【GF(仮)】真琴「先輩っ、何してるんですか?」 その4 (330)

前スレ
真琴「先輩っ、何してるんですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414788967/)

【GF(仮)】真琴「先輩っ、何してるんですか?」 その2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415391632/)

【GF(仮)】真琴「先輩っ、何してるんですか?」 その3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416634730/)

ガールフレンド(仮)より柊真琴と俺氏の小ネタ集です。
前スレで指摘を頂きましたので、今回からは個数目標等は設定せずに投下します。
ひと月以上書き溜めをする等のことが無い限りゆっくりと投下していきます。
小ネタで書き溜め?と思われるやもしれませんが、暖かく見てやってください。

思いついたことを淡々と書き連ねていきます。
トラブル回避、嫌な思いをすることを回避する為に以下のことにご留意ください。

誤字脱字、キャラに違和感等あると思います。
俺の真琴はこんな子じゃない、台詞が気持ち悪い等の考えに至りましたらブラウザバックを。

もしよろしければネタを頂けるとありがたいです。
全てを回収できるかわかりませんが、未熟ながらも精一杯書かせていただきます。
それでは、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418577580

【手袋】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「ん? 手袋探してるんだ。 確かポケットに入れたと思ったんだけどな」

真琴「手袋、ですか」

俺「もう冬も本番、毎日のように今年最強の寒波がって言われるとそりゃ準備もしますよっと……」

俺「あった。 ……何故か鞄の隅でぐしゃぐしゃになってた」

真琴「ポケットじゃなくて鞄でしたね~」

俺「全く記憶にないけど、入れたんだろうな」

真琴「無意識に何処かにしまうってこと、ありますもんね」

俺「焦ってるときとか急いでる時とかは特にな」

俺「あーあー、ゴミや埃まみれ。 鞄の中ってなんでこう変なゴミがあるかなぁ」

【冬派?】

真琴「はいっ! 冬の時期のありきたりな質問です」

俺「いきなりだな……なに?」

真琴「先輩は夏と冬、どちらが好きですか?」

俺「うーん、夏かな?」

真琴「そうなんですか?」

俺「そうだけど、意外?」

真琴「私が今まで聞いた時は冬って答える人が多かったんですよ」

真琴「先輩は夏なんですね~。 ちなみに、理由を伺っても?」

俺「俺、寒いのダメなんだわ。 暑いのはまだ耐えられる。 虫や蚊の鬱陶しさも、蒸し暑さも冬の寒さに比べるとどうってことない」

俺「寒さはダメだ。 なんか、いろいろと痛い。 あと手が悴んだりするのが地味に辛い」

【カイロ】

真琴「でも、手が悴むのってカイロとかを使えば大丈夫じゃないですか?」

俺「俺、カイロとか使わないんだ」

真琴「? どうしてですか?」

俺「……特に理由もない」

真琴「?」

俺「親とかに使うかって聞かれる度に要らないって答え続けてたらいつの間にか使わないのが当たり前になってた」

真琴「……なら今からでも使えば良いんじゃないですか?」

俺「長年使ってこなかったんだからもうこうなりゃ意地でも使わない」

真琴「……」

俺「今、口に出さずに軽くバカにした?」

真琴「えっ!? いや~、その……別に使えばいいのにな~とは思いました」

俺「いいんだよ。 男子には何かしらそういうポリシーがあるの」

【冬の良さ】

俺「冬はなー、寒いし痛いしどうにも合わないんだよなー」

真琴「でも先輩? 冬には炬燵やストーブがありますよ?」

俺「夏にだって扇風機やクーラーがありますし」

真琴「寒い時に飲むホットコーヒー、先輩好きですよね?」

俺「コーヒーにはホットとは別にアイスコーヒーがあるよ?」

真琴「炬燵に入って食べる蜜柑、最高ですよ?」

俺「クーラーの効いた部屋で飲む炭酸飲料が夏にはあります」

真琴「おでんやお鍋、美味しいものがありますよ?」

俺「冷やし中華やそうめんで涼をとる良さがあります」

真琴「アイス! あったかい部屋で食べるのは最高です!」

俺「それさ、夏に暑さを凌ぐために食べるのを冬に無理やり再現してるだけじゃない?」

真琴「……。 うーん。 ……まいりました」

俺「いつの間に勝負になってた。 夏も冬も良いところがあるで良いじゃん」

真琴「ですね~」

【GF(仮)】真琴「先輩っ、何してるんですか?」 その3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416634730/)

こっちでやれよ

>>6
依頼を既に出していたので新しく立てましたが依頼の取り消しが出来たのですね、不勉強でした。
すみませんが今回はこちらで続けさせて頂きます。

【イヤホン】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「バタバタして鞄に突っ込んでたイヤホンが絡みまくっててさ、ほどいてる」

真琴「先輩ってイヤホン派でしたっけ?」

俺「いや、ヘッドホン。 今は手元にモニターのゴツいのしかなかったからイヤホンにしたけど、どーなってんだこれ?」

真琴「あー、見事に絡みまくってますね~」

俺「これは断線も覚悟しないとなー。 安物だからそこまで気にしないけど」

【きっかけ】

真琴「先輩はなんでヘッドホン派なんですか?」

俺「ん?」

真琴「ほら、ヘッドホンって何かとかさばりますしイヤホンを使ってる人の方が多いですから」

俺「きっかけは、なんだったかなー。 ……と、あぁ、こうなってるのか。 あー、そうだ。 俺の使い方が悪いんだと思うんだけど、イヤホンはよく断線してたんだ」

真琴「どのくらいの頻度でですか?」

俺「2ヶ月とか3ヶ月に1回のペースで。 ほら、高校生の懐事情からしたら5千円のイヤホンとかになると厳しくなってくるじゃん?」

真琴「そうですね」

俺「それを買って1週間で断線させた時は本当に辛かった」

真琴「1週間で、ですか?」

俺「そう、立ち上がる時に膝に引っ掛けてブチっと」

【転向】

俺「それで新しいイヤホンを見に行った時にヘッドホンが安く売っててさ、物は試しだと思って買ったらこれが一向に断線しなくて。 それがきっかけかな?」

真琴「でもヘッドホンって夏場は大変じゃないですか?」

俺「確かに夏場は蒸すよ。 でも冬場は耳当てみたいな感じで重宝するよ」

真琴「あ~、確かに冬場は暖かそうですね」

俺「後はティッシュ配りとかキャッチとかも声をかけてこなくなるし」

真琴「いや、それは……」

俺「とにかく俺にはヘッドホンの方が合ってたみたい……と。 やっと解けた。 どうやったらあんなに絡むんだ?」

【吐息】

真琴「はぁー」

俺「? 何してんの?」

真琴「あ、先輩! ほらほら見てください。 はぁー」

俺「だから、何してんの?」

真琴「ほら、吐く息が白くなりますよ。 先月まではそうでもなかったんですけどね~」

俺「ここ最近の冷え込みは凄まじいからなー。 もう手袋とかマフラーが手放せないよ」

真琴「ですよね、みんなモコモコしてきますもんね」

俺「モコモコ……まあ、そうね」

【クリスマス仕様】

真琴「街ももうクリスマスの雰囲気ですよね」

俺「早い店はハロウィンが終わるとすぐにクリスマス仕様になってたもんな」

真琴「そうなんですよ、もうびっくりしました。 まだ11月なのに小さなツリーとかが飾ってて」

俺「商売的な意味では早い方が良いのかね? よく分からんけど」

真琴「早い方が良いんじゃないですか? ほら、クリスマスケーキの予約とかも長い期間受け付けられますし」

俺「他には?」

真琴「他!? えーっと……」

真琴「お客さんにクリスマスの雰囲気を味わってもらうことによって……」

真琴「お買い物したくなるような気分にさせる効果があるんですよ! ……多分」

俺「おお、すごいな。 無茶振りだったからたぶん返せないと思ったのに」

【ご予定は?】

真琴「クリスマスと言えば、先輩?」

俺「ん?」

真琴「先輩はクリスマスに何かご予定はありますか?」

俺「いや、特にはないよ。 部屋でゴロゴロしてるんじゃない?」

真琴「本当ですか!?」

俺「本当」

真琴「なら、クリスマスは私と過ごしませんか? 私、頑張ってケーキ作るんで!」

俺「おー、ケーキか。 ……え? というか、ケーキも作れるの?」

真琴「私の趣味はお菓子作りですよ? 当然です!」

俺「そうなんだ、凄いな」

真琴「ふふっ、ありがとうございます。 で、いかがですか? クリスマス、私と一緒に過ごしてもらえますか?」

俺「こっちからお願いさせてください。 部屋を提供しますので簡単なパーティーでもしませんか?」

真琴「……2人でですか?」

俺「そのつもりだけど?」

真琴「……絶対。 絶対ですからね?」

【その前に】

真琴「パーティーですか~。 何を作ろうかな~?」

真琴「先輩は何が食べたいですか?」

俺「ん? 肉料理だったら嬉しいけど」

真琴「嬉しいけど?」

俺「その前に期末テストがあることを忘れるなよ?」

真琴「……」

俺「あれ? もしかして、本当に忘れてた?」

真琴「……はい。 そっかー、期末テストがあったんですね……」

俺「なにもそんなに落ち込まなくても」

【パスワード】

俺「……おっ」タッタッタッタ

俺「おはよう、柊。 調子はどう?」

真琴「……現在私は省エネモードで起動しています」

俺「……はい?」

真琴「その……つ、通常起動する為にはパスワードを発声してください……///」

俺「……」

俺「……あー、あんみつ大好きフォーエバー?」

真琴「……なんでよりによってそれなんです?」

俺「いきなりパスワードとか言われてぱっと思いついたのを言ってしまった」

俺「反省はしていない」

【省エネ】

俺「恥ずかしいならやらなきゃいいのに」

真琴「だって、いつも先輩にやり込められてるんでたまには反撃したかったんですもん!」

俺「なら恥ずかしがらずに毅然とやらなきゃ。 まだ顔赤いぞ?」

真琴「えっ、本当ですか? うわ~、教室に着くまでに引くかな?」

俺「にしても、なんで急に省エネモード?」

真琴「昨日テスト勉強をしてたのでちょっと寝不足で」

俺「それで省エネ?」

真琴「です」

【対策】

俺「テストと言えば、俺が去年各教科のテスト対策とかをまとめたノートがあるけど使う?」

真琴「え? そんなのがあるんですか?」

俺「教科を担当してる人が俺の時と違うから完璧な対策は無理だろうけど」

俺「それでも、範囲はだいたい被ってるだろうから全く使えないってこともないと思う」

真琴「先輩、お力をお貸しください!」

俺「承りました。 今日の帰りにでも持って帰ればいいよ」

真琴「助かります!」

お! 新スレゥー!

>>18
見ていただいてありがとうございます。
今後しばらくはこのスレで続けますのでよろしければまた覗いてください。

【テスト勉強】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「期末も近づいてきたし、そろそろ本腰入れて勉強しようと思って」

真琴「テスト勉強でもするんですか?」

俺「そう。 最初は図書室でやろうかとも思ったんだけど飲食禁止だからさ。 帰って珈琲でも飲みながらやるとするよ」

真琴「そうですか。 図書室でするならご一緒させてもらおうと思ってたんですが」

俺「そっちがいいなら来る?」

真琴「どこにです?」

俺「部屋。 狭くてもいいなら。 テーブルを引っ張り出せば2人でも大丈夫だと思う」

真琴「いいんですか?」

俺「別にかまわないけど? どうする?」

真琴「是非ご一緒させてください」ペコリ

俺「そんな頭下げなくても。 じゃ、行こっか」

【日程】

俺「そっちはもうテストの日程発表されたの?」

真琴「はい、昨日先生が日程表を黒板に貼ってました。 みんな写メってましたよ」

俺「で、苦手な教科が固まってるとかそんなことはなかった?」

真琴「はい、見事に私が苦手な科目は分散されてました。 助かりましたよ~」

俺「それは良かった」

真琴「先輩はどうだったんですか?」

俺「今回はまだマシかな。 鬼門の数学も土日を挟んでるから対策に時間が使えるし」

真琴「苦手な科目が土日を挟むと助かりますよね?」

俺「確かに」

【情報】

俺「少し散らかってるけど我慢してね」

真琴「お邪魔しまーす」

俺「珈琲用意するけど、砂糖とミルクは?」

真琴「砂糖もミルクも少しで大丈夫です」

俺「お? 少し慣れてきた?」

真琴「毎日ちょっとずつ量を減らしてきてますよ。 苦くても一緒に甘いお菓子とかを食べると意外と中和されるんですよ」

俺「中和って……。 っと、お菓子と言えば」

真琴「?」

俺「これもどうぞ、つまみながらやって?」

真琴「クッキーですか?」

俺「そう。 先週末の俺が手慰みに作ったの」

真琴「先輩が作ったんですか!?」

俺「そんなに意外?」

真琴「全くイメージがなかったので」

俺「最近のツイッターは情報の宝庫だよ。 それもフライパンで作ったやつだし」

【お味】

真琴「じゃあ、いただきます」

俺「いただいてください」

真琴「……」モグモグ

俺「……」

真琴「美味しいです。 これは珈琲ですか?」

俺「そう、インスタントコーヒーとメープルシロップを生地に練りこんでるの」

真琴「フライパンで焼いたからか硬さにムラがありますけど、おいしいです」

俺「やっぱりお菓子作りを趣味にしてるだけあって、言うことが違うなぁ。 ありがとう、今度作る時は意識してみるよ」

真琴「またよかったら食べさせてくださいね」

俺「あいよ。 んじゃ、そろそろ始めますか」

真琴「はい!」

【課題】

真琴「……」カリカリ

俺「……」カリカリ

真琴「……」カリカリ...チラッ

俺「どうしたー? 何かわかんないところでもあったー?」

真琴「あぅ……見えてたんですか?」

俺「そりゃ、向かい合ってカリカリやってたら視界には入るよ」

真琴「先輩は今どんな感じでテスト勉強をしてるんですか?」

俺「授業中に特に重点的に時間を割いてた場所の確認。 そう言う柊は?」

真琴「課題です。 今こうしてテスト勉強してるのは予定外なので勉強道具がなくて」

俺「数学の課題かー。 やっぱり量が多い?」

真琴「です。 こうやって少しずつでもやっておかないと大変なので」

真琴「今日はありがとうございます。 誘っていただいて」

俺「いえいえ」カリカリ

真琴「……あ、先輩? この問題ってどう解けばいいんですか?」カリ...カ

【対策ノート】

俺「えーっと? ああ、そうだ。 ちょっと待ってて」

真琴「?」

俺「確かここに……お、あった」

俺「これのここ」

真琴「どこです?」

俺「ここ。 ここの部分がこのパターンの問題の解き方をまとめたとこ」

真琴「このノートはなんです?」

俺「今朝言ってた対策ノート。 ほら、この公式。 問題文からこれとこれ、それからこの数値を拾って代入」

真琴「ありがとうございます」

俺「大体のパターンは網羅できると思う。 これはあげるからご自由にご活用ください」

真琴「えっ? このノート、頂けるんですか?」

俺「俺はもう使わないしね。 部屋の片隅で捨てられるのを待つだけよりは使われた方がいいでしょ」

真琴「ありがとうございます、これを使って今回のテストも頑張ります!」

【休憩】

真琴「……よしっ! 終わりました~」

俺「お疲れさん。 うしっ、少し休憩をいれようか」

真琴「はい~。 疲れました」

俺「ちょっと待ってて何か適当に飲み物持ってくる」

真琴「わかりました」

真琴「……」

真琴「?」

俺「お待たせ、ジュースとお菓子がまだ残ってたからどうぞ」

真琴「あ、ありがとうございます」

俺「? どうした、ちらちらとあっち見て」

真琴「先輩? パソコンにヘッドホンが繋がってますけど普段家ではパソコンで何してるんですか?」

【PC】

俺「何してるも何も、サイトを回りながら曲を聴くくらいだけど?」

真琴「どんな曲を聴いてるんです?」

俺「その時の気分によって変わるかな。 だいたい何かのアニメやゲームのサントラ曲が多いよ」

俺「最近は歌詞が英語の奴も多いから何かしら作業してる時に聴いてるんだ」

真琴「歌詞が英語って、解るんですか?」

俺「解からないよ。 意味が解らないから歌詞があっても特に問題なく作業できるんだ」

真琴「ヘッドホンは外さないんですか?」

俺「一応アパートだからさ、多少は音にも気を使ってるんだ」

俺「ほら、あれはカールコードの奴だから多少なら移動も出来て便利なんだ」

真琴「カールコード?」

俺「あの電話線みたいなやつ」

【騒音対策】

真琴「そういえば、クリスマスパーティーは本当にここで大丈夫ですか?」

俺「というと?」

真琴「いえ、気を付けるつもりではいますけどうるさくなっちゃわないかなーと」

俺「ああ、それは大丈夫。 普段我慢してるのはこっちだから」

真琴「?」

俺「ほら、いきなり喧しいって壁ドンされたらへこむでしょ。 やった方も罪悪感感じるし」

俺「だからここの住人でルールを決めたの」

真琴「ルール?」

俺「そう。 お互い1日のこの時間帯はこういう理由でうるさくなるかもしれませんって申告してるんだ」

俺「で、多少の騒音や振動は相互に黙認する。 どうしても我慢できないときはソフトに壁をノック」

真琴「そんなルールがあるんですか?」

俺「意外とこれが機能するんだ。 人を呼ぶだったり、この時間帯は家スロしますとか事前申請があると助かるし」

真琴「……家スロ?」

俺「やる人がいるんだってさ。 なんでも振動が凄いらしい」

【終了】

俺「お? もうだいぶ暗くなってきたな。 今日はこの辺にしとこうか」

真琴「もう少し待ってください、今解いてる問題で終わりますから」

俺「あいよ。 ……さて、ひとまずコップとかを片しますか」

真琴「……終わりました!」

俺「お疲れさん」

真琴「先輩、今日は誘ってくれてありがとうございました!!」

俺「進んだ?」

真琴「はい、課題は全部終わりました。 後はゆっくり先輩の対策ノートを見ながら進めます」

俺「そいつは良かった」

真琴「これで期末はいつもよりだいぶ余裕を持って臨めそうです」

俺「直前で徹夜はしんどいもんなー」

真琴「ですね~。 私は徹夜とかしたことないですけど」

俺「……よし、送っていくよ」

真琴「ありがとうございます。 それじゃ、行きましょう!」

俺「鍵持った、コタツとストーブは消した、窓は鍵かけた。 よし、んじゃ行こう」

【寒さ】

真琴「うぅ……寒いです……」

俺「寒いというか、むしろ痛いんだけど」

真琴「風があるぶん余計に寒いですね。 体感でどれくらい違うんでしょうか?」

俺「分からん。 ……ああ、本当に寒い。 やっぱり冬は嫌いだ」

真琴「まぁまぁ、そう言わずに。 冬は冬で楽しめばいいじゃないですか」

俺「冬嫌いの人はなかなかそう考えられないもんよ」

【防寒?】

俺「もう少し着込んでくれば良かったかな」

真琴「先輩、基本的にコートと手袋だけですもんね」

俺「マフラーとかはイヤホンやヘッドホンをしてるとモコモコして邪魔になるのよ」

真琴「カイロも使わないんですから防寒対策を徹底すればいいんじゃないですか?」

俺「その結果がそのモコモコなんだろ?」

真琴「そんなにモコモコしてますか?」

俺「コート着てマフラーして耳当てして手袋して。 いや、それくらいが普通なのはわかってるんだけどさ」

真琴「先輩もせめてマフラーくらいしましょうよ」

俺「考えておくよ」

【マスク】

俺「最近だとマスクをしてる人が増えたと思わない?」

真琴「駅の近くとかによくいますね。 風邪の予防だったりなんじゃないんですか?」

俺「俺思ったんだけどさ、マスクって防寒対策にならないかな?」

真琴「……はい?」

俺「いや、マスクで顔の大部分を覆うと前から風が吹いても寒くないんじゃないかなって思ったんだけど」

真琴「それならもう素直にマフラーしましょうよ」

真琴「もしかしたらいるのかもしれませんけど、普通は風邪の予防とかですからね。 マスクの用途は」

【お別れ】

真琴「送ってくれてありがとうございました」

俺「気にしなくていいって、バイト先にシフト表も出さないといけなかったから」

真琴「それでもです。 遠回りもさせてしまいましたし」

俺「そこまで律儀にならなくてもいいのに。 とりあえず、どういたしまして?」

真琴「ふふっ。 ……あ、そうだ。 先輩、少し待っててくださいね」

俺「? あいよ」

【お裾分け】

真琴「お待たせしました。 これ、まだ日持ちすると思うので夕飯の足しにしてください」

俺「いつも本当にありがとう。 親御さんはいらっしゃる? お礼を言っておきたいんだけど」

真琴「買い忘れたものを買いに出かけてるみたいです。 書置きがありました」

俺「そっか。 いつもありがとうございますって伝えておいてくれる?」

真琴「分かりました、伝えておきます。 ほら、シフト表を出しに行くんでしょ? 行ってください」

俺「……それじゃ、また明日な?」

真琴「はい、また明日です!」

【期末テスト】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「テストが終わった解放感を全身で感じてるの」

真琴「手ごたえはどうです?」

俺「やけに嬉しそうに聞いてくるな。 その調子だと、良い感じだった?」

真琴「はい! 先輩から頂いた対策ノートの成果か、今回のテストは私的にはかなりいい感じです!」

俺「そいつはなにより。 さてと、もう後は半日授業ばかりだし気分的にはもうクリスマスか」

真琴「あっ、そうだ先輩! クリスマスパーティーのこと、打ち合わせしましょうよ」

真琴「料理のリクエストとか、何時に始めるとか」

俺「そうね、んじゃ今日決めちゃいますか」

真琴「テスト期間中は考えないようにしてましたからね~。 楽しみです!」

【クリパ】

真琴「……」ピンポーン

真琴「……」

俺「はいはーい、予定より大分早かったなー」ガチャ

真琴「メリークリスマスです、先輩」

俺「おう。 メリークリスマス。 とりあえずお上がりください」

真琴「お邪魔します」

【準備】

真琴「先輩、お台所お借りしてもいいですか?」

俺「? ……ああ、持ってきてくれた料理をあっためるのか。 どうぞー、勝手に使っちゃって」

真琴「ありがとうございます。 その間に先輩はテーブルとか準備していてもらえますか?」

俺「はいよー」

真琴「よしっ、準備するぞ~」

【開始】

真琴「先輩~、この唐揚げも持って行っちゃってください~」

俺「よしきた、これで最後?」

真琴「そうです」

俺「んじゃ柊も座って」

真琴「はい」

俺「それじゃ、グラスを持って~」

真琴「はい!」

俺「メリークリスマス!」チン!

真琴「メリークリスマスです、先輩!」チン!

