだけ死亡推定時刻が広いからな…少しでも絞っておこう」

大神「霧切は沈められてからさほど時間は経っておらんかった」

苗木「死亡推定時刻は10時から2時までだから…」

江ノ島「2時頃、霧切は自室の部屋の浴槽に沈められたってことね」

十神「これまでの情報をまとめると…2時に霧切は部屋で睡眠薬を嗅がされ、お湯に顔を沈められ、溺死した…」

十神「ここでだ、一つ仮説が生まれた」

苗木「えっ!」

石丸「なにか分かったのか!?」

十神「バカめ…あくまで仮説だ」

期待

山田・桑田・朝日奈・セレス・不二咲・戦刃・・・の殺人トリックや学級裁判の内容をIFやオマケで書いてほしかったです・・・

朝日奈、戦刃、桑田、セレス、不二咲、山田・・・・の殺人トリックや学級裁判内容を書いてくれると嬉しいです。オマケやIFで・・・

>>153

そういうのは、本編終わってから考えてみようと思います

そういえば死体の発見者って誰なんだ?
あと浴槽で発見てことは朝食堂に来てなかった奴等はなんでわざわざ探偵の部屋に?
これから語られる部分だったらすまん

死体を最初に発見したのは江ノ島ってことにしておいてください。

アイツならなんとなく、霧切の部屋行きそうだし……

投下します

十神「まず…霧切が溺死であった。このことから考えて、犯人は霧切の部屋に幼児用の浴槽があることを知っていた。」

葉隠「そりゃそうだべ!」

十神「大和田、石丸、そんなこと知っていたか?」

大和田「俺は知らなかったぞ!霧切の部屋に入った時は少し驚いたぜ!」

石丸「僕もだ…モノクマからの説明もなかったし、そんなことは知る由もない!」

十神「そうだ…俺もそんなことは知らなかった。女の部屋にそんな物が付いているとはな…」

十神「しかし、葉隠…お前はどうだ?」

葉隠「し、シラネェベ」

十神「嘘をつけ…お前は10時半頃、霧切の部屋での騒ぎに気づき、そこであるものを目にした。」

十神「それが、あの浴槽だ。」

葉隠「でも、知ってんのは俺だけじゃねぇべ、女どもも知ってるべ?苗木っちだって、腐川っちだってみんな知ってるべ」

十神「舞園、江ノ島、腐川、苗木、大神の5人は少なくとも11時から3時までは完全にアリバイがある。」

大神「うむ、それは断言できる。誰一人とて部屋から出てはおらん」

葉隠「じゃあ、大和田っちも石丸っちも十神っちも知ってたのかもしれねぇべ!」

葉隠「そうだ!十神が、犯人だ!俺に罪を擦りつけようとしているんだべ!オメェは昨日何してたんだべ!」

十神「俺は夕食後ずっと図書館にいた。死体発見アナウンスがあるまでな…」

葉隠「うるせぇ!嘘だべ!お前ら、俺を殺したらみんな死んじまうんだぞ!」

十神「いいから、黙っていろ。見苦しいぞ…あくまで仮説だと言っている。違うなら俺が言い終わってから否定しろ」

葉隠「うぅ….分かったべ」

十神「話を戻すぞ…お前はそこで、霧切の部屋の鍵が開いていることからチャンスだと感じた。」

十神「舞園達と共に霧切の部屋を去り、自分の部屋に帰ったと見せかけて…化学室に麻酔薬を取りに行ったんだ」

十神「そして、霧切が戻ってくるのを部屋の中で息を潜めて待っていた。霧切は2時か…もっと早い時刻に帰ってきたのかもしれない」

十神「自分の部屋の中だ…霧切とはいえ、油断することはあっただろうな…でなくとも、体格的にはお前が勝っている…力づくで薬品を嗅がせることも可能だっただろう」

苗木「霧切さんの身体には傷一つなかったし、部屋に争った形跡もなかったよ!」

十神「じゃあ、やはり油断していたところを狙ったんだ。もしかしたら、眠りについたところを狙ったのかもしれんな…」

十神「ともかく、霧切を眠らせることに成功したお前は…霧切の頭を浴槽に突っ込み、殺害した」

十神「これが2時頃だ……そして出てきたところに偶然、巨大なモノクマを発見した。これでいいか?」

大神「筋は通ってるな…」

江ノ島「へぇー」

十神「しかし、本当に巨大なモノクマは目撃したのか?捜査をかく乱させるにしては妙な嘘だから、一応信じてはいたが…」

舞園「どうせ、それも嘘ですよ!」

腐川「こいつはアホだから、どんな情報で錯乱させるのかも分からないのよ!」

葉隠「それは違うべ!モノクマのさっきの反応見てたか?何をしてたかは言わなかったが、あそこにいた事ことは否定しなかったべ!」

葉隠「それに、十神っちが言ったのはただの仮説で、それを証明する証拠が一切ねぇべ!」

大和田「葉隠がまともなこと言ってるぞ」

江ノ島「うぷぷ、ピンチで、脳が正常に動き出したのかしら?」

腐川「最期の悪あがきね…白夜様に勝てるわけないのよ!諦めなさいよ!」

葉隠「俺は諦めねぇぞ!証拠がない限り、俺がやったなんて、認めねぇべ!」

十神「分かった…ではこの仮説はナシだ。」

葉隠「は?」

舞園「えっ!犯人は葉隠君じゃないんですか?」

十神「あくまで仮説だからな…可能性の一つに過ぎん…葉隠の自白を引き出せれば良かったんだ」

江ノ島「いわゆるカマをかけたというヤツですね。」

葉隠「……あまりにも追い込まれすぎて、俺が犯人だと思い込んでたべ…」

苗木「そこはしっかりしてよ!?」

舞園「でも、霧切さんの部屋の鍵が開いていることと浴槽があることを知っていて、なおかつアリバイがないのは、葉隠君だけではないんですか?」

十神「まだ、葉隠の可能性はある…しかし、証拠がないため、これ以上は追及できないというだけだ。」


江ノ島「まあ、それ以前に十神の仮説は抜けてる所があるんだけどねー」

十神「何だと…?どういうことだ?」

江ノ島「だから、重要なことが抜けてんのよ」

十神「俺の推理は完璧なハズだ。証拠さえあれば、反論する隙も与えん自信があるぞ…それとも、新たに証拠を出そうと言うのか?」

江ノ島「それは違うよ!それは、みんなが知っているハズのことなんだ!僕が知ってるんだからみんなも知ってるハズだよ!」

腐川「誰のマネよ…」

大神「皆が知ってるということは、常識的なことということか…」

大和田「アァ?常識なんてクソくらぇだこら!」

十神「俺の推理のどこに矛盾があったというんだ!」

……十神君の推理は、一見完璧なように見える…それが、どこか抜けているんだ。

常識……

ルール……

苗木「……もしかして、夜時間はお湯が出ないことを言ってるの?」

江ノ島「はい、せーいかーい!お湯が必要だよねぇ、溺死させるにも」

大神「確かに昨晩、我らが行ったときは浴槽にお湯など入っておらんかったな。」

十神「フン…確かにそんなルールもあったな」

石丸「だが、お湯は出なくとも水は出るのではないか?」

大神「確かに…ただ溺死させるだけならば、お湯である必要がないな….」


苗木「でも、霧切さんが沈められていたのは間違いなくお湯だったよ?少しまだ温かかったんだ」

舞園「何故、水でなく、お湯である必要があったんでしょうか?」

葉隠「うーん、最後の情けにあったかくしてやったとかじゃねぇか!?」

大和田「だとすりゃ、もっと違うやり方があんだろ…」


江ノ島「つーか、部屋からお湯が出ない以上、どこからお湯が来たのか気になんないの?」

お湯……お湯と言えば……あそこしかない……でもなんで?

それにお湯である必要性…

皮はお湯で縮むんだったっけ?

霧切さんが脱がされていたジャケット…それにブーツ…確か、皮で出来ていたはず…

皮といえば……あの時の違和感…もしかすると…霧切さん、あの時…手袋をしていなかったんじゃ!

でも、脱がされた手袋だけはどこにもなかった…

つまり…

もしかして…霧切さんは


苗木「十神君!ジャケットを脱がせたのは何故だと思う?」

十神「ジャケットはお湯に浸かれば縮むだろう?」

苗木「水ではどうなるの?」

十神「水では大して縮まない…お湯だと急速に縮むはずだ。」

十神「霧切の皮膚から、死亡推定時刻が割り出せたように……皮のジャケットでもある程度は可能だ。なんせ、動物の皮膚だからな。」

葉隠「…んなこと聞いてなんになるんだべ?」

腐川「ジャケットを縮めたかったからお湯を使ったって言いたいの?」

大和田「でも、ジャケットは脱がされてたんだぞ?濡れてねぇから、縮んでねーし、事件には関係ねぇよ」

江ノ島「うんうん、ジャケットもブーツもお湯で縮むような物はぜーんぶ、脱がされてたわよね!」

苗木「分かったんだ、霧切さんは手袋まで脱がされていたんだよ!」

十神「手袋?……お前が感じていた違和感とはそれか?」

苗木「うん、そうだよ」

舞園「それがどう、事件と関係してるんですか?脱がされていたのなら、お湯に濡れてはないですよね?」

石丸「そうだな!それじゃあ、手袋から死亡時刻を割り出すことも不可能だ!」

苗木「でも、その脱がされた手袋は見つかっていない……」

大和田「俺はほとんど霧切の部屋にいたが…確かに見なかったな…」

大神「我もだ」

苗木「つまり、それはクロが隠したってことなんだよ。」

石丸「何故、隠す必要があったのだ?」

苗木「それは…お湯で縮んでしまったから…」

葉隠「ハァ?どういうことかさっぱり分からんべ…」

舞園「お湯で縮んでしまったら、私達に見られてはいけないんですか?」

十神「苗木、さっきからお前は何を言っているんだ?」

石丸「言ってることが滅茶苦茶だぞ!」

大神「…手袋が事件とどう関係しているのだ」

江ノ島「うぷぷ……どうやら、オマエラは重大な事実を見過ごしてしまってたみたいね〜」

江ノ島「苗木はそれが分かったから全ての繋がりが見えたんだろうね」

石丸「重大な事実だと……」

十神「なにッ!なんだというんだ!」

苗木「手袋がお湯に浸かってしまった…それを隠す必要があった理由、それは死亡時刻を誤魔化すため…」

苗木「霧切さんはきっと……2度、沈められていたんだよ!」

葉隠「ハァ?」

十神「どういうことだ!?説明しろ!苗木!」

苗木「…霧切さんは確かに眠らされ、お湯に沈められて殺された…でもそれは、霧切さんの部屋ではなかったんだ!」

十神「移動させたのか?しかし、同じ溺死でなぜ、そんなことをする意味があるんだ!」

江ノ島「とりあえず…化学室の台車が無くなってたのは、死体移動に使ったってことね〜」

舞園「でも、部屋じゃなかったら、どこでお湯に沈めればいいんですか?」

葉隠「そうだべっ!」

苗木「その場所こそが…本当に霧切さんが殺害された場所で、お湯を入手した場所でもあったんだよ!」

石丸「な、なんだとッ!」

腐川「いったいどこよ!早く言いなさいよ!」

苗木「それは…大浴場だよ」

苗木「1度目は大浴場で、2度目は霧切さんの部屋で、霧切さんは沈められていたんだ!」

苗木「その2度目の時間を霧切さんの死亡時刻と錯覚させるために!」

葉隠「よくわかんねーけど、なんで間違ってたんか?十神っちの言った死亡推定時刻は」

腐川「白夜様が間違えるわけないでしょ!ただ…お湯に浸かっていた時間を少し勘違いしてただけよ!」

江ノ島「おそらく…溺死させた後に、お湯から出して放置しておいたのね」


十神「何故だ!何故、大浴場が出てくる!?」

苗木「落ち着いてよ…確か、大浴場は監視カメラが付いてない。そうだよね?モノクマ?」

モノクマ「はい、実はそうなのです。監視カメラは湯気で曇っちゃうので脱衣所から先はついていませーん!」

大神「カメラがない……か」

石丸「む?それでは、モノクマにも死亡した時刻はわからないではないか!」

十神「……まさかそれを利用して、死亡推定時刻を広げたというのか!」

江ノ島「つまり今回の死亡推定時刻、10時から2時の間…モノクマでさえ、霧切の死を確認することはできなかった」

大神「では、霧切の死体は2時にクロによって運び出されたというのか?」

舞園「それなら、2時にアリバイのない人が犯人です!」

苗木「それは違うよ!」

苗木「2時は、モノクマが霧切さんを発見した時刻だよ!」

舞園「それはつまり、大浴場から出てきた時刻ってことじゃないんですか?」

苗木「その前にモノクマが死体を発見したことを証明する証言があったはずだよ!」

腐川「モノクマが死体を発見したことを証明する?」

大和田「そんな証言あったっけか?」

石丸「まさか…葉隠君の発言かっ!?」

葉隠「ほれ見ろ!本当だったべ!」

腐川「嘘でしょ………」

苗木「そうだよ……きっと、その巨大なモノクマの中には黒幕本人が入ってたんだ。」

モノクマ「そこまでバレちゃあ仕方ない!そうです!2時頃、大浴場にいったら霧切さんはもう死んじゃっていたのです!」

モノクマ「惜しかったねぇボクの正体を知る最大のチャンスだったのにねぇ」

十神「フン、そんなものいずれ暴いてみせる。」

大神「つまり今までの情報をまとめてみると……」

大神「クロは大浴場で霧切を殺害…そこでしばらく放置…2時にモノクマが死体を見つけ…それ以降に霧切の部屋へ運ばれたということになるな…」

十神「くそ、やっと真相が見えてきた。俺はまんまとクロの罠にかかっていたようだな…」

江ノ島「全ては私たちに霧切が自分の部屋で殺されたと錯覚させる為の罠だったようね…」

苗木「そう…それこそがクロの狙いだった。」

十神「それが、アリバイトリックにもなったというわけだな」

腐川「それが、この事件の真相…」

江ノ島「じゃあ、これで犯人も分かったっしょ?苗木、あんたが指定してよ!」

十神「やれ苗木」

大和田「頼むぜ!苗木」

大神「…苗木」

石丸「誰なのだ!教えてくれ、苗木君!」

葉隠「お、俺じゃねぇからなぁ!苗木っち!」

腐川「さっさとしなさいよ!苗木」

苗木「分かったよ…犯人は…」


苗木「舞園さんだ!」

舞園「……ッ!」

舞園「……いえ…違いますよ?」

舞園「何言ってるんですか?私だという証拠は?証明できるんですか?」

苗木「じゃあ、事件を最初から説明してそれを証明してみせるよ!」

クライマックス推理

今回のクロはまず、化学室から麻酔用に睡眠薬を盗んでおいた。霧切さんを眠らせるためだ。

それと一緒に台車も盗んでおいたんだ。それは、後から霧切さんの死体やお湯を運ぶ為だった。

そして、十時ごろ、霧切さんを脱衣所に呼び出し、眠らせた。その後、大浴場で霧切さんを沈めて、溺死させようとした。

しかし、そのままお湯に沈めると、皮のジャケットは縮んでしまう。その縮み方から、死亡時刻を割り出されることを恐れ、それは脱がせてお湯に沈めたんだ。

しかし、同じ皮である手袋は外すのを忘れてしまった。そのため、クロは犯行時刻がバレるのを恐れて手袋を隠してしまったんだ。

霧切さんの死を確認した後、死体をお湯から出し、放置した。
長時間お湯に浸かっていたことが分かると、誤魔化した死亡推定時刻に疑問が生じてしまうからだ。

そして、なに食わぬ顔でクロは江ノ島さんの部屋にやってきた。

その後、みんなを連れて、霧切さんの部屋を見に行くことで霧切さんがまだ殺されていないと思わせることに成功したんだ。

2時頃、霧切さんの姿を見つけられないモノクマは江ノ島さんたちに聞きに来た。

霧切さんは大浴場に放置されていた。脱衣所から浴場には監視カメラがつけられないから、見つけられないのは当然のことだった。

仕方なくモノクマ、いや黒幕は、モノクマの着ぐるみを着て、直接霧切さんの死を確認した。

その時、姿を葉隠君に目撃されてしまった。それが、巨大モノクマの真相だよ。

霧切さんが黒幕に発見されたことで、死亡推定時刻は2時までとなった。
でも、いつ死んだのかは分からなかった黒幕は、最後に霧切さんが大浴場に入っていくことを確認した10時から死体を発見した2時までを死亡推定時刻としたんだ。

もしかしたら、クロはモノクマが霧切さんを探しに来るのを待っていたのかもしれない。今回のクロは黒幕でさえ、トリックに利用したんだ。

そこから、クロは台車を使って霧切さんを部屋まで運んだ。部屋で溺死したとみせかけるためだ。

さらに、温度からも死亡推定時刻を誤魔化すために、わざわざ大浴場のお湯をもってきたんだよ。

こうして、部屋で死んだと見せかけることに成功したクロはなに食わぬ顔で江ノ島さんの部屋に戻っていったんだ。

苗木「これが事件の真相だよ!」

苗木「本来、10時に大浴場で殺された霧切さんを、2時に霧切さんの部屋で殺されたと思わせるためのトリックだったんだ…」

苗木「そして、そのアリバイトリックを使って得をするのは1人しかいない……舞園さんそれが君なんだよ!」

舞園「私に犯行を擦りつけるために誰かが…」

十神「お前の行動を事件当時知るものは苗木、大神、腐川、江ノ島しかいない。」

十神「だったら、そいつらがどうやって犯行を犯したか説明してもらおうか…お前より強固なアリバイがあるがな…」

江ノ島「それと、あんたの部屋も何もないか見せてねー?台車とか、霧切の手袋とか?」

舞園「でも、私がやったという証拠はないでしょう?たまたま、私が得をするような殺害方法だっただけで、違う人がやったのかも知れないじゃないですかぁ!」

苗木「それは違うよ…だって、最初に霧切さんの部屋に行こうと言ったのは舞園さんだから…」

舞園「ぐ、偶然ですよ!そ、それにまだ…なんで霧切さんの部屋の鍵が開いていたか分かってないです!」

十神「霧切を殺した時に鍵を奪い、あらかじめ、霧切の部屋の鍵を開けておいたんだな…その後、江ノ島の部屋に向かった」


舞園「う、うぅ…」

舞園さんは犯行を認めたのか…静かに泣き始めた。

苗木「モノクマ…もういいでしょ、早く終わらせてよ」

モノクマ「それじゃあお待ちかね、投票ターイム!」

ドゥルルルル ジャン!

舞園 舞園 舞園

モノクマ「せいかーい!霧切さんを殺したクロは舞園さんでした〜」

石丸「くそっ!いったいなんでこんなことを!」

舞園「こうするしかなかったんです…分かってください!」

苗木「なんで…舞園さん…」

舞園「モノクマさん、早くやってください。」

舞園「それと、苗木さん…」

苗木「えっ?」

舞園「私が処刑されたら、これを開けてください…」

舞園さんが差し出して来たのは、手紙のようだった。

苗木「え?なにこ…「それでは!」

モノクマ「超高校級のアイドル!舞園さやかさんのために!スペシャルな!オシオキを!用意しましたぁ!」

苗木「舞園さぁあああん!」


マイゾノさんがクロに決まりました。おしおきをかいしします。

舞園さやかinファイナルステージ

そこには笑顔で踊る舞園さんの姿があった。

完璧なステージを披露する舞園さん。

しかし、周りには巨大な刃が連なっていた。さらに、ちょうど首の高さにも巨大な刃があった。

それはまるで巨大なトラバサミのようだった。

採点が始まる。

得点が徐々に上昇し、合格ラインに近づいていく。

しかし、合格ラインに達しようとする時、モノクマが採点パネルを破壊した。

バックスクリーンに浮かび上がる不合格の文字……


トラバサミが閉じた。


江ノ島「うぷぷ」

十神「終わったな……」

まだ、舞園さんの身体のようなものが見えている……真っ赤に染まった刃の隙間から。

苗木「うぅ…舞園さん」

腐川「ひぃぃ!私はみ、見ないわよ!」

大和田「ひでえことしやがるぜ」

石丸「くぅぅ…次こそは!次こそは、僕が殺人を起こさせやしない!ここにそう宣言する!」


ピンポーンパーンポーン


モノクマ「死体が発見されました!一定の捜査時間の後!学級裁判を執り行ないまーす!」

苗木「え?」

chapter4〜終〜

今日はここまで



あれ?まだみんな裁判場にいるんだよな?

舞園もしかして妊娠してた?

あー!なるほど

そういやよく食べるとか最近太った?とかやたら言われてたな
その伏線だったのか、ということは父親は…

前回までは殺意の湧いた順で死んでるんだっけ?

chapter 5 非日常編

たった今だ。

たった今裁判を終えた。

その瞬間に、死体が発見された?

