モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」 (34)


――船上


凛「うん、今年のバレンタインは泰葉についてたんでしょ?」

P「おう。そりゃあ、まあそうだが……。先輩には敬語使えよお前……しかも年上」

凛「プロデューサーにも使ってないのになんか変かなって」

P「……他所では大丈夫なんだろうな?」

凛「そこはきっちりするってば」

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P「ううむ……あの時のことなあ……」

凛「何かあったの?」

P「いやあ、さ」

凛「む。何かあったみたいだね……?」ジト

P「……途中で感極まって止まらなくなるかもしれんぞ」

凛「…………ま、いいんじゃないかな」

P「じゃあとりあえずスナップ見せるか」スッ

凛「えっ持ち歩いてるの?」

P「これだこれ」

http://i.imgur.com/cwOYGVW.jpg

P「いいだろ」

凛「いいね、蒼いし」

P「そうだろうそうだろう」フフーン

凛「……」

凛「にしても、結構大胆な衣装なんだね。私はこんなの着たことないな」

P「そういえばヘソ出したことないな。水着撮影の時だけか」

凛「そうだね。でも、ちょっと羨ましいかも。『アイドル』って感じがする」

P「そうかそうか、泰葉が聞いたら喜ぶな」

凛「……あまり言わないでよ?」

P「考えておくよ」

凛「もう……」

P「ちなみに他の子と比べてみると分かりやすいんだがな……」

http://i.imgur.com/I9cxXYQ.jpg

凛「……? どういうこと?」

P「泰葉が一番露出が多い」

凛「…………」ジトー

P「……他意は無いぞ?」

P「さて、バレンタインのイベントって言ったってなあ……。どこから話せばいい?」

凛「どこからって?」

P「チョコを準備した時か、イベントの最中のことか、バレンタインにあったこと全部か」

凛「全部って」

P「泰葉との会話はほぼ記憶してると思う」

凛「……その記憶力、何かに使ってる?」

P「じゃなきゃこれだけの人数プロデュースできないさ」

凛「……えっと、じゃあ一応、全部で」

P「よしきた」

P「じゃあまずはチョコ準備するところから始めるか」

P「これがその時に撮ったオフショットな」

http://i.imgur.com/YzchuDi.jpg

凛「わっ、私服の写真まで残してるんだ」

P「もちろん。去年のアニバーサリーで撮ったしぶにゃんこまでバッチリだ」

凛「それは捨てて」



『いつも応援してくれるみなさんに、私たちから感謝の気持ちを伝えるバレンタインイベントです。楽しみですね』


P「――って、言っててな」

凛「手作りのチョコ配るって凄いよね。私もチョコ配るイベントはやったけど、さすがにそんな用意はしてなかったよ」

P「NGで開催したイベントだったな。あれも大盛況だったが、これは本気の手作りだからな」

凛「『手作り』なんて銘打っても本当かどうかなんて分からないし、疑ってるファンも結構いたりして」

P「プレミアなんてもんじゃあすまない。しかし、あれだけの数を本当によく作ったもんさ」



『あまり料理の経験はないのですが…がんばります』

      『エプロン姿…少し慣れませんね』

  『手際が悪くてすみません…。慣れていなくて…』


P「――なんて何度も言ってたよ。溶かして固めるのが主な作業だが、湯せんってなかなか難しいしな」

凛「でも結構周りからは頼りにされてたんだよね?」

P「ん、まあな。他の子に言わせてみれば――」


――――

清美『いいですね。泰葉さんの丁寧な作業はとても美しいです』

乃々『なんだか岡崎さんの姿が眩しいです…前からでしたけど…』

フレデリカ『ヤスハちゃん、上手~!全部交換する?しないかー』

――――


P「ってことらしい」

凛「フレデリカ……」

凛「でも、謙遜っていうか……本当に真面目に、ストイックにやってるんだろうね」

P「そういうとこは是非とも見習ってくれ。凛なら言うまでもないと思うがな」

P「ストイックっていうと、本当に凄い覚悟背負ってたな。泰葉は」


『あまり料理経験はありませんが、満足のいくチョコを作れるまで今日は帰りません』


P「――なんて言っててさ」

凛「すごいね。口に出していうのって大変なんだよ?」

P「本当に本気だったらしくてな」


『私は泊まりこんでもいいくらいの覚悟です…!ほ、本気ですから…!』


P「――って」

凛「かわいい」

P「かわいいよな」

P「まあ、やっぱり作るのも大変だったワケだ」


『きゃっ…!すみません…チョコが付いちゃいました…』

『熱っ…!あ、すみません…溶けたチョコって意外と熱いですね…気をつけないと…』


P「なんてな」

凛「なんか新鮮かも。泰葉っていつも落ち着いてるイメージ」

P「そうでもないぞ。この間もうつらうつら眠そうにしてた」

凛「へえ、ちょっと見てみたいな」

凛「熱い……って、ちょっと舐めたりしたのかな」

P「いや?」


『な、舐めたりは、はしたないですから…しません。美味しそうですけど…しませんっ』


P「――とは言ってたがな。揺らいではいたが、まあ芯の強い子だ」

P「凛もチョコ作りながらつまみ食いなんてしないよな?」

凛「え? う、うん。そうだね……」

凛(もう味見なんてこりごり……!)


