若里春名「うわあああっ、今日のロケ弁ステーキ入ってるぅぅっ!!」 (54)


High×Joker
http://i.imgur.com/5wy9XoB.jpg


隼人「なに言ってんだよ、そんなことあるワケ………………うわあああああああっ!! マジでステーキ弁当だぁぁぁ!!??」

四季「マジッすか!? 夢じゃないっすよね!? スペシャルな幻覚じゃねーっすよね!?」

春名「待て、おおおお落ち着けけけけぇぇえぇ……!」

隼人「そ、そそそそうだな、おおおお落ち着こう」

四季「く、クールに決めるっす……!」

春名「よーし、冷静に確かめようぜ」


旬「この肉、松坂牛のA5ですね。このボリュームは中々見ませんが」


春名「まつざかぎゅううううううううううっ!!!???」

四季「えーごぉぉぉおぉ!? イングリッシュゥゥゥ!!!??」

旬「英語、じゃなくてAの5です。最高ランクってことですよ」

春名「はっはっ…………はっ……はっ、はっ、は……!!」

隼人「ヤバい! あまりの衝撃にハルナが過呼吸になってる!!」

夏来「大変だ……このビニール袋で……息をして」

旬「なにをそんなに騒いでいるんです……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417852749


四季「ブルジョワジーなジュンっちにはわからねーかもしれないっすけど!! オレら庶民はめったにジョートーな肉なんか食えないんすよ!!」

隼人「オレなんか松坂牛をつい最近まで想像上の生物だと思ってたんだからな!!」

旬「そ、そうなんですか…」

春名「は……っ、は……っ、待て、……控室はここで合ってるんだよな?」

夏来「315プロの人は……ここだって言われたけど……」

春名「そうか……よし……よし、よし。弁当だけ部屋を間違えてたとかそういうのは無いよな?」

旬「どこまで心を揺らされているんですか……。落ち着いてください、お弁当のことで高校生にもなって騒いで。事務所の大人たちに見られたら笑われますよ」

隼人「そ、そだよな、うん」


「315プロの控室はこちらでーす」



薫「失礼する」ガチャ

輝「お、高校生諸君! 早いな!」

翼「あっ、ロケ弁がありますよ」


輝「うわああああああああああぁぁぁぁっ!!!??? ステーキ弁当だとぉぉぉおおぉっ!!!」

翼「ままままま松坂牛ですよ輝さんんんんっっ!!!!??」

旬「」


DRAMATIC STARS
http://i.imgur.com/WQKeKmZ.jpg



隼人「ほらーっ! 大人でもびっくりしてるだろーっ!? あーいう反応が正しいんだって!」

旬「えっ……そ、そうなのかな。いや、違う……間違ってるのは僕じゃないはず……」

夏来「ジュン……」


薫「天道、柏木。よさないか、たかが弁当ごときに年甲斐もなくはしゃぐな」

輝「うるせいっ! こんな上等な肉、弁護士時代にも食ったことねぇんだよ!! 医者だったお前はさぞ上等なもんばかり食ってたんだろうけどなっ!」

薫「いや、研修医時代の食事は栄養補給の役割しかなかったぞ……頻繁に高級店などに出向けるものか」


翼「た、食べていいんですかね? コレ……」

春名「そ、そうっすね。控室にあるってことは俺らの分ってことですよね」

四季「あっ、タンマ!」

輝「うん?」

四季「ステーキ弁当……よく見たら3つしかないっす!! 他は普通の仕出し弁当っすよ!?」

隼人「な、なんだってーっ!!」

輝「どういうことだ……っ!? こんな……ウソだろ?」

ワロタ


薫「3つしかないということは別に注文をつけた誰かがいたのではないか?」

四季「えっ!? オレらの分じゃないってことっ!?」

輝「お前らは5人組……少なくともお前らのじゃないだろうな」

春名「いいいいや! 可能性はまだあるはずだっ! 例えば、そう! えーっとえーっと……」

旬「春名さん、あきらめましょう」