意味が分からない……

落ち着いて周りを見渡してみる。

みんな、動揺している。

けど…死んだ人なんて1人もいない…十神君、江ノ島さん、腐川さん、葉隠君、石丸君、大神さん、大和田君、みんな揃っている。

いや、1人だけ

目の前で死んだ人が………いる。

苗木「舞園さんの……裁判だっていうの?」

石丸「確かに、舞園君は殺されているだろうが…今までも処刑された人はいたはずだ、何故今ごろ?」

モノクマ「とにかく!オマエラは、今ここで、殺された人を殺した人を捜査すればいいんだよ!」

腐川「ハァ?たった今、あんたが殺したんでしょう!」

モノクマ「アンタって誰だよ!アンタなんて人知りマセーン!」

葉隠「屁理屈言ってる場合じゃねぇーべ!」

十神「舞園を殺したクロ…それがお前ということは分かりきっているが…お前が誰なのかを考えろと、そういうことなのか?」

モノクマ「さっすが、十神くんだね〜」

江ノ島「なんだか、一風変わった裁判になりそうね〜ッ」

葉隠「妙に嬉しそうだべ!?」

モノクマ「でも、僕も疲れて眠いから、捜査時間は明日の正午までってことで〜」

モノクマ「あと、ザ・モノクマファイル〜!ほんじゃ、頑張ってぇ〜」

モノクマファイルはモノクマの手から1枚1枚みんなに手渡された。

大神「なんなのだ…一体」

石丸「一難去ってまた一難だな…」

十神「やることが分かってるなら、あとは早い……俺は早速調べるぞ」
腐川「あ、あたしも行きますぅ!待ってぇ〜白夜様〜」

大神「うむ…やるしかないようだな」

石丸「僕も行くぞ!」

大和田「大神、大丈夫か?昨日ずっと起きてたんだろう?」

葉隠「そうだべ、明日まであんだから急ぐ必要はねぇべ」

大神「フフ…心配せずとも大丈夫だ。ある男相手に三日三晩戦い続けたこともある。」



苗木「いったい…どうなって…」

江ノ島「苗木ぃ〜なんだか大変な事になっちゃったわねぇ…うぷぷ」

江ノ島さん…もう長い間、一緒にいるけど、どこか信用できない。

彼女は本来なら黒幕の方にいる立場だったんだ。
こんな時に限って嬉しそうな表情をする…それは、ワザと作り出したようなモノじゃないことが見て取れる。

そんな様子を見ると、自分とは考えが違う人間なんだと思い知らされる。

江ノ島「とにかくさぁ、モノクマファイル見てみなよーうぷぷぷぷ!」

苗木「うん…」

モノクマファイル5

死体発見現場は地下の裁判所

死亡推定時刻は午後1時頃

凶器は巨大な刃

死因は全身を切り裂かれたことによる失血死

犯人は遠隔操作でモノクマを操り、オシオキボタンを押した

【モノクマファイル】

苗木「今回はこれはあんまり役に立たなさそうだよね」

江ノ島「なんで?」

苗木「だって、だいたい分かりきってることだよ…今、目の前で見てたし」

江ノ島「そう?重要なことが分かってないと思うけど?」

苗木「犯人は分かってるんだ!モノクマを操っている黒幕だよ。」

江ノ島「本当に?」

苗木「え?」


江ノ島「黒幕はさぁ…一応、許されてるわけじゃん?人を殺したクロはオシオキするって」

苗木「そんなの許されるわけないよ!」

江ノ島「まあまあ、ここのルール上の話よ。」

苗木「確かに…そうだね。じゃあ、犯人は舞園さんじゃなかったの?」

江ノ島「どうしてそう思う?」

苗木「ルールにはないことをしてしまった。って場合だよね?もし、黒幕が裁かれるとしたら」

江ノ島「でも、間違ったクロを指摘した場合はってのも、ルールにあるわけじゃない?」

苗木「そうだね。しかも、舞園さん以外が犯人だなんて今さら考えられないよ」

江ノ島「苗木はさ、一般人が死刑囚を殺したら、殺人罪が適用されると思う?」

苗木「え?なんの話?」

江ノ島「やっぱ、適用されるわよね。悪を裁くのも、ルールに則らなきゃ悪だもの」

苗木「難しい話だね…って!この事件と何か関係あるの!?珍しくマジメだったけど!」

江ノ島「さぁ〜?どうかしらん」

意味がありげでなさげな言葉を残して、江ノ島さんは去っていった。

あ、そういえば……

舞園さんの手紙…私が処刑されたら見てって言われてたような…

〜舞園の手紙〜
あなたがこの手紙を読んでいるということは、私はもうこの世にいないということですね。

なーんて、ちょっとやってみたかったから書いてみました。

ところで、本題ですが、突然のことにあなたが驚いているのなら私の作戦は成功したかと思います。

この手紙の内容もモノクマさんにおそらく見られています。ので、書けるとしたらこれくらいしかありません。あとは、なんとか自分の手で見つけ出してください。

最後に、これはチャンスです。黒幕に勝つための恐らく最後のチャンスになると思います。だから、最後まで諦めないでくださいね?

舞園さやか

【舞園の手紙】

意外にも、大したことは書いてないように見える。縦に読んだりもしたけど、文章は見つけられなかった。

いったいなんだろう?ひとつだけ分かるとしたら、この状況は舞園さんが作り出したものだということ…

黒幕を倒す、最大のチャンスだということ……

ーー校舎 5階

十神「今回は5階が解放されたようだな…」

腐川「植物庭園……なんの為にあんのよあんなもの」

葉隠「あっちには、生物室があったべ。しかし、鍵は閉まってたぞ。」

十神「今の状況で閉まってるということは、もうこれ以降開くことはないだろうな」

大神「同様に寄宿舎の二階や、校舎4階の学園長室に情報処理室もだろうか…」

石丸「武道場もあっちにあったぞ!」

被害者の名前をはっきりさせないんだな

大和田「なんか、ヤベェ教室も向こうにあったな」

十神「とりあえず、なんとかして黒幕の正体を暴かねばなるまい。犯人は黒幕なんだからな…」

大神「しかし、何故だ。何故、急にオシオキされた者の裁判をしようと言うのだ。」

十神「そうだな…モノクマはここのルールにおいては平等だ。今回、何かが起きたということだ。」

石丸「しかし、今までとは違い、死体を調べたりすることはできなかったぞ!」

十神「直接、ナイフを刺された訳ではないだろ。死体を調べる必要はない。それとも、お前は八つ裂きの死体を見たいのか?」

腐川「ひ、ヒィイ!」

石丸「む…そ、そんなことはないが」

十神「犯人は決まっている…黒幕だ。今回は、それが誰なのかを推理する裁判だ。死体は関係ないはずだ。」

大神「しかし、どう調べろというのだ。どこにも、黒幕の手がかりなどないぞ。」

十神「なんとかして俺たちの過去を知るしかない…その為の方法は一つだけだ。」

腐川「………」

葉隠「まさか、俺の占いかっ!?」

十神「………腐川だ。」

大和田「ハァ?腐川がなんだってんだよ?」

石丸「腐川君は、僕たちの過去について知っているというのか?それとも……」

十神「腐川なんだが、腐川じゃないんだ。」

腐川「白夜様、ま、まさかあいつを…?」

十神「そうだ。やるのはとりあえず、全員を集めてからだ……」

葉隠「いったい何をする気だべ…?」


pm7:00ー食堂

苗木「えっーと、何してるの?……腐川さん、大丈夫なの?」

腐川「………」

十神「これでもまだ、不安なぐらいだ。」

十神君がそういうならそうかもしれない…

けど、さすがに全身を縛りつけるのはやり過ぎじゃないのかな?

そんな表情を皆が浮かべている。相変わらず、江ノ島さんだけは何考えてるか分からないような表情だけど。

十神君と腐川さん以外は状況が分かってないみたいだ。

苗木「ていうか、腐川さんが何かしたの?ここまでするなんて」

十神「これから、どうかなるんだ。覚悟しておけ、今日、この場で、全員が死ぬかもしれないんだ」

苗木「な、何が起きるの?」

十神「殺人鬼を呼び出すんだ」

そういうと、十神君は神妙な面持ちで腐川さんに近づいていった。手に塩コショウを持って……

腐川さんの目の前まで来ると、塩コショウを持つ手を高々と上げ、それを腐川さんに振りかけた。

腐川「ヘェ、へ、ヘェックシュン!」

?「ハァーイ!笑顔の素敵な殺人鬼でーす!」


くしゃみした後に現れたのは、やけにテンションの高い腐川さんだった。

?「あり?なんで縛られてんだ?あ、白夜様ぁあ!殺りてぇぇ!」

葉隠「おい、キャラ変わりすぎてんべ、腐川っち…」

性格が豹変して縛られていながらも、腐川さんは大人しくしていた

しかし、ある人を見た瞬間、さらに彼女は凶変した。

?「あり?そこにいるのって、盾子様?盾子様なのねーッ!」

?「ふんっ!」

腐川さんは拘束を力技で解くと、江ノ島さんに襲いかかっていった。
どこからか取り出したハサミを持って…

江ノ島「うおっ!」

?「盾子様ぁぁあ!おひさぁぁ!ぶっ殺させてぇぇえ!」

そのハサミが江ノ島さんの身体に届きそうになった瞬間、江ノ島さんの膝が腐川さんの顎にクリーンヒットしていた。

腐川さんはその勢いで後ろに吹っ飛んだ。

江ノ島「やべっ!唐突過ぎて本気でやっちゃった」

?「あれぇ?盾子様、弱くなった?全然効かないわよッ!」

腐川さんは何事もなかったかのように立ち上がると、先ほどよりも速いスピードで江ノ島さんに向かっていった。

大和田「腐川ってこんなに運動神経良かったのか!?」

大和田君が言うくらいだから、相当だろう。腐川さんはその速度のまま、ハサミを突き出し江ノ島さんへ突っ込んでいった。

江ノ島さんはそれをかわし、今度は背中に思いっきりキックした。

しかし、腐川さんはそれでもビクともしなかった。

そして振り返ると、江ノ島さんの喉元にハサミを突きつけた。

?「本気出さねーと、マジで殺っちまうぞーッ!」

十神「おい!止めろ!!」

大神「は!」

呆気に取られていた大神さんが、腐川さんよりも素早く動き、腐川さんの首筋に手刀を当てた。

葉隠「おっそろしく速い手刀だべ!俺でなきゃ見逃しちまうべ!」

さすがに超高校級の格闘家の手刀を受けると、腐川さんは意識を失うかと思えた。

……しかし、くるりと振り返って、江ノ島さんに当てたハサミを大神さんに向けると、そのまま下に振り下ろした。

ズバァァァン

そんな音が聞こえてきそうなほどの勢いだった。

苗木「きゃぁぁあ!」

十神「落ち着け苗木、服だけだ!早く抑えるんだ!大神!」

十神君の言うように大神さんには傷一つなく制服の下にある肌とブラジャーが露わになっただけだった。

葉隠「うおお!もっとやれーッ」

?「ノリ良いねぇ!葉隠ェ!じゃ、リクエストに答えてッ!」

へたり込む江ノ島さんをよそに腐川さんはハサミを大神さんに数本投げつけた。そのまま、自身も大神さんに向かって突進した。

大神「む!」

大神さんはそのハサミを全て真下に撃ち落とし、そのまま拳を振った。

しかし、拳は空を切る。

天使のブラが…

?「残像だ…………ヒャッハァァァ!」

今度は下からハサミを振り上げると、スカートが切れて落ち、大神さんの逞しい下半身が露わになった。

大神「ぬぅう…」

葉隠「いや、オーガにじゃなくて…」

大神さんに攻撃し、隙を見せた腐川さんの後ろから江ノ島さんが飛び蹴りを喰らわせる。

腐川さんは前にツンのめったが、すぐに江ノ島さんに向き直ってハサミで何度も切りかかった。

?「ホラホラホラァー!」

江ノ島さんは全てを避けていたけど、防戦一方だった。

江ノ島「初登場だからって!調子にノリ過ぎ……よ!」

江ノ島さんは、しゃがんでハサミを避ける、と同時にローキックで腐川さんの足を払おうとした。

しかし、腐川さんは飛び上がりそれをかわした。

しかし…

大神「すまん、腐川。しばらく眠っていてくれ…」

?「あらら」

ドゴォォン

モロに大神さんのパンチを受けた腐川さんは壁に衝突し、その衝撃で建物も少し揺れた気がした。

腐川さんはぐったりと壁に寄りかかり、今度こそ気を失ったようだった。

大神「フゥ」

江ノ島「ナンなのよ…アイツ」

石丸「2人とも大丈夫か…?」

大和田「ヤバかったな…」

苗木「大神さん、大丈夫?毛布、持って来たよ。」

大神「!」

苗木「どうしたの?」

大神「いや、なんでもない。ありがとう…苗木よ」

葉隠「それにしても、凄かったべ!バトル漫画みたいだったべ!」

大和田「ったく大神がいなかったらマジでヤバかったぞ」

大神「苗木…腐川を見てやってくれ、かなり力を込めてしまった。」

十神「死んでいないといいがな…」

石丸「それより、十神君!どういうことだ!説明してもらおうか!」

十神「これはさすがに想像していなかった。すまん…俺から説明する。」

大和田「江ノ島ァ、お前もなんか関係してるんじゃねぇのか?」

江ノ島「あんなんマジで知らなかったわよ!あぁー絶望的にビックリした!」

石丸「しかし、江ノ島君を見たとたん、さらに様子がおかしくなったような…」

十神「そこについては、俺も全く知らなかった。しかし、推測はできるぞ。」

苗木「何なの?」

十神「まず、最初から説明すると…腐川は多重人格なんだ。殺人鬼ジェノサイダー翔という人格がアイツの中にいる。」

葉隠「ジェノサイダー翔って聞いたことあるべ!」

石丸「僕の父も、その捜査に参加したことがあると言っていたぞ!歴とした殺人鬼だ!」

十神「その殺人鬼の正体が、腐川冬子のもう一つの人格だ。腐川達は知識は共有しているが、お互いの記憶は共有されていない。」

大和田「マジかよ…」

苗木「いろいろ、衝撃的過ぎてわけわかんないよ……」

江ノ島「んなことどうでもいいから、要点だけ話してよねぇ…結局、腐川を使って何をする気だったの?」

十神「そうだな…俺はその特性を利用し、腐川、いやジェノサイダーに俺たちの2年間について話してもらうつもりだった。」

大神「なるほど…記憶を失ったのが腐川なら、ジェノサイダーとやらは2年間の記憶が残っているという事だな…」

十神「実際に初めて会った時に俺や先ほど江ノ島の名前を知っていたことから、その仮説は正しかったんだが…」

大和田「あれじゃあな…」

石丸「腐川君はクシャミをした後と、さらに江ノ島君を見つけた後とで、2度、豹変したように見えたのだが…」

大神「かなりの力だったな…」

江ノ島「本当に絶望的なまでに強かったわねぇ〜」

十神「大神、次にアイツが現れた場合、どうなる?」

大神「大丈夫だ、さっきは激しく動揺してしまっただけだ。腐川からあれほどの殺気が発されるとは思わなかったからな…」

大神「次は誰にも……もちろん腐川にも被害を及ぼさず、止められる」

葉隠「また呼び出す気なんか!?」

十神「呼び出す気などない!しかし、アイツは腐川がクシャミをしたりなんらかの拍子に気を失えば現れるんだ。」

大和田「マジかよ」

葉隠「ひえっ!」

葉隠「腐川っちには常にオーガがついといた方がいいべ…」

大和田「しかし、結局は何も分からなかったって事だな…不安ばかりが増えただけだ。」

江ノ島「2年前、ジェノサイダーはアタシ達の前に姿を現していた。ってことが分かったわよ。」

石丸「腐川君と記憶を共有してないってことは、過去にジェノサイダーとも僕たちは会ってたということだな!」


苗木「でも、それだけなのかな?なんだか…江ノ島さんを見つけた後の腐川さん…怖かった。」

葉隠「そりゃこわいべ!殺人鬼なんだからな!」

苗木「いや、それだけじゃなくて…目が…なんというか…」

江ノ島「記憶を奪われる前にアタシがジェノサイダーになんかしてたってことね」

石丸「何か恨まれることでもしたのか?」

十神「あれは…恨んでいたというよりは…心酔していた?」

大神「うむ…愛、故の殺人衝動…昨日、江ノ島が言っていたことと重なるな…」

十神「元々、ジェノサイダーの犯行にはそういう動機があったと言われている。自身の恋愛対象である男に殺意が向いていたようだからな…」

苗木「十神君が狙われるのもそういうことなんだね!」

十神「ああ…迷惑なことにな」

大和田「しかし、腐川もお前にはべた惚れだけどよ、別に江ノ島の事なんかむしろ嫌ってそうじゃなかったか?」

大神「失われた2年間の記憶では、江ノ島と腐川は仲が良かったのかもしれぬ」

江ノ島「アタシが?よりによって腐川と?あーりえねぇー」

石丸「しかし、その心酔ぶりは十神君より江ノ島君に対しての方が大きそうだったぞ!」

苗木悲鳴可愛いなww

十神「過去の事だ。もし詳しく知りたいのなら、ジェノサイダーに聞くしかあるまい。」

葉隠「止めとくべ!石丸っち!」

モノクマ「それにしても、危なかったねぇ〜」

葉隠「ホントだべ…誰だあんな殺人鬼を学園内に入れた奴は」

モノクマ「ホントだべホントだべ」

葉隠「ホ…って!モノクマじゃねぇーか!」

モノクマ「やっほーう!みんな、元気ぃー?」

苗木「元気な訳ないよ!」

十神「うるさいな…捜査の邪魔がしたいのならそう言え」

モノクマ「ンなわけないよ!僕がそんなことするわけないわけないわけないじゃないか!」

葉隠「どっちだべ!?」

モノクマ「実は…オマエラに伝えておかなきゃならない事がありまーす。」

石丸「なんだね!」

モノクマ「たった今から1つの事件で同一のクロが殺せるのは2人までとします!」

大神「ジェノサイダーを見てのことか?」

モノクマ「そうだね〜捻くれた思春期のオマエラなら、外に出たいなら皆殺しにすればいいんだ!って考えるでしょ?」

モノクマ「そしたら、絶対大神さんが生き残っちゃうじゃん!」

大神「我はそんなことはしない。」

モノクマ「じゃあ、誰かが君を殺しに来たら殺されてあげるんだー。大神さんってば、やっさしーッ!」

大神「むぅ…それは」

石丸「なぜ1人ではないんだ?」

モノクマ「ミステリー的には連続殺人って響きも捨てがたいからねー」

江ノ島「んじゃあ、3人目を殺したらオシオキ?それとも、3人目を殺す前にアンタが止めに来るわけ?」

モノクマ「もちろん、僕が止めに入るよ!」

十神「意外だな…」

モノクマ「オシオキしたら、クロは死んじゃうし、学級裁判も意味がなくなっちゃうでしょ?」

モノクマ「そんなツマラナイ展開は僕としては避けたいからね」

江ノ島「せやかてモノクマ!実際問題、止められるんかいな!殺す前に止めるいうことはアンタもそいつを殺しちゃならんのやで!」

モノクマ「なんとか、ボクが全力で体を張って止めるよ!みんなの命を守るためー!」

江ノ島「オッケー…わかりやしたーうぷぷ」

【殺人数のルール】

十神「捜査時間中に殺してはならないなどというルールはできないんだな…」

モノクマ「それは、ご自由にやっちゃってーて感じだね!裁判後にまた捜査をする羽目になるけどね!むしろ、みんなの集中を欠かせるにはそれがいいかもね!」

葉隠「一回でもくたびれんのに冗談じゃないべ!」

モノクマ「じゃ、そういうことで〜」

十神「まぁ、今更だとは思うが…そういうことだ。せいぜい気をつけるんだな」

葉隠「1人殺せばそれで事足りんのにわざわざそんなことするやついねぇべ」

石丸「それ以前にもう僕が殺人を起こさせやしないぞ!」

大和田「さっきはそれを言った直後にアナウンスがなってたぞ」

石丸「うるさい!」

苗木「ハァ…今日はいろんなことがありすぎて疲れたよ…」

霧切さんが死んで

学級裁判をして

舞園さんがクロで

オシオキされて

そしたらまた死体発見アナウンスが鳴って

腐川さんが二重人格で

そのもう1人の人格ジェノサイダーが暴れて……

十神「とにかく、今日はいろいろあり過ぎた。もう解散しよう。」

石丸「そうだな…では、苗木君!腐川君を頼んだぞ!」

苗木「…うん」

江ノ島「元気だしなよ〜苗木ィー」

モミッ

苗木「ひゃぁっ!お尻触らないでよぉ!」

江ノ島「ぐへへ、よいではないかよいではないか」

苗木「もう…やめてってぇ」

石丸「え、江ノ島君!人前でそんな行動は控えたまえ!」

江ノ島「はいはい、じゃあ部屋でやるわよ。行くわよ苗木、ほら、早く腐川の右持って」

苗木「え、えぇ!?」

実際には、そんなことはなく…腐川さんを部屋に送った後、江ノ島さんとは別れ、自分の部屋に戻った。

苗木「あれ?鍵、鍵…どこだろ」

ガチャ

苗木「ていうか、鍵、開いてたみたい…はぁホントにドジだなぁ」

部屋に入ると、今度はしっかり鍵を閉め、ベッドに倒れこんだ。

そして、次の瞬間には、もう眠りについていた……


「苗木!苗木!」

誰かが呼んでいる……

この声は…十神君?

近づくにつれ、十神君のシルエットが見えた。

白いスーツを…ピチッと決めている。

ピチッと……?

苗木「は!」

ガバッ

夢か……

苗木「びっくりしたぁ〜」


苗木「!?」

しかし、目の前にはもっと驚くべき光景が広がっていた。

江ノ島「ヤッホー苗木」

苗木「江ノ島さん!?どうしたの?いや、まずどうやって?」

江ノ島「んなの、どうだって良いじゃん?残念ながら、さっきの続きをしに来たわけじゃないのよねぇ」

苗木「いや、別に…全然おもってないけど」

江ノ島「あらそう?じゃ、早速だけど……」

江ノ島「死んでくれる?」

避ける間もなかった……江ノ島さんの右手に握られたナイフが見えた時には…

それはもうすでに首を掠めていた。

苗木「……!」

恐怖で、一言も声を発することができない。

江ノ島「うんうん、どこの誰とは言わないけど、殺そうとするときにナイフ構えて妙なポーズとってる黒幕ってバカよねー。やるならさっさとやらないと」

そう言いながら、彼女は去って行った。

なんで?

彼女の行動の全てが分からない……

殺した気になった?

殺すのをやめた?

