咲「私たち」嫁田「結婚しました」 (528)

はじめに

・咲-Saki-スレ
・誰得俺得な咲×嫁田新婚話
・激甘
・エロ描写アリ

以上を踏まえてなんでも許せるかたのみどうぞ
以前立てたスレがエタってしまったので立て直しました

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417601113

彼、嫁田くんは私の旦那さまだ

結婚してまだ一年も経っていない新婚

とはいえ、新婚夫婦にありがちな浮わついたことはほぼ皆無に等しいかもしれない

彼はとても真面目なだから、いちゃいちゃべたべたというのをしてこなかったし

自分自身元々そういうテンションの人間ではないから

性行為に躊躇してしまう私としてはとても助かっている

嫁田くんとはお見合い結婚だった

父に会社の上司が持ってきたものだからと頼み込まれ、渋々了承したものが本当に結婚までしてしまうとは

本人である私が一番驚いている

しかし高校時代の友人だった彼と再会し、話すうちに惹かれていったのは確かだ

そう、懐かしい人物との同窓会のようなノリで、お見合いなんてすっかり失念していたほど

だからその後交際の申し込みがあり驚愕した

その後話はあれよあれよと進んでいき

今では夫婦だなんて、人生何が起こるかわからない

夕飯後の片付けをしていると、洗ったばかりの食器を取られる

私の隣に立った嫁田くんが手伝うよ、と布巾を手に笑った

二人で食器の片付けをするというのはいつもの光景だ

彼は仕事で忙しいというのに、時間が出来るとこうやって家事を手伝ってくれる

真面目で優しい人

始めは言われるがまま流されて結婚した感が否めなかったが

約一年、一緒にいて本当に大事な存在となった

今なら胸を張って嫁田くんを好きだと言える

恥ずかしいので直接的に伝えられる程の度胸はまだないんだけど…

片付けがすべて終わると、寝室に行こうと嫁田くんが私の手を優しく引いた

そう言われる時は決まっていて、体を重ねる

頻度は多くないし、一週間何もなかったことだってあるくらいのものだけど

二人きりの時間が多くない私たちにとってはとても大事な時間だった

恥ずかしいけれども、彼と肌を重ねることは嫌いではないのだ

小さく頷いた私はドキドキとする胸を抑え、彼の後を付いていった

嫁田くんに跨がった状態でキスをする

始めは軽く、それから少しずつ深くなっていく

荒々しい舌使いに翻弄されながら、私も必死で自分の舌を絡めた

キスに夢中になっていると体勢を反転され、ベッドに押し倒される

嫁田「咲は綺麗だな」

耳元で囁かれ、私の顔にカーっと熱が集まるのがわかった

そのまま耳に唇を寄せられ、熱い息が吹き込まれる

体をびくびくと揺らす私に彼は満足そうに笑うと、今度は開けたパジャマに手を差し入れ体をまさぐってきた

腰をなぞるところからはじまり、上へ上へと上がっていき、乳房にたどり着く

周りをなぞるように煽られ、ぷくりと立ち上がったところで摘ままれ引っ張られれば

堪らず私は高い声を洩らしてしまう

ぐにぐにと捏ねられ、完全に尖ってしまった乳首は次には彼の口の中に隠れてしまう

ちゅう、と長く吸い上げられ、今まで知らなかったものが押し寄せてくるかのようだ

甘い声が止まらない

咲「んあぁっ!ふっ、ぅ……やぁ……なんか、きょ、変……っ」

涙で視界が歪んでいる

今までしてきたのとは違う感覚に、どうにかなってしまいそうになる

今日の彼は何だかひとつひとつがしつこいような気がする

いつもなら、ひたすらに優しくて、案外あっさりとしたものなのに

乳房に吸い付く嫁田くんに気を取られていたせいで、下肢に伸びてきた手に気づけなかった

あっという間にパジャマのズボンを下げられ、下着の中に手が直接入ってくる

与えられる愛撫に感じすぎたせいで私の性器は既にびしょびしょに濡れていた

くちゅりと音を立てて指が入れられ、激しく動かされる

こんなに性急に求められたことなんてなかったから頭の中は真っ白だ

いく、と言う前にイかされてしまい、私は嫁田くんの腕の中でびくりと痙攣した

嫁田「気持ちよかった?」

混乱し涙を流す私の頬を唇でなぞりながら、嫁田くんが尋ねてくる

その仕草も、声もやっぱり優しくて私は何も言えず、彼の背に腕を回し抱きつくことしかできない

恐い、でも気持ちいい

こうなるなんて予想していなかった

きっとこれからもゆっくりと、嫁田くんは私のペースに合わせながらしてくれるとばかり思っていた

それでお互い満足出来ているのだと思っていたのに

伺えば普段の彼とは違う、雄の顔が私を見ている

それは目が離せなくなるほどに強い光を宿していた

余程不安そうな顔をしていたのか、嫁田くんは私と目が合うと大丈夫?と頬にキスを落としてくれた

嫁田「怖がらせたな。でもごめん、今日は我慢出来そうもないんだ」

再び覆い被さられ、唇が重なる

息継ぎも大変な程の濃厚なキスに目の前がチカチカとした

こんなすごいキスも、初めてだ

飲みきれなかった唾液が口の端から流れていき首筋を濡らす

長いキスが終わると、嫁田くんが舌を出し自身の上唇をなぞるように撫でた

キスに浮かされぼぅとしている私は、嫁田くんの一連の動作を目で追っていた

再び中でぐちゅぐちゅと指を動かされ、私は思わず背をそらした

嫁田「いつもより感じやすいな。中がびくびくしてる」

咲「あっ、あぁっ!」

仰向けで右足だけを持たれ、恥ずかしいところを見られながら慣らされているだなんて羞恥で目を開くことが出来ない

目をぎゅと閉じてはいるものの感覚は敏感で、痙攣するかのように体を震わせる

三本目の指が入ったところで抜き差しが激しくなり

私の感じるところをわざと擦られればまたしても達してしまいそうになった

しかしそれより前に嫁田くんの指が私の膣内から抜かれてしまい、それは叶わない

咲「やぁっ」

嫁田「待って、次は一緒にイきたいから、まだダメだ」

いやいやと首を振る私にもう少しだけだからと言い、入り口に熱を擦り付けられた

ぬちゅぬちゅと先で少しずつ開かれたかと思えば、力を抜いたすきに一気に奥まで挿入されて息を飲む

性急すぎて、何がなんだかわからないうちにぐちぐちと緩く揺らされ、すぐに抜き差しが速まる

咲「あっ、あっ、あんっ」

激しい動きに、私は必死に彼の背中にしがみついた

イきたくて苦しくて、ただただ混乱していると私の瞼の上にぽつりと汗が落ちてきたのを感じた

うっすら目を開けばそこには荒い息を吐きながら、私に欲情している嫁田くんの顔があった

こんな彼の顔は今までに見たことがなくて、体の熱がまた上昇したのがわかる

胸がきゅうっと締め付けられるような、愛しい痛みが甘く痺れるように広がる

無意識のうちに私は嫁田くんにキスをねだっていた

気づいた嫁田くんは一瞬目を見開くが、私に応えてキスをくれる

舌を絡ませ吸いあって、くちゅくちゅと唾液を交換したことで興奮した私の行動は大胆になっていく

戸惑いや恥ずかしかったことも忘れ、彼の腰に足を絡めて自ら腰を揺らした

唇が離れたことで顔がよく見えるのを幸いと

早くイかせて、と懇願するように涙で潤んだ目を向ければ

彼がこくりと喉を鳴らしたのがわかった

嫁田「咲っ」

咲「やぁっ、んあっ、ああぁっ」

堪らないとばかりに体重をかけられ、奥まで突き上げられる

ばちゅばちゅ、と抜き差しする音がわかるほどより激しく穿たれれば、気持ちよすぎて何も考えられない

咲「あっ、あっ…やあっ、ああんっ」

強すぎる快感に意識が朦朧としていく

私が善がるたび中にいる嫁田くんの性器が質量を増し、確実にいいところばかりを狙ったように突いてくる

もう無理と首を横に振りながらもいやらしい声をあげ続ける

ただでさえ激しいのに、今度は中を回すように動かれ奥を侵されて、流石にもう限界だ

咲「いやぁっ、もっ、だめぇ……イきた、イきたい…っ」

嫁田「ああ、俺も、もう限界…っ」

艶っぽい声が鼓膜に届く

私はこくこくと頷きながら、爪を立てて嫁田くんの背中に抱きついた

それを合図に腰が浮くほど中を責められ、二人で使っているダブルサイズのベッドがギシギシと音を立てる

それほどまでに激しかった。終わりが近い

嫁田「咲、イくぞ。中に、出す……っ」

咲「う、ん…出してぇ、も、あ、んぁっ、あああっ!」

子宮まで突かれた瞬間、私は嬌声を上げながらイッた

同時に膣内に熱が広がり、勢いよく出された精がびゅくびゅくと私の中を濡らしていく

中出しされるのも初めてで、なんだか満たされた気持ちになる

精液を塗り込むように緩く動かされながら、私は意識を手放した

ーーー


ーーー

咲「ん…」

ゆっくりと意識が覚醒し、一番最初に視界に入ってきたのは嫁田くんの顔だった

ぱちりと目を開き、彼にどうして…?と問おうとして声が嗄れているのに気づく

顔が一気に熱を持ち、視線をさ迷わせた。そうだ、私は…

嫁田「おはよう咲。喉、渇いただろ。起き上がれるか?」

恥ずかしさで嫁田くんの顔がみれないというのに

当の本人は私にミネラルウォーターのペットボトルを差し出してきて

大丈夫?と体を起こして世話を焼いてくれているのだ

どう反応していいのかわからない

ペットボトルを受け取ろうとして手に力が入らなかった

それどころか身体中が痛い

嫁田くんがそんな私に気がづいて水を飲ませてくれる

やっと少しだけ落ち着けた

咲「あ、あの…嫁田くん」

嫁田「ん?まだ辛いだろうから寝てていいぞ。無理させてしまったからな。それにしても」

再び私をベッドに横たえると、嫁田くんは難しい顔で迫ってくる

何か怒らせることでもしただろうか?

最中あんなに乱れてしまった私に、彼は幻滅してしまっただろうか

けれど私が予想していたこととは全く違う言葉が嫁田くんの口から告げられ、別の意味で戸惑ってしまう

嫁田「結婚して一年経とうとしてるのに、自分の旦那のこと名字呼びってのはおかしいと思わないか?」

咲「え?」

嫁田「だいいち咲だって嫁田だろ?」

真面目な顔で問い詰められ、私はぽかんとしてしまう

咲「…だって、公式で名前…まだ発表されてないから…」

嫁田「そういうメタ発言はなし!」

咲「……~くんが、好き」

彼の下の名前を、はじめて口にした

恥ずかしくて顔を両手で覆い隠してしまえば、思い切り彼がこちらを見ているのがわかった

穴があったら入りたい

でも、ちゃんと伝えられなかった言葉もどさくさに紛れて伝えることができた

ずっと言いたかったのだ。好きだと


ーーー

あれから嫁田くんとのスキンシップが増えた

淡白な関係だったのが嘘のようだ

彼が言うには、新婚生活はこれかららしいので色々と覚悟はしている

とはいえ、以前よりもこの生活が楽しくなっている

本音を伝えられるようになったからかもしれない

あの日、嫁田くんに激しく抱かれた時のことを、彼はぽつりと語った

私自身実はとても気になっていたのだ

今まではあっさりとしていたのに、急にあんな風に抱かれるなんて思わなかったから

しかし話を聞いてみると、今まであっさりしていた原因は私のせいだったわけで

事実を知ってしまい、いたたまれない

私がまだちゃんと嫁田くんを好きと認識していなかったことを、彼は知っていたのだ

だから結婚したばかりの時は私に無理させないように

私がちゃんと嫁田くんを好きになるまで怖がらせないようにと我慢していたのだと言う

最近になって私のちょっとした変化に気づき、ああ好かれているなと確信を持ったらしい

極めつけが、私が嫁田くんのスーツの上着を片付けている時

ぎゅっとそれを抱き締めているのを見られていたようだ

そんな私を見て我慢出来なくなった、なんて嬉しそうに言われ

私は顔を真っ赤にして俯き、暫く顔を上げられなかった

彼が私を好きになった経緯はと問えば、上手いこと躱されてしまったけれど、いつか絶対に聞き出したい

話も聞けたことだし、真っ赤になった顔を冷やすために私は腰を下ろしていたソファから立ち上がった

夕飯の片付けがまだ終わっていない

しかし、あっさりと手を取られ、逃げようとした私に嫁田くんは言った

嫁田「まだ話は全部終わってないぞ、咲」

咲「でも片付けが……後じゃダメ?」

ダメ、と笑顔を向けられてしまえば当然逆らえない

急に耳朶を噛まれ、私はひゃあっ!と声を上げた

嫁田くんはといえば肩を揺らして笑っていて

からかわれたと思った私はもう一体何なの!とムッとして彼を押しやりキッチンへと向かおうとする

が、またしても手が伸びてきて、今度は後ろから抱き込まれてしまう

そして耳元で囁かれた言葉に、ようやく冷えてきた頬がまた熱を持つ

嫁田「咲、かわいい」

もう一体何なんだこの人は

悔しいけれど、怒れない

促されるままに振り返り、長いキスをした

新婚生活は始まったばかり


カン

いつ私を好きになってくれたの?

隙があれば真面目な顔で尋ねてくる妻に、違う話で誤魔化すのが難しくなってきた

今にも零れそうな大きな目で見つめられると、うっかり口が滑ってしまいそうになる

結婚して一年。新婚らしいことをするようになったのはここ最近

とはいえ、こっちは随分前から妻に夢中になっていただなんて

気恥ずかしくてまだ伝えられそうにない

学生時代からだと教えたら、初な妻は一体どんな反応をするのだろうか

社会人になって一年目の、二十三歳のときだった

結婚をする気が全くないにも関わらず、会うだけでもいいから一度会ってみてくれ

そう父が熱心に推してくるものだから、本当に会うだけのつもりで受けた見合いだった

実を言えば学生の頃から気になる子がいて

どうやって長い片思いを終わらせるべきかと悩んでいたため

見合いほどどうでもいいものはなかったし、そんな暇があるならもっと有意義に時間を使うべきだと思っていたのに

見合いの日取りが近づいてきたある日

相手の名前を聞いて今までにないほど驚いた

どうして、と目を通していた仕事の書類を放り出し身を乗りだすように尋ねる俺

父もまた俺の反応に困惑している

きっと適当に返事されるのだと思われていたのだろう

話を促して、どういう経緯でこんな話になったのかを問えば

取引先企業の課長さんのお子さんなんだ、と言う

偶々話す機会があって、同い年の互いの子供の話で盛り上がり

今度の見合い相手の父親と話に出てきた子のことをすっかり気に入ってしまったらしい

どうにかうちの仕事ばかりしている息子と会わせたいと頼み込み

相手の上司までを使って話を進めてしまった父の不可解すぎる行動力に、今回ばかりは拍手を送ろう

宮永咲。高校時代の友人で、麻雀部に所属していた

驚異的な麻雀の打ち手で、俺はたちまち彼女のファンになり何度も試合を観に行った

普段は温厚な雰囲気なのに、試合になると凛としていて

いつだってどんな状況だって諦めない強さを持っていた

そんな咲に俺は惚れたのだ

社会人になって暫く経っても、思い出すだけで逢いたくなる

未練がましく諦めきれない恋に気持ちをもて余していたというのに

棚ぼたとはこのことか

思いもよらない幸運に、何としてでもこの見合いを成功させなければならないと張り切る俺

そんな俺を、父は面白そうに見ていた



そんなこんなで俺は咲と夫婦になった

お見合いをしてから交際、結婚まで順調に進み正直舞い上がっていたのだが

順調だった分、結婚してからが大変だった

今でこそ新婚らしい生活が出来ているが、ここに至るまでの俺は相当な努力をしている

肝心の咲の気持ちがわからず不安になったし

それならば好きになってもらうように努めようと、彼女の嫌がりそうなことは一切しないようにと努めた

手を握ったのは籍を入れてから約1週間後

キスはひと月後、セックスに至っては3ヶ月後

いつの時代の学生カップルだとバカにされようが俺は真剣だった

そうして結婚して一年が経とうとした頃、彼女の微妙な変化に気づく

俺といる咲の顔が嬉しそうに緩むようになったのだ

前からそういう表情をしていたのか

それとも俺が咲をわかるようになったのかは定かではないがあの時は本当に浮かれた

決定打が、俺の脱いだスーツの上着を咲が抱きしめているのを見たとき

今まで神経を総動員させて保っていた理性が崩壊した

抱きたいままに咲を抱いてしまい、終わった後にやらかしたと後悔したものの

意外にその行動が功を成したらしい

あの日からお互い本音を言えるようになったし

一番の収穫といえば名前で呼んでもらえるようになったということだろうか

ソファで新聞を広げていると、洗濯物を片付け終わった咲が戻ってくる

落ちてくる髪を煩わしそうに横に流す仕草をみて声を掛けた

嫁田「咲、髪伸びたな。よかったら俺が切ろうか?」

咲「えっ、突然どうしたの」

嫁田「煩わしそうにしてるからと思っただけだよ」

俺の思い付きの提案に咲は案外あっさりと、じゃあお願いと言った

天気がいいからバルコニーで切ることとなった

椅子やその下に敷く新聞紙、大きめのごみ袋を持って準備をしたのだが、いや待てごみ袋? 

