後輩「先輩!私のドーナツ食べたでしょ!」(103)

男「げっ、バレたか」

後輩「あったものがなくなってたらバレるに決まってます!」

男「すまん、今日昼飯食えなくて我慢できなかったんだ。悪かった」

後輩「もう……これから部室にはお菓子を置いとけませんね」

後輩「しかも3つ全部食べちゃったんですか……呆れた食欲です」

男「え?俺が食べなきゃ後輩が3つ食ってたんじゃ……」

後輩「なんですか?」ギロ

男「いえ、なんでもないです……」

後輩「もう……」

男「同じの買って返すからさ、この通り」

後輩「……先輩、このあと予定ありますか?」

男「え?いやないけど」

後輩「じゃあ駅前のデパート行きましょう。あそこならミスド入ってますから」

男「今から!?」

後輩「予定ないって言ったじゃないですか」

男「確かにそうなんだけどほら、俺も後輩も部活終わった後だしゆっくり休みたいかなーなんて……」

後輩「私が『今日』食べるのを楽しみにしていたドーナツを3つとも食べておきながら、お返しは明日にするんですか?予定もないのに」

男「うっ……わかったよ」

後輩「はい、じゃあ早く行きましょう。さあさあ」グイグイ

デパート内

男「で、どこにあったっけ?俺はあんまり来た事ないからわからん」

後輩「2階ですよ。エスカレーター乗って行きましょう」

男「ああ」

男「……あ」

後輩「どうしました?早く行きましょうよ」

男「……いやー教科書持ってきたっけなー、ちょっと鞄確認するから先行っててくれ」

後輩「?わかりました」ウィーン

男 ニヤ

男(ふっ、下に俺がいるのになんの疑いもなくエスカレーターに乗るとは無防備な後輩め!)

男(この位置ならパンツ見放題……)チラ

男(おお!ピンク!)

男「あれー?忘れてきたかなー?困ったなー」チラチラ

男(後輩が微妙に動くたびに皺がよって……絶景かな絶景かな)

後輩(そういえば先輩、教科書持って帰るような真面目な人だっけ?)

後輩「先ぱ……え?」

男「あ……」

後輩「…………」

男「…………」

後輩「……教科書、見つかりました?」

男「い、いやー見つからなかったっていうか元々持って帰る習慣なかったっていうかここから逃げたいっていうか……」

後輩「……とにかく、早く上がって来てください……早く」

男「は、はい……」ガタガタ

男「た、ただいま御前に……」ガタガタ

後輩「……先輩?警備員さんと警察とどっちがいいですか?」

男「ど、どちらも勘弁してもらえると……」ブルブル

後輩「……私、急にドーナツじゃなくてパフェが食べたくなりました。一階のレストランの一番高いの」

男「奢ります!奢らせてください!」

レストラン内

男「あああ……俺のなけなしの小遣いが……」

後輩「自業自得です。言っておきますけど、次はこんなのじゃ許してあげませんよ」モグモグ

男「はい……」

後輩「ドーナツを盗み食いするは人のスカートの中を覗き見るは本当にどうしょうもない先輩ですね」

男「すみませんでした……」

後輩「どこかのネズミさんに食べられない溜めにも、やっぱり男女で1つずつ部室が欲しいですね」

男「ネズミって……まあそれはともかく、無理だろうな。俺とお前しかいないんだし」

後輩「道着に着替えるのも交代でしかできませんし、不便なんですけどね……」

後輩(先輩と二人きりなのは嬉しいですけど……)

男「格闘技やりたいって生徒、もっといてもおかしくないと思うんだけどなぁ」

後輩「新学期の時にもっと勧誘したほうがよかったですかね……貼り紙とかも」

男「それもだけど、部活動紹介の時の後輩にも責任はあると思う」

後輩「な、なんでですか?」

男「俺の事手加減なしでボコボコにするんだもん。あれじゃ怖がられたりするよ」

後輩「それは先輩が本気で来るからじゃないですか!」

男「な、なんのことかなー」

後輩「私は新入生の前だからほどほどにしようと思ってたのに先輩が本気でかかってきたんです!」

男「い、いやいやいや、いくら普段勝てないからって後輩が手加減するだろう事を見越してこっちは本気を出してたまには負かしてやろうなんて、そんな卑怯かつみみっちい事を俺が……」

