幼馴染「キス?」 男の妹「キス!」(90)

幼「え?なんでそんな事聞くの?」

妹「いやぁ、お兄ちゃんとのキスは」

妹「一体どんな味だったのかなーと思って」

幼「い、いやいやいや。した事ないし!」

幼「て言うか私たち、べ、別にそんな関係じゃないし」

妹「ふぅん…へぇー?」

幼「な、何?」

妹「それはまだお付き合いとかしてないって事?」

幼「まだっていうか…え?妹ちゃん、何が言いたいの?」

妹「幼お姉ちゃんは、ウチのお兄ちゃんの事、どう思ってるの?」

幼「んー?幼馴染…かな?」

妹「それは私もでしょ?他に思う事ないの?」

幼「他の人より、ちょっと仲の良い友達…かな?」

妹「友達…友達以上の感情は無いって事?」

幼「え?うん。い、今の所は…特には…ただの友達だよ」

妹「じゃあ、お兄ちゃんは私と付き合うって事になるよね?」

幼「は?」

妹「あ、聞こえなかった?だからね…」

幼「いやいや、ちゃんと聞こえてたよ。聞こえた上での『は?』だよ」

妹「お兄ちゃんが私の彼氏になるって事だよ?」

幼「だから!付き合うって事にはならないでしょ!何その結論」

幼「…て言うか、妹ちゃん、男の事が好きなんだ?」

妹「実は深い理由がありまして、はい」

妹「ぶっちゃけ、超好きですね。異性として」

幼「え?マジで?マジで?」

妹「マジ!超マジ!」

幼「妹ちゃん、ちょっとおかしいよ?」

妹「おかしくない!」

妹「深い理由があるって言ってるじゃん!」

幼「い、一応、どんな理由か、聞いてもいい?」

妹「私、昨日誕生日だったじゃないですか?」

幼「うん。私、プレゼントあげたじゃん」

妹「可愛いお財布を、どうもありがとう」

幼「どういたしまして…って、それはどうでもいいから」

幼「18歳になった妹ちゃんに、何があったの?」

妹「なんとね…」

幼「うん…」

妹「…」

幼「…」

妹「お兄ちゃんの事が、異性として超絶的に好きだって気付いたんですよ…」

幼「…うん」

妹「…」

幼「…」

幼「ん?」

妹「ん?」

幼「話し、終わり?」

妹「え?今の以上に説明が必要?」

幼「必要っていうか、何の説明にもなってないんですけど?」

妹「えー?幼馴染なんだから、察してよー」

幼「そ、そう言われても…だって、兄妹だよ?」

幼「おかしいじゃん!」

妹「うん。実の兄妹ならね」

幼「は?」

妹「実は、私たち、義理の兄妹だったんでしたー」

幼「え?マジで?」

妹「昨日の夜、両親に言われました!」

妹「ビックリした?ビックリしたよね?」

幼「え?マジなの!?」

妹「お?顔色が変わりましたな、幼お姉ちゃん?」

幼「え?だって…え?」

妹「私、お父さんの連れ子、お兄ちゃんはお母さんの連れ子だって」

幼「マジで!?」

妹「えへへー。マジなのさー!」

幼「ラノベの読みすぎ?」

妹「いや、本当だから」

幼「…非現実的すぎてついていけない」

妹「そこはもう、受け入れてもらうしかないんだけどね」

妹「正直、私もびっくりだったよー」

妹「私、昔っからお兄ちゃん大好きで」

妹「ちゅーしたくなるくらい大好きで」

妹「あ、お休みのちゅーは、小5までやってたんだけどね」

妹「それで…」

幼「ちょ!ちょっと待った!」

妹「え?何?」

幼「お休みのちゅーって何?」

妹「まぁ、家族としてのスキンシップだよ」

幼「具体的には何をするの?」

妹「寝る前にね」