『チョコが溶けて…とろとろしてます』


P「――なんて、かなり楽しんでたよ。集中してて無口ではあったけどさ、表情が笑ってたんだ」

凛「ふーん、プロデューサーよく見てるね」

P「そりゃあな。でもどうにも見過ぎてたようだ」


      『あの…あんまり顔を覗かれると…集中できません』

『あの…あまり顔を覗かれると…気になるのですが…どうかしましたか?』


P「って言われた。何回も言われたし、よっぽどだったらしいな」

凛「ふーん?」

P「でもそこは流石だった。すぐにまた集中モードに入っていくんだ」


『このまま少し作業に集中しますね。Pさんが話してくれたらうれしいです』


P「――って」

凛「ふーん……?」ジトー

P「ぽつぽつだけど、いくらか自分のことも話してくれた」


『小さい頃はドールハウスを使ってままごとで遊んでたんです。ささやかな楽しみでした』

『昔は…周りは大人ばかりでした。でも今は事務所にも学校にも友だちがいます』


P「ってさ。以前はやっぱり、厳しい世界だったんだな。うちが特殊なだけかもしれんが」

凛「仁奈やみりあは幸せ者だね。楽しく競い合えるって、心から幸せだと思う」

P「ああ。何人かは学校も一緒だし」

凛「私も……『今』、アイドルやれてることが幸せなのかな」

P「だな」


『Pさん、私…変わったと思いますか?』


P「なんてことも聞かれた」

凛「泰葉、本当に明るくなったね。最初こっちの事務所に来た時とは大違い」

P「ん、そうだな。『最初から魅力的だった』って言ってやったが」

凛「…………」

P「み、皆そうだろ」

凛「ま、いいけど」

P「ま、まあいいだろそこは。イベント中の話にするか」

http://i.imgur.com/sGsPuwG.jpg

P「な、すごくいい表情だろ?」

凛「だね。……私もこのくらい笑えたらな」

P「いつか笑えるさ。それとも何か悩みが……!?」

凛「ううん、本当に一つもないよ。安心して」


『私を応援してくれる人がいるから…がんばれるんです…』

『ラッピングも私がやりました。最後まで気持ちを込めたんです』

『ファンのみなさんが喜んでくれることが…私は嬉しいです』


P「――って言っていてな。アイドルとして見習うべき部分は多いぞ」

凛「だね。どうしても素っ気無くなっちゃうことが多いし、私もしっかりしないと」


『衣装に身を包むと緊張しますが…がんばります…!』


P「――なんて言いながら、しっかりやりきるから凄いよまったく」

凛「ん、ちょっと待って。ラッピングまで全部やったの……!?」

P「俺も見てたけどさ、本当に凄いだろ? ――あ」

凛「え、何?」

P「秘密にしておくように言われてたわ……」

凛「もう……」

P「でもな――」


『たくさんあって大変でしたけど、ファンのことを想いながら作業をしてると手は抜けませんからね』


P「って言ってたことは伝えたくてさ」

凛「アイドルの鑑だね……」

P「誰だってファンになるよな、こんなの」

P「そう言いつつ、他の子から学ぶところは貪欲に学んでいくんだよ」


『清美ちゃんはファンの人たちとの交流が上手ですね。私も見習わないと…』


P「とか」


『私もフレデリカさんみたいに…もっとかわいく衣装を着こなしたいですね』


P「とかな」


凛「本当に立派……今度から敬語使おうかな」

P「俺にもな」

凛「考えておくね」

P「でも、結構苦手なことなんかが結構あってな」

P「結局、チョコは――」


『チョコはいろんな形なんです。け、決して不器用と言うわけでは…』


P「って感じだし」

凛「ごまかそうとすることもあるんだね。ふふ、やっぱりちょっとかわいい」

P「会場入りの時ちょっと転びそうになったしな。でもやっぱり頑張り屋だ」


『………い…いぇいっ…!………………す、すごい盛り上がっています…!』


P「――って。頼みはしたが、本当にやってくれるとは」

凛「わ、私には無理かも……」

P「いや、もうホントにかわいいんだこれが!」

凛「うわ、急にエンジンかけないでよ」

P「フレデリカと取り合いになったぞ!」


――――

フレデリカ『ヤスハちゃん、かわいい~!チョコよりあっち食べたい☆』

フレデリカ『おとなしい子って、かわいいよねー。プロデューサーには渡さないから☆』

――――


P「ってな。もちろん一歩も引かなかった」フフーン

凛「食べたいって……」

P「でも泰葉は嬉しいこと言ってくれるからな、俺に」

凛「分かったから強調するのやめようよ」


『Pさんがプロデュースしてくれるから…私は安心できるんですよ。ふふっ…』

