「任侠。」(28)

任侠。

最近はあまりいいイメージをもたれないこの言葉だが
それでも俺はこの言葉が好きだ。

よわきを助け、強きを挫く。

???「兄貴っ、黒の兄貴!!奴がきましたぜ!」

俺の弟分の文が俺に声をかけた。
まぁ、弟分をとった覚えはないのだが。

文は外国とのハーフで目が青い。

黒「あれが大鷲組の親父か。」

文「はい、まちがいありません。正真正銘、大鷲組の次郎です。」

俺たちが垣根に隠れながら今見ているのが敵方の将。
ここら一帯をシマにしている組の組長だ。

そして、俺たちのターゲットだ。

黒「文、敵方の兵隊はいくつだ。」

文「ざっとみて五、六人ってとこですかね。」

俺も文も腕が立つほうだ。
だが、それは向こうも同じだ。
どうする、やめるか?
いや、もう肩を寄せちまった時点でその選択肢は存在しない。
俺は軽く足下の枝葉を払うと文に声をかけた。

黒「文、いくぞ。」

文が瞬間ゴクリと息を飲む。

黒「・・・お前は辞めとくか?」

文「が、ガキ扱いしないでください。」

ずいぶん生意気なことを言うじゃねぇか。

黒「いくぞ!文っ!」

俺は大鷲の兵隊にむかって飛びかかる。

大鷲組組員「なっ、てめーらなにもんだ!!」

答える義理はない、俺は 一匹に掴みかかりパンチを浴びせ、のす。
敵方があっけに取られてる間に二匹三匹と沈める。

組員「な、なんだこいつっ!」

次郎「なにをしている!たかが二匹のくずむしなどに手こずりおって!!」

大鷲の次郎が怒声を上げる。
だが、無意味だ。

黒「誰に命令してんだテメェ。」

大鷲の次郎「!?」

驚愕する次郎。
当然だ、自分の兵隊がすべてやられていたのだから。

文「兄貴、こいつらたいしたことないなぁ。」

お前は一匹しか倒してねぇだろうが、
でかい顔すんじゃねぇよ。

次郎「そんなバカなっっつ!!」

狼狽える大鷲の次郎。
おいおい、大鷲の名が泣いちまうぜ奴さん。

次郎「き、貴様らッ!こんなことをして只で済むと思てか!!」

次郎「この私に手をかければッこの大鷲組の兵隊どもが貴様らを「うるせえ。」

次郎の言葉を遮る。
やれやれ、命乞いする奴を手にかけるのはあまり好きじゃねぇが・・・。

黒「ほざくなよ老いぼれ、今更あんたはたすからねぇんだ。」

次郎「なっ!?」

黒「ジジイはおとなしく隠居しとくんだったな!!」



そして、この町に一匹の「猫」の断末魔がこだました…。


【任侠。】

パシャパシャと水で足を洗う。
川に赤色が広がり消えて行く。

現代、町の野良猫たちは減って行っている。
それはなぜか。
至極理由は簡単だ。

「保健所」だ。

かつてこの町が無法地帯だったころ。
ここいらの野良猫はモラルの欠片もなく好き放題に暮していた。

それが原因なのだろう。
住民達の苦情により、三年前から保健所の車が町を徘徊するようになった。

そして野良猫たちは捕まっていった。

そして野良猫たちが減って行くなか、ある考えが生まれた。

それが組によるシマの管理である。

様々な猫達が組というものを作り、
そして組織し縄張りを管理する。

それにより秩序を保ち保健所を引かせるのが目的だった。

たしかにその目的は達成された。
だが、すぐにまた新しい問題が発生したのだ。

それが組による「シマの中での横暴」。
そして「組どうしによるシマをめぐっての抗争」である。

どちらも起こるべくして起こった組管理による弊害だ。

組としてシマを管理する猫たちは欲にかられる。
「こいつらがくらせるのは俺達のおかげだ。」という考えが「シマの中での横暴」に繋がった。

自分達のシマの中では何をしてもいいという考えが広まるのにそう時間はかからなかった。

シマの中での、強盗、殺猫、強姦なんでもござれ。
いつしか猫を守る為だった組は腐りはてている。