妹「ほっぺにちゅってするの」

妹「私はお父さん、お母さん、お兄ちゃんに」

妹「お兄ちゃんは、お母さんと私にね」

幼「へ、へー。何それ?アメリカ人みたいなノリだね?」

妹「お母さんの実家の伝統だったみたい」

妹「今はやってませんけどね。くふふ」

幼「ほっぺに、ねー。へー」

妹「あ、それでね?」

幼「う、うん」

妹「お父さんにするちゅーと、お兄ちゃんにするちゅーとではね」

妹「何かその、気分?気持ち?が違ってたんだよね」

妹「それでもまぁ、家族としての好きだと思ってたんだけど…」

妹「血の繋がりが無いって解ると…」

妹「とたんに花開いた恋心っ!」

妹「と、まあ、そう言う訳ですので」

妹「これからはお兄ちゃんにガン!ガン!アタックしていこうと思ってますっ!」

幼「思ってますっ!…って元気よく宣言されても…」

妹「ふふふ。一緒に住んでるのは、かなり有利だと思うんだー」

幼「…ぅ」

妹「今夜、お風呂に飛び込んじゃおうかなー?」

幼「…」

妹「それとも、夜中、お兄ちゃんのベッドに潜り込んじゃおうかなぁ」

幼「駄目…」

妹「んー?何が?何が駄目なの?」

妹「幼お姉ちゃんはお兄ちゃんとは『ただの』友達なんでしょ?」

妹「じゃあ、お兄ちゃんが誰かと付き合う事になっても良いよね?」

幼「…」

妹「私がお兄ちゃんの彼女になっても良いよね?」

妹「血が繋がってなければ、結婚も出来るみたいだし」

妹「私、お兄ちゃんの事、超好きだしねー」

妹「それに実は、お兄ちゃんも私の事、好きっぽいしねー」

幼「そ、それは嘘でしょ?」

妹「ふふふー。どうでしょう?」

幼「駄目だよ!」

妹「駄目かなぁ?」

幼「絶対駄目っ!」

妹「あれあれー?何で大声出すの?」

妹「両想いの二人がお付き合いする」

妹「別におかしくないよね?駄目じゃないよね?」

幼「…あ!そ、そうだ!世間一般の常識の事を」

幼「幼馴染である妹ちゃんに、教えたいんだよ!」

幼「別にヤキモチとかじゃないよ!」

妹「へぇー」

幼「ニヤニヤしないで!」

妹「でもまぁ、世間一般の常識なんかに、私は囚われないよ!」

幼「き、きっとご両親も反対するよ!」

妹「ところが、そうでもないんですなぁ」

幼「え?」

妹「少なくともお母さんは、私の気持ちに気付いてたみたい」

妹「昨日、誕生会の後ねー」

妹「あ、幼お姉ちゃん達が帰った後ね?」

妹「家族会議があってね」

妹「そこで、義理の兄妹って言われたんだけどね」

妹「その後、さらに私だけお母さんに呼ばれてね」

幼「…」

妹「お兄ちゃんの事、どう思ってるのか、聞かれたの」

妹「そこで気付いちゃった訳ですよ」

妹「あ、私ってお兄ちゃんの事、異性として好きだなって」

幼「…」

妹「そう言う訳だから、ね?」

幼「ね?って言われても、ね?」

妹「だって、お兄ちゃんと幼お姉ちゃんはただの幼馴染なんだよね?」

妹「ちょっと仲の良い、ただの友達なんだよね?」

幼「…むぅ」

妹「ん?幼馴染である私の恋を応援してくれないの?」

幼「意地悪っ!妹ちゃん、とっくに気づいてるんでしょ?」

妹「何が?」

幼「私、男の事が…」

妹「…」

幼「ず、ずっと憧れてたんだよっ!」

幼「だから誰にも…妹ちゃんにも譲れない!」

幼「私は、男が…」

幼「大っ好きなんだーーーーーー!」

妹「ふふふ。大好き…ね?」

妹「やーっと正直になったね、幼お姉ちゃん」

幼「え?」