四季「ジュンっちザンコクっすよ!」

旬「えっ?」

四季「ハルナっちはカフェパレの人達が事務所に持ってくるお菓子をいつもひそかに持ち帰ってるんすよ! 家にロクに食べるもんがないから!」

春名「あるよっ!? なに言ってんのシキ!?」

四季「ハルナっちにとっては松坂牛なんて、一生に一回エンカウントできるかどうかっていうチョーレアモノ! この機会を逃したらもう二度と食えないかもしれないんす!」

旬「そ、そうなんですか……春名さん」

春名「……よよよ、世間の風は冷たいぜ」

夏来「ハルナ……くじけないで……」ヨシヨシ

翼「じゃあ、誰のなんでしょうね?」

薫「3人分ということは、3人ユニットが注文したものかもしれんな」


輝「3人ユニットか。結構な大物じゃなきゃこんな弁当用意させないだろうし」

翼「ということは……」



ガチャ


道流「おはようございますっす! 今日はよろしくっ!」

タケル「よろしく……腹が減ったな。ロケ弁はあるか?」


隼人「あ、虎牙道」


THE虎牙道
http://i.imgur.com/xMdo2Rk.jpg


輝「ロケ弁なんだけどよ、実は3つだけ松坂牛ステーキがあるんだ」

薫「君達がそういう注文をつけたのだろうか?」

道流「えっ、松坂牛? いやー俺たちは……」

漣「おっ、クハハハっ! めずらしくいいメシじゃねーかっ! もらうぜっ」ヒョイヒョイヒョイ

春名「!!?」


春名「ちょっ、待てよっ!!」

漣「あん?」

春名「それ虎牙道が頼んだヤツじゃないんだろ!? なに勝手に食べようとしてんの!?」

漣「ハァ? んなもんスタッフの連中がオレに気を利かせて用意したに決まってんだろ」

隼人「えっ」

漣「だからオレのもんだ。今オレが決定したっ!」

春名「おいおい……! そりゃないだろー、3つも食べる気かよっ!?」

漣「ウマそーだなっ! クハハハッ」

道流「こら、漣! その弁当は」


翼「この弁当は君のじゃないですっ!!」ドカーッ!!


漣「っ!? ぐお……っ、タックル……!?」

輝「お、おいっ翼っ!?」

薫「柏木にしては意外な行動に出たな……!」



翼「もし虎牙道のだったのだとしてもっ!! そんな美味しいお肉を独り占めはダメですっ!!」ググググ・・・!!

漣「くそっ……! キサマっ! 離れろっ!!」

タケル「おい、オマエ」

漣「な、なんだチビ!」

タケル「前から思ってたけどよ、オマエ意地汚いよな」

漣「ハァ!?」

タケル「オレのドリンク勝手に飲みやがるし、前の映画の収録の時もキャストでもないのにロケ弁食って。今日は見逃さねえぞ」

四季「おおっ! タケルっち男っす!! さっき腹減ってるって言ってたのに、レンっちみたいなことはしないんすね!」

漣「んだと……? ジョートーだってめえら!! オラッ、かかってきやがれ!!」

翼「お弁当を渡して下さいっ!」

タケル「円城寺さん、手伝ってくれ」

道流「そうだな、流石に他の人の分の弁当を食べさせるわけにはいかないしな」

漣「ナっっメンナっ!!!」

輝「おいおいっお前らっ」



ワーワー!!! テメー! オラー!!


FRAME
http://i.imgur.com/FAq6CGw.jpg?1


信玄「な、なんの騒ぎだ」

龍「目にも止まらぬ速さで暴れてる人たちが……!?」

英雄「ケンカか!?」

春名「いまちょっとたてこんでてっ!」

隼人「良かったら、あのステーキ弁当を奪うための戦いに参加してくださいっ!」

龍「え、えっ?」


四季「うわーっ!」


春名「あっ、シキがふっとばされた! 大丈夫かっ!」タタッ!

信玄「よくわからないが、ステーキ弁当を奪えばいいのか?」

英雄「どうもそういうルールみたいだな」


ウラァアアアッ!! ヨコセー!! 1コシカネーゾ!? アレー!! アソコダー!!

トッタドーッ!! カエシヤガレーッ!! ウオオオオォォォ!!!!