『お仕事の時にPさんが一緒にいることも、落ち着くんです。安心するというか…』


P「ってな! プロデューサー冥利に尽きるってもんだ!」

凛「……そう」

P「これまだ一部だからな……?」フフ

凛「……そう」


『間近で喜んでくれる人が見れると、私は間違ってなかったんだなって…思えるんです』

『気持ちが伝わると、こんなにも心が晴れやかになるんですね』

『Pさん…私、アイドルになれて…本当に…良かったです…』


P「とどめにこうだよ! やっぱ『アイドルになってよかった』ってのは俺には最高の褒め言葉でもあるからな!」

凛「私も、いつも思ってるよ」

P「そうかそうか!」ハッハッハ

凛「…………」

凛「で、本題はここからなんだよね?」

P「そうだ。イベントの帰り道だな二人で色々話しながら、こう――」

凛「む、詳しくお願いね」

P「ああ、もちろん」

P「本当に色々話してくれたよ」


『そういえば…家族にも楽しそうと…最近は言われます…』


P「とか。昔は疲れた様子が多かったらしい。そういうの聞くとやっぱり嬉しいよな」

P「凛はどうだ? 俺の変な話とかしてないよな?」

凛「どうだろうね?」

P「えっ、やめてくれよ。心当たり結構あるわ」

凛「大丈夫。プロデューサーなら心配することないでしょ?」

『学校は…楽しいですよ。仕事とは違う経験ができますし、それに学業は疎かにしたくありません』


P「とかな。立派だよまったく」

凛「わ、私も学校頑張ってるからね?」

P「分かってる。NGはなんだかんだ皆成績いいもんな」

凛「う、うん。そうだね」

凛「それより、たしか泰葉って学校帰りの時は眼鏡かけてたよね?」

P「勉強するときだけらしいぞ。実は形から入るタイプだったりしてな」

P「もちろん過去のこともいくらか話してくれた」


『アイドルは…私の憧れでした。いつも明るくて楽しそうで…そんな姿を、昔から見ていました…』


P「子役やモデル業がメインだったとは聞いてるが、アイドルへの憧れは昔からあったんだな」

凛「責任重大だね、プロデューサー?」

P「無論やるだけのことをやる。少なくとも今お前のいる場所までは連れて行くつもりだ」

凛「ふふ、私も気をつけないと。うかうかしてられないね」

P「泰葉は凄いぞ?」

凛「負けてられない」

P「それで、ふっと、こう――」


『あの…バレンタイン、ですから…。ファンだけじゃなくて…これは…Pさんのためのチョコを…』


P「もらったよ。ブラウニーだ」

凛「ふーん……?」

P「実はまばらに人もいたんだけどさ」


『子供の頃から忙しくて…遊ぶ時間はありませんでした。だから…今はわがまま…いいですか?』

『Pさん…今日一日このまま…付き合ってください…。い、いいですよね…?』


P「……ってな」

凛「う、そんなの……ずるいよ」

P「さ、この話はやめだ。なんか泣きそうになってきたしな」

凛「泰葉、本当に強敵……」

P「そりゃどの意味だ? ……ま、芸能人としては頼れる先輩でもあるぞ」

P「でも、アイドルとしてはそう長いワケじゃあない。お互い意識しあえるなら、まあ今のままいいんじゃないか?」

凛「うん。私、これからも走り続けるよ」

P「おう。熱くなったけどさ、俺はアイドル皆大好きだ」

P「だからさ、限界超えて輝いてほしいんだ」



P「泰葉のこと、引っ張ってやってくれ」




P「――アイドルの先輩として」

凛「うん、分かった」


泰葉は長崎で生まれました。ちひろの人形じゃありません、我らのアイドルです。
しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です。
声付きがお好き? けっこう。ではますます好きになりますよ。さぁさぁ、どうぞ。泰葉のアイプロです。
最高でしょ? んああぁ、仰らないで。
ボイスマークが無い。でもマークなんて見かけだけで、じきにつければ問題ない。
投票権もたっぷりありますよ。Twitterでも大丈夫。どうぞ入れてみてください。
いい子でしょう? 声付きも遠くはない、興奮が違いますよ。


メモリアルアイプロを全力で楽しんでいただきたいので、これでも肝心なところは抜かしております。画像とか


前作と泰葉関連の過去作をいくらか、タイトルだけ挙げておきます

モバP「お、これは泰葉のファイルか」
モバP「もふもふやすは」
モバP「泰葉が本気出した」
泰葉「岡崎泰葉の、オープニングトーク」

ただしクオリティはもれなく酷い

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