妹「幼お姉ちゃんが、お兄ちゃんの事好きーなんて」

妹「それこそ、高校中のみんなが知ってるよ」

妹「年頃の男女が年中べったりだったんだから」

妹「そりゃ、誰だって解るよね」

幼「妹ちゃん、まさかそれを言わせる為に…」

妹「まぁねー」

幼「…」

妹「お兄ちゃんって、実はそれなりに告白とかされてるんだよ」

妹「でも全部丁寧にお断りしてるんだよ」

幼「そ、そうなの?」

妹「幼お姉ちゃんも、だよね?」

妹「結構、告白とかされてるよね?」

幼「え?何で知ってるの?」

妹「ウチのクラスの男子も2人、告白したんだよ、幼お姉ちゃんに」

幼「そ、そうなんだ?」

妹「それはそれは丁寧にお断りされたって言ってたよ」

妹「四六時中、一緒に居る男女」

妹「無謀に突っ込む人がいても、二人とも、丁寧にお断り」

妹「事程左様にですね」

妹「もうお付き合いしてるとしか思えないじゃない?」

妹「だから確認したかったの。一応ね」

幼「私は男の事、大好きだよ!これで満足?」

妹「それじゃキスは?どうだったの?」

幼「キス?」

妹「キス!」

幼「いや、だから、そんな事してないって」

妹「ん?二人、まだお付き合いしてないって、本当なの?」

妹「本当にキスもしてないの?」

幼「わ、私は男の事好きだけど、直接言った事無いし」

幼「…その、男からそんな事を言われた事も…無いよ」

幼「ずっと傍に居たから…その…自然にね」

幼「何となく、言わなくても、傍に居ていいのかなーって」

妹「フフフ。そうなんだね!まだキスしてないんだね?」

幼「そ、そう言うのは無いよ、全然」

妹「じゃあ、お兄ちゃんとは私がキスするって事になるよね?」

幼「なんでよ!ならないでしょ!妹ちゃん、何言ってるの?」

妹「あ、私が義理の妹って言うの、本当だからね?」

妹「それにお兄ちゃんの事が大好きって言うのもね!」

妹「幼お姉ちゃんとはライバルって事になるかな?」

幼「ぐぬぬ…」

妹「もし二人がお付き合いしてるって言うなら、私は…」

妹「…や、二人が付き合ってるって言っても、私は諦めないけどね!」

幼「い、妹ちゃんくらい美人なら、他に良い人みつかるよ!」

妹「…これは決して自慢じゃないですけど」

妹「私、高校に入学してから、三十人くらいに告白されてます」

幼「さ、三十人?マジで?」

妹「マジです。でも全部お断りしてます!」

幼「え?断っちゃってるの?」

妹「とっても素敵な男性がすぐ傍に居るとねー」

妹「ハードルが上がっちゃうんだよ」

妹「どうしても、お兄ちゃんと比べちゃうし」

妹「ほぼ初対面の人に『好きです、付き合って下さい』って言われても」

妹「正直、全然ピンとこないんだよねー」

幼「あ、それ何となく解るー」

幼「私もそうだなー。同じクラスの男子でもさ」

幼「ほとんど喋った事ない人から、ラブレターとか貰ってもね?」

妹「うんうん!そうそう!」

幼「妹ちゃんは試しに付き合ってみようとか、思った事無いの?」

妹「一回も無いねー。幼お姉ちゃんは?」

幼「私、友達に言われた事あるんだけどね」

幼「ちょっとでも良いかな?って感じたら」

幼「試しに付き合ってみるのも、良いんじゃない?って」

幼「で、意識してみたことあるんだけど」

幼「やっぱり、ちょこっとでも良いと思える人、居なかったんだよね」

幼「私、男の事が好きだし」

妹「やっぱりお兄ちゃん、良いよねぇ」

妹「性格も良いし、成績も良いし」