神速一魂
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朱雀「今日はよろしくゥ!! 気合い入れていくぜーっ!! ……ってなんだこりゃ!! 最強決定戦開催中かぁっ!?」

玄武「収録前にやるたぁ、豪気だな」


龍「うわー」ズザザザザッ!!


玄武「どうしたい、大丈夫か!」

龍「いたたた……うん、大丈夫。滑って転んだだけだから」

玄武「この騒ぎはなんなんだ? 教えてくれねぇか」

龍「ステーキ弁当の争奪戦をやってるんだよ。3つあるうち1つでも取って天に向かって『我松坂牛ヲ奪取セリ』って叫べばそのステーキ弁当をもらえるんだってさ」

朱雀「なるほどな……弱肉強食! これも男を磨くための修行ってワケか」

玄武「かっけぇ……参加しねえワケにはいかねえな。いくぞ朱雀!」

朱雀「オウッ! 神速一魂の旗揚げだぜ!!!」




――――ドゴッ!! ズズンッ!! ガンッ!! ズガガッ!!



漣「ぐうっ!? んな寝技に引っ掛かるかァ!!」

朱雀「ちいっ! まるで分厚いタイヤじゃねえか! いいガタイしてやがんな!」

翼「なんて力……っ! そして握力っ!! すごいですっ!!」





薫「……」

旬「……」

夏来「……」

薫「フィジカルとメンタルというのは好戦的なのか? それとも全員バカなのか」

旬「さ、さぁ……わかりません」

夏来「どうにかして……収拾しなきゃ……」

薫「どうやってだ。インテリの連中まで場に中てられて動いているんだぞ。しかも、いつのまにか勝利条件や反則規定まで設定された闘争になっているようだ」

旬「本当にステーキ弁当を頼んだ人たちが来てくれればいいんですが……」

薫「3人組か……」


ウラー!! オリャー!! ヨコセオラー!!!


薫「この場を収めてくれるなら、誰でもいいがな……」


…ガチャ

旬「あれ、また誰か入ってきて――」




翔真「――――なにやってるんだいっ!!! ここは収録の準備をするための控室だよっ!!! 騒ぎたいならよそへ行きなっ!!!」



びくっ!!


タケル「う……」

漣「あ……」

春名「す、すいません……っ」



キリオ「かんかんがくがく♪ けんけんごうごう♪ 火事とケンカは江戸の華~でにゃんすっ」

九郎「みなさん、なにを争っていたんですか? 廊下まで騒ぎが聞こえて……スタッフの方々が困惑していらっしゃいましたよ」


信玄「う、うむ。すまない……自分は制圧だけをしようと思ったのだが」

輝「実は、ロケ弁にさ――」



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――

――――


九郎「はい……そうですか、はい。ありがとうございました」ピッ

九郎「Beit、S.E.M、そしてJupiterは頼んでないそうです」

翔真「ふぅん、そぉ。じゃあプロデューサーちゃんのサプライズか、はたまたスタッフが勝手に気を遣ったか」

キリオ「なんとも不可解、奇々怪々ぞなもし~」

翔真「ま、とりあえず、このステーキ弁当3つは置いときましょ。食べ盛りなのは分かるけどあんな風に騒いじゃダメよ~?」

輝「そうだぞお前ら」

春名「すんませんした」

道流「はしゃいじゃったすね~。反省っすね、こりゃあ」

輝「大体レベルが低い争いだったぜ。世には3周年パーティーを豪勢に開いて煌びやかに歓談して、飲食してるアイドルがいる一方、何だお前らは! 浅ましいとは思わないのか!」

隼人「うっ、そうだ……カッコ悪いよな、こんなの」

翼(途中輝さんも争奪戦に参加してたような気が……)