と咲に用途を尋ねれば、服に髪が落ちないように首を通す所を切って被るのだという

嫁田「なるほど、その発想はなかった。うん、俺の妻は本当におもしろい」

咲「さらりとバカにしてない?」

嫁田「いいや、褒めてるんだよ」

不満そうな咲を椅子に座らせて櫛とハサミを取り出す

さらさらの綺麗な髪を梳いたのち縦にハサミを入れ少しずつ切っていく

流石にプロではないので本当に揃える程度のものだが、すっきりしたとは思う

鏡を渡して、咲の感想を待った

咲「うん、スッキリした。ちょっとだけ疑ってたんだけど、意外に器用なんだね」

嫁田「だろ?前髪も切ったし、咲の顔がよくわかるようになった」

まだ鏡を見ながら嬉しそうにしている咲は絶対気づいてないだろう

髪を切る提案をしたことに下心があろうとは

少し伸びた髪も可愛いのだが

セックスをしていると髪でせっかくの蕩けきった咲の表情がわかりにくく

もったいないと思っていたのだ

前髪も切ったことで今日からは存分に感じまくっている姿を堪能出来る

片付けてすぐ、咲はやっぱりチクチクするのでシャワーを浴びてくる、とバスルームに向かった

ちょうどいいので上がってきたところを押し倒してしまおう

なに食わぬ顔でソファに戻り腰を下ろす

押し倒されて真っ赤になる咲が見れるまで、あともう少し


カン

以前書いた分はここまで
次回からは新婚旅行の温泉エロ編です

自宅から車で三時間。高速道路を降りてからがまた長かった

進む道は徐々に狭くなっていき、対向車が来ようものならどちらかが待ってなければ通れないような所を

涼しい顔で運転する夫に時々視線を向けながらも私は流れる風景を楽しんでいる

緑が燦々と煌めき随分と山奥まで来たというのに薄暗さはなく

むしろ神聖な気にさえさせてくれるような所だ

木造の建物がちらりと見えてきて到着するのだとわかった

緑翠館という老舗の旅館で、見事な日本建築に視線は釘付けである

車が停まり、中から出てきた仲居さん方に迎えられる

荷物を運んでもらい建物内に案内される
 
ずんずん進んでいく夫のジャケットの裾を待ってとばかりに引っ張ると笑みを返された

こんなに敷居の高そうなところに来たことがなかったから私は相当緊張していたのだ

話は昨日のことであった

突然、夫が旅行に行こうと言い出したのである

咲「旅行って……いつの話?」

嫁田「明日。予約はしているし、咲の職場にも休みを取ると伝えてあるから何も心配いらない」

にっこりと微笑まれ、当然困惑した。

思考が追い付かない。

咲「そんな、急すぎるよ……平日だし職場にだって迷惑が……」

嫁田「咲は行きたくないのか、旅行」

嬉しくないわけがなかった。旅行は素直に嬉しい

しかし明日行くからと言われてうんと頷けるような性格ではなく、あるのは戸惑いばかり

そんな考えを察したのか夫が私の肩を抱いて顔を覗き込んでくる

嫁田「咲を驚かせたかったんだ。職場にだって急にお願いしたわけじゃないよ」

嫁田「前々から伝えてたんだ。咲には内緒にしていてほしいって言ってね。だから大丈夫」

私を宥めるような優しい口調

夫から事実を聞き再度驚く

彼は知らぬ間に色々と考え動いてくれていたのだ

そこまでされれば、これは頷くしかない

とはいえ私本人が連絡をせずに休むなんて出来ず、職場に電話を掛ける

電話に出たのは女課長で、私からの電話に用件を察したのか

何を言わずともやっと聞いたのねと笑っていた

課長「素敵な人ね、咲の旦那様は」

そう言われて顔がかっと熱くなる

はいとだけ返事をして軽く挨拶をし、私は電話を切った

嫁田「心配なかっただろう?」

咲「うん。……ありがとう、急でびっくりしたけど楽しみにしてるね」

電話が終わるのを待っていた夫に素直に微笑む

まだ実感が湧かないのだが、旅行に行くなら準備をしなければならないと思い

クローゼットからボストンバックを取り出して必要なものを詰め込んだ

夫が寝室からゴムを持ってきてバッグにしまっていたのは見なかったことにしよう

案内されたのは離れだった

こちらも木造で、品のある佇まいに私は目を輝かせる

畳張りの和室はとても綺麗で本当に美しい

奥へ行けば、窓の向こうに温泉がありこの離れ専用の露天風呂だという

部屋に入って左奥に、確かに脱衣場もある

若女将「こちらは自由に使って頂いて構いません」

若女将「本館に大浴場もありますが、そちらは7時半から22時までがご入浴時間となります」

若女将と名乗った上品な女性から丁寧に説明され頷く

夕飯の時間と朝食の時間、就寝時間を確認される

若女将「ではごゆっくりどうぞ」

そう言い残した若女将は部屋を後にする

二人きりになったことで夫の「やっと新婚旅行が出来るな」という言葉を鮮明に思い出してしまい

意識せずにはいられなかった

そうだ、新婚旅行なのだ

結婚したばかりの頃にも話は出たものの

夫の仕事の都合で中々実現出来ないままうやむやになっていた

それが一年を過ぎたところでこの機会に恵まれたのである

咲「あ、私お茶淹れるね」

私はうきうきしながらお茶の用意をし始める

二人でお茶を飲みながら、これからのことを話し合う

旅行は二泊三日。忙しい夫が取れた連休が四日間

そのうちの三日間が旅行期間だ

嫁田「せっかく咲と二人っきりの旅行なんだし、もっとゆっくり出来ればよかったんだけどな」

苦笑する夫だったが表情はいつもより穏やかだ

普段仕事が忙しい分、彼にこそちゃんと休んでもらいたい

ここにいる間は少しでも気が休まればいいんだけど

少し休憩したのち早速温泉に入ることとなった

そうなると大浴場に行くか、部屋の露天風呂を使うかで迷うところだ

私としては部屋の露天風呂はいつだって入れるのだし是非とも大浴場に行ってみたい

何種類かのお風呂に分かれているらしく、それぞれ効能の違う湯が楽しめるのだとか

やっぱり大浴場だねと提案してみれば、あっさり頷いてもらえるものと当然思っていた

しかし夫は軽い調子で「大浴場は使わないよ」なんて言うものだから一瞬理解出来ない

嫁田「聞こえた?大浴場は使わないって言ったんだ」

咲「な、なんで?」

嫁田「念願の新婚旅行なんだし、咲とひと時も離れていたくないんだ」

咲「……」

至極真面目にそう言われ、私はただ顔を真っ赤にしてこくこくと頷くしかなかった

嫁田「わかってくれたなら良かった。さ、温泉に入ろうか」

露天風呂の周りにはぐるりと囲いがあり、上には蔽いがついている

この部屋専用の露天風呂とはいえ広さは中々のものだっだ

灯る橙色のライトが風呂全体を照らしており、それが更に柔らかい空間を作り上げている

先程少しばかり甘い空気になったからか、この雰囲気に感化されたからなのかはわからないが

湯に浸りうっとりしていると隣から悪戯な手が伸びてきて

お湯の中だというのにいやらしいことをされてしまっている現在

こんなところでと逃げようとするのを阻止され、引き寄せられて貪るように深いキスをされてしまえば

体勢が崩れ夫に体重を預けてしまう形となった

咲「ふっ……あっ、んぅ、や、まって……だめ」

彼の胸を手で押すがキスだけで力が抜けてしまいまともに抵抗出来ない

そんな私の手はあっさりとどかされ体がより密着する

太ももに夫の高ぶりが当たり、顔中に熱が集まっていくのがわかった

咲「やっ……、当たって……」

嫁田「ん、咲が可愛いのが悪い」

乳房を揉まれ、離れた唇は私の首筋に吸い付いていて痕を残していく

嫁田「ほら、咲のココも濡れてきた」

弱いところばかりを責められるせいで敏感になってしまった体は正直だ

私の性器に夫の手が伸びる

指でクリトリスを擦られれば堪らずに甘い声を漏らした

夫に寄りかかるような不安定な体勢な為バランスを崩してしまいそうになるのを

腰に回された手で支えられる

咲「あっ、あっ……ふぁっ」

嫁田「咲、俺にもっともたれ掛かっていいぞ」

熱っぽい声で促され、私は夫の首に手を回してぎゅっと抱きつく

解れて柔らかくなった膣孔につぷりと指を埋められる

中を広げるようにぐるりとかき回されて、次第に増やされていく指に翻弄されながら

夫の手によって快感を高められた体は熱を欲していた

激しく求めあったあの日から、結婚当初では考えられなかった程にいやらしいことを沢山教えられてきた

誘いかたも、おねだりの仕方も

夫好みに変えられていく自分に戸惑いもあり、嬉しくもあり、浅ましいとも思う

咲「あぁっ、も……ほしいっ」

目を合わせてお願いすれば夫は困ったように笑う

嫁田「来たばかりでムリをさせたくなかったから、最後までするのは夜まで我慢しようと思ってたんだけど……」

嫁田「咲がこんなに可愛いのに我慢なんて出来るわけなかったな」

湯の中で胡座をかいた夫を跨ぐように座らされ、指が抜けるのと同時に男根があてがわれる

固く太いそれが、ひくひくと収縮していた入り口を一気に貫いた

咲「んああっ!ああ……太いぃ……」

嫁田「でもこれが好きだよな、咲は」

ぐんっと突き上げられ目の前がちかちかとした

咲「ひゃううっ!あっ、やだぁ……イっちゃ……っ」

一度の突き上げだけでイッてしまっていた

じわりと涙が込み上げてくる

こんなすぐにイってしまうなんてと動揺せずにはいられなかった

咲「ふっ、うぅ……ごめんなさい、こんなはずじゃ」

嫁田「謝る必要なんてないよ。それだけ感じてくれてたんだろう?ただ、もう少し俺に付き合ってくれ」

瞼と頬に順に口づけられ、最後に優しく唇を吸われる

抜き差しが再開されて、私は夫の背中に手を回し振り落とされないようにとしがみついた

突き上げられるたび一緒に入ってくるお湯でふやけてしまいそう

熱くて、気持ちよくて、自らも腰を揺らした

私が恥ずかしがりながらも積極的に動くと彼が喜ぶのを知っている

そんなときの私の顔が好きなんだと以前言われたことがあり

それ以来夫にも気持ちよくなってほしいがために、頑張ってみたりしていた

これで好きな人が気持ちよくなってくれるなら私も嬉しい

咲「あぁんっ…はぁ…あっあっ…ふぁっ」

嫁田「んっ…、咲の中、凄い締め付けてくる…」

男根の質量が増し、彼は熱を堪えるように息を吐き出した

一拍置いたのちに腰を両手で持たれて引き下ろされる

膣壁を擦りねじ込むように貫かれ、徐々に激しくなる抽挿にめまいがした

快感に意識が飛びそうだ

バシャバシャ響くお湯の音がやけに生々しい

嫁田「はっ……咲、そろそろ、イク……」

咲「あっ…あぅっ…う、ん…中に…っ」

出して、と

なんとか最後まで言い切ったと同時に膣内で熱が弾ける

精を吐き出す熱っぽい夫の視線に吸い寄せられるように

唇を寄せて舌を絡ませあった

ーーー

今年の投下はこれで終わりです
遅筆なうえ中途半端で申し訳ない

咲「熱い……」

嫁田「だろうね」

露天風呂での行為の後、夫に抱えられて部屋に戻ってきた私は

浴衣姿で仰向けにされて団扇で扇がれていた

汚してしまったお湯は彼がある程度片付けたようだ

かけ流しの湯だから大丈夫だよと言っていた

団扇は夫が「妻がはしゃいで長湯をしてしまって、逆上せたようなんです」という理由を付けて

仲居さんに持ってきてもらったものである

心配した仲居さんが氷やタオルを親切に持ってきてくれたが何だか申し訳なかった

とはいえ本当のことなど言えるわけがない

咲「うう、それにしたって私がはしゃいで長湯しただなんて…つくならもっとマシな嘘にしてくれればいいのに」

嫁田「来てそうそう盛り上がっていやらしいことしちゃいました、なんて本当のこと知られるよりはマシだろ」

咲「い、言わないでったら!」

絶対わざとだ。澄ました顔をしているが口許が緩んでいる

ムッとして顔を背けると、夫はやはり楽しそうに怒った?と顔を覗き込んでくるから

怒ってないと返せばくつくつと肩を震わせて笑っていた

嫁田「ごめんな、意地悪したいわけじゃないんだ。怒らないで、仲直りしよう」

咲「だから怒ってないってば」

嫁田「素直じゃないなあ。ほら、仲直りのキス。咲、こっち向いてほしいな」

別に本気で怒っていたわけではない

ただ彼をちょっとだけ困らせたいとはたまに思う

それなのにこの夫ときたら、すぐに私を甘やかすのだ

渋々振り返ると、待っていましたとばかりにキスをしてくる夫に応える

ちゅ、ちゅ、と数回唇を合わせるだけのキスをした

嫁田「さて、食事までに起き上がれそう?」

夫の言葉にもう大丈夫と答えて起き上がる

まだ横になっていていいと言う彼の肩に頭をこつんと乗せて

こっちの方がいいかも、と言った

たまには甘えてみようかと思ったのだ

嫁田「困ったな」

咲「え?」

嫁田「また押し倒したくなった」

咲「も、もう…無理…」

嫁田「冗談だよ。…今はな」

しどろもどろで答えると、夫が苦笑して頭を撫でてきた

そんなくだらない会話をしているうちに食事の時間となった

山の幸をふんだんに使った料理は本当に美味しくて

こってりよりあっさりしたものを二人とも好むので、お互いに満足している

夕食後には布団を敷いてもらい早々に寝転がる

布団は二組あるが、一方に二人で入った

抱き寄せられ、今は彼の腕の中でうとうととしている状態

嫁田「明日は外に出てみようか。山の中だから観光施設はないけど、二人で散歩してみるのも楽しいだろう」

夫の言葉に小さく頷くが、瞼が重くて開かない

嫁田「疲れさせてしまったな。今日はゆっくり休んで。おやすみ、咲」

咲「おやすみ、なさい…」

何とかおやすみなさいの言葉を返すと、瞼に柔らかいものが触れたのがわかった

キスをされたのだろう

温かく幸せな気持ちのまま、私の意識は夢の中へと落ちていった

ーーー

初めての二人での旅行に気持ちが高揚していたせいか、

予定よりも早く目が覚めた

ぬくぬくとした布団の中、眠る旦那様の顔を私はじっと見ている

始めの頃は、まだ恋というものを知らなかった奥手な自分を変えたくて

請われるままになあなあで結婚してしまったことに悩むこともあった

だけど優しくて温かい夫の人格に触れて、いつしか彼に惹かれている自分に気がついた

そんな自分の心の変化を察した夫に激しく抱かれた日から

やっと夫婦らしい関係になれた気がする

ただ朝までベッドコースな日は丸一日足腰が使いものにならないので少々困っているのだが

さて、布団で百面相をしていた私だったが、視線に気づいて顔を上げれば

いつの間にやら起きていた夫がじっとこちらを見ていた

嫁田「おはよう。朝からどうしたんだ?珍しく表情がころころ変わっていたけど」

咲「お、おはよう。大したことじゃないし気にしないで」

嫁田「そう?まあ俺の事みたいだし深くは聞かないけどな」

どうしてこの人には何もかも分かってしまうのだろう

あからさまに思考が表情に出てしまったのか

夫は楽しそうに笑って、

嫁田「咲のことなら大体分かるようになってきたからな」

と、一言

ああ、本当にずるい

寝起きからの甘い雰囲気は刺激が強すぎると、逃げるように布団から出ようとした時

腕を掴まれて体勢が崩れた私は布団に逆戻り

しかも夫に組みしかれている形だ

嫁田「こら、まだおはようのキスをしてない」

咲「…いったいどんなキスをするつもり?」

クスクスと笑う夫の唇がゆっくりと重なる

朝のキスにしては、随分と濃いキスだった

ーーー

朝食のあと少しお腹を落ち着かせてから

旅館の人に頼んで作ってもらった二人分お弁当を持って外へと出た

日が昇ってきたとはいえまだ冷たい空気がとても清々しい

デジカメを持ってきたので、特に綺麗だと思った風景は

カメラに残しながら自然を楽しみ歩いていく

観光施設はないと夫は言ったが少し進んだところに

小ぢんまりとした綺麗なお店を見つけた

そこは早くからでも営業しているようだ

純日本風の看板に惹かれて中に入ると

硝子細工の専門店であると分かる

入り口正面には動物や植物を模した小さな置物があり

次にトンボ玉とそれを使ったアクセサリ、ストラップ、奥にはビールや焼酎

ワイングラスといったものが並んでいる

ごちゃごちゃとした装飾はなく

このシンプルさが逆に魅力的で惹かれた

咲「綺麗だね。なにか欲しくなっちゃう」

嫁田「そうだな。でもグラス系はこれからのことを考えると割ってしまいそうだ。まだ歩くし」

咲「あ、そっか」

嫁田「小さめの方がいいんじゃないか?入口にあったやつとか」

確かにと頷いて、二人でトンボ玉、動物や植物の細工等を順に見ていく

グラス類とは違うカラフルな色合いが可愛らしくて目にも楽しい

ふと、2匹の猫が目に入る

赤い首輪をつけた黒猫と、水色の首輪をつけた白猫だ

私があまりにも食い入るように見ていたからか

カウンターから年若い女性の店員さんが出て来て説明をしてくれた

店員「その猫の細工は2つでひとつなんですよ。くっつけて並べると、寄り添いあう形になるんです」

すっと2匹が近づけば、顔を擦り寄せるように幸せそうに目を閉じている

私はほぅと頷いて2匹の猫に目を輝かせた

咲「夫婦の猫ですか?」

店員「ええ、そうなんです。何だかお二人に似ているなと思いまして」

お二人とも指輪をつけていらっしゃいますし、なんて言われて気分が高揚してくる

自分たちがちゃんと夫婦に見られているのは嬉しい

店員さんの言葉に夫も気をよくしたのか

嫁田「俺らも夫婦です。新婚なんです」

と笑顔で告げている

嫁田「いい思い出になるな、咲。この猫の置物包んでもらえますか」

店員「まあ、ありがとうございます。すぐにご用意いたしますので少々お待ちください」

二体の猫を持って店員さんはカウンターへと戻っていった

それから包装された猫を受け取ってお店を出る

親切に外まで見送ってくれた店員さんから「お幸せに」なんて言われて

恥ずかしくなってしまったけど、温かい気持ちになれたことは確かだ

咲「また来ます」

そう告げて、店員さんに手を振った

ーーー

私たちが歩いた道は一応散歩コースになっているらしい

要所要所に矢印のついた立看板があり

泊まっている旅館の周りを囲むようなコースであるため

道なりに進めばちゃんと旅館へと帰ってくることが出来る

ただ、散歩コースだと言うわりには意外と距離があり

旅館にたどり着く頃には私の少なすぎる体力は限りなくゼロに近かった

頑張れと夫に励まされ、手を引かれながら何とか歩ききったものの

もう動ける気がしない

折角の綺麗な自然も後半は楽しむ余裕がなかったのは残念だ

咲「ごめんね。まさか自分の体力がこんなにないとは思いもしなかったよ…」

嫁田「はは、緩やかとはいっても山道だからな。仕方ないさ」

昨日今日とへばってばかりで情けないことこの上ないが夫は楽しそうだ

まだ夕食まで時間があるので私は少しだけ眠らせてもらうことにした

時間にして約一時間程眠ったと思う

目を覚ますと動けるくらいには回復していたので

私の寝顔をずっと見ていたという夫と夕食の前に専用の露天風呂へと入った

流石に昨日のような無茶はせずにゆっくりと浸かることが出来た

熱すぎず温すぎずの温度がちょうど良くて

当然なのだが熱いばかりだった昨日とはやっぱり違う

肩までゆっくりと浸かったあとは

疲れきっているふくらはぎをほぐして湯船を出た

ホカホカと湯気が立っているうちに浴衣を着て、あとは夕食が来るのを待つ

今日の夕食もまた豪華で、山の幸がメインだった昨日とは変わり魚介類も多かった

どれから食べようかと悩んでいると、向かいに座る夫からグラスを渡される

ぽかんとして彼を見れば夫が口を開いた

嫁田「明日には帰るし今日くらいはいいかなって。お酒が苦手な咲でもこれなら飲めると思う」

差し出されたのはシャンパンだった

仲居さんに持ってきてもらったんだというそれがシャンパングラスに注がれる

泡が弾けるシャンパンゴールドをまじまじと眺め、ただ綺麗だなと思った

白ぶどうの爽やかさと程よいアルコールの香りが鼻孔を撫でる

お酒が苦手な私にでも嫌な感じを与えない

嫁田「じゃあ、乾杯」

咲「うん」

向けられたグラスに自分のものをカチンと軽く合わせ

いただきますと口に含んだ

優しい甘さがスッと喉を通っていく

咲「……おいしい」

嫁田「それはよかった。気に入ってもらえたなら嬉しいな」

咲「でも、温泉旅館でシャンパンって何だか不思議だね」

ふふっと笑えば夫は意外にありだろと言う

私は頷いてシャンパンをまた一口、口内へと流した

そんなに多く飲んだつもりはなかったが

アルコールが全身に回っている感覚

火照った体が心地よくて、布団を敷くなり私はへらりと笑って寝転がった

嫁田「ほら咲、ちゃんと布団に入らないと風邪引いちまうぞ」

夫に布団の中へ引き入れられた私はまだいいと駄々を捏ねるのだが

主張は却下されあっさりと抱き込まれる

昨夜とまったく同じ格好だ

早々に電気を消されて辺りは暗い

目が慣れてきてから夫の顔をじっと見つめていれば、彼の瞳がすっと細められた

吸い寄せられるように顔を近づけて触れるだけのキスをする

嫁田「……誘ってる?」

私は夫の背中に手を伸ばし、強請るようにぎゅうっと抱きついた

咲「ん、誘ってる。……抱いて……」

浴衣の合わせ目から入った手が太ももを撫でるのを

脚を徐々に開いてもっとと急かす

酔っているとはいえ随分と快感に弱くなってしまったものだ

これでは淫乱ではないか

それでもこんな私を夫は愛おしいのだと蕩けた目で見るのだから堪らない

下着を抜き取られ、股ぐらに彼の顔が埋められる

性器をぴちゃぴちゃと舐めまわされて私は甲高い声をあげた

咲「んあぁ、はあっ、あんっ」

今度は一際敏感なクリトリスを責め立ててくる

そこをぐりぐりと舌で刺激されると気がおかしくなりそうだ

悲鳴に近い泣き声を上げながらいや、やめてと首を左右に振る私の訴えは聞いてもらえることなく

一際強く吸われれば呆気なく絶頂し愛液を滴らせた

私に覆い被さってきた夫は艶やかな笑みを浮かべ

私の髪を撫でながら頬にキスをしてきた

くすぐったくて身をよじれば、そうはさせまいと抱き締められて唇を奪われる

深いキスが終わると夫は私の乳房に吸い付いてきた

ちゅぱちゅぱと音を立てて胸を貪られ、快感に背筋を反らせる

夫に巧みにイイところを責められて、私はそれに翻弄されるばかりだ

与えられてばかりが辛くて彼の体を待ってと押し返す

自分から誘った行為なのだから自分ばかりが気持ちよくしてもらっているなんて、ダメな気がする

咲「私も、口で…したい」

私の言葉に動きを止めた夫に嫌?と尋ねれば、

ゆっくりと瞬きをした彼は悩むように片手で自分の髪をくしゃりと撫でた

嫁田「困ったな。…ああ、違うんだ。嫌だからじゃなくて、むしろ嬉しいんだけど…」

咲「それなら…」

嫁田「今回はだめだ」

はっきりと告げられた言葉に私はしゅんと肩を落とす

意を決して言葉にしたというのに

拒否されてしまうなんて恥ずかしすぎて泣きそうだ

内心でぐるぐると考えていると体を反転させられ

視界が変わったことにすぐには気がつけなかった

俯せにされて、夫を振り返ろうとする前に彼の声がした

嫁田「咲の申し出は本当に嬉しかったんだ。でも、今は余裕がない」

腰を高く上げられて、開かれた脚の間に夫の体が滑り込んでくる

膣孔をつついて拡げるような動きをしたあと

指を三本一気につぷりと埋め込まれた

咲「んっ……もっと、ゆっくり……っ」

はふはふと詰まりそうな息を何とか吐き出し訴えるが

抜き差しは速まるばかりだ

中をばらばらに動かされ、ぐいぐいと拡げられる

嫁田「がっついてごめん……でも早く咲の中に入りたいんだ」

自由に動いていた指が抜かれ、代わりに熱が押し当てられる

待ってと声に出す前にずぶりと押し入ってきたその質量に

私はシーツを握って歯を食いしばった

そうでもしなければ意識を保っていられそうにない

高く上げていた腰を持たれて律動が始まる

性急すぎるあまり体も思考も付いていかず、私は声を荒げてよがるばかりだ

咲「あっ!あっ!あぅっ!」

今まで後からされたことがなかったため

いつもとまったく別の快感が沸き上がってくる

イイところを掠める角度が変わるだけでこんなにも違うとは思いもしなかった

ギリギリまで抜かれては一気に貫かれGスポットを掠めてくる

気持ちいい

しかし好きな人の顔が見えないからか不安でしょうがない

後ろに手を伸ばして夫を探す

こんなに近くにいるのに、近づけていない感覚が怖かった

伸ばした手が握られる

私はその手にきゅっと緩い力を込めて振り返った

細められている彼の瞳を見つめながら訴えかける

咲「あなたの顔、ちゃんと見たい…っ」

それだけで夫は私が何を伝えたいのかに気づいたようだ

彼も辛いだろうに私のわがままを聞いてくれて

うん、と優しく笑い頷いてくれた

中の男根が抜かれ体を仰向けに返される

軽いキスをしたのち両足を抱えられ、再度夫の高ぶりが綻んだ膣へと沈んだ

今までの激しさからは一転し動きは穏やかだった

ゆるゆるとした抽挿にもどかしささえ感じるほど

嫁田「ごめん、ちょっと焦りすぎてた。次はちゃんと二人で気持ちよくなろう?」

彼の頬に手を当てて短いキスをしたのを合図に律動が再開される

咲「んっ、あっ、ああっ」

動きは緩やかなのにイイところを的確に突かれるため

私はすぐに快感にのみ込まれた

今さっき感じていたもどかしさはもはや気にならない

彼の顔が、行為の時だけ違う表情をする

私だけしか知らない雄の顔

咲「あっあっ、すき……っ、だいすき」

普段恥ずかしさからめったに口にしない言葉を

アルコールの力も借りて漏らした

目を見開いた夫の顔が花開くように綻んで私を強く抱き締めてくる

気持ちが溢れてしまいそうだ

見つめあい、唇を合わせて舌を絡めたり

ただ軽く触れたりと遊ぶようなキスを繰り返した

それが深いキスに変わると、緩やかな突き上げが徐々に速くなっていく

咲「んぁっ、あっ、もっ、もぉ、だめ……っ」

嫁田「はっ、はっ、俺も……」

ぐっと奥まで押し込まれた瞬間、私は声を上げ絶頂していた

少し遅れて膣内に熱が広がる

達したばかりの中は敏感で、勢い良く吐き出される夫の精液にさえ感じていた

体をよじれば逃がすまいと伸びてきた手に腰を引き寄せられ

最後の一滴までしっかりと出される

意識が朦朧としている私に夫がキスを落としてくるのを目を閉じて応えた

嫁田「咲、愛してる」

あまりにも優しい目で私を見るから

胸がきゅうっと締め付けられて苦しい

もっともっと近づきたくて、幸せを噛みしめながら自分からも腕を回して抱きついた

ーーー

翌日。

楽しかった旅行も終わりを迎え、今日は自宅へ帰る日だ

昨日特に無茶をしてしまったせいで歩けなくなった私は

旅館の人達に見送られながら夫に車まで運ばれるという

何とも情けない姿を晒してしまった

初日から旅館の人達には格好悪い所ばかりを見られていたわけだが

夫は笑って気にすることはないと言う

一応私にもプライドがあるので気にしないなんてのは無理な話だ

咲「初日は長湯で二日目は歩きすぎだなんて理由、格好悪すぎ……」

嫁田「まあいいじゃないか。旅館の人の記憶にも鮮明に残ること間違いなしさ」

咲「そんな記憶の残りかたは複雑だよ……」

頬を膨らませる私の隣で夫が肩を震わせ笑っている

笑いすぎだよと窘めればごめんなとしおらしく言うのがずるい

溜め息をひとつ吐いて、座席に深く背中を預けた

咲「でも、すごく楽しかった。あなたとこんなに長い時間一緒にいるのは初めてだったから」

私の言葉に夫は嬉しそうに目を細めている

今までは休みがたまたま一緒だった時くらいしか二人きりで過ごすことがなかったから

今回の旅行は本当に新鮮だった

夫は仕事が忙しい人だし、私自身も仕事があるため

普段の二人の時間は限られている

お互いの気持ちを確認し合った日から体を重ねる回数は増えたものの

時間が増えたわけではないので寂しさは当然あったのだ

夫がそんな私の気持ちに気づいていたのかはわからなかったが

それでも無理をして時間を作ってくれて嬉しかった

こんなにも彼は私のことを考えてくれているのだから

私も夫を喜ばせたいという気持ちが強くなる

そのために何が出来るだろう。よく考えなければ

嫁田「可愛いことを言って照れていたと思ったら、急に難しい顔をしているけど。何を考えてるんだ?」

咲「えっと、あなたのことだから気にしないで」

嫁田「余計気になるよ。でもまあ、教えてといっても言う気はないんだろ?」

嫁田「なら咲がその気になるまで気長に待つとしようかな」

ずっと上機嫌の夫はくすくすと笑っている

運転する彼の横顔を眺めてから、視線を外に移す

今日も天気は晴れ

青々とした木々が、来たときよりもずっと輝いて見えた


カン

温泉エロ編終わり
次は寝込みを夫に襲われる咲か初夜編か気の向いた方を

旅行から帰宅した午後はごろごろと半日を過ごした

旅先の硝子細工店で購入した猫の置物はリビングに飾ったのだが

その猫を見るたび嬉しそうに微笑む咲がなんとも可愛らしい

俺はそんな妻の観察で半日を過ごしていた気がする

さて、昨夜は二人揃って早々に寝てしまったため今朝は早く目が覚めた

咲はといえばまだ隣ですぅすぅと寝息を立てている

眠っていると余計幼く見える妻に、俺は心底惚れていた

こんなに人を好きになれるものなのかと自分に感心してしまう程である

長年片思いしていた相手が今隣にいるというのは不思議なもので

時々夢か現実なのかわからなくなるときがあった

咲が俺の妻だというのは現実だというのに

触れたくても触れられない期間が長かったせいか

時々どうしようもなく不安になるのだ

手触りの良い柔らかい髪を撫でながら寝顔を眺めていると

長い睫毛を震わせ瞼がゆっくりとあがる

瞳を覗かせたのと同じタイミングで、俺は愛しい妻の額にキスを落とした

咲「ん……」

嫁田「おはよう。よく眠れた?」

咲「うん、今は……5時?まだ早いね」

まだ半分夢の中なのか、咲はこしこしと目を擦る

ナイトテーブルにある時計を体をずらして確認した咲は

時間を見て再び布団にもぐり込んだ

もう少しだけ、と小さな声で呟いていたのにすでに寝息を立てている

いつもは朝早く起きてあれこれ動き回っているのだが

今日は二人揃って休日というのもあり安心しているのだろうか

すっかり目が冴えてしまった俺としては

咲にも起きてほしいという気持ちはあったが

こればかりは仕方がない

引き続き可愛い妻の寝顔でも眺めていようと思った時

咲のパジャマの首もとにある赤い痕を視界に留め笑みが零れる

白い肌に映える赤はもちろん俺が付けたものだ

今回は特に多い

咲の胸元に手を伸ばし、見える部分をなぞっていく

嫁田(ひとつ、ふたつ、みっつ……)