妹「我が兄ながら、完璧超人か!と思うよ」

幼「欠点らしい欠点が見当たらないよね、男って」

幼「顔だけで言ったら、バスケ部のイケメン君とか、みんながキャーキャー言ってたけど」

妹「あぁ、あのチャラチャラした先輩ですか」

妹「私、告白されたよ、あの人に」

幼「え?マジ?実は私も…」

妹「でも、お兄ちゃんと比べると、ねぇ?」

幼「顔だけ良くても、ねぇ?」

妹「ふふ。やっぱり私たち、似てるね?」

幼「だね。お互い、男の事、大好きだね?」

妹「ライバル同士だね!」

幼「負けないからね!」

妹「…ところでキスってどんな感じなのかなー?」

幼「そう言われても…未経験なもので」

妹「興味無いの?」

幼「そりゃあ年相応に、興味はあるけども…」

幼「お付き合いとかしてないし」

幼「急にキスして!とか言えないでしょ」

妹「ちょっと提案なんだけど…」

幼「ん?何?」

妹「試しに私と、ちゅーしてみない?」

幼「は?」

妹「女同士なら、ノーカンじゃない?」

幼「え、普通に嫌ですけど。それにノーカンじゃないよ」

妹「そっかー。あ、じゃあさ」

妹「お兄ちゃんとキスするとしたら、どんな感じでする?」

幼「うーん。考えた事無かったなぁ…」

妹「私、昨日の夜からその事ばっかり考えてる」

妹「場所はこのお兄ちゃんの部屋でするとして…」

妹「床に座って?それともベッドに腰掛けて?」

妹「もう一歩進んで、ベッドの上で、伸し掛られて…?」

幼「もう!何変な事言ってるの!妹ちゃんてば!」

妹「でも、幼お姉ちゃんも、お兄ちゃんの事好きならさー」

妹「ちゅーしたいとか思うでしょ?」

幼「そ、そりゃまぁ…でもまだ早いよ、そう言うのは!」

妹「全然早くないよ。むしろ遅いくらいだよ!」

幼「う、そうかな…?やっぱそうかな?」

妹「青春真っ盛りの今、ちゅーくらいしなくてどうするよ!って感じ!」

妹「私の周りには結構、経験済みの娘、居るよー」

幼「そりゃ、私の友達にもたくさん居るけど…」

幼「私は…」

妹「ちょっと、幼お姉ちゃん、椅子に座ってみて」

幼「え?何で?」

妹「ちょっとシミュレーションしてみようよ」

幼「えー?」

妹「お互い、いざって時の為のイメージトレーニングは大事だと思うんだよね」

幼「…それもそうか」

幼「それじゃ」
ガタッ

幼「まず、私が男だとして、妹ちゃんなら、どうくる?」

妹「んー。私なら…勉強を教わりに来るじゃん?」

幼「ふんふん」

妹「で、お兄ちゃんには机に向かって貰って…」

妹「私は傍に立って、説明を聞いてて…」

妹「説明が終わったら、お兄ちゃん絶対に『解ったか?』ってこっち向くから」

妹「その瞬間にちゅってやるかな?」

幼「え?無理やり?」

妹「あ、これ無理やりになるのか」

幼「同意なくするなら無理やりになるんじゃない?」

妹「んー。ちょっとシミュレーション!」

幼「それじゃ…ここがこうなるだろ?だからこうして、こう答えを導き出す訳だ」

幼「解ったか?」
クルッ

妹「わっ…解ったっ…たっ」

幼「ちょっと、妹ちゃん、慌て過ぎだよ」

妹「…いや、幼お姉ちゃんだって解ってても」

妹「脳内で、お兄ちゃんに変換して考えると…」

妹「このシチュエーションで、いきなりちゅーするのは、無理だ!」

妹「意識したら、恥ずかしくて、まともに顔見れないかも…」

幼「そ、そんなに?」

妹「じゃあ、交代!私がお兄ちゃん役するから」