なんのために?

そこから先は、今までの熟睡が嘘のように眠ることができなかった。

【苗木を殺そうとした江ノ島】

am7:00〜食堂ーー

石丸「おはよう!苗木君!」

大神「おはよう…苗木」

苗木「おはよう…石丸君…大神さん………!」

石丸君と大神さんと共に食堂にいたのは、腐川さんだった。

苗木「え、あ、と、ふ、腐川さん?お、おはよう…」

腐川「何よ……やっぱり怯えてるじゃない」

石丸「苗木君!安心したまえ!」

大神「もう、元の腐川に戻っているはずだ」

苗木「腐川さん、大丈夫なの?」

腐川「大神に殴られたのよ…大丈夫なわけないわよ、頭がガンガンするわ」

大神「す、すまぬ」

石丸「しかし、とりあえずあの事は忘れ、今できる捜査をやることに集中すべきだと思うぞ!」


十神「まぁ、そうだな…お前ら愚民が怠けているのでは話にならん」

腐川「白夜様……」

十神「腐川、もう、あいつに頼るのはナシだ。あいつを封じ込めることに尽力してくれ。」

腐川「はい……」


大和田「おう!テメェら、全員いるか?一つ俺から提案があるんだが…」

大和田君は全員が揃ってから話すということで、10分ほど待っていると、葉隠君が来た。

しかし、それから10分ほど待っても……20分待っても……江ノ島さんは現れなかった。

十神「出てこないな…」

江ノ島さん……昨日のことが頭をよぎる。

なんで、あんなことをしたのか?未だに検討がつかない状態だった。

みんなに話してみるべきかな?

苗木「あの……ちょうどいい機会だから、みんなに話しておきたいことがあるんだ。」

葉隠「しかし、江ノ島っちはいねぇべ?」

苗木「うん、江ノ島さんに関することだから……実は昨日ーーー」

それから、昨晩の事を話した。

みんながそれぞれの反応を示したけど、そのどれにも共通することは…

十神「ワケが分からんな」

石丸「うむ…」



十神「何もかも計画的なアイツが、殺し損ねるなんて考えられない…わざととしか…」

大神「また急に、飽きた、とでも言うのだろうか?」

石丸「異常だな……」

葉隠「そんなことを考えても分かるわけねぇべ!それより、どうやって江ノ島っちは苗木っちの部屋に入ったんだ!?」

十神「昨晩、江ノ島が苗木を宥めようと尻に触れていただろう?あの時、様子が変だとは思っていたんだ。」

苗木「そうか……あの時、鍵を」


大和田「まあ、アイツの様子が変だなんて…日常茶飯事だからな。つーか、アイツを待つ意味あるか?俺ももう話してもよくねぇか?」

石丸「仲間外れは良くないと思うが…来ないし、どこにいるのかも分からない、仕方ないな」

大和田「それじゃあ話すぜ、昨日、五階を探索していた時のことだ。」

大和田「ヤベェ教室があったと言ったろ?十数人もの、人が殺された形跡があった。そこについて、俺なりに考えてみたんだ。」

十神「ほう、貴様にも考える脳みそがあったとはな」

大和田「うるせぇ…でだな、十神も言ったな?俺たちの過去を知る必要があると…あの教室には、何か過去の秘密が隠されているように思えてナラねぇんだ。」

十神「なるほど……プランクトンにしては、上出来な思考力だ。」

石丸「捜査時間はまだ、4時間程度ある!諸君!再び、五階を徹底的に探索しようではないか!」

pm8:00〜校舎 5階〜

苗木「ここが、5階かぁ」

石丸「そういえば、苗木君は前はいなかったな!僕達は、例の教室に先に行っているから、少しここを見て回ったらどうだ?」

苗木「うん、そうするよ!」

石丸「では、腐川君!苗木君を案内しておいてくれたまえ!」

腐川「な、なんであたしなのよ!」

石丸「どうも、君は昨日までのようにみんなに溶け込めていないようだが…?」

石丸「君が1番仲がいいのは苗木君だろう。少し、2人で話してみるといいとおもうぞ」

腐川「べ、別に仲良くなんて…」

石丸「では!よろしく頼むぞ!ハッハッハ!」

腐川「ちょっ!まだ……」

苗木「ハハ…よろしくね?腐川さん」

5階を簡単に見て回った後、例の教室に行く前に植物園で少しゆっくりする事にした。

腐川「あ、あの苗木……あ、あたしあの時、どうなってた?」

あの時…それは、間違いなく、ジェノサイダーが現れた時のことだ。

あの時の腐川さんの様子を教えてしまっていいのかな…

腐川「あたしには分かんないのよ…何がどうなってたのかなんて、でもいつもより、さらに酷いことになってたのはなんとなく分かったわ」

苗木「うん…江ノ島さんを見たとき、異常なまでに暴力的だったんだ。」

腐川「あんたは、その時初めてジェノサイダーを見たはずよね?」

苗木「うん、だから、それが普通なのかもと思ってたんだけど」

腐川「なんか違うのよ…2年間の記憶があたしにはないからなのかもしれないけど…それでも、前のあいつとは決定的に根本的な部分が違うのよ!」

腐川「あいつを封じ込めなきゃって思ってたのに…また大きな問題発生よ」

苗木「腐川さんたちはお互いのことについては何が分かるの?」

腐川「基本あっちが起きてる時はこっちが寝てるって感覚だから、何も知らないけど…なんだかあいつとあたしの意識が混濁する瞬間があるのよ」

苗木「うん…」

腐川「その時に感じた……なんだかあいつは、絶望している……そんな感じだった。」

苗木「絶望……?」

その言葉を聞くと、江ノ島さんが思い浮かぶ。

超高校級の絶望…やっぱり江ノ島さんには何かあるんじゃないか…

そう考えてしまう。

ふと、背後に気配を感じて、振り返ってみると、そこには江ノ島盾子が立っていた。


腐川「江ノ島……」

江ノ島「おっす、苗木ィ〜ッ!アンタ生きてたのねぇ〜良かったわ〜」

苗木「ねぇ、江ノ島さん。あなたはまだ、何かを隠している……そうじゃない?」

江ノ島「さぁねぇー隠しごとをしてるかどうかを教えるほどアタシはお人好しじゃないしー」

江ノ島「それより、あいつらがなんか発見したらしいわよぉ」

苗木「そう……じゃあ、行ってみようか」

腐川「そうね…」

うん、苗木の口調が女っぽいな

〜5-C〜

苗木「えっ!」

大和田君が言ってたヤバい教室っていうのが、こんな酷いものだったなんて……

血がそこら中に飛び散り、酷い臭いがする……

人の死のニオイ……それは決して哀しみを感じるようなものではなかった。

こんなところじゃ何かを見つけるどころじゃない……1分もこんな部屋にはいたくない……

苗木「……うえッ」

大神「苗木、大丈夫か?」

江ノ島「酷い臭いね…残姉を思い出すわ」

葉隠「これで自分の姉ちゃんを思い出すなんて、ヒドイ奴だべ!」

腐川「それより…何を見つけたのよ」

大和田「教室の本棚にワザとらしく置いてあったんだ。一冊だけな」

十神「周りはこれだけ血だらけなのにこの本は血で汚れていない。つまり…」

苗木「ここで何かが起こった後に置かれた物って事だよね?」

葉隠「そんなら、俺たちの過去とは関係なさそうだべ?」

江ノ島「でも、黒幕がワザと置いたんなら…アイツの正体か、今回の事件のヒントがあるかもしれないわよ?」

大神「そう考えると、見ないわけにもいかないな」

石丸「ということで、中身を見てみたのだが…」

大神「正直、見ない方がいいかもしれんな……」

苗木「オシオキリスト……?」

葉隠「きっと、黒幕の奴が考えたんだべ!趣味の悪い奴だべ!」

そこには、汚い字で誰をどうやってオシオキするか詳しく書いてあった。

自分のオシオキも書いてあったけど…あんまり見たくない。

今まで実行された朝日奈さん、山田君、セレスさん、舞園さんのオシオキがそこには記されていた。





〜ウォーター・イリュージョンショー〜

プールの水槽に朝比奈を入れる。

モノクマがステッキを振ると幕が降り、その間に水槽にサメを入れて、幕をあげる。

またモノクマがステッキを振ると幕が降り、その間に朝日奈をサメに食べさせて殺す。幕が上がるとそこには朝比奈の姿はもうない。

最後に盛大な拍手で終了。


〜ぶー子あやうし!大怪獣襲来〜

巨大なモノクマが巨大なぶー子と戦っている。

山田はモノクマとぶー子の板ばさみとなり、両者から殴られる。

最後はモノクマとぶー子の必殺技のビームを同時にくらわせて殺す。


〜ベルサイユ産火炙り 魔女狩り仕立て〜

セレスを西洋の城みたいなとこに縛り付けておく。

城に火をつけて炙っていく。

最後は消防車をセレスに突っ込ませて殺す。


〜舞園さやかinファイナルステージ〜

舞園をハサミが大量に設置してあるステージで踊らせる。

採点をして、合格だったら首だけをチョンぎって殺す。

不合格だったら……全部のハサミを閉じて体を八つ裂きにする。




【オシオキリスト】

苗木「うぅ……見ない方が良かったかも」

腐川「あ、アタシは見ないわよ」

葉隠「マジで頼むべ」

十神「オシオキか……なるほどな」

苗木「ん?十神君、何か分かったの?」

十神「別に何もない。この事件のクロが分かっただけだ。」

苗木「そっか………って、ええ!?」

葉隠「本当か!?誰なんだべ!!そんなんどこに書いてあったんだべ?」

十神「フン、学級裁判で明らかにしてやる。だが、このままでは証拠が足りんな……江ノ島、付いて来い。捜査するぞ」

江ノ島「御指名ありがとうごさいまーす!盾子行きまーす!」

腐川「ぐぬぬ……なんで、白夜様ぁ」

石丸「うーん、十神君に先を越されてしまったな!よし、僕たちも再び捜査に出よう!」

大和田「おっし!いっちょやるかぁ!」


葉隠「石丸っちと大和田っちも行っちまったべ」

大神「どうだ?我らも何処かを捜すか?」

葉隠「えっーとだな…腐川っちと一緒は」

腐川「何よ!アタシもアンタと一緒なんてイヤよ!」

苗木「まぁまぁ、四人で行こうよ」

大神「苗木よ……何処か心当たりでもあるのか?」

苗木「うん、ちょっとね」

am10:00〜舞園の部屋〜

大神「舞園の部屋だな、何か用があるのか?」


葉隠「これが超高校級のアイドルの部屋かぁ〜感動すっぺ!」

腐川「キモ…」

葉隠「あんだと!?」

苗木「やっぱり、今回は被害者である舞園さんにも秘密があったと思うんだ。」

腐川「そうかしら?アタシにはアイツはタダ外に出たかっただけのように見えたけど…」

葉隠「それより、何か秘密って……何のことだべ?」

苗木「うーん、それが何なのか分かれば…もっと早く見つかるのかもしれないけど……とにかく、おかしなものを見つけて欲しいんだよ」

葉隠「んなこと言われたって、そう簡単に見つかるもんじゃないべ」

〜2時間後〜

葉隠「ハァ〜これ以上捜したって何も出てこねぇべ。」

腐川「結局、見つかったのはこのサプリメントだけね。」

大神「うむ…特に珍しいということでもなかろう。」

苗木「何か普通のヤツと違うところはないの?」

大神「何が普通かは分からんが…スポーツ用でもダイエット用でもなさそうだな」

葉隠「あり?でも、舞園っちてダイエットを気にしてたんじゃねぇんか?」

苗木「じゃあ、舞園さんが気にしていた事って……」

【太ってきた舞園】
【舞園のサプリメント】

ピーンポーンパーンポーン

モノクマ「ついにやって参りました〜学級裁判の時間ですよー」

大神「む、時間のようだな」

苗木「証拠はこんな感じかな?」

【モノクマファイル】
【舞園の手紙】
【殺人数のルール】
【苗木を殺そうとした江ノ島】
【オシオキリスト】
【太ってきた舞園】
【舞園のサプリメント】

始まる…この生活の黒幕を決める最後の学級裁判が……

今日はここまで

残姉殺された側かよwwww超高校級の軍人()

苗木はこまるかな?

朝比奈だけ、死ぬ場面と死体を確認出来なかったのか

超高校級の詐欺師の才能ってどの程度なんだろう
メディアにバンバン露出してたり本物を見たことがある人でも、体型が大きく違ってたりしても騙せるレベル?

体型は無理そう
声とか性格ならいけるだろうから本物がアレじゃない限り騙せるんじゃないか

学 級 裁 判

開廷!

十神「さて、今回の犯人はもう分かりきっている。」

苗木「それって、黒幕のことでしょ?黒幕の正体が分かったの?」

十神「そう思っていたが、違う、犯人は黒幕ではない。」

十神「犯人は……この中にいる!」

江ノ島「な、なんだってぇー」

葉隠「本当か!」

石丸「しかし、どうやって犯行を行うというのだ?我々にはやりようがないぞ!」

十神「それは後で説明する。しかし、今回の事件はどこかおかしかっただろう?」

苗木「確かに…ここのルール上では黒幕はクロである舞園さんを殺す権利がある。」

石丸「では、舞園さんが犯人ではなかったのか?」

大和田「それじゃあ、間違ったクロを指摘した俺らがオシオキされちまうじゃねぇか!」

葉隠「やっぱりよく考えてみても、よくワカンねぇーべ!」

十神「フン……もっと簡単なことだったんだよ。今回のクロはあのオシオキボタンを押した者、即ち、モノクマを操っていた者だ。」

江ノ島「ま、まさか……」

苗木「それが、この中に……いる?」

十神「犯人は……」

苗木「…」

葉隠「お、俺じゃねぇぞ!」

腐川「あんたは黙ってなさい!」

石丸「いったい誰なのだ!」

大神「むぅ……」

大和田「いんのか…こん中に」

江ノ島「は、犯人がこの中にいるってェ、いったい誰なのよぉぉぉぉおーッ!」

十神「江ノ島だ。」

江ノ島「……アポ」

苗木「根拠を、聞かせてくれる?」

十神「あのあと、俺は江ノ島の部屋に行った。江ノ島を誘ったのはその為だ。」

腐川「ハァ良かった……白夜様はあたしを捨てたわけじゃなかったのね」

大神「だが、何故江ノ島の部屋に行ったのだ?」

十神「証拠を見つける為だ。」

そう言うと、十神君は何かのコントローラーのような物を取り出した。

葉隠「それが、どうかしたんか?」

十神「バカめ……まだ気付かんのか?」

十神「江ノ島はこれを使ってモノクマを操っていたんだよ」

十神「そして、オシオキスイッチを押したんだ!」

葉隠「なんだってぇ〜!」

苗木「…でも、なんでそれが江ノ島さんの部屋にあると分かったの?」

十神「フン…江ノ島が、俺たちの前に姿を現した時、言っていただろう。」

十神「コントローラーを作り、モノクマを操っていたとな」

江ノ島「そ、それだけじゃ証拠にはな、なな、なんねぇぞ!」

十神「お前しか犯行可能な人間はいないんだ…これだけでも充分証拠になるとは思うが」

十神「親切にも使用した時刻が記録される設計になっていたぞ……何のためかは知らんが、仇になったな」

石丸「では、舞園さんの死亡時刻1:00頃の使用記録が残っていたのだな!」

十神「ああそうだ。」

江ノ島「う…うぅ…」

江ノ島さんは項垂れ、泣いているようだった。

しかし、その様子はどうみてもいつものようにふざけているようにしか見えなかった。


この状況でどういう意図があるのかが、全く分からない。

十神「いつまで、くだらんマネを続けるつもりだ?」

確かに…

大和田「もうその女以外いねぇだろ」

でも、本当にそうなんだろうか……

腐川「さっさと、犯行を認めなさいよ!」

江ノ島さんが…犯人?

大神「うむ…全ての証拠はお主を指しておる。早く認めたらどうだ?」


苗木「…本当にそうなのかな?」

十神「なっ!何を言っている!こいつが犯人であると決まっているだろう!」

苗木「確かに、今のところ出た証拠ではそうかもしれない。けど、これを見て欲しいんだ!」

十神「なんだそれは」

苗木「舞園さんの手紙だよ。舞園さんが処刑される前に受け取ったんだ」

十神「それがどうしたというんだ」

苗木「この手紙には、今回の裁判は舞園さんが引き起こしたものであると暗に記されていた。そして、黒幕を倒す最大のチャンスであることも」

十神「その手紙だけでは何の証拠にもならんだろう。江ノ島の犯行はほぼ確定しているんだ」

苗木「ほぼって、どういうこと?」

十神「まだ、黒幕がクロという可能性も捨てきれん…今からするとしたら、その可能性を捨てるための話し合いか、江ノ島の自白を待つかだ。」

苗木「それをちょっとだけ待って欲しいんだ。もう少し証拠があるからそれを出してみるべきだよ」

十神「フン……勝手にしろ。どうせクロは覆らん」

石丸「そうだ、僕たちも大浴場にて何かおかしな物を見つけたんだ。」

大和田「そうだったな、これなんだが…」

大和田君は白い何かを取り出した。


葉隠「なーんだ、ただの腹巻きだべ」

腐川「サラシよ」

十神「俺達が一昨日の晩に風呂に入ったときはなかったハズだぞ」

石丸「ああ!であるからして、それ以降に入った、霧切君か、舞園君のどちらかの物だということだ。」

舞園妊娠確実かな?

大神「黒幕のものである可能性もあるんじゃないか?」

モノクマ「ボクはそんなダサいのつけないよ!つーか、それがなんなんだよ」

十神「間違いなく舞園のものだろう。何のためにつけていたがは知らんが……」

大神「霧切がつけたとも思えんし、わざわざ外す意味も分からぬ」

苗木「きっと、なんらかの証拠なんだよ。舞園さんが残した」

モノクマ「ギクッ」

モノクマ「も、もういいでしょ?タイムアップでーす!」

苗木「は?」

葉隠「なんだべ、それ」

モノクマ「時間が来たから今回の裁判はタイムアップだよ!」

腐川「どう考えても後付けの設定じゃない!」

大和田「しかも、早すぎんだろ!まだ、10分も経ってねぇぞ!」

モノクマ「僕がタイムアップって言ったらそうなの!いいから、さっさと投票してください!」

大神「少しま

モノクマ「10!」

大和田「ハァなんだよそれ!!」

モノクマ「9! 時間内に投票しなかったら、オマエラももれなくオシオキだよ!」

石丸「おかしいだろう!」

モノクマ「3!」

十神「いいからさっさと押せ!誰がクロかはもう、分かってるだろう!」

苗木「くっ……」

ドゥルルルル ジャン!

