【繰繰れ!コックリさん】コックリさん「こひなが居なくなった」 (54)


繰繰れ!コックリさんのSSです。

原作と違う点があるかもしれませんが、ご了承下さいませ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418723764


コックリさん「・・・あれ」

狗神「・・・我が君?」

信楽「・・・嬢ちゃんが・・・」


「「「消えた・・・・・・」」」



狗神「貴様ーーッ!!我が君を一体どこにやったーーーーーッ!!」ガシィッ!!

コックリさん「やややややめろ落ち着け狗神!!揺するな!!首がおかしくなる痛い痛い痛い!!」ガクガクガク

狗神「落ち付いてなどいられますか!!この!!この状況がぁッ!!」ボワァン

コックリさん「お前女になってるぞ!!」

信楽「お前ーーッ!!美人がいるならいるとおじさんに最初から言わんかーーーッ!!」ガシィッ!!

コックリさん「やめろやめろ落ち着け狸親父!!こいつは男だぞ!!っていうか今はそんなこと関係ないだろうがこのスケコマシが!!」


狗神「我が君いぃいーーーーーーーーーーーッ!!」

信楽「美人ンンンンゥゥゥーーーーーーーーッ!!」

コックリさん「やかましいわーーーーーーーーーーッ!!」ゴォン!!


狗神「ギャイン!!」

信楽「あ゛いだっ」


ドサッ


狗神「わ、我が君・・・」ガクッ

信楽「び、美人・・・」ガクッ


コックリさん「・・・ったく、せっかくフライパンを新しくしたのに、こいつらの頭を叩いたらがへこんじゃったじゃないか・・・」

コックリさん「・・・しかし・・・」

コックリさん(・・・こひなは一体どこへ・・・?)


そう、それは数分前の出来事だった。

いつものような日常。


狗神がこひなに媚を売り、

狸がいけしゃあしゃあと金をせびり、

俺はカップ麺を食べることを叱り、


そして、こひなも。


こひなも、いつもと全く同じ様子だった。




・・・


コックリさん「・・・だーかーらー!!一番最初にこの家にとり憑いたのは俺なの!!俺が一番最初にこひなに呼ばれたの!!」


狗神「いいえ違います。あなたは「家」に憑いただけです。家の主に憑かねば、「憑いた」とは言えません。 
   それはすなわち、こひな様を一番愛しているこの私めが、この家に憑いているということになるのです」


信楽「憑いたとか憑かねえとか、そんなのは重要じゃねえんだよ。
   女の子の心をときめかせる。つまりそれは、取り憑いた、ってことになるんだぜ。
   嬢ちゃんだって、俺から見りゃぁ女なんだぜ。ま、半分冗談だがな。」


コックリさん「つまり」

狗神「私めが」

信楽「一番」



「こひなの事を「こひな様の事を「嬢ちゃんの事を「「「一番分かっている」」」んだよ!」のです!」んだ!」


こひな「・・・・・・」


こひな「・・・市松に父親は3人もいないのです。いらないのです」




コックリさん「何言ってるんだこひな、そんな淋しいこと言っちゃダメだ!!
       1人で食べるご飯より、誰かと食べるご飯の方がおいしいんだぞ!?
       俺はこひなを、父親のようにモフモフと守ってやる!!」

こひな「・・・思春期の女子にとって、父親の存在は、鬱陶しい存在でしかありません」

こひな「 ウ ザ イ のです」

コックリさん「 は う あ !! 」 ガビーン

狗神「それでは我が君、私めが貴女様をお守りいたします。時には父のように力強く。そしてある時は」


ボワン


狗神「・・・母として暖かく、包み込むようにお守りいたします。
   いえ、それどころか、それ以上の関係でも、私は・・・グフ、グフフフフグヘヘヘ」

こひな「・・・子離れできない母親は、子の成長にとって、ただの邪魔者なのです」


こひな「 キ モ イ のです」


狗神「 き ゃ い ん !! 」ズガーン


信楽「ま、所詮親も他人ってことだな。
   そんでもって案外、時々会う親戚のおじさんなんかが、一番気持ちを分かってあげてたりするもんなんだよ。
   親にも言えない本音を言えたり、たまーに、お小遣いあげたりなんかしてな。
   嬢ちゃん、他人同士、おじさんと本音で語り合おうや、な?」