ひとつずつ数えてみたものの、なにぶん数が多すぎる

いったいどこまで俺は独占欲の塊なんだ

自分で付けた痕ではあったがなんとなく面白くない

昨日一昨日の自分より、今の俺の証しを残したくて咲の首筋に吸い付いた

軽く歯を立ててちゅぅと吸い上げる

流石に咲は起きてしまうかなと思ったが

若干身動ぎした程度で目を覚ます気配はない

それに気を良くして幾つか痕を残していくと

もっと先のことまでしたくなってくるのだから困ったものだ

寝ている妻を襲っていいものかと形だけ悩んではみたものの

答えはもう決まっている

どこまで進めたら起きるのか試したくなり

わざと慎重に咲の体を慣らしていく

眠っているというのに俺に散々弄られている妻の身体は素直なもので

小振りな乳房を揉みしだけば女性器が漏れ始めてきた

試しに一本、第一関節まで膣内に入れてみれば易々と呑み込んでいった

旅行中2日連続で事に及んだからなのか、いつもより随分と柔らい

咲「ん……ぅ」

咲が声を漏らしたため、一瞬起きたかと伺ったがまだ大丈夫なようだ

しかしここまでされて起きないとはある意味すごい

指を二本三本と増やしていき、中を広げる動きをする

嫁田「ごめんな、咲。入れるよ」

聞こえていないのはわかっているが、少しの罪悪感はあるため謝っておく

ひくひくと収縮を繰り返すピンク色の膣口に自身の熱を押しあて

ゆっくりとゆっくりと腰を進めていった

誘うかのような膣内の締め付けが気持ちよすぎて

一気に貫き滅茶苦茶に突き上げたいのを必死で堪えながら

なんとか時間を掛けて根元まで埋めることに成功する

変な達成感だ

ただ、ここまで来たらいい加減起きてほしい

勝手に挿入までされて、目を覚ました咲は怒るだろうか

起きてもらうために咲の胸の突起へ顔を寄せて

舐め回してから強めに吸い上げたのち、強く中を突き上げた

咲「ひっ!あ……な、に……あっ!やあぁぁっ!!」

ようやく目を覚ました咲だったが、まだこの状況についていけてないようで

酷く混乱した顔で高い嬌声を上げている

やっと聞くことのできた咲の声に熱が上がらないはずもなく

俺は性器をぎりぎりまで引き抜くと、一気に奥まで貫いた

もっと可愛い声が聞きたくて激しい抜き差しを繰り返す

強く揺さぶれば咲は俺の首に必死にしがみついてくる

咲「あぁっ!んっ!あっ!あっ!」

ダメだ、可愛すぎる

今まで慎重にしすぎた反動で我慢が効かない

太ももを持ち両足を大きく開かせ、咲の腰が浮いた体勢で何度も腰を打ち付けた

咲「もっ、なんなのっ……あっ!あっあっあっあぁんっ!もっと、ゆっくりぃっ」

嫁田「悪い、咲……無理だっ、はっ……今は、集中してくれっ」

捩じ込むように奥まで穿った瞬間、咲の体がびくりとしなる

本人は性急な行為に顔を歪めて涙を流しているのだが

こっちはそんな妻にさえ煽られっぱなしだ

どれだけ抱いても欲しくて欲しくて堪らない

好きだ、愛してる

そんな言葉ではもう足りない気がした

抱えていた両膝を折り曲げ、顔を近付けると咲に深いキスをする

それを合図に俺は咲の中へと精を吐き出した

ーーー

予め覚悟はしていたが、やはり咲を怒らせてしまっていた

無理はない

妻の機嫌が戻るまで長期戦を覚悟で機嫌取りをしていた俺であったが

意外なことに昼前には咲がいつも通りに接してくれるようになっていた

逆に何かあるのではと冷や冷やしながらどうしてか尋ねてみたところ

時間が勿体ないからとの返答

咲「旅行から帰ってきたばかりで喧嘩はしたくないし。連休の最終日だし、仲良くしていたいの」

嫁田「……咲」

咲「でも、次今朝みたいに寝込みを襲うようなことしたら、あなたのこと嫌いになっちゃうからね」

冷ややかな目で告げられ、本気で反省する

咲に嫌われるのだけは嫌だ

離婚なんて言われてしまったら死ねる自信があるくらいなのだから

嫁田「ごめんな。咲」

咲「ん、許してあげる」

そう呟いた咲が俺の頬に口付けてきた

それだけで舞い上ってしまいそうになる

我ながら溺れているなあと思う



リビングで隣に並んで座っている咲の手を握ると

テレビを観ていた妻はきょとんとした顔で首を傾げた

咲「どうしたの?」

嫁田「前から咲が聞きたがってた話をしようと思ってさ」

咲「えっ」

嫁田「実は高校の時から咲が好きだったって言ったら、驚く?」


一緒に夕飯の買い物に行く約束をしていたから

その前に照れくさくてずっと言えなかった話を、妻にしてみることにした


カン

寝込み編終わり
次は来客編で、初夜はその次に書きます

仕事を終えて自宅であるマンションへ帰ると、自動ドアの前に人影があった

一体何をしているのだろうと警戒しながらエントランスへ続くドアへ近づいていったところで

その人物が振り返り、私を確認した途端ぱっと笑顔を向けてきた

そして私もあっと声を上げる

そこにいたのが知っている人物であったからだ

咲「京ちゃん。久しぶりだね」

京太郎「インターフォン押したら留守だったから、咲が帰ってくるのを待ってたんだ」

咲「いつから待ってたの?来る前に連絡してくれればよかったのに」

京太郎「悪い。待ってたのは五分くらいなんだけどな」

五分といえども今の時期だ、きっと暑かったに違いない

麦茶を出すからと言って私は京ちゃんを自宅へと案内した

咲「今日は仕事はお休みなの?」

京太郎「おう、有給なんだ。で、嫁田からこの間連絡もらったから」

咲「そっか。よかった、新婚旅行のお土産を渡したかったの」

お茶うけに出した温泉まんじゅうを頬張っている京ちゃんに

ちょっと待っててと別室から取ってきたお土産を彼に手渡した

京太郎「サンキュ。開けてもいいか?」

どうぞと頷いた私に、京ちゃんは紙袋から箱を取りだしフタを開ける

京太郎「おー、綺麗だな。これ硝子?」

咲「うん。とんぼ玉のストラップなんだ」

京太郎「ありがとな。使わせてもらうぜ」

目を輝かせて喜んでくれた京ちゃんに、これを選んでよかったとホッとした

実は旅行で訪れた硝子細工店で、私と夫が普段仲良くしている人たちに

色違いでとんぼ玉のストラップをお土産として購入していたのだ

キラキラと光を通すとんぼ玉を不思議そうに眺めている京ちゃんが子供みたいで微笑ましい

それから暫く談笑していたが、晩御飯の仕度をしなければと私はソファから立ち上がった

京ちゃんにも食べていってねと伝えてある

夫は早く帰って来られると言っていたから、そろそろ帰宅するだろうか



今日の晩御飯はハンバーグ

手伝うと言ってくれた京ちゃんと一緒に捏ねた挽き肉を丸めていた

京太郎「咲は相変わらず料理うまいな」

咲「お肉を丸めてるだけだよ?京ちゃんこそうまいじゃない」

京太郎「まあ一人暮らしで毎日作ってるからな」

咲「京ちゃんも早く結婚すればいいのに」

京太郎「んー、俺はまだいいや。一人の方が身軽でいいし」

咲「そうなんだ」

ハンバーグの形成が終わり、煮込んでいたオニオンスープも出来上がった

ハンバーグに添えるブロッコリーとニンジンも茹でてあるし

あとはメインを焼くだけで完成

京ちゃんに出してもらったお皿に野菜を盛り付けていると、玄関からただいまの声

夫が帰ってきたようだ

迎えにいこうとする私の後ろから京ちゃんがついてくる

嫁田「ただいま咲。と、須賀?」

咲「お帰りなさい。京ちゃんは遊びにきてくれてたんだ」

京太郎「お邪魔してるぜ。あ、お土産サンキュな。咲から受け取ったぜ」

嫁田「ああ」

咲「じゃあ皆で夕飯にしよっか」

食事を済ませ、ひとしきり談笑した後京ちゃんは帰っていった

夫はといえば少し不機嫌で、

私はその理由が何だかわからなかったが

彼の口から出た言葉に思わず笑ってしまう

嫁田「笑い事じゃないぞ」

咲「ふふ。だって…あなたったら本当に焼きもちやきさんだから」

嫁田「咲は危機感なさすぎだって言ってるのに」

夫が言うには、私が京ちゃんと二人っきりだったということが問題なのだそうだ

京ちゃんに恋愛感情なんてないよ?と言っても

それでもだ!とムキになる夫がなんとも可愛らしい

ソファに引き寄せられて抱き込まれる

いつものことなので、私は抵抗せず夫のしたいようにさせようと体を預けた

咲「昔は京ちゃんと私のこと「良い嫁さんだなー」とか言ってからかってたくせに」

嫁田「あれは…咲に構ってほしかったから…」

咲「ふふっ。バカなんだから」

嫁田「…浮気はダメだぞ」

咲「何言ってるの。浮気なんてするつもりないから安心してよ」

私にはあなただけだから、と手を伸ばして

夫の頬を撫でれば逆に手を取られ甲に口付けられた

日に日に彼は甘えたになってきているような気がする

仕事モードのクールな夫も素敵だが

二人でいるときにしか見せない甘えたな夫はもっと好きだ

私だけしか知らないこんな彼を、

私だけが独占出来るのがたまらなく嬉しい

何だかんだいって私にも独占欲はあったようだ

まだ私の手に口付けを繰り返している夫に焦れったくなり

体を少し起こし伸び上がってキスをした

咲「手だけじゃなくて、こっちにもして…」

嫁田「…ああ」

私からのキスに夫が口角を上げたのがわかる

強めに押し付けて自ら舌を差し込めば

あっという間に絡め取られ吸い上げられた

咲「ん…、んぅっ…」

ピチャと音を立て唇が離れ、

二人の間に銀の糸が伝う

キスで蕩けた私を見て夫は満足そうだ

嫁田「咲からキスしてもらえて嬉しい」

咲「もう…わざと手にばかりして誘ったくせに」

どうやら彼の機嫌は今のキスで上昇したようで

肩を揺らして笑っている

しかしいつの間にやら服の裾から手が浸入しており

身体中をまさぐり始めるから困ったものだ

待ってとスケベな手を抑え、

私は夫を軽く睨みつけた

咲「ここじゃ嫌。ベッドに行こう?」

嫁田「待てないよ」

咲「…ベッドじゃなきゃしないからね」

そうキッパリ告げると夫は渋々と頷いて

私の体は軽々と抱き上げられた

いそいそと寝室まで運ばれベッドに下ろされたところで夫が覆い被さってくる

咲「もう、せっかちなんだから…」

嫁田「待てないって言ってるのに咲が焦らすから」

満足気な表情で唇を寄せてくる夫に応えながら

段々と深くなるキスに身を委ねていった


カン!

来客編終わり
来月は初夜編書きます

友人だと思っていた人があまりにも真剣な顔で告げるものだから

時間が止まったかのような錯覚を覚えた


お見合いをして、交際に発展してひと月

まだまだ残暑の厳しい初秋の頃である

純粋に、一緒にいるのが楽しかった

だからこんなにも早く決断しなければならない時が来るだなんて思いもしなかった


嫁田「結婚して下さい」


彼はただ一言そう言った

まだ好きだと自覚することも出来ずにいたというのに

私は無意識にはい、と返事をする

そしてそんな自分に驚かずにはいられなかった


わずかに震えていた彼の手に

慰めるように自分の手を重ねたかっただけなのかもしれない

その時の気持ちは、未だにわからないまま

籍を入れてから三ヶ月が経ったある日

早く帰れると言って休日出勤をしていった夫を待ちながら晩御飯の支度をしていた

インターフォンが鳴ったため出たところ

夫宛にお届けものですと黒猫のお兄さんは爽やかに言った

そして届いたものに私はぽかんと固まったのである

花束とプレゼントらしき包み

一体何事かと困惑していれば夫の兄弟からで

花束には『お誕生日おめでとう』とのメッセージカードが添えられている

それを確認したことで漸く気づいた私は一気に背筋が冷えるのを感じた

私は新婚である旦那様の誕生日を知らなかったのだ

そんな大事なことを当日に気づいてしまうだなんて

結婚するまでに様々な書類を見てはきたものの、

そういえば誕生日というのを意識して確認したことがない

私はその場でおろおろとしたのち、財布を掴んでマンションを飛び出した

戻ってきた時まだ彼が帰っていないことに安堵し

私は買ってきた材料でケーキを作って冷蔵庫へとしまった

問題はプレゼントなのだが、時間も時間だしで結局何も用意できなかった

こればかりは謝るしかないと肩を落とす

何も知らなかった自分が不甲斐無い

そうこうしているうちに夫が帰宅したようだ

嫁田「ただいま、咲」

咲「おかえりなさい。そ、それと……ごめんなさい!」

嫁田「……咲?」

帰って早々謝られれば、そりゃあ戸惑うだろう

夫はなぜ私に頭を下げられているのか全くわからないという顔をしている

だからすべてを正直に話した

新婚だというのに妻が夫の誕生日を知らなかったというのは大問題である

普段は優しい夫も、流石に今回ばかりは怒ってしまうだろうかと思ったりもした

しかし彼は私の話を聞いて少しだけ困った顔はしたものの怒った様子はない

嫁田「気にしなくていいのに。誕生日とは言っても俺もいい大人なんだし」

咲「でも……プレゼントも用意出来てないし……」

言っていて段々落ち込んできている私に

夫は持っていた鞄を床に置くと手を伸ばしてくる

ふわりと抱き締められた私は、手を夫の背中に回しぎゅっと抱きついた

夫に触れられると安心できるのだと最近知った

この人の腕の中は落ち着く

だから余計、今は辛かった

許されているのがわかるからだ

咲「ねえ、何か私にしてほしいことはない?」

思いついたのはそんなことだけ

私に出来ることなんてたかが知れているので

あまりいい案ではないだろう

ただ何もないよりはいいのではと口に出してみれば

夫は少し考える仕草をしてみせた

嫁田「こんな形でなんてズルいような気もするんだけど…咲に聞いてほしい我侭があるんだ」

咲「な、なに!?私に出来ることなら何でもするよ!」

ぱぁっと顔を上げると夫の目元が若干赤みを帯びている

そして夫から告げられた言葉に

今度は私の顔が熱を持つ番だった


嫁田「咲を抱きたい」


夫婦になった以上いつかは体を重ねる日がくるとは思ってた

夫とはキスまではしているものの

それ以上の関係に発展するような空気が今まで一切なかったので

突然の進展に不安がこみ上げる

私は生まれてから今の今まで性的な経験をしたことがない

うまく出来るのだろうか


咲「あ、あのっ」

寝室のベッドの上

夫に服を丁寧に脱がされ、押し倒されている

首筋に唇を押し当てられたことに体が震え

私は堪らず声を上げた

嫁田「怖い?」

咲「…少し。私はこういうの初めてだから…」

嫁田「俺も初めてなんだ。だから痛かったら遠慮なく言ってくれ」

優しく目を細め、夫は私の額に口付けを落とした

不安を薄めてくれる彼の大きな手が気持ちいい

それは脇腹を撫で下へと下がっていく

陰部に触れられた時は流石に戸惑ったけれど

全部を任せると決めていたから抵抗という抵抗はなかった

クチュクチュと女性器を弄られ、変な声が出てしまいそうだ

声を出したくなくて必死に口を両手で塞ぐのだが

夫に手を外されてしまう

嫁田「声、我慢しないでちゃんと聞かせてくれ」

咲「あっ、でも…っこんな、変な声、恥ずかしい…」

嫁田「変じゃない、可愛い。もっと咲の声が聞きたい」

いつもよりも色のある声で言われたことに

私の心臓は更にドクドクと早まる

陰部を弄られながら乳房を口に含まれる

ぷくりと尖った先端を舌先で嬲られれば

我慢しきれなくなった声が漏れる

夫はそれを喜んでいるようだ

可愛いと何度も囁かれる

ついに堪えきれなくなった私は体をしならせて絶頂した

荒い息を繰り返しながら、これで終わりだろうかなんて考えていた

実際そんなわけはなく、愛液を滴らせる膣孔へと彼の指が埋められる

中へ中へと入ってくるのと同時に沸く

初めての感覚に対する恐怖感

咲「ん、やだ…怖いっ」

嫁田「ゆっくり、するから…息吐いて」

覆い被さっている夫の背中に腕を回して縋り付いた

言われた通りに呼吸を繰り返し

異物にひたすら絶えれば恐怖感も薄れてくる

私の体の力が大分抜けたことを確認した夫は

中を慣らしていた指を引き抜いて自身の性器にゴムを被せようとする

咲「そんなの持ってたんだ」

嫁田「いずれ咲と使うと思ったんだ。期待して用意してたんだけど、引いた?」

咲「ううん。だって私たち夫婦だしね」

私の言葉に夫はよかったと安堵したように笑う

嫁田「あ、あれ?うまく被せられない…これでいいんだよな…?」

咲「そんなに慌てなくてもいいのに」

嫁田「い、いや。咲の気が変わらないうちにと思って…」

あたふたしてる夫が何だか可愛くて、思わず笑ってしまう

緊張しているのは自分だけではないんだなと思うと

途端に強張っていた身体の力が抜け、落ち着きを取り戻してくる

ようやくゴムを装着した夫に続きをするよと囁かれ

私はこくりと頷いた

熱すぎる彼のものが慣らされた後膣孔へひたりと擦り付けられ

ゆっくりと私の中へ入ってくる

痛みよりも圧迫感があり、苦しい

促されるままに呼吸をして挿入に絶えた

咲「ふ……はぁっ、んん……」

嫁田「く、ぁ……咲、全部、はいったよ……痛くないか?」

咲「う、ん……」

嫁田「ごめん、少し、動くぞ……っ」

咲「ん……あぁっ……」

苦しいのに温かい気持ちになる

夫の顔を見るたび何故かどきどきが止まなかった

これは一体何という感情なのだろう

わからないことばかりだったが、酷く幸せだと感じた

まだ旦那様のことはわからないことだらけで

最初は不安もあったりしたけれど

この先も大丈夫な気がする

ただ何となく、そう思えた

ゆっくりとした突き上げが気持ちいい

夫は私に気を使ってくれているのだろうか

ちゃんと一緒に気持ちよくなれてたらいいのに

咲「んっ、あっ、あっ…ね、ちゃんと、気持ち、いいっ…?」

嫁田「そんなのっ、気持ちいいに、決まってる…そろそろっ、ヤバイくらいだっ」

律動が徐々に速まってくる

一緒にイこうと言う夫に頷いて、私たちはキスをしながら果てた

ぐったりとしていたのを力強い腕に抱き込まれている

そんな私はといえば体力を使い切りすでにうとうととしていた

でもまだ伝えていない

ちゃんと伝えなければ

ぎりぎりで保っていた意識で言葉を紡ぐ

咲「誕生日おめでとう…旦那さま…」

言い切った途端、電池が切れた玩具のように私は意識を落とした

ーーー

嫁田「あの後目を覚ました咲が立てないから、用意してくれてたケーキをベッドの上で二人で食べたんだよな」

咲「う…」

嫁田「一年しか経ってないのにすでに懐かしいよ」

好物のしょうが焼きを口へ運びながら夫は語った



あれから一年経った今日は夫の誕生日だ

今回はちゃんとプレゼントも用意してある

咲「うう…恥ずかしい記憶なのであんまり思い出したくないんだけど」

嫁田「あの時の咲は一生懸命ですごく可愛かったな」

咲「もう、やめてってばぁ」

私の困った顔を見て何が楽しいのか夫は意地悪だ

去年は結婚したばかりというのもあり、

彼がこんな人だとは思っていなかった

あの時と比べると不思議でならない

クールで優しい夫はどこへいった

今私の前にいる夫は実はスケベで意地悪な人、なのである

咲「一年前のあなたはどこへ行ったの…」

嫁田「しみじみ言われるとすごく傷つくんだけどな」

口ではそう言っているものの全く堪えている様子はない

むしろ涼しい表情をしている

この余裕はどこからくるのやら

咲「でも、まあ…そんなあなたも好きなんだけどね」

お茶を飲みながらさらりと言えば

向かいに座る夫は持っていた箸をからんと落とした

嫁田「…咲。不意打ちはズルいぞ」

箸を拾いながら照れたような目を向けてくる夫に

私は仕返しだよと笑ってみせた


カン!