江ノ島 江ノ島 江ノ島

モノクマ「はい、せいかーい!今回のクロは江ノ島さんでした」

石丸「正解……」

葉隠「これでよかったんか?」

何かがおかしい……こんなんじゃ、全然納得できない…

モノクマ「それでは!」

苗木「ちょっと!待っ」

モノクマ「超高校級のギャルアンド絶望である江ノ島さんのためにスペシャルなオシオキを用意しましたー」

エノシマさんがクロに決まりました。おしおきをかいしします。

超高校級の絶望的オシオキ


江ノ島さんは

数百発の野球ボールを身体に浴び

バイクで高速回転させられ

火あぶりにされ押しつぶされ

ショベルカーで何度も叩かれ

ロケットで高く打ち上げられ、地面に叩きつけられた後、

プレス機が待つベルトコンベアの上の椅子に固定された。

しかし、その表情はこの時を待っていたかのように高揚している。

そして、プレス機が江ノ島さんの真上に来た時……

突如として、プレス機が動きを止めた。
そのまま流され、江ノ島さんは地下深くに落ちていった。

苗木「え……?」

モノクマ「あれれ〜おかしいなぁ…」

十神「なんなんだ…江ノ島を何故殺さなかった?」

モノクマ「そ、そんなのボクにだってわかんないよ!」

苗木「いや、オシオキを止められるとしたらモノクマしかいないよ!」

石丸「オシオキを止めた?」

腐川「なんのためによ!」

苗木「江ノ島さんの口を封じたかったんだよ。だけど、殺すわけにはいかない」

モノクマ「うぷぷ……そうだねぇ。
江ノ島さんを抜きで裁判して欲しかったんだ、オマエラには」

十神「何故だ。何故そんなことをする」

モノクマ「だって、アイツバレバレじゃーん。怪しすぎてクロじゃないってバレバレすぎじゃーん!」

十神「江ノ島がクロじゃないだと?」

葉隠「おい待て、じゃあ、間違ったクロを指定した場合って…」

モノクマ「まぁまだ、江ノ島さんがクロの可能性もあるからね…保留ってことで」

モノクマ「ボクもタイムアップとか後付け設定出しちゃったし、その辺は見逃しておいてあげるよ」

モノクマ「じゃあ江ノ島さん抜きで時間無制限、ギブアップなしの学級裁判、再開でーす!」

十神「江ノ島が犯人じゃないとなると、犯行が可能なのはお前しかいないんだが、いったいどうやって指定すればいいんだ?」

モノクマ「ふぇ?江ノ島さんが犯人じゃない?そんなのどうやって分かったんだよ!」

大和田「何言ってやがる!さっきテメェで言ってただろぅが!!」

モノクマ「それでいいの?オマエラ、自分で真実を知りたくないの?」

モノクマ「まず、今回の被害者すら明らかになってないよねぇ、本当にマヌケだなぁオマエラは」

苗木「被害者って…舞園さんじゃないの?」

十神「まさか…モノクマファイルを見ろ!苗木!」

苗木「うん…」

急いでモノクマファイルを取り出すと、そこには、被害者の名前は記されていなかった。

苗木「ないよ…名前」

十神「クソ!何故こんな簡単なことに俺は気づいていなかったんだ!」

十神「被害者は舞園ではない。記されていないというのはそういうことだ。」

石丸「なんということだ!目の前で殺されたから、被害者が誰なのかなど、疑う余地もなかった!」

大和田「じゃあ、誰が被害者なんだ?」

十神「証拠はもうないのか!」

苗木「あるとしたら、舞園さんの部屋にあったこのサプリメントだけだよ」

十神「くだらん、アイツは最近、太ったと言っていたからな…ダイエット用だろう。」

大神「我も、ダイエット用のサプリメントは使用したことがあるが…それとは違うぞ。」

大和田「んーなんか見たことあるような気がすんだが…」

石丸「筋肉をつけるためのものじゃないか?スポーツ用とか」

大神「それも違うな、そういうものは我がひと通り見ておる。」

腐川「市販のものなのよね?それ?怪しいやつとかじゃないわよね?」

モノクマ「当たり前だよ!そんなものを神聖な学び舎に置くわけにはいかないよ!」

十神「市販のものか」

石丸「どんなものだろうと、僕は使うことはないな!健康を保つには運動が一番だ!」

葉隠「俺らに分かるわけねぇべ!基本、女が使うもんだろ?」

苗木「男の人でも使う人はいると思うよ?」

腐川「逆に女もみんなが使わないわよ…ていうか苗木、あんたは使うの?」

苗木「いや、使わないけど…」

腐川「じゃあ、この中で分かるのは大神だけね。あたしも使わないもの」

腐川「白夜様には必要ないし、大和田が分かるとしたら、怪しい薬物くらいだものね」

大和田「分かったぞ!」

腐川「ほら、見なさい!怪しいヤクなのよ!」

大和田「そりゃあ違うぜ!」

大和田「どっかで見たことあるとおもったら、俺のチームの中でそれと同じやつを女に買っていったヤツがいたんだよ!」

大和田「そいつは妊婦用だぜ!」

苗木「え?」

大和田「間違いねぇ!アイツはガキができたから、チームをクビにしたんだ!ちゃんと働けってな!」

十神「なぜ、舞園が妊婦用のサプリメントを摂取する必要があるんだ。やはり、貴様はプランクトンだな」

大和田「アァ?」

苗木「いや、十神君……そうかもしれないよ」

苗木「なぜ、舞園さんが太ってきていたか、あまり運動をしなかったか、サラシを着用していたか、なぜ今回の裁判が起きたのか……」

苗木「こう考えれば、全て辻褄が合う……」


苗木「今回の被害者は、舞園さんの赤ちゃんだよ!」

十神「なんだと……」

大神「な……」

腐川「高校生なのに妊娠なんて、不潔よ!」

石丸「なんだと……まだ生まれてもいなかった小さな命を救えなかったなんて……!」

葉隠「なんかコイツらだけ考えてることちがくねーべか?」

石丸「しかし、どういうことだ?」

十神「舞園をオシオキすると同時に、その胎内にいた胎児を殺してしまったということか…?」

石丸「オシオキするはずのない人間をオシオキしてしまった……」

大神「だから、黒幕がクロだということか」

モノクマ「イヤイヤ、そんなわけないでしょ〜クロは江ノ島さんだよ?1人殺そうが2人殺そうが、一緒なんだよ」

石丸「だが、黒幕をこちら側に引きずり下ろすこともできたぞッ!」

大和田「テメェを疑える理由もできたってワケだ」

モノクマ「うんうん、それは分かるよ?」

モノクマ「でもね、現段階では、江ノ島さんかボクかどっちつかずの状況でしょ?」

モノクマ「僕に見せかけた江ノ島さんの犯行ってこともあるんだよ?」

十神「確かに、どっちかの容疑を外すことも確定することもできない。」

大神「江ノ島がコントローラーでモノクマを動かしたことは事実のようだしな」

葉隠「そうだべ、江ノ島っちが余計な事しなけりゃ、モノクマが犯人で決定だったのに!」

腐川「そもそも、この裁判自体が起きてないわよ!」

苗木「え?」

苗木「腐川さん、もう一度言ってくれる?」

腐川「はぁ?だから、江ノ島がモノクマを操ったりしなければこの裁判はなかったって……」

苗木「そうか……分かったよ!」

腐川「何がよ!」

苗木「なんで、江ノ島さんがモノクマを操ったのか」

大和田「なんでだ!」

苗木「まず、5ーCで見たオシオキリスト…舞園さんの内容を思い出して欲しいんだ。」

十神「確か…合格なら首を切り落とし、不合格なら全身を切り刻まれる…だったな」

腐川「確か、舞園は不合格で、全身を切り刻まれたのよね」

大和田「何が違うんだ?」

葉隠「どっちにしたって、死ぬし、痛さは一緒だべ」

石丸「いや違うぞ…合格すれば、子供は殺されない……?」

苗木「そうだよ、舞園さんが死んだら、結果的には子供も死んじゃうけど…直接、黒幕が殺したことにはならないのかもしれない。そう考えると、江ノ島さんがやった行動の謎も解けてくる」

もしかして江ノ島って記憶失う前はとっくに改心して黒幕やめてたのかな?
で、誰かが黒幕乗っ取るか引き継ぐかして現在に至るとか

十神「なるほど…そういうことか」

そう言うと、十神君はおもむろにコントローラーのスイッチを入れた。

すると、モノクマはスイッチが切れたように動かなくなった。

モノクマ「………」

十神君がコントローラーを操作する。

すると、モノクマは無言のまま、歩いて行く。

裁判所の隅の方まで行っても、モノクマは動きを止めず、壁に向かって歩き続けていた。

モノクマは無言のまま、歩いて行く。

十神君が、スイッチを切ると一瞬その動きを止め、再び命が宿ったかのように動き出した。

モノクマ「もう!何すんだよ!それやられるとこまるんだよ!」

十神「なるほど…いつもモノクマを操っている電波をさらに強力な電波でジャックし操る構造だな」

十神「とんだ力技だが、電波はかなり強力だ。これなら…」

葉隠「つまりどーいうことだ?」

十神「あのオシオキの時、点数盤を破壊したモノクマは江ノ島が操っていた」

腐川「じゃあ、江ノ島があのオシオキの時、舞園を不合格にさせたってこと?」

大和田「んで、子供を殺させたんだな…」

葉隠「イヤな話だべ…」

石丸「しかし、そのおかげで黒幕をクロにすることができたぞ!」

苗木「そうだよ!舞園さんと江ノ島さんのおかげで、黒幕を引きずり出すことができたんだ!」

十神「しかし、これじゃ江ノ島が不合格にさせたせいで死ぬ予定のなかった子供が死んでしまったともとれる……」

石丸「しかし、どうせ母体が亡くなってしまうと、子も亡くなるだろうし…」

大和田「…でも、それって黒幕が殺したことになるのか?」

十神「ならないかもしれん…黒幕がオシオキスイッチを押したのは舞園だけを殺すつもりだったんだ」

十神「それを江ノ島が不合格にしたから、舞園の子供は死んだ。そう捉えることもできる」

苗木「あ…」

大神「可能性は…あるな」

葉隠「その場合、舞園っちは普通にオシオキされて…その子供は江ノ島っちに殺されたってことになるんか!?」

大和田「ややこしいな」

石丸「これは…本人すら、自分がクロなのかどうか分かってないんじゃないか?」

苗木「うーん…」

このままじゃ、クロは江ノ島さんになってしまう……

でも、江ノ島さんは舞園さんを不合格にしただけ…

殺してなんかいないはず……

腐川「今回の被害者はその赤ん坊なんだから、クロは江ノ島になるわね…」

葉隠「やっぱそうだべ、なんだかんだあったけど、結局、クロは江ノ島っちなんだべ!」

……そうだ!

苗木「それは違うよ!」

葉隠「なんでだべ!」

苗木「確か、モノクマファイルに書いてあったんだよ!クロの定義が!」

葉隠「なになに、モノクマファイルによると、クロはオシオキスイッチを押した者って書かれてるべ!」

モノクマ「なぬっ!」

石丸「それなら、江ノ島君はクロじゃないぞ!」

大和田「クロはスイッチを押した方……つまり、黒幕じゃねぇか!」

腐川「ふん…詳しく書きすぎたのが仇になったわね」

モノクマ「だ、だったらどうなんだよぅ!」

苗木「事件を最初からもう一度振り返ってみせるよ!」

クライマックス推理

まず、この事件の最大のトリックは舞園さんが仕掛けたものだった。

舞園さんはお腹に別の命を宿していたんだ。だから、舞園さんは太ったように見えたのかもしれない。運動を怠っていたのもそのせいだ。

しかし、舞園さんはそれを誰にも話していなかった。むしろ、隠そうとした。そのためのサラシだったんだ。

でも、江ノ島さんには気づかれた、もしくは話したのかもしれない…これは、2人がプールから帰ってきた時からの壮大なトリックだったんだよ。

舞園さんは自分がオシオキされることで、自らの子供を黒幕に殺害させるように仕向けたんだ。

しかし、それを知っていたのか黒幕のオシオキの予定では、舞園さんは、合格し首を切り落とされて死ぬはずだった。
そうすれば、黒幕が直接、子供を殺したことにはならないからだ。

しかし、江ノ島さんは昔作っていたモノクマのコントローラーを使い、モノクマを操った。
そのモノクマで、点数盤を破壊し、舞園さんは不合格になった。

そのため、全身を切り刻まれて舞園さんは死んだんだ。そして、お腹にいた舞園さんの子供も死んでしまった。

しかし、それは舞園さんの予定通りだった。
黒幕にオシオキをされる代わりに黒幕に殺人をさせることに成功したんだ。

苗木「今回の事件のクロはオシオキスイッチを押して、舞園さんをオシオキし、その子供を殺害した……黒幕だよ!」

モノクマ「うぷぷ…うぷぷぷぷ…すごいよ、素晴らしいよ!よく、ここまで辿り着いたねぇ…」

モノクマ「でもさ、原点に戻ってよーく考えてみてよ。どっちがスイッチを押して、どっちが点数盤を破壊したか……分かるの?」

苗木「えっ……」

モノクマ「確かにクロはオシオキスイッチを押した人だけど…それがボクなのか、江ノ島さんなのか分かるの?」

腐川「次から次に…」

十神「それこそ、本人のみぞ知るだな…」

葉隠「待て!お前が、点数盤を破壊するなんて意味が分からねぇべ!」

石丸「そうだ!そうする理由がない!」

モノクマ「それがあるんだなぁ…ほら、ボクって目に見える物全て壊したい年頃だからさ…」

モノクマ「てゆうか、スイッチを押したのも、点数盤を破壊したのも江ノ島さんだっていう可能性もあるんだよ?」

腐川「明確な証拠を出さなきゃダメみたいね」

モノクマ「それに…江ノ島さんを信用してもいいの?」

苗木「えっ…」

モノクマ「彼女は紛れもなく、このコロシアイを計画していた黒幕だったんだよ?」

モノクマ「今までの事件にも江ノ島さんは大きく関わってきたよね?」

モノクマ「朝日奈さん…戦刃さん…桑田君…セレスさん…不二咲さん…山田君…みんな、江ノ島さんが殺したと言っても同然だよね。」

モノクマ「それに、霧切さんの時も関わってたかもしれないんだよね?じゃあ舞園さんも霧切さんもみーんな彼女が殺したようなもんだよね?もちろん、舞園さんの子供もね」


モノクマ「何より……君は、江ノ島さんに殺されそうになったんだよね?」

あの時の様子がフラッシュバックして行く……


目覚めるとそこにいた江ノ島さん…

驚いてる隙に首のすぐ横にナイフを突き刺された…

ナイフの冷たい感触と…掠めた首から出た熱い血の感触が……


苗木「モノクマ……いや、黒幕…は、犯人を知ってるんだよね?」

モノクマ「当然だよ!」

苗木「そして、江ノ島さんを犯人だと言っている!」

モノクマ「うん!」

苗木「だったら……なんであの時、助けに来なかったの?」

モノクマ「へ?」

苗木「江ノ島さんがクロだとすると、舞園さんと舞園さんの子供…既に2人を殺害してることになる。言ってる意味、分かるね?」

十神「フン…そういうことか」

モノクマ「ど、どういうことだ!説明しろ、十神!」

十神「黙れ、気安く俺の名を呼ぶな……苗木が言っているのは、殺人人数のルールのことだ。」

葉隠「それって、ジェノサイダーが暴れた時にモノクマが作ったヤツだべ!」

十神「お前はそこまでは頭が回っていなかったようだな…しかし、逆に江ノ島はそれを利用したということだ。」


腐川「どんなルールなのよ!?」

石丸「そういえば、腐川君は気絶していて、まだ知らないのか!」

大神「1人のクロが殺せるのは、2人まで、それ以上殺そうとすれば、止める……こうだったな」

大和田「確か…お前が…全力でだったよなぁ?」

モノクマ「うげっ!」

苗木「でも、止めなかったよね?……いや、厳密には止める権利がなかったんだよね?」

苗木「江ノ島さんは殺人を犯したクロではないから!」

モノクマ「ガビーン!」

十神「いい加減に諦めろ…もうお前の犯行だというのは間違いないぞ?」

モノクマ「ショボーン…ハイ、ボクがやりました」


学 級 裁 判

閉廷!

今日はここまで

これ霧切は黒幕おびき出すために犠牲にさせられたってことなのか?

狛枝より酷そうなことしてて、良く普通に共同生活させてもらえてたな江ノ島wwww

もしかして苗木ってこまるのほうか?舞園がさんづけしてるし

・舞園が中学時代のことを何も言わない
>>76で自分のことを私と言ってる
・石丸が苗木が参加する事に対して何も言ってない
・苗木の下の名前は明言されてない

なんで完結するまで待てないのかなぁ
もし物語の根幹に関わることなら答えられるわけないし、この先書きづらいだろ
叙述トリックのネタバレとか本当酷いな

ほんそれ

苗木は女ってほぼ明言してるじゃん

作者の考えを先読みできる俺スゲーがしたい読者様多すぎ

推理物SSだと皆で読み解く楽しみが発生しちゃうから
仕方ない部分もあるけどね

バイトとかで少し、忙しくなってきたので、これからしばらく放置します。
たぶん………2月6日くらいには、戻ってこれるかと思います。

ちょっと色々あったので、少しだけやる気を失くしかけていますが、最後までだいたい書き溜めしてるので、一応投稿だけはしたいと思います。よろしく
1より



おつおつー
体調に気を付けてねー

舞園のオシオキ→最後の学級裁判への流れすごく斬新で面白かったです
続き待ってます!

再開します

chapter6 非日常編


モノクマ「でも、ボクの名前が分からない以上、投票もできないよね?どうしよっか?」

本来、暴くはずだった黒幕の正体は結局、まだ分かっていない。

でも、犯人が黒幕だっていうことは間違いないんだ。


苗木「いいよ、何もしなくて……でも、その代わり江ノ島さんのオシオキは解除してほしい」

モノクマ「江ノ島さんのオシオキ?なにそれ?」

苗木「江ノ島さんは今、地下深くに閉じ込められてる…早く助けてあげないと、死んじゃうよ」

大神「そうだな…江ノ島はクロではないのだ。処刑をすることは許されんぞ」

葉隠「げっ!江ノ島っちはまだ生きてるんか?」

腐川「あんたって、本物のクズね」

石丸「しかし、あの高さから落ちたら……」

大和田「江ノ島だぞ…」

石丸「確かに…彼女がそう簡単に死ぬとは思えないな」

十神「まあ生きてるだろうな…人ほどの重さがあの高さから打ちつけられれば、かなりの音がするはずだ。何かがクッションになったんだろう」

モノクマ「うん…でもまぁ、大量のゴミに埋もれて絶望的な気分を味わってるかもね〜」

苗木「じゃあ早く、江ノ島さんをそこから出してあげてよ」

モノクマ「えーイヤだなぁ〜」

苗木「なんで?」

十神「もしかすると…モノクマの電波があそこまで届かないのか?」

モノクマ「……イヤイヤ、ボクって潔癖症でさぁ…あんな汚いところには行けないよ」

大和田「つーことは、俺たちで助けに行くしかねーのか」

モノクマ「そゆことー。じゃあ、今回の裁判も終わったことだし……またねー?」

ヒョコッ

石丸「おいっ!待て!」

腐川「…行ったわね」

石丸「黒幕の正体を暴くのも大切だが、とりあえず今は江ノ島君の命を救うことに尽力しよう!」

葉隠「その前にとりあえず…帰らねぇか?」

〜食堂〜

葉隠「ハァ〜疲れたべ〜もうしばらく頭使いたくねぇべ」

腐川「アンタは頭、使ってないでしょ!」

苗木「休んでる暇はないよ!早速、江ノ島さんを探しに行こう。」

石丸「しかし苗木君…探すと言ってもどこを探せば……」

苗木「今まで、学級裁判が終わった後は、どこか新しい場所が開放されていたよね?今回もそうだと思うんだ!」

石丸「そうか!その可能性はあるな!では、寄宿舎2階と、校舎の4階、5階にそれぞれ人を割り当てよう!」

葉隠「ハァ〜また捜査すんだべかー?」

石丸「葉隠君!君はボクと一緒に来たまえ!校舎の5階に行くぞ!」

葉隠「ヒェ〜よりによって、一番遠いとこだべ〜」

大和田「うっし……大神、俺と校舎の4階にいかねぇか?黒幕のヤツがいるかもしんねぇ…ぶっ飛ばしてやりテェんだ。」

大神「そうだな…では、腐川も一緒に行ってもらうことになるが。いいか?」

腐川「えっ…と私は白夜様と」

十神「腐川、行け」

腐川「…はい」


十神「よし……苗木、行くぞ」

苗木「うん!」

〜寄宿舎2階〜

苗木「本当にシャッター開いてたね」

十神「ああ…一応、黒幕なりのこだわりがあるんだろう…」

苗木「でも…ここに地下への道があるとも思えないよ」

十神「そうだな…地下に行けるとしたら、あの赤い扉の先にあるエレベーターだけだ。」

十神「……今のところはな」

苗木「そう考えると、校舎の4階や5階も地下に行ける可能性は少ないよね?」

十神「そうだな…地下へ行く道があるとしたら、一階のハズだ」

苗木「特別な作りをしていたとしたら?」

十神「この建物は別にカラクリ屋敷じゃない。普通の学校のはずだ。多少、改造されてはいるがな」

苗木「一階かぁ…そういえば、キッチンの床に扉が付いていたような…」

十神「あれはタダの収納スペースだ。」

十神「いや待て、床に扉があるところならもう一つあったぞ?」

〜トラッシュルーム〜

ガチャ

床の扉を開けると、先の見えない長い梯子が下りていた。

十神「ビンゴだな。」

苗木「この先に江ノ島さんが……」

十神「降りるぞ。苗木、行け」

苗木「えっ?十神君も行くの?」

十神「なんだ?俺が行ったら邪魔か?」

苗木「いや、意外だなぁって思って……てっきり『俺があんなところに行くわけないだろう』とか言うのかと」

十神「いいから、さっさと行け」

苗木「うん」




カツン

カツン

カツン


カツン………

長い階段を下りて行く…

苗木「それにしても長いよね…」

十神「当然だ…エレベーターであれだけ時間がかかるところのさらに下にあるのだからな」

苗木「うん…気が遠くなるよ」

十神「しかし、そろそろ地面が見えてくるはずだ…」


カツン

カツン

長い階段を降りきると、そこにはまたドアがあった。

苗木「この先が、地下のゴミ捨て場なのかな?」

ガチャ

十神「開いているな…モノクマはここまできたのか?それとも遠隔で解除できる電子ロック付きなのか…」

ドアを開けるとそこはゴミの山だった。
江ノ島さんはその頂上にゴミで玉座を作って座っていた。

江ノ島「あ!苗木に十神だ!アタシもう、絶望的に退屈だったわよ〜」

苗木「江ノ島さん!大丈夫?」

十神「フン…どうやら無事のようだな」

江ノ島「まぁ、おかげさまで」


十神「まあ、ともかくだ。江ノ島……助かった。」

苗木「へ?」

江ノ島「え?何?何?もっかい言って?」

十神「二度は言わん」

江ノ島「まさか…十神がお礼を言うなんてね……意外だったわ」

十神「フン」

苗木「江ノ島さん、ごめん。そして、ありがとう」

江ノ島「苗木までどうしたのよ?そんなんイイってば」

苗木「でも、江ノ島さんは命をかけて黒幕を引きずり出してくれた……でも、江ノ島さんのこと、疑ってた。」

江ノ島「まぁ確かに疑われて当然のことをしたしねー!いいって事よ」

江ノ島「で?今はどうなってんの?まだ…あんた達が生きてるってことは…黒幕は死んだの?」

苗木「ううん…どうしても投票で決着をつけなきゃならないんだ」

十神「その為には黒幕の正体を暴く必要がある」

江ノ島「なるほど…よし!」

苗木「何?」

江ノ島「黒幕に戦線布告するわよ!」

〜寄宿舎 一階〜

苗木「モノクマ〜出てこーーいッ!」

モノクマ「ハイハイ…うるさいなぁ…そんな大声出さなくったって聞こえてるよ」

江ノ島「ヤッホー」

モノクマ「あ、江ノ島さんおかえり〜」

江ノ島「ただいまー……ッて、コンニャロー!人をあんなゴミ溜めに閉じ込めやがって!」

江ノ島「絶望的な気分にさせやがって!………ありがとうございます!」

苗木「お礼言っちゃったよ!」

モノクマ「で?なんなの?ボク今、忙しいんだけど…」

十神「貴様は先ほどの裁判でクロになった……次の裁判では俺たちがお前の正体を暴く」

十神「そこで、全てに決着をつける」

モノクマ「うぷぷ…いいねぇ、最後の学級裁判か。でも、それだけじゃ物足りないよねー」

十神「何がだ……」

モノクマ「まだ裏切り者もいるし…オマエラは重大な事実にも気づいていないんだよ?」

江ノ島「じゃあ、その全てを解き明かすまでよ!江ノ島の名にかけて!」

モノクマ「うん…そうだね。こうしよう。僕は君たちが謎を全て解き明かしたら…姿を見せる」

モノクマ「その後、僕をオシオキするなりなんなりすればいい」

苗木「……」

なんだか、モノクマの口調が変わった。

でも、それはどこか懐かしい…聞いたことのあるような喋り方だった。


十神「しかし、調べようにも様々な証拠がいるぞ」

モノクマ「その辺はオマエラで何とかしてよねーボクはオマエラの保護者じゃないんだからさぁ」

モノクマ「じゃあ期限は明日の朝7時までとしまーす!こんなに長いなんてボクは太っ腹だね〜」

モノクマ「それじゃあね〜ついでにみんなにも伝えといてあげるよ」

十神「やるしかなくなったな…」

江ノ島「アタシの計画がどう失敗したのか…そして、計画を阻止した裏切り者…それを知る絶好のチャンスね!」

十神「だから、ヤケに乗り気だったのか…」

苗木「もう、やるしかないよ」

やってやる…全ての謎を解き明かして、外の世界に出るんだ!