英雄「しっかし、この三人前の弁当誰のなんだろうな」

薫「おおかた、別事務所に届ける予定のものが手違いでここに来てしまっただけだろう」

四季「ううぅ~、夢を見させるだけ見させて……」

春名「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかったぜ……」

タケル「気をしっかり持て」


輝「念のためカフェパレにも確認取ってみるか?」

翔真「そうねぇ……」



ガチャ


志狼「おはようございまーっす!!」

かのん「よろしくおねがいしまーっす!」

直央「あ、あの今日はがんばりましょう!」



もふもふえん
http://i.imgur.com/vqmZLcD.jpg


英雄「おお、もふもふえんか!」

玄武「よう、よろしく頼むぜ」



志狼「きょ~ぉのロっケ弁、な~にかな~♪ おっ! なお! かのん! 言ってたステーキ弁当ちゃんとあるぜ!」

かのん「ホントだ~! えへへっ! かのん楽しみにしてたんだ~!」

直央「今日は豪華だね……」



隼人「!?」

春名「な、なに!?」

さすがもふもふえん様や


輝「もふもふえん……! しまった、子どもだからと……ノーマークだった!」

薫「確かに……芸歴で考えれば、彼らはベテラン……」

キリオ「おやおやおや~みすてりぃのシンジツが近づいてきたようでにゃんす~♪」


朱雀「ま、待ちなっ!!」

直央「ひゃっ、な、な、なんですか」

英雄「待て待て、威圧するな……こうやってにこやかに聞くんだ。――この弁当お前達が食べるのか?」ニイィ

直央「ひゃぁぁ……!!」

朱雀「あんたのが顔コエーぞ!」

英雄「えっ」


翼「君達がお弁当頼んだの?」

志狼「いや違うよ」

春名「え、でも、3つあるぜステーキ弁当。それに楽しみにしてたって……」

志狼「え、3つ? 1つじゃねーの?」

かのん「それをくれるって話だったよね~?」

龍「へっ?」

薫「要領を得ないな。一から説明してもらえるか?」

志狼とありすがわちゃわちゃするSSを3本くらい書いてます

橘の人か大好きです
一応自分がわかる範囲で>>1のスレ貼っとく

橘志狼「よーしっ公園で自主練だ!」橘ありす「私たちが使う予定なんですけど」
橘志狼「よーしっ公園で自主練だ!」橘ありす「私たちが使う予定なんですけど」 - SSまとめ速報
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橘志狼「顔面セーフっ!!」橘ありす「アイドル的にはアウトですよ」
橘志狼「顔面セーフっ!!」橘ありす「アイドル的にはアウトですよ」 - SSまとめ速報
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橘志狼「ありすっライブのチケットくれ!」橘ありす「なんの冗談ですか」
橘志狼「ありすっライブのチケットくれ!」橘ありす「なんの冗談ですか」 - SSまとめ速報
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志狼「説明?」

輝「ああ、一体誰が頼んだんだ? この弁当」


麗「――――1つは、私だ」


隼人「えっ!」

旬「麗君!? ……意外ですね」

麗「あの、楽屋が雑然としているが……なにかあったのだろうか?」

四季「そのステーキ弁当のせいっすよ!! 一人だけ食べようなんて……ずるいっす! メガ反則っす!」

麗「め、メガ反則……! わ、私は禁忌を犯してしまったのだろうか……」オロオロ

信玄「落ち着け、少年」

麗「しかし、私自身が食べるわけではないのだ……許してくれ……」

夏来「え……? どういうこと?」

麗「そのステーキ弁当は都築さんに食べさせようとして、スタッフの人にお金を払って届けてもらったものなのだ……」


Altessimo
http://i.imgur.com/UWyxvQp.jpg


旬「都築さんに食べさせようとしたんですか?」

麗「そうなのだ! あの人は……いつも水、もしくは紅茶しか飲まずに活動を行っていて……いつか倒れるのではないのかと心配で……」

隼人「あー……」

麗「ロケ弁も一口すら食べないことが多く……私は危機感を募らせた」

薫「それで?」

麗「私は思った。最高の弁当ならば、都築さんも食べてくれるのではないのかと。そして松坂牛の評判が高い仕出し屋を見つけ……」

輝「今日届けてもらったってワケか」

翔真「ユニット間の絆ねぇ」

キリオ「おなみだちょうだいっ! いい話でにゃんす~!」

漣「オイ、じゃあ後2つは誰のもんなんだよ」

麗「そうだ、おかしいな……私は都築さんの分1つだけをスタッフの人に頼んだのだが」


圭「頼んだのは、僕。それでステーキ弁当は3つとも、もふもふえんのものさ」


麗「都築さん! 来ていたんですか!?」


道流「3つとももふもふえんのものって……どういうことっすか?」

圭「ふふっ、ごめんね……神楽くん。あの後僕も後からスタッフさんにお願いしたんだ。サプライズでステーキを食べさせてくれようとしたんだろうけど、知っちゃっててゴメン」