初夜編終わり
次は道具編ですw

嫁田「一度来てみたかったんだ」

そう笑顔で告げた夫に連れられるまま入ったのは、いわゆるラブホテル

夫婦仲良く外食し、そのまま帰宅する予定だったのに

どうしてこんなことになっているのだろう

できたら逃げ出したいがそうもいかない

逃げても帰り着く場所は同じなのだから逃げられるわけはない

結局は夫の言われるままにしなければいけないのだが

本心から嫌がっているわけではない

やっぱり夫が好きだから、夫も自分を大切にしてくれているのが解るから

本当に嫌がることはしてこないはずだ

とは思うが部屋の中でごそごそしていると

出てくる出てくる怪しい代物に不安が膨れ上がる

変わった色をした液体が入っているボトルに

男性器を催したいわゆるバイブと言われるものやピンク色をしたローター

他にもまるで数珠のように珠が連なったものやコルク栓のようなもの

丸い指輪のようなもの…何に使うのかわからないものが多々出てくる

それらを見ていると段々と湧き上がってくる恐怖心

こんなもの見たこともなく、もちろん使ったことなどもない私は不安でたまらない

夫の事だ、絶対に何かしらは使ってきそうな気がする

先にシャワーを浴びてくると消えた夫をそのまま残し、逃げようかと再び湧き上がってくる

が、扉の開く音と共に戻ってきた夫にその思いは封じられる

嫁田「咲…そうか、なるほど …よし、わかった!」

こんな物ごそごそと広げるのではなかったと後悔するがそれも後の祭り

小道具を見ていた私ににっこりと笑いかける夫の顔は

優しいがその奥に隠れているものに背中が寒くなる

咲「あ、いや…違うの!…これは、使いたいとかそういうわけじゃなくて…」

嫁田「さぁ、咲もシャワーを浴びてくるといい。さっぱりしてから…な?」

笑顔で言い切られ、もうこれは逆らうことは不可能な様子

激しく後悔するが、私が見つけなくてもどっちにしろ夫が見つけて

嬉々として迫ってくるのは目に見えている

できたら身体に負担にならないようにお願いしたいと思いながらも

言葉には出せずに言われる侭すごすごとシャワーを浴びることとなる

熱い湯を浴びながら何度目かのため息をつき

バスルームから出る決意を決めるまでに少しの時間を要した





そして案の定な展開が待っていた

並べられた様々なアダルトグッズを前に「どれがいい?」と笑顔で聞かれても

顔を横に振るしかできなかった

それでおとなしく引き下がってくれる夫ではないのはよくわかっている

顔を引きつらせながら、迫ってくる夫にせめてもの抵抗とばかりに懇願する

咲「ね、ねぇ…お願いだから…そんな道具とかは…あの…」

嫁田「不安なのか?大丈夫だ、ここにある道具は全て気持ちよくなれるものばかりだし」

そう言われても、何をされるかわからない恐怖と不安が拭い去れるわけはない

ふるふると首を横に振るが、夫は目の前の道具に興味津々で取り合う様子もない

嫁田「へぇ、こんなものまであるのか。…よし、片っ端から使ってみるとするか!」

咲「はぁ~…もう、わかったよ…」

やる気満々な夫に顔を引きつらせながら

私はただ黙って受け入れることにした





咲「ん…っ」

両手は暴れないようにとベッドボードに括られ固定される

着ているものを脱がされて、煌々とライトに照らされた明るい中に曝け出されて

恥ずかしさで顔が赤くなっていくのが自分でもわかる

何をされるかわからない不安はあるが、される様子をじっと見ている勇気もなく

顔を背けてぎゅっと目を閉じ夫の視線から逃げる

クスクスと笑う夫の声が耳の中に滑り込んでくる

怖くてたまらないが、それと同時に期待している自分がいるのも感じていた

咲「…ひっ、…っ!」

ぬるりとした感触が胸から腹にかけて広がっていく

反射的に何が起こったのか見てしまうと

そこにはあの変わった色をした液体が自分の身体にかけられていた

ぬるぬると塗り込められる感覚に身体がブルッと震える

冷たい液体が身体の熱で温められて、さらにぬるぬると卑猥な感覚に陥る

そう、それだけだったのに

塗り込められるうちに身体がじわじわとむず痒いような

何とも言えない感覚に襲われる

咲「…な、なに…これ…ぁん、んっ…」

甘い声が引っ切り無しに零れていく

止めようと歯を食いしばるが、それもあっさりと打ち砕かれる

食いしばるたびに奥から止められずに甘い声が吐き出される

咲「やっ…やだ、これ…身体が、身体が熱いぃ…!」

嫁田「思っていた以上効果があるようだな」

感心している夫だが、私には何が起こったのかわからず

ただ高められていく身体に翻弄されて身をくねらせていた

これはいわゆる媚薬を含んだローションだろう

あっさりと陥落した私の様子に夫が嬉しそうな笑みを浮かべる

残りを手に取った夫は私の陰部にソレを纏わりつかせる

咲「…ひぃぃっ!やぁぁっ…いや…それ、あぁんっ!」

触られるだけでも大した刺激なのに更にローションまで擦りこまれて

だらしなく開いた私の口からは涎が流れ、身体に纏わりついたローションと混ざり合う

嫁田「ここも…よく濡れてるな」

膣中に夫の指が潜り込んでくる

ぐちゅんっと水音を立てながら中をかき回される

咲「あぁぁんっ!はぁ…っ、んあぁ…」

奥を突かれる刺激に腰を揺らし、身体で応える

膣内もヒクヒクと収縮し喜んで指を迎え入れている

嫁田「次は…これ」

咲「…んぐぅっ…!やぁっ…な、なに…あぁ…っ」

指を引き抜かれたと思ったら、太い無機質なものが一気に膣内に潜り込んでくる

バイブが突き入れられたのだ

広がっていく膣内に身体がヒクヒクと痙攣をおこす

咲「やっ…いやぁっ…これ…とって…ぁんっ」

深々と挿入されたバイブはゆっくりと動き出し、機械音を奏ではじめる

中で暴れはじめた無機質なモノに身体の熱は更に高められていく

背を反らせベッドの上でただのた打ち回るだけしかできず

そんな私の痴態を舐めるように見ている夫に

早くこの溜まって出口にたどり着けない熱を解放してほしくて必死に懇願する

咲「…お願い…もぉ、早く、おね…がいぃ…」

嫁田「咲…、そんな潤んだ目で見られたらヤバイ…」

夫の雄が欲望の炎を燃え上がらせ勃ちあがってくる

私の膣に潜り込んでいるバイブを一気に抜き取り、

膨れ上がった自身を一気に膣内へと突き入れられる

ぐちゅんと濡れた音を立てながら男根が奥深くへと収まった

咲「あぁぁんっ !…ひぃっ…大き…やぁぁ、…激しいぃ…っ!」

肉のぶつかり合う音と内部を擦れる音が部屋の中を駆け巡り翻弄される

強烈な快感に犯されながら、それでも私は必死に両腕を動かそうとする

固定されていることも忘れ、手首が擦り切れているのにそれでも動きを止めない

それは縋るものを求めて無意識のままの動き

夫の広い背中に縋りつきたい

腰を前後させながら私の身体を貪っていた夫はようやく私の動きに気づく

擦り切れた手首は血がにじんでいた

嫁田「咲…ごめん…」

拘束を解き、そっと血のにじんだ手首の傷を慈しむように舐められる

私はようやく解放された両腕を夫の背中に回す

しっかりと抱きしめ、身体を密着させ、すり寄るようにして触れ合う

繋がった場所は熱く疼き、挿入された夫の雄を包み込むようにして蠢いている

咲「ふぅ、ンン…あぁんっ…ァ…んぁ、あぁ…っ」

膣壁は夫の雄が潜り込めば緩み受け入れ、引き抜かれそうになると絡みつくように纏わりつく

その動きに夫はクッと堪え、更に激しく本能のまま奥へ奥へと肉棒を突き動かす

ぐちゅん、ぐちゅっと膣内を抉られ、私は甲高い声を上げて身悶える

喉元を仰け反らせ息を詰まらせ襲ってきた快感に

目の前に火花が散っているような感覚に襲われる

嫁田「ここか、咲…もっと感じさせてやる…っ」

咲「ああっ、んっ、ひぃっ!そこぉ、いい…はぁんっ!」

突き入れられる度に身体が激しくしなる

夫は反り返る私の背に手を回し、更に身体を密着させると

奥深くへと滾る肉棒をこれでもかというように打ちつけてくる

飛び散る汗と、激しい突きに刺激されイキっぱなしの私の身体は細かく痙攣する

それでも激しい情交は止まらない

嫁田「…咲っ…そろそろ…、出すぞ…っ」

動きが更に激しくなり、水音と擦れる音も大きくなる

膨れ上がる夫の雄に膣内が圧迫される

トドメとばかりに隙間ないぐらい身体を密着させ奥を突かれる

咲「あっ、あっ、あぁっ…あぁん!ナカに…出して…っ!」

更に一回り内部で大きくなったと思った瞬間、爆ぜ内部に叩きつけられる熱い奔流

ドクドクと止まることなく溢れる白濁を最後の一滴まで搾り取るような膣壁の動きに

夫も腰を叩きつけて流し込む

繋がったソコをゆっくりと抜き取られる

ごぽっと音を立てて夫の子種が溢れ流れてくる

ヒクつく孔は物足りないと訴えているように見え、夫を誘うかのよう

流れ出る己の欲望を見ながら、夫はまだまだ止まらない欲望を燃え上がらせる


嫁田「悪い、咲…もう少し付き合ってもらうぞ」


耳元で囁かれるが、放心状態の私には

何を言われているのか理解することもできなかった

再び身体を繋げられてようやく意識を取り戻すが

言葉にならない声を上げ、感じることしかできなかった


注ぎ込まれる夫の欲望は際限を知らず私のナカへと溢れていった

ーーー

髪を撫でられる感覚に意識が浮上する

うっすらと目を開けると、優しい瞳で私を見下ろす夫がいた

嫁田「ちょっと無理をさせすぎたかな…」

低く囁く大好きな人の声

痛む腰を押さえて起き上がろうとするが

髪を撫でてくる夫の手が心地良くて

もう少しだけこのままでいようと目を閉じる


嫁田「咲が目覚めたら、今度はこのアナルビーズを使ってみるかな」


生き生きとした夫の声が聞こえてきた瞬間

私はこのまま朝まで寝たフリを続けよう、と固く心に決めたのだった


カン!

大人の玩具編終わり
次は出張編です

一「咲、最近元気なくない?」

会社の同僚である一さんから顔を覗きこまれ、私は曖昧に笑う

一「もしかしなくても旦那さんのことが原因?」

なんて言い当てられてしまうのだから恐れ入ってしまう

確かに最近の私は気分が落ちている

というのも夫が長期出張で家をあけているからである

一緒にご飯を食べていない、会話も電話で少ししかできていない

となると新婚中の身としては流石に寂しいと感じてしまうのだ

話すつもりなんてなかったのに、気づけば一さんに話していた

彼女の打つ相槌が安心させるようで優しく、心地良いせいだ

今になって気恥ずかしくなってくる

一「よし!今日のお昼は僕のおごりだよ、ぱーっと美味しいもの食べにいこう!」

咲「一さん…ありがとうございます」

元気いっぱいに言う一さんに、自然と私も笑顔になる

智美「ワハハ。なら私も一緒にいくぞー」

一「わっ!智美、いつの間に…」

視線を向ければ、同じく同僚の智美さんが私たちの方へとやってきた

智美「私だけ仲間外れはずるいぞ。まあ、それはともかくとして…咲」

咲「はい?」

智美「一と話して少しは元気が戻ったかな」

スッと細められた智美さんの視線が私を捉える

まさかこの人にも気づかれているとは、私の周りには敏い人が多すぎる

それとも表情に出していないつもりでも出ているのだろうか

智美「一人で悩まないで、何でも相談してくれよ。咲には私も一もいるんだから」

咲「智美さんも…ありがとうございます」

二人から元気をもらって温かい気分で帰宅したとはいえ

明日から土日で二連休だと思うとやはり憂鬱な気分になってくる

私はわがままで欲張りだ

あんなに私のことを心配してくれる人たちがいるというのに

それでもまだ寂しいと思ってしまう

以前はこんなことなんてなかったのに

夫と結婚してからこの症状が悪化しているように思えて仕方ない

何もする気が起きなくて、マンションに着くなりソファへとダイブした

そのままごろりと横になり、クッションに顔を埋めスマートフォンを取り出す

画面を確認したが着信はなかった

咲「……寂しい、な」

つい声に出してしまい、シーンとする空気に虚しくなる

このままいつまでもうじうじしてったって益々湿っぽくなるだけだと

起き上がりキッチンへと向かった

冷蔵庫にあるもので夕飯は済ませてしまおう

鶏肉と玉ねぎ、卵があったのでオムライスを作る

出来上がったチキンライスに卵を焼いて乗せれば完成だ

ボウルに卵を割ったとき、背後から体を包み込まれて一瞬息が止まる

嫁田「ただいま。咲」

ずっと近くで聞きたかった声が耳に直接響いてくる

強い力で抱きしめられる

相手を確認しようと顔を向ければ、視界には大好きな夫が映った

咲「おかえりなさい……でも、どうして?」

出張の終了予定日はあと3日も後だったはずだ

嫁田「仕事が一段落して予定よりも早めに終わったから、咲を驚かせようと思ったんだ」

私の髪やこめかみにキスをしながら夫は言う

咲「んっ、くすぐったい……でも嬉しい。早くあなたに会いたかったから……」

素直に心の内を話すと、さらに身体をぐっと抱き寄せられ唇を塞がれる

咲「っ……んぅ……」

深いキスをされ、咥内を彼の舌にまさぐられれば

気持ちよさに自らも積極的に舌を絡ませた

咲(ああ、まずい。このままじゃ……)

流されてしまう

案の定キスをしたまま夫の手が私の服の中へと入り

肌をいやらしい動きで撫でている

流石にキッチンでするのは抵抗があるのでせめて場所を移動してほしい

抱きこまれている体を捩って訴えてみるものの、力が緩むことはなかった

彼が力を緩めてくれないということは考えを改めるつもりはないということだ

本当は私だってしたい

ずっと触れたかった

だから今日だけ、今だけ……

シンクに体を押し付けられ、後ろから体重をかけられる

着ていたブラウスのボタンはすべて外されて、前は肌蹴た状態だ

うなじに噛みつかれ、散々捏ねられた乳首を抓られる

私は体を仰け反らせ高い嬌声を上げた

咲「あぁ……やぁっ」

嫁田「咲、可愛い。もっと声聞かせて」

夫が自分に触れていると思うだけで嬉しかった

我慢しようとしていたのに、気が抜けたからか今になって涙が溢れてくる

咲「ふっ、うぅ……」

嫁田「咲?ご、ごめん、こんなところで嫌だったか!?」

泣きだした私に気づき、夫は慌てたように私の顔を覗き込んだ

私は違うと首を左右に振った

咲「違うの……久しぶりにあなたに会えたから、嬉しいの」

心配する夫に笑ってみせれば、彼もほっとしたようにして私に笑って見せる

嫁田「俺も嬉しい、ずっと咲に会いたかった。咲のことばかり考えてた」

体勢を変えて夫と向き合う

私は夫の首に腕を回し自ら口づけた

唇同士を軽く合わせ、少しだけ舌を絡ませてから

ちゅ、とリップ音をたてて離れた

今度は彼が私に口づける

それから視線を合わせ、抱きしめあった




咲「あっあっあっ、ひぁぁっ!…はぁっ、あん…やあぁっ」

シンクに背中を向け、両手だけをそこに付いており

右足は開かれた状態で突き上げられている

彼の支えがなければこんな体勢を維持するなんて出来ず

正直今にも崩れ落ちてしまいそうだった

それなのに容赦なく中を抉ってくるのだ

力任せのようで、弱いところばかりを確実に攻められれば

気持ち良すぎて堪らない

久しぶりの性行為に私も興奮してしまっていて快感に従順になっている

理性なんて早々に吹き飛んでいた

腰を引かれれば彼を締め付け、そうするとまた強く突き入れられる

嫁田「はっ、そんなに煽って……どうなっても知らないぞっ」

咲「あんっ、あっ、いい、から、もっと……ああっ」

嫁田「咲ッ」

咲「あぁっ、あっあっ、んあぁっ!」

ぬちゅ、ずちゅ、と抜き差しする音が激しくなり

それから間もなくしてほぼ同時に達した

力の抜けた私は夫に支えられずるりと床に崩れ落ちる

余韻から抜けきれずにぼうっとしていると

今度は胡坐をかいた彼の上に引き寄せられ

何を思う間もなく再び挿入される

咲「あっん、ま、って…」

嫁田「待てない。全然足りない、咲」

腰を持たれ引き下ろされて、がくがくと揺さぶられる

体に力が入らない私は夫にしがみ付くので精一杯だ

嫁田「はぁ、はぁ、もっとって、言ったの、咲、だろ?」

咲「あっ、あっ、でも、激しかった、から…も、できな…あんっ」

久しぶりな上さっき私が煽ったせいなのか

今日の夫は手加減してくれる気はないらしい




それからもう一度体位を変えて挿入されて

私は揺さぶられるまま嬌声を上げ続けた

目を覚ますとベッドの上

気を失ってしまった私を夫が運んでくれたらしい

隣で眠る夫にしっかり抱きこまれているため身動きが取りにくいが

夫の顔をちゃんと見たくて少し体を捩り夫に向き合った

顔には出さなかったが彼も余程疲れているのだろう

随分よく眠っている

頬に触れ、私は伸びあがって軽いキスをした

夫の高めの体温が心地良くて、再び眠気がやってくる

もう少し眠ろう

大好きな人の胸に顔を埋めて

私はもう一度眠りについたのだった

ーーー


ーーー

夕飯の用意をしていると、いつもより早く仕事から帰ってきた夫は

スーツから普段着に着替えた後私の手伝いをしてくれる

こうして二人並んでキッチンに立つのは結婚当初から変わらない

食器棚からお皿を取り出した夫の手をなんとなしに見てしまう

私の手より随分と大きな手、ゴツゴツとしたこの手も好きだ

嫁田「咲?」

咲「あ、なに?」

フライパンを持ったままぼうっとしてしまっていたらしく

夫に呼ばれていたことに気がつかなかった

嫁田「どうしたんだ?ぼーっとして」

咲「え、いや、何でもないよっ」

別に疚しいことを考えていたわけではないが変に動揺してしまう

そんな私に夫はそうか?と返し

その後意地悪な笑みを浮かべる

あ、嫌な予感…

意味深な表情で近づいてくる夫から

少しでも距離を取りたくて後ろへ下がるものの

あっという間に間を詰めてきた彼は私の耳元に顔を寄せ囁いた

嫁田「この間ここでセックスしたこと思い出しちゃったか?」

色を含んだ言葉に、かっと顔が熱くなる

思い出さないようにしていたのに

わざとそういうことを言ってくるのだ

たちが悪い

咲「お、思い出してないからっ」

にやにやと笑う旦那から私は目を逸らす

嫁田「そういうことにしておいてあげよう」

ぽんと頭を軽くなでられ、額にキスを落とされる

真っ赤になっているであろう顔で睨めば

さっきの意地悪な笑みとは違う、甘ったるく優しい笑みが返された

そんな顔をされたら何も言えなくなる

きっとこの後、意地悪なことをされた以上に甘やかされるのだろう

ずるい人

でもそんなところも含めて、私は夫が大好きなのだった


カン!

出張編終わり
出産編もいずれ投下したいです。あとコスプレえっちもw

嫁田「ふぅ、やっと終わった…」

ようやく残業から解放され、時計を見ると21時を回っていた

愛しい妻が待っているからと俺は家路を急ぐ


嫁田「ただいま。咲」

咲「お帰りなさい~」

玄関を開けて声をかけた所でエプロン姿の咲が駆け寄ってきた

嫁田「遅くなってごめ……わっ!」

いきなり咲に抱きつかれた俺は驚きのあまりその場に立ち尽くす

嫁田「さ、咲…?どうしたんだ?」

咲「別にどうもしないよ~」

上機嫌な妻にすりすりと顔を胸に押し付けられる

こんな風に甘えられることは滅多にない俺はすぐにピンときた

嫁田「なぁ咲。もしかして酔ってる…?」

咲「ん~?」

妻からの答えはなかったが、僅かに漂うアルコールの匂いで理解した

嫁田「やっぱり…。で、いったい誰にそんなに飲まされたんだ?」

咲「竹井せんぱい」

嫁田「ああ、あの人に強引に進められたのか。全く咲はお酒弱いってのに…」

咲「そんなに飲んでないよ~だいじょうぶだいじょうぶ!」

嫁田「大丈夫じゃねえって。そんなに赤い顔して…」

咲「だいじょうぶだって~ほらっ」

火照った顔でそう言った咲が俺の両頬をぐいっと引き寄せる

嫁田「んっ…!?」

唐突に唇を塞がれ俺は目を白黒させる

混乱してされるがままの俺をよそに、咲が舌を差し入れてきた

咲「ん~…ふ…んん…」

嫁田「っ…ん…ぅ…」

口腔内で激しく絡み合う舌の感触

快感に背筋がゾクゾクする

やばいちょっと起ってきた…

咲「あ、おっきしちゃった?」

ズボンを押し上げる俺のモノに気づいた咲はくすりと笑うと

ジッパーを下げ、僅かに反応を示している性器を取り出した

嫁田「さ、咲!?」

咲「ふふ。しゃぶってあげるね」

ぺろぺろと鈴口から竿にかけて舌を這わせられる

嫁田「っ…」

妻の巧みな舌使いに俺の男根はたちまち育ち

先端からは透明なカウパーが次から次へと溢れ出して来た

天を向く肉棒を両手で支えながら口に含んで吸いつかれる

あまりの気持ちよさに昇天してしまいそうだ

嫁田「う…咲、もう出そうだから…口離していいよ…」

咲「だいじょうぶ、そのまま出して」

あむあむと唇全体を使って亀頭を刺激していた咲が

上目遣いのまま「出して」とおねだりしてくる

妻の表情に煽られた俺はびくりと腰を震わせ

咥内に精液を勢いよく流し込んだ

咲「ごくっ…ごくっ……ふふ、いっぱい出たね」

口の端に残った残滓をぺろりと舐め取った咲が潤んだ瞳で微笑みかけてくる

普段の清楚な印象とはかけ離れた妖艶な妻の姿に

俺の理性はぷつんと音を立てて焼き切れた

その場に咲を押し倒し、衣服を脱がせていく

咲「あん…もう、せっかちなんだから」

嫁田「咲がそんなに煽るからだぞ」

咲「ふふっ…いいよ。足腰立たなくなるくらい、えっちしようね?」

唇から首筋、鎖骨を下って胸の突起を舐めると

咲の口からは甘い声が響き始める

舌で押し潰すと乳首はすぐに赤く色づきぷっくりと腫れてしまう

空いた片方は指先で捏ねる

咲「んっ、ぁ、あぁ…っ」

嫁田「気持ちいい?」

咲「ぁん…気持ちいい…ね、もっと触ってぇ」

可愛い妻のおねだりに応えるべく、舌と指の動きを早めていく

咲「あっ…んん…はぁ…っ」

生理的な涙で潤む咲の目元に口付け、疼く膣孔につぷりと中指を突き挿れた

狭く熱い膣内が指にねっとりと絡みつくようだ

早く自身を挿れたい気持ちを抑えて、慎重に咲を蕩かせていく

咲「あっ、あんっ、も…お願い、早く、ちょうだい…っ」

嫁田「ん、わかった」

瞳を快楽に蕩けさせた妻が両手を伸ばしてせがんできた

俺は何度か自分の性器を扱くと、とろとろに緩んだ膣孔に切っ先を埋める

待ち望んでいた侵入に咲の中は悦んで男根を飲み込んでいった

暖かい膣内に包まれる感触がたまらなく気持ちいい

俺は誘われるままゆっくりと動き出す

肉棒で中を掻き回すと、咲は身も世もなく感じ喘ぐ

カリで膣壁を擦りつけるように抜き差しする

咲「あっ、あっ、あっ、いいっ、もっとぉ」

嫁田「さ、咲…そんなに締め付けたら、あまり保たないってっ」

咲「あんっ、あんっ…だってぇ、気持ちいいんだもん…っ」

完全に理性が飛んでいる咲は、両足を俺の腰に絡めながらねだってきた

こくりと唾を飲み込んだ俺は激しく腰を振り出した

抜けそうなほど引き抜くと、今度は奥深くまで一気に突き挿れる

カリ先で何度も何度も膣内を責めたてる

強烈な刺激を与え続けられ、咲は体を震わせながらよがりまくった

俺もすっかり快感に酔いしれ

ただ本能のまま腰を突き立て続ける

嫁田「はっ、はっ、咲っ」

咲「あっ、あっ、はぁっ、そこ、いいっ」

肉と肉がぶつかりあう音と妻の嬌声が辺りに響き渡る

嫁田「っ、咲…、出すぞ…っ」

咲「んん…、出してぇ…奥に、たくさん…っ」

妻の名前を呼びながら、その膣内に熱い奔流を注いだ

身体の中が濡らされる感覚に咲もびくびくと痙攣しながら絶頂に達する

咲「はぁ…はぁ…」

嫁田「咲…っ」

まだ息が荒い咲の腰を引き寄せ、俺は再び肉棒を動かし始める

片足を高く持ち上げ、より深いところを重点的に突き込んでいく

咲「あんっ、あんっ、気持ちい、もっと、もっと突いて…っ」

熱い吐息を漏らしながら咲もゆらゆらと腰を揺らしてくる

ずちゅんずちゅんと奥を突いては、ごりごりと一点を責める

子宮口まで亀頭が到達してぐりっと抉れば、妻の媚肉が吸い付くように男根を締め付けてくる

ずっぽり隙間無く埋め込み、正常位では味わえないほど奥まで深く繋がっている

これは堪らないと俺は腰使いを激しくする

咲「んっ、あっあっ、あぁっ、ひん…っ」

ぐずぐずに蕩けきった膣内を収縮させ、膝を震わせながら咲が嬌声をあげる

欲にまみれた咲の蕩けきった表情に俺の興奮も更に高まる

今回はここまでっす

嫁田「くっ…!」

衝動的にガツガツ腰を打ち付け、咲を責めたてる

咲「あっ、あっ、あんっ、気持ち、いぃ…っ」

嫁田「っ、も、出すぞ…っ」

奥に突き込みながら、咲の膣内に熱い精液を勢いよく注ぎ込む

咲「ん…はぁ…」

内部が呼応してヌルヌル波打ち断続的に締め付けてくる

その心地よさにどくり、と俺の肉塊が再び大きく硬く育つ

咲「ふふ。また大きくなったね…」

嫣然と笑みながら、咲が両腕を首に巻きつけてくる

咲「いいよ。もっといっぱいして」

嫁田「ああ…」

誘われるまま、膨張した肉棒で奥を捏ね回す

咲「あぁんっ」

妻は身を身悶えさせ甘い声をあげる

ゆっくりグラインドすると揺れる白い腰と淫らな接合部

媚肉をじゅくじゅく振動するような動きで攻めていく

咲が、ひぁぁと喉奥でか細い声をたてる

徐々に突き上げるスピードを早めていく 

感じまくっている咲の腰をがっちりと掴み、最奥まで貪った

咲「んぁっ、あっ、あっ、あうっ」

嫁田「くっ…出る…っ」

射精している最中も腰の動きは止まらず

たっぷり中に注ぎながら激しく腰を打ち付けた



全ての精液を出し終えた俺は自身を引き抜こうとする

が、咲は俺の身体を倒して上に乗り、再び腰を揺すり出した

嫁田「さ、咲…くぅっ」

咲「ふふ。まだまだ出来るでしょ…んっ、んっ」

嫁田「本当に足腰立たなくなるまでヤるつもりか…。まぁ、俺は大歓迎だけど」

精力的に動く妻に刺激され、俺の男性器はまた大きくなっていく

嫁田「明日になって泣き言を吐いても知らないからな」

ぼそっと呟いた俺は妻の身体を堪能すべく

ふたたび奥を目指して腰を突き入れた




翌日。二日酔いと腰の痛みでうなされる咲を介抱しながら

たまには妻に思い切り酒を飲ませるのも悪くないなとニヤつく俺だった


カン!