〜捜査開始〜

江ノ島「どこから行く?黒幕の秘密が隠されてそうなとこと言えば……」

十神「とりあえず調べれるだけ調べるんだ。話し合いは学級裁判でやればいい」

苗木「みんなもそれぞれの場所を調べるはずだし、まずは、寄宿舎の2階に行こうよ」

〜寄宿舎2階〜

十神「あんな啖呵を切ったはいいが…黒幕が残した証拠などあるのか?」

苗木「まぁ、処分しようと思えばいつでもできるもんね…」

江ノ島「でも、それこそツマラナイんじゃない?これを見てる人からしたらさ」

苗木「でも、これって本当に外の世界で放送されているのかな…」

苗木「ていうか、江ノ島さんの計画でも放送はするはずだったんでしょ?どうやってやるの?」

江ノ島「電波ジャックかしらね」

苗木「かしらって…他人事みたいに」

江ノ島「しょうがないでしょ?アタシだって計画は立ててたけど…実行の2年前の記憶しかないのよ?」

苗木「そうだったね」

十神「無駄口を叩く暇があるなら、手を動かせ」

苗木「でも、十神君は気にならないの?」

十神「こんな光景が世界に配信されているとしたら、警察が助けに来ないのは気になるな」

江ノ島「アタシの予想では今頃世界は絶望に支配されて、警察も機能しなくなってるはずだけど」

十神「そんな馬鹿げたことがありえるか……さっさと何らかの証拠を探せ」

苗木「……」


江ノ島「……あれ?ここは学園長の自室みたいね?」

十神「まぁ他はロッカールームや、
ただの部屋だったからな…何かあるとしたらここだな」

苗木「入ってみようか」

〜学園長の自室〜

江ノ島「お邪魔しまーす」

十神「ふん…パッと見たところ…普通の部屋だな。俺たちの個室とさほど変わらん」

江ノ島「なんか電子生徒手帳っぽいやつ見つけたー」

十神「ほう…学園長の緊急用のものか……」

苗木「パソコンがあるよ?」

江ノ島「と来たら…パスワードがいるわよね」

十神「確か…学園長は霧切の父親だったな…」

十神君は、何の疑いも持たずkyokoと入力した。

するとすぐに、ようこその4文字がディスプレイに現れた。

十神「フン、ザルなセキュリティだな」

江ノ島「自分の娘の名前がパスワードってチョットキモくない?」

苗木「えぇ?そうかなぁ」

江ノ島「あんたって、変なトコで変わってるわね。……で、なにか重要な情報は残っていたかしら?」

十神「ほぼデータは消されているな…だが、動画ファイルが1つだけあるようだ」

江ノ島「黒幕がわざと残したのね」

苗木「見てみよう」

なるほど、この発想は無かった、胸アツだなおい

再生ボタンを押すと、すぐに再生が始まった。

中年の男性が椅子に縛り付けられ、目隠しをしている場面がいきなり目に飛び込んできた。

苗木「え?何これ」

江ノ島「あ…もしかしてそういうビデオ?」

十神「くだらん…」

十神君がパソコンの電源を落とそうとした時…画面の中から聞き覚えのある名前が聞こえた。

『止めてくれ!響子!』

そう言っているのは縛り付けられた男性……じゃあ、この人は……

そして、その男性の近くに歩み寄って行ったのは紛れも無い霧切さんだった。

右手にはナイフを持っている。

助けにきた様子じゃない…むしろ逆だ。

そして、男性の正面に立つと、無防備な胸に向かって思いっきりナイフを突き刺した。

そこで、映像は途切れた。

霧切さんが、自分の父親を殺した?

【父親を殺害した霧切】

十神「霧切が生きていれば問い詰めたいところだが…」

十神「まぁいい、次へ行くぞ」

江ノ島「ハァーイ」

苗木「…うん」

〜ロッカールーム〜

十神「さて、このロッカールームだが…過去に俺たちが使っていたものじゃなさそうだな…」

苗木「うん…77期生って書いてあるよ」

江ノ島「アタシ達は78期だもんねーでも、なんかの手がかりになるかもしれないしぃー開けてみようよぉ〜」

十神「フン…そうだな」

十神君がロッカールームの読み取り部分に緊急用電子生徒手帳をかざすとピピーッという音がなった。

十神「開いたか?」

江ノ島「へぇ〜このロッカーは日向創って人のらしいわね〜」

苗木「あれ?これって何だろう?」

十神「メモか…」

江ノ島「1ページだけ切り取って置いてあるって事はなんか意味があんのかしら」

十神「何が書いてある」

そのメモにはこう記されていた。




田中が殺された。
モニタールームの前で、頭から血を流して倒れている。その傍らには血塗れのレンチが落ちていた。

2の面子も死んでるのか
ってかカムクラじゃないのか

脳味噌いじられてカムクラ化しても、奇跡的に正気を保ってたIFかもしれんぞ

どうしてだ?このレンチは……左右田のだ。間違いない。狛枝は無事なのか?それとも、狛枝も共犯なのか?

モニタールームは声をかけても応答がなく、開けようとしても鍵は締められていた。

急いで、罪木にも連絡をとったが…出ない。5-cに戻ってみたが、罪木と西園寺はまだ戻っていないとのことだった。

とりあえず、狛枝と左右田に気をつけるよう言って、俺たちは一階に降りた。




苗木「ん〜ん、なんだろう」

江ノ島「なにこれ推理小説かしら?でも、文才もないし、どこにでもありそうな展開…これじゃあ超高校級の推理作家とは言えないわよね〜」

十神「そうか?実に興味深い内容だがな」

【日向創の手記】

気になるものと言えば、その手記くらいで、他のロッカーもノートや教科書が詰まっていただけだった。

十神「寄宿舎二階はこんなものでいいか」

江ノ島「次はどこ行く?」

苗木「後は校舎の4階か5階かな?」

十神「じゃあ、4階だ。学園長室が開いているのなら、かなりの情報が期待できる。」


〜学園長室〜

十神「何か見つけたか?大和田」

大和田「おう、江ノ島!無事だったか」

江ノ島「まぁ、お陰さまで」

十神「無駄話はよせ….何か見つけたのかと聞いている」

大和田「ちっ!ウッセーな!希望ヶ峰学園の名簿を見つけたぞ!」

苗木「名簿?」

大和田「ああ、74〜78期の名前と才能が書いてあるぜ、顔はワカンねぇがな!」

十神「おい…78期の情報が黒く塗りつぶされているぞ」

大和田「黒幕に消されたんだろ…発見した時既にそうだったんだ」

苗木「これじゃ意味ないよね…」

と言いつつも、74期から77期までの情報を見渡してみる。

74期
超高校級のサッカー選手…
超高校級の記者…
超高校級の歌手…
超高校級の幸運…
超高校級のマジシャン…



75期
超高校級の幸運…
超高校級の棋士…
超高校級の物理学者…
超高校級の社長…
超高校級の船乗り…



76期
超高校級の植物学者…
超高校級の兵士…
超高校級の発明家…
超高校級の女優…
超高校級の幸運…



77期
超高校級の体操部…
超高校級の極道…
超高校級の写真家…
超高校級の幸運…
超高校級の日本舞踏家…



1期につき、15、6人の人が入学していたみたいだ。才能はみんな違うのかと思いきや、違う学年には同じ才能を持つ人もいるようだ。

その中でも、目を引いたのが………

苗木「あれ?超高校級の幸運って、毎年いるんだ……」

大和田「おお!オメェも気づいたか!そうなんだ、毎年、超高校級の幸運は入学するはずなんだ。」

十神「俺たちの期にもいたかもしれんということか…面白い。」

【超高校級の幸運】

大和田「それに加えてだな、77期には編入してきた奴がいたらしい…」

大和田「なんでも超高校級の才能はないらしいんだが、1人だけ詳しい情報が分かったぜ」


大和田君はある紙を見せてくれた。そこには、ごく普通の少年の顔が載せられている。

名前は……日向創……

【編入生】

十神「なるほど、その可能性もあったか……」

苗木「え?なんのこと?」

十神「お前の事だ……お前は俺たち78期に編入してきたのかもしれん」

十神「それなら、お前が入学することすら覚えていなかったことにも説明がつく」

苗木「でも……なんの才能もないんだよ?」

十神「お前やこの日向のような才能のないものを編入させるというプロジェクトができたのかもしれん」

苗木「……そうなのかな」

江ノ島「んで?他に何か見つからなかったの?」

大和田「後は…変なメモだな…変なメモがあったぞ」

苗木「変なメモ……それって!」

大和田「おう!これだ」



どうやら、侵入者が出たらしい……弐大と終里がその対処に当たるため、1階へ降りた。

しかし、いったい誰だ?あいつらを助けに来たのだろうか?いや、そんな奴いるわけない……間違えて入ってしまったってトコだろう。

その後、罪木と西園寺も出て行った。なにやら、あいつらの1人に異常があったらしい。

少し異常が続いてるようだ。

しかし、俺たちが考えてもどうしようもないので、トランプでもして、暇を潰すことにした。

3ゲームくらい終えると、交代の時間が近づいて来た。俺と九頭竜は、5-cを離れモニタールームへ向かう…今は左右田と狛枝と田中が監視しているはずだ。

しかし、トランシーバーで連絡しても出ない……もしかして、こっちでも何かあったのか?




【日向の手記2】

苗木「やっぱりそうだ…これって、何枚もあるんだよ!1枚じゃ訳がわからなくて当然だったんだ!」

江ノ島「…これの後に、さっきのやつかな?」

十神「そうだろうな…今回のは田中の生死を確認する前のようだ。」

苗木「…あれ?知ってたの?」

十神「なんだ……1枚目を見た時からそんなことは気づいていたぞ」

苗木「2人ともただの小説の一部だと思ってると思ってたよ」

十神「あの黒幕ならそんな無駄なこともやりかねんがな…これは本物だ」

苗木「そ、そうなんだ」

江ノ島「あと3枚くらいはどこかにあると思うわ」

苗木「そんなことまで!?」

十神「学園長室もこんなものか……名簿には期待していたんだがな」

苗木「次は情報処理室だね」

〜情報処理室〜

情報処理室のドアを開けると、そこには驚くべき光景が広がっていた。

苗木「うっわ…モニターだらけだね」

腐川「ここで、黒幕はあたし達の様子を監視してたみたいね……」

大神「そして、どうやら我等の様子が放送されていたのは、本当だったようだ」

大神さんがテレビのスイッチを押すと、そこには葉隠君と石丸君が生物室にいる様子が映った。

葉隠君が寒そうにしているところを石丸君が叱咤している。

十神「これは……」

江ノ島「どこに変えても私たちの姿が映ってるっていうのね!絶望的ィーッ!」

大神「それは違うな…他のチャンネルでは普通のテレビが放送されている。」

そっか、この作中では苗木が幸運とはわからないんだっけ
そも幸運でもないかもしれんのか

>>340
まぁ幸運っぽい描写はあったけど…って感じですな


大神さんが適当にボタンを押すと、画面は何かのドラマに切り変わった。

江ノ島「あり?普通じゃん」

苗木「一般的なテレビ番組として、コロシアイが放送されてる……」

十神「監視カメラは監視するだけでなく、全国に放送するための物でもあったんだな」


【コロシアイ生活の生中継】


苗木「腐川さん、あっちの部屋は?」

腐川「知らないわよ…あそこは鍵がかかってんのよ」

江ノ島「あっちはモノクマを操る部屋ね」

江ノ島「アタシが起きたのはその部屋だったのよねー」

十神「黒幕と接点を持ったのはお前だけだからな…学級裁判では詳しく話してもらうぞ」

江ノ島「ハハッ今さらかよ!」

大神「あと、おかしな物を見つけたんだが…」

大神さんが取り出したのはヘルメットのようなものだった。頂点から、数本コードがのびている。

苗木「何これ?ヘルメット?」

腐川「記憶を奪う装置らしいわ…あたし達が使われた物とみて間違いないわね」

苗木「これで…記憶を」

大神「説明の様なものもあったのだが…ハメると、意識が飛び…ヘルメットを外すまでは起きれないと書いてあったぞ」

江ノ島「なかなか、ヤバイシロモノね」

十神「こっちのタブレット端末はなんだ?」

腐川「そのヘルメットをハメてる人間の脳波の状態が分かる端末みたいです」

十神「意識がない人間をモニターで監視する必要もないか…」

【記憶を奪う装置】
【状態が分かる端末】

苗木「あとは……変なメモみたいなの見つけなかった?」

腐川「これ?このガキが作ったゴミみたいなメモのこと?」

苗木「多分それだよ!」




今日も世界は希望に満ち溢れている。俺たちはついに例の計画を実行させた。

今日、記憶を奪うことに成功すれば、明日には計画がスタートできる…こいつらを救ってやれるんだ。

俺たちは記憶を奪う様子を2人1組で監視することにした。

しかし、監視と言っても、すでに全員、記憶が消えるまで意識を取り戻すことはない。
そのため、タブレットで健康状態だけを把握する。

しかし、江ノ島盾子だけは危険なので、直接モニタールームでその姿を監視することにする。

あとは、ないとは思うが、一応、誰かが迷いこんで来た時の為の監視もしておくことにした。



十神「何故か監視にはあまり気合が入ってなかったようだな」

江ノ島「アタシだけ、ジロジロと下衆な視線で直接監視されてたなんて、絶望的ィーッ!」

【日向の手記3】

〜生物室〜

苗木「うわっ寒っ!」

葉隠「ほら見ろ滅茶苦茶寒いんだべ!石丸っち。こんな程度寒いとは言わん!じゃ、ねぇべ!」

石丸「君も苗木君も気合が足りんのだ!十神君はこんな中でも堂々としているぞ!」

十神「寒いと喚いたところで暖まる訳でもないだろう。」

江ノ島「で、あそこにあるのは何?」

江ノ島さんが指差す方向には、16個の冷凍庫のようなものがあり、その内9つのランプが点灯していた。

石丸「亡くなったみんなの死体だ…冷凍保存されているらしい」

十神「こちら側もか?」

十神君が指差す方向には、同じように冷凍庫があったが、こっち側は15個のランプが点灯していた。

石丸「亡くなった人の死体が納められていることは分かるんだが…そちら側の人は誰なのか分からないんだ」

十神「分からない?原型を留めていないということか?」

石丸「違う…知らない人なんだ。」

【24体の死体】

苗木「知らない人?」

十神「フン…見てみる必要がありそうだな。それよりあっちに付いてる9つのランプは誰なのか分かってるんだな?」

石丸「ああ…戦刃君、不二咲君、桑田君、山田君、霧切君は判別できた……後はだいたいだが、セレス君、朝日奈君、舞園君とその子供だと思われる。」

十神「そうか…」

十神「よし、苗木、こっち側を調べるぞ」

苗木「うん…」

死体を見るというのはあまり気が進むものではないけど、そう悠長な事も言ってられない……

やるしかないんだ

一つ一つ、死体を確認していく…その中に見覚えのある人はいなかった。

驚いたことに全員に外傷がある…

頭を損傷している人が1人、首を絞められたような人が2人、大きなツメで引っ掻かれたような人が2人、
後の多数はナイフで刺されたり、斬られていた。
そして、体も小さく、顔も童顔の少年の死体を確認後、最後の冷凍庫を開けた。

そこには、胸にどす黒い穴が空いた日向創が静かに眠っていた。手に見覚えのあるものを持って……

十神「また、このメモか…」

苗木「この人が日向創さんだね」

十神「…とりあえず見てみるぞ」




鍵は締まっていた。
あいつらも不穏な事態に気づき、鍵を閉めていたのだろうか……良かった。ひとまず、安心だ。
俺だと証明するため、声を上げてドアをノックした。すぐに鍵が開く音がした。

しかし、ドアを開けるとそこには絶望的な光景が広がっていた。

ここにいた6人全員が殺されている。それに、アイツまで……唖然としている間に九頭竜が殺された。

なんの躊躇もなく、ナイフで首を掻っ切られた。

狂ってる……

俺の胸にもナイフが突き刺された……もう力が入らない。

コイツ……だったのか


十神「フン…衝撃のラストだな」

苗木「えっ!これがラストなの?」

【日向創の手記4】

十神「しかし、これだけでは物語は繋がらん……あと一つはあるはずだ」

苗木「うん…あるとしたら、5-cかな?」

十神「恐らくそうだろうな」

〜5-C〜

臭い……

あの手記によると…ここで、日向創は死んだんだ…他にも7人がここで殺されたとも書いてあった……

こんな所には入りたくもないけど…

黒幕は前の事件でもヒントになるものをここに置いていた…まるで、嫌がらせをしたいかのごとく。

そして、それは床にポツリと落ちていた。




罪木と西園寺の死体を発見し、俺は左右田か狛枝、若しくは2人の裏切りを確信した。罪木たちは素手で首を絞められ殺されている。

しかし、思い当たる節がない。

絶望の復活か?……でも、記憶を消す機械は誰1人、止められていない。

だったらなんの為に……記憶を奪う装置は左右田が作ったものだし、狛枝はこの作戦に誰より協力的だった。
あいつらが絶望に堕ちるわけなんてない。


それに、侵入者の事もある……弐大たちは大丈夫だろうか?

このタイミングってことは、腕が立つあいつらをなんとか俺たちと分断させようとしているのか?

分断……悪い予感が頭をよぎる…今、俺たちも分断させられているんじゃないのか?

とりあえず、これ以上の被害は避けなければならない。
俺たちは機械をつけたアイツらには目もくれず、5-cに戻った。


苗木「これがさっきのに繋がるんだね」

十神「この手記もおそらく全て揃ったし、調べる場所は全て調べた。明日に備え、休むべきだな」


十神君と別れ、部屋に戻った。
少し、集めた証拠を整理させよう。
今回は、今まで集めた黒幕の情報もある。

【クラスメイトではない裏切り者】
【黒幕はクラスメイト】
【絶望のジェノサイダー】
【父親を殺した霧切】
【日向創の手記】
【希望ヶ峰学園名簿】
【編入生】
【生放送】
【記憶を奪う装置】
【状態が分かる端末】
【24体の死体】
【超高校級の幸運】

こんなものかな?……少し不安だけど、みんなと一緒に推理すればきっと真相を掴めるはずだよね!

希望に満ちたまま…眠りについた。

ーPM7:00

モノクマ「オマエラ!おはようございます!早速ですが…赤い扉の前にお集まりください!」

モノクマ「それと…枕元に置いてあるのは僕から遅めのクリスマスプレゼントでーす!」

枕元………?

振り返ってみると、大きな靴下がある。

その中に…1枚の紙切れ……

まさか…まだ続きが?

しかし、落ち着いて見てみると…それは違うメモのようだった。




僕は希望の為に今回の計画を立て、同じクラスメイトに牙を剥いた。

絶望的な絶望達の中で…希望がどういうふうに成長していくのか…今から楽しみだよ!

そして、その希望を……






僕は希望の為に今回の計画を立て、同じクラスメイトに牙を剥いた。

絶望的な絶望達の中で…希望がどういうふうに成長していくのか…今から楽しみだよ!

そして、その希望を……



苗木「なんだろ…これ?黒幕の手記?」

【黒幕の手記】

とりあえず、制服のポケットに仕舞うと、身支度を済ませ、赤い扉に向かった。

〜エレベーター前〜

もうすでにみんなは集まっていた。

いつもピリピリしている十神君や腐川さんはともかく、葉隠君や大神さんまでピリピリした雰囲気だ。

江ノ島「おはよー苗木ぃー!」

江ノ島さんは相変わらずだけど…

苗木「あ、そういえばみんな、モノクマからのクリスマスプレゼントは見た?」

大和田「っ……」

葉隠「……」

苗木「えっ?」

何だろう…何も怒らせるような事は言ってないと思うけど…

【クリスマスプレゼント】

みんなの様子がおかしい…クリスマスプレゼントに何か仕掛けがあったんだろうか?
そんな疑問を抱きながら、エレベーターの中に乗り込んだ。

今日、見付けて此処まで一息に読んでしまった、
叙述トリックは分かり易かったみたいだけれど、まぁ、確かに反応とか、
死んだ人とか、ね……怒んないよ?
しかし、未だにどういう立ち位置かが漠然として
そっちがどう組まれているか楽しみです。

学 級 裁 判

開廷!!