こひな「・・・たまに現れ、幼女に賄賂を渡す変質者、通報なのです」

こひな「 ア ウ ト なのです」


信楽「 あ ふ ん !」ショボーン


こひな「市松は人形なのです。人形は、淋しさなど感じないのです」

コックリさん「・・・」

狗神「・・・」

信楽「・・・」


こひな「父親も母親も、親戚も友達も、人形には必要ないのです」


狗神「・・・で、こひな様のことを一番お分かりになると、最初に啖呵を切ったのは、どなたでしたか?狐殿」

コックリさん「・・・お前こそ常に我が君、我が君って言ってるくせに、全然こひなの心中を分かってなかったじゃないか」

信楽「所詮女心と秋の空。女には、俺達にゃ理解できねえこともあるってこった」

コックリさん「っていうかお前!!お前が一番この話題に関係ねーだろが!!なんでお前まで話にのってきたんだ!?あ!?」

狗神「そうでございます!!先ほどからの発言を振り返れば、まるでこひな様に気のあるようなものばかり!!ついにロリコンに目覚めたのですかこの変態狸!!」

信楽「ち、ちがうよぉ~・・・おじさんも嬢ちゃんのお守をしようと思っただけなんだよぉ~」

コックリさん「ほぉ珍しい、俺の変わりに料理をしてくれるって言うのか?」

狗神「貴様如きに我が君が守れるとでも?」

信楽「いやぁ、家事手伝ったら、ちょっとだけお小遣いくれないかなぁ~・・・って思ってサ」

コックリさん「やはり金目当てか!!」ゴワン

狗神「このタカリ屋め!!」ズキューンズキューン


信楽「イテテ・・・ったくさっきから黙ってりゃ、好き放題言いやがって。おじさんだって無職のプロ目指してるなりに、気使ってるんだからな」

コックリさん「へえ」

狗神「ほう」

信楽「嬢ちゃんが学校行ってる間に近所をうろうろすると、『アラ、市松さん宅の人、今日もパチンコしてるわ』
   なんて言われちゃ、嬢ちゃんも形見が狭いだろうから、迷惑かからないように、ちゃーんと隣町のパチンコ屋に行ったりとかな・・・
   おじさん、嬢ちゃんのこと分かってあげてるつもりだぜ?」

コックリさん「それは気を使ってるとは言わないだろーが!!」

狗神「同意」

コックリさん「気を使うってのはなぁ!!こひなのことを考えてあげるっていうのはなぁ!!
       栄養のある食事、偏りのない食事、おいしい食事を一日3食50品目用意してあげることを言うんだ!!
       こひなの体の事を考えている俺が一番、こひなのことを分かってるんだ!!」

狗神「フッ、そんなことで我が君の事をお分かりになったおつもりですか?何も分かっておられないようですね」

コックリさん「なんだとォ?」

狗神「我が君の事ならなんでもなーーーんでも知っている私が、一番こひな様のことを理解している!!
   そう、食べ物の好き嫌い、身長体重、スリーサイズBMI値骨密度ほくろの位置寝相体毛の

コックリさん「おまえちょっと大概にしろよ!?!?!?!!!!?」

信楽「おじさんもちょっと引いたわー」


コックリさん「・・・ともかく」

狗神「・・・それよりも」

信楽「・・・さておき」

コックリさん「こひなの生活の事をちゃんと考えている」

狗神「こひな様のすべてを把握している」

信楽「嬢ちゃんのストレスがないようにしてあげてる」


「俺が「私めが「おじさんが「一番」こひなの事を」我が君の事を」嬢ちゃんの事を」


「「「分かってるんだよ!!!!!!」」」


コックリさん「・・・」イラ

狗神「・・・」ムカ

信楽「・・・」チッ


おまえいいかげんにしろよ!!なにがすべてを把握してるだ!!ストレスがないようにだ!!
何を!!狐殿こそいつもこひなさまの好物を隠したり、狸殿はこひな様に金銭をたかったり!!
おじさんも言われ放題だと黙っちゃいられねえなぁ!子供は自由に育てるモンだぜ?

ギャーギャー ワーワー ギャー


こひな「・・・」


こひな(不毛な争いが始まってしまったのです)

こひな(でも、市松には関係ないのです)

こひな(市松は、自身の心配をされようが、関係ないのです)

こひな(市松は、全てを把握されていようが、誰の物でもないのです)

こひな(市松は、他人と関わらないので、ストレスなどたまらないのです)

こひな(そう、市松こひなは人形なのです)

こひな(人形には、中身がないのです。からっぽなのです)

こひな(人形の心の中は、からっぽなのです)

こひな(そうなのです)

こひな(だから)

こひな(だから・・・)





 カ ッ ! ! 




コックリさん「ッ!?なんだこの光!?」

狗神「我が君が光に包まれております!」

信楽「お、おい!?嬢ちゃんの姿が・・・!!」








シュウウウウ・・・





コックリさん「・・・あれ」

狗神「・・・我が君?」

信楽「・・・嬢ちゃんが・・・」


「「「消えた・・・・・・」」」





・・・これが、たった数分前に起きた出来事。

突然まばゆい光に包まれ、こひなは・・・

姿を消した・・・。









コックリさん「一体どういうことなんだ?」

狗神「もしや、我々の妖力に影響されて、よからぬ物の怪に連れ去られたのでしょうか?」

信楽「いや、それはないな。もしそうなら、ここにその物の怪の気配が残っているハズだ」

コックリさん「・・・こひながふざけているのか?いやしかし、いくらこひなでも、瞬時に姿を消すことなんて・・・それも気配まで・・・」

狗神「私はやはり、連れ去られたと考えるべきだと思います。物の怪以外に連れ去られた、という可能性も考えるべきでございます」

信楽「・・・とにかくどういう理由であれ、こりゃあ嬢ちゃんを探さないといかんなぁ・・・」

コックリさん「一応警察に電話した方がいいだろうか?」

狗神「そうですね。・・・どんな手段を使ってでも見つけ出さなければ・・・我が君!」

信楽「しかし、警察に嬢ちゃんの人相、どうやって伝えるんだ?写真でもあるのか?」

コックリさん「ああそうだ、狗神。お前どうせこひなの隠し撮りの写真沢山持ってるだろ。一枚かしてくれよ」

狗神「嫌でございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

コックリさん「ヒッ」ビクッ

狗神「私の聖なるコレクションを、汚らわしい手で触らせるなど、断じて許しません!!!!!!!!!」

信楽「・・・んじゃ、人相書きでもするか?」

コックリさん「おお!その手があったか!!」

コックリさん「すぐ本人だって分かるように描かないとダメだぞ!!」

狗神「お任せ下さい。我が君への愛をこの紙に描きます」

信楽「昔人間の真似をして絵を描いたことがあるんだよ。おじさんにまかせなさい」



数分後・・・


コックリさん「できた!!まずは俺からだ!!」


ジャーーーン!!