幼「よ、よし。やってみよう」
ガタッ

妹「それじゃ、行くよ?」

幼「オッケー」

妹「ここがこうなるから、こう…解った?」
クルッ

幼「あっ…わっ…わかたっ…解ったっ」

妹「ね?」

幼「妹ちゃんが急にこっち向くから…」

妹「相手が私でも、ドキッとしたでしょ?」

幼「脳内変換って恐ろしいね」

妹「勉強以外では机に向かうってシチュエーションが無いから」

妹「ちゅーするのは、ここじゃないね」

幼「だね。これは無理だね」

妹「じゃあ、ベッドに腰掛けてみる?」

幼「ラノベとかじゃよくあるけど…」

妹「さぁ、レッツシミュレーション!」

ボフッ
幼「…男の匂いがする」
クンカクンカ

妹「もう!今はそう言うの、いいから!」

幼「ごめんごめん」

妹「それじゃ、幼お姉ちゃんがお兄ちゃん役ね」

幼「オッケー」

妹「それじゃ、スタート!」

幼「妹、ちょっとこっちに座りなよ」

妹「う、うん。お兄ちゃん」
ポフッ

幼「…」

妹「…」
スッ
ギュッ

幼「ん?ど、どうした、妹。手なんか握ってきて」

妹「お、お兄ちゃん、あのね!」

幼「妹…何も言わなくていいから…な?」

妹「うん…」
スッ

幼「…」

妹「…」

幼「!」

妹「はっ!?」

幼「あっぶない!」

妹「危なかったね、今のは?」

幼「ちゅーする寸前だったよ、今!」

妹「あぁ、今みたいなシチュはイイね!」

幼「でも、今のだと、既に両想いって事になるよね?」

幼「自分でやっといて、アレだけど」

妹「そうだね。もう両想い前提だったね、今のは」

幼「告白するところからシミュレーションする?」

妹「告白してからの、ファーストキスって感じで!」

幼「オッケー!」

妹「じゃあ、次は私がお兄ちゃん役ね」

幼「よ、よし来た!告白からのキス…ね」

幼「じゃあ、妹ちゃん、ベッドに寝っ転がって、マンガ読んでて」

妹「了解。お兄ちゃんのいつものポジションだね」
ボフッ

妹「それじゃ、スタート!」

幼「男、ちょっとそっちに座ってもいい?」

妹「あぁ、別に構わないぞ」

幼「ありがと」
ポフッ

幼「ちょっと男も漫画読むの止めて、座ってくれる?」

妹「おう」
スッ

幼「あ、あのね、男」

妹「ん?何?幼」

幼「ちょっと聞いて欲しい事があるんだよ」

妹「何?真剣な表情だな、幼?」

幼「真剣な話しだからだよ、男」

妹「お、おう。何だ?」

幼「私ね…ずっと前から男に言いたかった事があってね」

幼「ずっとずっと、昔から隣りに居たからね」

幼「ひょっとしたら、気付いてたかもしれないけどね」

幼「私、貴方の事がずっと好きだったの!」

幼「優しくて、カッコよくて、一緒にいてホッとする」

幼「そんな貴方に、私は恋をしてるんです!」

妹「…」

幼「だ、だから!」

幼「私とお付き合いして欲しい!」

幼「これからも、貴方の隣りに居させて欲しい!」

妹「…」

幼「…駄目、かな?」

妹「幼…そんな顔するなよ」

妹「俺も、お前の事が好きだぜ、幼」
グイッ
トサッ

幼「…嬉しい。嬉しいよ」

妹「俺もだよ、幼」

幼「…」

妹「…」



チュッ




ドサッ

幼・妹「!?」

幼「チューしちゃった!」

妹「雰囲気に流されちゃった!」

幼・妹「私のファーストキス返して!」

幼・妹「こっちの台詞だよ!」

幼・妹「…」

ギイッ

幼・妹「!?」

男「…あの、さ。うん。その、さ」

幼「お、男!いつからそこに!?」