一方「組どうしの抗争」だが。
これも至極理由は簡単である。

シマの中ですきかってできるのであれば、他の組が持っているシマを「組ごと」奪い取る。

その分、得をする事ができるからだ。

今や組弊害は深刻かしていっている。

そう、この組弊害を誰かが止めなければならないのだ。

文「兄貴、叔父貴がよんでましたよ!」

文が突然声をかけてきた。

黒「叔父貴が・・・いったいどうしたんだ。」

文「うちのシマの猫と他の組のやつらが騒ぎを起こしたらしーっすよ。」

俺達の組、双竜組。
その本拠地は双竜組のシマの中央にある空き地だ。
そして双竜組の組長である俺の叔父貴はいつも空き地の土管にすわり、毛繕いをしている。

黒「叔父貴、黒です。」

組長「おう、来てくれたか。」

叔父貴は毛繕いをやめると、土管からおりて俺前まであるいてきた。
俺達の叔父貴、双竜組のコウ。
叔父貴のいつものっている土管には大きく任侠と書いてある。

黒「ナシはききました。・・・事の発端は?」

叔父貴に尋ねるとすこしばつが悪そうな顔で答えた。

コウ「どうやらうちのシマの野良が虎竹んとこの奴とやっちまってな。」

叔父貴は尻尾を大きく振ると、ひとつ、小さな伸びをした。

コウ「お前、グレって猫知ってるか?」

聞いた名だ。
最近ここいらに現れた喧嘩屋で、今まで負けナシと言われている。

コウ「そいつが虎竹組の小チンピラとやり合ったらしいんだ。」

黒「それは、商売としてですか?」

コウ「いや、どうやら虎竹んとこの小チンピラが商売の邪魔したらしくてな。」

そしてカッとなったグレが手を出した。
だんだん話が見えてきたぞ・・・。

黒「でも、それは組どうしの規約違反じゃないですか。」

組どうしの規約。
それは組を立てた時、組どうしでトラブルが起きないようにここら一帯の組で決めた規約だ。

例えば他のシマに行った時の礼儀作法が定められてる。

今回の事件も、「他のシマでの礼儀作法」におおいに違反している。

コウ「ああ、だからこれは虎竹組の作戦じゃねぇかとにらんでる。」

作戦、その一言ですべてを理解した。

黒「つまり、虎竹組のやつらはこれを抗争の火種にしようってわけですか。」

よくある話だ。
他のシマに組織の末端の小チンピラを送り小競り合いを起こす。
そして組どうしの不満を蓄積させ、抗争に発展させるのだ。

コウ「勿論わしは抗争なんぞする気はない。」

それはわかっている。
叔父貴は何よりもシマの猫たちに影響がおよぶのを嫌っている。

コウ「だが、また同じ事が起こらないように喧嘩屋のグレに警告してきて欲しいんじゃ。」

黒「警告、ですか。」

コウ「本当はわしが行けたらいいのだが、まだ大鷲組のシマの整理が立て込んでいてな。」

喧嘩屋グレ・・・か、そうとう血の気が多そうな奴だが、おとなしくいう事を聞いてくれるだろうか。

黒「叔父貴、失礼しました。」

俺は一礼して叔父貴の前をあとにする。
空き地の入り口では、文がまっていた。

文「兄貴、叔父貴はなんて?」

黒「二丁目の駐車場に行くぞ。」

俺は文を一瞥して目的地に向かった。

文「ところで兄貴。」

目的地に向かって歩いていると、文が俺に声をかけた。

文「大鷲の旦那をとったのはなんでなんですか?」

黒「お前はそんなこともしらねぇのか・・・」

呆れて一つため息をはいてしまう。

黒「大鷲の次郎のシマの猫に叔父貴がたのまれたんだよ。」

文「えっ。」

そう、事の発端はある日叔父貴のところにきた母猫からだった。

大鷲組、ここいらではそこそこ有名な組だ。

だが、その実中身は弊害の塊だった。

権力を盾に野良猫飼い猫所構わずきつく当たっていた。

組みによるエサの取り立てやちょっとしたことでの殺猫、さらには強姦までもが日常的に起きていたと言う。

そして事件は起こった。