信楽「ほお、これは」

狗神「・・・なんですか、これは?」

コックリさん「なんだって、こひなだろ?」

信楽「・・・というよりも、これは・・・」

狗神「麗子像・・・でございますね」


参考画像:岸田劉生『麗子像』
ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Kishida_Ryusei_Young_Girl_Standing.jpg


コックリさん「なんだよ!!こひなの特徴のおかっぱがちゃんと描かれてるだろ!!」

信楽「まあ、似顔絵は本人の一番の特徴を描くと分かりやすいもんだが・・・」

狗神「しかしそんなものでは、こひな様の美しさは描ききれておりません!!」

コックリさん「な、何ィッ!?」

狗神「私めの描いたこひな様をとくとご覧あれッ!!」


ドーーーン!!


コックリさん「こ、これは!?」

信楽「随分とまた・・・」

狗神「お美しいでしょう!?そうです、私の目に映る我が君!!この絵のように光り輝き、眼はうるみ、微笑んでいるのでございます!!」

コックリさん「というかこれ、お前ビジョンのこひなで、本物には全然似てない」

信楽「だな」

狗神「な、なんですと!!??この絵が狐にも劣ると!!??」ガビーン

コックリさん「バカは置いておいて、お前の絵を見せてみろよ」

信楽「おおそうだな。おじさん、絵描くのは久々だから、頑張っちゃったよ。ちょっとタッチは古いけど、そっくりだ」

コックリさん「おおそうか、どれどれ・・・」


デーーーン!!


狗神「・・・・・・」

コックリさん「・・・・・・」

信楽「ど~だ!?おじさんの自信作だぞ!?」

狗神(浮世絵だ・・・)

コックリさん(ちょっと古いタッチって、ちょっとどころじゃねえぞ・・・コレ・・・)


参考画像:ttp://ttrinity.jp/_img/product/26/26193/1540643/1914681/7677547/product_img_f_7677547.jpg


コックリさん「ええーーい!!リベンジだ!!もう一度描いて、お前らをギャフンと言わせてやる!」

狗神「私もでございます。・・・我が君、私めの手が、我が君への愛を描ききれなかったことを、どうぞお許し下さい」

信楽「ん~おじさんも久々にお絵かきしたら、なんだか楽しくなっちゃったな~。よ~し、もう一枚!!」



アハハハ アハハハ キャッキャ キャッキャ






コックリさん「・・・って楽しくお絵かきしてる場合じゃないでしょぉーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!??」

狗神「ハァッ!!そうでございました!!つい我が君を描く楽しさに没頭しておりました!!」

信楽「ンガァアアアアンゴオオオオオオオ」ZZZZZZZZ

コックリさん「こんな時に酒飲んで寝てるんじゃねーよ!!」ポカン!!


コックリさん「ああもう午後か・・・もうこうなったら、人相どうこうよりも、特徴を口頭で伝えた方が早いだろう」

狗神「私めが警察に電話いたします。狸殿、失礼ですが携帯電話を貸していただけますか?」

信楽「あいよ。頼んだぜ」



プルルルルル プルルルル


あ、もしもし警察ですか・・・?はい・・・そうです、突然姿を消してしまって・・・
ええ、特徴は、おかっぱで・・・烏羽玉(ぬばたま)のように美しい黒髪でして・・・

それから、つぶらな瞳・・・あの美しいびいどろのような、私めの心を射抜く、美しい瞳・・・

華奢な手足、抜けるような白い肌、ああ・・・我が君、我が君よ!!

私めは、あなた様が、あなた様が愛おし


ブツッ


プーッ プーッ プーッ


狗神「・・・電話が切れてしまいました」

コックリさん「当たり前だろ!!!!!!!!」


信楽「しょうがねえなあ、こういう時は、年長者に任せな。俺が電話してやるよ」

コックリさん「頼んだぞ!」


プルルルルル プルルルル


あ~~もしもし、警察ですか?そうそう、消えたんだよ~ピカーッと光って。
え?特徴?あ~~ん、目が取れて、カップ麺で動く、人形みたいなモンかな。

え?間柄?
いや、親、っていうわけじゃあないんだけど・・・ははは、兄弟、でもないかな。親戚?いやいや違う。

あ~そうだ!