【プレゼント】

俺「あ~、美味かった。 本当に、冗談抜きで美味しかった」

真琴「良かったです~」

俺「あのケーキ、もう店とかで出せるんじゃない? 本当に美味しかったんだけど?」

真琴「そんな、大げさですよ~。 でも、ありがとうございます」

俺「あ、そうだ。 ちょっと待ってて?」

真琴「はい」

俺「……よっと。 はい、これ。 クリスマスプレゼントです」

真琴「あ! 私からも……。 先輩、クリスマスプレゼントです!」

俺「お、ありがとう。 開けてもいい?」

真琴「どうぞ~。 私も開けて良いですか?」

俺「どうぞどうぞ」

【開封】

俺「銅製のコーヒースプーン」

真琴「挽いた豆の計量に使うそうです。 すり切りで10g計れるそうです」

俺「いやー、ありがとう! 前まで使ってたやつはプラスチック製だったから粉がくっついてさ」

真琴「是非使ってくださいね」

俺「さ、そっちも開けちゃって」

真琴「……。 本ですか?」

俺「そうそう。 俺が本当に好きな本の初版本。 ブックカバーもあるからそれを付けて読んでみて?」

真琴「ありがとうございます!」

俺「俺も繰り返し繰り返し何度も読んでる作品でさ。 読み終わったら感想とか語りあおう」

真琴「珈琲を飲みながらですか?」

俺「おっ、それ最高だ。 楽しみにしてるよ」

真琴「ですね~。 先輩、今日はありがとうございました。 おかげで最高のクリスマスが過ごせました!」

俺「こちらこそありがとう。 本当に楽しかったよ」

年内の投下はこれで最後となると思います。
年明けもバタバタすると思いますがなるべく早く再投下したいと思います。
それでは皆様、良いお年を。


年明けからも楽しみにしておるよ

>>42
レスありがとうございます。
年明け以降もこのペースでゆっくり進行すると思いますので引き続きよろしくお願いします。
良いお年を。

新年あけましておめでとうございます。
ペースは相変わらずですが、今年もどうぞよろしくお願いします。
それでは、投下を再開します。

【クーポンメール】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「ん? ほら、これ」

真琴「やわらかビーフのクーポンプレゼント?」

俺「そう。 ファミレスのクーポンメール」

真琴「先輩ファミレス行くんですか?」

俺「終業式も終わったし、どうするか悩んでた」

真琴「……あの、良かったら一緒に行きませんか? 今ちょうどそのファミレスでデザートのフェアをやってて」

俺「デザートフェア、本当に好きだなぁ」

真琴「女の子は、私はそういうものなんです」

俺「……よし、行ってみようか」

真琴「はい!」

【半ズボン】

真琴「それでですね先輩、……先輩?」

俺「ん? ああ、ごめんごめん」

真琴「何を見てたんですか?」

俺「ほら、あれ」

真琴「近所の小学校の児童さんですね」

俺「あの子たち、だいたい半ズボンにスカートじゃん」

真琴「みんな元気ですね~」

俺「見てるこっちが寒くなってくる、あれ寒くないのかな」

真琴「子供は風の子っていいますし、寒いことは寒いけどあまり気にしないんじゃないですか?」

俺「絶対寒いと思う、俺には無理だ」

【無知】

真琴「先輩はあのくらいの時半ズボン穿いてました?」

俺「あのくらいの時は多分穿いてた。 小学校の中学年あたりからGパンを穿きだして、そこから戻れなくなったな」

真琴「その時は寒くなかったんですか?」

俺「寒かったよ、滅茶苦茶寒かった。 でもみんながみんな子どもは風の子って言うし、友達はだいたい半ズボンだったからさ」

俺「俺も張り合って半ズボン穿いて。 知らなかったんだよなー、Gパンがあんなにあったかいって」

真琴「戻れなくなっちゃったんですね~」

俺「一度Gパン派になったらもう半ズボンには戻れないって」

【混雑】

真琴「そんなこんなで到着しました、ファミレス!」

俺「結構高校生が多いなぁ」

真琴「みんな考えることは同じなんですよ。 解放感とかすごいですし」

店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

俺「二人です、禁煙席でおねがいします」

店員「こちらへどうぞ。 ご注文がお決まりになりましたらそちらのボタンでお知らせください」

俺「はい、ありがとうございます」

俺「さて、ほとんど勢いで来たけど来たからには楽しもう。 2学期のお疲れ様会ですな」

真琴「はい、お供します。 さてと、何を食べようかな~?」

【油断】

俺「俺は……もうこれでいっか。 やわらかビーフとやら、どれくらい柔らかいんだろうか」

真琴「先輩早いですね、もう決まったんですか?」

俺「クーポンメールに惹かれて来たわけだし、食べておこうかなと。 そっちは決まった?」

真琴「ちょっと待ってください。 このパフェとクレープとパンケーキで悩んでまして」

俺「大した量でもなさそうだし、2つくらいならいけそうじゃない?」

真琴「甘いです先輩、もうとんでもなく甘いです!」

真琴「この時期にスイーツの誘惑に負けるってことは、それすなわち体重が増えるってことなんです!」

俺「そんな大げさな」

真琴「全然大げさじゃありません。 油断してたらすぐに増えるんですから」

俺「……全然太ってるようには見えないけど、45くらい?」

真琴「失礼な! そんなにありませんよ!! 42でs……」

俺「……」

真琴「謀りましたね?」

俺「いや、今のは自爆じゃん」

【半分】

俺「そんなに気になるなら2つ頼んで半分ずつ食べるとかすれば?」

真琴「えっ? ……いいんですか?」

俺「何が?」

真琴「先輩ってスイーツ食べるんですか?」

俺「好んで食べることはないけど、たまにはいいんじゃないかなって」

真琴「じゃあ、半分お願いしてもいいですか?」

俺「あいよ。 んじゃ、ポチッとな」ピンポーン

【注文】

店員「ご注文をお伺いします」

俺「ドリンクバーを?」

真琴「2つで」

店員「ドリンクバーがお2つ」ピッピピ

俺「それからこのやわらかビーフ、クーポンって使えますよね?」

店員「はい、お会計時にご提示ください」

俺「じゃあそれで」

真琴「私はこの季節のフルーツデラックスパフェとリンゴのパンケーキを」

店員「かしこまりました。 ドリンクバーのグラスはあちらになります」

俺「んじゃ、ひとまず飲み物を調達しに行きますか」

真琴「はい」

【猫舌】

俺「……リンゴジュース?」

真琴「前に来た時はなかったと思うんでつい」

真琴「そういう先輩は珈琲にコーラですか?」

俺「珈琲は入れるだけ入れておいてある程度冷ますんだ。 その間はコーラでも飲んでおこうと思って」

真琴「先輩って猫舌なんですか?」

俺「どうなんだろ? そんなことはないと思うんだけど」

【最終的には】

俺「コーラ、やけにのどに絡むな」

真琴「やっぱり普通に買える市販のものが1番なんですか?」

俺「そりゃそうじゃない? こういうのって原価とか知ったら頼まなくなるのかな?」

真琴「でも一定料金で飲み放題っていうのは強いと思いますよ?」

俺「それもそうか。 っと、コーラ終わり」

真琴「お代わりですか?」

俺「いや、次は烏龍茶にする」

真琴「烏龍茶ですか?」

俺「なんでかいつも最終的には烏龍茶に行きつくんだ。 安定感が違うんだよなー」

【食生活】

俺「にしても、本当に高校生が多いなぁ」

真琴「ファストフード店とファミレスは学生の味方ですからね~」

俺「後は午後のひと時をお茶とおしゃべりに費やすマダム……と。 いつもの客層だなぁ」

真琴「いつものって、先輩はそんなにこの店を利用してるんですか?」

俺「気が向いた時に来る程度? ここで夕飯とかも食べてたし」

真琴「……今はそんなことしてないですよね?」

俺「柊真琴さん、並びに柊家の皆様のご厚意でお裾分けを頂いてからは一切外食をしておりません」

真琴「ならいいんです」

俺「本当に、まさか俺の食生活がここまで劇的に改善するとは思わなかったよ」

【過ごし方】

真琴「皆思い思いに過ごしてますね」

俺「ここは分煙のための衝立が上手い具合に壁みたいになっててさ、個室みたいな感じがしてかなり落ち着くんだ」

真琴「先輩はここに来てた時は何をしてたんですか?」

俺「そうだなぁ」

真琴「……」

俺「溜まりに溜まってやばくなった課題を一気に片すために使ったり」

真琴「……先輩」

俺「部屋だと誘惑が多すぎるからさ」

俺「ふと視界に入った漫画に手が伸びて全巻読破したり、急に掃除がしたくなったり、模様替えしたり」

俺「そんな経験、ない?」

【過ごし方 その2】

俺「後は、暇で暇で仕方ないときに携帯ゲーム機や本を持ち込んだりもしたな」

真琴「ゲームに本ですか?」

俺「そうそう、ドリンクバーを頼んで飲みながらゲームしたり本を読んだり」

俺「ドリンクバーだから飲み物の値段の心配はいらないし。 部屋で過ごすのとはまた違った感じでいいんだ」

真琴「そういうもんなんですか?」

俺「正直、ドリンクバーだけで粘る訳だから店側からしたら迷惑な客だとは思うよ」

俺「でもコンセントから電気を頂戴しながらゲームしたりPCしたりする訳じゃないから、ちょっと大目に見てほしいかな」

【実食】

店員「ご注文のお品はすべてお揃いでしょうか?」

俺「はい」

店員「ではごゆっくりどうぞ」

真琴「……写真と、少し違いますね」

俺「そこはほら、そういうもんだと思って開き直らないと」

真琴「……ですね! ではいただきます」

俺「いただきます」

真琴「ん~、このパフェ! 甘さが控えめでおいしいです」

俺「やわらかビーフ、想像よりは多少硬いけどそれでも確かに柔らかい方だわ」

真琴「パンケーキもしっとりしてそうで、期待が持てますよこれは!」

俺「あー、ライス付きで頼んだ方がよかったかもなー」

【タバスコ】

真琴「あ、先輩先輩!」

俺「ん?」

真琴「ほら、タバスコありますよ? かけないんですか?」

俺「絶対かけない」

真琴「あれ? 男の人ってタバスコをかけて食べるのが好きなんじゃないんですか?」

俺「それは人によりけりだろ。 というか、何? そのイメージ?」

真琴「いえ、私が読んできた漫画とかにそういうシーンが良くあったので」

俺「……それさ、誰かがイタズラでドバドバかけて悶絶するとかそういうのじゃなくて?」

真琴「ああ~……。 そういうシーンもありましたね」

俺「完全にイメージが先行しちゃってるじゃん」

【NG】

俺「そもそも俺は辛いのダメなんだ」

真琴「そうなんですか?」

俺「辛いっていうのは言っちゃえば刺激だからね? そんなのを好き好んで口にする神経が理解できない」

俺「そういう柊は? 辛いの、大丈夫なの?」

真琴「人並みだと思いますよ~?」

俺「そうなんだ。 じゃ、カレーとかは辛口で食べたr「ダメです」……」

真琴「絶対無理です」

俺「……そっか」

真琴「そうです」

俺「それは、辛いのはダメって言うんじゃなんじゃないの?」

【半分こ】

俺「ごちそうさまでした」

真琴「先輩、食べるの早いですね~」

俺「そんなことないって。 普通普通」

真琴「あ、じゃあパンケーキお願いしてもいいですか?」

俺「ああ、そっか。 半分食べるって話だっけ」

真琴「はい、1枚お願いできます?」

俺「はいよ」

【実食 その2】

俺「んじゃ、いただきます」

真琴「いただいちゃってください」

俺「ん。 あ、普通に美味い」

真琴「ですよね! 美味しいですよね!」

俺「これは凄い、普通に美味しい。 家で作るのと何が違うのか」

真琴「だからスイーツめぐりはやめられないんですよ」

【あれ?】

俺「美味しゅうございました。 ごちそうさまでした」

真琴「……本当に早いですって」

俺「だからそんなことないって。 男子はこんなもんよ」

真琴「早いと思いますけど」

俺「ま、それはいいんだけどさ」

真琴「?」

俺「いや、パフェは全部食べちゃって良かったの?」

真琴「……あれ?」

俺「半分どころか全部食べてるけど」

真琴「」

【放心】

店員「空いてるお皿をお下げしてもよろしいでしょうか」

俺「はい、お願いします」

店員「ごゆっくりお過ごしください」

俺「……大丈夫?」

真琴「……ダイジョウブデス」

俺「ほら、飲み物入れてくるけどなんかいる?」

真琴「……カロリー」

【雑談】

俺「大丈夫?」

真琴「はい、ご迷惑をお掛けして。 すみません」

俺「ほら、珈琲淹れてきたからどうぞ」

真琴「ありがとうございます、頂きます」

真琴「あ、そうだ。 話は変わりますが、先輩はお正月はどうするんですか?」

俺「正月?」

真琴「はい。 ご実家に帰るのかな~って思って」

俺「いや、特に何も考えてないな」

真琴「そうなんですか?」

俺「寒いし、帰るのも面倒だし」

【雑談 その2】

真琴「今年もあと数日ですね~」

俺「そうね~」

真琴「大掃除とか、します?」

俺「簡単に掃除するくらいかな?」

真琴「どんな感じにやるんです?」

俺「掃除機かけたり……雑巾がけしたり…………風呂掃除したり」

真琴「したり?」

俺「……靴箱掃除したり?」

【雑談 その3】

真琴「大晦日とかはどうするんです?」

俺「普通に部屋でごろごろしてるんじゃない?」

真琴「テレビでも見てですか?」

俺「罰ゲームでも見ながら鍋でもつつこうかな」

真琴「先輩は罰ゲーム派なんですね」

俺「大晦日なんてそんなもんよ。 テレビ何にもやってないし」

真琴「紅白とかは見ないんですか?」

俺「あんまし興味はないかな」

俺「ただ、最近のは本当に面白くないんだよなぁ」

真琴「そうなんですか?」

俺「ワンパターンすぎる。 芸人が集まって暴露大会やられても面白くないし、派閥で汚い競い合いやられても」

【お会計】

店員「お会計は1,860円になります。 ご一緒ですか?」

俺「一緒で」

真琴「え?」

店員「ではお会計1,860円になります。 Tカードはお持ちでしょうか?」

俺「いえ、ないです」ジャラジャラ

店員「ちょうどになりますね。 ありがとうございました」

俺「ごちそうさまでした」

真琴「ごちそうさまでした」

【買い物】

真琴「先輩? よかったんですか?」

俺「何が?」

真琴「会計です。 別々にしなくて良かったんですか?」

俺「パンケーキも半分もらったし、誘ったのはこっちみたいなもんだし気にしない」

真琴「……ありがとうございます、ごちそうさまです」

俺「いえいえ。 さてと、俺は晩飯の買い出しにでも行きますか」

真琴「今日は何にするんですか?」

俺「……水炊きにでもしようかな。 さっき話したら無性に食べたくなってきた」

こののんびり時間が流れてく感じの二人ほんとすこ

>>69
今後もこのような感じでゆっくり続けていきます。
よかったらお付き合いください。

【大晦日】

真琴「大晦日、ですけど、先輩は、今何をしてるんですか……と」ソウシン♪

真琴「テレビでも見てるのかな? でも特に先輩が好きそうな番組はなさそうだけd」チャクシン♪

真琴「あっ! 先輩だ!」

真琴「って……え? 電話?」

真琴「先輩? どうしたんですか?」

俺『いや、メールで返しても良かったんだけどさ。 今ちょっと洗い物の最中で』

真琴「別に後でも良かったんですよ?」

俺『イヤホンマイクとか使えばいちいち手元を気にしなくても喋れるから気にしなくていいよ』

真琴「先輩が構わないならいいんですが」

俺『実際特にすることもなくて退屈してたから、むしろありがたいよ』

【通話】

真琴「することもないって、先輩は課題しないんですか?」

俺『課題? もう終わったけど?』

真琴「……冗談ですよね?」

俺『意外? 俺って長期休暇の時の課題はすぐに終わらせておきたい派なんだ』

真琴「正直、びっくりしました」

俺『ま、普段の様子からじゃ想像できないかな。 課題終わったかの確認、俺のところにはまだ誰からも来てないし』

俺『そういう柊は? まだ終わってないの?』

真琴「はい。 毎日少しずつやってはいるんですけど……」

俺『継続してやってるならそれだけでも十分凄いって。 俺が知ってる菌糸類は連日ゲームしてるみたいだし』

真琴「菌糸類?」

俺『頼んでもないのにスコアとかのスクショがバンバン届くし』

真琴「……スクショ?」

【雑談】

俺『俺はまぁそんな感じで過ごしてたけど、そっちはどう?』

真琴「私も同じです。 少し早めにご飯を済ませて今は部屋でボーっとしてます」

俺『やっぱり大晦日はどこもやることは同じか』

真琴「もう1年が過ぎるんですよね。 早いですね~」

俺『毎回毎回ケイドロだの筋トレだのイベントばかりで、ゆっくりする暇もなかったしな』

真琴「もうあと2時間もしたら新年なんですよね」

俺『ま、新年になったからって特に何かが変わる訳でもないけどさ』

【初詣】

真琴「そういえば、先輩は除夜の鐘とか初詣には行くんですか?」

俺『除夜の鐘は11時半とかには出ておかないと間に合わないから行かないよ。 ……寒いし』

真琴「じゃあ初詣には行くんですね?」

俺『日が昇ってからになるけど、行こうとは思ってるよ? ……寒いけど』

真琴「よかったら一緒に行きませんか?」

俺『一緒に?』

真琴「はいっ! 私も初詣には行こうと思ってたので。 芽以ちゃんの神社に行こうかなって」

俺『そっか、森園の実家は神社だったっけ』

真琴「新年のご挨拶も兼ねて初詣もって思ったんですけど、どうですか?」

俺『いいね、行こうか。 どうする、迎えに行こうか?』

真琴「おねがいしてもいいですか?」

俺『あいよ。 それじゃ、明日の朝10時くらいにはそっちに行くようにするよ』

真琴「分かりました、待ってますね」

俺『それじゃ、良いお年を』

真琴「先輩も、良いお年を!」

【元日】

俺「……お?」

真琴「……」ソワソワ

俺「うぃーっす、明けましておめでとう」

真琴「あ、先輩! 明けましておめでとうございます!」

俺「こりゃまた凄いな、晴れ着じゃん」

真琴「あ、そうなんですよ~。 お母さんが出してきてくれて」

俺「着付けも出来るんだ」

真琴「お母さんが全部やってくれました。 お父さんは転ぶから止めておけって言ってましたけど」

俺「うん、凄く似合ってる。 綺麗だ。 語彙が無くてそんな感想しか言えなくて申し訳ないけど」

真琴「いっ、いえいえとんでもない! ありがとうございます!」

俺「お、おぉ……」

真琴(お母さん、ありがとー!)

【時間】

俺「にしても、わざわざ外で待ってなくてもよかったのに」

真琴「さっき家から出たばかりですから気にしないでください」

俺「……お手を拝借」

真琴「はい?」

俺「ほら、手。 ちょっと貸してみ?」

真琴「……はい」

俺「冷たっ! 10分とかそこらじゃないな?」

真琴「あぅ、ごめんなさい」

俺「こういうのは立場が逆だろうに……。 ま、いいや。 それじゃ行こうか?」

真琴「はい。 ……え? このままでですか?」

俺「嘘をついた罰ってことで。 暫くは握られてなさい」

真琴「……はい!」

【人通り】

俺「神社に近づくにつれて人通りが多くなってきたなぁ」

真琴「すごい人ですね~」

俺「こりゃ、手を繋いでて正解だったな。 ここではぐれたら、合流するのが大変だ」

真琴「で、ですね///」

俺「何回か転びそうになってもすぐに支えられたし」

真琴「……ですね」

俺「……なんでそんなに辛気臭い顔をしてるんだか」

【お作法】

真琴「あっ! 先輩先輩! ほら、参拝の作法が書いてますよ?」

俺「最近の神社にはそんな看板もあるのか」

真琴「手を清めるのにも、きちんとした作法や手順があるんですね~」

俺「当たり前って言えば当たり前だけど、中途半端な知識の俺からしたらこれはありがたい」

真琴「え~っと? まずは左手からなんですね、あまり気にしてませんでしたけど」

俺「正しいやり方を知ってる方が少数派だと思うけど」

真琴「……これって、利き腕とかに関係なく左手からなんでしょうか?」

俺「そりゃ……左手からやらないとダメなんじゃない?」

【お参り】

俺「……」ガランガラン

真琴「……っ!」ブンブン......ガラン...ラン

俺「……」パンッパンッ

真琴「……」パンッパンッ

俺「……」

真琴「……」

………
……


俺「……ククッ、鐘っ……鳴らすのってそんなに難しいか?」

真琴「だって! ……なかなかうまく鳴らないんですもん!」

俺「……」

真琴「……」

俺「……ブフッ!」

真琴「もー! 笑わないでください!」

【おみくじ】

真琴「先輩? おみくじはどうします?」

俺「引く機会なんてそうそうないし……やってみようかな?」

真琴「じゃあ、私もやってみよっと」

俺「すみません、おみくじを1回ずつ」

………
……


<第五五番 小吉>

俺「ま、こんなもんか」

真琴「先輩はどうでした?」

俺「小吉だったよ、結果的には良くもなく悪くもなくかな?」

真琴「私は中吉でした!」

俺「……なんか嬉しそうじゃん?」

真琴「ほら、愛情と縁談と恋愛のところを見てください!」

俺「……次の段階に進むとき、相手は意外と近くにいる?」

真琴「だ、そうです!」

俺「良かったじゃんか」

真琴「はい!」ニコニコ

【おみくじ その2】

俺「吉なればさらに幸を増し」

俺「たとえ凶なりとも日々努力することにより、その身に吉が訪れます……か」

真琴「先輩?」

俺「ほら、おみくじの一番最初のところ」

真琴「あ、本当だ」

俺「なんか、身が引き締まる気がする。 ……気のせいかもしれないけど」

真琴「やっぱり、こういうものに書いてある言葉は不思議ですね~」

俺「そうだな。 おみくじは結んでいく?」

真琴「あ、あそこにちゃんと結ぶように場所があるんですね」

俺「木に結ぶと枝が痛むとかで、最近は場所を設置するところが多いって聞いた覚えがあるわ」

【おみくじ その3】

真琴「私は持って帰ろうと思います」

俺「いい結果だったし、俺も持って帰るかな?」

真琴「私は財布にでも入れて持っておきます」

俺「お、それは良いかもな。 常に持っておくっていうのも」

真琴「なら先輩も一緒に財布に入れませんか?」

俺「そうするか。 一緒に、さらに幸を増すように努力しようか!」

真琴「はい!」

【ご友人】

俺「おーおー、どんどん人が来るなぁ」

真琴「……」キョロキョロ

俺「?」

真琴「あっ」

真琴「芽以ちゃ~ん!」タッタッタ

芽以「あっ、真琴ちゃーん!」フリフリ

キャッキャ

俺「……あそこだけ一気に華やかになったな」シミジミ

【談笑】

真琴「元気にしてた~?」

芽以「元気って、昨日もメールしたでしょ?」フフッ

真琴「ふふ、そうだったね。 あ、明けましておめでとうございます!」

芽以「明けましておめでとうございます」

芽以「先輩も、今年もよろしくお願いしますね」

俺「おう、今年もよろしくな」

芽以「はい!」

真琴「それにしても、すごい人だね?」

芽以「元日はだいたいいつもこのぐらいの人が来るよ?」

俺「その間はずっと手伝いを?」

【談笑 その2】

芽以「はい、社務所に入ったり案内をしたり」

真琴「大変だね~」

芽以「もう慣れちゃったよ」

俺「この状況じゃこう言っても仕方ないけど、あまり無理しないようにな?」

芽以「はい、ありがとうございます」

俺「さて、お参りも済んだし。 そろそろ帰ろうか?」

真琴「そうですね、あんまり邪魔しちゃ悪いですし」

芽以「邪魔だなんてそんな、来てくれてありがとうございました」

俺「いえいえ、それじゃまた」

真琴「またメールするね?」

芽以「うん、待ってるね」

【帰路】

俺「大変だなぁ」

真琴「芽以ちゃんですか?」

俺「暫くは凄い人出だろうし。 そうじゃなくてもかなりの頻度で掃除したりしてるんだろう?」

真琴「学校でも率先してお掃除してますもんね」

俺「凄いな」

真琴「そうですね」

俺「……さって、帰ったら何をするか」

真琴「課題は……もう終わったんですもんね」

俺「そう、だから意外と暇でさ」

真琴「私も帰ったらやらないと」

俺「あとどのくらい残ってる?」

【帰路 その2】

真琴「苦手な教科の分があと少し」

俺「早めに済ませちまえよ~?」

真琴「分かってますよ~。 新学期が始まってすぐにテストもありますし」

俺「テストな~。 ……毎回毎回面倒だ」

真琴「そうですね~」

俺「毎回思うけど、テスト問題が事前に分かってたらどれだけ楽か」

真琴「事前にですか?」

俺「そう、そしたらそこだけを勉強すればいいし効率的だし」

俺「何より楽だし!」

真琴「ですね~」

俺「テスト勉強する度にそう思うよ」

【解散】

俺「はい、なんだかんだで柊さん家の前です」

真琴「お喋りしてたらあっという間でしたね」

俺「俺は帰って何かしらを、柊は帰ってお勉強です」

真琴「もう後少しですし片付けちゃいたいと思います」

俺「んじゃ、またな?」

真琴「はい! 次に会うときは新学期ですかね?」

俺「特に何もなければそうなるかな?」

真琴「それじゃ先輩、新学期もまたよろしくお願いしますね?」

俺「あいよ、こちらもいろいろとお世話になります」

真琴「ふふ、はい!」

俺「それじゃ、またな~」

真琴「気を付けて帰ってくださいね~」フリフリ

【新学期】

俺「……」テクテク

真琴「せ~んぱい!」ドンッ

俺「おっと! ……柊?」

真琴「はい! 私です。 おはようございます、先輩!」

俺「はいよ、おはよ」クアー

真琴「先輩、眠そうですね」

俺「冬休みなんて短いから割と規則正しく出来てたと思ってたんだけど……」

真琴「意外と眠かった?」

俺「そう。 ま、そのうち元に戻るだろ」

【半ドン】

真琴「先輩は今日のご予定はありますか?」

俺「ん? 特にはないよ。 明日からいきなりテストだから多少テスト勉強をするくらい?」

真琴「なら今日は一緒に下校しませんか?」

俺「あいよ、分かった。 下駄箱? 校門?」

真琴「校門でお願いします」

俺「了解。 今日は始業式だけだしまだ暖かいうちに下校できるか」

真琴「その代わり、明日からはもう1日授業ですけどね~」

俺「柊さん、それは言わないお約束です」

【自由登校】

俺「そう言えば、3年はもう自由登校期間に入ったのかな?」

真琴「自由登校期間、ですか?」

俺「そう。 確か去年も今頃だったと思うけど」

真琴「なんですか? それ」

俺「ほら、3年生はもう大学の一般入試が近いから。 だから学校に来るも来ないも自由って期間があるのよ」

真琴「大学の一般入試ですか?」

俺「?」

【サザエさん時空】

真琴「先輩は来年3年生になるんですか?」

俺「……そりゃ、よっぽど成績が悪いとか、出席日数が足りないとかじゃない限り進級するよ」

真琴「私、来年は2年生になるんですか?」

俺「そりゃ、そうなるんじゃないの? 進級ラインに引っかかるほど成績悪くないじゃん」

真琴「私、去年もこんなこと言ってたような気がします」

俺「去年?」

真琴「はい、去年ももうすぐ2年生に……って」

俺「……」

真琴「……」

俺「この話はやめよう、ほら、もう学校にもついたし」

真琴「……そうですね!」

俺「触れちゃダメなんだって、うん」

【校門にて】

真琴「……先輩は?」キョロキョロ

真琴「まだ……かな?」

<……ら、予定があるって言ってるだろーが!