モノクマ「さぁて、オマエラ!最後の学級裁判を始めますよ〜ッ!」

モノクマ「今回は特別ルールが適用されます。前回、クロになってしまったボクの正体」

モノクマ「さらに、裏切り者の正体。さらにさらに、この学園で起きたことを解き明かしてもらいまーす」

十神「この学園で何が起きたのか…それさえ分かれば、裏切り者…そして、黒幕の正体も分かるだろう」

大神「この学園で起きたことか」

大和田「江ノ島の計画を元クラスメイトの誰かが乗っ取ったんだろ?」

石丸「では、江ノ島君!どんな計画だったか、もう一度説明したまえ!」

江ノ島「そうですね。私はオマエラの記憶を奪い…学園に閉じ込めることでコロシアイをすることを計画していました。」

江ノ島「その際、コロシアイの動機になるのは外に出たいっていう気持ちだったんだよー?」

江ノ島「でも、そんな計画も…音を立て崩壊していきました」

葉隠「久々に江ノ島ワールド全開だべ!」

苗木「でもそれはタダの2年前の計画から推測したものなんだよね?」

江ノ島「そうみたいねー、実際この学園で起きたこととは、大きくかけ離れてるわ」

十神「そうだ…江ノ島の計画は全くと言っていいほど関係ない。このコロシアイを計画したのは77期生だ」

大神「77期生とは、我らの先輩にあたる者たちだな」

葉隠「なんでそいつらが出てくるんだべ!」

石丸「そう思う根拠を提出したまえ!」

十神「日向創…77期に在籍していた男だ。コイツの手記が発見された。今回の事件に深く関係している」

江ノ島「つーかその手記って、ほぼ答えじゃん?こんなのアリなのぉ?」

大神「この学園で何が起こったか、彼の目線で記してあったな…」

葉隠「マジでか?俺には、サッパリ分かんなかったべ!」

腐川「あんた…頭、かなりオカシイんじゃないの?」

江ノ島「まぁまぁ、そんな葉隠のような人の為に簡単に説明すると〜」

江ノ島「まず、日向達は、なーぜーか、アタシ達の記憶を奪おうとしていた。」

十神「しかし、侵入者の発生、俺たちの誰かに異常があった。2つが関係しているかは知らんがな」

苗木「そして、仲間が殺された…つまり、仲間から裏切り者が出たかもしれない状況になった」

大神「さらに、2人の仲間の死体を発見し、裏切りをほぼ確証した。日向達は本拠地に戻ろうとする。」

石丸「しかし、そこでは残っていたメンバー全員が殺されていた。程なくして、日向君も殺されることになる……か」

腐川「このメモを信用すると、77期はほぼ死んでいるのね?」

江ノ島「侵入者の対処に行った奴らも死んだのかなー?」

十神「手記には記されていないが…それも間違いないだろう」

石丸「それより、侵入者とは誰なんだ?なんのために学園に侵入したんだ?」

大和田「俺たちを助けるためじゃねぇのか?」

十神「愚民共…よく考えろ…裏切り容疑者の2人は監視役だったんだぞ?」

腐川「監視役なんだから、あることないこと言えるわね」

葉隠「じゃあ、侵入者って」

苗木「侵入者対処係の2人をおびき出すための罠……つまり、嘘なのかな?」

江ノ島「日向もそんな感じの予想してたわねー」

腐川「なかなか、狡猾なヤツね…狛枝だか、左右田だか知らないけど」

十神「同様に、俺たちの中の誰かに異変があったという事も嘘だろうな…そうして、罪木を呼び出した」

葉隠「そういや、やけに頼られてるっぽいけど、罪木って誰なんだ?リーダーか?」

江ノ島「異変があった、ケガ人が出た、そんな時に頼られるといったら」

苗木「超高校級の保健委員だね!」

大和田「罪木蜜柑……超高校級の保健委員だ!名簿にもそう書いてあるぞ!」

十神「2つの罠をかけ、77期を分断し、少しずつ消していく…そうすることで、77期の裏切り者は奴らを全滅させた。」

石丸「それで、彼ないし彼らはどうしたんだ?」

大和田「そうだな…結局、77期を全滅させて、どうしたかったんだ?」

十神「元々、日向達がやろうとしていたことと、今の状況…何が違うのか分からんな」

葉隠「でも、狛枝か左右田が黒幕だということは間違いないべ!」

苗木「それは違うよ!裏切り者は裏切り者のハズだよ!」

葉隠「わけ分かんねぇこと言うなって!」

苗木「だって、黒幕が言ってたんだよね?『僕たちは元クラスメイトだった』って」

江ノ島「そうよ…はっきり聞いたわ!」

苗木「だったら、77期の2人が黒幕なわけはないよ!」

葉隠「それは嘘だったんだべ!正体がバレないための!」

十神「そんなくだらん嘘はつかんハズだ…アイツにとって、これはゲームなんだ。特に今回はヒントを与え過ぎている……」

十神「まるで、俺たちに自分の正体を知ってほしいかの如くな」

葉隠「納得できねぇべ!結局、狛枝と左右田ってなんなんだべ!」

十神「裏切り者は裏切り者だ…つまり」

十神「俺たちの中の誰かが、左右田、もしくは狛枝…そういうことなんじゃないのか?」

苗木「え!」

腐川「確かに、そう考えるのが自然ね」

石丸「そうか!クラスメイトではない人間は、裏切り者の方だったな」

大和田「つまり、狛枝か左右田…のどっちかが化けているヤツの正体が、黒幕なんだな」

江ノ島「ついにここまで来たわねー」

石丸「では、これで学園で起きた謎を解き明かしたな!次は…裏切り者の存在を突き止めるのだ!」

大神「裏切り者か……」

大和田「オイ!てめぇら」

大和田「確か前に、霧切か苗木が裏切り者って話がなかったか?」

腐川「自分の才能を覚えてない上に、入学するっていう情報もなかったのよね?」

十神「話が拗れてくるが…ここらで、はっきりさせておいた方がいいだろう」

十神「霧切、苗木…このどちらかの才能は超高校級の幸運…そう呼ばれる才能だ」

葉隠「なんだそれ?」

大和田「一期に1人…抽選で選ばれるヤツがいるんだとよ」

腐川「それが、その2人のどっちかなの……?」

十神「ああ…おそらく、超高校級の幸運の生徒のデータがなかったのは…有名人ではないからだろう。」

石丸「そうだな…僕たち77期生は、少なからず有名だったからな!」

十神「そして…その幸運を霧切だと仮定する」

大神「なんで霧切なのだ?」

十神「苗木には…そもそも、この学園に入学するという記憶すらなかった……それが何を指すか分かるか?」

石丸「まさか…苗木君が裏切り…」

十神「話が飛躍し過ぎだ…何もそこまでは言ってない」

江ノ島「苗木は私達が入学する時に自分が入学することすら、知らなかったのね…」

腐川「ってことは、編入生…とか?」

大和田「そういや…実際、77期にも、なにも才能を持たない人間が編入してきていたな!」

苗木「日向創君だね!」

十神「その時から、そういうプロジェクトが始まったのかもしれん」

十神「こう考えれば、2年前の時点で入学することなんて記憶にないのは当然だ。」

?石丸たちは78期生じゃなかったっけ?

葉隠「で?それが何になるんだべ?結局、仮定だろ?」

石丸「霧切君は超高校級の幸運であり、苗木君は何の才能もないということか」

十神「これで、全員の才能が明らかになった。特別、苗木や霧切が怪しいわけではないということだ」

大和田「黒幕の才能がわかんねぇままだが?」

十神「バカめ…裏切り者は、黒幕の代わりにコロシアイに参加した。つまり、黒幕と裏切り者の才能は一致しているハズだ」

十神「厳密には……本当のその才能の持ち主が黒幕で、裏切り者は別の才能を持っていることになる」

苗木「結局、振り出しに戻ったね…」

十神「やることは分かったか?黒幕の正体…つまり黒幕の名を知るには、裏切り者が誰か分かればいいんだ」

葉隠「裏切り者か……」

一番に疑われてるのに苗木が呑気で草ww

大神「何とかして、絞り込めぬものか?」

大和田「狛枝も左右田も男、らしいな」

葉隠「んじゃあ、裏切り者は、えっーと……6人にまで絞られる訳だな!俺はちげーし、あと5人だべ!」

十神「それは、早計だ。男が女に扮することだってあり得なくはない」

大神「確かにそうだ…その2人の顔も体つきも分からぬのだからな」

葉隠「でも、どうやって判断すればいいんだべ!自白を誘おうにも、もう死んじまってるかも知れないんだぞ?」

十神「才能だ。こればかりは一朝一夕で身につくものじゃない」

腐川「で、でも、葉隠なんてテキトーなこと言ってればいいし…」

葉隠「腐川っちなんか文学少女としてなんの活躍もしてねーべ!」

石丸「…その才能があるとは思えない人を探すか……難しいな!」

苗木「逆に考えてみようよ!その人を見れば自ずと才能も分かってくる…霧切さんも言ってたよね?」

葉隠「そうか!その手があったべ!2人とも77期生なら、なんらかの才能があるはずだべ!」

大和田「狛枝は超高校級の幸運で、左右田は超高校級のメカニックだ」

石丸「超高校級のメカニックだと判断しやすいんじゃないか?」

腐川「機械を弄るのが得意な奴なんていなかったわよ…ほとんどそんな機会なかったし……」

江ノ島「上手い!腐川さんに座布団1枚!」

腐川「ち、違うわよ!」

葉隠「じゃあ、超高校級の幸運の方だ!幸運なヤツはいなかったか?」

6人って、ちーたん性別ばれずに死んだのか……

大和田「幸運なヤツってどんなヤツだよ!?」

石丸「それこそ…判断はできないだろう…幸運かどうかなんて、抽選した日だけのものじゃないか」

大神「しかも、幸運の才能を持つものなら、ここにもいたはずだろう?」

腐川「もし、霧切が裏切り者だったら立証しようがないわね…」

霧切さん……彼女についても、気になることがある。

実の父親を彼女が殺していたことは関係あるのかな……

苗木「ねぇ十神君?霧切さんは…」

十神「そうか…霧切は裏切り者ではないハズだ。」

苗木「えっ?なんで分かるの?」

十神「なんだ?お前が今、言ってきたんだろう?」

苗木「そういう意味じゃないんだけど……どういうこと?」

十神「あのビデオを見たものなら分かる。あそこに写っていたのは紛れも無い霧切の姿だった。」

十神「そして、実の父親がソイツを響子と呼んでいた。アイツが霧切響子本人であるのは間違いないハズだ。」

葉隠「あのビデオってなんだべ!俺にも見せてくれ!」

腐川「多分…アンタが期待してる様なもんじゃ無いわよ」







腐川「あぶ…あぶぶ…」

十神「腐川!しっかりしろ!」

腐川「ハイ!」

葉隠「危なかったべ…」

大和田「それより、霧切は本当にこんな事してたのか?」

石丸「父親を憎んでいる事は知っていたが、霧切君はこんなやり方をする人じゃないだろう。」

苗木「でも、十神君の言うとおり、見た目は今まで一緒にいた霧切さんそのものだよ」

十神「記憶を失っている2年間の事だ…何があったのか分からない」

江ノ島「とにかくこれで分かるのが、霧切は裏切り者じゃないってことね」

腐川「皮肉なことにね……」

葉隠「でも、これは異常だべ!霧切っちは過去に人を…しかも、自分の父親を殺してることになるべ」

苗木「霧切さんはいったいどうしてこんなことを……」

腐川「本当に憎いだけなら、ビデオを撮る必要無いわよね」

大神「じゃあなんでビデオを……」

十神「誰かに見せる…自分が後で楽しむ…どっちにしろ異常だな」

石丸「まるで殺人を楽しんでいる…そんなの、殺人鬼じゃないか!」

大和田「せっかく怪しい奴が浮上したってのに…そいつが白だってのか」

江ノ島「……殺人鬼っていえば、腐川もシロよね?」

腐川「えっ?」

苗木「なんで?」

十神「確かに…ジェノサイダーは、俺や江ノ島の顔を知っていたからな」

石丸「確かジェノサイダーと腐川君は記憶を共有していないんだったな!」

大和田「ジェノサイダーの方は元クラスメイトだから2人の存在を知っていたということか」

大和田「つーか、また怪しい奴が白なのかよ」

江ノ島「つーことは、ジェノサイダーに知られていたアタシと十神もシロじゃない!」

石丸「しかし…こうやって消去法で考えていても、キリがないぞ」

十神「考えようによっては、ジェノサイダーの件は全部腐川の演技だとも考えられる」

大神「何か…裏切り者の決定的な証拠がいるな…」

葉隠「……そんなの、何もないべ!」

石丸「しかし…こんな映像があるのならあの写真もあながち嘘ではないのだろうか……」

苗木「えっ?あの写真って?」

石丸「な!?な、な…なんでもないぞ!」

苗木「そんなわけないって!何か重要な事を隠してるんでしょ!?みんなも言ってよ!」

そう呼びかけたにも関わらず、みんなは全く反応しなかった。

苗木「どういうこと?ここまで来て…何か隠さなきゃならないことがあるの?」

十神「待て……苗木、お前は写真の存在を知らないようだが、今日枕元には何が置いてあった?」

苗木「なんか…おかしなメモだよ…日向君の物ではなさそうだけど…」

十神「見せてみろ」

苗木「はい」





十神「……これは、黒幕の物か?」

モノクマ「ぎ、ギクッ…ぼ、ボクがそんな厨二臭い文章書くわけないわけないじゃないか!」

江ノ島「肯定ととってよさそうね」

葉隠「でも、別に何かが分かりそうな事は書いてないべ」

大神「しかし、他にメモを受け取った者はおらんのだろう?」

みんなは、軽く頷いた。

十神「何故、苗木だけがこんなメモだったのか…気になるな」

みんなはメモをもらったわけじゃなかったんだ……それなら、その代わりにあった、写真って?

苗木「その…なんなの、写真って」

石丸「い、いやぁ…これは」

大和田「合成だろうな、黒幕が作ったんだ…俺たちを疑心暗鬼にするために」

苗木「で、でも、どんな写真かくらい」

モノクマ「ちなみにその写真は合成じゃないよ〜ここに不二咲さんがいれば分かったんだろうけどねー」

葉隠「嘘つけっ!俺は信じねぇぞ!」

苗木「だから、どんな写真なのっ!?」

大和田「偽物に決まってんだろ!見せる必要ねぇよ!」

本物だと、分かれば……不二咲さんの才能があれば……

苗木「そうだっ!江ノ島さんなら分かるんじゃないの?」

江ノ島「まぁ、分からないこともないですね」

石丸「な!」

葉隠「んなの、やる必要ないべ!」

大和田「そうだな…ニセモンに決まってるしな!」

江ノ島「うーん、でも残念ながら…アタシのは本物みたい」

そう言って江ノ島さんが見せたのは…スーツを着た老人の上に十神君が座っている写真だった。
その老人に対し、男子が6人で暴行を加えている……そして、その様子を周りで見ている女子が8人……