突然呼び出されて、住んでるから、おじさん誘拐されたみたいなもんかなぁ~アッハッハッハh



ブツッ


プーッ プーッ プーッ


信楽「ありゃ、切れちゃったよ」

コックリさん「当ッたり前だろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


コックリさん「もういい!俺に貸せ!!俺が電話する!!」

信楽「あ、その電話だけど・・・」

コックリさん「うるさい余計な事言うな!」


プルルルルル プルルルル


あ、もしもし?私、人探しをしておりまして・・・ええ、ええ。
あ、はい。それは名前から申し上げます。
名前は、市松こひな。
外形の特徴は・・・・・

ブツッ


プーッ プーッ プーッ


コックリさん「おい電話切れたぞ!!!?!?」

狗神「ですから、狸殿が、プリペイドがなくなる寸前だと、申し上げようとしておりましたのに」

コックリさん「あああああああーーーーーーー!!どうすんだよコレ!!家の電話からかけても、もうイタズラだと思われて相手にされないぞ!?」

信楽「ちょっとは人の話聞かなきゃダメだよ~」


コックリさん「ハァ・・・天下の警察も頼れなくなったか・・・」

狗神「それでは、我々あやかしの力を使って探すと言うのはいかがでしょうか?」

信楽「おおいいね~。他の人に任せておけば、おじさん安心だぁ」

コックリさん「この狸おやじ!!お前のせいで警察頼れなくなったようなモンなんだからな!!」

狗神「あやかしの身でありながら、まず人間を頼ろうとした狐殿にも問題があると、私めは思いますが・・・」プッ

コックリさん「じゃーーーかしーわ!!・・・で、誰に頼るんだ?」

信楽「・・・天狗だな」

狗神「・・・天狗殿でございますね」

コックリさん「・・・え?」


コックリさん「お前達正気か?あの天狗に頼むのか?」

信楽「なんで?あの辺の山の事ならなんでも知ってるんだよ」

狗神「攫われて山へ連れて行かれたか。こひな様自身で山へ行かれたか。
   いずれにしても、あの広範囲の山のことをご存知の天狗殿のご意見をお伺いすれば、少しは探索が楽になるとは思うのですが」

コックリさん「いやだってあいつショタだよ?写真撮られるよ?お前達、いいの?」

信楽「いや、おじさんは、おじさんだから。無理だから。ハハッ」

狗神「私も、只今から女性の身体に変化します故、少年の姿になるのは、少し難しいかと・・・」ボワン

コックリさん「え?何?お前達、どういうこと?」

信楽「さあ、そうと決まれば」ガシッ

狗神「参りますよ。天狗殿の所へ」ムンズ

コックリさん「え!?え!?ちょっとなんで簀巻きにしてかつぐの俺を!?ねえなんで!?ちょっと俺前も写真取られたんだけどぉーーーー!?ちょっとぉーーーー!!!ちょっとーーーーー!!」


天狗の家


天狗「・・・ほぉ、そうかそうか・・・そういう理由で、やって来たと・・・」

信楽「ま、どうか一つ頼むぜ。そいつは好きに写真撮ってかまわねえからよ」

狗神「私共では満足頂ける被写体になれませんので・・・どうか、このショタ狐と引き換えに、我が君、こひな様の安否をお教え下さいませ!」

コックリさん「ンモガーーーーーーーー!!ウーーーーーーーー!!」(やめろーーー!俺は同意したわけじゃねえーーー!!)

天狗「ふむ・・・まあ、天然ショタではないというのには目を瞑ってやろう・・・あの娘に免じてな・・・」

コックリさん「グムムーーーーー!!モウーーーーー!!」(この変態ショタコン野郎ーー!!離せーーーー!!)

天狗「さ、それでは・・・」

コックリさん「モフ!!?!?」ビクッ

天狗「一 肌 脱 ぎ ま し ょ う か な ・・・」

コックリさん「モフッーーーーーーーー!!!!!!!!」(アッーーーーーーーーーーーーーーーー!!)


天狗「ホッホッホ、眼福眼福。新しく短パンタンクトップ衣装を着せたかいがあったわい」

コックリさん「うっ・・・・・・うううっ・・・・・・」

信楽「お疲れさん。ボクがんばったね!おじさん、えらいと思うよ!!」

コックリさん「ガキみたいに扱うんじゃねえ!!」

狗神「何をすすり泣くのですか狐殿。ただ写真を撮られただけではありませんか」

コックリさん「お前にはわからないッ!!あのレンズの奥から除く視線が!!視線が絡み憑いてあがじゃdkふぁhkdj

天狗「・・・そんなに文句ばかり言うて、あの娘のことを知りたいのではないのか?」

コックリさん「ッ!!そ、そうだった!!どうなんだ?こひなは、この山に今いるのか!?」

天狗「・・・ふむ、それなのだが・・・」

天狗「ハッキリ言うと、「居る」ようじゃ」

コックリさん「!?な、なら今、この家の近くに!?」

天狗「・・・しかし、「居る」のじゃが、何処に居るのかがつかめない。そして、姿形があるものとして居るわけではない」

狗神「一体それは、どういうことでございますか?」

天狗「あの娘の「存在」は感じる・・・それも、ものすごく近くに。じゃが、この山に居るというわけではない。
   遠くて近い、実態のないような存在として「居る」ようじゃ・・・」