<……たしとお前の仲じゃないか

<……島さん、また日を改めれば

真琴「?」

俺「だから、今日は予定があるんだって!」

木乃子「ゲームの発売日にショップにダッシュ、これ以上の予定が何処にあると言うかー!」

園美「……そこらじゅうにあると思いますけど」

俺「今日はもう一緒に下校する予定があるんだ、この埋め合わせはまた別でするから今日は本当に勘弁してくれって」

木乃子「ならいったい誰があたしをおんぶすると言うんだ!」

俺「そこは自分で歩けよ!」

【校門にて その2】

真琴「姫島先輩に掛井先輩?」

木乃子「ん? どうしたー1年、何か用か?」

園美「……あ、姫島さん」チョイチョイ

木乃子「ん?」

園美「ほら、少し前に廊下でご迷惑をお掛けした」

木乃子「……あ、あ~。 あの時の1年か」

俺「柊、悪いな。 こいつらに捉まってなかなか移動出来なくて」

真琴「いえ、私も今来たところです」

俺「今度は嘘ついてないだろうな?」

真琴「ついてませんよ~」

木乃子「……」

園美「……」


【校門にて その3】

木乃子「リア充だ、リア充がいる」

園美「は~、リア充って言うのは意外と身近なところにいるものなんですね~」

真琴「リア充?」

俺「柊は気にしなくていい。 ほら、今日は後輩と一緒に帰ることになってるから。 悪いな姫島!」ギュッ タッタッタッタ

真琴「えっ、ちょ、先輩? わわ、転ぶ!」ヨロヨロ

木乃子「」

園美「行っちゃいましたね」

木乃子「あいつ、手を取って走って行ったぞ」

園美「ああいうのは創作の中だけに存在するものだと思ってましたよ」

木乃子「全く、後輩との色恋沙汰に現を抜かす暇があるならコントローラーを握って○ボタンを押せばいいものを」

園美「姫島さんはすぐにそれですね~。 そんなことよりも、ショップに行かなくていいんですか?」

木乃子「ぬおっ、もうこんな時間じゃないか! こうなったら仕方ない、行くぞ掛井!」

園美「分かりました」

木乃子「あいつめ~覚えてろよ~。 明日以降、必ずアドホックフルボッコの刑に処してやるからな~」タッタッタ

園美「あ、待ってくださいよ姫島さ~ん!」

【逃走】

俺「……」タッタッタッタ

真琴「ちょっ、せんぱっ……止まって……」ヨロヨロ

俺「あ、悪い悪い」パッ

真琴「ハァ……いったいどうしたんです?」

俺「本当に悪かった。 あのままだったらなし崩しにショップに行くことになりそうだったからさ」

真琴「駅向こうまでですか?」

俺「多分そうだと思う。 強引に手を引く形になって、本当に悪かった」

真琴「や、そこは別にかまいません。 むしろ、ありがとうございました」ペコリ

俺「?」

【下校】

真琴「それじゃ、ちょっと想定とは違いましたけど。 今から下校ということでいいですか?」

俺「……」キョロキョロ

真琴「先輩?」

俺「よし、スネークされてないな?」

真琴「スネークってなんです?」

俺「尾行されてないかの確認。 じゃ、帰ろう」

真琴「はい!」

俺「想定外とはいえ迷惑をかけたから、また今度なんか奢らせてくれ」

真琴「いいんですか?」

俺「年末のバイト代もまだまだ残ってるから大丈夫。 また喫茶店でも行く?」

真琴「その時は是非に!」

【暇潰し】

俺「新学期最初の日ですが、如何でしたか柊さん?」

真琴「! ……そうですね、課題提出もつつがなく終わり、例年通り淡々と進行しておりました」

俺「……特に困ることなく返されると面白くないな」

真琴「どうしろって言うんですか!」

【暇潰し その2】

真琴「先輩はどうだったんですか?」

俺「こっちもいつもと変わらなかったな」

真琴「ですよね、やっぱり」

俺「だから、始業式とかHRとかで誰かがしゃべる度に合間合間にえ~って何回言うかカウントしたりしてた」

真琴「壇上でしゃべる時のですか?」

俺「そうそう、はい、え~新学期最初の日が……え~、みたいな」

真琴「何してるんですか……」

俺「そうでもしてないと寝そうでさ」

【イベント】

真琴「残り少ない冬ですけど、次は何のイベントが始まるんですかね?」

俺「ウィンタースポーツがらみのイベントが今回は少なかったしなぁ」

真琴「スキーとかスケートとかですか?」

俺「そうそう、去年はなんだかんだで色々とウィンタースポーツやったんだよ」

真琴「先輩、もしその手のイベントが始まったら色々と教えてくださいね?」

俺「俺もそこまで詳しいわけじゃないんだけど、承りました」

真琴「ふふっ、スポーツ系のイベントでも頑張ります!」

俺「とりあえず立てるように?」

真琴「……スケートはともかく、スキーは大丈夫だと思うんですけど」

俺「……う~ん」

真琴「多分……きっと」

【イベント その2】

俺「でもさ、バレンタインデーも近いしお菓子作りとかはないかな?」

真琴「お菓子作りですか?」

俺「調理実習室を解放して、チョコだったりケーキだったりを」

真琴「あるかもしれませんね」

俺「柊なら講師役を務めることになるんだろうな」

真琴「かもしれませんね~。 そうなったら失敗しないようにしないと!」

俺「砂糖と塩を間違えたり?」

真琴「そんな初歩的な失敗! ……たまにしかしませんよ」

俺「やることはやるんだ……」

【イベント その3】

真琴「塩と砂糖の取り間違いとかよりももっと気をつけないといけないことがあるんですよ」

俺「ん? それはドジ的な意味で?」

真琴「……まぁ、そうですね」

俺「う~ん、調理器具を取り落して洗い直したりとか?」

真琴「もっと大変です。 それは割と日常茶飯事です」

俺「もっとか……。 ……日常茶飯事?」

真琴「分かりませんか?」

俺「降参。 なんだったの?」

【イベント その4】

真琴「味見です」

俺「……はい?」

真琴「味見です」

俺「聞き間違いじゃなかった。 どういう意味?」

真琴「こんな感じなんですけどどうですか?って味見を求められたりするじゃないですか」

俺「そりゃ講師役なら、生徒役のお菓子を味見して確かめたりする……かな?」

真琴「するんです」

俺「するんですか」

【イベント その5】

真琴「その時には講師役を精一杯務めようって味見するんですよ」

俺「はい」

真琴「お家に帰り、ご飯を食べてお風呂に入ります」

俺「はい」

真琴「お風呂から上がって体重計に乗ります」

俺「はい」

真琴「真琴は目の前が真っ暗になった!」

俺「はい?」

真琴「そこからお菓子を断つ生活が始まる訳です」

俺「……つまり、味見をし過ぎてお肉もついたりするのが怖いと?」

真琴「先輩……。 軽いです! 女の子にとって体重が増えることほど怖いことはないんですからね!」

俺「ごめんなさい」

真琴「分かればよろしい」スタスタ

俺「……あれ? なんで俺が謝ってるんだ?」

真琴「せんぱ~い、置いていきますよ~?」

俺「歩くの早っ! 今いく」タッタッタ

俺「……あ、ポケモンか!」

真琴「はい?」

【勝負】

俺「そういえば」

真琴「?」

俺「柊はテスト対策は万全?」

真琴「先輩から頂いたテスト対策ノートもありますし、テスト範囲も宿題の範囲なので多分大丈夫です」

俺「おー、優等生だ」

真琴「そんなことないですよ~」

俺「なら勝負でもする?」

真琴「勝負……ですか?」

俺「そう、5教科の総点数で勝負。 順位だと学年ごとに人数が違うから」

真琴「いいですよ?」

俺「勝ったら1つだけ何か命令する権利。 もちろんお互いが実行可能な範囲で、どう?」

真琴「受けて立ちます」ニコッ

【テスト対策】

俺「あー、こりゃ相当自信あるな?」

真琴「ありますよ~、先輩、大丈夫ですか~?」

俺「言ったな? よし、今日はガチでテスト対策しないと」

真琴「負けませんからね?」

俺「なら、お互いに何をさせるか考えとかないとな」

真琴「私はもう決めてますよ?」

俺「マジで!? 早くない?」

真琴「乙女は色々と願望があるんですよ~」

俺「さいでっか」

真琴「大丈夫、変なことじゃないですから!」

俺「そうであることを願ってるよ」

【解散】

真琴「先輩、今日は送ってもらわなくても大丈夫です」

俺「そう?」

真琴「はい、なので早く対策に乗り出した方が良いですよ~」

俺「……その絶大な自信の根拠が知りたい」

真琴「秘密、ですっ」ニコッ

俺「ちくしょう、なんか悔しい」

真琴「ふふっ」

俺「絶対負けない、たまにしか解放しない本気モードで勉強しよう」

真琴「頑張ってくださいね~、それじゃ先輩、また明日です」

俺「あいよ~」バタン

<……さて、とりあえず晩飯までに一通り目を通しますか~!

真琴「ふふっ」


珠里椏との絡みとか見てみたいな、書けたらでいいんで

>>108
キャラをもう少し固めてから投下させていただきます。
ご満足いただけるか分かりませんが精一杯頑張ります。
リクエスト、ありがとうございました。

【試験】

―試験期間―

―2年教室―

俺(対策は完璧、走り出したペンは止まらない!)カリカリ

俺(あっ、ここ冬休みの課題で出たところだ! 進研ゼミなんかより課題やればいいのさ!)カリカリ

俺(バッチリだ!)ガリガリ

―同時刻、1年教室―

真琴(え~っと、ここがこうなって……)

真琴(あ、先生が言ってたのはここだ)カリカリ

真琴(ここがこうなって、だから……」ブツブツ

監督教諭「あー、柊? 声には出すな?」

真琴「!? す、すみません」

監督教諭「静かに続けなさい」

真琴「はぃ」///

【結果発表】

真琴「先輩っ、お待たせしました!」

俺「そっちも結果出た?」

真琴「はい、もうバッチリでしたよ」ニコッ

俺「んじゃ、勝負な? 5計得点の多い方が勝ち」

真琴「はい!」

俺「んじゃ、ご開帳!」バンッ

真琴「んっ!」バッ

俺「……」

真琴「……これって?」

俺「俺が5計413点、柊は5計422点」

真琴「私の……勝ちですね?」

俺「……マジかー!? 課題やりこんだから自信はあったんだけどなー!!」

真琴「や……やったー!!」ガンッ!

真琴「あぅ」

俺「うっわ……思いっ切りぶつけたよ」

真琴「~~ッ!」

【ネタバラシ】

俺「色々と、落ち着いた?」

真琴「はい……。 痛みと共にテンションも引いていきました」

俺「いやはや、参りました。 本当に。 これは凄いな」

真琴「ッ! ありがとうございます!」

俺「全教科まんべんなく点数が良いんだ。 数学も…80点越えてるし」

真琴「実は、数学は先生がこの問題に似たのを出すみたいなことをいくつか言っていたので……」

俺「……つまり、一部教科は出題例が分かっていたと?」

真琴「はい」

俺「……やられた」

【特典】

俺「んで、勝者である柊さんは俺に何をさせようと言うのかね?」

真琴「あの、良いんですか?」

俺「? 何が?」

真琴「だって、私は事前にどんな問題が出るか知ってたんですよ?」

俺「別にズルってわけでもなし、俺が負けた事実には変わりないし。 だからそんなこと気にしないで勝者の特権を行使してくださいな」

真琴「じゃあ……」

真琴「今日、お買い物に付き合ってください!」

俺「……そんなことでいいの?」

真琴「試験対策にかかりきりで甘い物とかお菓子とかも全然食べてなかったので、少しだけご褒美を……」

俺「いや、そんなことでいいならいくらでも付き合うけどさ」

真琴「じゃあ、お願いします」

俺「あいよ、とりあえず駅前まで出ようか?」

真琴「はい!」

柊真琴ちゃんかわいい

>>114
そんな皆様のイメージと乖離しないか戦々恐々としながら書いています。
よろしければ今後ともお付き合いください。

【夜食】

俺「駅前にやってまいりました」

真琴「先輩は何か用事はないんですか?」

俺「?」

真琴「ほら、せっかく駅前まで来たのに私のお願いだけで帰るのも悪いですし」

俺「……じゃ、ちょっとだけ買い物して行こうかな?」

真琴「お買い物ですか?」

俺「そうそう。 テスト対策で結構カップめんとかを消費したから」

真琴「また先輩はそんなのを食べて」ムッ

俺「いやいや、夜食ってなったらラーメンかうどんだって」

【食生活】

真琴「そんな感じで油断してると太りますよ?」

俺「去年の今頃とかならともかく、ここ最近は本当に食生活は改善されてるよ」

真琴「本当ですか~?」

俺「本当本当。 柊家の皆様のご厚意でおかずとかを分けてもらって、本当に助かってるよ」

真琴「それなら良かったです。 ほら、あの後冷静に考えるとちょっと強引過ぎたかな~って」

俺「……ばーか」ワシワシ

真琴「わわっ……先輩?」

俺「本当に感謝してるんだって。 あれがなかったら俺は未だに連日カップめんの食生活だぞ?」ワシワシ

真琴「うぅ、それは威張って言うようなことじゃないです」

俺「ははっ、確かにな」ワシワシ

真琴「というかですね、先輩? 頭をワシワシするのはやめてください」

俺「悪い悪い。 おぉ、髪がぐしゃぐしゃだ」ハハハ

真琴「もう……ふふっ」

【お買い物】

俺「どうしよう。 箱買いは……荷物になるから今日は無理だし」

真琴「……」キョロキョロ

俺「函館一番……いや、出前特急も」

真琴「……」ジー

俺「ラーメンチキンは……お徳用か」

真琴「……」

俺「……」

俺「お菓子コーナー、気になる?」

真琴「そそそんなことないんですか!?」

俺「いや、俺に聞かれても」

書き溜め分に追いつきましたので、今後ペースが落ちます。
また少しずつ書き溜めて元のペースに戻していこうと思いますので引き続きよろしくお願いします。

【遠慮】

俺「お菓子コーナー、見てきなよ?」

真琴「いえいえ、別にそんな……」

俺「ここ、輸入菓子も含めてかなりの品揃えだから見てるだけでも面白いと思うけど?」

真琴「……」

俺「甘い物とかお菓子を買いに来たんだろ? ここでとりあえずあたりをつけておけば?」

真琴「そうですね……」

俺「ほら、先に行ってるよ?」スタスタ

真琴「あっ、待ってくださいよ~」タッタッタ

【輸入菓子】

俺「うっわ、すごいなこのチョコレート」ホレ

真琴「パーティーバック……ですか?」

俺「アメリカのかな? パッケージ英語だし」

真琴「……1kgですか」

俺「これ全部一気に食べたらどれくらい体重が増えるんだろうか」

真琴「や、やめてくださいよ」

俺「鼻血が出たりニキビになったりするのかな?」

真琴「あ、ニキビはデマらしいですよ?」

俺「へー、そうなの?」

【偉い人】

真琴「どこかの研究機関だったか……」

真琴「とにかく偉い人が言ってたって誰かから聞いた記憶があります」

俺「偉い人が……」

真琴「……鼻血は、チョコレートを食べることで興奮して一気に血が流れるからとかなんとか」

俺「ああ、細い血管が切れるって?」

真琴「みたいなことを言ってたって聞いた記憶があります」

俺「偉い人が?」

真琴「偉い人が」

【知識】

俺「にしてもよく知ってたな?」

真琴「誰かから聞いたってだけですよ?」

俺「にしてもだって。 ほら、チョコを食べると鼻血が出るとかニキビができるとかよく言うじゃん?」

真琴「まあ、聞きますね」

俺「話半分で聞いてたけど、それでもそうなのかなーって思ってたもん、俺」

俺「だから、よく知ってたなーって」

真琴「別になんでもないですよ」

真琴「チョコを食べるときにいちいちそういうマイナスなことを思い出したくないだけで」

俺「そうならない確証が欲しくて調べただけって?」

真琴「そうですね」

俺「女の子って、大変だなぁ」シミジミ

真琴「! そうなんです、大変なんですよ!」

【お味】

俺「でも、こういう量が凄まじいのはあまりお勧めしないけどなー」

真琴「どうしてですか?」

俺「俺の経験則なんだけどさ、この手の量が多いやつって味が濃いのが多いんだ」

真琴「味、ですか」

俺「スナック菓子は味が濃い、チョコレートはものすごく甘い」

俺「もう、これでもかってくらい自己主張してくるのが多い」

真琴「うぅ……絶対に買いませんよ、そんなの」

俺「外国人はこういうのが好みなのかね? ジュースはあんなにおいしいのに……」

【好み】

真琴「先輩って甘いものって嫌いでしたっけ?」

俺「何事にも限度っていうものがあるって話」

真琴「じゃあ、日本のチョコレートは食べるんですか?」

俺「好んで買い求めて食べるほどじゃないけどな。 ほら、珈琲のお供にチョコレートなんて最適じゃない?」

真琴「なるほど」

俺「他にもクッキーとかさ。 あまりにも甘すぎるのはどうかと思うけど、それでも甘いものは嫌いじゃないかな?」

真琴「先輩って普段どんなお菓子を食べるんですか?」

俺「ん? 別に普通のやつじゃない? 受け狙いの奴とか、辛いのとかは一切食べないけど」

真琴「こういうのはどうです?」スッ

俺「ヨンヨンのつけボー、また懐かしいものを」

真琴「どうです?」

俺「小学校にあがる前の頃ならともかく、今はそういうのは買わないなぁ」

俺「基本的にお菓子は何かの作業の合間につまんだりだから、そういう遊びの要素はいらないし」

真琴「なるほど」

【目的】

俺「って、なんで俺の好みの話になってんだ?」

真琴「私は、いろいろと先輩の好みを知ることが出来て有意義でしたよ?」

俺「んなことはどうでもいいんだって。 本来の目的を果たさないと」

真琴「目的?」

俺「……お買い物に付き合うのが本来の目的だったはずでは?」

真琴「……あぁ」

俺「何? その、あっ今思い出しましたよ……みたいな表情と声は」

真琴「別に忘れてたわけじゃないですよ?」

俺「そういうことにしておきましょう」

真琴「じゃあ、これにします」

俺「……え? ここで買うの?」

真琴「はい。 ……え? いけませんか?」

俺「いや、この後にどこぞの喫茶店とかに行くのかと思ってたから」

真琴「だから、お菓子を一緒に買いに来たじゃないですか」

俺「……えぇ~」

【お会計】

真琴「私がいいんだって言ってるんですから、いいじゃないですか」

俺「ま、そっちが構わないならいいんだけどさ」

真琴「じゃ、お会計を済ませて帰りましょう?」

俺「じゃあほら、かごに入れちゃって」

真琴「これぐらい自分で払いますよ?」

俺「賭けの敗者としての権利を行使させていただきます」スッ

真琴「あっ!」

俺「んじゃ、会計済ませてくるからちょっと待っててなー」

真琴「……は~い!」

>>108
違和感なく繋げようとしたところこんなに遅くなってしまいました。
お待たせして申し訳ない。

【エンカウント】

俺「さて、予想より早く用事が済んでしまいました」

真琴「私は割と想定通りなんですけどね~」

俺「喧しい。 で、今日はもうこのまま帰るの?」

真琴「そうですね。 他には特に予定もないですし、帰りましょうか」

俺「んじゃ、我が家に向けて移動をかいs」

???「おっ、先輩じゃないっスか!」タッタッタ

俺「竜ヶ崎?」

真琴「あ、珠里椏ちゃんだ~」

【コマンド:立ち話】

珠里椏「あ? おぉ、柊も。 こんなところでどうしたんスか?」

俺「賭けの勝者とその従者だよ」

真琴「そんな卑屈な言い方しなくてもいいじゃないですか」

珠里椏「……はい?」

―――
――


珠里椏「なるほど、テストの点で賭けをしていたと」

俺「そういや、竜ヶ崎は試験の出来はどうだった?」

珠里椏「あー……。 聞かないでください」

俺「……あんま橘先生に迷惑かけるなよ?」ククッ

珠里椏「……ッス」

【同行】

俺「んで、竜ヶ崎はこんなとこで何を?」

珠里椏「アタシはラーメンでも食べに行こうかと。 少し歩いたところに美味い店があるんっスよ」

俺「ほぉー、ラーメンか」

珠里椏「良かったら一緒にどうです? 柊も」

俺「……久しぶりに店で食べるのもいいかもな?」

珠里椏「よっし、決まりだ! 柊はどうする?」

真琴「ラーメンか~……。 どうしようかな?」

珠里椏「ラーメン、嫌いだったか?」

真琴「そんなことないよ? ただ……その……」ゴニョゴニョ

珠里椏「あん? 言いたいことがあるならハッキリ言えよ」

真琴「その、体重が心配……」

珠里椏「んなの気にしてたら食えるもんも食えねぇじゃねぇか、食った後に運動でもすりゃ大丈夫だって」

真琴「そっか……そうだね! 私も行きます!」

珠里椏「うっし、そうこなくっちゃな! あ、先輩! ご案内しますよ! ほら、柊もこっちだ!」ガシッ

真琴「わわっ! あ、私晩御飯要らないって電話しちゃいますね!」ヨロヨロ

お! 珠里椏ゥー!
リクした者だがわざわざありがとう!

>>131
続きができましたのでもう少しお付き合いください。

【ラーメン】

店員「らっしゃいませ! こちらのお席へどうぞ!!」

店員「ご注文お決まりになりましたらお呼びください!!」

<3バンテーブルサン,オーダーマチデス!!

俺「えらく威勢の良い店だな」

珠里椏「そっスか? こんなもんでしょ」

真琴「ラーメン屋さんなんて久しぶりだな~、珠里椏ちゃんは何を食べるの?」

珠里椏「味噌ラーメンだよ。 つーか、ラーメン食うなら味噌に決まってんだろ!」

俺「塩や醤油も美味いと思うんだけどな。 っし、今日は塩にすっか!」

珠里椏「いくら先輩でもこれだけは譲れねぇっス! そもそも味噌には(ry」

俺「まーた始まったよ。 そこは確かに認めるけどさ、塩や醤油にも(ry」

真琴「すみません、これカロリー表とかってありますか?」

店員「へっ? カロリー表……ですか?」

【実食】

店員「味噌ラーメンのお客様!」

珠里椏「アタシだ」ノ

店員「それと塩ラーメンがお2つです! 熱いうちにどうぞ!」

<アツイウチニドウゾ!!