後輩 ジトー

男「……ごめんなさい、出来心だったんです……」

後輩「……店員さん、プレミアムホットケーキ追加でお願いします」

店員「かしこまりましたー」

男「あああ、また高いのを……」

後輩「ふう、ごちそうさまでした」

男「満足したか?」

後輩「……はい?」ニコリ

男「……償いにはなったでしょうか?」

後輩「ふふ、満足ですよ」

後輩「じゃあ次に行きましょうか」

男「次ってなんだよ?これ以上絞りとられたら俺は明日の学食も食えないぞ」

後輩「もう、違いますよ。せっかく来たんだから色々見ていきたいんです」

男「まあそれならいいか」

後輩「んー、まだ新刊は出てないですね……」

男「難しいの読むんだな」

後輩「普通の小説ですよ」

男「そうか?俺は漫画しか読まないからどうも活字って難しい感じがな」

後輩「よければ今度なにか一冊貸しましょうか?」

男「んー、そうだな。たまにはいいかも」

後輩「はい、じゃあ選んでおきますね」

後輩「んー、たまには帽子もいいかもしれませんね。この服とあうかも」

男「後輩はこっちがいいんじゃないか?サイズ的に」

後輩「む、そのちっちゃい子に毎日投げられてるのは誰ですか?」

男「う……それ以上は言わないでくれ。生意気にも俺にも自尊心ってのがあるんだ……」

男「もう大体まわったんじゃないか?」

後輩「そうですね……あ」

男「ん?どうした?」

後輩「いえ、なにも……」

後輩(ブラきつくなってきたから下着見たかったけど……さすがに先輩もいるし)

男「それじゃ、帰るか」

後輩「はい」

男「じゃあ、また明日な」

後輩「はい。すみません、送ってもらっちゃって……」

男「あはは、後輩ならガラの悪い男達20人に絡まれても心配ないと思うけど、一応な」

後輩「む……そういうの、一言余計って言うんですよ」

男「ごめんごめん、じゃあまた」

後輩「はい、さよならです」

後輩家

後輩「ふう、いいお湯だった」

後輩(先輩が卒業しちゃうまで、あとたった数ヶ月……)

後輩(先輩に会えなくなるのやだな……私の誕生日がもっと早かったらよかったのに)

後輩「……髪かわかさなきゃ」

男家

妹「兄貴ー、ご飯だって……何してるの?掃除?」

男「いや、ちょっと漫画あさってて」ガサゴソ

妹「古本屋にでも売るの?」

男「ちょっと知り合いにおすすめしようかと」ガサゴソ

妹「ふーん」

翌日

キーンコーンカーンコーン

男「よし、部活行くか」

男友「いいなーお前、あのかわいい子と二人きりの部活だろ?」

男「なんならお前も来るか?」

男友「……いや、いい。痛いのは嫌いだ」

後輩友「ねえ、これからカラオケ行かない?」

後輩「ごめんね、部活あるから……」

後輩友「ふーん、頑張るねえ」

後輩「それはまあ……小さい頃からやってたし」

後輩友「それもだけど、あの先輩のこと」

後輩「あ、そ、そっち……///?」

後輩友「アンタならもっとかっこいい人でもいけると思うけどなー」

後輩「そ、そんな事ないよ。それに、先輩もとってもいい人だよ」

後輩友「そうなの?」

後輩「優しいし、まっすぐだし」

後輩(ちょっと調子が良くて変態だけど……)

後輩友「はいはいごちそうさま。がんばってね」

後輩「う、うん……じゃあまたね」

部室

男「よし、準備完了」

後輩「先ぱーい、開けていいですかー?」コンコン

男「おう、ちょうど着替えたとこだからいいぞ」

後輩「はーい」ガチャ

後輩「あ、これ昨日言ってたおすすめの小説です」スッ

男「お、サンキュー。じゃあ俺からはこれ」スッ

後輩「え?漫画ですか?」

男「俺からもおすすめを貸そうかなって。とりあえず読んでみて、続き読みたくなったらまた持ってくるから言ってくれ」

後輩「はい、ありがとうございます!」

男「じゃあ先に道場行ってるな」

後輩「はい、私も着替えたら行きますね」

男「ん、待ってるぞ」ガチャ

男「くくく、ここまでは予定通りだ」

男(実は後輩が来る前に部室の窓を少しだけ開けておいたのだ!)

男(つまりその隙間からカーテンをちょっとずらすと……)

後輩「早く着替えないと……」

男(おお!いいぞ思ってたよりよく見える!)

後輩 プチプチ

スル、パサ

男(うおおおおお!!上も下も脱いでから着替える派か!いいぞいいぞ!)

男(うん、その純白の下着もすごくいい……きちんと上下揃えてるのもいい)

男(ていうか小柄なのに出てるとこは出てるな……まさに理想だ)

後輩(やっぱりちょっときついな……)ムニ

男(や、やわらかそう……)カタン

後輩「ん?」

男「あっ!や、やば……」

後輩「なっ、なっ、なにしてるんですかぁー!」

男「ち、違うんだ!これは偶然……」

後輩「いいから早くどっか行ってください!」ブン!

男「おわっ!!す、すみませんでしたぁー!」ダダダ

道場

男(やばい……やばいやばい……)

男(昨日の今日で……しかも今回は下着姿だ……一体何をされるか)

男(最悪、今日が俺の命日に……)

ガラッ

後輩「…………」

男「あ……」

男「あ、あの後輩さん?先ほどの事はですね……」

後輩「……いいから早く始めましょう。ここ寒いですし、早く体動かさないと」

男「え?ああ、うん……」

男(あれ?ひょっとしてお咎めなし?無罪放免?実はまんざらじゃなかったり?)

後輩「先輩」

男「えっ?なんだ?」

後輩「覚悟、してくださいね?」ニッコリ

男 ガタガタガタガタガタガタ

後輩「はっ!」ブン!

男「うおっ!?」

後輩「ふん!」ドゴ!

男「ぐほっ!?」

後輩「やああっ!」

男「ちょ、ま、い、息がげふっ!」

男「くっ、おお……」ジタバタ

後輩「ふふ、無駄ですよ。先輩じゃこの型から抜けられません」ギリギリ…

男「いででででで!腕外れる外れる!」ムニムニ

男(あ、でも背中にやわらかい感触が……)

男「ぐう……おおお……」ムニムニ

後輩「む?何してるんですか。そんな仰け反りかたしても抜けられるわけが……」

後輩「っ///!?」ピクン

男「おおお……」

後輩「っ///!このっ!」ブン!

男「ぐはっ!?」ドサッ!

後輩「ふっ!」ノシッ

男「ぐっ!?」

後輩「ふふ……ふふふふふ、先輩……ぜんっぜん反省してないみたいですね?」

男「くっ!な、なんだこれ!?」

後輩「ふふ、足だけで相手を動けなくできるんですよ?それなりに難しいですけど……先輩が嫌らしい事に夢中で隙だらけでしたから」

後輩「先輩のような変態さんは痛みでは懲りないとわかったので……他の策をとらせてもらいます」

男「な、何をする気だふひゃあっ!?」

後輩「こちょこちょこちょこちょ」コチョコチョコチョコチョ

男「あっ!あはははははははは!やめえへはははははは!」ジタバタ

後輩「あれ?先輩ひょっとしてわき腹弱いですか?」ニヤ

男「あっはははははは!ちょ、やめ!こんな技ない!やめっははははは!」

後輩「ふむ、サボらずにきちんとお腹も鍛えてますね……揉みほぐしちゃいます」グニグニ

男「うひゃあぁあ!?そこダメだ!もう許して!あっはっはっはっはっは!」ジタバタ

後輩「やめてほしいですか?」コチョコチョ

男「あっはははは!うん!うん!あはははははははは!」コクコク

後輩「じゃあ、私に、きちんと、謝ってください」グニグニ

男「ひやぁあっはははははは!ごめんなさあぁあい!あはははは!もう二度としないから!あはははは!あーっはっはっはっはっは!」

後輩「笑いながら謝るなんてひどいです。ちゃんとできるまでやめてあげません」コチョコチョ

男「そっ、そんなっ!くひっ!?そんなばかなっはは!あーっはっはっはっはっは!ひぎぃいい!」

30分後

男「は……ぐう……」ピクッピクッ

後輩「つんつん」ツンツン

男「ふうう……う」ピクッ

後輩「……反省しました?」

男 コク…コク…

後輩「じゃあ許してあげます」

男「ふ、ぐう……」コク…

男「はあ……ようやく回復した」

後輩「さすが体力はありますね」

男「いや、ほんとごめん。今回の罰で思い知った」ペコ

後輩「も、もう謝るのはいいですよ。こっちもけっこうやっちゃいましたし」

男「そうか?」

後輩「で、でも次やったら3時間ですからね?」

男「はひ……」ガタガタブルブル

後輩「あんまり稽古できませんでしたけど、今日はもう暗いから帰りましょうか?」

男「ああ、そうするか」

後輩「…………」ジー

男「ん?」

後輩「む……」ジー

男「……送ってこうか?」

後輩「はい!」ニコ

翌日

後輩「先輩先輩!これ見てください!」

男「なんだこのチラシ?ケーキバイキング?」

後輩「そのお店、美味しいって有名なんですよ!」

男「へー、行くのか?」

後輩「それが、その……」

男「ん?ああ、カップル限定か」

後輩「はい……先輩、一緒に行ってくれませんか?」

男「あはは、お前かわいいのになんでか彼氏できないもんなー」

後輩「むっ」グニイッ

男「ふひゃあっ!?な、なんだよ!?」

後輩「なんでもないです!それよりokなんですかそうじゃないんですか!?」

男「なんでもないってなんだよ……まあその日暇だし、いいぞ」

後輩「やった!楽しみにしてますね!」

日曜日

後輩「せんぱーい!ここです!」

男「おー後輩」

後輩「えへへ、楽しみですね!」

男「そうだな、折れも甘いものけっこう好きだし」

後輩「私、お昼御飯ぬいてきちゃいました!」

男「それはすごい気合いの入れようだな……」

後輩「えへへー、どれも美味しそうですよー」

男「すごい量とってきたな……ん?」

後輩「どうしました?」

男「いやほら、フォーク1つしかないからさ、もらってくる」

後輩「もう、先輩、それは外のテーブルでも同じですよ」

男「え?カップル限定なのに?」

後輩「カップル限定だから、です。いいから席についてください」

男「どういうことだ?」

後輩「こういう事です。はい、あーんしてください」

男「え!?」

男「そういう事だったのか!?」

後輩「そうですよ、向こうのテーブルの人達もしてるじゃないですか。はい、あーんです、あーん」

男「いや、それはさすがに恥ずかしあーん」パク

後輩「どうですか?美味しいですか?」

男「ああ、これはうまいわ」モグモグ

男(くっ、手をコチョコチョと動かされただけでびびってしまうとは情けない……)

男(くそ、やり返したれ)

男「ほら、あーん」

後輩「あーん」パク

男「なぜ恥ずかしがらない!?」

後輩「ん、先輩に食べさせてもらうと余計美味しいです///」

後輩「ふう、お腹いっぱいです」

男「けっこう食べたなぁ」

後輩「いいんですよ、この日の為に甘いもの抑えてきたんですから」

男「そっか……え?あれ?」

後輩「じゃあそろそろ帰りましょうか?」

男「そうだな……あ、ちょっと待っててくれ」

後輩「?はい」

男「すぐ戻るから」スタスタ

後輩「?」

男「お待たせー」

後輩「何か買ったんですか?」

男「うん、まあちょっと……ごめんな待たせて。大丈夫だった?」

後輩「なんかアクセサリーじゃらじゃらつけたお兄さん達に声かけられましたけど……」

男「けど?」

後輩「あんまりしつこい上に強引に手をとられたので腕が外れる寸前まで関節きめたら揃って逃げ出しました」

男「今回は外される前に逃げただけ利口なやつらだったな。じゃあ行くか」

後輩「はい」

後輩「だいぶ寒くなってきましたねー」

男「そうだな……あ、自販機であったかいのでも買って休憩しないか?公園あるし」

後輩「え?いいですけど……」

後輩(いつもそんな事しないのになんで?)

男「じゃベンチにでも座るか」

後輩「は、はい」

後輩「ふう、あったかいですね」

男「おしるこかー、いい加減太らないか?」

後輩「う、いいんですよ、そのぶん動いてるんですから」

男「ふーん。あ、コーヒーなくなった」

後輩「あ、私もおしるこ終わりです」

男「よし、じゃあちょっとゲームでもするか」

後輩「ゲームですか?」

男「うん。ほら、後輩の後ろにゴミ入れあるだろ?」

後輩「はい」

男「あそこにおしるこの缶とコーヒーの缶2つとも投げて入れられたら後輩の勝ち。2つとも失敗したら俺の勝ち。1つしか入らなかったら引き分け」

後輩「いいんですか?私コントロールいいですよー?」

男「それは楽しみだな。ほら、後ろ向いてよく狙え」

後輩「はい!」

後輩「んー……えい!」

カランカラン!

後輩「やった!入りましたよ!」

男「これで少なくとも後輩の負けはなくなったな。ほらもう1つ」スッ

後輩「はい、んー……えい!」

カランカラン!

後輩「先輩2つとも入りましたよ!」クル

男「ほい」ポスン

後輩「えっ?」

後輩「これ……帽子……ですか?」

男「そう。だから被せてやったの」

後輩(あ、これこの間先輩とデパートに行った時の……)

後輩「これを……さっき買ってたんですか?」

男「うん。店とデパート近くて助かったよ。それでも待たせちゃったけど」

後輩「でもどうして今……私、誕生日とかじゃないですよ?」

男「いや、ほら……俺もうすぐ卒業だからさ」

後輩「あ……」

男「ずっと一緒に部活してきた後輩に、何かプレゼントしたくて」

後輩「そ、そう……ですか……」

男「うん」

後輩「ありがとうございます。嬉しいです……すごく」

男「うん、よかった」

男「あとさ、その……」

後輩「は、はい……」

男「聞いてほしい事あるんだけど……いい?」

後輩「はい……」

男「じゃあ。もうちょっとこっち来て」

後輩「は、はい……」

ギュッ

後輩「ふあっ///!?」

男「後輩……俺、後輩の事、好き」

後輩「う、うう……」ジワ

男「明るいところが好き。一生懸命なところも、ちょっと抜けてるところも全部好き」

男「本当に遅くなっちゃったけど……俺と付き合ってください」

後輩「う、わ、私も……」グス



後輩「私も好きです……先輩」

男「うん……ありがとう」

後輩「ほ、本当に遅いですよ……グス」

男「ごめん……早く言わなきゃと思ってたんだけど、根性なくて」

男「それに、後輩といつも一緒にいると、楽しくて忘れそうで」

後輩「う、それなら……許してあげます……」グスン

後輩「はあ……」

男「落ち着いた?」

後輩「はい……大丈夫です」

後輩「それに、元々嬉しくて泣いてたんですから……そんな心配そうな顔しないでください」

男「ああ、うん……」

後輩「あの、この帽子……」

男「ああ、いきなり被せてビックリさせたかったんだけど、それにはどうしても後ろ向いてもらわなきゃだったからさ」

後輩「……その場で考えたんですか?あのゲーム」

男「うん、まあ……クリスマスとは別に今日渡したかったから必死で頭使った」

後輩「そうですね、クリスマスもあるんでしたね」

男「ああ」

後輩「予定、空けといてくださいよ?」

男「当然。もう恋人同士なんだから」

後輩「はい……えへへ///」

後輩「あ、でも……」

男「ん?」

後輩「クリスマスが終わると、もうすぐに卒業ですよね……」

男「……だな」

後輩「先輩はやっぱり……」

男「うん……この街を出る」

後輩「……ですよね……この街に進学先なんてありませんし……」

男「帰って来れる時は必ず帰ってくるよ」

後輩「……絶対ですよ?」

男「約束するよ」

後輩「や、約束なら……///」

男「え?」

後輩「先輩のことは信じてますけど……それでもやっぱり寂しくなっちゃう時があると思うので……その///」

後輩「……今ここで、証拠を見せてください」

男「……目とじて」

後輩「はい……」スッ

男「…………」

後輩「…………」

コツン

後輩「あう」

男「あ……」

男「ご、ごめん。帽子が……」

後輩「す、すみません、私も忘れてました……ちょっとずらしますね……」

男「じゃ、じゃあ……今度こそ」

後輩「はい……」ドキドキ





チュッ

後輩「ん……///」

男「ん……」

後輩「え、えへへへへ……///」

男「な、なんだよ」

後輩「キス、しちゃいましたね……///」

男「うん……」

後輩「私の、ファーストキスですからね///」

男「俺も、後輩が初めてだよ」

後輩「お互い初めて、ですね///」

男「そうだな……」

後輩「私、嬉しいです……すごく幸せです」

男「俺も嬉しい……後輩……」ギュッ

後輩「ん……先輩」ギュッ

1年と少し後

後輩「ふうー」ドサ

男「おーい、終わったか?」

後輩「はい、荷物はこれで全部運びました!」

後輩「はあ、こんなに大変なものなんですね」

男「俺も1年前同じ事を思ってた。で、これからもっと大変だぞ一人暮らしは」

後輩「そ、そうなんですか?」

男「掃除もしなきゃだし飯も作らなきゃだし。親のありがたみがわかるよ」

後輩「本当に大変そうですね……あ、でも」

男「ん?」

後輩「私達は二人で分担すれば……少しは楽になるかもですね///」

男「……そうだな」

男「しかし思ったより時間かかったな。本格的に荷物整理するのは明日かな」

後輩「そうなりますねー」

男「この状態じゃ寝るのも難しいし、今日は俺の部屋で寝るか?」

後輩「えっ、ええ///!?」

男「い、いや!変な意味じゃないぞ!」

後輩「で、ですよね!わかってますよはい!それなら一晩御世話になります!」

男「ほら、入れ」ガチャ

後輩「お、お邪魔しまーす」

男「お茶でも出すから座っててくれ」

後輩「は、はい」

男「はい、粗茶ですが」

後輩「いただきます」ゴク

男「どうだ?落ち着いたか?」

後輩「はぁ……はい、落ち着きました」

男「こっち来てからずっと慌ててたもんなぁ」

後輩「しょ、しょうがないじゃないですか……」

後輩「やっと卒業して、先輩と同じ大学に入って、アパートの隣に住めるんですから……」

男「まあ、1年と思えないくらい長かったもんな」

後輩「はい……」

後輩「だから、えっと……」

男「どうした?」

後輩「ずっと寂しかったんですから……ぎゅってしてください」

男「……おいで」

後輩「ん……///」

ギュッ

後輩「はあ……先輩、あったかいです……///」

男「後輩のほうがあったかいよ」

後輩「んん……本当に寂しかったんですから……これからはずっと一緒にいます」スリスリ

男「こっちの台詞だよ」ギュッ

後輩「先輩のお部屋にも入り浸りますよ?私の部屋の整理が終わっても」

男「俺が後輩の部屋に、ってのは?」

後輩「先輩は……変なところを漁ったりしそうなのでダメです」

男「おいおい……」

後輩「ふふ、冗談ですよ。いつでも来てください」クスクス

男「これからはずっと一緒だな」

後輩「はい、離れてたぶんまで、一緒に過ごしましょう」

男「ああ」





後輩「先輩、大好きです」






おわり

格闘技の事はわからんから変なとこあるかもしれんがすまん

読んでくれた人ありがとう

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