信楽「それじゃまるで嬢ちゃんが・・・」

天狗「うむ・・・魂だけの存在になった・・・というのが、一番近いかもしれん。しかし、死んでいる、というわけでもない」

コックリさん「何なんだよそれ・・・結局、こひなの居場所は分からないってことか!?」

天狗「・・・すまんが、そう言う事になるな・・・」

狗神「・・・手がかりなし、でございますか・・・」

天狗「・・・じゃが一つハッキリ言えることがある。
   それは、あの娘の魂は、3つに別れて、どこかに封印されているようじゃ」

信楽「封印だと?なんだぁ、随分大げさな話になってきたじゃねえか」

天狗「・・・対価が足りんから答えられないというわけではない。わしにも、分かるのはこれだけじゃ・・・」


コックリさん「・・・」

狗神「・・・」

信楽「・・・」

狗神「・・・狐殿」

コックリさん「・・・なんだ」

狗神「その・・・・・・先ほどは・・・・・・・・・」

コックリさん「? 何だ?」

狗神「そ、その・・・・・・も、も、申し、わけ・・・・・・」

信楽「スマンかったな、恥ずかしい格好させたのに、結局手がかりなしになっちまって、って言いたいんだろ?犬の嬢ちゃん」

狗神「なっ!?」

コックリさん「!? な、なんだお前いきなり謝るだなんて!?どうかしたのか!?」

狗神「クッ、フ、フン!少しは労おうと思って言っただけでございます」

信楽「犬の嬢ちゃんも素直じゃないねえ。普通に、『ごめんなさぁ~い、狐殿ぉ~』って謝ればいいだけのことよ」

狗神「なっ!?」

信楽「そしてその次は、『私、私のせいでこんなことに・・・ごめんなさいぃ~』って、おじさんの胸に抱きついて甘えてごらん。泣いたって、いいんだぜ」

狗神「貴様・・・!やはり殺されたいようだな・・・!!」

コックリさん「・・・俺の事なら気にするなよ狗神」

狗神「!?」

 
コックリさん「お前がこひなのことを大切に思っているのは知っている。信楽も手がかりを得る手段を考えてくれた。
       俺はそれに協力したまでだ」

狗神「狐殿・・・」

コックリさん「それに、何も手がかりがなかったわけじゃない」

信楽「・・・そうだな」

コックリさん「3つに分けられて封印された魂。この場所を探せばいいだけだ」

狗神「・・・そうでございますね。諦めずに、その場所を探しましょう」

コックリさん「さあ、もう夕方だ。日が沈む前に、今度は町で聞きこみしよう」

信楽「・・・おじさんも珍しく本気出すとしようかな」

狗神「私めはこひな様の匂いを探ってみます」

コックリさん「よし、じゃあそれぞれ探してみることにしよう!」

信楽「よ~しおじさんがんばっちゃうぞ~」

狗神「こひな様・・・我が君・・・クンカクンカスーハー」

コックリさん「あ、あとお前ら。さっき無理やり俺を被写体にさせたから、狗神は夕食抜き、信楽は明日小遣いなしな」

狗神「この狐が!!やはり根に持って恨んでいたのですね!!」

信楽「そりゃないよ~。おじさん、やる気なくした・・・ハァ・・・」

コックリさん「やかましいわ!!少しは俺の受けた辱めの辛さを思い知れ!!」





・・・




・・・




ここは・・・



ここはどこでせうか。



真っ暗で何も見えません。


真っ暗なのです。


でも、市松は平気です。


市松は人形です。


暗闇などには怯えません。


闇の中でひとりぼっちでも、平気なのです。






・・・起き上がって歩いてみましたが、どこまで行っても闇なのです


・・・果てしない果てしない闇なのです


・・・市松は、この闇を知っている気がするのです


それは




・・・それは・・・




信楽「おお~~い、嬢ちゃ~~~ん」

信楽「嬢ちゃ~~~ん、おじさんだよ~~~」

信楽「おじさんだよ~~~カプ麺あるよ~~~」

信楽「タバコもあるよ~~酒もうまいよ~~~」

信楽「・・・ってやれやれ、タバコと酒じゃ出てくるわけねーわな・・・」

信楽「・・・」

信楽(・・・っと・・・いつの間にか孤児院の方に向かっちまってたか・・・)

信楽(お、まだ外で遊んでる子がいるのか・・・声が聞こえるな)



子供1「・・・あ~あ、早くあのおじさんに会いたいなぁ~」

子供2「え?あのいつも来る、お坊さんの格好したおじさん?」

子供1「そう!わたし、あのおじさんに、早くあいたいの!」

子供2「あのおじさんに!?あたま半分まっ白でへんだよあのおじさん~!」

子供1「あたまはまっ白だけど、でもあのおじさん、とってもやさしいんだよ!いっつもわたしの頭、いっぱいなでてくれるの!」

子供2「えーっ!!そうなの!?ずるーい!!わたしもなでてもらうー!!」


キャハハハハ 早く会いたいね~ アハハハ・・・


信楽「・・・・・・」


信楽(・・・俺に会いたい、か・・・)




この孤児院の子供達は、俺が破滅させた家の子供達だ。

こいつらが天涯孤独になったのは、俺のせいだっていうのによ。

そんな俺に早く会いたいとは・・・。



俺ぁ化け狸だ。

化かして、騙して、奪うやり方しか知らねえ。

だから疎まれるのには慣れているはずだった。

それなのに―――


信楽「・・・そうだ、あの時・・・・・・」




(・・・さん、・・・ックリさん・・・・・・)