俺「……やっぱり威勢良すぎだろ。 ほれ、割りばし」スッ

珠里椏「ありがとうございます、んじゃいただきますっと」

真琴「うわぁ、おいしそう~」

俺「んでは、いただきます」

真琴「いただきます」

俺「!? これはっ! 細い麺とスープが程よk」

珠里椏「だから、そのネタはもういいっスよ。 シンプルに美味いでいいじゃないですか!」

俺「竜ヶ崎とラーメン食う時はもうこれやらないと始まらないんだって」ズルズル

真琴「おいし~い!」

珠里椏「だろ!? いやー、アタシも今まで色んな店に行ったけどここのラーメンは圧倒的なんだわ!!」

真琴「本当に美味しいよ! 珠里椏ちゃん、教えてくれてありがとうね!!」

俺「……」

俺「マジで美味いな」ボソッ

珠里椏「そこまで喜んでもらえると連れてきた甲斐があるってもんよ。 あと先輩? 聞こえてますからね?」

俺「ちくしょう、マジでうめぇ」

珠里椏「ははっ」

【帰路】

真琴「珠里椏ちゃんはあの辺りのお店に詳しいの? どこかスイーツの美味しい店知らない?」

珠里椏「スイーツだぁ? あんなハンパなもん食って何が楽しいんだ?」

真琴「むっ、スイーツをバカにするのは許さないよ? そうだ、今度一緒に食べに行こうよ! 学校の近くで美味しいあんみつのお店があるんだ~」

珠里椏「いや、あんみつって。 そもそも、良いのか? アタシと一緒で」

真琴「ん? どういうこと?」

珠里椏「ほら、あれだ。 森園とかと一緒に行きゃぁいいじゃねーか」

真琴「あ、そうだね~。 じゃあ今度3人で行こっか! ふふっ」タッタッタ

珠里椏「あ、おい! 3人って……」

俺「なんともまぁ、仲のいいことで」

珠里椏「ばっ、何言ってんスか先輩!?」

俺「いーじゃん、3人で行ってくれば。 案外ハマるかもよ?」

珠里椏「いや、だから」

真琴「2人とも何してるんですか~? 置いてっちゃいますよ~?」ブンブン

俺「テンション上がって1人で先に行ったくせに何言ってんだか。 はいはい、ちょいっとお待ちくださいよ~」タッタッタ

珠里椏「ちょ、先輩も柊も! まだ話は終わってないっスよ!?」タッタッタ

【8時間前】

俺「……なんか今日は口数が少なくない?」

真琴「そっ、そうですか?」

俺「……今もどもったし。 体調でも悪い?」

真琴「体調は大丈夫です、全然! 問題なしです!」

俺「そう? なら良いんだけどさ」

真琴「はい! 大丈夫です!」

俺「?」

真琴(大丈夫、大丈夫。 落ち着いて~シミュレーション通りに~)

俺「本当に大丈夫か?」

真琴「だだだから大丈夫ですって、ほら、もう校門ですよ~」

俺「なんかあったらすぐ保健室行けよ?」

真琴(あああああ~シミュレーション通りにいかない~)

【4時間前】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「何してるように見える?」

真琴「お昼ご飯食べてるように見えます、焼きそばパンですか?」

俺「最後の1つが運良く残っててな。 遠くから上条が来てるのも見えたし、ダッシュで買ってここに」

真琴「わざわざ屋上で、ですか?」

俺「ほら、今日はバレンタインじゃん?」

真琴「!? は、はい」

俺「教室でイチャイチャしてるカップル組から逃げて来た結果、この寒空の下ってわけ。 あいつら、なにもあんなオープンにイチャつかなくても良いのにな」

真琴「せっ、先輩はどうです? チョコレート、貰えました?」

俺「……」

真琴「先輩?」

俺「貰うにはもらったけどさ……」

真琴「けど?」

俺「なにもあんなにお礼お礼って言わなくても良いじゃん、義理だからってさぁ。 終いにゃ泣くぞちくせう!」

【待機】

真琴「鞄の中、あるっ」

真琴「……先輩、まだかなぁ」

真琴「本当に全部義理……じゃないよね、どれくらい貰ったんだろう?」

真琴「……」

真琴「……鞄の中、あr」

俺「何してんの?」

真琴「るっ!?」

俺「るっ?」

真琴「なんでもないです! なんでも」

【手渡し】

真琴「先輩はお帰りですか?」

俺「そうだけど、待ってたとか?」

真琴「はい、構いませんか?」

俺「そりゃ構わないけど、もし誰か連れてたらとかは考えなかった?」

真琴「……シミュレーションに忙しくてそれどころじゃなかったです」

俺「シミュレーション?」

真琴「なんでもないです」

ーーー
ーー


俺「つい俺んちまで来たけど、今日はシフト入ってなかった?」

真琴「ちょっと先輩に用事がありまして」

俺「用事?」

真琴「これ。 バレンタインのチョコレートです。 先輩の好みに合わせて甘さ控えめにしてますから、よかったら食べてください」

俺「あ、ありがとう。 でも、何で今?」

真琴「……色々と慌ててたんです!」ダッ

俺「あ、おい!」

真琴「少なくとも私のは義理ではないですから~!」タッタッタ

俺「……走ると転ぶぞー!」

真琴「そこまでドジじゃないです~って、わわっ!」

俺「ははは……。 ありがとうな」ボソッ

【1ヶ月前】

俺「これ、お返しどうしよう……」

俺「……」

俺「え? そもそもホワイトデーって何を渡せば良いわけ? クッキー? マシュマロ?」

俺「」

【2週間前】

真琴「先輩、ここ最近ずっとバイトしてませんか?」

俺「色々とあってお金がいるのよ」

真琴「何か欲しい物でも?」

俺「近々出費が嵩みそうだから、あー、それ対策?」

真琴「なんか大変ですね、私に出来ることがあったらいつでも言ってくださいね? 先輩の為ならすぐに駆けつけますから!」

俺「走ったら転ぶだろうから、その時は歩いてでお願いします」

真琴「……競歩で! こころなし駆け足気味で駆けつけます」

俺「あいよ、ありがとな」

真琴「はい! ……ところで先輩? こんど一緒にスイーツフェアに行きませんか?」

俺「……えっ? 話、聞いてた?」

【1週間前】

俺「一通りのお返しの用意……良し」

俺「当日のおおまかな動き……良し」

俺「あとは……柊の分だけかな?」

俺「さて、何をするか」

俺「……」

俺「……」ウーン

【当日】

真琴「あ、せんぱ――」

俺「姫島ぁ、何処に行きやがった? あああ、この後の予定が!」タッタッタ

真琴「……先輩?」

―――
――


真琴「……メール?」ブーブー

真琴「待っていればいいのかな?」

―――
――


真琴「……」ソワソワ

真琴「……!」ピクッ

俺「遅れて悪い!」ガラッ

真琴「先輩、そんなに急いでどうしたんです?」

【ホワイトデー】

俺「色々と想定外のことがあって、予定通りに行かなくてな。 遅れて本当に悪かった」

真琴「なんだか今日はいろんなところで先輩を見ましたよ?」

俺「ああ、今日は本当に忙しくてな」

真琴「ふふっ、見てたから知ってますよ。 それで、ご用はなんですか?」

俺「……あー」

真琴「?」

俺「……これ、バレンタインのお返し」スッ

真琴「……良かった~」

俺「はい?」

真琴「今日、ずっと気になってたんです。 先輩はお返しくれるのかな? 忘れてないかなって」

真琴「忙しそうに走り回ってたみたいですし、忘れちゃったんじゃないかって」

俺「……忘れてないよ。 ここ最近はずっと何を渡そうか考えてた」

真琴「開けてみてもいいですか?」

俺「いやいや、目の前で開けられるのは……帰ってからにしてくれ」

真琴「ふふっ、わかりました。 先輩?」

俺「何?」

真琴「ありがとうございます、とっても嬉しいです!」

【開封】

真琴「丁寧なラッピング、性格が出てるな~」フフッ

真琴「……?」カサッ

真琴「メッセージカード?」

『バレンタインのチョコレートは当日に美味しくいただきました。
 とても美味しく、嬉しかったです。
 ありがとうございました。
 お返しはクッキーです。
 何を返そうかずっと考えて考えた結果、手作りのクッキーに行きつきレシピを調べて作りました。
 何度か失敗を繰り返した結果、ようやく満足いくものが出来たのでこれを贈ります。
 よろしければお食べください』

真琴「先輩……」

真琴「ありがとうございます」ギュッ

【後日談】

真琴「……」テクテク

<……なんて、どーいうことだ!

<……な中古屋みたいなことを言うなっての!

真琴「?」

木乃子「ゲームディスクに入ってる傷だぞ? そりゃ小言の一つも言いたくなるわー!」

俺「だから、読み込みに問題はないっての! わざわざPCエンジン引っ張り出して起動確認したんだから!」

<ギャーギャー

真琴「先輩?」

木乃子「全く、ディスクゲームの扱いはもっと丁寧にだねー」

俺「お前がお返しは俺の秘蔵ゲームって指定したんだろうが……」

木乃子「彼女の中の百のケダモノ……ね」

俺「俺の宝物でありトラウマだよ、プレイしたことはあんだろ?」

木乃子「『これを貴女にお譲りs「なんで持ってきてんだよ!」おっと~」

木乃子「わっはっはっは、あたしにこんなアイテムを授けたことが間違いだったのさ~」

<ギャーギャー

真琴「……もう」

真琴「先輩方! 何してるんですか?」タッタッタ

【突撃!隣の】

真琴「……」ピンポーン

真琴「……?」

真琴「……」ピンポーン

真琴「……せんぱーい?」コンコン

真琴「お裾分け持ってきましたよ~」

真琴「……」

真琴「……突撃!隣の「ごめんごめん、トイレに……行ってたんだけど……」……」

真琴「……お裾分けですよー」カァー///

【テンション】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」ノゾキコミ

俺「うぉ! びっくりした!!」

真琴「え? なんでそこまで驚くんです?」

俺「声をかけられるまで接近に気付かなかった。 肩越しに覗き込まれるまで気付かないとは、不覚!!」

真琴「どうしたんです? そのテンション」

俺「いや、さっきの突撃!隣のb」

真琴「あーあーあー、その話はやめましょう」///

俺「あいよ」ニヤニヤ

【整理】

真琴「で、先輩は何してるんですか?」

俺「ほれ、整理してんの」

真琴「写真……ですか?」

俺「そう。 ほら、俺よくスマホで写真撮ってるじゃん?」

真琴「ああ、あれを整理してるんですか」

俺「時間があるときにやっとこうと思ってさ。 そのまま取り込んだから回転させないといけないのがあったりさ」カチカチ

俺「ほら、これなんか上下が逆だ」カチカチ

真琴「これは、先輩の教室ですか?」

【内容】

俺「そそそ。 夕日が窓から差し込んだ教室が撮りたくてさ、一人教室でずっと待ってたんだ」

真琴「これは?」ユビサシ

俺「あ? あー、土手だここ。 ドクぺの空き缶がうまい具合にキラキラしてたから思わず」

真琴「あ、ワンちゃん!」

俺「これは、帰り際に会ったことあるよな? よく散歩してる」

真琴「あのワンちゃん、ふわふわしてて可愛いですよね~。 あ、またワンちゃん」

俺「上手く欠伸したタイミングでシャッターを押せてさ」

真琴「またワンちゃん」

【派閥】

俺「……」カチカチ

真琴「……」ウーン

俺「どした?」

真琴「先輩って、犬が好きだったりします?」

俺「そんなこと、初めて言われたけど。 なんで?」

真琴「いや、だってほら。 これも、これも。 あと、これも」ユビサシ

真琴「み~んな、ワンちゃんじゃないですか。」

俺「そりゃ、目に留まったし」

真琴「日付も場所も違いますし、ワンちゃんがいたら思わず撮っちゃうくらい好きなんじゃないかな~って」

俺「……そっか、俺って犬好きだったんだ」

【色】

真琴「あと、前から気になってたんですけど」

俺「今度は何?」

真琴「先輩って、白色が好きですよね?」

俺「これまたどうして」

真琴「携帯も白、パソコンも白、この部屋の家具も白ばかりですし」

俺「……」

真琴「先輩?」

俺「マジだ……白ばっかじゃん!」

真琴「気付いて無かったんですか?」

俺「これは本当に気付かなかった! うっわ、本当だ全部白だよ」ゴソゴソ

真琴「?」

俺「財布も白、ヘッドホンも白、音楽プレイヤーも……白っぽい」

俺「俺って、白が好きだったんだ……」シミジミ

真琴「先輩って、たまに本当に想定外のことしますよね」

【日常】

俺「……」カチカチ

真琴「~♪」カリカリ

俺「……? 何してんの?」

真琴「春休みの課題ですよ~。 家を出るときに持った鞄の中に課題一式が入ってたんで」

俺「はぁ~、真面目だねぇ。 というか、家でやればいいのに」

真琴「いいじゃないですか、ここでやっても。 なんでか分かりませんけど、落ち着くんですよね~」

俺「ならいいんだけどさ。 珈琲いる?」

真琴「あ、お願いします! 砂糖とミルクは」

俺「少しでいいんだろ? 待ってな、この前買った豆がまだ残ってた筈だから」スタスタ

真琴「お願いしま~す」カリカリ

【ギガバイト】

俺「……」カチカチ...カチ

真琴「……」カリカリ...ウーン?

俺「……ふぃ~、お~わったぁぁぁ!」

真琴「あ、整理が済んだんですか?」

俺「ようやっとね。 やっぱりため込むと後々しんどいな~」ググー

真琴「そんなにたくさん撮ってたんですね~。 今回整理したのは何枚くらいなんですか?」

俺「柊君」

真琴「! なんですか、先生?」

俺「写真の単位は枚数ではなくギガバイトって誰かが言ってたような気がするんだ」

真琴「……ギガバイト」

俺「そそ、誰が言ってたんだっけな~?」

【ぐふふ】

俺「あ、思い出した。 望月先輩だ」

真琴「何がです?」

俺「ほら、さっきのギガバイト発言」

真琴「ああ~」

俺「スッキリした! ずっと思い出せそうで思い出せなかったから」

真琴「そういえば先輩はたまに望月先輩と一緒に居ますもんね」

俺「一緒に居るって言っても、完全にアシスタント扱いだけどな」

真琴「先輩って顔が広いですもんね」

俺「そんなことないと思うけど。 あの人については周囲からも色々言われてさ」

真琴「周囲?」

俺「やれストッパーになれだとか、暴走したら頭叩けだとか」

真琴「ああ……」

俺「ぐふふって笑い出したら要注意なんだ。 カメラの位置が下がりだして、追いかけられて、んで逃げて」

【昼食】

俺「ま、その話は後でもいいや。 昼飯にしよう」

真琴「あ、もうそんな時間ですか。 お裾分けを持ってきただけだったのに長居しちゃいましたね」

俺「チャーハンでよかったら作るけど、食べてく?」

真琴「……先輩、料理するようになったんですか!?」

俺「何をそんなに驚いているのやら。 チャーハンなんて米と野菜と卵を炒めるだけだし」

真琴「ご馳走になります」

俺「あいよ、んじゃちょっと待ってな~」

真琴「先輩の手作り料理……」フフ...

真琴「良い……」ニコッ

真琴「……お母さんにお昼いらないってメールしておかないと!」メルメル

【クッキング】

俺「テレテッテーテテテー」

真琴「……」ハラハラ

俺「テレテッテーテテテー」

真琴「……」アワワ...

俺「とりあえず卵を割って~」ゴンゴン!

真琴「あああ、そんなに力を入れたら」

俺「んで……冷凍飯はあったっけ?」

真琴「あ、菜箸が落ちる!」

俺「それから~」

真琴「……」ハラハラ

【ダウン】

俺「出来た!」

真琴「」グッタリ

俺「……? なんでそんなにぐったりしてるわけ?」

真琴「見ててハラハラしました……」

俺「普段から料理してるやつから見たら、無駄が多かったとかそういうので?」

真琴「なんていうんでしょう……」ウーン

真琴「ほら、あれです。 初めて包丁を握ったわが子を見つめる……母の……目線?」

俺「……え?」

【パラパラ】

俺「味はなかなかどうして悪くないわけでして」

真琴「美味しいですよ?」ムグムグ

俺「調味料でごまかしてるだけなんだけどな~」

真琴「そんなことないですって」

俺「どうしたらパラパラになるのか……」

真琴「……」ウーン

俺「……」

真琴「火力?」

俺「そればっかりはどうしようもないや。 ここ、火力弱いし」

【撮影散策】

俺「もう春だな~」

真琴「だいぶ暖かくなりましたもんね~」

俺「あ、皿は置いといて。 後で洗うから」

真琴「ご馳走になりましたし、それくらいやりますよ?」

俺「そう?」

真琴「お任せください!」

………
……


俺「もう花見の時期か……」

真琴「何か言いました~?」ガチャガチャ

俺「もう花見の時期だな~って!」

真琴「あ、さっきも言おうとしたんですけど。 今度二人でお花見しませんか?」

俺「花見?」

真琴「はい~。 ちょうど桜が見ごろですし、先輩も桜の写真、撮れますよ?」

俺「……いいな」

真琴「どうです~?」

俺「よし、やろうか!」

真琴「私、サンドイッチとか作りますよ。 それを食べた後、一緒に撮影会しましょうね~」ガチャガチャ

一週間程、投下が止まります。
用事が片付き次第再開させていただきます。

乙乙

>>161
ありがとうございます。
1週間を過ぎてしまいましたが、明日以降ゆっくりと再開します。
良かったら今後ともお付き合いください。

【桜】

俺「おぉ!」

真琴「綺麗ですね~」

俺「少し時期的に遅かったかと思ってたけど、散り始めなのかな?」

真琴「先輩先輩! ほら、見てください! 木の根元なんて散った桜が絨毯みたいですよ!」

俺「人も少ないし、平日の昼間を狙って正解だったかな?」

真琴「先輩の言う通りでしたね」

俺「まあ、いいや。 はい、柊さーん、とりあえず最初の1枚をパシャリコ」カメラカマエ

真琴「ふぁ? わわっ! えと、えーっと、ぴーす」カシャッ

【ポーズ】

俺「ほう、柊は咄嗟にとるポーズはピースサインか」

真琴「撮るなら撮るって先に言ってくださいよ~」

俺「それじゃ面白くないじゃん」

真琴「……まあ、いいです。 それより、咄嗟にとるポーズってなんです?」

俺「ん? ほら、両手を万歳させたり、何かしらポーズをとったり、人によって写真を撮られる時のポーズがあるみたいでさ」

俺「変顔かましたり、なんだっけ? 小顔のポーズ? なんかそんなのしたりさ」

【場所取り】

俺「お、あそこなんか良いかも」タッタッタ

真琴「ですね~。 桜も良く見られそうですし、地面もデコボコしてませんし」

俺「テテテテッテテー、ミニレジャーシートー」バサッ

真琴「……」

俺「おっ、そこにちょうどいいサイズの石もあるじゃん」

真琴「先輩って唐突にそういったこと言いますよね」

俺「ん?」

真琴「テテテテッテテーって」

俺「難しい顔してあれこれするよりずっと良いじゃない?」

真琴「まあ、そうなんですけど」

俺「うっし、これでシートは飛ばないな」

【疲労】

俺「は~、座ってみると意外と地面がボコッてるな」

真琴「いろんな座り方を試さないとですね」モゾモゾ

俺「ベスポジ探しね、やるやる」

真琴「……」モゾモゾ

俺「……お、意外とジャストフィット」

真琴「あれ?」

俺「あん?」

真琴「意外と疲れてたんですかね? 足がじんわりします」

【伯爵】

俺「ま、結構歩いたからな~」

真琴「晴れてよかったですね」

俺「人も少ないし、本当に運が良かったな」

真琴「さてさて、お昼にしましょうか」スッ

俺「お、言ってたサンドイッチか?」

真琴「です。 いろんな具材で作りましたよ~」

【食事】

俺「ん、んまい」

真琴「先輩はどれがお好みです?」

俺「んー、これかな?」

真琴「ハムと卵ですか?」

俺「そうそう、俺ハム好きなんだわ」

真琴「そうなんですか?」

俺「たまに買ったりもするんだけどさ、使い道がいまいち分からなくて単体で食べたり」

真琴「……食パンにのせたりとかはどうです?」

俺「あー。 ……その発想はなかったな」

真琴「割と一般的な発想だと思うんですけど」

【お粗末】

俺「ふぃー、食った食った。 ご馳走様でした、大変美味しかったです」

真琴「お粗末さまでした~」

俺「いや、謙遜することないって。 本当に美味かったです」

真琴「ふふっ、ありがとうございます」

俺「はー、気分いいわー」ゴロン

真琴「せんぱ~い? お行儀悪いですよ~」ツンツン

俺「ごめん無理。 美味い物を食べて、気分も良い。 寝ころぶしかないでしょう」

真琴「なんなんですか、その理屈」フフッ

【枕】

俺「……」モゾモゾ

真琴「? どうしました?」

俺「座った時がベスポジ過ぎてさ、寝転がったら違和感が」モゾモゾ

真琴「……」

俺「……」モゾモゾ

真琴「あの……先輩?」

俺「何さね?」

真琴「枕とか、いりませんか?」

俺「枕? そりゃあった方がいいけど、んなもんどこに……」

真琴「///」ポンポン

俺「」

【攻防】

真琴「///」ポンポン

俺「あの……え? マジで?」

真琴「マジです。 良かったらどうぞ」ポンポン

俺「……」

真琴「……あの?」

俺「お願いします」ポスッ

真琴「あっ……。 ふふっ、お願いされます」

俺「膝枕なんか、初めてされるよ」

真琴「私もです」

【微睡】

俺「……」

真琴「……///」

俺「……」

真琴「……あの、先輩?」

俺「……んぁ?」

真琴「あの、何か感想が欲しいです」

俺「……」

真琴「先輩?」

俺「……素晴らしいの一言です。 あらゆる恋愛関連の創作に登場する理由が理解できました」

真琴「どんな理由なんです?」

俺「とにかく気持ちいい。 後、相手との距離が精神的にも身体的にも近いのも良い」

俺「ごめん、そろそろ本当に落ちそうだわ……」ウトウト

真琴「ふふっ。 寝ちゃってもいいですよ~」ナデナデ

【微睡 その2】

真琴「……」ナデナデ

俺「……」

真琴「……せんぱ~い?」ボソボソ

俺「……」

真琴「ふふっ。 かわいい」ツンツン

俺「……んん」

真琴「ふふっ」ナデナデ

俺「……」

真琴「……」ナデ...ツンツン

【起床】

俺「んん……」

真琴「あっ。 先輩、起きました?」

俺「」ムクッ

俺「あー、ごめん。 ガッツリ寝たみたいだ」ガシガシ

真琴「私の膝枕、先輩に合ったみたいで良かったです」

俺「うっわ、2時間も経ってる。 ごめんな、せっかくの花見だったのに」

真琴「いえいえ、私も堪能させていただきましたし~」

俺「……堪能?」

真琴「こっちの話です」

俺(あまり気にしないことにしよう、俺の精神衛生的な意味で)

【痺れ】

真琴「あっ」ビクッ

俺「ん? どした?」

真琴「あの、足が痺れちゃったみたいです」

俺「あー、すまん」

真琴「これは、しばらくは動けそうにないですね~」

俺「時間は大丈夫か?」

真琴「はい、そっちは大丈夫なので少しお話しませんか?」

俺「あいよ。 そうだ、魔法瓶で珈琲持ってきたんだ。 それ飲みながらでもいい?」

真琴「もちろんです」ニコニコ

【携帯シュガー&ミルク】

俺「ほい、珈琲。 今回はモカでございます」

真琴「あ、ありがとうございます」

俺「砂糖とミルクはこっちな。 ファストフードので悪いけど」スッ

真琴「こんなの持ってたんですか?」

俺「注文するときにブラックって注文をつけ忘れた時とかにもらってたやつが残ってたから」

真琴「あれ、捨てるのもったいないですもんね~」

【猫舌再び】

俺「……」ズズッ

真琴「……」フーッ...フーッ

俺「……」...ズズッ

真琴「……あつっ」

俺「あれ? 猫舌だったっけ?」

真琴「そんなことないと思いますよ?」

俺「なんか前にもこんな会話したような気がする」

真琴「あれ? そうでしたっけ?」

俺「……」ズズッ

真琴「……あちっ」

真琴「あ、おいしい」

【日照時間】

俺「もうだいぶ日が長くなってきたな~」

真琴「言われてみればそうですね~。 先月まではこのくらいの時間で暗くなってたのに」

俺「もうあっという間にGWだなぁ」

真琴「先輩は何か予定とかあるんですか?」

俺「ん? 特にはないかな~。 ……っと」

<ビュオォォォォ...

