ハナビ「今日も姉さまの部屋から喘ぎ声が聞こえる…」(15)

ヒナタ「あっあっ。ナルトくん!ナルトくんっ!」

ナルト「はぁはぁっ…いいってばよヒナタ!」パンパン



ハナビ「隣の部屋にわたしがいるのを忘れないでほしいですね…」

翌日


ハナビ「姉さま、お話があります」

ヒナタ「どうしたの、ハナビ?」

ハナビ「夕べもお楽しみだったようですね」

ヒナタ「!?み、見てたの?」

ハナビ「見るも何も、私の部屋は隣です。耳を塞いでいても聞こえます」

ヒナタ「ご、ごめん。声、大きかった?」

ハナビ「丸聞こえです」

ヒナタ「あぅぅ…」

ハナビ「姉さま。若い男女が付き合っているのですし、別にするなとは
     言いませんが、もう少し場所を考えてください」

ハナビ「言いたくありませんが、父上も百眼で覗いておられました」

ヒナタ「ええっ!?」

ハナビ「しかもわたしが気付いていないとでも思っているのか、姉さま
     たちの交わいを肴に、そ、その…一人で慰めていますし」

ヒナタ「そ、そうだったの…全然気付かなかった」

ハナビ「だいたいどうしてナルトさんの家に行かずにここでするんですか!」

ハナビ「うちが日向一族だと姉さまは分かってるでしょう?みなに百眼で
    覗かれまくってますよ!」

ヒナタ「そ、それは…」

ナルト「そんなの、見せつけるために決まってるってばよ!」ドロン

ハナビ「な…」

ヒナタ「ナルトくん!」

ナルト「すまねえな、ヒナタ。今まで何も言わなくて」

ヒナタ「ううん。ナルトくんのためなら私、どんなことだってやれるから…」

ハナビ「ど、どういうことです?説明を要求します」

ナルト「どうもこうもねぇ。ネジと約束したからな。日向を変えてやるってな」

ハナビ「ネジ兄さまと約束?」

ナルト「ああ」

ナルト「中忍試験のとき、ネジは俺に言った。自分は籠の中の鳥だと」

ナルト「そんで運命はあらかじめ決まっている。変えられねえと」

ハナビ「……」

ナルト「俺ってばそんときあいつに、『そんなことはねぇ。運命は変えられる』
    って啖呵切ったんだ」

ハナビ「覚えています。しかし、それがどうしてこの家で姉さまと交わる必要
     になるのか」

ナルト「それは、この家の人間が全員、心の中を曝け出さねえからだ」ドン!

ハナビ「!?」

ナルト「ヒナタと付き合うことになって、俺ってばこの家に挨拶に来た。
    そして、ヒアシにネジの事も聞いた」

ハナビ「えっ…」

ナルト「あいつってば、自分の父親が宗家に殺されたと思い込んでた。
    実際はそうじゃなかったのにな」

ナルト「だから、あんなにまでも運命を信じ込んでた。だから、あんなにも
     絶望して、達観してた!」

ハナビ「そんな話を、父上が…」

ナルト「まぁ、最終的にはヒアシがネジに過去の事を話して謝ったみたいだけどな。
    そんで、あいつは宗家を恨むのをやめ、自分の人生をまっすぐに歩み始めたんだ」

ハナビ「そうだったのですか…」

ナルト「けどな」

ハナビ「?」

ナルト「最初っから腹割って話してたら、もっと早くにあいつは別の生き方が
     出来てたかもしれねえだろ」

ハナビ「!」

ナルト「そのことをヒアシに話したら」


      ヒアシ「かもしれぬな…」


ナルト「って、また達観したような顔でそう呟いたんだってばよ」

ハナビ「し、しかしネジ兄さまもまだその頃は幼かったでしょうし、
    分家が宗家を恨んでいても不思議ではありません。
    そんな話、すぐには信じてもらえたかも…」

ナルト「だからだ」

ハナビ「!?」

ナルト「だから、まずはその宗家と分家の隔たりっって奴を取っ払う
    ためにも、まっすぐ相手の言葉を信じられる絆が必要だと思わねぇか」

ヒナタ「そうだったんだ!ナルトくん。だから…」

ナルト「おう!ここの連中は百眼持ってるからって、他の人間の事全部
    分かったような顔になってるからな」

ナルト「でも、じっさいに会ってみねえと、実際に話してみねえと分かんねえだろ!」

ナルト「俺んちにヒナタが来て二人でいちゃいちゃしても、それは日向には伝わんねぇ」

ナルト「ありのままの俺たちを見てもらわなきゃ、ネジと約束した日向を
    変えちゃあいけねぇ!」ドン!

ハナビ「だ、だからといってヒナタ姉さまの痴態をそんな風に皆に見せるなんて」

ナルト「ハナビ、お前の布団、湿ってたよなぁ」

ハナビ「なっ!?」

ナルト「俺ってば影分身をこの家中に忍ばせている。もちろんお前の部屋にも」

ハナビ「そんなっ!?」

ナルト「お前ってば俺たちのsexにしか興味なかったみたいだからな。俺が
     お前の部屋のこけしに変化してたのに気付かなかったろ」

ハナビ「え、ちょっと…こ、こけし!?まさか…」

ナルト「へっ……なかなかのキツさだったぜ」

ハナビ「し、死んでくださいっ!」シュシュン

ナルト「ぐぅっ!?」ザクザクザク  ボウン

ハナビ「!」

ナルト「分身だ」

ハナビ「うしろ!?」

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