あの時、呼ぶ声が聞こえたんだ。

いや、正確には、俺を呼んでいたんじゃあない。

けれど・・・



(コックリさん・・・コックリさん・・・おいでください・・・)



俺は、俺を必要としてくれる誰かを、求めていたんだ。

誰でもいい。


俺を受け入れてくれる場所を。


この孤独を埋められる人を―――






信楽「・・・そうか、嬢ちゃん・・・アンタも・・・」


狗神「我が君ーー!!我が君ーーーー!!」

狗神「愛しの我が君ーーー!!あなた様を求めてさまよう私ーーーーー!!」

狗神「どうかこの胸にいらしてくださいーーー!!どうか早くーーーー!!」

狗神「我が君ーーーー!!我が君・・・・・・っってこひな様の匂いがするーーーーーーーーーーーーーッ!!」


ドビュン!!


ガ ッ シ ャ ア ア ア ア ア ア ー ン!!


タマ「に゛ゃあああああああああーーーーっ!?突然うちの店の入り口を壊して入ってきたのは誰にゃーーーーっ!?」

狗神「なんだ貴様か」

タマ「にゃにゃっ!!お犬様ではないですか!!」

狗神「そうか、我が君は一度ここに拉致されたのでしたね・・・ってまさか貴様!!またもこひな様を!?犯人はお前か!!??」

タマ「なんのことにゃ!?あの子のことなら、もう諦めてるにゃ!全然お人形さんらしくならないから、もう手に負えないにゃ~」

狗神「そ、そうですか・・・それではこの匂いはその時の残り香ということですね・・・大変お騒がせ致しました、失礼致します・・・」

タマ「ちょ、ちょっと待つにゃ!!このドアどう弁償してくれるにゃ~!!ドアが壊れてたら営業できないにゃ~!!」

狗神「そんな事を仰られても、貴女のお店は年中開店休業状態でしょう?何かお困りでも?」

タマ「にゃ、にゃにを~~!!ってそれだけじゃないにゃ!!お犬様がこんなことで引き下がるなんておかしいにゃ。何かあったのにゃ?」

狗神「・・・・・・実は・・・」


タマ「ふ~ん、そうだったのにゃ~。不思議なこともあるものにゃ!」

狗神「全くでございます。私めは、こひな様を一刻も早く取り戻さねばなりません」

タマ「しかし、1人の人間にここまで執着するとは、驚きだにゃ!」

狗神「・・・それが何か?私めのこひな様への愛は、本物でございますよ?」

タマ「うにゃ!嫌味じゃないのにゃ~。そうじゃにゃくて・・・う~ん、あ、そうにゃ!タマがお人形さんを好きなのと同じなのにゃ!」

狗神「?」

タマ「お人形さんは何も言わないけれど、タマが沢山愛情を注いであげたら、その分どんどんかわいくなるにゃ。
   それは、お人形さんもタマのことが好きだからなのにゃ。
   お互いに想いが通じ合ってないと、そう感じられないのにゃ。
   お犬様があの子のことを、可愛くて愛おしくて仕方がないのは、あの子もどこかでお犬様のことを好いているからだと思うのにゃ」

狗神「・・・・・・」

タマ「そんなに愛されて、あの子は幸せだにゃ!あ~、お人形さんだったら、もっとよかったのににゃ~~!!」

狗神「・・・・・・」


狗神(我が君が、私の事を、そんなにも・・・?)


狗神(我が君への愛は本物だ。でも・・・)

狗神(我が君は、私めをどう思っているのか、と・・・どこかで思っていた・・・)

狗神(そう思ってはいけない、何度もそう思っていた)

狗神(でも、そう思ってしまうのは・・・)




私は、ただの捨て犬だった

    お前は、狗神になるために拾われてきたのだ
            お前は、ただ死ぬだけの運命なのだ
私は、ただの1匹の犬だった

   飢える寸前の首を切り落として[ピーーー]。
        お前は、願いを成就させるための生贄なのだ
 お前は狗神になるのだ。

誰にも見向きもされなかった

    なんだこの狗神は、できそこないじゃないか
 やはりただの駄犬だったか。 できそこない

誰にも必要とされなかった

 この骨は砕いて捨てておけ 取っておく必要もない
   全く無駄なことをしてしまった 必要ないことをしてしまった

誰かに必要としてほいかった
       いらない犬
 いらない犬   いらない霊 いらない いらない

誰にも・・・・・・



 


狗神(誰にも、愛されなかったから・・・・・・) 





私は、私を必要としてくれる誰かを、求めていたのです。

そう、あの日、あの時。

捨てられていた私めに唯一差し伸べられた、あの暖かい手のような―――


この孤独を暖めてくれる、あの方の―――






狗神「!! そうか・・・我が君、我が君も・・・」



コックリさん「こひなーーーー!!どこだーーーーー!!」

コックリさん「こひなーーーー!!居たら返事してくれーー!!」

コックリさん「こひなぁーーー!こーーーひーーーなーーーー!!!」

コックリさん「こひなーーーーーーーーーーーー!!!」

コックリさん「・・・ハァ、魂に声で呼びかけたって意味ないか・・・」

コックリさん「・・・いや、諦めないぞ!!・・・おーーーーい!!こひなぁーーーーー!!」


コックリさん(皮肉だな、俺は人に呼ばれる側の立場のもののけなのに)