真琴「……風が出てきましたね」

俺「おっ、ほら見てみ?」ユビサシ

真琴「うわぁ! 桜が舞ってすごく綺麗ですね~!」

俺「良いもんが見れたなー」

真琴「ですね~」

【帰路】

俺「足はもう大丈夫?」

真琴「はい、お手数をおかけしました!」

俺「いやいや、それを言うなら俺も。 お手数をおかけしました」

真琴「いえいえ……」

俺「いやいや……」

………
……


俺「んじゃ、そろそろ帰りますか。 あ、紙コップとかはこれに。 ゴミは纏めて捨てておくからさ」

真琴「あ、お願いします~」

俺「ん、忘れ物は……ないな」

真琴「それじゃ、行きましょうか?」

俺「あいよ、行こう」

【途上】

俺「はー、明日以降も登校、授業の繰り返しかー」

真琴「私たちはそれが仕事といえば仕事ですからね~」

俺「……しんどい」

真琴「もう少しでGWじゃないですか~!」

俺「……それまで、ちょっと出力を落として乗り切るかなぁ」

真琴「GWにはまた何か学園主催で何かイベントがあるんですかね?」

俺「そりゃあるだろうよ。 あのお祭り好き共がこんな恰好の期間を放置するはずがないし」

真琴「何をするんでしょうね~」

俺「何をするんだろうなー」

真琴「何をするにしても、先輩と一緒なら怖いものなしですよ!」

俺「個人競技かもしれないぞ?」

真琴「……そういうことを言わないでくださいよ」

俺「ははは、スマンスマン。 ま、頑張っていきましょう」

真琴「はいっ!」タッタッタ

真琴は可愛いなあ

>>181
ですよね!
ファミマでのスペシャルブロマイド、第二弾は直ぐにプリントしに行きましたよ。

【GW】

真琴「……」ピンポーン

真琴「……?」

真琴「……」ピンポーン

真琴「……あれ?」

<ギャーギャー!

<サイショハグー! ジャーンケーン...

真琴「……」

<タッタッタッタ...

木乃子「はいはい、どちら様~?」ガチャ

木乃子「新聞、勧誘、セールスはお断りだかんな~?」

【嫁】

真琴「……」

木乃子「あり? どちらさん?」

真琴「姫島先輩?」

木乃子「……お? お~お~、何時ぞやのリア充その2か! 旦那は借りてるぞ~」

真琴「だっ!?」

木乃子「お~い、お前の嫁が来たぞ~」ドタドタ

<ハァ? ヨメダ?

真琴「……」

真琴「……ふふっ、嫁」テレテレ

【ご案内】

木乃子「まま、あがれよ。 あたしは何のおかまいもせんがな!」フンス

真琴「はぁ……」

<イバッテイウナッツーノ!

真琴「あの、先輩は何を?」

木乃子「ん? ああ、見た方が早い。 とにかくあがるならさっさとあがれ~」テクテク

真琴「あの、先輩~? お邪魔しますね~」

<オー

【目的】

俺「おー、柊。 いらっしゃい」タンジョウビトケツエキガタ...

真琴「お邪魔しました」

俺「お邪魔されました」カチカチ

木乃子「……この部屋にはきのこの森はないのか? お客様だぞ~」

俺「あれ? いつものとこになかったか?」

木乃子「あったらもう開封してる」

俺「なら後で買いに行くから大人しくしてろ」カチカチ

木乃子「……ま、いいか。 でー、柊とやら? あんたはここに何しに?」

真琴「え? ああ、私はこの前先輩にお裾分けした時のタッパーを回収しに」

俺「ああ、もう洗ってあるから後で渡すよ。 いつもありがとうな」コレデイイ?

俺「これでいいですよっと」

真琴「いえいえ~」

【キャラメイク】

真琴「そういう先輩方は今日は何を?」

俺 木乃子「「ゲーム」」

真琴「……なるほど」

俺「俺、こういった恋愛シミュレーションやったことなくてさ」

木乃子「ゲームをやるって言うから来た」

真琴「私も見てもいいですか?」

俺「おー、時間が大丈夫ならどうぞー」プロローグ、オレノナマエハ...

木乃子「好きにするがいいさ~ってぇ!」

木乃子「何故本名プレイをしない!! 誰だ、茂木杉田って!」

俺「え~、別にいいじゃん名前くらい。 茂木杉田、略してモテスギ」

真琴「あはは……」

【システム】

俺「ほい、ひとまずセーブ。 後は適当にコマンド実行すりゃいいの?」

木乃子「各種パラメータを上げて自分を磨いて」

木乃子「んで、ヒロインをデートに誘いイチャコラして卒業式の日に告白されることを目指す」

木乃子「大ざっぱに説明するとそんな感じだな」

真琴「お、女の子から告白するんですね」

木乃子「他のハードのだと男からできるのもあったんだけどな、これはヒロインからされるだけ」

俺「で、姫島が言ってたラスボスってこの赤い髪のやつ? なんか、クラシックがどうのって言ってた」

木乃子「そう。 とりあえずそいつを攻略してみー?」

俺「ま、適当にやってみますか」

真琴「……」ジー

【体育祭】

俺「ひとまず体育祭まで進めてみたけど」

真琴「なんだか、あまりパッとしませんね~」

木乃子「そりゃ、全体的にバランスよく上げてたらそうなるだろ」

俺「やっぱそうか。 部活にも入ってることだし、一極集中で進めた方がいいか」

木乃子「おっ、脳筋か? 脳筋プレイか!?」

俺「平日は部活で良いんじゃないか? 見たところ日曜日とかの方がパラメの伸びも良いし、部活以外はそっちでやっても」

真琴「平日は部活、お休みはそれ以外でやるんですか?」

俺「ひとまず1年目はそのやり方で様子見かな?」

木乃子「効率プレイをしながらも的確にラスボス攻略に進むとは。 やるね~、お前も」

俺「あ? このやり方で合ってんの?」

【洗礼】

TV<キーンコーンカーンコーン...

俺「おっ?」

真琴「あれ?」

木乃子「お、下校イベントか?」

TV<あ、今帰りなの?

真琴「……選択肢ですね」

俺「ラスボス攻略が目的なんだから、一緒に帰ろうでいいんじゃないの?」カチ

木乃子「……ッ」

TV<一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし

俺「……は?」

真琴「……え?」

木乃子「……ブハッ!」

【洗礼】

俺「……」

真琴「……えっと」

木乃子「アッハハハハハハハ! ヒー、ヒー」バンバン

俺「……恋愛シミュレーションゲームで、なんでこんなこと言われないといけないんだ」

真琴「て、照れ隠しかもしれませんよ?」

木乃子「アハハハハ」

俺「というか、家も隣なんじゃないの? こんな空気のまま後ろついてかなきゃいけないとか地獄だろ」

真琴「あ、あはは」

木乃子「はー、笑った笑った。 良いもん見せてもらったー」ポンポン

俺「憐れむかのように肩をたたくな! というか、こうなるの分かってたろ!」

木乃子「分かってましたがそれが何か~?」ニヤニヤ

俺「こいつ、開き直りやがった……」

真琴「……一緒に帰って、友d」

俺「頼むから、柊はそんなこと言うような奴になるなよ」

真琴「わ、私は絶対にこんなこと言いませんよ!」

ホントときめくまでのF崎S織さんは鬼畜やでえ…

>>192
1と2はそれこそ何度もしました。
正解の選択肢を覚え込む程やったのはいい思い出です。
あまり知られていない宗像さんやパトリシアの知名度を上げる方法はないものか。

【期末前】

木乃子「どこまで行った~?」

真琴「え~っと?」

俺「期末テスト前。 運動部にしたのは間違いだったかな、どんどん脳筋に向かってる」カチカチ

木乃子「ま、運動部選択して平日は部活コマンドならそうなるだろうよ」

真琴「運動パラメータだけ、飛びぬけてますもんね」

俺「試合には負けてないからいいんだけどさ」

俺「……」

俺「あれ? 試合には勝ってるけど、これ好感度上がってるの?」

【期末】

TV<今日から期末試験だ

俺「知ってる」カチ

木乃子「知ってる」

TV<~♪ ドゥルドゥドゥドゥン ドゥルドゥドゥドゥン ドゥン↑

真琴「……」ハラハラ

俺「……」ジー

木乃子「……」ボー

TV<~♪ ブー …ちょっと、ダメだな。 ×5

俺「知ってた」カチ

木乃子「このパラじゃ順当」

真琴「」

TV<~♪ チャン チャンチャン チャンチャチャーン

TV<今日は、成績発表の日だ。

【結果】

TV<~♪ チャラチャー チャラチャチャッチャラーン

TV<こうして試験は終了した。

俺「こうして、じゃねーっての」カチ

木乃子「他人事だもんな~」

真琴「168位って……」

真琴ちゃんかわいい
ゲーセンとか行ったらどうなるんだろう

>>197
レスありがとうございます。
展開、考えてみます。

【中間報告】

木乃子「……腹が減ったな」

俺「あん? あ、もうそんな時間か」

真琴「気づきませんでしたね~」

木乃子「んで、どうなったよ? あたしが漫画読んでる間に進展はあったか~」ズリズリ

俺「這ってくるんじゃない。 ああ、漫画はちゃんと閉じろよバカ」

真琴「茂木さんの今のパラメータはこんな感じですよ?」

木乃子「……何でこんなに高いわけ?」

俺「1年目は捨てた!」

真琴「悪い噂が流れた時だけデートして、後はひたすら自己研鑽してました」

俺「春休み明けから本気出す。 パラメータは大丈夫でも好感度は微妙だろうしな」

【買い出し】

俺「ほい、これでひとまず春休みも終わりっと」

真琴「相変わらず運動が突出してますね~」

俺「平日部活、休日その他で進めたからな。 なんでかキャラクターが全く出ないけど、ひたすら自己研鑽できたし良しとしよう」

俺「んじゃ、ひとまずセーブしてっと」

真琴「お昼ご飯にしましょうか」

木乃子「あたしはカップめんでいいぞ~、それよりこれの続きはどこだ?」

俺「ああ、押し入れにあるから後で出す。 それよりほら、姫島も立て。 買い出しだ」

木乃子「あたしはパス~、適当にまかせた」

俺「ふざけんな、働かざる者なんとやらだ。 きのこの森も買うから、ほら、行くぞ~」ズリズリ

木乃子「ひきずんな、は~な~せ~」ズリズリ

俺「柊~、窓の鍵だけ確認してくれ~」

真琴「ふふっ、は~い!」タタタ

【移動】

木乃子「あづい~~」ブツブツ

俺「もう5月だからな」ズリズリ

真琴「梅雨が明けたらあっという間に夏ですよ」

テクテクテクテクテクテクテクテク...

木乃子「何故あたしは休みの真っ昼間から外にいるんだ?」ブツブツ

俺「昼飯がないからだよ」ズリズリ

真琴「早く買って帰りましょう! ねっ?」

テクテクテクテクズリズリズリズリ...

木乃子「おんぶする許可をやるから寄生させろ~」ズリズリ

俺「ただでさえ手を引いて暑いのにふざけんな菌糸類」ズリズリ

真琴「あは、あはは」

【行動開始】

木乃子「むおぉぉ、涼しい……!」

俺「かごかご」キョロキョロ

真琴「先輩、どうぞ」スッ

俺「お、サンクス」スッ

木乃子「きのこの森を確保してくる!」タタタ

俺「急に復活しやがって……。 ラーメン売場なー!」

<オー

俺「さて、行くか」

真琴「はい!」

【種類】

俺「さて、柊はどれにする?」

真琴「ちょっと待ってください? どれにしようかな~」

俺「……ふむ」

木乃子「きのこの森取ってきた! ついでにたけのこの林を棚の端っこに追いやってきた!!」

俺「後で戻しに行くぞ」

木乃子「なぬー!? あ、あたしこれがいい」スッ

俺「切り替え早いなー。 俺は今日はこれにするかな。 柊は決まったかー?」

真琴「はい、決めましたけど……」

俺「けど?」

【異種】

真琴「先輩、昨日はラーメン食べました?」

俺「食べたけど?」

真琴「一昨日は?」

俺「……食べました」

真琴「それで今日も食べるんですか?」

俺「……ほら、一昨日は醤油。 昨日は味噌。 んで今日はとんこつだからさ!」

真琴「だから……なんです?」

俺「……」

真琴「……」

俺「ごめんなさい」

真琴「素直でよろしい」ニコッ

【ラブコメ野郎】

真琴「先輩はもっと食生活に気を……」

俺「はい、はい。 ごめんなさい、以後気を付け……」

木乃子「……」

木乃子「お前ら、あたしを忘れてラブコメに興じるのもほどほどにしとけよ?」

俺「あ?」

真琴「ラブッ!?」

木乃子「いきなり固有結界展開しやがってからにー! 見ろ! ラブコメ野郎が近くにいるから鳥肌が立ったじゃないか!」

俺「知るかよ。 だいたいお前はだなー」

<ギャーギャー

真琴「……」

真琴「……ラブコメ」ニヘラ

【凸凹……凸?】

木乃子「バカップルの固有結界のせいで時間がかかったじゃないか~」ブツブツ

俺「きのこ信者の戯言が聞こえる、そうだ、たけのこ信者に鞍替えしたとないことないこと言いふらそう」

真琴「おじゃましま~す」クツソロエ

木乃子「貴様ー!! なにさらっととんでもないことを言っとるかー!!」

俺「妥当な扱いだバーカ。 バ――カ」

真琴「せんぱ~い? お湯沸かしますんでお台所お借りしますよ~」

木乃子「バカとはなんだバカとは!! あ、柊~これ冷蔵庫な~」

俺「バカにバカっつって何が悪いんだよバ――カ。 あ、鍋はいつものところだから~」

真琴「ふふっ、は~い」

【再開】

木乃子「ふぃ~、食った食った」

俺「……しばらくラーメンともお別れかな」チラッ

真琴「先輩、何かいいましたか?」チラッ

俺「……なにも」

木乃子「あ~、はいはいごちそうさま。 そういうのい~から~」グデーン

俺「さて、片しますか」スッ

真琴「あ、私やりますよ?」

俺「いーって。 俺がやるから座ってな?」

木乃子「食後のお茶を持ってこい旦那様~」フリフリ

俺「はっ倒すぞ」スタスタ

真琴「……」ゴソゴソ

木乃子「なんか、扱い違くね?」

真琴「そうですか~? 先輩たち、すごく仲が良いじゃないですか」カチャカチャ

木乃子「そうかね~。 んで、あんたは何してんの? エロ本探し?」

真琴「エロッ!? ……ゲームの準備ですよ」ゴソゴソ

俺「冷たいのウーロン茶しかなかったわ」

真琴「珈琲以外があるのは珍しいですね?」

俺「昨日なんとなく買ったんだ」

木乃子「お~、ウーロン茶なんて久しぶりだな」ズリズリ

俺「東雲がいたらなんて言うかな」

木乃子「ペパロニピザどこだ~っつって台所物色に100ペリカ」

俺「ペパロニピザをきのこの里に変えたらお前じゃね?」

【必勝法】

俺「さて、大体分かった」カチカチ

木乃子「は?」

真琴「何がです?」

俺「このゲームには、必勝法がある」バーン

木乃子「あ、秋y」

真琴「本当ですか?」

俺「……」...カチカチ

木乃子「分かってる、あたしは分かってるからな。 素でネタをスルーされると辛いな」ポンポン

真琴「?」

【気まぐれ本気モード】

俺「このゲームはヒロインを出せば出すほど難易度が上がっていくんだよ」カチカチ

木乃子「理由は?」

真琴「……」ウンウン

俺「適当プレイしてる時にヒロインが出たのは対応するパラメを実行した時。 ロードなんかはしてないけど多分一定値を超えたら確率で判定が入るんじゃないかな?」

木乃子「続けて」

俺「このゲームの要素の一つ、悪い噂。 見たところ全く相手にしなかったヒロインに集中してんのよ。 傷付いた~って噂流して、女って怖ぇ」

木乃子「茶番はいいよ。 んで、結論は?」

俺「メインに据えたヒロイン一筋。 日曜をデートで埋めるのは勿体無いので月一。 もう既に出現済みのヒロインに対応する科目は平日実行可。 他キャラは噂が流れた時のみ。 これで勝てる」

真琴「先輩、凄いです!」キラキラ

木乃子「縛らない場合の定番プレイスタイルだけど、ま、いんでね?」

俺「うーっし! んじゃ、進めますかー!」カチカチ

【そして月日は流れて】

TV<~♪ チャンチャンチャンチャンチャンチャンチャ-ン

TV<好きです、世界中の誰よりも~

俺「よく言うよな、この女。 最初なんか見向きもしなかったくせに」モグモグ

木乃子「そりゃ後半からは運動も出来て勉強も出来て容姿も良いときたもんだ」モグモグ

木乃子「そこに一流大学合格の一方が入りゃ本気になるさ。 長年幼馴染っつー関係でもあったわけだし」

俺「何? 女ってみんなこんなに打算的なの?」モグモグ

木乃子「どっかには本当に純粋に好きですだのなんだのしてるのもいるんじゃないか? どっかには」モグモグ

木乃子「つーか、お前食いすぎ。 あたしのきのこの里だかんな? これ」

真琴「お二人とも、もっと純粋にゲームを楽しみましょうよ……」

真琴「中盤あたりから二人ともいい雰囲気だったじゃないですか」

真琴「二人で一緒に誕生日を祝ったりして」

【悪くない】

木乃子「で~? どうだったよ、恋愛シミュレーションゲームは」

俺「……」

真琴「? 先輩?」

俺「……悪くない、むしろ良い」

木乃子「ほ~。 どの辺が?」

俺「いや~、最近の恋愛ゲームって読み進めるだけとかポチポチするだけだと思ってたけどさ」

俺「これは良い! プレイヤーが介入してパラメータを上げるのも楽しいし」

木乃子「最近はそういったゲーム、少ないんだけどな。 ほとんどが紙芝居ゲーだし」

俺「もっと広がればいいのに、こういうスタイル。 ひとまずこれは全キャラクリアする」

真琴「あっ、じゃあ私も見てて良いですか? あの、当たり屋さんが少し気になるんですけど」

俺「おー来い来い。 一緒にやろうぜ」

木乃子「……」

俺「姫島はどうする? 予定がないなら来るか?」

木乃子「あたし、邪魔じゃね?」

真琴「何言ってるんですか先輩! 一緒にやりましょうよ!」

木乃子「……きのこの里が追加で出るなら考えても良い」

俺「おー、じゃあ次は先に買い出ししてからやろう」

真琴「ふふっ、はい!」

真琴「まだ明るいんですから、送ってもらわなくても良かったんですよ?」トコトコ

俺「明るいとは言えもう夜なんだから送って行くって」

木乃子「お前もマメだなー。 そこまで細かいとそのうちハゲるぞ?」

俺「黙ってろ菌糸類。 つーかお前、課題はもうやった訳?」

木乃子「あたしがやってるとでも?」フンス

俺「……いや、俺が悪かった」

真琴「……やってないんですね」

木乃子「当たり前だろう。 いいかー後輩」

真琴「なんです?」

木乃子「課題は、ただ無心に、写すものなんだ」ドヤァ

俺「柊ー、お前はこんな感じのダメな奴になんなよー」ゴン

木乃子「アテッ、何するかー!!」

真琴「ふふっ、やっぱりお二人って仲が良いですよね」

俺 木乃子「「はは、こやつめっ」」コツン

真琴「あいたっ! ……ふふっ」

木乃子「んでー、そん時にこいつあたしを見捨てやがってなー?」

俺「バッカお前、あれは見捨てたんじゃなくて戦略的な撤退だろうが」

真琴「えー、そんなことがあったんですか? ……!?」ピタッ

木乃子「お前も気をつけろよ柊~。 こいつ善良なふりしてって……あり?」クルッ

俺「どした柊ー?」フリムキ

真琴「……」ジー

木乃子「UFOキャッチャーか?」

俺「このゲーセン、相変わらず景品は麦わら一味が独占してるな」

木乃子「人気なんだろー、あたしはいらんが」

俺「同意見」

真琴「……かわいい」

俺「……あ?」

木乃子「かわいい?」

真琴「先輩方! これ、すっごく可愛くないですか!?」ビシッ

俺「……この気だるげな顔したクマが?」

木乃子「乙女の嗜好はよくわからんな」

俺「……お前も一応女だろうが」

真琴「可愛いな~。 とれるかな~?」

本日投下分に小タイトルをつけ忘れておりました。
>>212 を【マメ】
>>213 を【視線】
とさせていただきます。

>>197

【必勝法】

真琴「先輩先輩、これって取れますかね?」ユビサシ

俺「あー。 ……これ重心は頭か? 多分取れると思うけど」

真琴「姫島先輩はどう思います?」

木乃子「ん~?」

木乃子「この手のやつはアームの力が弱いんだよ」

木乃子「だから完全に持ち上げて移動させて穴に落とすっていうのは無理」

木乃子「これは多分、頭を持ち上げて落とすを繰り返せばいい」

真琴「持ち上げて落とす、ですか?」

木乃子「そう。 詳しい説明は任せた~」ポン

俺「任されたー。 えっと、これだと頭がこっち側にあるだろ?」ポン

真琴「はい」

俺「だから、頭の真ん中辺りにアームを持って行って持ち上げる」

俺「足を起点として頭が持ち上がって斜めになるの」

俺「ほら、ジャクソンのPVみたいに」

真琴「はい」

俺「場合によっちゃそのまま足が滑って奥に行くこともあるけど、これは頭もデカいし多分大丈夫」

俺「で、たいていアームの力が弱くて途中で落ちる」

真琴「はい」

俺「これの場合は、落ちた時に反動がついて手前に少しずつ移動すると思う」

俺「そうやって穴に少しずつ近づけて落とせばいいよ」

【トライ】

真琴「なんだか難しそうですね~」

木乃子「お前手本を見せてやればいいじゃん」

俺「俺もそこまで慣れてるわけじゃないんだけどさ」

木乃子「それでも柊よか上手いだろ? ほれ、かっこいいとこ見せてみ?」

俺「……まあ、やってみますか。 柊はそれ見て判断すればいいよ」

真琴「良いんですか?」

木乃子「良いんだって。 ほら、見せ場を奪うもんじゃないぞ」

俺「いきまーす」チャリン

<デッデッ↑デッデッ↓デーデーデデー

俺「……」ヨコカラミル

真琴「先輩は何してるんですか?」

木乃子「ああやって横から見て奥行きを確認してんの」

【ぶっさし】

木乃子「つーか、金入れる前に見ときゃいいのに」

俺「外野ー、うるさいぞー」

木乃子「へいへい」

真琴「……」ワクワク

俺「うっし、いきまーす」カチ

―アーム、横移動中―

俺「……あ」カチ

真琴「え?」

木乃子「ブハッ!!」

俺「指、離してしまった」

真琴「これ、早すぎましたよね?」

俺「あーあ、やっちゃった」カチ

木乃子「……ッ!!」

―アーム、縦移動中―

俺「こっちは完璧」

―アーム、降下中―

俺「……」ジー

真琴「……」ジー

俺「駄目か、押し込みじゃ無理みたいだ」

真琴「頭の真ん中を刺しちゃいましたね~」

木乃子「……ブハッ!!」

俺「いつまで笑ってやがんだ姫島ぁ!!」

木乃子「み、ミスった時のポカンとした顔……ふはっ!」

【貯金箱】

俺「もうちょいもうちょい、そこだ」

真琴「はい!」

木乃子「悪くないんでね?」

俺「後は縦移動な? 手前だと奥に滑るから気をつけて」

真琴「や、やってみます!」フンスッ

ーアーム、縦移動中ー

真琴「……」ドキドキ

俺「……」ジー

木乃子「……」ジー

真琴「……あっ」

俺「ちょっと押し過ぎたかな」

木乃子「上手くやらないと貯金箱コースだぞ?」

真琴「……もう少し、頑張ってみます」

木乃子「よーし、よく言った」

俺「無理だと思ったらスッパリやめろよ?」

真琴「はい!」

木乃子「店員アピールもしとくか?」

俺「それは最終手段だろ」

【終盤こそしんどい】

真琴「……」ジー

俺(動かなくなってきたな)

木乃子(UFOキャッチャーはどれも最後が1番しんどいからな~)

真琴「あ~、もう少しなのに……」ショボン

俺「……」

木乃子「……」

俺(ちょっと札を崩して来てくれ。 500円玉作って6回アタックで決めるぞ)

木乃子(店員アピールはするか?)