次は夫婦でお出かけ編です

咲「ん…」

重い瞼をうっすらと開ける

カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる

咲「あふ…、もう朝かぁ…」

一晩中求められた身体が痛い

筋肉や股関節が悲鳴をあげている

隣ですぅすぅと寝息を立てている夫の鼻を摘もうと身じろぎすると

私は違和感に気がついた

やけに夫が私に密着しているのだ

いつも抱き枕よろしく寝ているのには慣れてしまったが

繋がっていた部分がまだ熱を持っている

まさかと思い布団をめくってみた



咲「な、何でまだ繋がってるのっ!?」


嫁田「…んー、もう少し寝かせてくれ…」

咲「寝る前に抜いて──…ひっ、あぁ!?」

ベッドの上で私を後ろから抱きしめている夫を退かそうと身体を捩ると

私の中に挿入ったままにされていた夫の萎えたモノがぐにゃりと動いた

いつもは固いそれにいいように鳴かされているが、萎えたものは初めてだ

私が達した後寝てしまったのにつられて

夫も私を抱きしめたまま眠ってしまったらしい

広げられたままの膣がじんじんとする

夫の大きいものを突っ込まれっぱなしだったのだから当然とも言えるだろう

咲「も、抜いてぇ…」

嫁田「ふわぁ…、ん。了解」

ようやく目が覚めた夫は私の中から性器を抜き取った

身じろぎをすると膣内からごぽりと夫の吐き出した精液が漏れ出る

咲「ぁ…」

嫁田「大丈夫か?悪い、昨夜はちょっと激しすぎたな」

咲「ん、大丈夫だよ」

酷使された腰を夫に優しく撫でられる

嫁田「お詫びに次の休みは一緒に買い物にいこう。咲に似合う服を買ってやるよ」

咲「ほんと?嬉しい!楽しみにしてるね」

私は目を輝かせながら夫の首に抱きついた

そして来たる休日

夫が運転する車がゆっくりと駐車する

目的の店についたのだろう

彼はさっと髪を整えると、私をエスコートして車から降りた

街中にそびえる有名ブティックにはゆったりとした時間が流れている


店員「いらっしゃいませ」

嫁田「今日は妻の服を見繕いに来たんだ。そうだな、これとか、…それも。お、あれも似合いそうだな」

咲「わぁ…!どれも素敵な服だね!」

嫁田「気に入った?なら3点すべて試着させてもらおうか」

店員「かしこまりました。それでは試着室へどうぞ」

店員さんは私たちを試着室へ案内すると、持ち場へと戻っていった

一瞬ちらりと見えたタグに書かれた値段は

私が普段着ている洋服より0の数が一桁多かった

あれを買うつもりなのか

冷や汗を掻いた私は抵抗したが

楽しそうに笑う夫に押されて試着室まで入ってしまった

咲「な…何で一緒に入ってくるのっ!?」

嫁田「別にこれだけ広いんだから構わないだろ?咲に似合う服をぜひプレゼントしたいんだ」

夫は嬉々として私に似合う服を探すことに夢中になっている

まるで着せ替え人形になった気持ちに陥った

嫁田「ほら、咲。バンザイしてくれ」

咲「一人で着替えられるってば」

嫁田「俺が着せたいんだよ。ほら、諦めて協力してくれ」

咲「もう…分かったよ」

私は渋々バンザイをして、着ていたチュニックを脱がせてもらった

一通り試着し終えると夫は満足げに頷いた

嫁田「うん、どの服も似合ってるな。じゃあ3着とも…」

咲「い、1着でいいからっ!」

嫁田「そうか?まあ咲がそう言うのなら」

私はぶんぶんと首を縦に振る

嫁田「…。でもやっぱり咲は…」

咲「え?」

嫁田「何も着てない今の状態がいちばん可愛いな」

咲「んっ…!」

つうっと肌を撫でられて思わず甘い声が出てしまう

今回はここまでっす

嫁田「その声、誘ってるのか…?」

咲「な、何言って…ひゃ、あぁ…っ」

鏡に向かって私を後ろから羽交い締めにした夫は

私のブラを外すと乳房に手のひらを這わせた

手の冷たさにびくりと背筋を震わせていると

体温を馴染ませるかのように夫が私の胸を揉みしだく

咲「あっ…はぁ…こんなところで…っ」

嫁田「声を抑えてれば気づかれないさ」

夫のイタズラな手が下半身へと下がっていき、ショーツの中に潜り込んだ

咲「ひゃう…あっ…あぁ…」

陰部を執拗に弄られ息が上がってくる

咲「あ、あ、あ、あ…、だめぇ…!へ、変な声、出ちゃう…っ」

ぷくりと膨らんだクリトリスを弄られて腰が跳ねた

咲「も…、だめだったらぁ…っ」

嫁田「ん。わかった」

弱弱しく抗いの言葉を発した瞬間、夫の手がぴたりと止まる

咲「あ…」

高められていた快感がすっと引いていく

咲「な、んで…」

嫁田「どうした?ここじゃだめなんだろう?」

ここまで触れておいて、途中でやめるなんて

まだ熱を持ったままの陰部が疼いている

咲「い…いじわる…っ」

嫁田「悪い。でも咲に可愛くおねだりしてほしいんだ」

咲「ぅう…」

嫁田「どうしてほしい?言ってくれ…咲」

耳元で低く囁かれた私は折れてしまう

咲「…お、お願いだから…イかせて…っ」

嫁田「ん。了解」

恥ずかしさに頬を染めながら夫に懇願する

満足げに頷いた夫の手が再び私の陰部に触れた

咲「あん…ん、んっ…はぁ…っ」

ドア一枚越しは高級ブティックだと言うのに

夫に感じるところを責められて、もっともっとと強請るように腰を揺すってしまう

目の前の鏡に映るのは、快楽に蕩けた表情で嬌声を上げる自身の姿

咲「あ、あ、あ…っ、も…もうっ、イッちゃうぅ…」

嫁田「いいよ、イッても」

ぐちゅっと膣内に夫の指が入り込み、中をかき混ぜられる

咲「あぁ…っ!も、イク…っ」

びくびくと全身を震わせて私は絶頂した

咲「はぁ…はぁ…」

途端に足ががくんと崩れ、その場にぺたんと座り込んでしまう

夫はまだ荒い呼吸の私に服を着せ、横抱きにして個室から出る

外に控えていた店員さんにカードを渡した

店員「ご試着はいかがでしたか?お気に召すものがあれば嬉しいのですが」

嫁田「先ほどの服はすべて買わせて貰うよ」

店員「かしこまりました。ありがとうございます」

咲「あ…」

一着でいいのにと抵抗する間もないまま

私は三着とも夫に服を買い与えられてしまったのだった

夫は車に私を乗せると近くのホテルへと向かった

未だ火照った身体を持て余した私は

されるがままベッドへと寝かされた

夫はベッドに腰掛け、汗が滲んだ私の前髪を優しく梳いてくる

一度火を付けられた身体はじんじんと疼いて仕方ない

咲「ね…お願い、抱いて…っ」

夫へと手を伸ばしながら懇願すると

いきなり噛みつくようなキスをされた

酸素を取り入れる為に開けた咥内に遠慮なく夫の舌が押し入ってくる

上顎をべろりと舐められるとぞくりとした劣情が私を襲った

唾液を注ぎ込まれ、溺れないように懸命に飲み干していく

夫に見つめられて身体に触れられると私は変になる

もっともっとと欲張りになって

夫のことしか考えられなくなってしまう

今回はここまでっす

もう欲しくて欲しくて仕方がない

夫に慣らされた膣内が、きゅんと疼くのを感じた

嫁田「俺が欲しいか?」

咲「ん…っ、欲しい…」

素直に頷くと、夫は膣孔に剛直を押し当てた

ずん、という衝撃の後

夫の男根が私の中に挿入ってくる

思わず喉が反り返った

膣内を夫の肉棒がごりごりと抉るように突き進んでくる

一番奥まで突き挿れると、勢いよく腰が引かれる

嫁田「咲、動くぞ」

夫は私の腰をその大きい手のひらで鷲掴むと、突然激しい注挿を始めた

咲「あっ…待って!もっと、ゆっくり…!あうぅ…っ」

身体がついていけずバラバラになってしまいそうだ

私は涙を零しながら、もっとゆっくりしてと叫んだ

けれど夫は興奮状態で私の言葉なんてちっとも聞いちゃいない

咲、好きだ、愛してる

譫言のようにそう繰り返して、私の中をめちゃくちゃに犯していった

咲「あっ、あっ、あっ、あっ、だめ…、壊れちゃう、壊れちゃうからぁ…っ!」

嫁田「大丈夫、いくら壊れても、俺が治してやるから。だから思い切り愛し合おう」

ぱんぱんと水音を響かせ、強く激しく奥を突かれる

咲「んっ、あっ、あぁ…っ !も…だめ、イっちゃうぅ!」

嫁田「俺も、そろそろ、出すぞ…っ」

咲「ひいっ、んんーっ!あぁ…熱い、あついの、出てる…っ」

夫は何度も腰を揺すりながら、熱い白濁を私の中に大量に吐き出した

奥まで貫かれた衝撃で私も絶頂し身体を痙攣させる

嫁田「咲、良かったか…?」

咲「うん…」

夫に囁かれ、私は頬を染めながら頷いた

嫁田「俺も良かった。けど……全然足りない」

腰の辺りをいやらしい手付きで撫でられる

性感がぞくりと煽られた

咲「ち、ちょっと休ませ……ひゃっ、あんっ!」

再びシーツに押し倒される

私は慌てて逃げようとするが

気怠い身体は思うように動いてくれない

まだ柔らかい入り口に、いつの間にか復活している夫の性器が捻じ込まれた

弱いところを先端でぐりぐりと押されると高い声が抑えられない

夫に触れられた場所全部が感じてしまうようだ


嫁田「愛してるよ…咲」


耳元で甘く囁かれた私はあえなく陥落

夫の首に両腕をするりと絡めて

彼から与えられる快楽に酔いしれることにした


カン!

次はハロウィン編ですー
忘れてましたすいませんw

咲「とりっく、おあ…とりーと!!」


突如室内に響いた大声に驚き振り向くと、そこには妻が立っていた

それだけならいつもと同じだ

変わらない光景だ

ただひとつ違うと言えばその愛しい妻が

モフモフと毛皮の生えた着ぐるみに包まれていたことだろう

しかし着ぐるみと言って表現が正しいのか

モフモフがあるのは手足だったり、スカートの生地だったり部分的なもので

着ぐるみを被っているわけではない

むしろ被っている面の方が少なく見える

首元を覆うモフモフとスカートの間には生肌を曝け出してヘソが丸見えだし

スカートは極端に短くて生足が眩しい

と、全身を見渡して俺は何度「平常心、平常心」と胸中で唱えたことだろう

嫁田「あの、咲…その格好は一体…」

咲「これ?まこ先輩から借りたの。狼さん」

嫁田「染谷さんから?」

咲「うん。だって今日はハロウィンでしょ。この衣装、去年まで先輩のお店で使ってたんだって」

嫁田「…ああ、なるほど」

それでこんなコスプレをしているわけか

可愛い妻のヘソ出しミニスカ狼女を堪能できるなんて

これは染谷さんに全力で感謝するしかない

嫁田「それで、お菓子をあげなきゃ咲はその格好で俺にイタズラするってことか」

咲「うん!全力でいくよ」

嫁田「例えばどんなイタズラをするんだ?」

咲「え、えっと…額にデコピンをしたり」

嫁田「うん」

咲「後ろから膝カックンをしたり」

嫁田「…うん」

咲「とっ扉に隠れて、バァッと驚かしたり」

嫁田「……随分と可愛らしいイタズラだな」

咲「えっ…じゃあ、食事を一日抜きにするとか」

嫁田「ちょっと待ってくれ!それはイタズラの部類に入らないから!」

咲「そ、そう…?」

しゅんと項垂れる咲

それとともに頭についているモフモフとした耳も

後ろの尻尾も同じようにへにょんと折れている

これって上から被る着ぐるみじゃなく元から生えている設定なの?どうなの?

と俺は細かいところで困惑した

だがそれは置いといて、そんな姿で落ち込む妻は普段とはまた違う

いや普段から可愛いという意見は譲らないが

だが本日は獣耳に尻尾にモフモフの際どい衣装ときた

妻のこんな姿を眺めて反応しない夫がどこにいる

ゴクンと俺の喉が鳴った

嫁田「……だったら、咲」

咲「ん?」

嫁田「俺がイタズラを教えてやる。ハロウィンに相応しいイタズラを」

俺はそのまま咲の腕を掴みグイッと引き寄せた

咲「きゃっ」

嫁田「気持ちいいモフモフだな。柔らかい」

妻を抱きしめ、腕の中のモフモフの感触を味わう

獣耳が頬に触れてくすぐったいような暖かいような

そして抱きしめられて赤面の妻まで見れて何という至福な時か

ハロウィン万歳!

咲「ちょ、ちょっとあなた…」

嫁田「ん?」

咲「イタズラを教えてくれるんじゃないの?この状態じゃ無理…」

嫁田「大丈夫だ。心配ない」

咲「え…ひゃぅ!」

妻の尻に手を這わすと甲高い声が洩れた

スカートの上から撫でる手はそれだけに飽き足らず

次第にその中へと手を動かしていった

咲「どこ触っ…やん!」

スカートの中を弄る手が内股に触れ、つぅ…と指先で辿っていく

その先は下着で隠す女性の陰部

いやいやと妻は首を振り、俺にしがみついた

咲「だ、だめ…そこ…いやぁ」

嫁田「いやと言うことは…して欲しいんだろ?」

咲「そっそんな、こと…はぁ…んっ」

嫁田「ほら、腰だって揺れてきた」

言いながら俺は咲へ口付けを落とす

その唇を頬へ、首筋へと降ろしていく

だが胸元を隠すモフモフの小物でその先は見えない

嫁田「この可愛らしい毛皮の下には、咲の胸が隠れてる…そう考えると興奮してくるな」

咲「いや…ぁ、だめぇ…」

俺は片手で咲を抱き、もう一方の手で首元の毛皮を取っていった

プチッと外された途端あらわになる咲の胸元

張りのある白い肌が俺の理性を狂わせていく

今回はここまでっす

さて、嫁田の本名が判明したわけだが
http://www.sciasta.com/ritz/
>1巻の京ちゃんの友達は高久田誠(たかくだまこと)君です。身長192cm。でも喧嘩弱い。

>>308
ありゃ、どうしましょ
スレ立て直した方がいいかな…

わざわざ立て直さなくても良いと思う

読者的にはまだ嫁田の方が印象強いし嫁田誠でいいんじゃない

まあ二次創作の世界だし気にしなくてもいいかと

>>310>>311>>312
レスどうもです。
そうですね、このスレはこのまま嫁田でいこうと思います。

いかにも喧嘩強そうな風貌してるのに弱いのかw

で、更新は?

>>314
今週中には投下します遅くてすみません

嫁田「相変わらず綺麗だな、咲の肌は」

ちゅ、ちゅと唇で吸いつき、妻の味を堪能する

恥ずかしさとくすぐったい気持ち良さに震える妻の姿はなんとも色香があって

もっと見てみたいと欲に火がついた

咲「あ…ぁ、あ…ん…」

嫁田「不思議だな。耳も尻尾も同じように感じてるのか」

フワフワの毛がゆっくりと揺れ、それは咲の腰の動きと同調しているようだ

体が悶えるほど気持ち良いということか

その愛らしさを眺め、俺は悪戯っぽく笑って妻に囁きかけた

嫁田「咲、今日はハロウィンなんだ。可愛い獣の仮装ならそれらしく、もっと啼いていいぞ」




咲「あぅっ…は……アアァ、あん!」

俺の腕の中で妻はひたすらに喘いだ

座ったまま繋がった俺の自身と咲の濡れたアソコ

下から突き上げ、腰を動かすとその繋がりはいっそう深くて熱いものとなっていた

咲「ふぁ、あ…ッ…ひぅっ!」

嫁田「ここ…咲が好きなところ、だったな」

揺れる咲の腰を摑み、俺は自身の猛りでさらに奥を抉った

中の肉壁を擦り、先端がある一点を突き、妻の声はいっそう高いものとなる

まさに啼いている

涙を流しつつ、だが俺を拒否することなく縋りついて

咲「んぁ…っあ、そこ…そこぉ…やぁァッ」

嫁田「気持ちいいのか、咲……俺のを、こんなに締め付けてるぞ」

そう耳元で囁くと咲の体がカァァッと反応する

だが離したくない、それ以上が欲しいと訴えるように俺の猛りを強く締め付けた

痛いぐらいの快楽を感じ、俺は嬉しくて咲の額に口付けをする

咲「ん…っ」

嫁田「本当に可愛いな咲は…求めてくれることが、俺の幸せだ」

咲「誠く…ん…ああッ!」

嫁田「あぁ、熱い…咲の、中がっ」

腰を揺らす度にぐちゅ、じゅくっと交わりの音が聞こえてくる

そして俺の太腿の上を伝う妻の溢れ出る愛液

下着は取りつつもスカートを履いた状態なので

装飾の毛皮は濡れてしまっていることだろう

だがこれでいい

毛が肌に触れてくすぐったいけど

獣の姿で啼いている妻の姿なんて滅多に見れないものだから

咲「ひゃぅ!あぁんっ…!だめぇ…あぅっ!」

嫁田「ん…そろそろか」

敏感な胸の突起を舐められ、咲がビクンと震える

俺はその剥き出しの胸を揉んで、興奮から中へと挿れた自身が膨張したように感じた

絶頂へと近づいてきた欲を吐き出そうと、 咲の体を激しく揺すった

咲「やっ…やぁァッ!…そ、な…あぁ!はげし、…ッ」

嫁田「…ッ、そろそろ…出すぞ…!」

下から一気に突き上げ、互いの体が瞬間強張る

小刻みに震える咲の体を優しく抱き

俺は体内に解放感を得て安堵の息をついた

途端に妻と交わる場所から白濁の液が滴り落ち、二人の体と床を汚した

咲「はぁ…は…あ…」

嫁田「咲…大丈夫か?」

今しがた達したばかりの体は疲労感で怠く感じているはずだ

肩で息をして整えている咲の背を何度も撫でる

咲もそれに応じ、ギュッと強く俺の背中を抱きしめてくる

ぱたぱたと動き出した尻尾が意味するは何だろう…喜びなのだろうか




どれぐらいの時間が過ぎたのか

男根を引き抜かれ、まだ俺の上で抱かれたままの咲が口を開いた

咲「イタズラの仕方を教えてくれると思ってたのに…」

嫁田「だから教えただろ?」

咲「イタズラの域を超えてるよ!」

嫁田「まぁ本音を言えば…可愛い狼女の咲に欲情してつい襲ってしまった、ってことで」

甘い言葉とともに近づいてきた唇を、寸前で咲は手で塞いだ

このまま二回戦へ突入してしまおうという俺の直感を感じ取ったのだろう

咲「待って!これ以上すると本当に食事抜きのイタズラしちゃうからね!」

嫁田「え」

咲「せっかく特製のカボチャプリン作ろうと思ってたのに…」

嫁田「えっ…ちょ、ちょっと待て!それは駄目だ!咲のハロウィン料理を楽しみに指折りこの日を数えて…」

咲「駄目なものは駄目!」

嫁田「ほら咲、お菓子あげるから!冒頭のトリックオアトリートはお菓子くれなきゃイタズラだろ?お菓子持ってるから!」

咲「先に不埒なイタズラされたんで、もうお菓子はいらないよ!」

嫁田「…なら、プリンが食べれないのなら…代わりにもう一度咲をいただくしかないな」

咲「も、もうこれ以上は駄目!料理作れなくなっ……きゃあ!」

嫁田「大丈夫だ。俺が咲を美味しく食べるから問題ない」

咲「問題大アリだよ!ち、ちょっと…やあああッ!!」


そんなこんなで俺たち夫婦の今年のハロウィンは幕を閉じたのだった


カン!

ハロウィン編終わり
次は起き抜けエロ編です

食卓には焼き鮭と春菊のおひたしに蓮根のきんぴら

そこに豆腐とネギの味噌汁、炊きたてのご飯を装えば完璧な朝食の出来上がりだ

ただご飯と味噌汁を装う前に旦那様を起こしにいかなくてはならない

夫はあまり寝坊をしない人なのだが、ごく稀に起きられない日がある

どうもそれが今日らしく、いつもの時間になっても姿を見せないでいた


一通り準備が終わった私は寝室へと行き

布団を頭まで被って眠っている夫をその上から軽く揺すりながら声を掛ける

咲「もう朝だよ。起きて」

しかし布団がもぞ、と少し動いただけで中から夫が出てくる様子はない

これは心を鬼にして布団を剥ぐしかなさそうだ

両手で布団を掴もうと手を伸ばした時

中から出てきた手が私の腕を引っ張った

完全に不意を突かれたせいでバランスを崩した私は

ベッドへと倒れそのまま布団へ引きずり込まれてしまう

咲「ちょっ」

嫁田「…さむい今日はゆっくり起きる」

咲「リビングはちゃんと暖まってるから、起きよう?」

子供かと思ったが、あえて口には出さず優しく問いかけた

それでも夫は頭を左右に振って起きたくないというのだ

いつも涼しい顔の彼がここまで頑なに布団から出たくないと頑張る姿は

逆に微笑ましいような気になってしまう

そういえば前回起きたくないと言ったのは寒くなり始めた頃だった

夫は寒さに弱いのだろうか

結婚当初はそんなこともなかったが

今思えばあの時は無理をしていたんだろう

咲「今日の朝食は誠くんの好きなものばかり作ったんだよ?」

嫁田「…それは嬉しい」

咲「それじゃあ起きよう?起きなきゃ食べられないよ」

嫁田「でも起きたくない」

いつまでこのやり取りをしなければならないのか

いい加減面倒になってきたので「あ、そう」ときつめに返した

大人げないけれど私だってムッとすることもある

咲(もう知らない。放置だよ放置)