コックリさん(俺が声を張り上げて、こひなを探している)

コックリさん(もう、俺を呼ぶ者なんて、誰もいないのに)

コックリさん(そう、誰も・・・)




人が神を信じなくなったのは何時の頃からだろう。

そして神もまた人を信じなくなったのは何時の頃からだろう。


人は神を信じなければ生きられない。

しかし次第に人は、神を頼らずとも生きられるようになっていった。

人は知恵をつけ、神に近い存在へと近づいてきている。

だが神は違う。

神は、人の信じる力でしか生きられない。

だが、天の動きも、地殻のうねりも察知できるようになった今、

神にすがる理由がどこにある?

祈りなど、ただの戯れでしかないのだ。



だから―――


コックリさん(だから、お前が俺を呼んでくれた時)

コックリさん(お前が俺を信じて呼んでくれた時)

コックリさん(俺は、1人じゃないって、そう思えたんだ・・・)



あの日、寂れて朽ちた神社の中で、

俺はもう、この世から消える事を受け入れていた。

しかし、微かに聞こえた、俺を呼ぶ声。

その先には、こひな。

お前がいたんだ―――。

こっくりさんを1人でやるお前の冷たい目を、俺は何処かで見た記憶があった。

でも、今分かったよ。その目は・・・・・・




コックリさん「俺と、同じ目をしていたんだ・・・・・・」

コックリさん(消え逝く運命を受け入れた、孤独に耐える目・・・

コックリさん(こひな、分かったよ。お前も・・・)


コックリさん「お前も、俺と同じ、だったんだな・・・)









・・・





・・・





どこまで歩いたのでせうか


どこまで歩けばよいのでせうか


この闇は いつまでも終わらないのです


そう 市松が感じていた


あの感情のように







感じないはずでした


忘れていたはずでした


気づかないふりをしていました


この気持ちに。



なのに

どうして

今更


今更









こひな「今更、涙があふれて、止まらないのでしょう・・・・・・!」









今日も家に1人 明日も1人



こひな「・・・1人はつらいのです・・・」



今日も1人で食事 明日も1人



こひな「・・・1人は悲しいのです・・・」



会いに行く人などいない 会いに来る人などいない



こひな「・・・1人は、1人ぼっちは・・・・・・」



ずっと1人 このまま1人 永遠に1人



こひな「淋しいのです・・・・・・!」








ポウ・・・




こひな「この光は・・・?人魂でせうか?」


こひな「光の中に何か見えるのです」


こひな「信楽おじさん・・・?」



・・・


こひな『やはり、一つ目の姿も見えなくなってしまったのです。一つ目に会えなくなってしまったのです』


信楽『嬢ちゃん、友達が見えなくなって悲しいのは分かるが、所詮あれは、人と相容れない存在だったんだ。ま、そう気を落とすな』



・・・


こひな(そうでした、信楽おじさんは)


こひな(市松が悲しいとき、余計な言葉を捨てて、市松をなぐさめてくれたのです)


ポウ・・・


こひな「また人魂なのです」

こひな「・・・今度は狗神さんの姿が見えるのです」



狗神『我が君~!!』

狗神『我が君、愛しております!!』

狗神『この命、我が君と共に・・・!!』



こひな(そうでした、狗神さんは)

こひな(いつも、市松の冷めた心を、温めようとしてくれていたのです)



ポウ・・・


こひな「そしてこの人魂はきっと・・・」

こひな「・・・やはりそうなのです。コックリさんの姿が、見えるのです」


コックリさん『育ち盛りがこんな食事じゃダメだ!!』

コックリさん『・・・1人で寂しくないのか?』

こひな『アムアム、アム』オニギリムグムグ

コックリさん『アッハッハッハッハ・・・』


コックリさん『・・・ただいま』


こひな(そうでした、コックリさんは)

こひな(ありふれた日々を、市松と繰り返し過ごしてきてくれたのです)


こひな(市松は忘れていたのです)

こひな(いつも、市松のそばにあった、ありふれた日々のことを)

こひな(そして、それは、静かに流れているということを)

こひな(市松は)


こひな「市松は、もうひとりぼっちではないのです」





キイイイイイン・・・・・・!!



こひな「!?」

こひな「なんでせう、光が・・・」



 バ ァ ン ! !  



狗神「!?」

信楽「うをぉっ!?」

コックリさん「こ!!」


「我が君!」「嬢ちゃん!」「こひな!!」



こひな「・・・あれ・・・?」

こひな「ここは、市松の家なのです?」

こひな「確か、市松は、真っ暗な闇の中を歩いて・・・」

こひな(そうです、孤独のような真っ暗な闇の中を・・・)



ギュッ!!