妹「お、お兄ちゃん!これは…違うの!」

男「いや、その、俺は二人がそう言う関係でもさ」

男「応援するって言うか、理解はある方だから、さ」

男「ただ、その、出来れば、俺の部屋じゃなくてさ」

男「自分達の部屋でやって欲しいなって」

幼「だ、だから!違うってば!」

男「大丈夫。俺、同性愛には理解ある方だから」

男「実は友の奴もな、バイセクシュアルなんだ」

男「だから、な?大丈夫、大丈夫」

男「妹も、心配するな。両親に反対されてもさ」

男「俺は応援するから!二人が、その…真剣なら」

妹「ま、待ってお兄ちゃん!勘違いだから!」

男「長い付き合いだけど、知らなかったよ」

男「二人きりの時は、俺とか言ってたんだな、妹は」

男「声のトーンも少し低かったし」

幼・妹「こっちの話しを聞いてよ!」

男「ん」

妹「お兄ちゃん!どこから聞いてたの?」

幼「そうだよ、男。どこから見てた?最初から?」

男「最初ってのが解らんけど…」

男「俺が階段上がって来た時」

男「幼が『恋をしてるんです!』って大きな声で言ってるのが聞こえて」

男「部屋に入ろうとしたら、二人がその…キスしてた」

男「…で、最初ってどこ?」

妹「あの、お兄ちゃん。一旦落ち着こうよ」

男「俺は大丈夫。落ち着いてるよ」

男「何だか、幼馴染と妹が遠い所に居っちゃった感じがするだけで」

男「俺は冷静だ」

幼「だから、勘違いって言ってるでしょ!」

妹「そ、そうだよ!私たちはただ…」

男「その、こう言う事は変に隠さない方がいいぞ?」

男「もっと前向きに考えた方が良いよ、絶対」

幼「もう!頭良いくせに、なんでこんな事は解んないの!?」

妹「幼お姉ちゃん、こうなったら実力行使しかないよ!」

幼「は?」

妹「お兄ちゃん!大好きっ!」
ガシッ
チュッ

男・幼「!?」

男「い、妹…お前もバイなのか?」

妹「違うよ!私はお兄ちゃんの事だけが好きなの!」

妹「昨日、義理の兄妹って解ってから」

妹「はっきり気付いたの!」

幼「妹ちゃん、ズルい!」
ガシッ
チュッ

男「ん…なっ!?」

幼「私も、男の事が大好きなんだよ!」

男「ど、どう言う事?」

幼「私たち、二人で、シミュレーションしてたんだよ」

妹「お兄ちゃんと、キスするなら、こんな感じかなーって」

妹「そしたら、つい勢いで、ちゅーしちゃっただけで…」

幼「私たち、同性愛者じゃないから!」

幼「二人とも、男の事が好きなんだよ!」

男「お、おぉ…そ、そうなんか?」

妹「そうだよ!」

男「勢いでちゅーしちゃったか…」

男「てか、俺のファーストキスは、義理とは言え、妹…」

男「直後に幼とも…」

三人「…」

幼「お、男はさ!好きな人は居るの?」

妹「そ、そうだよ!お兄ちゃんはどっちが好きなの?」

妹「まさか、全然別に好きな人が居るとか?」

男「いや、その…正直、そう言いうの、全然解らないんだ」

男「すまん」

幼「あ、謝らないでよ!」

妹「そうだよ、お兄ちゃん」

男「でも俺、人を好きになるってのが本当にまだよく解らないんだ」

男「二人と居ると楽しいし、好きかな?って思うけど」

男「それが異性に対する感情なのかとか、解らない」

男「今まで全然考えた事無いんだ」

幼・妹「…」

男「でも、ちゃんと考えるよ」

幼・妹「!!」

男「その…キスもしちゃったし、な?」

幼「無理やりでごめんね?」

妹「勢いでごめんなさい、お兄ちゃん」