引きずり込まれた布団から出ようと夫に背を向ける

だが後ろから抱き止められ、それは叶わなかった

咲「ねぇ、ちょっと…」

嫁田「わかった。起きるよ」

咲「なら離してよ」

呆れを隠さずに告げるが背後から回された腕が解かれることはない

むしろ離す気などないのだろう

随分と力強い

こうなると嫌な予感がする

夫から要求されるであろうことを予想して、私は視界に捉えた壁掛け時計を確認した

毎日余裕を持って起きている為まだ時間は大丈夫

ただ仕事がある自分の体力は今日一日持つだろうか、そればかりが心配だ


嫁田「起きるから…咲が俺を温めて」

今回はここまでっす

夫は嬉々として私を見下ろしていた

頬を撫でた手が掬うように顎を持ち上げ、すぐにキスが降ってくる

唇を何度か軽く吸われたあと

薄く開いた隙間に彼の舌が差し込まれ、私の咥内を蹂躙する

こんな朝から不健全すぎると思う一方

夫に触れられることを喜んでいる自分が酷く恥ずかしい

ニットセーターの裾から浸入してきた彼の手は

腰をなぞり胸まで上がってくる

乳房を弄られ、私は身体をひくりと揺らした

嫁田「咲は胸、感じやすいよな。ここ、もう硬くなってきた」

咲「あぁっ」

胸の突起を意地悪く摘ままれ捏ねられれば高い声を上げずにはいられない

しつこいくらいに同じところばかりを弄ってくるのだ

首もとまでセーターを捲られて裸体が夫に晒される

夜とは違い、すべてを見られている感覚に羞恥で気が狂いそうだ

充分すぎるほど刺激を与えられた乳首は赤くなっている

そこへ夫が顔を寄せ吸い付いてきた

舌でなめ回され、時折歯を立てられる

痺れるような快感に私は身を捩って堪えた

咲「んぅっ、も、それ、や…っ」

嫁田「どうして?気持ちよさそうなのに」

苦笑した夫がようやく胸から顔を離す

しかし次には待ったなしに下着の中へと手が入り込み、膣内に指が入れられた

いきなり2本入れられたので少し苦しさを感じる

夫も余裕がないのか激しく抜き差しされる

緩んできたところを広げるように動かされ、いいところばかりを擦られれば

私の身体は完全に蕩けてしまう

だが彼の熱をあてられた時、はっとした

咲「ま、待って…!」

嫁田「咲、ここにきてそれは優しくないぞ…」

咲「ご、ごめん…でも仕事があるの。だから、そのままは、ちょっと」

嫁田「…要はゴムを着けてほしいと?」

軽く首を上下して肯定する

夫は基本中で出したがるのだが今日ばかりは勘弁してほしい

だが耳元でごめん、と囁かれたと同時に衝撃が走り

気づいた時には貫かれていた

咲「ひあッ、う、そ…んああっ!」

腰を引かれ、押し込むように男根を膣奥まで埋められる

慣らすように中で小刻みに揺すられたのち

すぐに激しい抜き差しが始まった

身体は横臥にされ片足を持ち上げられる

ギリギリまで引き抜かれたかと思えば最奥まで貫かれれるのを、シーツを掴んで堪えた

身体を倒してきた夫に耳たぶを食まれ舐められる

舌は耳から頬に移動し、頬に口づけを落としたあと顔を上げさせられて口付けをされた

いやらしく絡んでくる舌から逃れようとすれば中を突かれ

私が震えると彼は満足そうに笑みを浮かべるのだ

キスを甘受し流し込まれる唾液を嚥下する

飲みきれたかったそれは口の端を伝ってシーツへと落ちた

唇が離れれば一層激しくなる動きに

私はもう無理と首を振って夫に訴える

咲「あ、あぁぁんっ…おねが、い、も、激し、の、やぁ…っ」

しかし必死の訴え空しく、私の中を犯す彼の熱が更に質量を増した

これ以上は仕事に差し支えてしまう

腕を伸ばして突っぱね抵抗を試みるが、悲しいかな力で敵うわけもなく

口で嫌だと言えばキスで塞がれ、もはやされるがままである

揺さぶられ追い上げられていくにつれ力が抜けていく

駄目だとわかっていながらも気持ちよさに意識が飛びそうだった

咲「あっあっ、も…、イクッ」

与えられる快感に自分の声が甘さを含んだものになっている

抵抗していた手はすがりつくように彼の腕を掴んでいた

イっていいよ、と優しく囁かれたのを合図に目の前が真っ白に染まった

そんな中、膣内に感じる夫の熱も今にも弾けそうになっていると気づいてしまって

朦朧とする意識で慌てて口を開いた

咲「だっ、駄目…っ、なか、出さないでっ」

今回はここまでっす

嫁田「咲…意地悪言わないでくれ」

咲「おねがい、駄目なの…っ」

懇願するも夫は動きを止めてくれない

むしろ苦しそうに眉を寄せながらも蕩けるような笑顔を向けてくるのだ

嫁田「もう、咲可愛すぎるぞ。でもごめんな、聞いてあげられないっ」

咲「あっ、ダメっ…あ、やあああっ!」

目を見開いて駄目と言ったところで既に夫の熱は私の中に注ぎ込まれていた

小刻みに腰を揺すられる動作から一滴も溢すつもりはないのだろう

私もイッたばかりのため中は敏感になってしまっている

しつこく擦られて小さな嬌声を上げ続けていた

いつもなら夫にキスを乞うのだが

徐々に冷静になる頭で考えたことは仕事どうしよう、である

青ざめているであろう私に、夫はといえば甘ったるい顔でキスをしようとしてくる

私はそれをかわして震える声で叫んだ

咲「ひ、酷い…!」

夫はぽかんとしており、なんで私が怒っているのかわからないといった顔だ

咲「激しいの嫌だって、な、中に出さないでって…い、言ったのにっ」

行為に同意はしてしまったが仕事だとは伝えたはずだ

夫は私の言葉に、そういうことかと納得したようだ

一人だけスッキリとした表情が勘に触る

しかしここであーだこーだ騒いでいる時間はない

とにかくシャワーを浴びようとベッドから起き上がろうとして止められた

嫁田「なあ咲、気付いてないか?」

咲「何がっ?私急いでるんだけど!」

ムッとして冷たく返すも夫は気にしていない

むしろどこか楽しそうだ

嫁田「そうか。俺も最初は冗談だと思ったんだけど、咲はそんな冗談言わないもんな」

咲「だから何なのっ?」

嫁田「怒らないで、カレンダーを見てみな」

言われるままに指されたカレンダーに視線を向け、はて?と首を傾げた

日付を思い出してよくよく確認してみれば

カレンダーの今日を示す数字が赤い色になっている

祝日だったのだ

体の力が抜け、ほっとする反面恥ずかしい

夫は案の定笑っていて「良かったな」なんて肩を震わせていた

そんなに笑わなくても…

咲「…どうもお騒がせしました」

青ざめていた顔から一転、私は真っ赤になっていることだろう

いたたまれなさに布団に隠れようとしたが夫がそれを許してくれなかった

嫁田「咲が勘違いしてくれてよかったよ」

咲「も、もう言わないでよ」

意地悪な笑みを浮かべた夫が私にのし掛かってくる

表情を見られたくなくて強引に腹這いになり枕に顔を埋めるが

耳元でさっきのことを囁いてくるから意地悪だ

嫁田「可愛かったよ。激しくしないで、中に出さないでって涙浮かべながら訴えてくる咲。…すごく興奮した 」

最後の言葉にカッと体が熱くなる

耳に息を吹き込まれれば先程までの行為を鮮明に思い出し、熱が高まるのには充分であった

夫もそのつもりなのだろう

彼の手が私の腰をいやらしく撫で上げる

咲「あ、あん…っ」

休みだと知り、気を抜いてしまった私の理性が崩れるのは、時間の問題


カン!

起き抜けエロ編終わり
次はクリスマス編です

咲「よし、これでスポンジの部分は出来上がり。あとは焼くだけだね」


今日はクリスマスイブ

手作りのクリスマスケーキが食べたいという夫の要望に従い順調にケーキ作りを進めていく

型に流し込まれたスポンジの生地を軽く空気抜きし、温めておいたオーブンへとセットする

あとはこれで指定された時間オーブンで焼き上がれば、ケーキの土台のスポンジは出来上がりだ

スポンジ作りに使った道具を片付け、いろいろと散らばっていた台所もすっきりとなる

時間を見ると思っていた以上に時間がかかったようだ

スポンジが焼き上がる前に次の工程に移らなければと、次に使う材料を冷蔵庫から取り出す

取り出したのは生クリーム

冷蔵庫でよく冷やされて手に持つと冷たさが伝わってくる

このままでは使えないので、砂糖と混ぜながらハンドミキサーで掻き混ぜる必要がある

ある程度の硬さにまで整えないとデコレーションすることもできない

泡立てる部分を本体にセットし、準備を整える

ボールに移された生クリームはトロンと緩やかな滑りで揺らいでいる

砂糖を加え、少しずつハンドミキサーで泡立てていく

ウィィィーンという機械音がミキサーのメモリを上げるたびに強くなっていく

液状だった生クリームがゆっくりと形あるものへと変化していくのを何とはなしに眺める

機械に任せっぱなしで、少しぼんやりと油断していた

私は玄関が開いたことも気づかず、リビングのドアがガチャッと開く声に驚く

持っていたハンドミキサーの手元が狂い滑り落ちてしまう

ガチャーンという音と、重なる声


嫁田「ただいま咲…なんだ、どうした?何の音だ?」

仕事から帰ってきた夫がキッチンへと入ってくる

そして床に座り込んでいる私の姿に目を見開いた

床には転がっているボールにハンドミキサー

そして飛び散っている生クリームが点在している

私自身にもあちこちに白い生クリームが飛び散ってしまった

首元に飛び跳ねた生クリームが体温で緩くなり、たらりと胸元へと垂れている

そんな私の様子に夫がごくりと唾を飲み込む音がした

咲「お帰りなさい。私、ぼうっとしてて、手元が狂って生クリーム零しちゃった…あちこち汚しちゃって…」

しょぼんとしながら夫に告げるが、夫はなぜか目を見開いたままその場に突っ立っていた

キッチンが大惨事となっているのに驚いているのだろうか

咲「掃除したら、また生クリーム買いに行かないと…って、えっ?えぇ!?」

立ち上がってボールを拾いシンクの上に置くと

突然、夫に後ろからシンクに押しつけられる

後ろからのしかかられて分かる

密着している夫の雄が猛っていることに

押し付けられる塊に軽く私はパニックになる

なぜ夫が盛っているのかその理由がわからない

咲「な、なんで…!?」

嫁田「咲が悪い。そんな生クリームに塗れた姿で上目遣いに見上げてくるから…」

咲「なに言って…あ、だめだったらぁ!」

耳元に荒い息遣いを吹き込まれ、夫の両手は身体を弄るように蠢いている

エプロンの下の服の中に入り込んでくる手のひら

咲「…んっ!」

スルリとエプロンが取られ、着ていたセーターを脱がされる

ブラも外され、身に纏うものがなくなったかと思ったら再びエプロンをつけさせられる

嫁田「キッチンで裸エプロン。一度やってみたかったんだ」

咲「もう…変態っ」

嫁田「咲が可愛いのが悪い」

悪びれもせずに言う夫の手がスカートの中にまで伸びてくる

咲「だっ、ダメ!もうキッチンではしないって…あっ」

このままでは本当に裸エプロンにされてしまう

バタバタと暴れて逃げようと試みるも、夫の指使いに身体の動きが封じられる

乳首に指が絡まり、刺激され始める

コリコリと二本の指で抓まれればビクンと身体が跳ねてしまう

咲「んっ…あん…」

首筋に垂れる溶けた生クリームをペロリと舌で掬い取られる

嫁田「甘い…な。生クリームが甘いのか…それとも咲が甘いのか?どっちだろうな」

咲「いやぁ…そこ、ばっかりぃ…」

乳首ばかりの責めに耐えられなくなる

押しつけられて身動きが取れない腰を擦りつけるように動かすと

揺れる臀部に夫の雄が擦られ、更にその猛りが増す

今回はここまでっす

嫁田「嫌だと言いながら腰が揺れてるぞ?やっぱりこの場所が好みか?」

耳元でささやかれて、ハッと薄れかかっていた意識が引き戻される

そうだ、ここはキッチン

赤々と照らされたライトの下

そんな場所で今の自分の格好は…

咲「ち、違うったら!もう離して!ケーキを、スポンジがもう焼けるの…っ!」

甘い香りにそうだ、自分は何をしていたのかを思い出す

キッチンでこんなことをしている暇はないのだ

夫の為にクリスマスケーキを作っていたはずなのに

それがなぜこんなことに…

ガクガク震える足は立っていることでやっとだ

シンクを握りしめて、崩れ落ちないように耐える

嫁田「ケーキか…いや、ここに最高のケーキの土台があるな…材料もあることだ。俺が作り上げよう」

夫は何を言っているのだろう?

熱に魘されながらも私は彼が言っている言葉の意味を考えるが理解できない

そう頭を悩ませていると、乳首に触れる冷たい感触

咲「ひゃっ!?な、何を…、冷た…ぃ…」

エプロンの隙間から胸元を覗くと、そこには生クリームが塗られていた

紅い乳首を着飾るように白い生クリームが周りを彩っている

嫁田「ちょっとエプロンが邪魔になるな…勿体ないが今日は外すしかないか」

再びエプロンを取り外され上半身が露わになる

同時にフローリングの床に横たえられ、飛び込んでくるのはキッチンの天井

と、嬉しそうに微笑む夫の顔

両頬を優しく両手で包まれ唇が塞がれた

口づけられた唇の隙間から潜り込んでくる舌が私の舌と絡み合う

咲「んっ、ふぅ…んっ…んんっ…」

夫の愛撫が私の身体を解し、眠る快楽を引き出していく

もう場所がどこだかも私の頭の中から消えていく

絡み合うこの逞しい身体にめちゃくちゃにしてほしい

咲「…はぁっ!もっと…もっとぉ…」

唇が離れても名残惜しいと舌を突き出し夫を求める

いつの間にかスカートとショーツも脱がされて

フローリングの上で生まれたままの姿を曝け出していた

しかし、もうそんなことにも気が回らず

疼く身体を早く沈めて欲しくて夫を求める

嫁田「俺も咲を堪能したい…」

生クリームに埋もれた乳首にちゅっと口づけられると

ちゅうちゅうと赤ん坊が乳を吸うように乳首を攻められる

咲「はぁんっ…!やぁ…」

嫁田「嫌だと言いながらも気持ちいいんだろう?」

吸いつきながら尋ねられ、歯が当たる刺激からビクビクと激しく胸を震わせる

ちゅっぽ…と音を立てて夫が離れる

放心したように天井を見たままぼうっとしていると

身体をひっくり返され、冷たいフローリングに頬が押しつけられる

背中をすぅーっと撫でる指

その指も生クリームが纏われており、背中も白く彩られていく

咲「ん…っ」

生クリームを纏った指は更に下へと滑らせていく

嫁田「咲にも味あわせてあげないとな」

そう言いながら夫の指は陰部へと潜り込んでいく

纏った生クリームがちゅぷんと膣孔に沈み込む

咲「ひぃっ!あぁぁんっ…」

ぐちゅん、ぐちゅっと粘液質な音に私はいやいやと首を振りながらも

逆に快楽を貪ろうと腰を突き出し、潜り込んでくる指を更に奥深くで感じようとする

四つん這いで尻を浮かせ、まるで獣のような恰好

揺れる腰はまだ足りないと、夫の目を楽しませるように揺れてしまう

咲「んっ、はぁ…あぁん…」

ドロドロな姿が更にドロドロと淫らに汚れていく

増えた指が奥深くを抉り、膣内が生クリームに塗れていく

嫁田「咲…挿入れるぞ」

欲に濡れた声で夫が囁く

腰を掴まれ、膣孔に猛った男根を押し付けられぐぷぐぷと穿たれていく

いつもと違う柔らかな受け入れは生クリームのせいなのか

ゆるやかなストロークで中を突かれ始める

咲「あっ、あぁ…ふぁぁんっ!」

頬をフローリングに擦りつけながら、私はとめどなく甘い声を零す

与えられる快楽が身体を突き動かす

腰は自然と高く上がっていき、夫が動きやすいよう体位を取っていく

後ろから激しく穿たれ、まるで獣の交尾のよう

膨れ上がった夫の雄が私の身体を蹂躙する

嫁田「…はっ、はっ 、…咲っ」

咲「あっ、あっ、あんっ、あんっ」

たまらない、高まっていく身体が止められない

湧き上がってくる熱が暴走を加速させる

腰を両手で掴まれ、幾度も奥を強く突かれる

その度に肉と肉のぶつかる音がキッチン中に響き渡る

咲「はぁっ、あっ…も、もう…っ」

嫁田「そろそろ、か、俺も…」

膣内の夫の熱が出口を求めて暴れ狂ってる

私の腰も更に上がり限界を訴え、男根を奥深くに咥え込もうと求める

今回はここまでっす

嫁田「…く…もう射精するぞ、咲っ」

咲「あぁっ…きて、奥に…私の膣内に注いでぇ…っ」

夫の息を飲んだ声と同時に最奥へと先端が突き入れられる

同時に放たれる灼熱の奔流

一気に膣内を満たしてくる熱に身体の奥から焼き切られそうになる

咲「はぁ…ぁ…」

注ぎ込まれる熱い精が身体の隅々まで溢れる

血液までもが熱く沸騰しているようだ

強く掴まれた腰部から痛みが走るが

それすらも心地よく感じてしまう

まだ膣内には夫の雄がヒクつく肉壁の感触を味わっている

嫁田「咲…」

咲「あん…っ」

再び私の口からは甘い嬌声だけが零れていく

後ろから抱き抱えられ、更に深く夫を感じ取る体位にされ

背を預けて寄りかかることしかできない

ぐちゅん、ぐちゅんと身体を上下に揺らされて

再び快楽を引きずり出される

首筋を舐める夫の熱い舌

本当にこのまま食べられるのではないかと錯覚を起こしそうになる


そうだ、ケーキを作っていたはずなのに…

あぁ、スポンジはもう焼けたはず…でも生クリームが…


そんなことを思い浮かべながら

私は再び激しく深く、夫の猛った雄に貫かれ快感に身を委ねた


ーーー


ーーー

数時間後

床の後片付けは夫に任せ、私は何とかケーキを含むクリスマス料理を完成させた

あれから大急ぎで買ってきた生クリームでデコレーションしたイチゴの乗ったケーキに

周りには様々なオードブル、チキンにピザの乗ったお皿をテーブルに並べていく

咲「ふぅ、何とか間に合ったよ…」

嫁田「これは美味しそうなクリスマスケーキだな」

咲「時間がなかったからあんまり派手に飾りつけできなかったけどね」

時間がなくなった原因を作った夫をじとりと睨みつける

嫁田「今度はちゃんと口から頂かないとな」

悪びれもしない夫に囁かれ、一気に顔が赤く染まる

もぉと頬を膨らませるが本気で怒れないのが惚れた弱みなのかも

ようやく夫婦水入らずのクリスマスパーティー

聖夜の帳が二人の世界を包み込んでいく



嫁田「食べ終わったら…まだまだ夜は長いからな」



耳元で熱く囁かれる

思わず口に運ぼうとしたケーキを夫に押し付けてしまったが

自分は悪くない、そう思う私だった


私たち夫婦の聖夜は、まだ始まったばかり


カン!

今年の投下はこれで終わりです
来年は出産、子育て編まで書けたらいいな

それでは見てくれた方ありがとうございました
よいお年を!

職場の昼休憩

食堂でテレビを見つつ、同僚との他愛ない会話


同僚A「おっ、女性雀士特集だってさ」

同僚B「福路プロ可憐だよなぁ」

同僚A「俺はやっぱり瑞原プロだな」

同僚B「え~、もうオバサンじゃん」

同僚A「そこがいいんだよ。熟女の魅力ってやつ」

同僚B「嫁田、お前はどう思う?」

嫁田「咲がいちばん可愛い」

同僚A「……」

同僚B「……」

嫁田「咲がいちばん可愛い」

同僚A「ああ。もう分ったから」

同僚B「こいつに聞くだけ無駄だったな…」

至極真面目に答えたというのに

同僚たちに溜息まで吐かれた俺は不満顔だ

同僚A「お前は奥さんしか見えてないもんなぁ」

だから何だ。嫁一筋で何が悪い

同僚B「まぁ愛妻家で何よりだな」

同僚A「でもさ、そこまで愛が重いと奥さんも少々煩わしく思っちまうんじゃね?」

同僚B「そうそう。あんまり余裕がないと浮気とかされちゃうかもよ?」

咲が浮気?ありえないな

同僚たちの言葉を鼻で笑う俺



だがその日の夕方

仕事帰りに街を歩いていた俺は、通り道にある喫茶店で妻の姿を見かけた

窓際の席で誰かと楽し気に談笑する咲

職場の人と一緒なのか?と何気なく妻の向かいの席へと目を向ける

嫁田「……!!」

同席していたのは、黒髪でやけにイケメンな男だった

あまりの衝撃に目の前が真っ白になる


『でもさ、そこまで愛が重いと奥さんも少々煩わしく思っちまうんじゃね?』

『そうそう。あんまり余裕がないと浮気とかされちゃうかもよ?』


先ほどの同僚たちの言葉が脳裏に蘇る

まさか、まさか咲は本当に浮気を!?


真相を確かめるべく店に入って咲に話しかけてみるべきか

だがもし本気で最愛の妻が浮気をしていたらと思うと

恐ろしくて足が動かなかった

ーーー

咲「ただいま。あ、もう帰ってたんだ」

ソファに座ってぼうっとしていたら、咲が帰宅してきた

咲「ごめんね。急いで夕飯作るから」

嫁田「…ああ」

ぱたぱたとキッチンへと駆けていく妻を眺めながら

ふと先ほどの喫茶店での光景が頭の中を通りすぎた


あの男は誰だ?

まさか浮気なんてしてないだろうな?