麗「え?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


麗「では……よろしくお願いします」

スタッフ「はい、お任せください」

圭「なんの話をしてるの?」

麗「あ、いや! 今日の収録を手伝ってくれたのでお礼を言っていたんです! さぁ、帰りましょう」

圭「ん、どうしたの? 慌てて?」

麗「いえなんでもないですっ! 先に行っています!」


スタッフ「あはは……」

圭「ねぇ、そのステーキ弁当ってどこの店なのかな?」

スタッフ「えっ!?」

圭「ごめんね。耳だけはいいからさ……聞こえていたんだ。神楽くんの心遣いにも悪いけれど」

スタッフ「そうですか……聞こえてましたか。評判が高い店ですよ。お偉いさんもよく利用している店です。きっとあなたの口に会うと思います」

圭「うーん、お肉かぁ……」

スタッフ「松坂牛ですよ! 食べてあげてください」


志狼「え、マツザカギュー!? なんの話!?」

直央「し、しろうくん、割り込んじゃダメだよ……」

圭「やあ、キミ達。お仕事終わり?」

かのん「うんっ! 今日もがんばったよー!」


圭「そうだ……次の315プロでの収録みんなでいっしょにやるんだったね。その時キミ達にステーキ弁当あげるよ」

志狼「えっ! ホント!?」

圭「うん……松坂牛も、きっとその方が喜ぶよ」

志狼「やったー!!」

直央「いいんですか?」

圭「僕は水さえあればいいから……」

直央「大丈夫なんですか……それ……」

志狼「やったな! 楽しみにしてようぜ!」

かのん「うんっ!」




圭「……ゴメン、ステーキ弁当2つ追加で。ああ、麗君が払った分も僕が出しておくよ」

スタッフ「えっ?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


圭「もふもふえんは3人だろう? 育ち盛りだし、一人一つの方がいいと思ってね、合計3つになるように頼んだんだ。そうだ、麗君が払ったお金返すよ」

春名「そういうことだったのか」

麗「……圭さんが食べなければ意味が無いんですよ」

圭「いやぁ、僕は」

麗「お金は受け取れません! 私は都築さんに食べてもらいたくて頼んだんです!」


翔真「そうね。食事はきっちり摂りなさいな」

薫「栄養失調の危険があるぞ……」

圭「ん……食べた方がいいのかな、やっぱり」

麗「食べてください!」

圭「神楽くんの心配りはとってもうれしいけれど……食べたいって気持ちが僕、欠けてるみたいなんだよね。水さえあればいいし」


信玄(少し人間離れしたところがあると思っていたが……)

英雄(本当に人間かこの人)