男「風情も何もなかったな、ははは」

幼「何か、シミュレーション一個も役に立たなかったね」

妹「ホントにね。結局強引にしちゃったし。えへへ」

男「…今度は俺からするから」

男「誰と付き合う事になったとしても」

男「次のキスは、俺からするから」

幼・妹「…うん」




幼「ねぇ、妹ちゃん?」

妹「なぁに?幼お姉ちゃん」

幼「抜けがけとかしてないよね?」

妹「してないよー。全然」

妹「そっちこそ、大学でちゅっちゅしてたりしないでしょうね?」

幼「さっぱりです」

妹「もう!お兄ちゃん、焦らし上手なんだから!」

幼「ひょっとして忘れてるのかな?」

妹「んー。普段の生活に、悩んでる様子とか無いし…」

幼「大学でも、普通だよ。女の影とか無いし」

妹「ホントに忘れちゃってるのかなー」

幼「何で何も言ってこないかなぁ」

妹「お兄ちゃん、決断はスパッと早いはずなんだけどなぁ」

妹「もう3ヶ月だもんね」

幼「私たち、焦らされてるのかな?」

妹「ちゃんと考えるって言ってたから、こっちからは聞きにくいもんねー」

幼「はぁ…いつ告白されても良いように…」

幼「下着とか、超気合入ってるのになー」

妹「え?マジ?」

幼「あの日以降、ずっと気合入った下着だよー」

幼「お肌のお手入れ時間も、倍になったし」

妹「むむむ…」

幼「妹ちゃんは?そう言う事してないの?」

妹「毛の処理とかはちゃんと毎日してるけど…」

妹「まさか毎日化粧する訳にもいかないし…」

幼「化粧必要ないでしょ?妹ちゃん、美人だし」

妹「美人かどうかは関係ないでしょ、幼お姉ちゃん」

幼「まぁ、高校じゃ、化粧とか禁止だもんね」

妹「せいぜい、唇がぷるっぷるに見えるリップを塗る位だよ」

妹「ちゅーしてくれないかなーとか思いながら」

幼「お互い、一応の努力はしてるよね?」

妹「出来る範囲でね」

幼「言われて見ると、妹ちゃんの唇、めっちゃプルップルだね」

妹「良いでしょ?このリップ、新しいやつ。ちょっと高かったんだよ」

幼「なんでその唇見て、ちゅーしないかな?」

妹「…見てないとか?」

幼「むー」

妹「ちなみに、幼お姉ちゃんの気合入った下着ってどんなの?」

幼「私、最近まで割と可愛い系の下着が多かったんだけど」

幼「3ヶ月前から、セクシー系を多めにしてるんだー」

妹「どんな感じにセクシー?スケスケ?」

幼「ちょっとだけ見てみる?」

妹「興味ある!見せて見せて!」

幼「ちょっと部屋から取ってくるね」



幼「これとか、ほら」

妹「わぁ…大人っぽい」

幼「でしょ?あと、これとかも、ね?」

妹「こんなの高校では絶対お目にかかれないねー」

妹「高いんじゃない?こう言うのって」

幼「それなりに良い値段ー」

妹「良いなぁ…私のお小遣いじゃ、買えないなぁ…」

幼「ちょっと着けてみる?これとか、新品だよ?」

妹「え?良いの?」

幼「うん。妹ちゃん、サイズ私と同じ位だよね?」

妹「そうだね。身長も体型も同じ位だね」

妹「じゃあ、ちょっと着けてみて良い?」

幼「うん。着てみてー」



妹「どう?どう?似合う?」

幼「うんうん!似合ってるよ!大人っぽいよ!」

妹「えへへ。やっぱりお小遣い貯めて、買おうかな、こんな感じの」

幼「私より似合う…何か悔しいかも」

幼「ちなみに私のはこんな感じだよ」
プチプチ
バサッ

幼「じゃーんっ!」

妹「わ。何だよー、幼お姉ちゃん。それスケスケじゃん!」