そう聞きたいのに言葉がうまく出てこない


冷蔵庫を開けて材料を取り出している咲へと近づく

胸の奥に芽生えた苛立ちのまま、俺はぐいと咲の腕を掴んだ

咲「?どうしたの?」

嫁田「悪いが夕飯は後回しでいいか?」

咲「えっ?何か話でも……え?ちょっ…」

驚く咲の体を抱き上げ、リビングへと連れていきソファに横たえた

いきなり押し倒されるとは思っていなかったのだろう

咲は大きな目をぱちくりさせて見つめてくる

激しい衝動に突き動かされるまま、俺は咲の体へと手を伸ばす


嫁田「明日は俺以外の誰とも会えない体にしてやる」

咲の耳元でそう宣告した後、そのまま唇を下に滑らした

今回はここまでっす

ツーッと首筋を舌でなぞり、行き着いた鎖骨にカリッと歯を立てる

咲「んぅっ」

小さな痛みに咲が悲鳴を上げ、嫌々と首を左右に振る

それにも構わず俺は首周りに所有の印をつけていたのだが

反対側に頭を移そうとするとその抵抗も煩わしく感じる

俺は小さく息を吐き、左手を持ち上げ咲の頭をソファに押さえつけた

咲「あっ」

それによって咲の頭は右を向いた状態で固定され、晒された首筋に俺は唇を寄せる

咲「や…っ」

妻は解放された右手でこめかみ辺りに置かれている俺の左手の袖を掴む
 
嫁田「……」

直接肌が触れ合っているわけでもない

けど袖から伝わる咲の震えからその怯えを感じ取り、俺はスッと目を細めた

駄目だ、これ以上は駄目だ

自分を抑えられる自信が無い

妻を傷つけてしまうだろう、確実に

理性が崩れ、本能が顔を出し

溢れるのは醜い独占欲

嫁田「…咲」

押さえつける左手を離し、その柔らかな頬を優しく撫でる

強張っていた妻の表情がわずかばかり解れていった

指先が目尻から流れる水滴に触れる


咲に泣かれるのは嫌だ

でも体を重ねている時の涙は嫌いじゃない

生理的なものでも、快感によるものでも、組み敷いている時の涙は格別だ

だから指に触れた涙を舌で舐め取った時、高揚感に体が震えた

何て甘美な味だろう

それを味あわせてやりたいと思い、そのまま咲の唇にむしゃぶりつく

咲「ぅ…はぁ…っ」

飢えた獣のような荒々しい口付け

舌を無理矢理ねじ込み、奥へと逃げる咲の舌を絡め取る

力任せに引きずり出して、自分の口内へと導き入れる
 
咲の舌がチロリと上顎を掠めただけで俺の体はカッと熱くなった

ピチュッ グチュッ

まるで情事の真っ最中であるかのような水音が鳴る

咲もそれを連想したのか、ギュッと固く瞼を閉じた

咲「んっ、んぅ…ん、ぁっ…、ふ…」

舌を離せば、咲の舌は本来の位置へと戻っていく
 
咲「ふっ、はぁっ、はっ」

唇もその周りも唾液で汚し、咲は体全体で呼吸をする

咲「…はっ、はぁ…ひぅっ!?」

ようやく呼吸が整った瞬間、咲はいきなり大きく息を吸った

俺が胸を荒々しく揉んだからだ

邪魔な服を脱がせ、あらわになった小ぶりな膨らみに指を這わせる

咲「はぁっ、あっ、んんっ」

ギュッギュッと力強く揉みこみ、次に指先でゆるゆると先端の周りで円を描く

しかし意図的に胸の先端は避ける
 
咲「ゃっ…はぁっ…」

嫁田「どうした?これだけの事で息が上がったか?」

クッと俺は喉の奥で笑う

分かっているのだ

咲が何を求めているかなんて

分かっている上で知らない振りを続ける

咲「ぁっ、や、やだ、もう…っ」

嫁田「いや?」

妻が口走った一言に、俺はふっと手を離す

咲「あっ、ちが、違うのっ」
 
嫁田「どうしてほしいんだ?咲」

咲「お、お願い、だからっ、やめ、ないで…」

嫁田「では、どうしろと?」

咲「…っ、む、胸の先、触ってほしい、のっ」

後半は叫びにも近かった

嫁田「ああ。分かった」

俺は口角を引き上げ、放っておいた咲の乳首に触れた

咲「はぁっ…あっ、ああっ」

親指と中指で突起を引っ張り上げ、人差し指がそれを爪で引っ掻く

ピリッと鋭い刺激の後の甘い感覚に咲は背中を仰け反らせた

妻の体が痙攣するたびに、愛撫を加えていない方の膨らみがふるふると揺れる

まだ触れてもいないその先端も硬く張りつめ、俺の視線の先で上下に動いていた

衝動のまま、まるで果実でも前にしたかのように乳房にかぶり付いた

咲「ひゃぁんっ」

弾力のある突起を舌で突っつき、ぐにゅりと押し潰してみる

今度は舌を絡め、唾液と一緒に吸い上げてみた

ジュッ ジュルゥッ

咲「やあああぁっ」

一瞬咲の体がピンッと固くなり

次の瞬間にはダラリと力を失くした

どうやら達してしまったらしい

しかし俺は愛撫の手を緩めない

一度達してしまった咲の体はより敏感になっている

更に甘くなった嬌声が俺の脳髄に響く

咲「はっ…あぁっ、くふ…」

片胸は手による一定な愛撫、もう片方は舌による変則的な愛撫

俺の与える快感に酔いしれ、咲の陰部が潤っていくのを感じ取る

咲が内腿を擦り動かせているのを視界の端で確認した

ペロッと最後に突起を一舐めし、俺は口を離す

嫁田「随分とツラそうだな」

片胸への愛撫を続けたまま咲の下半身に視線をやる

内腿を擦り合わせるだけではなく、腰まで動き始めていた

それが何を欲している行動かはもちろん分かっていた

咲の淫らな動きによって陰部から溢れ出す愛液が周囲に広がっていく

その雌の匂いが鼻腔を擽った瞬間

雄としての本能が疼き、自身が質量を増していった

咲「んっ、ああっ、あんっ」

迫りくる波に耐えられないのだろう

キュッと眉根が寄せられ、細い眉はその眉尻を下げている

咲「あっ、はぁっ、も、もう…っ」

妻がふるふると首を左右に振る

目元に溜まっていた涙がソファへと染み込んでいく

ひくつく咲の陰部に、俺は人差し指と中指を突き挿れた

咲「ああぁっ!んっ、ち、ちがっ、違うのっ」

ズプリと空気を取り込んで指は根元まで飲みこまれていく

妻は嫌々と何度も首を振り、それでも俺の指をきゅうきゅう締め上げた

咲「あっ、ヤダッ、も、いじわるしないでぇっ」

噛み付くようなキスをしながら、指で膣内をかき混ぜる

溜まらず咲はくぐもった声をあげた

咲「ふっ、んん…んぅっ」

口内をまさぐり、唾液を流し、舌を絡める

咲ははふはふと懸命にキスの合間に酸素を取り込んでいる

膣内を解しながら咲の体を味わう

首筋に唇を押し付け、たくさんの赤い痕を残していく

妻の細い腰は揺れ、俺に甘えるように体を押し付けている

嫁田「もう我慢できないのか?淫乱なんだな咲は」

咲「あ、やぁんっ、ちが…っ」

嫁田「違わないだろ。もしこれが俺じゃなくても咲は感じるのか?」

咲「え…?」

嫁田「今みたいに相手に腰を押し付けて強請るのか?」

意地悪く言葉で責め立てれば咲は何度も首を横に振る

違う、と訴えるのだが俺は許さなかった

なおも膣内をかき回し、快感ばかりを与えているのに

口では咲を責めることをやめない

嫁田「俺じゃなくても気持ち良くなれるんじゃないか?咲は淫乱だからな」

咲「や、だ…も、意地悪、言わないで…こんなこと、あなたとしか、したくないのにっ」

咲「あなた以外の人となんて、考えたくもない…誠くんしか、好きじゃない、のに」

嫁田「本当に俺だけか?俺としかしないか?」

咲「ふぁ…んっ、誠くんじゃなきゃ、いや…っ」

遂には声を出して泣きだしてしまった妻を、俺は優しく抱きしめた

膣内を慣らしていた指を引き抜き、自分の熱をあてがうと

何も告げずに咲の中へと挿入した

咲「ひぁああっ!そんな…きゅ、にっ」

嫁田「ごめん、でも咲が愛しくて我慢できなかった」

妻のすべてを味わうように、激しく体を揺さぶった

今回はここまでっす

咲「んあぁっ、はぁっ、あぁんっ、誠くん、すき…っ」

嫁田「はっ、はっ、俺も、愛してる…咲」

奥に進むたびに絡みついてくる膣内の襞

俺はぎゅっと眉間に皺を寄せ、熱い吐息を零した

咲「あっ、ああっ、ひんっ…あ、あぅっ」

亀頭が膣壁を引っ張くたび

咲は鼻に掛かった声を漏らす

嫁田「咲っ、咲っ」

吐精感を堪え、妻の弱い場所を先端で擦り上げていく

ジュポッ グチュッ

肉と肉のぶつかり合う音と粘着質な水音

そして行為へと夢中になり

言葉すら発しなくなった二人の吐息

それだけが部屋を満たしていった


膣内の締め付けが強くなっていく

咲の絶頂が近いのだろう

なら、と俺はさらに腰を強くグラインドさせた

自身の先端で何度も子宮口を抉る

その度に食い千切らんばかりに膣壁が締め上げてくる
 
快感を相手に与えようとすればするほど

それ以上のものが攻め立ててくる

咲「あっ、ああっ、誠くんっ…も、…あああぁぁっ」

妻はピンッと体をしならせ、俺の二の腕に爪を立てて絶頂する

嫁田「―っ、く、はぁ…っ」

俺も膣の急速な収縮に耐えきれず限界を感じ取る

その瞬間

先端から白濁した液が迸り、咲の膣内に流し込んでいった

ーーー


ーーー

咲「で、私が浮気してるんじゃないかって疑ってたんだ?」

嫁田「う…ごめん…」


夕飯の回鍋肉を箸でつまみながら、咲がじろりと睨みつけてくる

俺は滝のような汗を流しながら頭を下げる


情事の後、妻の携帯に入った一件のメール

『咲、先ほどは久々に話せて楽しかったぞ。今度また衣に付き合ってくれ』


喫茶店で咲と会っていたのは咲の友人の天江衣で

あの黒髪イケメンは、その天江衣に仕える執事だということが分かった

勝手に勘違いして、勝手に咲を疑って

こみ上げる嫉妬のまま咲に八つ当たりしてしまった

情けないにも程がある

嫁田「ほんっとーに、ごめん…」

咲「…うん、もういいよ」

恐る恐る顔を上げてみる

そこには優しげな表情で俺を見つめる咲の姿

咲「疑われたのは悲しいけど…でもね、それだけあなたに愛されてるってことが分かって嬉しいの」

嫁田「咲…」

そんな可愛いことを言われるとヤバい

俺の分身が再びむくりと熱を持ちはじめる

そんな俺の心情を読み取ったのか、咲は慌てて首を振る

咲「い、今はご飯食べよ。ほら、冷めちゃうから」

嫁田「咲が食べたいんだ。今すぐに」

咲「だ、だめだったら…あ、ちょ…っ」


その後、咲を押し切り喜々として2回戦に突入する俺だった

なんもかんも妻が可愛すぎるのが悪い

カン!

次はお風呂エッチ編です

咲「先にお風呂沸いてるから、疲れを癒してきて」

仕事を終えて帰宅した夫

週末ということもありハードなスケジュールのようだったらしく疲れの色が濃い

いつものように二人で他愛もない話をしながら夕食のひと時を過ごし

片付けようと席を立とうとする夫だったが

そんな彼をとめるように私は運ぼうとした食器を手に取った

嫁田「たまには俺にも手伝わせてくれ。明日は休みだし、いつも咲ばかりに家事をさせてるからな」

咲「私の職場はそんなにハードじゃないから大丈夫だよ。ねっ」

上目遣いに微笑むと、夫はうっと息を飲む

嫁田「そんな笑顔を見せられると疲れもどこかへ吹き飛んでしまうな」

咲「ふふっ。それは良かったよ」

嫁田「というか、逆に元気になってしまうんだが…」

咲「えっ?」

嫁田「…うん。洗い物なんて後にして、咲も一緒に入ろうか」

咲「ええ~っ!?」

上気した頬の夫に腕を取られ、私は浴室へと引っ張って行かれたのだった

夫に浴室の壁へと押しつけられる

冷たいタイルが肌を刺激し、その冷たさから逃れようと後ずさるが

更に後ろからぐいと押し付けられ、タイルと夫の身体に挟まれる

前へと回ってきた大きな掌が片方の胸を覆うように揉む

くにくにと尖った乳首を指で撫でられ、声が押さえられなくなる

咲「ひゃぁん!だ、だめっ…ぁん…っ」

嫁田「ダメ?ずいぶんと気持ちよさそうだけどな」

愛撫を繰り返され、ガクガクと膝は震えて支える力を無くしていく

タイルと夫の身体に挟まれていることでようやく立っていられる

胸を揉まれながら、もう片方の手がゆっくりと下肢へ伸びてきた

咲「やっ、そこは…あぁんっ…!」

そこに息づく花襞をめくると滴ってくる蜜

その襞を広げ擦りあげられ、蜜が次々に溢れ出てくる

咲「ひぅぅっ!あ、ああっ…」

嫁田「どんどん溢れてくるな…」

更にもっとその先をと、弄る指は私の弱い部分を探り当てる

咲「あっ、あ…ふ、んんっ…」

湯気が視界を真っ白に染める

私の頭の中も真っ白だ

後ろから夫の息遣いを感じ、密着する肉体はその熱を受け止め

嬲られ続ける身体はぐるぐると渦巻く熱を溢れさせていく

咲「…ぁ、あぁ、だ、ダメっ…もぉ…っ」

執拗な愛撫に膝の震えが止まらない

見開いた目は何も映せず、ただ迫ってくるものに追い立てられる

捲れた花襞の奥に息づく花芽は紅く充血し限界を訴えている

最後の砦を破壊するかのように、夫はキュッと指で抓った

咲「ヒィ…あぁぁんっ!だ、だめぇぇっ…っ…あぅぅ…っ」

甘い声を上げ、夫の指を手を蜜で濡らしていく

だらだらと止まることなく溢れ、とうとうずるずると身体がその場に崩れ落ちた

タイルの上に横たわる私の頭上で夫の声がする

嫁田「まだまだ…これからだぞ、咲」

ぐったりと虚ろな瞳で見上げれば

逞しい夫の身体が覆いかぶさってくる

グイッと両脚を開かれる

力ない身体は夫の目の前に全てを曝け出す

濡れてトロトロと蜜を流す陰部を凝視されて体温が上がっていく

開かれた場所に夫が顔を埋め、ソコを吸い上げる

ぢゅるぅ…ちゅうぅっ…じゅるるるぅっ…

咲「はぁぁぁんっ!そ、なに強く…吸わないでぇ…っ」

舌を這わせ、花襞を舐めその奥へと潜り込み溢れる蜜を啜られる

嫁田「ここも、柔らかく解れてるな…」

紅く色づく膣孔へと指を穿たれる

内部へと進められていき、私は喉元を仰け反らせる

ようやく埋め込まれたものに身体は歓喜の叫びをあげて纏わりつく

一本、二本と埋め込まれた指をきゅうきゅうと締め上げ咥え込む

指から滴って流れ出る愛蜜は粘り気を増し

受け入れる準備を整わせている

内部をバラバラと指で掻き乱され

私の身体は丘の上に打ち上げられた魚のようにバタバタと躍り狂う

咲「ああぁっ、そ…そこぉ、んっ…ひゃん!もっとぉっ!」

甲高い絶叫に近い喘ぎ声が密閉された浴室の中に響き渡る

今回はここまでっす

反響する声がいつまでも響いているように感じる

グシュグシュ、ブシャッ…

突き入れられたソコから淫音を立てて勢いよくおびただしい愛液が噴き出る

嫁田「指だけでイッたか…」

力なく投げ出された身体をうつぶせにされ

四つん這いの格好へと導かれる

冷たい水滴が頬にかかり、一瞬だけ意識が戻ってくる

ぼんやりと霞がかかる頭

それに比例するように熱い身体

女の証である場所がずくんずくんと疼いている

物悲しいとソコは開いて、早く夫が欲しいと訴えている

だらだらと太腿を伝って流れてくる愛液

夫の手が私の腰を掴んで高く掲げる

膣孔に触れる熱い塊

入口をゆっくりとこじ開けようと

迫ってくる獣の息遣いをその身に感じる

濡れた膣の中をぐちゅ、ぐちゅんっぐりゅっと堪能するように

夫の一物が沈み込んでくる

咲「んくぅぅっ!」

熱い塊がまるで身体を二つに裂くように潜り込む

後頚部にかかる切羽詰まった夫の息遣い

グイグイと膣内を突き進んでくる男根

指では届かなかった深いところまでその熱が押し入り

甘い吐息が止めどなく零れていく

咲「あ、あぁ…奥にっ…そこぉっ、もっと、もっと突いてぇ!」

ぐいぐいと腰を突き出し

結合した部分をすり寄せるように夫を求める

獣の交尾のように後ろから突かれ

腰を振り、声を上げる

夫の指が私の乳首をぐにぐにと弄る

その刺激に私の中も蠢き夫の男根に絡みつく

膣内を激しく突いてくる肉棒をきゅっと締めつけ、蕩けさせる

気持ちいい

中が、奥が、全てが

女としての喜びを貪り啼いている

咲「やぁっ、だめぇ…ふ、深いぃ…あぁん、奥にぃっ…!」

嫁田「奥に欲しいと強請ったのは咲だろう?ほら、もっと奥に…子宮にまで届いてるっ」

両腰を掴んで持ち上げられ

座り込んだ夫の上に身体がくるように体位を変えられる

己の体重で更に深く男根を咥え込むことになり

その刺激に身体を仰け反らせる

夫の胸板に背中が密着して、まるで蕩けて一つになったような感覚に陥る

開かれた両脚の間には蜜を滴らせた陰部と

深々と咥え込んだ夫の一物が繋がっている様が私の目にも見える

嫁田「咲…、もっと気持ちよくしてやるから…っ」

夫の切羽詰まった声の後、身体が激しく上下に揺さぶられる

繋がったソコから奏でられる卑猥な水音

ずるっ、ずるるっ…と引き抜かれ

ぐぷんっ、ぐちゅんと一気に深く埋め込まれる

激しい動きが私を快楽の底へと引きずり込んでいく

捲れ上がる花襞に押し上げられる腹

熱くて焼き切れそう

開ききった口からは飲み込めない涎がだらだらと流れる

突き出した舌は絡まる何かを求めて

零れる言葉は意味をなさずにただ音を奏でる

咲「あっ、あっ、あぁんっ、ああっ」

嫁田「咲…っ」

激しく揺さぶられる中、私は夫を求めて振り返る

その口に噛み付くように唇を重ねられる

咲「んん…ふ…んぅ…っ」

全てを奪い尽くすような深い口づけ

ぴちゃぴちゃと濡れた音をさせながら絡む舌

上も下も絡み合い、お互いを蕩かせるような激しい交わり

唾液が混ざり合い喉を滑り落ちていく

繋がり合う男と女の証も限界だと訴えるように

熱く膨れ上がりきゅうきゅうと絡みつく

片手は腰に回り、もう片方の手は

小ぶりな胸を鷲掴みにされ激しく揉みしだかれる

硬くなった乳首を抓られ、その刺激で膣が狭く竦みあがる

今回はここまでっす

咲「んん…っ」

舌を絡ませながら私の意識が真っ白に弾け飛ぶ

と同時に一気に襲いかかってくるもの

身体の奥深くでビュクビュクと吐き出される精の勢いを感じる

混ざり合う温もりが心地よくてたまらない



未だに膣内で蠢く夫の一物

このままずっと一つでいたい

蕩けてしまいたい

しかしその温もりは続かない

ずぼっと勢いよく男根が抜かれる

栓を失った膣からは内部に収まり切れなかった白濁がタイルの上に流れ落ちる

指を埋め込まれ掻き乱されると、更にごぽりと音を立てて溢れてくる

嫁田「ちょっと出しすぎたかな…」

咲「あん…そんな…掻き、出さないでぇ…んうっ」

嫁田「…咲、そんなに煽るな」

咲「そんなこと言ったってぇ…ああっ…はぁん…」

嫁田「…ああもうっ!」

咲「へっ?…やぁぁんっ!もぉ、もぉだめぇぇっ!」

再び膨れ上がって猛った一物を一気に突き入れられる

ガツガツと己の欲望をぶつける夫の動きに

私は目を見開き受け止めることしかできない

ドロドロに溶けきった膣は乱暴に暴れ回る肉棒を嬉しそうに頬張り

離さないと貪欲な雌の顔を見せる



その後、私が気を失うまで夫婦の交わりは続いた

ーーー

咲「もぉぉぉ!!ばかぁぁぁっ!!」


風呂場でガツガツと何度も突かれ、出されて

気絶までさせられた私の声は掠れ

身体はギシギシと痛んだ

何度も出された膣内は疼くように熱を持ったままで

腰に至っては痛みを通り越して動くことすらできない

布団に突っ伏したまま気づけば昼と言わずもう夕方の時刻まで過ぎていた

折角の休みで、一緒にショッピングでもと計画していたのに

まさかこんなに激しく求められるなんて予想外のことだった

嫁田「ごめん、咲…悪かった!だから…あの、機嫌を…」

咲「もう!あなたなんて嫌いっ!」

嫁田「そ、そんな、咲!俺が、俺が悪かった!」

咲「…」

嫁田「咲っ」


咲「…でも、気持ちよかったから…許してあげる」

被った布団の中での呟きを聞いた夫にぎゅうと抱きつかれ

痛む腰を抑えつつ私はひっそりと微笑んだ


カン!

お風呂エッチ編終わり
次は出産編です

咲「行ってらっしゃい」

嫁田「うん。…咲」

夫の顔が近づき、ちゅっと唇に軽くキスをされる

嫁田「じゃあ、行ってくる」

良い笑顔で玄関のドアを開け、夫が仕事へと向かっていく


朝食の後片付けを済ませた後、私も会社に行く準備をはじめる

と、急に吐き気を感じて洗面所へと駆け込んだ

咲「うっ…」

何だか妙に気持ち悪い

食事にあたったのかなと首を傾げていて

ふと 、まだ生理が来ていないことに気づいた

咲「そういえば、もう1ヶ月以上きてない…」

これはもしかして、もしかすると…

保険証と財布を手にすると、急ぎ足で家を出て病院へと向かった

医者「妊娠されてますね」

咲「…!!そう、ですか…」

ああ、やはりそうだったか

医者の言葉に頷いた私は服の上から己の腹を撫でさすった

ここに、夫と自分の愛の結晶が宿っている

そう思うとじんわりとした感傷が胸に染み込んでくる



そのまま職場へと向かい、上司や同僚たちに事の次第を告げると

みな自分の事のように喜んでくれた

一さんや智美さんには出産祝いは何が良いかといささか気の早い質問までされる

幸せを噛み締めながら、私は家へと帰宅した

早く夫に知らせたくて、でも仕事の邪魔になるからと連絡は我慢する事にした

洗濯物を取り入れ、夕食の準備をする

そのたびにお腹を撫でさする己の手に気づき苦笑する

そうこうしているうちに夫が帰ってきた


嫁田「ただいま。咲」

ちゅっ、と行きの時と同じく唇にキスをされる

咲「お帰りなさい。…ねえあなた、ちょっと話があるんだけど」

もじもじとエプロンを弄りながら私は夫に声をかける

嫁田「ん?どうしたんだ?」

私へと顔を寄せる夫の耳に、囁くように告げる

咲「あのね…」


一瞬して喜びを爆発させた夫に身体を持ち上げられ

くるくると回される私がいた

ーーー

妊娠期間は順調に進んだ

夫は仕事で忙しいのにいつも私の事を気遣ってくれた

友人達も私の妊娠を喜んでくれ、時間を作っては会いに来てくれた

つわりもあったし体調を崩すことも多かったけど、それでもとても幸せな日々だった


出産予定より1週間遅く、陣痛が来た

夫は仕事中だし、そうすぐに生まれるものではないからとメールを1つだけ送り

私はタクシーで病院へと向かった


定期的に訪れる痛みに顔を歪ませる

どのくらい時間が経っただろう

最初は両親が、その後義理の両親が様子を見に来てくれた

だけどまだ分娩室に行く程にはなっておらず

皆それぞれする事があるのだからと一度家に帰ってもらった

嫁田「咲っ」

病室だからか慌てながらも抑えた声で名を呼びながら夫が来てくれた

仕事後そのまま来たのだろう、少し疲れた様子がその顔から見て取れる

彼の顔を見たらホッとして涙が零れた

手を伸ばし、夫に向かって伸びあがる

それに応えて夫は私をそっと抱きしめた

嫁田「大丈夫か?仕事中も気が気でなかったよ…」

咲「うん、大丈夫」

嫁田「何かして欲しい事はあるか?」

咲「腰を撫でて欲しいかな」

嫁田「わかった」

私の腰を優しい手つきで撫でながら、心配げな眼差しで私を見つめる夫に笑みを浮かべる

痛みは相変わらず酷いし、陣痛の感覚は短くなっているから辛さは強くなっているけれど

夫が側に居るだけでその辛さが薄らぐようだった

今回はここまでっす

やっと分娩室に移動する事になった

自分の足で歩いて移動するのにも時間がかかるけど

今から母親となるのだからこのくらいは自分でと

私を支えようとする夫に断り、ゆっくりと歩く

これからこの子が生まれるまでまだまだ時間がかかるだろう

そう思ったから、夫に少し休んでいてと声をかけた

咲「仕事明けで疲れてるでしょ?仮眠をとるなりして少し休んでて」

嫁田「いや、側に居る。咲の側に居たいんだ」

俺が居たいからここに居ると手を繋ぎながら言われたら、嬉しくてしょうがなくなる

どのくらい時間がかかるかはわからないけど

それでもこうやって側に居てくれるのは嬉しい

夫はずっと手を握ったり私に声をかけたり汗をぬぐったりと

甲斐甲斐しく世話をしてくれた

この人と結婚してよかったな、と

数える事も馬鹿らしくなる程思った事をまた思いながら

愛しいわが子へと心の中で声をかける


咲(早く生まれておいで。皆あなたを待ってるから)