……その中には、あの人の姿が写っていた。

苗木「えっ・・」

十神「なっ!…アロシャイス!」

石丸「誰なのだ、このご老人は」

十神「十神家の…執事だ」

十神「それより…どういうことだ…こんな写真が本物だと?」

江ノ島「まあ、これが記憶を失った2年間に撮られた物ってことは分かるわね?」

葉隠「そんなん、わかんねぇべ!合成だべ!黒幕の陰謀だべ!」

江ノ島「よく見てみなよ〜知らない子が写ってるんじゃなあい?」

大和田「ん?確かに…変な野郎がいるな?」

石丸「誰だ?」

十神「十神家の者ではないな」

江ノ島「黒幕よ。アタシはちゃーんと、顔を知ってるしー。間違いないわ」

腐川「こいつが……黒幕」

大神「むぅ………」

>>374
多分バレてるんじゃね、調べる時にも分かるだろうし

葉隠「それがなんでこの写真が本物である証明になるんだべ!」

江ノ島「別に証明にはならないけどお…まあ、強いて言うならわざわざ自分の姿まで合成する意味はないんじゃない?」

十神「…こんな事を俺がするわけがない」

江ノ島「2年間に何があったのかも知らないのに?」

十神「アロシャイスは十神家、随一の執事だ。何が起ころうと、裏切るわけがない……こんな報復を与えることはあり得ない」

江ノ島「そりゃ、執事はね?こんなことされても、十神に忠誠してるみたいだし、裏切ってはないみたいね」


江ノ島「………でも、アンタは?」

77と78期が逆になってるのか

十神「なんだと?」

江ノ島「2年間でアンタ達がこんな事をする人間になってたら、どうなのよ?」

十神「な!……」

腐川「そんなことありえるわけな…」「じゃあ!」

江ノ島「霧切は、どうしてあんなことしてたのかしらねー」

十神「霧切……奴は自分の父を殺めていた……その様子もビデオにあった」

石丸「……僕の写真では、桑田君が誰かに向かいボールを投げつけている…」

大和田「お、おい!」

大神「ま、まさか!」

大神「……ケンイチロウ…わ、我の写真はあるか!?」

大和田「お、俺が持ってる…全員でしらねぇ男を羽交い絞めにして、大神がソイツを殴りつけてるところだ…」

大神「け、け、ケンイチロウウウウーッ!」

葉隠「お、俺の母ちゃんの写真は!?」

腐川「うっ…ここにあるわよ」

葉隠「ほ、ホンモノなんか?これ……」

葉隠「なんで、俺が…よりによって、母ちゃんを……」

石丸「ハァハァ……まさか…」

腐川「これって、全員分あるの…」

十神「霧切のようなことを俺たち全員が……」


江ノ島「もう、分かったっしょ?多分…ここにいる、ひとり残して、全員が……絶望していたのよ!」

大和田「じ、冗談じゃねぇぞ……」

大和田「俺ら全員が、自分の大切なヤツを自ら殺してたってのかよ!」

十神「早まるな!まだ、死んだとは決まってないだろう!」

モノクマ「いや?殺されたよ?君達の大事な人たちは君達の手によって、2人残らずね……」

腐川「2人残らずって何よ!そんな日本語ないわよ!」

モノクマ「だって〜1人だけ生き残っちゃってるんだもーん」

大神「1人しか……おらんのか」

モノクマ「自分達が絶望を味わうためにね…オマエラはさらに大きな絶望を求め、絶望した」

十神「俺が…絶望……だと?」

石丸「じゃあ、77期生は……」

江ノ島「……日向達は私達の記憶を奪って更生させようとしてたみたいね」

十神「…裏切り者は…俺たちにコロシアイをさせる為に日向達を裏切ったのか?」

大神「何故、そんな事を?」

石丸「あの手記に書いてあったように…希望の為、じゃないのか?」

江ノ島「うん…たぶんそれは合ってると思うけど、手記を書いたのは裏切り者じゃなくて、黒幕のハズよねぇ?」

大和田「黒幕?仲間に牙を剥いた…仲間ってのは俺たちのことを示してんのか?」

江ノ島「それはまだ分からないけど……」

江ノ島「そもそも、私達は裏切り者の存在を勘違いしてるんじゃないの?」

石丸「えっ?」

江ノ島「今までの考えだと、77期を殺しまくったのは…黒幕じゃなくて、裏切り者よね?」

腐川「違うって言うの?今さら?」

江ノ島「さっきまでとは、状況が違ってるはずよ」

葉隠「なんのことだべ?」

江ノ島「あたし達が、絶望していた。このことを踏まえてもう一度、考え直してみましょう」

石丸「まず、日向君達、77期は、絶望していた僕達を助けるために、記憶を奪おうとしていた」

大和田「そしたら、学園に侵入者が出たんだな」

大和田「オイ!よく考えたらそれって、誰なんだよ!絶望してた俺たちを助けようとしたんだろ?」

腐川「落ち着きなさい!それは確か分断させる為の罠で、嘘だったはずよ!」

江ノ島「それが違うのよね…罠じゃあないのよ!」

十神「…どういうことだ?」

江ノ島「大和田が言ったように…絶望である私達を救おうとする奴はいなかった……少なくとも日向達はいるとは考えていなかった。」

大和田「だから…監視するやる気がなかったってのか!?」

腐川「あたしたちは全員、意識を失っていて助けに来る仲間もいるはずはない」

十神「そんな状況じゃあ、そうなって当然だが……やはり、愚民の思考だな」

石丸「だからこそ…侵入できた」

葉隠「でも、それって、誰なんだべ」

大神「我らの親密な者たちは1人残して……全滅しているはずだ。」

十神「どう考えても、その1人だな」

江ノ島「…日向達はその存在を知らなかったようだけど」

江ノ島「モノクマが言った…78期の大切な人の生き残りがね」

腐川「侵入者は本物?……じゃあ、狛枝と左右田の2人は裏切ってなかったってこと?」

十神「そうなるな…それに、辻褄も合う……しかし、証拠が欠如している。ただの推測だけじゃ話にならんぞ」

江ノ島「その証拠も推測になっちゃうんだけど…最後の手記を見るとさあ?教室にいた6人の他にも、あと1人殺されているようにも見えるわよね」

大神「確かに…そうもとれるな」

江ノ島「そして、最期に記したコイツだったのかって文…おかしいよね?狛枝か左右田だったら、名前を書けば良いもんね!」

十神「しかし、お前の言うとおり推測でしかないぞ?日向がどういう人間だったのかも分からないんだ。普通なんて言葉が通用するかどうか」

石丸「何か、確定的な証拠はないのか!」

江ノ島「あと1つ、気になるのは…死体の数よ」

石丸「死体の数だと?」

江ノ島「77期生のものと思われる死体…全部でいくつあったっけ?」

葉隠「15体だべ」

江ノ島「77期の人数は?」

大和田「……15人だ」

葉隠「あり?全員死んでるんか?」

腐川「……侵入者が死んだって可能性もあるわよ」

十神「そうか……」

江ノ島「つまり、死んだにしても、生きているにしても、侵入者は間違いなく存在していたってわけ!」

十神「それだと……左右田と狛枝の裏切りはなかったということになる」

葉隠「で、でもよ…ソイツらが裏切ってねぇって事は……」

大和田「そうだ!俺たちの中の誰かに異常が出たってのも嘘じゃねぇんだよな?それはなんだったんだ?」

石丸「まさか、関係ないとは言わないよな…」

江ノ島「いやいや、関係大アリよ…異常ってのは…記憶を奪う装置の中身が入れ替わったことを示してるんだから!」

十神「なんだと…誰と誰がだ!」

大神「いや、待て…それは不可能だ。ヘルメットを外すには自分の力じゃ無理だ。そう書いてあった」

大和田「そもそも、入れ替わるのになんの意味があるのか分かりゃしねぇぞ!」

江ノ島「侵入者…つまり裏切り者と、装置を付けられていた黒幕よ。それなら、辻褄が合うでしょ?」

腐川「裏切り者が、記憶を奪われかけていた黒幕のヘルメットを取り、自分で被ったってことなの?」

江ノ島「もしくはヘルメットを外されて目覚めた黒幕に、被せられたってとこね」

葉隠「でもよ、俺たちは監視されてたんだろ?入れ替わったって気づくべ?」

大神「姿を監視していれば、そうだっただろうな…しかし、脳波の数値だけを見ているなら、突然、脳波の数値が大きく変動したとしか分からないはずだ。」

大和田「それが、俺たちに起きた異常ってことか」

葉隠「なんで姿を監視してねぇんだべ!」

腐川「さっき言ってたでしょう!日向達は監視に関してはやる気がなかったのよ!」

腐川「洒落じゃないわよ!」

江ノ島「ぐぬぬ」

葉隠「で、結局どんな話なんだ?」

大和田「替わりに記憶を奪われた侵入者ってのは…」

十神「ああ、俺たちの中に潜む…裏切り者だな」

石丸「やはり、裏切り者も記憶を無くしていたということになるな」

葉隠「じゃあ別に悪いヤツなわけじゃねぇべ!なんにも知らなかったんだからな!」

江ノ島「そうね…でも、ソイツの正体は暴かなきゃならないのよ!」

葉隠「なんでだべ!別に害はねぇべ!」

腐川「バカね…裏切り者はあたし達の大切な人の中の1人なのよ?」

大神「黒幕を助けたということは、黒幕の大切な人だということか」

十神「つまり、裏切り者を突き止めれば、そいつは黒幕の正体を知っているか……しかし、」

十神「江ノ島、まだ納得のいかないところがある」

江ノ島「なによ」

十神「黒幕はたった1人でこの大惨事を引き起こしたのか?」

江ノ島「その通りよ…まぁ所詮77期は雑魚キャラだったってことね」

石丸「しかし…15人もの人間を1人で殺害できるのか?」

江ノ島「それほど強大なのよ…絶望の力は」

江ノ島「でも、それだけじゃない……侵入者のタイミング、左右田達の報告、日向達の行動全てが、黒幕にとって良い方向に動いていた。まるで、計算されていたかの如くね」

腐川「ハァ?」

葉隠「ありえねぇべ!」

十神「どんな天才であれ、人の心の動きまで計算に取り入れることなど不可能だ!」

江ノ島「うん、アタシ以外には無理ね……でも、自分の都合のいいように勝手に事が動く才能ならあるかもしれない」

十神「……!」

石丸「そんな才能の方があり得ないだろう!」

大和田「そりゃあ、才能つーより、超能力みたいなもんだぜ?」

十神「いや…1つだけある…」

十神「……超高校級の……幸運だ」

大神「なんだと……」

葉隠「そうか!分かったべ!」

葉隠「黒幕は超高校級の幸運の才能を持っていたんだな!」

葉隠「つまり、裏切り者は超高校級の幸運になりすましていた人物!霧切っちだべ!」

葉隠「つまり、黒幕の正体は……霧切響子だべぇえええええ!」

十神「いや、違う。裏切り者は記憶を奪われていたんだ」

大神「つまり、黒幕になりすましてはいなかった。本人として存在していた……という言い方が正しいか」

石丸「僕たちは、誰も、誰にも、なりすましてなどいなかったということか」

大和田「でも、それだとよお…不二咲が言っていた……」

十神「ああ、原点に帰るな……裏切り者は、入学するという情報がなかった霧切か苗木だ」

十神「自己申告ではあるが…霧切は入学するという記憶があり、苗木にはなかった……」

石丸「それって……」

腐川「ちょっと!苗木!さっきから黙ってるけど…何なのよアンタ!」

みんながこっちを向いている

裏切り者の正体も、黒幕の正体も

間違いない……

苗木「全部、分かったよ。裏切り者も、黒幕の正体も」

江ノ島「頼むわよ〜裏切り者しか黒幕の正体は知らないんだから」

苗木「裏切り者は……このわたし、苗木こまるだよ!」

腐川「このわたし…………って、あんた!?」

苗木「全部分かったんだ……わたしが命をかけて、救うとする人はお母さんと、お父さんと」

苗木「……お兄ちゃんしかいない!」

苗木「写真にはわたしが写ってない……そして、お兄ちゃんが写ってる」

苗木「つまり……」

苗木「黒幕の正体は、わたしのお兄ちゃん……苗木誠だよ!」

今日はここまで

おつおつ

盛り上がってまいりました

見返したが敬称つけたの>>59の舞園がさいしょで
それまでは男女関係なく君の石丸
男女関係なく呼び捨ての大和田
開幕でも敬称つける霧切を石丸が遮るあたり徹底してたんだな
一人称や苗木がつけるのがクンさんではないあたり、兄とは違うのは匂わせていたが

苗木誠の顔だけ知ってる江ノ島さん的にも、見た目で血縁者かもってわからなかったのかね

不二咲はまだ女だって思われてそう、さん付けされてたから
例えば処刑されたクロだったら性別確認されないし
手口が性別に無関係であればバレない

一人称や敬称もだけど、苗木は割とずっとこまるっぽい口調だったね
あと、霧切は早々に捜査関係の才能っぽいってわかってたのに、苗木から逸らすためにみんなで幸運に誘導しすぎですww

舞園さんとこまるって中学時代面識なかったっけ?ちらっと見た程度だけど

むしろ全部知ってて、絶望に堕ちてて、黒幕(の絶望の為)に協力したって線もありだな

ないよ

殺意が湧いた=トリックの邪魔になるキャラってことか…
でも舞園よりはセレスや残姉の方が邪魔にならなかったかも?
苗木の舞園に対する反応がヒントになりすぎた

絶女の反応見る限り舞園のこと知ってるだけって感じ

そういえばこまるが体の変化に気づいた理由

・・・あ(目線を下げる)