俺(いらねーよ。 その代わり袋貰ってこい)

木乃子(あいよ~)テケテケ

俺「……柊、残りでやっても駄目ならアームで押し込んでみ?」

真琴「押し込むんですか?」

俺「そう。 俺が最初にやったみたいに」

真琴「わかりました~。 ひとまず残り、頑張ってみます」

【ラストバトル】

木乃子「袋、貰ってきたぞ~」

真琴「袋ですか? どうしてまた?」

俺「あともう少しで取れるだろ」

真琴「でも、まだ取れるかどうかわかりませんよ?」

俺「そこでほれ」スッ

真琴「500円玉?」

俺「これで後6回プレイ出来るから」チャリンッ

木乃子「最後はぶっ刺しで落とせって訳だ」

俺「狙う場所は顔の真ん中辺り」

木乃子「突き落としてしまえ~」

真琴「わ、わかりました。 やってみます」

【ゲットだぜ】

真琴「横はこんな感じですか?」

俺「そうそう」

木乃子「後は縦な。 横よりはやりやすいだろ」

真琴「行きます!」

俺「……」ジー

木乃子「そこだ!」

真琴「はいっ!」

俺「おっし、位置はドンピシャ!」

真琴「ですよねっ! 取れますかね?」

木乃子「お? おぉ!!」

俺「これは行ったか?」

真琴「……取れた。 取れましたよ!!」

俺「おめでとさん」

木乃子「初めてにしては上々だろ」

真琴「やたー、私、初めてUFOキャッチャーで商品取れましたー!!」

【戦果】

真琴「ふふっ、可愛いっ」ギュー

俺(袋、結局使ってないんですけど)

木乃子(よっぽど嬉しかったんだろうさ)

真琴「名前は何にしようかな? 先輩方はどんなのがいいと思います?」キャッキャ

俺「名前? あー……」

木乃子「詩織とかにしとけばいいんじゃね?」

俺「おい、やめろ。 やめろ」

木乃子「んじゃ、帰ってゆっくり考えるといい」

真琴「それもそうですね~。 そうしますっ」

真琴「……あー、可愛いな~」

俺(やっぱ、何度見てもあれのどこが可愛いのかわからん)

木乃子(安心しろ、あたしもわからん)

真琴「ふふっ」~♪

【梅雨空】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」 バッ

俺「うおっ!? び、びっくりした~。 あれ? 扉閉まってなかったっけ」

真琴「えへへ、大成功です」ブイ

俺「岸田みたいなことしてからに」コツン

真琴「イタズラ、成功です!」

真琴「それよりも先輩、さっきは何処に行ってたんですか?」

俺「あれ? もしかしてさっきも教室来た?」

真琴「はい、一緒に帰ろうかと思って来たんですけど見当たらなくて」

俺「日誌届けに職員室に行ってた時かな」

真琴「すれ違ってたんですね~。 靴がまだあったので戻ってきて正解でしたっ」

真琴「で、何してたんです?」

俺「いや、結構降ってんな~って思って窓の外見てた」

真琴「そう言えば、雨は嫌いじゃないって先輩言ってましたもんね」

俺「……そんなこと言ったっけ?」

真琴「あれ? 言ってませんでしたっけ?」

俺「まぁ、嫌いじゃないけどさ」

【雨雨雨雨...】

俺「こう、週に1日か2日程度でいいのよ。 雨は」

真琴「ここの所ずっと雨ですもんね~」

俺「雨音を聞きながら本読んだりゲームしたりも良いよ?」

俺「何か無駄に気分が良くてさ」

真琴「あ、分かります分かります! 窓の外をそっと見てフッと笑って……みたいなやつですね!?」

俺「お前さんも好きだね~。 でもさ、こう連日ジャンジャラ降られるともう良いよってならない?」

真琴「濡れるのは嫌ですしね~」

俺「洗濯物とかもなかなか乾かないし。 一人暮らしだと全部自分でやらないとだから面倒でさ」

真琴「一人暮らしも大変ですね、私も出来ることはお手伝いさせていただきますからね?」

俺「主に食生活を中心にもう既に助けられてるよ、ありがとうな」

【異文化】

俺「あ~、濡れるといえばさ」

真琴「はい」

俺「この前の雨の日、帰り際にクロエ先輩とユーリヤと一緒になったことがあってさ」

真琴「いつです?」

俺「ほら、この前柊が放課後すぐにシフトが入ってた日。 何気なく連日雨で濡れてしんどいですねって話振ったらさ」

俺「雨が降ってるんだから濡れても仕方ないですよーって言いながら喫茶店に誘われたよ」

真琴「……どうして喫茶店に?」

俺「雨宿りがてらだってさ。 二人とも日本に来てみんながみんな傘を使っててびっくりしたって言ってた」

真琴「外国の人は濡れるの嫌じゃないんでしょうか?」

俺「人それぞれだとは思うけどさ。 雨宿りしながら行ったりする人が多いんだってさ」

真琴「日本とは違いますね~」

俺「だぁね」

【台風】

真琴「先輩はどっちがいいですか?」

俺「どっちとは?」

真琴「雨が降っても傘を使う日本の文化と、雨宿りする外国の文化だと」

俺「ん~、個人的には雨宿りの方が良いかな。 人と待ち合わせしてるとかだとそりゃ傘使うけどさ」

真琴「私は雨宿りの方が良いかもですね~。 雨が降ってる中で転ぶともう本当に大変なので」

俺「経験済みでしたか」

真琴「物心ついてからもう何度も」エヘヘ

俺「雨の日は柊にとっては大変な1日って訳だ」

真琴「家を出るときに気合を入れるんですよ、気をつけるぞ~って」

俺「じゃ、台風の日とかは更に気合を入れるのか?」

真琴「……台風の日は、なるべく外に出ないようにしてます」

俺「どうしても出ないといけないってのは今までなかった?」

真琴「……傘がひっくり返ったり、風に煽られて飛ばされそうになったり転びそうになったり、あと……」

俺「もういい、俺が悪かった」

真琴「台風なんて、嫌いですよ」ムスッ

俺「来週は台風来るかもしれないから、外に出ないようにしないとな」

真琴「絶対に出ません」キッパリ

【七夕】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「さっき短冊もらってさ、何書こうか迷ってるところ」

俺「柊はなんて書いた?」

真琴「私はもちろん、先輩との距離がもっと縮まるようにって書きました!」

俺「……」

真琴「……?」

俺「ありがとう」

真琴「よくわかりませんけど、どういたしまして!」

【空模様】

真琴「今日は残念ながら曇り空ですね~」

俺「織姫も彦星も雲の上でイチャコラしてるさ」

真琴「イチャコラって、先輩……」

俺「むしろ雲で隠れた方が一目も気にしなくていいから良いんじゃない?」

真琴「も~、そういう夢を壊すようなこと言わないでくださいよ」

俺「ごめんごめん、ふと思っちゃってさ。 でも今日が雨でも来月にもう1回チャンスはあるし」

真琴「来月ですか?」

俺「あれ? 七夕って旧暦の7月7日にやってたんじゃなかったっけ?」

真琴「そうなんですか?」

俺「いや、俺も聞いたような気がするな~程度の知識だけどさ」

【願い事】

俺「そんなことよりもさっさと短冊書いちゃおう。 またせっつかれる」

俺「黄色の短冊は……人間関係の願い事だっけ?」

真琴「そう難しく考えなくてもいいんじゃないですか?」

俺「柊はもう吊るして来た?」

真琴「はい、いっぱいありましたよ~」

俺「どんなのがあった?」

真琴「色々です。 学業成就とか~、世界平和とか」

真琴「あ、あと恋愛関係のも多かったです!」

俺「ほー、高校生らしいというかなんというか」カキカキ

真琴「あ、書いたんですか。 見せてください」

俺「ほれ」

真琴「人との縁が更に深くなりますように……ですか」

俺「4文字熟語みたいにしようかとも思ったけど、思い浮かばなかったよ」

真琴「なんですか、その縛り」

俺「いや、なんとなく? ……それじゃ、吊るしに行きますか。」

真琴「ですね、行きましょ~!」

【お手伝い】

真琴「そう言えば先輩?」ノゾキコミ

俺「ん?」

真琴「苗ちゃんのお手伝いはもう良いんですか? 人形教室でしたっけ」

俺「今回のは教室が始まるまでが大変だったからさ。 始まってしまえばもう手伝うこともないよ」

真琴「そうですか?」

俺「さっき少し覗いたら大盛況みたいだったから、今頃ヒーヒー言いながら教えてるんじゃないか?」

真琴「ふふっ。 後で私たちも行きますか?」

俺「俺は練習でもやったしもういいかな。 後で差し入れを持って行こうかと思ってたけど、来る?」

真琴「お供します!」

【顔】

料理部員「天の川を再現! そうめんを振舞って……あ、おーい! 食べて行かない?」

俺「後で寄らせてもらいます~」

真琴「……」トコトコ

………
……


美術部員「短冊を吊るす時に一緒に笹飾りはどうでしょ~。 折り紙で……あ、先輩~! 寄って行きませんか~?」

俺「後で差し入れ持ってくから~」

真琴「……」テクテク

………
……


真琴「先輩って顔広いですよね」

俺「いきなり何さ?」

【お人好し】

真琴「色んな部の人からお声がかかってますし」

俺「色んなところにちょくちょく顔出してたからな~」

真琴「先輩、苗ちゃんのところ以外にもお手伝いしました?」

俺「いや……うーん。 ほんの少し?」

俺「目の前で困ってるのをスルーするのもどうかなって思うしさ」

俺「おかげで知り合いは増えたかな」

真琴「先輩、お人好しって言われません?」

俺「いや、ないけど」

【願い】

真琴「あ、あの辺とかどうです?」ユビサシ

俺「少し高いからか、全然吊られてないな」

真琴「私だと届きませんもん」ピョン

俺「よっと、柊、すこし先を持っててくれ」

真琴「はい、これでいいですか?」

俺「結ぶから、少しそのままでお願い」

真琴「分かりました~」

俺「……うっし、これでいいかな。 柊、離してもいいぞ~」

真琴「はい」パッ

俺「おー、揺れてら」

真琴「短冊も一緒に揺れて綺麗ですね~」

俺「……さて、んじゃ差し入れを買いに行くとしますか」パンパン

真琴「も~、拝まないでくださいよ。 ……購買ですか?」

俺「祭りだってことで大量入荷したって水野さんも言ってたから。 売り上げに貢献しに行きましょー」スタスタ

真琴「おー!」トコトコ

【夏】

真琴「先輩っ、何してるん……ですか?」

俺「……」グデー

真琴「あの、先輩?」ツンツン

俺「駄目だ、机ももうぬるくなった」

真琴「何で机に頬を押しつけてるのかと思ったら、涼をとってたんですか?」

俺「そう。 でももう駄目だ……ぬるい」

真琴「もう、顔に跡がついちゃいますよ?」

俺「……」グデーン

真琴「先輩って夏が好きだって言ってませんでした?」

俺「……柊に1つ教えてあげよう」

真琴「なんです?」

俺「夏が好きだってのと夏の暑さに耐性を持つことは等式で結ぶことは出来ないのだよ」フフンッ

真琴「……」

真琴「……」ピシッ

俺「あてっ。 ……何で俺のデコを叩いた?」

真琴「いや、なんとなく。 ごめんなさい」

俺「いいよー」グデーン

【天気予報】

真琴「あ~、もうまた……。 ほら、シャキッとしてください」

俺「今日はなんかすごいジメジメしてるな~」スッ

真琴「やっとちゃんと座ってもらえた。 なんでも台風の湿った空気が一気に流れ込んでるみたいですよ?」

俺「今日は曇り時々雨なんじゃなかったのかっての。 多少涼しいかと思ってたのにな~」

真琴「……今がその曇りなんじゃないですか?」

俺「……なるほど」ハッ

真琴「……」

俺「……にしても暑いな~」

真琴「ですね~」

【耐性】

俺「もう少し経ったら多分暑さにも慣れてくると思うんだけど」

真琴「慣れるって、どうやるんです?」

俺「俺の部屋っっていうか、あのアパートってさ」

真琴「はい」

俺「なんでか知らないけど2階部分は昼間全然風が吹かなくてさ」

真琴「え? でもこの前は結構吹いてませんでした?」

俺「なんでか知らないけど夜には風が吹くの。 だから夜は割と過ごしやすいんだけど、昼間は地獄で……」

真琴「あ~、確か先輩のお部屋って日当たり良かったですもんね」

俺「電気代もバカにならないから極力エアコンは使わないようにしてるから、そのうち慣れるかな~って」

真琴「熱中症とかには気を付けてくださいよ?」

俺「毎年似たようなことやってたから、身に沁みてわかってるよ」

真琴「……もしかして、熱中症で倒れたことあります?」

俺「いや、それはさすがにないけどさ」

真琴「ないけど?」

俺「昼寝から目覚めたら室温が40°だったことが何度か……」

真琴「よくそんな部屋で寝られますね……」

【蝉】

<ジージージージジジー

俺「うっわ、ただでさえ暑いのに蝉まで鳴きだしたよ」ゲンナリ

真琴「わっ、今年初めてじゃないですか?」

俺「そうだっけ? この前一緒に公園のそば歩いてた時鳴いてなかったっけ?」

真琴「あれ? そうでしたっけ?」

俺「俺の気のせいかな……って、ジージージージーうるさいな。 これだから蝉は嫌いなんだ」

真琴「私もちょっと苦手です~。 小学校の頃、みんなで遊んでるとなぜか私だけおしっこをひっかけられて」

俺「それはなんて言うか……ご愁傷様?」

真琴「う~、ありがとうございます」

俺「……ほら、こう暑いとテンションも下がるって! 購買にでも行ってジュースでも飲んで、気分変えよう。 奢るからさ」

真琴「購買ですか?」

俺「そ、付き合ってくれない?」

真琴「えへへ、分かりました!」

俺「そうと決まれば早い方が良い。 行くぞ~柊ぃ~」スタスタ

真琴「わわっ、待ってください~」パタパタ

【都市伝説】

真琴「先輩っ、何してるんですか?」

俺「……」

真琴「……先輩?」

俺「ん? おぉ、柊か。 どした?」

真琴「どした?じゃないですよ。 何見てるんです?」

俺「都市伝説のまとめサイトだよ。 ほら、これ」

真琴「都市伝説って、怖い話ですか!?」

俺「まあ、そういう話もあるけど。 あれ? 苦手だった?」

真琴「人並みだとは思うんですけど、少し苦手ですかね」

【異次元】

真琴「集中して見てたみたいですけど、先輩はこういうのお好きなんですか?」

俺「うん、好きなんだわ。 特にさ、異次元とかの話が好き」

真琴「異次元?」

俺「ふとした拍子に迷い込むみたいな話? 帰って来られるかどうかは半々なんだけどさ」

真琴「どんなのがあるんですか?」

俺「ちょっと待ってよ、確かさっきのページに……」

俺「あったあった。 ほら、このページ読んでみ? ほら、存在しないはずの駅に迷い込んだ話」スッ

真琴「……怖くないですか?」

俺「大丈夫大丈夫。 それは本当に迷い込むだけだから」

真琴「拝見します」スッ

【体験】

俺「どう?」

真琴「なんか、不思議な感じですね~」

俺「分かる? やっぱそうだよな。 どことなく普通と違う感じがするところに惹かれるのかな?」

真琴「私は特にこのお話なんか好きですね」ユビサシ

俺「俺とおんなじだ! だよな~、他の駅の話がなんかちょっと終末的な感じがするのに対してさ」

真琴「幻想的な感じがする?」

俺「それ! いや~、話が合うとテンション上がるな~」

真琴「先輩はこういった体験をしてみたいと思うんですか?」

俺「いや、別にいいや。 今を生きるので精一杯。 こういうのは体験談を読むだけで十分だわ」

真琴「帰れなくなったら嫌ですもんね~」

俺「そうそう」

【八尺様】

真琴「ちょっと今日は大丈夫かもしれません!」

俺「はい? 何が?」

真琴「いつもはこういったお話は苦手なんですけど、今日は大丈夫かな~って。 ちょっと怖めのお話はないですか?」

俺「ん~……。 じゃ、こんなのはどう?」スッ

真琴「……八尺様……ですか?」

俺「そう、八尺様。 さっきまでの話とはまたちょっと違った感じの話だよ」

真琴「うぅ、この絵が八尺様ですか? すごく怖いんですけど……」ブルッ

俺「いや、出せって言うから……」

真琴「……よしっ、読んでみます!」

俺「そんな気合入れなくても」

真琴「……」

【怖がり】

真琴「めちゃくちゃ怖いじゃないですかぁ!!」

俺「怖い話をって言ったのはそっちじゃん」

真琴「私は少しって言ったんですよぅ!! あ~、今日お風呂で髪洗えるかなぁ……」

俺「髪? なんでさ」

真琴「目を閉じるのが怖いです」

俺「あ、なるほど。 でもさ、この八尺様って成人前の男とか子供を狙うんだから、柊が狙われることはないじゃん」

真琴「……先輩?」

俺「ん?」

真琴「怖がりにそういった気休めは効かないんですよ?」ガクガク

俺「いや、それを言われたら……」

真琴「決めました!」

俺「今度は何を?」

真琴「今年はもう駄目です。 怖い話の番組とか映画は観ないことにします!」

俺「……そうですか、まあ、いんじゃない?」

真琴「そうします! ……って、なんの話からこうなったんでしたっけ?」

俺「え? え~っと……なんだっけ?」

【メール】

真琴「……」メルメル

『先輩っ、今なにしてます?』

真琴「……」~♪

真琴「……!」

『目覚めの珈琲飲んでます』コーヒーシャメ

真琴「……ふふっ」メルメル

『また珈琲ですか? たまには他のを飲んでも良いんじゃないですか?』

『珈琲以上の飲み物がこの世にあるだろうか……。 いや、ない(`・ω・´)キリッ』

【警報】

真琴「……」メルメル

『雨、凄いですね~』

『夜通し起きてたけど、雨の音も風の音も尋常じゃなかったよ』

真琴「……」ムッ

『夜更かしも程ほどにしてくださいよ?』

『台風もバッチリ直撃コースだったし、今日は確実に休みだろうって思ったらつい……な』

『もしお休みにならなかったらどうするつもりだったんです?』

『その時はその時、フラフラになりながらでも登校したんじゃない?』

真琴「……」

真琴「……///」メルメル

『そこでサボるって言わない先輩、私は好きですよ』

真琴「……」ジーッ

真琴「……っ!」~♪

『そりゃ、ありがとよ』

真琴「……流されちゃった」ズーン

【雑談】

真琴「……」~♪

真琴「……?」

『にしてもさ、ここまでガンガン降ったり吹いたりされると暇で仕方なくない?』

真琴「……」ウーン

『なら普段は出来ないようなことをしてみたらいいんじゃないですか?』

『掃除もしたし、溜まってた洗い物も片付けたし。 あ、この前もらった肉じゃがはメチャクチャ美味かったです』

真琴「///」テレテレ

『お口にあったなら何よりです。 あれ、お母さんじゃなくて私が作ったんですよ?』

真琴「……」

『本当に美味かった。 あれはやばい。 俺の好みドンピシャの味だった』

真琴「……やた!」

【本】

真琴「……」

俺『あー、本当になにしよう。 洗濯以外の家事は全部終わらせたし。 柊は何してる?』

真琴『この前先輩にお借りした本読んでます。 身分違いの恋、切ないですね』

俺『今どの辺まで読んだ?』

真琴『丁度真ん中辺り、群島に一時的に身を隠した辺りです』

俺『ドンピシャでお互いの心境を吐露して、進むべきか逃避行に走るか悩むところか』

真琴『そう、今まさにそこです! どうしましょう先輩、泣きそうです (TωT)ウルウル』

俺『ヽ(´Д` )ナデナテ』

真琴「ふふっ、もう」

【来訪者】

真琴「……」

俺『俺はゲームでもするかな、暇で仕方ない』

真琴『あ、この前やっていたゲームを進めるんですか?』

俺『そう、素材集めにちょっと行ってこようかと思う』

真琴『この前は夜に無理やり進もうとしてゲームオーバーになっちゃいましたもんね~』

俺『もうあんな失敗はしない。 ……その場でひたすら朝が来るのを待つさ』

真琴『ストーリーは出来れば進めないでください。 私、分からなくなっちゃいますから』

俺『分かってるよっと、誰か来た』

真琴『?』

俺『インターホンが鳴った、こんな日に誰だ?』

【メール】

俺『ごめん、ちょっと応対してくるからまた』

真琴『はい、分かりましたよ。 またメールしますね~』

真琴「……」

真琴「……ふふっ、こんな日でも先輩とお話し出来た」

真琴「……」

真琴「メールっていいな~」ゴロゴロ

真琴「ふふっ……あたっ!」ゴロ......ドシン!

真琴「う~、落ちちゃった。 あ、今度この話話題に出来そう!」

真琴「……明日は、晴れるといいな~」ソトヲミナガラ

真琴「……あ~した、天気にしておくれっ」

【暇つぶし】

真琴「~♪」テクテク

真琴「……あっ!」タッタッタ

真琴「先輩っ、ご一緒してもいいですか?」

俺「お? おー、もうすぐそこだけど、それでもよければー」カチャカチャ

真琴「何してるんです?」

俺「知恵の輪。 これがなかなか難しくてさー」カチャカチャ

俺「……あれ? 通過したはずなのに、戻ってる?」

真琴「先輩って知恵の輪好きでしたっけ? やってるの初めて見ましたけど」

俺「いやー、別に好きでは……ない……よっと」

俺「お、通った。 ……で、こっからどうすんのか」

【梅雨明け】

真琴「歩きながらよく出来ますね~、私なら絶対無理です」

俺「俺も何度か躓いたりしたけどさ。 ……続きは後にするか」スッ

真琴「……それにしても、今日は本当に良い天気ですね~」

俺「近畿とかはもう梅雨明けしたみたいだしな。 また台風がくるみたいだけどさ」

真琴「もう夏休みも近いですもんね~」

真琴「先輩は何かご予定とかありますか?」

俺「いや、特にはないよ。 課題やってバイトやっての繰り返しじゃないかな」

俺「……姫島とかが泊まり込みでゲームやるとか言ってたけど、あれは冗談だよな」

真琴「あ、あはは」

俺「冗談ってことにしとこう」

【夏休み】

俺「夏休みのことに思いを馳せるのもいいけどさ」

真琴「なんです?」

俺「その前に成績発表があるの、忘れてないよな?」

真琴「大丈夫、今回は私、自信ありますよ~」

俺「あれ、そんなに手ごたえあったんだ」

真琴「言いませんでしたっけ? 以前先輩に教えてもらったヤマ、見事に的中してましたよ!」

真琴「も~、試験中ずっと笑いが抑えられませんでしたよ~」

俺「そりゃ良かった。 同じ教材だから、やっぱり出題パターンは似通ったものになるのかね」

真琴「だから、私は安心して夏休みに思いを馳せることが出来るのです」

真琴「というわけで、先輩!」

俺「ん?」

真琴「夏休みもよろしくお願いしますね!」

俺「というと?」

真琴「お話したり、いろんなところに遊びに行ったりしましょう!」

俺「柊はどこか行きたいところとかある?」

真琴「私は、先輩と一緒でしたらどこでもいいです」

俺「じゃあ、何か考えてみようか」

真琴「どこに行きましょうか~。 楽しくなってきました!」

【休み時間】

真琴「……あれ?」

俺「……っ!」カチャカチャ

真琴「せんぱ~い、何してるんですか?」

俺「ん、あれ? あ、階を間違えたか?」

真琴「ビックリしましたよ。 何か用事でもあるのかとも思いましたけど、一心に知恵の輪を弄ってるんですもん」

俺「いやー、助かった。 全然気づいてなかったわ」

真琴「それで、知恵の輪は今朝から進んだんですか?」

俺「それが全然。 知恵の輪ってこんなに難しかったっけ? って再認識してるとこ」

【スタンプラリー】

真琴「そう言えば先輩は聞きました? スタンプラリーのお話」

俺「あー、なんかそんな話をしてたような気がする」

真琴「……先輩、朝のHR中も知恵の輪してました?」

俺「……はい。 こっそり机の下で」

真琴「もー、見つからないようにしてくださいよ?」

俺「それは大丈夫、もうバレてるから。 罰として至る所の大掃除に随行だってよ。 俺を売ったやつら、絶対に許さん!」

真琴「程々にしてくださいね」

俺「善処する」

真琴「で、先輩は参加するんですか? スタンプラリー」

俺「んー、今回はパスかな。 そんなに興味もないし」

真琴「あれ? 先輩はなんだかんだ参加するんだと思ってました」

俺「興味もないのに参加しても楽しめないばかりか、場の空気も悪くしそうだしさ」

真琴「そうですか。 じゃあ、今回は私も参加を見送ります」

俺「あれ、いいの? 結構女子の参加率は良かったと思うけど」

真琴「今回のイベントは先輩と参加出来たらと思ってたんで」

俺「あー、じゃあ次に俺が参加するやつは一緒に行こうか」

真琴「いいんですか? ありがとうございます! 約束ですよ?」

やっぱいいガルフレssだよこれは
俺のと違いすぎる
ちなみにレイちゃん出して欲しいのが少しあるな

>>254
拙作ではありますが楽しんでいただけたら嬉しい限りです。
今安価で進行しているSSの方でしょうか?
もっとガルフレSSが増えれば嬉しいんですけどね。

>>254

【亀と亀擬きと】

俺「あ」

レイ「あ?」フリムキ

真琴「?」

俺「東雲じゃん、なんで居るんだ?」

レイ「いきなりご挨拶だな~お前も。 成績表は直接取りに来いって言われたから来ただけだよ。 そんなのネット開示にでもすりゃいいと思わねぇ? なんならシステム構築手伝うよ?」