こひな「!!(狗神さんが、いつもよりやさしく抱きしめてきたのです)」

狗神「我が君、もういいのですよ。もう、怯えることはないのですよ」



ポンポン


こひな「!!(信楽おじさんが、頭をやさしく撫でてくれたのです)」

信楽「嬢ちゃん、おじさん達、嬢ちゃんの気持ちを全然分かってなかったんだな」



ニギッ


こひな「!!(コックリさん、やさしく手をにぎってきたのです。みんなどうしたのでせうか)」

コックリさん「そうだ、俺達、こひなの本当の気持ちに気づいたんだ。こひな、お前はずっと・・・」






ずっと、淋しかったんだな―――




こひな「・・・!!」



こひな「う、う・・・・・・・・・」


こひな「うわあああああああああああああん」

こひな「あああああああああああああああん、うわああああああああああん」

コックリさん「!?ちょ、ちょっとどうしたんだこひな!!」

狗神「ああ我が君、泣き顔も麗しい・・・!」ポッ

信楽「いろいろ押さえ込んでたもんが出てきたんだろ。今はこのまま泣かせてやりな」


こひな「あああああああああん、うわああああああーーーーーん」




そうです。市松は、ずっとずっと淋しかったのです。

その淋しさを認めたくないから、人形のふりをしていたのです。

そして、この気持ちを、誰も分かってくれるわけがないと思っていたのです。


けれど、それは、市松の勘違いだったのです。

コックリさん、狗神さん、信楽おじさん。

みんな、市松の傍によりそってくれていたのです。


市松は、もう淋しくありません。

市松はもう人形ではありません。

生きた心を持つ人間です。

この胸に抱えていた淋しさと向き合って、

みんなが与えてくれるやさしさと共に、生きていこうと思います。





・・・・・・



こひな「一通り泣いたらすっきりしたのです」

コックリさん「でも、その喋り方は直らないんだな」

こひな「いきなり口調が変わると、キャラ変更勝手にすんなボケと言われてしまうのです」

狗神「私めは、このままの口調の方が、かわいらしくてこひな様にぴったりだと思います」

信楽「ま、取りあえず、嬢ちゃんが戻ってきてよかったよかった。ハッハッハ」

こひな「それはともかく、みなさん、なぜそのような破廉恥な格好をしてらっしゃるのでせうか?」


「「「え?」」」


こひな「信楽おじさんはフンドシ一丁に全身に経文をお書きになって」

信楽「ああ、これは、嬢ちゃんを念力で探すのにこういう格好になったんだよ」

こひな「狗神さんはパンツ一丁で全身を荒縄で縛っておられますし」

狗神「こっ!これは、全身に念を送り、こひな様の場所を探るために必要な格好でして・・・!」

こひな「そしてコックリさん、あなたが一番アウトです」

コックリさん「ええっ!?なんでぇっ!?他の2人もヤバいだろ!!」

こひな「いいえコックリさん。コックリさんの格好は・・・・・・だめです、とても口にすることができません。ああ、なんて破廉恥な」

コックリさん「仕方ないだろ!!少ない念を集めるためにこの格好をするしかなかったんだよ!!」


狗神「フン、狐殿の搾りかすのようなレベルの念力では、超超破廉恥な格好をせざるを得なかったようですね。
   やはり私めが一番こひな様を思っている!!
   そう、たとえこんな荒縄で全身を縛られたとしても気にしない!そう、我が君のためなら、ムチだろうが蝋燭だろうが   耐えてみせる!!」

信楽「いやいや、おじさんも、けっこう頑張ったんだよ。嬢ちゃんのためにね。
   この経文を書いた墨、特製でね~。書いたらなかなか消えないんだよ。体はってるんだよ~」

コックリさん「黙れお前ら!!狗神はただ単に変態プレイがしたいだけだろ!!このロリコンが!!
       信楽!お前も経文とか言ってるけど、途中からただのぐにゃぐにゃした線を描いてるだけじゃねーか!!
       ったく!!一番こひなのことを思って体はったのは、俺じゃねーか!!」

こひな「みなさん、どうか墜ちついて下さい。特にこっくりさん、あまり動かれると、あ、ああ。
    コックリさん、コックリさん、どうかおやめください」

コックリさん「ホラ見ろ!こひながすっかり怯えてるじゃねーか!お前達早く服着て消えろ!」

狗神「何をおっしゃるのですか!!退散するのは狐殿、そして狸殿、あなたたちお2人でございます!こひな様と今共に過ごすべきは、私にございます!!」

信楽「おいおいこういう時こそ、大人の余裕を見せてやらんと。さ、ガキ2人はあっち行って、あとの子守はおじさんにまかせなさい」

何をー!!貴様こそ立ち去れー!!いやおじさんに任せなさい!!
ギャー ワー ギャー ワー



コックリさん「つまり」

狗神「私めが」

信楽「一番」







「こひなの事を」「我が君の事を」「嬢ちゃんのことを」


「「「一番思って祈祷していたん」だ!」のです!」んだ!」


こひな「・・・・・・」




 カ ッ ! ! 



コックリさん「うっ!?この光は!?」

狗神「ま、まさかまたもや!?」

信楽「おい見ろ、嬢ちゃんの姿が・・・!!」



「「「また消えちまったーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」













こひな「いくら淋しくないからと言っても、変態なのは困ります」

こひな「少し反省してもらうのです」

こひな「それに・・・」



こひな(それにここだと、面と向かって言えないことが言えるのです)


こひな「コックリさん、狗神さん、信楽おじさん」




こひな(ありがとうなのです)


こひな(3人とも)


こひな(大好きなのです)






おわり

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