2は大きいのがたくさんで嬉しかったのに

こまるだと思って読むと細かい違和感に今更だが結構あるな。

桑田なんて顕著。女子だからあんなに愛想良く自己紹介したんだな、と今更気づいた。

生き残りメンバーは基本男女平等系だし、一部対応が変なのはこまるだと気付かせるための>>1の仕掛けなんだな。
よく出来てる。

今回から、苗木誠の表記を苗木とし、苗木こまるの表記をこまるとします。


投下します

その時、モノクマの動きが完全に止まった。

モノクマの座席の左右から煙が吹き出し……辺りを覆う。

その中に…人影がうっすらと見えた。

私より少しだけ小さい身長…

そして、私と同じように頭にアンテナのようについたクセ毛…

間違いない……あれは……



私の……

苗木「やあ」


苗木「僕は苗木誠、超高校級の希望だ」

こまる「お兄ちゃん!」

苗木「こまる…久しぶりだね」

苗木「それにみんなも…」

腐川「誰よアンタ!」

葉隠「俺はオメェなんて知らねぇべ!」

石丸「苗木君の兄…なのか?」

こまる「う、うん」

大和田「兄がいるなんて、なんで言わなかったんだ!」

葉隠「俺は知ってたべ」

江ノ島「おひさー」

苗木「江ノ島さん…君には本当に苦しめられたよ。さすが、超高校級の絶望だね」

江ノ島「久しぶりね、超高校級の希望の苗木誠クン」

葉隠「超高校級の希望?なんだべそれ?」

十神「えらく調子に乗っているようだな……超高校級の幸運風情が…」

苗木「ああ…僕は君たちとは違うんだ。君たちという絶望の中にいた、希望なんだよ…」

苗木「絶望的な状況だからこそ、希望は輝く……」

苗木「僕は、君たち超高校級の絶望の中で、希望を輝かせ続けていたんだ」

苗木「だからこそ…ボクは超高校級の希望と呼べるまでに成長できたんだよ!」

江ノ島「よく分かんないけど…希望の為に絶望を求めてたって感じ?ツーか、キモッ」

石丸「だが、自分の家族に手を出すことはしなかったんだな…そういう意味ではそこまで、絶望してはいなかったのか?」

苗木「いや?残したのは、こまるだけで、父さんも母さんも絶望の為に殺したよ?」

こまる「え…え?…嘘でしょ……え?」

苗木「言ったでしょ?2人残らずって」

十神「おかしいな…苗木こまるだけを残す意味があったのか?」

苗木「まぁその理由はおいおい分かると思うよ」

葉隠「コイツが黒幕で、苗木っちが裏切り者だってことは分かったけどよ…これからどうすんだ?」

石丸「投票だ!早く、コイツを殺さなければ!」

大和田「いやぁ…その前にだ!」

大和田「てんめぇ……よくも今までやってくれやがったなァァア!」

大和田君はそう叫ぶと、お兄ちゃんに向かって殴りかかった…

今までの怒り……

それは大和田君が抑えていた、怒りが爆発したかのような叫びだった。

大きな拳がお兄ちゃんの顔面に向かって振り下ろされる。

でも、お兄ちゃんはナイフを取り出すと、本当に何の躊躇もせず、大和田君にナイフを突き刺した。


大和田「!?……ガフッ」

ドサッ

こまる「えぇ!?」

石丸「大和田君!」

腐川「ヒィイヤァーーーッ!」

バタッ

十神「腐川?おい、腐川しっかりしろ!」

葉隠「ヤバいべ!大和田っちと腐川っちが、ダブルノックアウトだべ!」

大神「貴様ァァア!」

苗木「大神さんもそうやって暴力でカタをつけるの?…ケンイチロウさんにやったみたいに…怒りや欲求に身を任せて」

大神「ぐっ!ぅうう…」

石丸「何言ってるんだ!君がした事こそ暴力じゃないか!しかも、卑怯な手を使って!」

苗木「…僕のは正当防衛だよ。大和田クンが殴りかかって来たから、近寄らせないようにナイフを取り出したら刺さっちゃったんだ」

苗木「それに卑怯な手かな?少なくとも一対一だったよ?………僕の場合はね」

大神「うぐぅっ!くっ………ぐく」


?「あー、また気を失ったのね…アイツ」

?「あ、まーくん!おひさァ〜」

苗木「あぁ、久しぶりだね。ジェノサイダー」

こまる「腐川さん!?どうして!」

十神「大和田の血を見て、気絶したんだ!」

ジェノ「呼ばれて飛び出てぇ〜ジェノサイダァ〜ゲラゲラゲラ」

ジェノ「ぐへっぐへへ……白夜様に盾子様にまーくんまでいるなんて!なんて素晴らしいの!天国なの!ここは!」

十神「大神!止めろ!」

大神「ぅうう…」

苗木「アハハ、完全にトラウマになっちゃったようだね?やっぱり、大神さんも女の子なんだ」

苗木「で、なんだっけ?」

石丸「早く、投票だ!こいつ
を、苗木誠を殺すんだ!そうすれば、外の世界に出られる!」

葉隠「約束通り、アイツにも投票できるようになってるべ!」

苗木「その代わり、僕も投票できるけどね。うーん、迷うなぁ僕は誰に投票しようかなあ」

十神「聞く耳を持つな!さっさと、やるぞ」

十神「全員入れる相手は分かってるだろうな!」

こまる「ち、ちょっと待ってよ!」

苗木「よし、決めたぞ!ボクは十神君に入れよっと」

ジェノ「アタシも当然白夜様ねぇ〜ッ!」

江ノ島「アタシも十神に入れよっと」

石丸「な、何を言ってるんだ!江ノ島君!」

江ノ島「だって、目の前まで、出口が来てるんだよ?そこまでして、死ぬなんて…」

ジェノ「しかも、白夜様と共に逝けるなんてぇ、絶望的ィ〜ッ!」

江ノ島「じゃない?」

石丸「バカな事を言うな!君は本当にそんなことを望んでいるというのか!?」

十神「…落ち着け、石丸」

十神「こっちは俺とお前と葉隠、大神、大和田、苗木こまるで6票だ。向こうはどう足掻こうと3票…負けやしない」

大神「すまぬ…我が役に立てれば」

十神「投票さえできれば、問題ない。気にするな」

葉隠「オーガは精神的なもんだけど…大和田っちは……」

石丸「マズイ……かなり出血している。急がねば、間に合わないぞ!投票はできる状態じゃない!」

十神「まだ5票ある」

こまる「わたしには無理だよ…十神君」

十神「な!?何故だ!」

こまる「だって!わたし、お兄ちゃんに死んでほしくないよ!」

投票よりまず手当てだろ…

赤ん坊の種は苗木のだったのか
クラス男子皆の子供だったのか

十神「だからって、お前は自分、いや、俺たち全員が死ぬことを選ぶのか!?」

こまる「だって……」


苗木「これだ!コレだよ!この時をずーッと!待っていたんだ!」

十神「は?」

苗木「ボクの希望がもっと大きく輝くためには、もっと大きな絶望が必要だった」

苗木「だからこそ、こまるを絶望の中、つまり、君たちの中に入れ、大きな希望に成長させようと考えたんだ!」

十神「何を言っているんだ…」

石丸「全ては苗木こまる君のためのコロシアイだったと……いうのか?」

苗木「そうだよ!ボクの思い通り、こまるはここまで生き残り、大きな希望へと成長した!」

葉隠「オメェの目的は自分が希望になることだろ?…こまるっちを希望にしてどうするつもりだべ?」

十神「次世代を育てる…というわけでもなさそうだな」

苗木「言ったでしょ?大きな希望の為には大きな絶望が必要なんだ…」

苗木「…コロシアイを生き抜いて、希望に成長したこまるが死ぬなんて………絶望的だよねぇ!」

葉隠「な、何言ってんだコイツ!」

江ノ島「…つまり、あんたにとって大きな希望であるこまるを失うことで、より大きな絶望を手に入れようと……」

苗木「ボクはその絶望を乗り越えなきゃならない…そして成長するんだ自他共に認める……」

苗木「世界の希望へと!」

石丸「君なんかを世間は認めたりするものか!」

大神「貴様は、今もこうして人を殺している。こんな行為が世に認められるとは思わぬが?」

苗木「ハァ……分かんないの?君たちは絶望なんだよ?」

苗木「絶望を倒せば、希望として認められるはずだよ!」

葉隠「わかんねぇべ…」

十神「苗木誠、お前の考えは分かった」

十神「しかし、具体的にはどうする?このままでは、俺とお前…同数で決着がつかないはずだ」

苗木「うーん、そうだねぇ…」

苗木「そうか、分かったぞ!葉隠クンを殺せばいいんだ!」

葉隠「なんで俺なんだべッ!?」

石丸「血迷ったか!?暴力で解決できるなら、とっくにしているだろう!」

十神「いや、まずい……大神がこうなった以上…力づくになれば、俺たちの負けは見えてるぞ!」

石丸「な、なんだと…」

葉隠「そうだべ!苗木誠ッ!オメェ、絶望を味わいてぇんなら、自分に投票して死ねばいいべ!」

苗木「は?」

葉隠「こ、ここで死ぬなんて絶望的だろ?」

苗木「なんで?」

葉隠「いや….だから、死んだ方が絶望できる……べ」

苗木「ボクは希望の為に生きてるんだ!絶望して死にたくなんかないよ!」

十神「クソッ…何か手は……」

苗木「無駄だよ…大和田君は時間が経つにつれ、意識の回復からは遠ざかっていく」

苗木「ジェノサイダーを止める手立てがない以上、君たちの死は免れないんだ」

十神「ぐっ…」

石丸「ここまでなのかぁ!」

苗木「さぁ、ジェノサイダー!葉隠君を殺してくれ!」

葉隠「嫌だべ!死にたくないべぇ!」

ジェノ「しゃーないわねぇー!こんなブ男殺すのはヤダけど、絶望の為なら殺ってやるかぁ!」



苗木「その絶望を味わうことで僕はもっと素晴らしい力を手に入れられる!もっと大きな希望になれるんだ!」



こまる「それはちがうよ!!」

苗木「ん?」

こまる「そんなの…私の大好きだった明るくて前向きで優しい…お兄ちゃんじゃない!!」

苗木「何言ってるんだよ、こまる…ボクは正真正銘、ボクだよ」

こまる「希望とか、絶望なんて私にはどうでもいいんだ!普通のお兄ちゃんに戻ってよ!」

苗木「普通…?普通ってなんだよ…なんの才能もない人間が生きていたってバカにされるだけだろ?」

こまる「誰もお兄ちゃんのことをバカになんかしてないよ!」

こまる「それに…お兄ちゃんはどんなに人にバカにされたって諦めずに頑張る人だった!」

苗木「……!」

こまる「今のお兄ちゃんの方が…生きてたって何の意味もないよ!」

苗木「…………へぇ…そう」

苗木「じゃあ、僕を殺せば?さっさと投票しなよ、こまるが僕に入れれば僕だけが死んでお前はみんなと外の世界に出られるんだから」

こまる「それは……」

どうすればいいんだろう……

私はお兄ちゃんに死んで欲しいわけじゃない……

何より…もう、人が死ぬのは見たくない。

でも、外に出るためには…


苗木「できないのかい?早くしないと、殺されちゃうよ?葉隠君が」

苗木「その前に大和田君が死んじゃうかもね」

苗木「そうなったら…マズイなぁ僕がクロだってバレバレじゃーん」

苗木「てゆうか、一応言っとくけどこれって舞園さんの赤ちゃん殺しの裁判だからね?忘れてないよね?」

江ノ島「ああ、一つ聞きたいことがあったんだった…その赤ん坊の父親って」

苗木「ボクだよ」

江ノ島「ヤることヤってんなぁ〜オイ!」

苗木「君の指示だけどね…」

苗木「ボクたち78期はこの学園を絶望の本拠地として、絶望を育て上げていく計画を立ててたんだ。」

十神「……妙だとは思っていたが、幼児用の浴槽などの設備はその為だったのか」

ジェノ「絶望を産んで育てようとしてたのよねぇ〜物理的にな!」

苗木「結局は、日向君達に記憶を奪われて失敗しちゃったんだけどね」

十神「それも全てお前の思惑通りだと?」

苗木「さあね」

石丸「いや、それは違うぞ!日向君達の計画は失敗してなどいない!現に僕達はこうして、絶望ではなくなっているではないか!」

葉隠「そうだべ!俺たちは絶望なんかしてねえべ!」

苗木「でも、世界はそれを受け入れてくれるのかな?」

石丸「ど、どういうことだ!」

苗木「だって、元絶望だよ?君たちは少なからず人を殺している」

十神「それは、お前も同じだろう…」

苗木「それは違うよ!僕は超高校級の絶望を倒した、超高校級の希望として、世界の希望になるんだ!」

十神「苗木こまるは、お前の妹は元絶望でもなんでもないだろう」

苗木「仕方ないよ…何か犠牲を払わなければ手に入れられないものだってあるんだ」

苗木「君たちはボクを殺して…ボクは君たちを殺してしか…外には出られないんだ」

こまる「それは……ちがうよ」

こまる「きっと、みんなで助かる未来があるはずだよ」

苗木「そんなのあるわけない。みんなで脱出はできるよ?僕が持ってる脱出スイッチを押すだけさ……でも、そんなことは世界が許さない」

こまる「そうじゃないよ…ここで暮らして行くんだよ…みんなで」

苗木「は?」

葉隠「無茶言うな!」

石丸「それに、大和田君はどうなっても構わないというのか!早く病院へ連れて行かなければならないだろう!」

苗木「ハハッ!何を言いだすかと思えば…こまるは面白いことを言うねぇ」

苗木「でも、石丸君の言うとおりだよ…ここには超高校級の医者どころか…超高校級の保健委員すらいない」

苗木「大和田君を見捨てれば、それもできるかもしれないけどね」

石丸「そんなことは僕が許さん!一刻も早く外に出るんだ!」

こまる「大丈夫だよ……江ノ島さんがいる」

江ノ島「人をドラゴンボールみてぇな扱いすんじゃねぇよ!」

こまる「江ノ島さんなら、超高校級の保健委員の才能はあるはずだよ!」

石丸「なんで江ノ島君がその才能を持っていると判るんだ!」

こまる「77期には超高校級の保健委員がいたよね?他にも77期の名簿に超高校級の料理人の名前があったんだ」

こまる「江ノ島さん、料理が得意だったよね?」

石丸「料理人の才能を習得できているから、保健委員の才能も習得できていると?」

葉隠「出来るんか?江ノ島っち!」

江ノ島「ちぇっ…できることにはできるけど?出血が酷いけど重要な臓器には傷がついてないみたいだし」

江ノ島「運良くか運悪くか…知らないけど」

葉隠「そりゃ良かったべ!」

江ノ島「でーーもーー?アタシがするなんて一言も言ってないんですけど」

石丸「何故だ!?大和田君を助けてはくれないのか?」

江ノ島「うん」

石丸「もういい!だったら僕がやる!保健室へ向かわせてくれ!」

苗木「まあまあ…落ち着きなって…下手な処置をすれば、より酷くなっちゃうかもよ?」

石丸「それでも、何もできないよりマシだ!」

十神「待て石丸…お前、本気でここで暮らして行くつもりか?」

石丸「そんなわけないだろう!しかし、大和田君をこのまま死なせるわけにはいかないのも事実だ!」

石丸「一旦、ここは身を引いて、大和田君が目を覚ましてから、再び、裁判を行う方が賢明だ!」

葉隠「無理だべ……そんな暇ねぇ、ぼーっとしてっと、俺たち全員、あの殺人鬼に殺られるぞ!」

ジェノ「はぁーい」

石丸「なんとかして、彼女の意識を奪うか…クシャミをさせなければ、ならないな」

十神「大神でさえ、あそこまで手こずった相手だ。それを俺たちでどうしろと言うのだ?」

大神「すまない……我はもう…拳を……握れん」

石丸「それは仕方ないが、クシャミをするのを待つしか……」

苗木「それを僕が待つと思うかい?」

苗木「それに、ジェノサイダーを気絶させるのは大神さん以外には不可能に近いけど…腐川さんを気絶させるのは、何てことないんだよ?」

今日はここまで

次回、裁判の残り&エピローグまで行く予定です。

こういう意味では江ノ島以上の強敵だからな苗木……

こういうところが強いんだよなぁ

投下します

石丸「じゃあ、もう……僕らに為す術はないのか?」

十神「いや、違う。大和田の死というタイムリミットがこっちにはあるが、実質、置かれた状況は変わらん」

葉隠「どういうことだべ?」

十神「今は俺たちが1票多い。そのため、苗木こまるは俺たちにとって不利のような気がするが……そんなことはない」

十神「苗木こまるを抜いて考えると、2票以上の差をつけなければ、勝つことはできない」


十神「それは、あっち側にも当てはまることだよな?苗木こまるよ」

こまる「うん…わたしはもう人が死ぬところは見たくない。例えどんな人であっても」

江ノ島「でも、このままじゃずーっと!引き分けのままよーん?」

苗木「分かってるとは思うけど、引き分けじゃあ終わらないからね?何度も投票が繰り返されるだけだよ」

葉隠「つーか、そんなん関係ねぇべ!やろうと思えば、2人でも3人でも殺しにくるべ!投票どころじゃねぇべ!?」

十神「だが、おかしくないか?奴らに俺たちを待つ意味はない……今すぐにでも、葉隠でも、俺でも、石丸でも殺せばいいんだ」

葉隠「俺を殺すのはやめとくべ!」

十神「しかし、どうもそんな気配はないようだぞ?」

葉隠「え?」

石丸「確かに…そうだな」


十神「どういう意図があるかは知らんが、やけにルールに縛られているようだな?苗木誠よ」

苗木「……」

苗木「なんのことかな?」

十神「シラを切るつもりか?分かってるだろう」

石丸「確かにルールは大事だが…おかしいな。君の行動は、どこか矛盾しているようだ」

石丸「ルールを逸脱せずに僕たちを殺さなければならない理由でもあるのか?」

十神「…こいつがここに出てきた事で、もしかすると管理者の権限、つまり、モノクマを操る権限をなんらかの形で失ったのかもしれん」

十神「つまり、黒幕ではなく、今お前はただの生徒の一人なんじゃないか?」

十神「だから、投票されはするが、お前自身も投票することができる」

葉隠「じゃあ、殺人数のルールに引っかかるのはオメェもだべ!すでに舞園っちの子供と大和田っちを殺してんだからな!」

石丸「まだ大和田君は死んではいないぞ!」

十神「しかし、これ以上…人を殺そうとすれば新たな管理者はなんと思うだろうな?」

苗木「言いたいことは分かったよ。十神君」

苗木「………流石だ。ジェノサイダーが殺せるのは2人まで、僕も既に誰かを殺そうとすることは難しい。」

石丸「つまり、2つ以上こっちの票を消すことはできないということだな!」

十神「例えば、俺と葉隠が殺されたとしても、石丸と大神の票がある。それに、苗木こまるの票が入れば、結局は同票なワケだ」

苗木「でもね、その考えには穴がある。ここまで辿り着いた君ならもう既に気づいているはずだよね?」

十神「当然だ。だが…お前は本当にそこに踏み込むことができるのか?」

石丸「なんの話をしているんだ!」

十神「なに、簡単なことだ。なにも、2人殺す必要はない。あと1人殺せば、俺と苗木の投票数は同じになる」

石丸「3票と3票だな。しかし、そうなると……」

葉隠「こまるっちに判断を委ねるってことか?」

こまる「それこそ、穴があるよ!お兄ちゃんに十神君!」

苗木「そうかな…」

こまる「元々、引き分けのところにわたしが割って入る必要はないよ、誰か別の人に私だけ投票すればいい」

石丸「確かにそうだな……葉隠君にでも投票しておけば、十神君と苗木君は同票のままだ」

十神「そうだ…つまり、どう足掻こうとお前に勝ちはない」


江ノ島「うぷぷー!甘いよー大甘だよー」

十神「何がだ」

江ノ島「十神たちは苗木から投票先を変えられない。でも、アタシ達は別に十神に入れる必要はないのでーす!」

こまる「そうだった…」

苗木「今から1人死んで、僕以外の誰かだから………確率は1/7だね。どうだい?やってみる?」

十神「くそっ!いくら1/7といえども、何度繰り返しても外れるなんてことはない!いずれ、当たる時が来てしまう」

江ノ島「一応、苗木は超高校級の幸運だからねー。あんた達は、運任せじゃ勝てないわよ」

江ノ島「唯一、勝てるとしたら、こまる……あんたが苗木に投票する。これしかないわね」

苗木「ハァ、君は気楽でいいよね…どっちに転んでも絶望できるんだから」


やっぱり、江ノ島さんは本当にお兄ちゃんの味方なわけじゃないみたいだ……

もし、そうだとしたら、江ノ島さんも力づくで十神君達を殺しに来るはずだし……

十神君達はお兄ちゃんを殺して外に出たい……

お兄ちゃんはみんなを殺して外に出たい……

わたしは…みんなで……

わたしが勝てるとしたら、お兄ちゃんを諦めさせるしかない……

これしか……方法はない。

そして、わたしにしか、できない!


わたしは大きく息を吸い込んだ。

こまる「腐川さぁあああん!起きてェええええええ!!」


ジェノ「あ?ウッセーな…アタシはあの根暗じゃねぇっつーの」

葉隠「何がしたいんだべ…」

石丸「気持ちは分かるが…そんなことじゃ腐川君は……」

こまる「できるよ!腐川さんは言ってたんだ!ジェノサイダーを自分で閉じ込めるようになりたいって!」

葉隠「たぶん気合でどうこうなる問題じゃねぇべ」

ジェノ「そうそう…寝てるっつっても、なんていうか物理的に干渉できる状況じゃないっていう感じ?」

こまる「早く起きてよぉぉおお!」

ジェノ「聞く耳持ってねぇのかよーッ」

苗木「諦めなよ、こまる……」

こまる「諦めるのはお兄ちゃんの方だよ!わたしはぜーったいに諦めないから!」

ジェノ「無理っつってんのによぉ」

こまる「ふーかーわーさぁーーん!」

ジェノ「何よ….…うるさいわね」

こまる「えっ!?」

ジェノ「って、言うとでも思ったか!ゲラゲラゲラ!…つーか、今のマジで迫真の演技じゃね?超似てね?さすがは本人ね!」

こまる「うーん、どうしたらいいんだろう」


十神「……そうか!」

十神「どうせなら、もっと近づけばどうだ?耳元で叫べばそれなりに効果があるかもしれんぞ?」

石丸「それは危険だ!殺されてしまうぞ!」

十神「それはない。苗木こまるが死ぬと、あっち側には引き分け以下の結果しか無くなる」

葉隠「ジェノサイダーはこまるっちを殺したら、それから1人しか殺せねぇことになる……つまり、永遠に引き分けになっちまうってことか」

大神「逆に考えると……肉体的に奴らに対抗できるのは、苗木こまるだけだな」

ジェノ「で?殺される心配がないからってここまでちかづいていいわけ?つーか死なない?臭くて」

ガシッ

わたしはジェノサイダーの体に抱きついて、耳に向かって大声で叫んだ。

こまる「ふぅぅかわさぁーーん!」

ジェノ「ギャアーッス!ウゼェええええ!」

こまる「おーーーーーきーーーーーろぉーーー!」

ジェノ「ウッセェッつってんダロ!」

バシッ

こまる「きゃぁっ!」

ジェノ「んニャロメ、仕返しだゴラァ!」

そう言って、ジェノサイダーは鼻から思いっきり空気を吸い込もうとした。

こまる「今だぁ!いけぇ!」

わたしはコショウを辺りに振り撒いた。

ジェノ「いっ!?」

コショウはジェノサイダーの鼻にずんずん吸い込まれて行く。

ジェノ「フガッフッ」

当然、私の鼻の穴にも大量のコショウが入り込む。

こまる「ふえっへっ」

「「ーックション!」」

2つのくしゃみの音が裁判所に響き渡った。

江ノ島「あーらら」

苗木「どうやら、やられちゃったっぽいね」

腐川「ハッ……」

こまる「へっ…戻れた……ね…腐川さん」

腐川「これは……」

腐川さんはコショウの容器を拾いあげた。

でも、その背後には

お兄ちゃんが立っていた

こまる「腐川さん!うし…」

腐川「ふぇ?」

腐川さんが振り向くより先に、お兄ちゃんの腕が振り抜かれた。

葉隠「恐ろしく速え手刀だべ!俺でなきゃ見逃しち

こまる「腐川さん!!」


ジェノ「はぁーい!笑顔の素敵な殺人………ふぇっふえっ……」

ジェノ「ヘックショイッー」

こまる「え?」


腐川「ハァハァ……やったわ」

腐川「へっ……ヘッ」

こまる「ちょっ!また!?」

腐川「ふぅーなんとか堪えたわ。鼻の粘膜が弱くなってるみたいね」

苗木「いったいどうしたのかな?腐川さん」

腐川「ふん!これさえあればあたしは無敵よ!」

腐川さんはコショウを突き出して高らかに言った。

こまる「ただ単に、意識を失う直前に自分にコショウを振りかけただけだよね」

苗木「だったら、次はコショウを奪い取ってから、気絶させなきゃ」

腐川さんの首……相当、痛いんだろう、皮膚の一部が赤く腫れている。

その部分に向け、お兄ちゃんが腕を振りかぶって………

十神「止めておけ」

十神君がその腕を掴んでいた。

十神「お前程度なら、俺にでもなんとかなる」

十神「こんな風にな!」

十神君はそのまま、腕ごとお兄ちゃんを突き飛ばした。

苗木「イテッ」

苗木「やるね、十神君。じゃあ、試してみようかな…」

十神「やってみるか?おそらく、お互い時間と労力を無駄にするだけだが」

苗木「やっぱり止めておくよ」

十神「懸命な判断だ」


十神「……苗木こまる、よくやった。これであいつと2票差以上付けることができる。」

こまる「えっちょっと待ってよ」

十神「待つわけにはいかん……と言いたいところだが、お前がやれるというなら、説得をさせてやってもいい」

こまる「できるよ!必ずお兄ちゃんを説得させてみせる」

十神「頼んだぞ」

葉隠「頼むべ、こまるっち!」

大神「…うむ」

腐川「……こまる」

石丸「こまる君!しかし、時間はそれほどないぞ!分かってるな!」

こまる「分かってるよ」

もう…お兄ちゃんが勝つのは無理

お兄ちゃんだって、死ぬよりかはみんなと一緒に外に出ようと考えるはず

こまる「お兄ち「ねぇ?」

苗木「こまる…君が来なかったらどうなってたと思う?」

こまる「え?」

苗木「もし、君があの時、僕を助けに来なかったら……」

苗木「まず…日向君達の作戦は間違いなく成功していたはずだよね?現にボク以外の記憶は奪うことに成功してるんだから」

こまる「え?」

苗木「そうすれば、ボク達はこの学園で希望を育てていたかもしれないんだ」

苗木「外の世界からは隔離されていても、平和な日常を過ごしていたかもしれない。少なくとも、誰かが誰かを殺すなんてことはなかっただろうね」

こまる「わたしの…せい…なの?」

苗木「それは違うよ!こまるのせいなんかじゃない!こまるのおかげだ!全て!」

苗木「君のおかげで、僕は超高校級の希望になれるんだよ!」

こまる「そんな…全部わたしの…」

わたしが…悪かったの?……

わたしが助けていなければ……

こまる「誰も死ぬことはなかった…」

苗木「そうだね。あ、でもお父さんとお母さんは既にボクが殺してた後だからね」

苗木「それでも、こまるはボクを助けてくれたんだ!ありがとう!」

こまる「うっ…うわぁああああああああああああああああああッ!」

こまる「わたしがッ!わたしのぜいでッ!?」

こまる「わたしが全部、悪がったのぉ!?」


腐川「そ、そそ、それは違うわよ!」


腐川「あんたが何を思ってるか知らないけど!」

腐川「あたしはあんたのお陰であいつを封じ込めることが出来たのよ!」

腐川「日向達の計画が成功しても、あいつは…どうせ絶望していたままだったでしょうし……あんたのおかげよ!今があったからこそなのよ!」

腐川「あいつにだって、このまま絶望はさせない……あたしがキチッと更生わさせてやるんだから!」

こまる「腐川さん…」

大神「苗木よ……お主はこんな我に対しても…普通に女同士として、接してくれたな…我はそれだけで嬉しかったのだ」

こまる「大神さん…」

葉隠「苗木っちは、なんつーか…俺なんかの占いや、オカルト話に驚いてくれる…いい意味で、アホだべ!」

こまる「…葉隠君」

十神「なぜだか、お前とは多く行動することがあったな…なんとなくだが……お前と過ごしている時間は、心地良かった。…少しだけだがな」

こまる「…十神君」

石丸「確かに、苗木君には才能なんて無かった!しかし、君のその優しさは何よりもかけがえのない力になるはずだ!」

石丸「こんな状況下でも、みんなのことを考えることができる!『オメェは本当にいい奴だ!』大和田君もそう言うハズだ!」

こまる「…石丸君」

こまる「…それに大和田君も」


こまる「さっきはちょっと…絶望しかけたけど…これからも少しは落ち込んだりするかもしれないけど…」

こまる「わたしはもう絶望なんかしたりしない!」

こまる「みんなでここから出るんだ!」

苗木「で?具体的にはどうするつもりなのかな?」

苗木「社会に出たら、願望じゃなくて、明確なプランを提出しなきゃならないんだよ」

こまる「お兄ちゃん、脱出スイッチを渡して」

苗木「嫌だ!絶対に諦めないぞ!前向きなのが、僕の唯一の取り柄なんだ!」


それがダメだったのかもしれない。

人一倍、前向きなお兄ちゃんは希望と呼ばれる人たちの中でも、強くあろうとした。

前だけを見つめ、後ろを振り返らなかった。

どんな状況でも、自分を曲げたりしなかった。

それで、ついには心が折れてしまったのかもしれない……



こまる「それはちがうよっ!!」

こまる「お兄ちゃんは、間違ってる。それは、お兄ちゃん自身が一番分かってるんじゃないの?」

苗木「僕が間違ってる?そんなわけ」

こまる「前向きだったらいいわけじゃない!前だけ向いてても、隣にいる人、後ろにいる人が見えないよ!」

こまる「ちゃんと見てよ……みんなを」

こまる「お兄ちゃんが憎む絶望に見える?」

お兄ちゃんは周りをゆっくりと見渡した。

しっかりと一人一人、見つめている。

戸惑うお兄ちゃんの顔とは裏腹に、みんなの顔は、希望と自信に満ち溢れていた。


お兄ちゃんは、全員の顔を見渡し、少しだけ俯いた。


そして、最後にわたしを見て笑いかけた。

苗木「分かった……僕の負けだ」

学級裁判

閉廷

エピローグ

〜玄関ホール〜

いつもは分厚い壁で覆ってあったようなこのホールも、今や、外の喧騒が聞こえてくるかのように薄く感じた。

十神「やっと出られるんだな」

腐川「………でも、少し怖いわね」

大神「安心しろ…我が命をかけて守る」

石丸「大神君…」

大神「…人を傷つける為に使ってしまった拳だ…今度は人を守るために使わせてくれ」

葉隠「俺も…警察には捕まりたくねぇけど、きちんと母ちゃんにした罪は償うべ」

十神「俺もだ…十神家を復興させることが俺がヤツにしたことの償いになるはずだ」

腐川「あ、あたしも…白夜様について行くわ!」

十神「勝手に決めるな…」

石丸「僕も、命をかけて大和田君を救ってみせるぞ!まずはそれからだ!」

江ノ島「それにしても…アタシと苗木…超高校級の絶望も希望も生き残るなんて、普通の終わり方ね」

苗木「……」

こまる「でも、みんなが生き残れたんだから…普通がいちばんってことだよ」

江ノ島「そうかしらね…」

こまる「江ノ島さんはこれからどうするの?」

江ノ島「世界征服よ」

こまる「えっ!」

江ノ島「何驚いてんのよ、あたしは世界を絶望に染めるのが夢なんだから」

そういえば最後に……

みんなを見てってお兄ちゃんに言ったとき、江ノ島さんのことを全く考えてなかったけど…

なんで、納得してくれたんだろう…

こまる「ねぇ、お兄ちゃん」

苗木「江ノ島さんのことか?」

こまる「うん…」

苗木「確かに、彼女は希望には見えなかったなぁ…最後まで僕の方についてたんだから」

苗木「でも、だからこそ、彼女は僕が止めるしかないって思ったんだ」

もしかして…

それも全部計算づくで…お兄ちゃんの味方についたってことは……


こまる「……ないよね?」

江ノ島「ん?なんか言った?」

こまる「うんん!なんでもない!」


〜完〜

乙!



腐川はカメ子を虐殺してたんだろうか…

これにて完結です!

様々な読みづらい点、矛盾点、多々あったかと思いますが、こんなSSを最後まで見てくれてありがとうございました!

途中で、叙述トリックを暴かれるという大失態を犯したわけですが……ヒントを出しすぎました。

死んだ人達の意味については分かりましたかね?
男女の呼称の違いを考えて、彼らだけはなんとしても、殺さなきゃならなかったわけです。特に山田……

次回作としては、十神、腐川当たりがキーマンになる1つの事件に焦点を当てたものを考えています。


ではまた

面白かったよー。次作あるのか、楽しみにしてます。

乙でしたー。

乙です
黒幕や犯人、キャラの正体はバレバレでも、ストーリーや裁判の流れに引き込まれるのがダンロンらしいっちゃらしかったよ
と偉そうに言ったものの>>253で指摘されるまでこまるだとまったく気づかなかった

最後に、chapter1〜4までの流れを軽〜く

第1の事件は、被害者戦刃、クロ朝日奈。
絶望シスターズが絶望の為に企てた事件。ほぼ、江ノ島がクロみたいな感じです。

第2の事件は、被害者桑田、クロ山田。
2人とも馬鹿っぽいので単純な事件だった。しかし、江ノ島に加え、十神もいろいろ、工作をしたので、厄介な事件になった感じ

第3の事件は、被害者不二咲、クロセレス。
セレスが江ノ島に罪を被せようとトリックを使った事件。2階の更衣室は事件には関係していない。


今、考えたけどこんな感じです。

何げに石丸がちょいちょい黒かったんだよなぁ……絶望抜けきってないのかと思ったww

霧切が舞園に殺されたけど、やっぱ江ノ島が何かしら協力したんかね?
舞園一人じゃ絶対殺せない気がするし

あと霧切が何故狙われたかはちょっと知りたい

完結乙でした、いきおいあったからスルッと読めた

しかしこれいう言うのは野暮だけど原作以上に絶望的なエンドだな
生き残り以外は77期78期共に死亡確定で、その生き残り勢もこまる以外はキレイな身の上じゃない訳だし

最後はちょっと勢いで行ってしまったというか、苗木を説得するには弱かったと思うが
舞園が死んで黒幕に迫るチャンスを~っていう中盤の流れは面白かった


途中まで叙述トリックに気づかなかったからすごい面白かった
惜しむらくは途中外野のネタバレというか先読みがあったことだわ


メンバー全員が絶望するに至った過程が一番の肝だと思えたけど
その部分が語られる事は無さそうだね


舞園オシオキ後のチャイムとか、日向創の手記とかすげーゾクゾクした
バレ抜きでまとめられたものを、記憶を消してもう一度読みたいわ
スレタイも見直すと感慨深いものがあるな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月25日 (木) 15:18:58   ID: UwI3MAOI

乙、期待。
しかし、スレタイと苗木の腐川と舞園への態度に身体が少し大きくなった…… これ、誠じゃなくね?

2 :  SS好きの774さん   2015年01月16日 (金) 15:36:45   ID: ewibZJZb

なるほど

コメ>>1ので気付いたけど、苗木(偽)で中身が詐欺師って説が有力っぽいな。
夢に白スーツのびちびちの〜って描写もあるし…。

3 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 18:02:36   ID: ZhPGu7ES

コメ>>2、可能性の高いキャラが他にもいる
冒頭
超高校級の幸運どころか才能自体知らない
舞園と知り合いじゃない
葉隠の兄か妹がいるという占い(当たっているらしいが、どちらか名言していない)
更に
女子会に何の問題もなく参加している等、性別♀であることを遠回しに表現してる描写多し
フルネームを一度も名乗っていない
腐川と地味に仲が良い

4 :  SS好きの774さん   2015年03月14日 (土) 02:25:56   ID: wVyE82CA

叙述トリック物は読んでてワクワクするね。
自分の予想が当たるか外れるかの答え合わせも含めて。

面白くて一気に読むほど、とても楽しませてもらいました。

5 :  SS好きの774さん   2015年09月21日 (月) 14:18:10   ID: ewNRK0Zl

全部読んでみてすごく面白かったです
コメ>>3を読んでみて「あ~なるほどな」と改めて思いました
女子会のところとかで男子一人かぁと思ったけどそういうことなんだと
理解しました。
とても面白かったです!

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