俺「俺は別に学校に来るの、苦じゃないし」

レイ「かー、真面目ちゃんめ。 お前も姫島も、普段は引き籠ってるくせになんで学校には行くんだか。 ボクには理解できない」

俺「ひどい言われようだ。 別に引き籠ってるつもりはないんだけど」

レイ「あ? だってお前、この前の連休はずっと引き籠ってたじゃん。 新しいゲームがどうのこうのって」

俺「あー、あれな。 あれはなかなかに良かった。 寝食を忘れて没頭したな」

レイ「ボクが連絡しても気付きもしないで放置しやがって。 あの恨み、まだ忘れてないからな」

俺「はぁ? あれの埋め合わせはやったじゃねーか。 ピザ奢ってやったろ?」

レイ「誰がファミレスのピザを奢れっつったよ? あれは埋め合わせには入りません~」

俺「おまっ、マジふざけんなよ? なんだかんだ言いながらパクパク食ってたじゃねーか!」

レイ「そりゃそうだろ。 ピザに罪はない」

俺「こいつ……」

【自己紹介】

レイ「でー、こいつ誰よ。 彼女か?」ユビサシ

真琴「かのっ! ~ッ!!」ガリッ

俺「あ~あ~、もう。 そんな過剰反応しなくてもいいのに。 舌、大丈夫か?」

真琴「だ、だいりょうぶれふ」ナミダメ

レイ「……今のって、ボクが悪いの?」

俺「多分違うだろうけど、一応謝っとけ」

レイ「あ~、なんか知らないけど悪かった。 そりゃ、こんなゲームマニアの彼女にされたら同様するわな」

俺「おい、ちょっと待て。 お前、ほんと待てコラ」

真琴「そんなことないんですが。 えと、柊真琴って言います。 1年生です」ペコリ

レイ「ご丁寧にどうも。 東雲レイ、もう会うこともないだろうから覚えなくてもいいから~」ヒラヒラ

真琴「え?」

俺「気にしなくていい。 誰にでもこんな感じだから」

【新作】

レイ「そういや聞いたか?」

俺「何がよ」

レイ「姫島の奴、懲りずにまた格ゲー買うらしいぞ?」

俺「ああ、聞いた聞いた。 新作がどうのこうのってこの前騒いでたし」

真琴「姫島先輩、楽しそうでしたね~」

レイ「あれ? 姫島知ってんの?」

真琴「はいっ! 時々ゲームを教えてもらったりしてます」

レイ「……いたいけな後輩をどこに連れてく気なんだ? あいつは……」

俺「……見た限りでは悪巧みとかではなさそうだったけど?」

真琴「何のお話です?」

【会場選定】

レイ「んで、どっちでやんの? ボクの部屋は今凄い有様だから遠慮したいところなんだけど」

俺「は? この前片付け手伝ってやったばっかじゃねーか」

レイ「……いつの話してんだ? お前」

俺「2週間前の話だよ! いや、良い。 良くはないけど一旦置いとく。 で、どっちでやんのって何?」

レイ「あれ? 話が行ってない? あいつ、その格ゲー買ったらお前の部屋かボクの部屋に持ち込んでやり込むつもりみたいだぞ? 合宿だーとかなんとか言ってたし」

俺「はぁ!?」

真琴「あ、私も聞きましたよ? ゲームするから来いって」

俺「え? ちょっと待って。 あの話ってガチでやんの?」

レイ「何を今更。 前も似たようなことやったじゃん」

俺「えー、完全に冗談だと思ってた……」

レイ「でもなんだかんだ言いながら参加するだろ?」

俺「まぁ、多分」

レイ「よし、んじゃ会場はそっちの部屋で頼む。 今は本当にボクの部屋は無理だから。 んじゃ、よろしく~」スタスタ

俺「はぁ? ちょ、待てコラ! おい!」

真琴「……自由な方でしたね?」

俺「あんにゃろ……言うだけ言って撤退しやがった。 この貸しは高くつくぞ……」

【参戦決定】

俺「というか、柊の方には話が行ってたんだ」

真琴「はい、先日姫島先輩から直接お話しを聞きました」

真琴「なんでも見てるだけでも楽しめる個性的なゲームだとか」

俺「まあ、ド派手な演出だしな」

真琴「で、今度そのゲームをひたすらやり込むけど来るか? って」

俺「あの時の泊まり込みの話はこれだったのか」

俺「でも、大丈夫か? 多分ひたすらゲームやってるだけだと思うけど」

真琴「先輩は私が行くと迷惑ですか?」

俺「いや全然? やることはGWの時とおんなじだろうし」

真琴「なら、私も参加して良いですか?」

俺「何にもお構いできませんが、それでも良かったら」

真琴「やたっ、ありがとうございます先輩! 夏休みの予定、まず1つ目が出来ました!」

俺「飲み物とか食い物とかなんか考えないとな~」

【スローライフ】

真琴「ついたっ、つきましたー!」ノビー

俺「うぉっ! ……さっきまで涼しかったから暑さがー」

真琴「なんにもありませんね~」キョロキョロ

俺「……慣れた」

真琴「あ、虫だ。 あれはなんでしょう?」

俺「……昆虫か? 田舎はよく分からん虫が多いからなー」

真琴「あ、先輩先輩! 道路の隅っこ、苔が生えてますよ! ほら!」

俺「……楽しんでるな~」

【散策】

俺「さて、今回の課外活動は参加さえすれば何しても良いんだっけ?」

真琴「その筈ですよ? 夜は怪談話をするみたいですが、それ以外は特に決まってなかったと思います」

俺「ふ~ん」

真琴「とりあえず、歩いてみます?」

俺「そだね、何処に何があるか把握してる方がいっか」

真琴「それじゃ、あっちに行ってみませんか?」ユビサシ

俺「あっち? なんかあった?」

真琴「勘です!」フンス

俺「……然様ですか」

【川】

俺「川だ」

真琴「川ですね~」

俺「これ、だいぶ深いな」

真琴「うわっ、青いですね!」

俺「それでも底が見えるんだから、恐ろしく綺麗なんだろうなー」

真琴「……」ウズウズ

俺「降りてみる?」

真琴「良いんですか?」

俺「川辺に降りちゃダメとは言われてないし。 ほら、あそこから降りられるみたいだ」

真琴「じゃ、行ってみませんか?」

俺「ちょい待ち、その前に飲み物でも買っていこう」

真琴「自販機、ありましたっけ?」

俺「あそこ、個人商店みたい。 多分まだやってるんじゃないかな?」スタスタ

真琴「あ、待ってください~」タッタッタ

>>255
レイちゃん出してくれてありがとうございます!
恐らく予想してるssだと思います
ガルフレss増えて欲しいですね

>>264
ご期待に添えてましたら嬉しいです。
よろしければ今後ともお付き合いください。

【品揃え】

真琴「良かったですね~先輩、冷えた飲み物があって」

俺「あれ、完全に個人用の冷蔵庫だろうに」

真琴「私、ああいう個人商店って初めてでした!」

俺「あ、そうなん? なら品揃え面白かったろ」

真琴「カレールーの隣にネズミ取りとかが置いてありましたよ?」

俺「こういうところだとお客さんが少ないからさ、日持ちしないのは置いてないのよ」

真琴「そうなんですね。 ……そういえば、先輩は何を買ったんですか?」

俺「よっと。 ま、気にしないでいいよ。 それより……ほら、お手を拝借」

真琴「手ですか?」

俺「意外と段差が急だわ。 転倒防止にどうぞ」

真琴「ふふっ、お願いします!」ギュッ

【川辺】

真琴「ふわ~、涼しいですね~」

俺「うっわ、めちゃくちゃ水綺麗じゃん」ザバザバ

真琴「あ、先輩ズルい! ……とうっ!」バシャッ

真琴「って、あわわ!」ズルッ

俺「っとぉお! あっぶな、せっかく降りてくるときは転ばなかったんだからさぁ……」バッ

真琴「ありがとうございます。 意外と滑るんですね~」

俺「気をつけろよ~って言う前に入ってくるんだもんな~」

真琴「えへへ、ごめんなさ……魚! 魚ですよ先輩っ!」ザバザバ

俺「転ぶなy」

真琴「きゃあ!」ステーン

俺「……よ~」

【乾燥】

真琴「なかなか乾きませんね~」

俺「乾きだしたらあっという間だって」ゴクゴク

真琴「う~ん、まぁいいです」ケロッ

俺「切り替えが早いね~」

真琴「慣れてますから。 それに、せっかくのスローライフなんですから。 いつまでも気にしてたら損ですし」

俺「素敵な考え方だこと」

真琴「ありがとうございます」ゴクッ

俺「陽が陰ってきたな」

真琴「そうですね、まだそんなに遅くないんですけど」

俺「山に囲まれてるから、ちょっとでも陰りだしたらすぐなんかね?」

真琴「先輩、ジュースは飲み終わりました?」

俺「うん」

真琴「じゃ、そろそろ戻りましょうか」

俺「あいよ」

【散歩】

俺「……」スタスタ

真琴「……あれ?」タッタッタ

俺「……」スタスタ

真琴「せんぱ~い!」

俺「ん?」

真琴「先輩、こんな時間にどこに行くんですか?」

俺「少し散歩に行こうかと、一緒に行く?」

真琴「行きます」

俺「んじゃ、行こっか」

真琴「はい!」

【星空】

真琴「怪談、意外と怖かったですね~」テクテク

俺「あれは完全に雰囲気にやられただけだろー。 ろうそくが効いたな」スタスタ

真琴「涙目になってる先輩もいましたよ?」

俺「あぁ、我慢してたんだろうな」

真琴「……それにしても、夜になると涼しいですね~」

俺「虫の鳴き声が凄いな。 あっちとは大違いだ」

真琴「見てくださいよ先輩、ほらっ!」ユビサシ

俺「うっわ、すっげーな」

真琴「これ、星屑を散りばめたような空って言うんですかね?」

俺「そうなんじゃないかな。 ……本当にすごいな、スマホカメラでは……撮れないわな」

真琴「あっ、流れ星!」

【野生】

俺「そろそろ戻るか」

真琴「ですね~」

俺「明日にはもう戻ってるんだよな」

真琴「残念ですね、もう少し期間が長くても良いのに」

俺「ま、体験だからこそ楽しいんだろうけどな。 住むとなるとまた違うんだろうなー」

真琴「コンビニもありませんしね」

俺「一番近い店で片道5km、日曜は休みとかだしな」

真琴「……それにしても凄い虫ですね~」ザッ

俺「あんまり奥に行くなよー」

真琴「大丈夫ですって~」

俺「夜は野生の猪とかが出るって話だぞ」

真琴「さ、早く戻りましょう。 さあっ!」クル,スタスタ

俺「あ、置いてくなよ」タッタッタ

【学校の怪談】

真琴「……」

俺「……」

真琴「……」

俺「……あの?」

真琴「っ、な、なんですか?」

俺「あのさ、手でもつなぐ? シャツをつかまれると歩きにくい」

真琴「うぅ、お願いします」ギュッ

俺「……」

真琴「……」

俺「やっぱり怖い?」

真琴「怖い……です」

【変貌】

真琴「何で夜の学校ってこんなに怖いんですかぁ」ナミダメ

俺「想像しすぎなんだって。 昼間と同じ」

真琴「廊下ってこんなに長かったですか?」

俺「何も変わってないって」

真琴「そんなことないd……!?」ギュー

俺「イタイイタイイタイ! 急にどした!?」

真琴「い……今そこに人影がぁ」グスッ

俺「どこ?」

真琴「そこの角ですぅ」ユビサシ

俺「……人型に切り抜いた紙の裏に懐中電灯があるわ」

真琴「うぅ、もう……帰りたいです」

【体験】

俺「スローライフの時の怪談は大丈夫だったじゃん」

真琴「話を聞くのと実際に体験するのは全然違いますよぅ」

俺「え~?」

真琴「うぅ、怖いぃ」ガタガタ

俺「ちょ、大丈夫か?」

真琴「あまり大丈夫じゃないです」

俺「そろそろ行かないといけないんだけどさ、手は繋いだまま?」

真琴「繋いだままでお願いします。 もう、泣いちゃいそうでして」

俺「はいはい」

真琴「……よし。 早く終わらせて帰りましょう」

俺「まず最初はどこに行くんだっけか?」

【好み】

真琴「……」ソー

俺「失礼しまーす」ガラッ

真琴「!? 先輩、急に開けないでくださいよ~」

俺「え? ああ、ごめんごめん」

真琴「先輩は怖くないんですか?」

俺「正直なところ、かなりワクワクしてる」

真琴「もしかしてこういうの、好きだったりします?」

俺「……大好物なんだわ」wktk

真琴「凄いですね、私なんかもう、さっきから震えが止まらなくて」ガタガタ

俺「ずっと手を繋いだままだったんだし、分かってるよ」

真琴「先輩だけが頼りですからね? 置いてっちゃ嫌ですよ?」

【音楽室】

俺「ここの7不思議はなんだったか」

真琴「私はひとりでに鳴り出すピアノって聞きましたけど……」

俺「ピアノって、あれか」スタスタ

真琴「ちちち、近づくんです? 近づいちゃうんです!?」

俺「だって、検証とかできないしっ。 ん?」

真琴「どどどど、どう、ど、どうしたん……ですか?」ナミダメ

俺「なんにも仕掛けがされてない」

真琴「……」

俺「あっれー? 絶対なんかしら仕掛けてると思ったんだけどな」

真琴「……せんぱ~い」ハンナキ

俺「……本当にごめんって。 お願いだからそんな涙目でこっち見ないで」

【プール】

俺「おー」キラキラ

真琴「先輩……どうしてそんなに楽しそうなんです?」

俺「俺からしたら、どうしてそんなに腰が引けてるのか分からんよ」スタスタ

真琴「ちょっと、待ってくださいよ~」タッタッタ

………
……


俺「夜のプールってだけで楽しいな」ワクワク

真琴「あの、懐中電灯をあちこちに向けないでください」

俺「なんでさ?」

真琴「怖いんですよ! 一瞬だけ照らされたところに何かいそうな気がして!」

【理科室】

俺「今度は理科室かー」

真琴「お邪魔しまーす」ソー

俺「まあ、定番だよな?」

真琴「人体模型とかです?」

俺「そうそう、夜になると動き出すとか走るとか」

真琴「あ、あれですかね?」

俺「うちの人体模型は動き出すそぶりも、走るそぶりも見受けられませんっと」

真琴「あの、なら早く出ませんか?」

俺「んじゃ、次に行こうか」

真琴「理科室の独特のにおい、私ダメみたいです」

【トイレ】

俺「……」

真琴「先輩?」

俺「女子トイレって、俺入って良いわけ?」

真琴「あ~……」

俺「……」

真琴「……え? 嘘ですよね?」

俺「入って確かめてきてもらえます?」

真琴「……はぃ」グスッ

【検証】

真琴「お邪魔しま~す」

真琴「……」キョロキョロ

真琴「……怖い」グスッ

<ピチョーン

真琴「ッ!?」ビクッ!

真琴「……水?」

<大丈夫か~?

真琴「だ、大丈夫です~」

<一番奥の個室だそうだー

真琴「わ、分かりました~」

真琴「……一番奥」

真琴「誰かいますか~?」コンコン

真琴「……」

【本物?】

真琴「戻りました~」

俺「おー、お疲れ。 どうだった?」

真琴「特に何もありませんでした」

俺「ま、そうだわな。 んじゃ、戻りますか」

真琴「はい~」

俺「……疲れた?」

真琴「はい……あっ、別に疲れてませにょッ!?」ギュッ

俺「うおっ! どうした?」

真琴「あ、あれ……」ユビサシ

俺「ん? ……ああー」

真琴「あれって、7不思議の……」ガタガタ

俺「よく、見てみ?」

真琴「……甘利さん?」

俺「もうあんなに遠くだよ、何にそんなに怯えてるのか」ハハッ

【お疲れ】

真琴「……」グテー

俺「ひどくお疲れのようだなー」

真琴「ずっと緊張していたので、疲れました……」

俺「ははっ、んじゃ早く帰ろう」

真琴「……先輩は楽しそうでしたね」ジトー

俺「だから言ったろ? こういうのは大好物だって」

真琴「言ってましたけど~」

俺「ま、今日のことはあまり思い出さないようにしてゆっくり休んでくれ」

真琴「う~、頑張ります」

俺「怖い夢とか見ないように気を付けてくれ」

真琴「他人事だと思ってます?」

俺「まあ、他人事っちゃあ他人事だわな」

俺「なんかあったら電話してこい、気のすむまで付き合うから」

真琴「え? いいんですか?」

俺「いいよ。 俺が起きてたらだけどさ」

真琴「ありがとうございます~。 もしかしたらお世話になるかもしれません」

【だいたい屋上】

真琴「む~、先輩……どこ行ったんだろ?」テクテク

真琴「教室にはいなかったけど、靴はあったから校舎内だと思うんだけどな~」

真琴「……」ウーン

真琴「……屋上?」

………
……


真琴「え~っと?」キョロキョロ

<ほれ! ほれ見ろ! 解いてやったぞこんにゃろー!

<ちょっ、ちょっと! 大きな声出さないでよ! 恥ずかしいじゃない!

<ギャーギャー

真琴「先輩?」ソーッ

【知恵の輪繋がり】

俺「な? 見てみ? 綺麗に2つに分かれたこの知恵の輪を!」

るい「だから、大きな声を出さないで!」

俺「るいが言ったんだぞ? 俺にゃこれは解けないって」

るい「確かに言ったけど……」

俺「あの言葉が俺を強くしたねっ。 もー、絶対に解いてやるって」ンフー

るい「あー、もう! 分かった、分かったわよ。私が悪かったわ」

俺「分かりゃいいんだよ、分かりゃ。 俺、やればできる子だから」

るい(人が下手に出たら調子にのってぇ~)

