勇者「さぁ勝負だ魔王!」魔王「あ、ご飯食べて行きます?」(14)


勇者「えっ」

魔王「……」トントントン

勇者(なんで玉座の後ろにキッチンあんの?)

魔王「あっ」

勇者「やっと気づいたか」

魔王「ごめんなさい。申し遅れました魔王です」

勇者「ご丁寧にどうも勇者です―――って違う!」


魔王「?」

勇者「いや、そんな不思議そうな顔されても」

魔王「はぁ」

勇者「ごめん。もう一回扉入る前からやっていい?」

魔王「ご飯までには帰ってくるんですよー」トントントン

勇者「……」

ギィィィ バタン


バッターン

勇者「ここで会ったが百年目ぇ! 海を越え山を越えぇー…、幾つもの街を経てここまでやってきたぁー勇者がここにいるぅぅ! さぁいざ尋常に勝負ぅー!」

魔王「……」トントントン

勇者「……」

魔王「外、寒かったでしょう? ほら、こっちにこたつありますから」

勇者「違う!」


勇者「全く…一体どうなってるんだ」ヌクヌク

魔王「雪山のてっぺんですからねー、この季節は特に冷えるんですよ」トントントン

勇者「思ってた魔王と違う…。普通の女の子に見えるし、兎柄のエプロンしてるし」

魔王「はい、お待たせしました」ゴトッ

勇者「あ、どうも」

魔王「冬はやっぱり鍋ですねぇ…」ヌクヌク


勇者「これ食べたら勝負するからな!」パクパクモグモグ

魔王「ポン酢とってくれませんか?」

勇者「うん」サッ

魔王「湯豆腐おいし」ハフハフ

勇者「ちょっと聞いていい?」パクパクモグモグ

魔王「お行儀悪いですよ」

勇者「ごめんなさい」


魔王「お肉いります?」

勇者「うん、もらう」

魔王「えーっと…。冷蔵庫冷蔵庫…うぅ…こたつ出たら寒いっ」

勇者「…肉? はっ!」

勇者「まさかそれは…怪しげな儀式の生贄にされた人間n」

魔王「牛肉ですね」

勇者「そうですよね」


魔王「締めはもちろん」

勇者「うどんだな」

魔王「わかってますねぇ」

勇者「へへっ」

魔王「はーいどうぞー」

勇者「ありがとう」ズルズル

魔王「うまー」チュルチュル


勇者「ごちそうさまでした」

魔王「お粗末様でした」

魔王「デザートありますよ」

勇者「ましで! なに?」

魔王「柿とラフランスを」

勇者「変な組み合わせだな」

魔王「安かったんですよ」

勇者「魔王はいい奥さんになれるな…」

魔王「そ、そうですかね…」ニヘラ


勇者「」グーグー

魔王「あらあら。こたつで寝たら風邪引きますよー」ボソッ

魔王「毛布かけちゃいます」バサッ

魔王「…ふわぁ…」

魔王「私も…眠く…」

魔王「失礼します」モゾモゾ

魔王「おやすみ…なさい…」スースー


魔王「もう帰っちゃうんですね…」

勇者「うん。長居しちゃ悪いし」

魔王「また来てもいいんですよー」

勇者「次は暖かくなってからくるよ」

魔王「あ、次は来る前に手紙下さいね。準備とかありますし」

勇者「おう。それじゃ」

魔王「さよーならー」フリフリ


勇者「あぁ…鍋おいしかったなー」

勇者「魔王は可愛いし」

勇者「まぁ朝隣で寝てたのはビビったけど」

勇者「……」

勇者「あれっ」

勇者「なんか忘れてるような…」

勇者「…あ、魔王倒すんだった」


バッターン

勇者「さぁ勝負だ魔王!」

魔王「あ、どうも。お昼食べていきます?」

勇者「いただきます」

おわり

おいおい・・・このままなし崩しで夫婦になるところまで書いてくれよ・・・

まあ乙

湯豆腐に牛肉はねーわ

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