幼「これだけだよ、スケスケなの。ちょっとエロチックでしょ?」

妹「それ、ちょっとじゃないよ。メチャエロいよ」

幼「そう?そうかな?ちょっと自重した方がいいかな?」

妹「この姿でお兄ちゃんに迫ったら…どうなっちゃうかな?」

幼「だ、駄目だよ!そう言うのはまだ駄目!」

妹「えへへ。冗談だよ、冗談」

幼「もう!変な冗談よしてよ」

妹「でも、本当に、どんな反応するかな?」

幼「そりゃあ…男だって、何らか反応するでしょ」

妹「反応、するよね、きっと」

幼「こう、がーーっと」
ガバッ
ドサッ

妹「ちょ、ちょっと。幼お姉ちゃん?」

幼「男にこんな感じで迫られたら…どうする?」

妹「どうする…って、私は大好きなんだから」

妹「もちろん全部、ありのまま受け入れるよ?」

幼「そっか。ま、私も大好きだから、全部受け入れちゃうなぁ」

幼「むしろ嬉しくなっちゃうだろうなぁ」

妹「だよね。不安より、期待の方が大きいよね」



ドサッ



幼・妹「!?」

キイッ

男「あの、その…ごめん。見ちゃった」

幼「お、男!」

妹「お兄ちゃん!」

男「ち、ちょっとしか見てないから、大丈夫」

男「や、やっぱり、その…そう言う事なんだな?」

男「大丈夫。前も言ったけど、俺、そう言うのに理解ある方だからさ」

男「でもその…やっぱそう言う事は自分たちの部屋で、さ」

男「た、頼むよ…」

男「せっかく3ヶ月も悩んで、答え出たってのに」

男「俺の悩みは一瞬で無駄になっちゃったな、ハハハ」

男「あ、お、俺、ちょっと2時間くらいかけてコンビニ行くけど」

男「何か買ってこようか?」

男「ハハハ。取り敢えず、外出るから、何か欲しかったらメールで…」

幼「ま、待って!男!誤解だから!変な気の遣い方しないで!」

妹「そ、そうだよ、お兄ちゃん!絶対勘違いだから!」

男「家に帰って来たら、俺の部屋で」

男「俺の幼馴染と義理の妹が」

男「下着姿で抱き合ってた」

男「大丈夫、俺は冷静だ」

男「冷静…冷静だ…」

幼「違うってば!男っ!」
ギュッ

妹「そうだよ、お兄ちゃんっ!」
ギュッ

男「お、おい…二人とも…」

幼「これはその…男に見てもらおうと思って!」

妹「そうだよ、お兄ちゃん!私たちはお兄ちゃんに見てもらおうと…」

男「俺に、その…二人の愛の営みを見せつけるって事だろ?」

男「ごめん、俺、二人がそう言う事するのを直視出来ない…」

幼「違うってば!何で頭良いのに、こう言う事は解んないの!?」

妹「もうっ!幼お姉ちゃん、こうなったらっ…」

幼「うんっ!」




幼・妹「実力行使っ!」
ガバッ!

ギャー


おわり

これで終わりです
誰か読んでくれたら嬉しいです

次スレは
幼馴染「生徒会長として命じる!」 男「何?」
ってタイトルでスレ立てると思います
では。

乙です

幼馴染マイスター乙
安定のクオリティや

いつも面白すぎです
こういうの書きたい

さっすが乙っ

次回予告……某魚の箱?

こんだけ書いてよくクオリティ落ちないよな

読んでくれた人、本当にありがとうございます
クオリティ…大丈夫ですかね

>>87さんの書いたss、大好物ですよ!

>>88某魚の箱ではないです。1レス目の1行目でわかってもらえると思います
良ければ次も読んでみてください

では!

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