………
……


真琴「……」ジー

【上の上の上】

俺「で、これの難易度ってどんなもんなの?」

るい「それの? う~ん、もう少しで上級ってとこ?」

俺「ほー、じゃああと少しで俺も上級知恵の輪師って名乗れる訳だ」

るい「……何? その上級知恵の輪師って」

俺「今考えた。 それより、るいが今解いてる知恵の輪は?」

るい「これ?」スッ

俺「そう。 それの難易度はどんな?」

るい「う~ん、そうねぇ……」

俺「上級? 俺も次はそれに挑戦すっかなー」

るい「……デビル?」

俺「……はい?」

るい「だから、デビル」

俺「……それは、上級の上?」

るい「上級の上の上の上」

俺「……上の上の?」

るい「……上」

お知らせ
12日の投下後、約10日ほど投下が途絶えます。
再開は20日過ぎになると思います。

【ダウナー】

<キーンコーンカーンコーン

俺「……あれ?」スタスタ

真琴「……」トボトボ

俺「おぃっす柊、調子はどうだー?」

真琴「あ、先輩。 こんにちは~」

俺「こんにちは~って、どした?」

真琴「何がです?」

俺「なんか、テンション低い?」

真琴「そんなこと……あるかもしれません」

俺「……本当にどうした?」

【登校日】

俺「なにさ、登校日だからテンション低いの?」

真琴「いや、そんなことはないと思うんですけど」

俺「いいよ、特に予定とかないならどっか行くか? ちょっとデビルに気力折られたけど、いよいよ上級だしな。 気合入れてかないと。」

真琴「知恵の輪の話ですか?」

俺「そうそう、今度こそーって。 よく分かったな、デビルとか言われても知恵の輪に繋がらないと思ったけど」

真琴「今日、屋上で見かけたので」

俺「そう言うことね。 というか、声かけてくれればよかったのに」

真琴「……良かったんです?」

俺「何がです?」

【誤解】

真琴「随分と楽しそうにしてたので、邪魔しちゃ悪いかと思いまして」

俺「んなの気にしないで良いのに」

真琴「そういう訳にもいきませんよ」

俺「そんなもんかねぇ」

真琴「そうですよ、もう。 彼女さんは大切にしないと」

俺「……」

真琴「……」

俺「……はい?」

真琴「?」

【チャレンジ】

俺「……ふふふ」プルプル

真琴「もう、いつまで笑ってるんですかぁ
!」ブンブン

俺「いや、だってさ。 あんな深刻そうな顔して……ぶはっ!」

真琴「もう、知りません!」

俺「いや、悪かった悪かった。 それにしても、るいが彼女か」

真琴「だって、名前で読んでたんですもん。 先輩は基本的に苗字呼びなのに」

俺「ああ、それでか。 るいとは幼馴染だからな。 今更苗字呼びなんかしたら、余計にむず痒くなるよ」

真琴「そんなもんなんですか」

俺「そんなもんなんですよ。 さて、どうする? どっか行く?」

真琴「……100均、良いですか?」

俺「100均? なんでまた?」

真琴「私も知恵の輪、やってみようと思って」

俺「あいよー、んじゃ行くか。 あ、俺が挑んだやつから厳選しようか?」

真琴「はい! よろしくお願いします!」

【宿題】

俺「あっついね~」

真琴「……」カリカリ

俺「うっわ、甲子園もう試合やってるんだ」

真琴「……」ペラ...カリカリ

俺「しんどくないのかね、おー飛び付いた!」

真琴「……」

俺「あ、なんか飲み物いる?」

真琴「すみません、お願いしてもいいですか?」カリカリ

俺「いいよー、ちょっと待ってなー」スタスタ

【ん?】

俺「ほい、アイスコーヒーで良かったかな」

真琴「ありがとうございます、いただきます~」ゴクゴク

俺「……」ジー

真琴「……? どうかしました?」

俺「いや、今日はタッパーの回収に来たんだよな?」

真琴「ええ、そうですよ? あっ、あのきんぴらごぼう、私が作ったんですけどお味はどうでしたか?」

俺「うん、すごく美味しかったです。 ごちそうさまでした」ペコリ

真琴「やたっ、良かったです~」

俺「うん。 それは良いんだけどさ?」

真琴「?」ゴク

俺「なんで今課題してるの?」

真琴「……なんででしょう?」

【進捗】

俺「いや、俺に聞かれても。 タッパーを持って来たらもう課題広げてたし」

真琴「あっ、そうです! ちょっと待ってる間にでも課題を進めようと思ったんでした!」

俺「それは、なんと言うか……真面目だねぇ」

真琴「えへへ。 最近はどこに行くにも課題を持ち歩いてるんですよ。 おかげでだいぶ進みましたよ」

俺「ほーん」

真琴「先輩はどうです? どのくらい進みました?」

俺「俺はもう終わったよ」

真琴「うそっ!? まだ休みが始まって1週間ですよ?」

俺「俺、昔からこういう面倒なのは早々に終わらせる派なんだ」

真琴「凄いですね~、かなりの量があるって聞いてますけど」

俺「だから早めに終わらせたかったんだ。 あ、姫島とかには内緒な?」

真琴「ふふっ、はい」

【集中】

俺「……」

真琴「……」カリカリ

俺「あー、柊さんや?」

真琴「……え、なんですか先輩?」

俺「申し訳ないんだけど、そろそろお昼なんだわ」

真琴「……え? わわっ、もうこんな時間!?」

俺「集中してたみたいだから、なかなか声をかけられなくてさ」

真琴「ご、こめんなさい先輩! ご迷惑をおかけして……」

俺「いや、別に構わないんだけど。 ほら、今日って俺ら昼からシフト入ってたから」

真琴「……そうでしたっ! すみません先輩、すぐ片付けますから!」バタバタ

俺「あー、まだ時間に余裕はあるからゆっくりで……」

真琴「きゃー!」ドンガラガッシャーン

俺「良かったんだけどなー。 大丈夫かー?」

真琴「だ、大丈夫です。 ごめんなさい~」

俺「もう俺も慣れてきたよ。 ほら、はやく片付けて一緒にバイト行こう」

真琴「はい~」

お知らせ

以前のお知らせの通り、しばらくの間投下が滞ります。
再開後も、どうかよろしくお願いいたします。


待ってる

>>296
遅くなりましたが再開します。
今後ともお付き合いください。

【暑さ対策】

<ミーンミンミンミンミーン

俺「あっついなー今日も」

真琴「夏も本番ですからね~、でももう少しすると涼しくなるそうですよ?」

俺「扇風機じゃもうどうしようもないな。 温風を撒き散らすだけだわ」

真琴「元の部屋が熱いと、もうクーラーを使うしかないですよね。 ……あっ!」

俺「どしたよー?」

真琴「先輩! 一緒にプールに行きませんか?」

俺「プール?」

真琴「お母さんにプールのチケットを貰ったんですよ~。 確か月末まで有効だったと思うんですけど、どうですか?」

【待ち合わせ】

俺「……来ない」

俺「おっかしいなー。 待ち合わせ場所はここであってるよな?」

俺「……」

俺「……後30分待ってみよう」

………
……


俺「……お?」

真琴「ハッ……ハッ……ハァー。 ご、ごめんなさい、先輩。 待ちましたよね」

俺「……ここで、今来た所だって言っても……まぁ嘘だって分かるわなぁ」

真琴「本当に、すみません……」

俺「まあ、気にしなくていいよ。 とは言っても、気にするよなぁ」

真琴「……」

俺「んじゃあ、今度一緒に喫茶店にでも付き合ってよ」

真琴「そんな事で良いんですか?」

俺「いやいや、結構重要な事よ? 1人で喫茶店よりも2人の方が楽しいしさ」

【出発】

俺「そろそろ行こう、終わったことより先のことってね」

真琴「あの……聞かないんですか? 私が遅刻した理由」

俺「別に良いよ、何かしらの理由があったんだろうけど、柊がわざとしたわけじゃないだろうしな」

真琴「先輩……」

俺「多分あれだろ? 準備してた荷物が見当たらなかったとか」

真琴「どうして分かるんですか!?」

俺「……当たりかいな」

真琴「昨日の夜に水着を入れたはずだったんですが、出る前に確認したら入ってなくて」

俺「いつもの感じか」

真琴「携帯で連絡しようとしたんですけど、その……バッテリーが……」

俺「もう慣れたよ。 ……と、あっちだっけ?」

真琴「あ、はい。 そこを曲がって真っ直ぐです」

【待機】

俺「……」

俺「……まだかねぇ」

俺「……」

………
……


真琴「先輩っ、お待たせしました~」

俺「お、来たきた。 どうする? 適当に遊ぶ?」

真琴「あっ、なら私、流れるプールに行きたいです! 浮き輪持ってきたので」

俺「んじゃ、そっちから行こうか。 あ、それと……あー」

真琴「どうしました?」

俺「月並みな言葉だけど……その、とても良く似合ってるよ」ポンポン

真琴「あ、ありがとうございます///」

【空気入れ】

真琴「~~ッ!!」

俺「あー、柊さんや?」

真琴「は、はい?」

俺「空気入れは持って来なかったわけ?」

真琴「大丈夫だと、思ったんですけど……」

俺「んー、ちょっと貸して?」

真琴「はい」スッ

俺「まだ全然入ってないな……。 俺が膨らませようか?」

真琴「え!? ……あ~、お願いします///」

俺「照れるな、こう、むず痒くなる。 んじゃ、失礼します」スッ

真琴「あの、意識しちゃうんでそういうこと言わないでください」

【気分はクラゲ】

真琴「あ~、気持ちいいですね~」プカプカ

俺「確かに、これは最高だわー」ツカマリ

真琴「先輩? 浮き輪使いますか? 交代しますよ、私」

俺「いや、いいよいいよ。 柊を押しのけて浮き輪で漂うって構図は……」

真琴「そうですか? 私は構わないんですけど」

俺「まぁまぁ、今は何も考えずに楽しんどけ。 ほーら、力抜けー。 ひっくり返したりしないから」

真琴「……それ、フリじゃないですよね?」

俺「……柊が俺のことをどう思っているのか、ちょっとゆっくり話す機会を設けた方がいいかもしれないな」

真琴「や、やだな~。 冗談ですよ、冗談」

俺「……」ジー

真琴「本当ですって!」

【スライダー】

俺「あー、満喫したわー」ザバー

真琴「ま、待ってください先輩。 あ、浮き輪が!」フラッ

俺「おっと! また落ちそうになってるし。 取ってくるからここで待ってな」ガシッ

真琴「すみません、お願いします」

………
……


俺「はいよ、意外と流れていくもんなのな」

真琴「先輩、スイスイ人を避けていくんですもん。 水泳、得意なんですか?」

俺「別に普通だと思うけど? 明らかに浮き輪を追いかけてる感じだったからみんなが避けてくれたんだろうさ」



真琴「先輩先輩、次は何をしますか?」

俺「うーん、柊はスライダーとかは大丈夫?」

真琴「スライダーですか? 凄すぎるのはちょっと怖いですけど、あっ。あれなんかは大丈夫そうです」ユビサシ

俺「んー、あれ?」ユビサシ

真琴「違いますよ、なんですかあの角度。 そっちじゃなくてこっちです」

俺「あの浮き輪みたいなのにのるやつ?」

真琴「それです!」

【順番待ち】

俺「おー、下から見るとそうでもなかったけど上から見るとなかなか高いな」

真琴「……」

俺「なにやら絶句されているご様子。 どした?」

真琴「……たっ」

俺「た?」

真琴「……高くないです?」

俺「あっちと比べればまだマシじゃない?」ユビサシ

真琴「あれはもう、スライダーじゃないです。 なんであんなに高いところから急角度を滑り落ちるんですか……」

俺「ああいうのが楽しいって人も居るのよ」

真琴「私には絶対に無理そうです。 足が竦んじゃって……」

俺「俺は意外と好きだけどな、ああいうの」

監視員「はい、こちらをお持ちになって先にお進みください」スッ

俺「あ、ありがとうございます」

【行ってらっしゃい】

俺「この浮き輪みたいなやつ、なんて名前なんだろうな?」

真琴「なんなんでしょう? 8の字ですもんね」

俺「2人乗りの浮き輪……わからん」

真琴「そんなことより先輩、後3組くらいですよ?」

俺「意外と早かったな」

真琴「うぅ~、緊張してきましたっ」

俺「ま、滑り始めたら一瞬だって」

真琴「そうでしょうか……」



監視員「こちらにお座りください、どちらが前に座られます?」

真琴「……」

俺「あ、彼女でお願いします。 ほら、ここに座って……はい大丈夫です」

真琴「……」スッ

監視員「滑っている最中は横の持ち手をしっかりと握ってくださいね」

俺「分かりました、柊、大丈夫か?」

真琴「……」コクリ

監視員「いってらっしゃーい」フリフリ

俺「よっ、ほっ、意外と進まないもんだな。 すみません、手伝ってもらえます?」

監視員「分かりました」グッ

俺「おっ、おぉ!!」ススー

真琴「……きっ」ススー

真琴「きゃぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!」ザァァァァ

俺「あっはははははは!! 意外と速ぇぇぇぇえええええ!!!!」ザァァァァ

【ジェットだぜ!?】

俺「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」ゴポゴポ

真琴「……」

俺「こりゃ良いわー、マジ最高」

真琴「もう、おじさんみたいですよ先輩?」

俺「だってさ、これってこんなに気持ちよかったっけ? 次は腰回りをオ"オ"オ"オ"」

真琴「そんなに気持ちいいですか? これ」

俺「おっかしいなァ"ァ"ァ"、俺も小さいころはこれ苦手だったんだけどぉぉぉぉ」

俺「今はこれが気持ち良くて仕方ないぃぃ、マッサージチェアいらねぇなこれだと」

真琴「私、これ苦手なんですよね~」

俺「ぁぁぁぁ……。 うっし、満足。 んじゃ、次行こうか」

真琴「あれ? もう良いんです?」

俺「1人で満たされても仕方ないさ。 そだ、あっちに行ってみないか?」

真琴「何かあるんですか?」

俺「あっちはお湯みたいなんだ、さっき看板で見た」wktk

真琴「分かりました、そんな顔されたら行かないわけにはいかないじゃないですか」フフッ

俺「なんか言ったかぁー?」

真琴「何でもありませんよ~、それで、どっちなんですか~?」

【温泉擬き】

俺「ふはぁぁぁぁぁぁ」

真琴「これは……気持ちいいですね~」

俺「さっきまで水の中だったからなぁ、じんわりと広がっていく感じがまた……」

真琴「はぁぁぁ……」

俺「……なんか、良いなぁ」

真琴「ですね~」

俺「あー、なんか温泉行きたくなってきた」

真琴「いいですね~、おっきなお風呂は楽しいですもんね」

俺「分かる? やっぱいいよな、温泉。 こう、テンションが上がるのよ。 日本人はこうでないと」

真琴「温泉、最後に行ったのいつだったかなぁ」

俺「あー、俺も思い出せないな。 思い出すのは泳いでる光景ばかりだから、だいぶ前なんだとは思うけど」

真琴「……」ジトー

俺「……なんだー? その目は」

真琴「本当にだいぶ前なんですか~?」

俺「どういう意味だコラ」クチモトムニー

真琴「あ~、わふぁっふぇふふぁふぁふぃふぇふふぁ」アー

【帰路】

俺「ふはぁぁあ~、程よい倦怠感」

真琴「水泳はダイエットに良いかも……。 屋内だし、月一なら……」ブツブツ

俺(こういう時は突っ込まない方が良いって、確かばっちゃが言ってた)

真琴「……あ、ごめんなさい先輩。 ちょっと考え事してました」

俺「柊がよく道で転んだりするのってさ、考え事したりして歩くことに意識がいってないからなんじゃ?」

真琴「うぅ~、そうかもしれません」

俺「程ほどにしときなよ、転ぶのは痛いからなー」

真琴「気を付けます、はい」



俺「最近はどうも、この時間は涼しくなってきたなぁ」

真琴「ツクツクボウシとかが元気に鳴いてますしね、もう夏も終わりですね~」

俺「柊は思い残しはない?」

真琴「う~ん、特には思いつかないですね」

俺「夏休みの課題はもう終わってんの?」

真琴「そちらはもうバッチリ! と、言いたいところなんですが……」

俺「あれ? まだ終わってなかったり?」

真琴「いや、終わったことは終わったんです。 でも、昨日ちょっとドジをやっちゃいまして」

俺「……なにした?」

真琴「終わらせたプリントをまとめておいてたんですが、珈琲を……ちょっと」

俺「あー、倒した?」

真琴「はい……」

【対応策】

俺「それ、どうすんの?」

真琴「今度の補習の時に先生に事情を話します。 出来ればその時に予備のプリントを頂けると良いんですけど」

俺「補習って、何か赤点取ってたっけ?」

真琴「いえいえ、赤点は取ってないです。 自主的に受けておこうかなって思って……」

俺「おー、真面目だねぇ。 俺とは大違いだ」

真琴「先輩は受けないんですか?」

俺「引っかかってはいないし、申請も出さなかったなぁ」

真琴「そうですか、自主的に受ける場合は出された課題さえやればいいみたいですから、先輩とご一緒出来るかと思ってたんですけど……」

俺「……」

真琴「……残念ですけど、頑張ってきます!」

俺「あれって、当日直接行っても確か大丈夫だったよな」

真琴「? はい、担任の先生に言えば受けられた筈ですよ?」

俺「……たまには、真面目に勉強してみますか」

真琴「え? 先輩、受けるんです?」

俺「この夏最後にちょっと優等生になってみるよ。 よかったら一緒に勉強する?」

真琴「是非! やった!」

俺「そ、そんなに喜ぶことか?」

真琴「喜ぶことなんです! あ、私は当日少し早めに行ってプリントのことを相談しますので。 それが終わったら一緒にお勉強しましょう!」

俺「あいよ」

真琴「約束、ですよ!」

【ただ暑い】

俺「……」

真琴「……」カリカリ

<ミーンミンミンミンミー...ミーンミンミンミン

俺「……暑っつぅー」グデーン

真琴「もう、先輩? 暑い暑いって言わないでくださいよぉ」

俺「だってさ、この暑さはないべ。 うん、ない」ゴローン

真琴「あーあー、もう。 机が温くなったからって、冷たいとこを探してゴロゴロしないでください」

俺「あー、うちわ……うちわ。 あれ? どこ行った?」ゴソゴソ

真琴「暑いのには慣れてるとか言ってたじゃないですか」

俺「キャパを超えるとダメだわ。 あー、熱暴走するぅー」

真琴「もう」

【点検】

真琴「そもそもなんでエアコンが使えないんでしょうか?」

俺「んー? なんか、電気設備の点検だってー。 月白先生が言ってた」

真琴「故障でもしたんですかね~?」

俺「そんなこと言ってたような気がする」ゴソゴソ

真琴「気がするって……何してるんですか?」

俺「休憩時間にでもみんなに振舞おうと思ってたんだけどさっと」ゴソゴソ

俺「ん、柊にもおひとつ」

真琴「ジュースですか?」

俺「ちゃんとクーラーボックス使ったから冷えてるだろ?」

真琴「大きな荷物だなーとは思ってましたけど、ジュースでしたか。 ありがとうございます~」

【集中】

俺「さって、喉を潤したところでそろそろ集中するとしますか」

真琴「先輩って、切り替え早いですよね~」チュー

俺「昼を挟んで午後にもまた課題があるって話じゃん? なら、ちゃっちゃと片付けて涼しい場所でも考えた方がまだ有益だわ」

俺「あ、飲み終わった? 捨ててくるからゴミを寄越しな?」ハイ

真琴「あ、すみません。 お願いします」スッ

俺「先に始めてな~、何かわからないところがあれば聞いてくれればいいから」

真琴「わっかりました!」カリカリ

俺「答えられるか、確約は出来んけどなー」スタスタ

【お ひ る だー!】

俺「……」ガリガリ

真琴「……」カリカリ...ウーン

俺「……ぉおーわったぁぁぁあ!」バンザーイ

真琴「ッ!」ビクッ

俺「あ、悪い悪い。 つい……」

真琴「……私が居ること完全に忘れてませんでした?」ジトー

俺「申し訳ない。 この教室を使ってるのが2人だけで助かったよ」

真琴「もう……。 あっ、先輩先輩! ここ、この問題なんですけど、分かりますか?」

俺「んー? ああ、これはこの公式だわ。 これに代入したら後はもう芋づる式よ」

真琴「分かりました、やってみます」カリカリ

俺「もう昼か、早いなー。昼休みは携帯使っても良かったよなっと」

真琴「……」ウーン

【メール】

俺「……ま、この暑さじゃなぁ」

真琴「どうしました?」

俺「あれ? ひょっとして口に出してた?」

真琴「はい、ばっちりと」

俺「受信してたメールを読んでたのよ。 内容はー、愚痴……かな?」

真琴「愚痴……ですか? ……よし、課題おーわりっと」

俺「そう。 ほれ」スッ

真琴「……ふふっ」

俺「な?」

真琴「確かにこれは、愚痴ですね」

俺「暑中見舞い的なことでもしに行きますかねー。 ご一緒します?」

真琴「ご一緒します!」

【理由】

俺「ウィーッス、調子はどうさねー?」

真琴「珠里椏ちゃーん、ジュース持ってきたよー」

珠里椏「うっす、もうやってられないくらいの暑さですねー」

俺「電気設備の点検だとどうにもならんよなー。 でもま、ちゃんと受けるんだな?」

珠里椏「……先輩の後ろにいる奴とかに言われたんですよ。留年したら、私寂しいよ~とかなんとか」ユビサシ

俺「ん?」フリムキ

真琴「だって、せっかく仲良くなったんだもん……」

俺「……ええ子や」

珠里椏「……」ジーン

俺「こりゃ、真面目に受けないと後が怖いぞー」ボソボソ

珠里椏「あー、分かりましたよっ」ガシガシ

真琴「?」

【進捗】

俺「でー? 課題はどんくらい進んでんの?」

珠里椏「あー……それなんですが」シドロモドロ

真琴「あー!!」

珠里椏「あっ、こら柊!」

真琴「ちょっと珠里椏ちゃん! 課題全然進んでないよ?」

珠里椏「いや……だから。 な?」

真琴「な? じゃないよー、もう!」クドクド

珠里椏「はい……はい。 すみませんでした」

真琴「私に謝っても仕方ないよー。 一緒に頑張ろ?」

珠里椏「……おう」

俺「珍しい光景だ……」

【協力】

真琴「先輩も手伝ってくれますよね?」

珠里椏「いや! 先輩の手を煩わせる訳には!」イヤイヤ

俺「ん? 最初からそのつもりだったけど?」ゴソゴソ

真琴「ですよね!」

俺「あくまでもヒントを教えるだけだけどな?」

真琴「ほら、珠里椏ちゃん。 早く終わらせちゃお?」

珠里椏「先輩、柊、よろしくお願いします」

真琴「えへへ、お願いされちゃいます!」パァ

俺「おうっ! でもその前に、差し入れタイムですよ」スッ

【差し入れ】

俺「おらっ、奮発した方をここで進呈だこらぁ」

珠里椏「なんなんスか、そのテンションは」ハハハ

俺「いや、なんか特別感を出そうかと」

珠里椏「先輩って、たまにおかしなことをやってスベリますよね?」

俺「そんなに駄目だったか?」

珠里椏「アタシ、嘘はつけないんで」

俺「こいつ……!」

真琴「あれ? さっきのジュースとパッケージが違う?」

俺「ッ! そう! さっきの安いのとは違うのよ! いやー、柊は違いが分かるねぇー」

珠里椏「あっ、話を逸らした!」

俺「逸らしてませんー」

真琴「贅沢、フレッシュジュース……」

【商品情報】

俺「他の奴には内緒な? そんなに数がないんだわ」

珠里椏「毎度毎度、どこでこんなの買ってくるんスか?」

俺「一人暮らしなめんなよ? 他店より1円でも安いものをひたすら足を使って探す」

俺「そんなことを繰り返してたら、いつの間にかどこでどんなのが売っているか把握してたわ」

珠里椏「その情報を駆使して毎回用意してると?」

俺「ちょっとした差し入れ気分で始めたけどさ。 いつの間にかミスター差し入れマンの地位に居た訳よ」

珠里椏「なんというか、ご愁傷様です」

俺「皆が喜んでくれているなら別に良いんだけどさ」

珠里椏「本当にお人好しですね」

真琴「! なら、お菓子の材料とかの安いお店も知ってますか!?」

俺「ん? あー、多分教えられると思うけど?」

真琴「なら今度お買い物に付き合ってください」

俺「別にいいけど?」

真琴「やった! あ、珠里椏ちゃんは何が食べたい?」

珠里椏「あん? あー、あまり甘くないやつ?」

真琴「分かった! 頑張ってみるね」

【課題】

珠里椏「あー? 筆者の心情なんざ読者に分かるわけねーだろうが」ガシガシ

真琴「珠里椏ちゃん! 想像だよ、想像! 筆者の立場に立って考えるんだよ!」

珠里椏「んだよ、そのフワッとしたアドバイス」ハハハ

俺「柊はあれか? 考えるな! 感じろ!派か?」

真琴「なんですか、それ?」

珠里椏「またこの人はよく分からないことを……」チュー

俺「お前もお前でジュースばっか飲んでんじゃねーよ」

珠里椏「だって分かんないんですもん。 先輩はこんな問題どう答えます?」

俺「しゃーねーなー。 ほれ、問題文の該当箇所にとりあえず線引いて」スッ

珠里椏「こうっスか?」スー

真琴「……」ジー

俺「こんなのは問題考えてるやつの想像だからな。 作成者がそう判断した理由がどっかにあるわけよ」

俺「大体がその線を引いたところの前の部分にある。 ほれ、選択肢と合致しそうなところを探してみると?」

珠里椏「……あ、これっスか? こことここの記述が同じですし」

真琴「あっ! 本当だ~」

俺「答え知らないから確約は出来んけど、多分そうだと思うぞ?」

珠里椏「ですよね? この選択肢はここの部分と一致しないですし……」

俺「何だ、分かってるじゃん」

真琴「珠里椏ちゃん、凄~い!!」

【終わり】

珠里椏「……」カリカリ...カリ

真琴「……」チュー...ズズッ

俺「……」メルメル

珠里椏「……ッ!!」バンッ!!

真琴「ッ!?」ビクッ!!

珠里椏「おーわったあぁぁぁ!!」

俺「おー、お疲れさん」メルメル

真琴「お疲れさま~」

珠里椏「や、やっと終わった。 ……もう無理」

俺「普通の方のジュースは残ってるけど、いる?」

珠里椏「あー、今はいいです。 何もしたくない……」

【移動】

俺「あー、竜ヶ崎さんに柊さんや?」

真琴「はい?」

珠里椏「なんスか?」グデーン

俺「お疲れのところ悪いんだけどさ、移動です」スッ

珠里椏「移動って……」

真琴「どこに行くんですか?」

俺「教室連中からメールが着てたのよ。 涼みに行こうぜ?」

珠里椏・真琴「?」

【プール】

俺「ぃいいやっほぉぉおお!!」ドッボーン

真琴「ちょっ、先輩!?」

珠里椏「あーあ、飛び込んじゃったよ。 あの人、この後どうすんだ?」

俺「あっはははは! ほらー、柊も竜ヶ崎も来いよー!」

珠里椏「行くわけないでしょうがー!」

真琴「あはは……」

俺「はー、涼しくなった」ザバー

珠里椏「ちょ、上がるなら上がるでもう少しゆっくり上がってきてくださいよ」

真琴「ずぶ濡れですけど、大丈夫ですか?」

俺「こんだけ暑いんだ、すぐに乾くだろ」

真琴「なら良いんですけど」

【秋】

珠里椏「ツクツクボウシが鳴いてら」

真琴「大合唱だね~」

俺「立秋はもう過ぎてるからなー。 もうすぐ涼しくなるさ」

真琴「夕方とかも日が暮れるのが少し早くなってきましたもんね」

俺「扇風機とか片付けるのが面倒なんだけどな」

珠里椏「あぁ、そっか。 先輩、一人暮らしでしたもんね」

俺「おうよ」

真琴「……もうすぐ新学期か~」

俺「課題ももう終わってんだろ? 余裕をもって迎えられるじゃん」

珠里椏「……」ダラダラ

俺「……お前、まさか」

真琴「やってないの!?」

珠里椏「いや、やってないってことはねーよ!」

【今後】

俺「どれくらい残ってんだ?」

真琴「珠里椏ちゃん?」

珠里椏「……後2科目分」

俺「残りの期間から考えると、ギリギリだな」

真琴「……」

珠里椏「ま、まあ何とかなりますよ! ……多分」

真琴「……珠里椏ちゃん」

珠里椏「あん?」

真琴「明日! 補習の課題が終わったら一緒にやろう! あ、私は終わってるから教えられるよ!」

珠里椏「ちょ、柊!?」

俺「あーあ、火が付いた」

真琴「明日と明後日! それで2科目終わらせよう。 残りの期間はテスト勉強にでも充てれば良いよ」

俺「ははは、ご愁傷さま」

珠里椏「ちょっと先輩!? 助けてくださいよ!!」

俺「諦めろ、こうなったらもう無理だっとぉ」

俺「ほら、そろそろプール閉めるってよ。 帰ろうや」

真琴「明日から頑張ろうね、珠里椏ちゃん!」

珠里椏「……はい」

最近リアルが慌ただしくなかなか時間が取れなくなってきておりますので、
中途半端ではありますがこのスレでの投下は以上を持って終了とさせていただきます。
続けようと思えばまだまだ続けられるので、落ち着いたらまたスレ立てするかもしれません。
これの続きか、また別で思いついたネタかは分かりませんが。
またお目にかかる機会がありましたら、その時はよろしくお願い致します。
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

乙です


次も待っておるぞよ

>>328-329
ありがとうございます。
皆様のおかげでここまで続けることが出来ました。
またお目にかかる機会がありましたら、よろしくお願い致します。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom