アクセル・ロウ「ここはどの時代なんだ!?」レミリア「あらあら」(31)

ソル「タイ…ラン」

アクセル「ちょ…ダンナ!それはマジでヤバ…!」

ソル「レイヴ!!」ドォォォォン

~SLASH~

レミリア「咲夜、紅茶を注いで頂戴」

咲夜「はい……あれ?お嬢様、まだカップに紅茶が半分以上残っていますが」

レミリア「あら、あなたが注いだんじゃないの?」

咲夜「いえ」

レミリア「不思議ね、まぁいいわ」

妖精メイド「お嬢様ー!メイド長ー!」

レミリア「どうしたの?全く騒々しい」

妖精メイド「館に侵入者現れました!見たことの無い人間の男です。今美鈴さんと小悪魔さんで応戦してますが劣性のようで……」

咲夜「二人がかりで倒せない人間ですって!?」

レミリア「少しは腕が立つみたいだけど……思い上がりも甚だしい。行くわよ咲夜」

アクセル「痛て…まーたやられちまった。ソルのダンナの奥義があたる直前にタイムスリップが発生したお蔭で助かったけどよ」

アクセル「相変わらずパワーがデケェな」

アクセル「それにしても、此処は一体いつの時代なんだ?赤い洋館に赤い道。外の様子は日本っぽいし俺のいた時代より前だとは思うんだけど」

アクセル「おっ!ヘイ彼女!」

小悪魔「え?」

アクセル「妙な事を聞くんだけど、ここは西暦何年の何処か教えて貰えないかなー」

小悪魔「あわわわわわ…侵入者だーっ!!」ダダダダダダ!!!

アクセル「あっ!?行っちゃった…」

小悪魔「美鈴さん!起きて下さい!侵入者です!美鈴さんってば!」

美鈴「zzz…っは!寝てませんよ!?ちょっと目を閉じてただけで断じて寝てなんかいませんよ!」

アクセル「なんだぁ?」

美鈴「あなたが侵入者ですね?紅魔館門番、紅美鈴が相手になります」

アクセル「こんな時代から女が強いなんて…どうなってんだ?」

  HEAVEN OR HELL 
    LET'S ROCK

美鈴「てぇい!やぁ!」

アクセル「おっとっと!お嬢ちゃん、その攻撃じゃあ俺には当たらないぜ」

美鈴(パワーもスピードも私の方が上なのに…あの鎖鎌の射程より奥に入る事が出来ない)

美鈴(多少無理をしても、突っ込むしかない!)

美鈴「おおおおおおおおお!!」

ドォン

アクセル「天放石」

美鈴(え!?前が、見えない!!)

アクセル「注意一秒、怪我一生ってな」コツン!

美鈴(眼眩ましが決まったのに、攻撃をして来ない?手加減されてる!?)

アクセル「クールに決めたr」ドォォォォォォォン!!!

小悪魔「美鈴さん!大丈夫ですか!?」

アクセル「」

小悪魔「魔法で攻撃しました!パチュリー様のように強力な物は使えませんが、どうやら当たれば効くみたいです」

美鈴「あ、ありがとうございます!」

小悪魔「次に奴が起き上がったら私が魔法で左右から攻撃して鎖鎌で対処させます!美鈴さんはその隙に真ん中から攻撃して下さい!」


アクセル「痛っ…チックショウ!少し遊び過ぎたぜ」

小悪魔「来ます!」バシュッ!!

美鈴「熾撃!」ダッ!

アクセル「次は二人がかりで本気の攻撃みたいだな……」ジャララララ

小悪魔(あれは…鎌の部分が赤く光っている?)



美鈴「大鵬墜撃拳!!」
アクセル「百重鎌焼 !」

美鈴「また防がれた?」

小悪魔「美鈴さん!もう一度いけますか!?」

アクセル「待て待て!参った、これ以上は無理だ!」

美鈴&小悪魔「え?」

アクセル(相手の攻撃を迎撃するのはなんとかなるかもしれないけどノーダメージで対処するのは流石に続けられねぇぜ)

アクセル「…俺はこう見えてもタイムスリップ体質って奴でさぁ…この時代には今来たばっかりで俺は今自分が何時代の何処に居てどうして女の子二人に攻撃されてるのかよく分からん」

小悪魔「タイム…スリップ?咲夜さんの能力みたいな物でしょうか?」

美鈴「そんな事があり得るんですか?」

小悪魔「分からないけど…外の世界ならあり得るのかも…」

美鈴「でも外の世界の人間がどうしてここにいるんですか?」

小悪魔「私にも全然わからないけど幻想郷では聞いた事の無い話だし……それに幻想郷にこれだけ腕の立つ人が居たら美鈴さんの耳にも入って来るんじゃないですか?」

美鈴「確かに腕自慢の人間の格闘家が私に挑戦しに来る事は結構ありあすけど……」

アクセル「お二人さんだけで話さないで、俺も混ぜてくれない?」

美鈴「ご、ごめんなさい。えーと……何さんでしたっけ」

アクセル「自己紹介がまだだったな。俺はアクセル・ロウって者だ」

美鈴「アクセルさんですね。先ほども名乗りましたが私は紅美鈴という者です」

小悪魔「えっと…小悪魔と呼んでください。アクセルさん。落ち着いて聞いてください。もしかしたら、ここは貴方の住んでいる世界とは全く違う世界かもしれません」

アクセル「……えーっと…それは時間が凄く離れてるとか、そういう意味ではなく?」

小悪魔「えぇ、そのまんまの意味で、違う世界です」

アクセル「ふーん」

美鈴「ってそんな感じなんですか?てっきりもっと驚くものかと」

アクセル「確かに時間以外が飛ぶのは初めてだけど。もともと制御できてた訳でないし。とりあえず今は異世界旅行でもしながら元の世界に帰る方法を探すってトコだな」

小悪魔「随分楽天的なんですね……」

アクセル「知らない所に行くのは慣れちまったよ。人類が生まれる前とかに飛ばされるよりはかなりラッキーだぜ」

美鈴「そういう事なら屋敷の外まで送っていった方がよろしいですよね」

アクセル「おっ!お願い出来るかい?」

小悪魔「ちょっと美鈴さん!さっきから勝手に話が進んでますけど私たち二人の判断で侵入者を帰したら不味い事になるんじゃ…」ヒソヒソ

咲夜「そうよ。まったく、普段から取り逃がしてばっかりだからこういう時気が回らないんだから」

美鈴&小悪魔「」

アクセル「……あんたいつの間に?」

美鈴&小悪魔「咲夜さん!?どどど、どうして此処に!?」

咲夜「門番が侵入者に手加減されて仲良く談笑して逃がそうとした。あとでお仕置きよ。美鈴」

美鈴「そんなー!!」

アクセル「えー…と、どちら様?」

咲夜「十六夜咲夜。紅魔館のメイド長を務めているわ」ジャキーン

アクセル「……そのナイフは、フルーツでも振る舞ってくれるって訳じゃあ無さそうだな」

咲夜「軽口が過ぎるわよ、侵入者。私を前の二人と同じだと思っているなら大間違いよ。幻在・クロックコープス!!」バララララ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

アクセル「ん!?」

咲夜「え?」

アクセル「…………!?この感覚は…こんなに早く!?」シュゥゥゥゥゥン

美鈴&小悪魔「アクセルさんが…消えた?」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

アクセル「あらっ!」ポテーン

美鈴「あ、出てきた」

アクセル「こんな短いタイミングでタイムスリップがまた起きるなんて…あれ、なんで皆いるの?」

美鈴「い…今、一瞬アクセルさんが消えて…」

アクセル「一瞬……なるほど。超近い未来に吹っ飛んだって事か?……でもタイムスリップが起きる程デカい力は無かったと思うんだが……」

咲夜「貴方……今どうやって攻撃を避けたの?」

アクセル「あれは避けた訳じゃなk」

咲夜「私は時間を止めてる間にナイフを展開して、鎖鎌を投げる隙間も与えないようにナイフを展開して、解除前に確認もした」

咲夜「なのにどうやって貴方は一発も当たっていない。一体どうやって……」

アクセル「アンタ…マジか!?」

咲夜「え?」

アクセル「アンタ…まさか…時間を操れるのか!?」

アクセル「頼む!俺を20世紀のコッツウォルズに送ってくれ!」

咲夜「え!?どうしたんですか急に!」

アクセル「あの時代に待たせてる人が居るんだ!頼む!この通りだ!」

咲夜「頭を上げて下さい!」

美鈴「咲夜さんが困惑してる……」

レミリア「掃除は捗っていないみたいね。咲夜」

咲夜「お嬢様!」

レミリア「貴方も、どういう事情かは知らないけど私の館で騒がしくするようならこちらにも考えがありますわよ」

アクセル「そ、そいつは悪い事をした。許してくれ」

アクセル(このお嬢ちゃん……あの野郎とは少し違う意味でだけど相当ヤバい気配がするぜ……)

レミリア「アクセル、とか言ったかしら。外の世界から遥々ようこそ」

レミリア「随分数奇な運命を辿ってきているみたいね。まぁそれはこれからもだけど」

レミリア「スレイヤー卿は、まだ元気にしているかしら?」

アクセル「お嬢ちゃん……あのオッサンの知り合い?」

レミリア「オッサン……ね。外の世界ではそれほど時間が経っていたのね」

レミリア「咲夜。この人を私のお客様として迎え入れるわ。掃除はもう結構よ」

咲夜「は、はぁ……」

レミリア「いいわね?お客様のお茶の準備をして頂戴」

アクセル「……状況がイマイチ飲み込めねぇけど。どうして俺とオッサンが知り合いだって解ったんだ?」

レミリア「それを含めて、貴方は他にも聞きたい事があるでしょう?」

レミリア「あの人の知り合いなら私にとって大切なお客様よ」

レミリア「ついて来なさい。私のわかる範囲で貴方の疑問に答えてあげる」

紅魔館・リヴィング

レミリア「いかがかしら?」

アクセル「いいね。こうやって紅茶をゆっくり飲むのも随分と久しぶりだ」

アクセル「相当優秀なメイドさんだねぇ……咲夜さんって言ったっけ?」

咲夜「私はまだ、貴方がどういう理由でお嬢様のお眼鏡にかなったのか、まだ納得できていません」

アクセル「おっと……こりゃあ手厳しい……」

レミリア「気持ちはわかったから。落ち着きなさい」

アクセル「まぁ。俺もその辺に関してよくわからないから、まずは咲夜さんの疑問に答えてやってくれよ。このままじゃまたナイフの雨が飛んできそうだ」

レミリア「そう……咲夜には話していなかったかしら?私が幻想郷に来る前の話よ」

レミリア「スレイヤー卿は同じ吸血鬼の仲間で、よく自身の冒険譚を聞かせてくれたわ」

アクセル「あぁ……やっぱりお嬢ちゃんも吸血鬼ってやつなのね…」

咲夜「外の世界にまだ吸血鬼が存在するなんて……信じられない……」

レミリア「スレイヤー卿は私とは少しタイプが違うらしくてね。肉体が成長するのが速く陽光が平気な代わりに私のような特殊な能力は使えないの」

レミリア「だからこそ人間と同じように振る舞えば吸血鬼だなんて思われないで過ごす事も出来る」

レミリア「それにあの人は人間がとても好きだったから幻想郷に来るつもりは全く無かったようだし」

アクセル「つまり、ここは幻想郷っていう俺のいた世界とは違う場所で、お嬢ちゃんたちは吸血鬼仲間、と」

レミリア「貴方の運命とスレイヤー卿の運命が幾度か交差しているからもしかして、と思ったのだけれど。理解が速いのはいいことね」

アクセル「あの人とは何回か喧嘩してるからなぁ……ってもなかなか本気で相手はしてくれないけどな」

レミリア「あの人らしいわね。本気を出さない事に感謝するといいわ」

アクセル「それで、俺はどうしたら元の世界に帰れると思う?流石にいつまでもって訳にはいかないぜ」

レミリア「そうね……それに関しては何も言えないわ」

アクセル「あら?てっきりなんでもお見通しなのかと思ったぜ」

レミリア「私は貴方の運命を見ている訳だけど……あなたの症状は貴方一人の物じゃないからじゃない?」

アクセル「なるほど……」

レミリア「此処でそういうのに一番詳しい人間の所に案内するから。ついて来なさい」

大図書館

レミリア「という訳でお願い出来するわね」

パチュリー「無茶言わないでよ。外の物を私にどうにか出来る訳ないじゃない」

アクセル「まぁまぁそう言わないでくれよ魔法使いさん。この体質を治してくれってんじゃなくてせめて元の世界に戻る方法だけでも思いつかないもんかね?」

パチュリー「それも難しいわ。博麗大結界がある以上幻想郷が作られる前まで戻る事も難しいだろうし」

アクセル「えっと……そのナントカ結界ってのはつまり?」

パチュリー「道を間違えたから分かれ道まで戻ろうと引き返しても直前に壁があってそれ以上戻れないって思ってくれれば解りやすいわ」

アクセル「……?」

レミリア「どうしたの?」

アクセル「ちょっと……そいつは変じゃねぇか?」

レミリア&パチュリー「変って何が?」

アクセル「俺はこの体質で色々な時代を巡ったが……この世界に今まで来なかったのはそのナントカ結界ってのがあったからなんだろ?」

レミリア「まぁ、そうよね」

アクセル「それなのに俺がこの世界に入れたって事は、その結界が壊れてるって事なんじゃ……」

パチュリー「でも、流石にそれはないと思うわ」

レミリア「そんな事になってたら博麗の巫女が黙っていないでしょうし私たちだって異変に気付くわ」

アクセル「あ……そうなの」

パチュリー「博麗大結界は外の世界で力を失った弱い妖怪を外の世界から守る役割をもっている」

パチュリー「それが壊れたら幻想郷中のあちこちで異変が起きる。ここの妖精メイドも無事では済まないもの」

アクセル「じゃあ……結界が壊れてない限り俺が此処に来る事は無い。しかし今、俺は此処にいて結界も無事」

アクセル「そういう事になるのか?」

レミリア「つまり、結局何も解らなかった、という事ね。」

パチュリー「でも、一つだけ何とかなるかもしれない方法が残っているじゃない。レミィは嫌かもしれないけど」

アクセル「それは一体?」

レミリア「パチェ……貴方まさか……」

パチュリー「隙間妖怪に頼めば、何とかしてくれるかもしれないわね」

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