圭「だから……僕よりもきっと子どもに与えた方が」

麗「むむむ…………」


かのん「ね、ね!」チョンチョン

圭「ん?」

かのん「はい、あーん!」

圭「っ?」パクッ


麗「あっ」

朱雀「おっ、食べた」

輝「うわぁぁ、何て柔らかそうな肉なんだ!」


圭「……」モグモグ…ゴクン

かのん「えへへっ? おいしかった?」

圭「これは――“con forza”」

かのん「えっ?」

圭「心を焦がすような……おいしさだった。ありがとう、姫野くん。そして……麗くん。この味と出会わせてくれたことに感謝するよ」

麗「えっ!」

圭「そっかぁ、食べてみるものだねぇ。ありがとう、ありがとう」

麗「いえ、そんな!」

圭「麗君にも一口あげて」

直央「は、はい! どうぞ! あーんです!」

麗「い、いや、私は――はむっ!」

麗「――これは……!」

圭「おいしい?」

麗「は、はいっ!!」

圭「そっか……」

かのん「えへへ、よかったよかった!」


春名「――」アーン

四季「――」アーン


志狼「うわっ!? にーちゃんたちなんで口開けてんだ!?」

すいません、あとは終わらせるだけなんですが、急用が入ったので中断します


夏来「ハルナ……シキ……」

旬「ひな鳥ですか、あなたたちは」

輝「あのさ……食べきれるか?」

直央「えっ?」

隼人「量が多かったら言ってくれよ。オレ達が食べるの手伝うから」


薫「…………見苦しい。アイドルとは思えんな」

輝「うるせいっ! 男なら一生に一度のチャンスにやれることはゼンブやるもんだろうがっ!!」

九郎「しかし男らしさの対極をいっているような気がするのですが……」


かのん「お肉食べたいの?」

圭「そうみたいだね」

春名「……いつもはこんなんじゃないんだ」

麗「む?」

春名「こんな浅ましい真似はしないんだ。……でも! 今回ばかりはみっともない姿を晒しても肉を求めずにはいられないっ!!」

四季「わかるっす、わかるっすよ。ハルナっち!」

春名「1枚250g、6800円なり……それが松坂牛サーロインステーキ。なんだよ、それ本当に人間の食べ物なのかよ……一体、その魔性の味で! どんだけの人間を堕としてきたんだっ!」

旬「春名さん……こわれました?」



翼「幻、夢の存在……そう、その味はアイドルの輝きといっしょなんだ」

薫「柏木?」

輝「だからこそオレ達は求めて……そして対峙しなきゃいけねぇ」

信玄「ど、どうした」

隼人「そう、証明しなくちゃいけない……松坂牛だろうと、A5だろうと、サーロインだろうと、箸で切れるほど柔かかろうと、ガーリックの香りが食欲を煽ろうと……アイドルは負けないってことを」

四季「ああ、そうさ! オレ達は食ってみたいんじゃない、勝ちたいんだ!」

春名「幻の高級食材だろうと……負けないってことをみんなに示したいんだ!!」


「「「だって……おれたちはアイドルだからっ!!!」」」




翔真「アレは気にしないでおあがりなさい」

志狼「いっただきまーすっ!!」


春名「おいっ!! 聞いてくれよ!!」



朱雀「うおおおっ!! カンドーしたぜっ!! お前らそんなことを思ってアイドル道を突き進んでんだなぁ!!」

タケル「そんなに感動するか?」

漣「……チッ、みっともねェな……!」

道流「いやー、でも漣は少し見習った方がいいかもな。食べたいんなら、食べたいって言えよ?」

漣「ば、バカッ!! 誰が……」


かのん「じゃあねぇ……みんなでわけよっか!」


隼人「えっ! ホント!?」

志狼「おい、かのん!?」

かのん「みーんなで食べた方がきっとおいしいよ~♪ おともだちのしるしっ!」

直央「そうですねボク、収録前だと緊張してあんまり食べれないので……よかったら」

翔真「あれま、いいの?」

かのん「うんっ!」

志狼「えーオレ、ガッツリ食いてー」

直央「し、しろうくん、そんなこと言わずに」

漣「らーめん屋が、代わりにラーメンおごるってよ」

タケル「コラ、円城寺さんなんにも言ってないだろ。大体そんな交換条件で……」

志狼「えーっ! ラーメン!? やったー!」

漣「クハハハッ! 11歳チビはOKみたいだぜ?、17歳チビよぉ?」


道流「タケル、まぁいいよ。ラーメンを食いたい人がいるならいつでも食わせてやりたいしな」

タケル「……わかった、円城寺さんがいいなら」

かのん「お箸で切れるから……みんなで分けよ!」

玄武「Altessimoが食べた分は目算で、合計87g。ステーキ自体は1つ250g、3つで750g。現在肉の総量は約663g」

薫「今この場には24人いるわけだが……」

圭「え、僕は我慢するよ。さっき一口貰えたし」

麗「ダメです。もともと都築さんのために注文したのですから!」

圭「んー、そもそもお肉がここにあるのは君の功績なんだし……君こそもっと食べていい様な」

玄武「じゃ、24人でもういちど663gを分けるとしよう。数字じゃ一人当たり27.625gか」

旬(暗算速いですね、この人……)

春名「27gのめくるめく天国……」ゴクリ

龍「切り分けが重要ですね! オレの分だけ小さいとかなしでお願いしますよ!」


テメー!! ソッチノガデカクネ!? キノセイダ!!

コウカンシロー!! オナジダッツッテンダロ!!! シズカニシロー!!


ワイワイ ギャーギャー!!


――

――――


英雄「よし……みんな行きわたったな……?」

春名「うーっす……」

信玄「ずいぶん騒いだな……1ミリの大きさを主張し合って……」

タケル「コイツが……」

漣「オレはテメェらの節穴を教えてやっただけだ」

輝「もうケンカすんなお前ら!」

朱雀「いつかケリつけるぜ……!」

薫「…………むぅ」

旬「どうしました?」

薫「いや、こんな連中とこれから共に歩んでいかなければならないと思うと少し気が滅入っただけだ」

夏来「でも……オレ、こんなの嫌いじゃない……」

薫「……どうやら君は僕と同じ症状のようだな…………」


翔真「はやいとこ食べちゃいましょ。後から来る子達の分まであるわけじゃあないんだから」

直央「そうですね……でも、ボク達だけ悪い気がしますね……」

翔真「ボウヤが気にしちゃダーメよ。早く来た人はそれだけ得をする。きっとこれは大事な決まりごと」




志狼「もうすでに一口サイズだしな。これ以上は分けんのムリだろ」

直央「そっか……」

キリオ「鬼の居ぬ間にこしょっと咀嚼~でにゃんす~」


圭「……ん、足音聞こえる。三人分」

隼人「えっ!?」

龍「こ、これは早く食べた方がいいですよっ!!」

九郎「悪いことをしているようですね……」

薫「だがもう肉での争いなど起こしたくない。事態を収拾してしまおう」


志狼「よーっし! みんなー手を合わせてっ! “いただきますっ”!」





――――いただきますっ!!


――……


冬馬「お前ら! 気合い入ってっか! 今日は十分に……!」ガチャ!

翔太「ってあれ? みんなどしたの?」

北斗「にへら~って顔して」





輝「いや~何でもないぜ……ぎゅう」

隼人「今日はみなさんよろしくおねがいします……ぎゅう」

冬馬「ぎゅう? なんだテメェらのその語尾は……」

春名「なんでもありません……サー」

四季「テンションメガマックスでいくっすよー!! ……ロイン」

冬馬「だあっ! なんか変だぞお前ら! あぶねぇクスリでも打ってんじゃねぇだろうな!?」


薫(言語野の異常か? ……どれだけ松坂牛が衝撃だったんだ)

旬(負けないってことを証明したいって言った割には完膚なきまでに叩きのめされてるじゃないですか……)


冬馬「ってか、オレ達に確認してきた『特別な弁当』っての、誰のかわかったのか?」

輝「おう、もう解決した。収まるところに収まったぜ……ぎゅう」

冬馬「そうか、それならいいんだけどよ……」

隼人「打ち上げかなにかでまたみんなでどこかに食べに行けたらいいなぁ……エーゴ」

翼「これからきっとその機会もありますよ……シモフリ」

翔太「なにそれなにそれっ? 喋りの後にそういうのつけるの流行ってるの!?」

夏来「流行ってるわけじゃ……ない……」

信玄「正気に戻れお前達」



志狼「うまかったな~~~」

かのん「うん、舌でとろけたよ~~すごく不思議な幸せの味~」

直央「うん、とてもおいしかった……! もう一度食べたいね」



冬馬「なんか気が抜けてるぞ!! バシッとしろ! これから315プロの輝いてる姿を刻みにいくんだからな!」

北斗「あ、プロデューサーさんから連絡。残りの面々といっしょに向かってて、もう来るってさ」

冬馬「よーっし! 燃えていくぜ」

春名「こんがりファイヤー!!!」

四季「でも今度はレアで食いたいっすー!!!」

冬馬「よし……わけわかんねぇ掛け声だが、すげえ気合いだ……」


旬(この人達といっしょに、どこまでいけるんだろうな……)

薫(不安は多い。多すぎるが……)



旬「どんな景色が見えるのかはちょっと楽しみです……ぎゅう」

薫「それには、同意を示そう……ぎゅう」

旬&薫「あっ」



翔太「みんなどうしたの? ほら、ロケ弁があるよ! いっしょに食べよっ!!」



完!

終わりっ! SideMはバカをさせやすくてとてもいい

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