ある日、大鷲の次郎が町を散歩していた時の事だ。

たまたま泥遊びをしていた子猫が次郎にぶつかっちまったらしい。

泥で毛が汚れちまったことに腹を立てた次郎は激怒して子猫を踏み殺した。

それでその子猫の母猫が叔父貴の所に泣きすがってきたのだ。

文「・・・。」

全部話終わると、文は沈黙してしまった。
そして、暫く歩くとまた質問を投げかけてきた。

文「・・・なんで叔父貴はそれ、引き受けたんですかね?」

黒「わからん、だが、叔父貴はそう言う猫なんだよ。」

そう、叔父貴はそう言う猫なのだ。

争いを好まず、猫情を大切にし、よわきを助け強気を挫く。

そう、あの土管の言葉、「任侠」そのものだ。

叔父貴はそう言う猫なのだ。

書き溜め分がオワタのでとりま今日はこれ以降更新はないと思います。

☆登場人物☆

黒ー主人公。黒猫。腕っ節が強く組でも一目置かれる存在。
胸に十字に白い毛がはえている。モデルは昔の飼い猫。

文ー主人公の弟分。腕っ節はいい方。
目が青く、虎柄。
モデルはまたも飼い猫。

次郎ー大鷲の組長。太っていて黄色とオレンジの毛並み。
モデルは近所の野良猫のボス。

コウー双竜の組長。猫義にあつい。争いはなるべく好まない。
シャム猫。モデルは今の飼い猫。

☆町の組☆

双竜組ーコウがおさめる組。組員は多くないが影響力は強い。
現行する組の中では一位二位を争うほど。
「任侠」をモットーにしている。

大鷲組ー次郎がおさめていた組。組弊害の塊のような組。
名前はそこそこ有名。
今は双竜組の傘下にある。

虎竹組ー虎と呼ばれる組長がおさめている。武闘派の組。
他のシマから追放されたチンピラが集まって作られた組。
抗争を起こし、町を支配しようと画策している。

銀獅子組ーヨウと呼ばれる組長がおさめている組。
シマの広さは双竜組よりも少し多い。
組員はそれなりに多い。


他は未定。あと、猫の名前を募集。

>>19

あ、はい「任侠」です。

時間帯って言ってもこの時間帯くらいしか出現できないしなぁ。

うえのは書くとこ間違えた。スルーしてくださいはい。

【反社会勢力は外国人で組織されています】

外見は我々日本人と変わりませんが、構成員の大半が帰化や通名の極東アジア出身者達です。
同和出身者が半島由来というのは周知の事実ですが、驚愕すべきは次の一点に尽きます。
彼らは何百年も日本で暮らしながら決して同化する事なく、日本への反抗心を忘れません。
日本人に対する暴力行為や、ひいては殺人は英雄的行為と教育しています。
暴力団、街宣右翼、愚連隊、闇金融、裏カジノ、裏風俗、芸能マスコミ関係すべて同系です。

vシネマなどで美化した「任侠物」は、『幻想』に過ぎません。
極東アジア出身の彼らは、非常に

   『『『貪欲』』』です。

金銭の為ならば、仲間を売り義理人情など皆無。拉致監禁、殺人すらいといません。

皆さん、歪曲された幻想に惑わされないで下さい。

はっきりと言います。

彼らは敵です。排除すべき寄生虫、ゴミ以下、再生不能の廃棄物です。
諸悪の根源特亜三国と国交を断絶するまで戦いましょう。和を尊ぶ理知的で平和な日本を取り戻しましょう。
日本国は我々日本人の祖国なのですから。

>>24
すいませんが意味がわかりません。

他の方の言ってるこうしたほうがいいよと言うのは為になります。

しかし、あなたのいっている事は全く持って意味がわかりません。

まずこれは「作り物の世界である」ということを前提に置くのと、彼らは「猫」であると言う事を理解してもらえますでしょうか?

今回の失敗を踏まえて「ss」としてこの話を改変して別スレに書いてみようと思います。
今回、酒場などで言われた事をふまえて書いてみようとおもいます。

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