元気な産声を上げて

私達の許へ

そう願いながら、お腹の子へと声をかけながら

私は初めての出産に立ち向かった

分娩室に入ってから数時間後

ようやく元気な産声を上げてわが子が出てきてくれた

私に見えるように助産師さんが見せてくれた赤ちゃんは

顔はくしゃくしゃで正直可愛いなんて言えない顔だったけど

それでも愛しいわが子だからだろう、とてつもなく可愛いと思った


咲「生まれてきれくれてありがとう」


愛しさからか涙が止まらない

それは夫も同じようで、その目に涙を溜めながら愛おしそうにわが子を見ていた


嫁田「咲、ありがとう。お疲れ様」


子供から顔を私へと移し、夫は子供を見ていた時以上に愛おしげに笑った

私も笑みを返し、ずっと握っていてくれた夫の手をきゅっと握り直した

出産祝いに多くの人が訪れてくれた

初日は流石に遠慮したのか、私達の家族だけが会いに来てくれた

お姉ちゃんが嬉しそうに笑み崩れながらわが子を見て

時に抱き上げるその姿は私にとって幸せそのものだった


2日目は夫はちょうど休みだったから、ずっと私の側に居てくれた

早速和ちゃんと優希ちゃんが揃って尋ねてきてくれた


和「咲さんに似てとてもかわいいです!」

優希「うわ~、ちっちゃいじぇ~」

声を抑えながらもはしゃぐ2人に夫ともども苦笑する

抱っこしていいですか?と聞いてきた和ちゃんに頷くと

和ちゃんは慣れた様子でわが子を抱えた

咲「さすが和ちゃん。慣れてるね」

和「うちはもう2人いますからね。子供」


高校卒業後、麻雀のプロへと進んだ和ちゃんは

早々に年上のアナウンサーの男性と恋愛結婚し、寿引退していた

すでに2人も出産経験済みな和ちゃんは私の人生の先輩になっちゃった

嫁田「片岡はいいのか?」

優希「え、でも…」

頼りなくて怖い、と情けない顔をする優希ちゃん

咲「大丈夫だよ。ほら、優希ちゃん」

優希「う、うん…」

和「首を腕で支えるように、ですよ」

和ちゃんがわが子をそっと優希ちゃんの腕へと移動させる

それに優希ちゃんは恐々とわが子を抱きかかえた

優希「ふわあ…」

軽い、ちっちゃいと当たり前の事を呟きながらも優希ちゃんの顔は緩んでいた

それに皆も同じように表情を緩める

京太郎「よう、咲に誠」

少し遅れて京ちゃんも病室を訪ねてきてくれた


京ちゃんも先ほどの二人と同じように赤ちゃんを抱っこする

京太郎「すっげ~かわいいな」

嫁田「まあな。俺と咲の子供だし当然」

咲「もう、誠くんったら」


そのまま三人で他愛もないおしゃべりをしていると

京ちゃんの腕の中でわが子がもぞもぞと動き出した

京太郎「な、何だ!?」

少し焦ったような声を上げた京ちゃんに

そういえばもうすぐ授乳の時間になるなと思っていると、わが子が泣き出した

京太郎「おおっ!?俺なんかした!?」

咲「大丈夫、お腹空いただけだから」

苦笑しながら京ちゃんからわが子を受け取りベッドに座る

まだまだぎこちないとはいえ出来るだけ手早く準備をして授乳すると

夫の深い溜息が聞こえてきた

咲「どうしたの?」

嫁田「…頼むから、もう少し気にして欲しい」

咲「?」

何を気にすればいいのか分からず首を傾げると

こっちに背を向けた京ちゃんが見えた

その耳が少し赤くなっているのが見て取れ、思わず声をかける

咲「どうかしたの、京ちゃん?」

京太郎「うん、咲…」

咲「なに?」

京太郎「出来れば声をかけてからにして欲しかった…」

少し弱弱しい声を出した京ちゃんにさらに首を傾げると

夫が屈んで私の顔を覗き込んできた

嫁田「頼むから、他の男の前で肌をさらけ出すな」

咲「…あ」

母乳をあげなきゃという事が頭を占めていて気付かなかったけど

やっと二人の言いたい事が分かって頬が真っ赤になる

いくらわが子のためだからと言って恥じらいが薄まるわけではない

咲「ご、ごめんなさい」

嫁田「頼むぞ」

少し不機嫌そうにそう言った夫に頷くと、ようやく苦笑にまで表情が変わってくれた

それにホッとしながら、二人がぎこちないながらも会話をするのを聞いていた

今回はここまでっす

3日目は久先輩とまこ先輩が一緒に来てくれた

久「おめでとう、咲」

まこ「これは咲へのお祝いじゃ」

咲「ありがとうございます。開けてもいいですか?」

久「どうぞどうぞ」

咲「あ、これは…」

久「昨日須賀君から電話で聞いたわよ~」

まこ「咲は時々妙に思い切りがいいというか男前というか…」

久「だから咲の旦那さんのために、授乳してるってわかりにくい服を用意しました~」

まこ「これだと服を着たまま少しずらすだけで授乳ができるんじゃ」

咲「わあ、嬉しいです!久先輩にまこ先輩、本当にありがとうございます」

久「いえいえ」

ニコリと笑った彼女達に笑みを返し早速その服に着替える

すぐに着れるようにだろう、一度洗濯した後包んでくれたのだろうソレに

先輩たちの気遣いを感じてくすぐったくなる

まこ先輩はまだだけど、久先輩はすでに3児の母だからか

わが子を抱き上げるその手は私よりも手馴れていた

それに感心していると久先輩はふにゃりと笑み崩れた

久「あ~、やっぱり赤ちゃんは可愛いわ」

咲「先輩の子供もまだまだ可愛い盛りじゃないですか」

久「可愛いのは可愛いのよ。でも最近ちょっと生意気になってきて」

成長している証なんだけど、やっぱり少し腹立たしいのよねと呟く久先輩に

まこ先輩とふたりで苦笑する

久先輩の事だからそれでも愛情たっぷりに子供達を育てているのだろう

三人でわが子を愛でながら、私と夫のどちらに似ているという話をしているとノックが響いた

智美「咲、出産おめでとう」

一「もう体調は大丈夫?」

咲「智美さんに一さん!来てくれたんですね」

職場の同僚である智美さんと一さんが訊ねてきてくれた


智美「これお祝いな。私と一から」

一「衣も試合が終わったら会いに来るって言ってたよ」

咲「お二人とも、ありがとうございます」


衣ちゃんは試合のため海外に遠征しているらしい

すぐ日本に来れないのはわかっていたけれど、それでも会いに来てくれるという言葉に嬉しくなる

咲「あ、これ…」

智美「子供服はたくさん貰うだろうし、あれば便利だなっていうのがなにかなって思ったらこれになったんだ」

二人がくれたのは綿棒やハンカチ等、どれだけあっても助かるものだった

ハンカチなんかは下手したらすぐに廃棄する事になるだろうし

綿棒もこれから先色々と使う事になるものだからとても助かる

一「退院したらお祝いに三人で飲みにいこう」

咲「はい。楽しみにしてますね」

ふわりと笑いながら、わが子を紹介する

一「うわ~可愛い!」

智美「ちいさいもんだなぁ…」

久先輩に抱かれたわが子の頬を智美さんがつつく

久「蒲原さんも赤ちゃん抱いてみない?」

智美「え~?つぶしそうでちょっと怖いなあ…」

まこ「大丈夫じゃて」

久先輩とまこ先輩に促されるように、わが子を受け取った智美さん

恐る恐る抱きながらホッと息を吐き出した

智美「ホントちっちゃいなぁ…」

呟いた智美さんは片腕でわが子を支えながら、もう片方の手で頬をつつく

智美「やわらか…」

一「智美、程々にしないと泣き出すよ?」

智美「ワハハ。そうだな~」

素直に頷きながらも、つんつんと優しくつつく智美さんに苦笑する

わが子も嫌がる素振りを見せずに眠っているから大丈夫だろうと思いながら

ほわほわした空気を出す同僚の先輩と小さいわが子を見ていた

4日目は淡ちゃんに穏乃ちゃん、5日目は夫の友人や同僚の人達が来てくれた

皆わが子が生まれた事を祝福してくれ、笑み崩れた顔でわが子に声をかけていた

そして6日目は再びお姉ちゃんが来てくれた

明日退院する私のために必要なもの等を色々用意してくれたらしい

明日から私とわが子しばらく実家暮らしだから、実家に色々と運んだよと言われて頭が下がる

照「お母さん達も色々準備していたからね。何か必要な物とかあったら何でも言って」

咲「お姉ちゃん、ありがとう」


わが子にミルクをあげながらお姉ちゃんと談笑していると、軽いノックの後にドアが開いた

嫁田「お義姉さん、来てくれてたんですね」

照「お邪魔してます。誠くん」

夫が部屋に入りながらお姉ちゃんに声をかけた

その後私を見て表情を緩める

嫁田「ただいま、咲」

咲「お帰りなさい」

ここは家ではないけれど、夫が仕事の後ここに寄ってくれた時はそう声をかける事にしている

少しだけ疲れた顔をしている夫の顔に手を伸ばした

咲「目の下、クマできてるよ?肌も少し荒れているみたいだし、ちゃんとご飯食べて眠ってる?」

嫁田「心配しなくても大丈夫だよ。寝不足なのは確かだが、食事はちゃんと摂ってる」

咲「ならいいんだけど…」

しばらく実家暮らしになるから夫の身体が心配だ

時々ご飯を冷蔵庫に用意しておこうかなんて考えながら夫を見ていると

くすくすと笑い声が聞こえてきた

照「本当に仲が良いんだね。あなた達夫婦は」

そう言って含み笑いをするお姉ちゃんにハッとする

未だに夫の顔に手を当てていた事に恥ずかしくなりながら、慌てて夫から手を離した

恥ずかしいと思いながら俯くと

ちょうどわが子がミルクを飲み終わったようだった

子供を抱えなおし、その背を軽く叩く

照「…母親になったんだね。咲」

お姉ちゃんがしみじみとした声とともに私たちを見ていた

照「女って子供を産んだらすぐに母親の顔になるんだって」

咲「そうなの?」

照「皆が皆じゃないけど。でも咲はちゃんと母親の顔になってる。もちろん、誠くんも父親の顔になってるよ」

そう言って笑ったお姉ちゃんにくすぐったくなる

嬉しい感覚にちょっとむずむずしながら、夫と顔を見合わせて微笑んだ

退院の日、夫は仕事を休んで迎えに来てくれた

お世話になった看護師さん達に頭を下げ、車へと移動する

嫁田「できるだけ顔を見せるようにするよ」

咲「それは嬉しいんだけど、あまり無理はしないでね?」

嫁田「ああ。けど咲たちに会える方が疲れがとれるんだ」

咲「そ、そう?」

優しく笑いながら言われ、照れてしまった

それに夫は笑みをこぼしながら、私の頭を軽く撫でる

嫁田「咲…」

唇に降りてきた柔らかい感触に、私はうっとりと目を閉じた

今回はここまでっす

出産後、子供を連れて実家で暮らし始めてしばらく経った

夫は仕事の前や仕事後に顔をよく見せてくれるけど

忙しいのに家の事もしているから結構疲れているように感じる

あんまり無理しないでと言っても

嫁田「咲の顔を見れば元気になるんだよ」

と恥ずかしげもなく言うからそれ以上は何も言えなかった

でも寝不足だとはっきりとわかる顔や、休日に私の実家を訪れた時

子供を寝かしつけながら自分もうとうとしている姿を見れば無理しているのはよくわかる

育児に協力してくれるのは嬉しいし、そういう人だとわかってもいたけれど

でも大切な人だからこそとても心配だ

咲「お母さん、少しの間子供をお願いしてもいい?」

母「今寝付いたところだし、しばらくは寝たままだろうから大丈夫だけど…どうしたの?」

咲「彼が心配で…」

母「確かに疲れている顔をしているものね。ご飯を作りに帰るの?」

咲「うん。あと掃除とかできそうな事を少ししておこうかなと」

母「わかったわ」



何かあったらすぐに連絡をしてくれるという事で

初めて子供と長時間離れる事が少し心配だけど

車で30分強程度の距離だからと自身を宥めながら家へと向かった

買い物をすませ久々に感じる“我が家”へと足を踏み入れる

それだけなのに、そこに夫がいたという空気を感じてホッとする

今この家に彼はいないというのに

夫に対する感情がどんどん大きくなっている事に苦笑しつつ

早速買ってきた食材を持ってキッチンへ向かった


元々彼は綺麗好きというか、すっきりした空間を好んでいたから

しばらく家を離れていても汚れた印象はない

だけど、それは本当にパッと見だけだから

よくよく見てみると部屋の隅や家具の隙間などに埃があるのがわかる

忙しいうえ私達によく会いに来ているからこれでもよくやっている方だろう

そんな事を思いながら、まずは手早く掃除へと取り掛かった

流石に時間がないから、掃除機をかけて水回りを綺麗にするだけしかできなかった

本当は拭き掃除までしたかったけれどと思いながら、冷蔵庫から食材を取り出す

温め直せるように野菜たっぷりのスープをメインに小鉢系を数品作る

ついでに作り置きできそうなものもいくつか作っておきたいからと

手早く、でも愛情を込めてそれらを作った


ある程度料理が完成し、後は粗熱を取ってから冷蔵庫に入れようと一息ついた時だった

ガチャリと鍵が開く音にぴくりと身体が反応する

嫁田「…誰かいるのか?」

その声は警戒しているのに、僅かにだけど期待も入っているのが感じ取れ顔が綻ぶ

夫を必要以上に驚かせないように「お帰りなさい」と声をかけながら玄関に居る彼へと近づく

嫁田「咲…!」

咲「お疲れ様。今日は残業で遅くなるんじゃなかったの?」

嫁田「ああ。だから洗濯物を取り込んでおこうと、昼休憩の時間に一度帰ってきたんだ」

ここと彼の務める会社が近いからこそできる事だろうが

この1か月わずかな休憩時間も使って家をこの状態に保っていたのだろうと思うと胸が痛む

きゅっと唇を噛みしめた私に夫は焦ったように靴を脱ぎ、私に近付いてきた

嫁田「咲はどうしてここに居るんだ?子供は?」

咲「子供はお母さんにお願いしてきたの。さっき連絡したら、まだ眠ってるようなので焦らないでいいって」

嫁田「こっちは心配しなくても大丈夫だぞ?」

私が彼を心配して帰ってきたのに気付いたのだろう

気遣ってくれているのがわかるけど、申し訳なさそうな顔に泣きたくなる

その感情のまま手を伸ばして彼の頬を両手で挟む

咲「あなたが私を心配してくれてるように、私もあなたが心配なの」

会いに来てくれるのも、子供の面倒を積極的に見てくれるのも

本当に、本当に嬉しい

だけどそれ以上に心配なのだ

泣きそうになりながらも自分の想いを彼の目を見ながら丁寧に伝える

それに夫はうろたえていたが、私の気持ちをちゃんとわかってくれたのだろう

頬に添えた私の手に彼の手が触れ、目を閉じながら甘い声で「わかった」と言ってくれた

それにホッと息を吐き出すと夫の目が開き、そっと触れるキスをくれた

咲「んっ…」

小さなリップ音をたてながら繰り返し触れる彼の唇を感じながら

こういう甘い空気も久しぶりだなと思う

私の実家に泊まることもあったけど、やっぱり自分の家ではないからか気を遣っているのはわかっている

だからこそ、軽い触れ合いはあるものの、どこか遠慮気味だった

それがない彼から注がれる愛情にうっとりとしながら彼の首へと腕を回す

それに彼の腕も私の背に回り、少しだけ強めの抱擁をくれた

時間があまりないとお互いわかっているから、その甘い時間はすぐに終わった

だけどそれだけでもとても幸せになった

いつも以上に緩んでいるなと思う表情で夫を見上げる

咲「お昼ご飯はどうする?」

嫁田「あまり時間がないな…」

咲「じゃあ、おにぎりでも作るね」

嫁田「頼む」

柔らかく微笑みながら言われると張り切ってしまう

夫が洗濯物を室内に取り込んでいる間にさっさとおにぎりを作る

数個作った時点で彼がキッチンへと来たので、それを差し出すと嬉しそうに頬張ってくれた

咲「どう?」

嫁田「うまい。やっぱり咲の料理がいちばんだ」

手料理を食べてもらうのは私の実家でもよくある事だから久々ではないけど

それでも彼が嬉しそうに食べてくれる姿を見るとこっちまで嬉しくなる

冷ましていた保存食を冷蔵庫や冷凍庫へと入れていると、ピピピっとタイマーが鳴った

嫁田「…もう行かないといけない…」

咲「そんな時間なんだ…」

名残惜しいと思いながらも、夫を見送るために玄関へと向かう

靴を履いた後私を振り返った夫は軽く身をかがめる

先程同様、リップ音を立てたキスをくれる

嫁田「行ってきます」

咲「行ってらっしゃい」

軽く手を振りながら夫を見送る

それに彼も軽く手を振り、速足で会社へと戻って行った


咲「さて、私も帰るかな」

胸が張ってきて少し痛い

そろそろ子供も起きる頃だろうと急いで片付けをし、我が家を後にした

上司「おう嫁田。やけに機嫌いいな」

短いながらもとても嬉しいサプライズを貰ったから、どうも顔が緩んでいたらしい

職場に戻ると上司が声をかけてきた

それに苦笑して「少しいい事がありまして」と告げる

上司「何があったんだ?」

嫁田「妻が家に居たんです」

上司「確か今は実家に居るんじゃなかったのか?」

嫁田「ええ、子供が産まれて間もないので。ですがどうも心配をかけていたようで、家の事を色々しに帰ってきてくれたようです」

おにぎりとはいえ咲の手料理が食べられた

一人では寂しさを感じる家に、わずかな時間でも愛する妻が居てくれた

彼女の気配がする我が家というのがどれほどホッとするものか再確認し、彼女にとても愛されていると感じて

夫婦として愛情を確かめ合う触れ合いもできて、尚且つ今夜は1人だが彼女が作ってくれた夕飯が待っている

思い出すだけでも嬉しくてつい顔が緩む

上司に微笑ましげに「奥さんの事が大切なんだな」と言われ

俺は思わず顔が熱くなったのだった


カン!

出産編終わり
次は子育て編です

子供の成長とは早いもので

つい先日首が座ったなと思ったら寝返りを打ってもぞもぞ動いて

いつの間にかハイハイをするまでになっていた

自分で動けるようになると目が離せなくなって大変だ

気が付けば段差がある方へと向かうし

できるだけ子供の手が届く範囲には危険なものや小さいものは置かないようにしているけれど

それでも稀にそういったものを手に笑っていることがあるから肝が冷える

机の上に置いていたらソレが気になるのか捕まり立ちまでするようになり

もうすぐ歩けるようになるかな、とハラハラしながらも子供の成長がとても嬉しい

夫も同じようで、ちょっとした事でも嬉しそうに子供に声をかけ褒めている

実家から私達の家に帰ってきてからも夫は育児に熱心だ

おむつ交換からミルクの世話、首が座ってからはお風呂も積極的に入れてくれる

疲れている時でもしようとするから困るけれど

夫にとってはそれすらも癒しのようだからそれを奪う事は辞めた

その代わり、それ以外はできるだけ彼のためにサポートしているけれど


穏乃「旦那さんはホント子煩悩だなあ」

淡「咲もそうだよね」


家に帰ってきてから友達がよく遊びに来てくれるようになった

今日は穏乃ちゃんと淡ちゃんが揃って来てくれた

子供が眠っているから小さめの声だけど、その間に夫の事を話すと呆れたような微笑ましそうな表情をされる

それに多分似たような表情をしているだろうなと思いながら、もぞもぞと動き出した子供に手を伸ばす

咲「この子を可愛がり過ぎて親馬鹿にならなければいいんだけど」

淡「あ~、それもだけど。すでに何人か親や祖父母以上に溺愛してる人もいるじゃん」

咲「…お姉ちゃんと智美さん、だね」

穏乃「あと淡もね」

淡「私も?」

穏乃「うん」

淡「えー…」

不満そうな声を上げる淡ちゃんに苦笑しながら、ぽんぽんとぐずりそうな子供を宥めていると

私と夫以外の声が気になったのか、完全に覚醒したようだ

パチパチと瞬きをした後ぐるりと辺りを見渡した

すぐさまきゃっきゃっと笑いながら寝返りを打つ

そのままハイハイの格好になり、ちまちまと動き出す

すぐにお目当ての人物のところに辿り着いた

そのまま彼女の膝に手を乗せ、一生懸命立ち上がる

上手く立てたと思ったら、満面の笑みを浮かべて彼女を見上げ声を上げた

子供「あー!」

淡「上手に立てたねー」

デレデレに笑み崩れながら我が子を膝に乗せた淡ちゃんに、私たちは苦笑しか出ない

我が子も淡ちゃん大好きなようで、彼女が居ると必ず最初にそちらの方へと向かう

まあ淡ちゃん以上に大好きな人(お姉ちゃん)もいるけれど

そのお姉ちゃんは忙しすぎて淡ちゃんよりも訪問回数が少ないから

もっぱら我が子の笑みを独り占めしているのは淡ちゃんだ

そういう理由があるから、我が子が大好きな人ほど溺愛っぷりが酷くなるのはしょうがない事なのかもしれない

穏乃「ほらね、淡も溺愛組じゃん」

淡「そうかもしれないけど、でもテルー程じゃないよ!」

そう言いながらも淡ちゃんの顔は緩んだままだ

咲「まあ、お姉ちゃんは色々と突き抜けてるからね…」

穏乃「下手したら旦那さんよりもこの子の交友関係気にしたり口出ししたりしそうだよね」

淡「うんうん!結婚相手なんて連れて来たら『私が認める相手じゃないと許さない』とか言いそう!」

淡ちゃんの言葉に思わず全員が苦笑した

我が子も歩けるようになり、言葉も話せるようになってきた

わがままも増えたし怒る事もあるけれど、それでも可愛くてしょうがない


今日は夫もお休みで、優希ちゃんと和ちゃん、そしてお姉ちゃんが遊びに来てくれた

それに我が子はとても嬉しそうな声を上げて彼女等に駆け寄る

子供「てるるー!」

照「はい、こんにちはー」

脇目も振らず我が子がお姉ちゃんへと向かう

お姉ちゃんは満面の笑みを浮かべながら我が子を抱き上げる

私はお茶を用意しつつ、皆の会話に耳を傾けた

お姉ちゃんべったりの子供に皆が声をかけて

それに子供がきゃーきゃー言いながら返事にならない返事を返していた

その様子を微笑ましそうに見ている夫に、こっちまで幸せな気持ちになる

子供「てるる!ぎゅーっ」

照「ぎゅー?」

嫁田「抱きしめろという事だと思います」

照「ああ、そういう事か。はい、ぎゅー」

子供「ぎゅー!」

嬉しそうにお姉ちゃんに抱きしめられている我が子に皆の顔が緩む

ひとしきりぎゅーっとしてもらって満足したのか

お姉ちゃんから離れた我が子は今度は優希ちゃんに駆け寄る

子供「ゆーきもぎゅー!」

優希「はい、ぎゅーだじぇ!」

優希ちゃんにハグされた我が子がきゃー!と嬉しそうな声を発する

それに焦れたのか、和ちゃんが我が子に手を伸ばした

和「私にもぎゅーしてください!」

子供「ののかもぎゅー!」

素直に和ちゃんに抱き着いた我が子に、今度はまた私!とお姉ちゃんがハグを求める

それに我が子が楽しそうに皆の間を走りまわるのを見ながら

用意したお茶を持ってリビングへと移動した

今回はここまでっす

皆に遊んでもらって満足したのか、私の膝に我が子が乗ってきた

咲「どうしたの?」

嫁田「はしゃぎ疲れたのか?」

眠いのかと膝の上に座った子供の背に触れると

にこにこしながら「ぎゅーっ」と言ってきた

子供「まま、ぎゅー」

咲「はいはい、ぎゅー」

言いながら我が子を抱きしめる

だがそれでは満足できなかったらしく夫の方を見た

子供「ぱぱもぎゅー」

嫁田「俺もか?」

そう言いながらも子供に手を伸ばす夫に内心ほんわかしていると

いやいやをするように首を振る

それに夫が不思議そうに顔を傾げた

嫁田「こっちに来ないとぎゅーできないぞ?」

子供「ままとぱぱとぎゅーするのっ!」

変な駄々が始まったな、と思ったのは私だけじゃないようだ

どういう意味だろうかと色々考えながらも子供を見ると

今にも泣きそうな顔をしているから焦る

照「あ、もしかして」

ふと思いついたようにお姉ちゃんが声を上げる

それに続きを促すと、ちょっと苦笑しながら説明してくれた

照「もしかしてだけど、この子を咲が抱きしめて、2人ごと誠君が抱きしめればいいんじゃない?」

咲「へ…」

嫁田「え…」

夫と私、2人して固まる

それでも子供は気にする事無く「ぎゅー」とハグを強請ってくる

だが無意識にするならともかく、流石に友人の前でそれをするのは恥ずかしくて躊躇してしまう

それに子供が今にも泣き出しそうな顔になったから、慌てて抱きしめた

咲「ほら、ぎゅー」

嫁田「ぎゅー」

気恥ずかしさを押し殺し、子供を抱きしめた私を夫がハグする

私と子供がすっぽりと収まるそのハグは確か以前一度した事がある

仕事で何かあったのかひどく疲れた顔をした夫を

子供を抱きかかえたまま玄関まで迎えた時に、衝動のように抱きしめられた

それが子供にとっては嬉しいものだったのだろうが

今までそんな事はなかったから忘れていた



子供を挟んで抱き合っていると、ようやく満足したのか笑顔が戻ってきた

それにホッとしていると、ぱしゃっとカメラの音がした

嫁田「な、なな…」

咲「何撮ってるのお姉ちゃん!」

照「何って、私の大事な妹夫婦とその可愛い子供の微笑ましい写真だけど?」

ニコニコしながらそれを待ち受けにまでしたお姉ちゃんに顔に熱がこもる

辞めてと言うけれど、お姉ちゃんは消すどころかそれを色々な人に拡散するから恥ずかしさは増す

照「いいじゃない、夫婦なんだから」

咲「そういう問題じゃないでしょ!」

子供「ままぁ?」

叫んだ私に子供が不思議そうに声をかける

それにハッとしたように笑みを浮かべながら「何でもないよ」と子供を撫でつけた

そんな私たちのやりとりを見て、淡ちゃんがにやにやしながら子供に声をかける

淡「ねーねー。そろそろ弟か妹、欲しくない?」

子供「おとーと?いもーと?」

淡「うん」

子供「ほしいー!」

淡「じゃあ、パパとママに欲しいって言ってみなよ」

子供「ぱぱー、ままー、おとーとほしー!」

にこにこと無邪気に笑う子供に顔が引きつる

それは夫も同じようで、余計な事を言った淡ちゃんは穏乃ちゃんに説教くらっていた

咲「えっと、弟が欲しいの?」

子供「いもーともー!」

照「だそうだよ。頑張れ、誠君」

嫁田「お義姉さん…」

頼むから居たたまれなくなる質問や話は辞めてくれと言う夫に

他の皆は楽しそうだったり同情だったりと色々な視線を向けてくる

和「でも、あと1人ぐらいは欲しいんでしょう?」

咲「それはまあ…」

でもまだ2人目は早いかなと思っていたから

そんな話は私たちの間では出ていなかった

和「早いうちに作っておいた方がいいですよ。女性にはタイムリミットもありますし」

穏乃「若い時の方が色々無理が効くだろうしね」

職場の先輩達からも、子供を何人か作りたいなら早いうちが良いとは言われているけど

咲「どうしよう…」

嫁田「今訊かないでくれ…」

薄らと頬が赤みを帯びた夫に言われ口を閉じる

軽く息を吐いた彼が、くしゃりと頭を撫でてきた

嫁田「その話は後でしよう、咲」

咲「うん」



夫ももう一人子供が欲しいと思っているのだろうか

それだったら嬉しいなと思いながら、私は小さく頷いたのだった

カン!

これでこのスレは終わりです
見て下さった方ありがとうございました!

嫁田こと高久田誠くんの本名が公表されたってことで、
こういう展開になってもおかしくはないなと夢見てます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月08日 (月) 12:23:11   ID: 6xypRZk8

くだらねー

2 :  SS好きの774さん   2015年07月14日 (火) 03:13:45   ID: TKjGCzFS

なにこれエタッてればいいのに…建て直すなよ需要ないだろ

3 :  SS好きの774さん   2015年09月08日 (火) 15:56:07   ID: YzOA9nMA

ホント誰特だよ

4 :  SS好きの774さん   2016年01月25日 (月) 23:58:26   ID: uXsTQWzc

俺得

5 :  SS好きの774さん   2016年03月27日 (日) 17:58:36   ID: 1t0bBkWV

ここって京豚の巣窟だな
評価高いssには低評価付け京豚ssには無条件で高評価付け
挙句に他ssは※1〜3みたいに叩くんだから
まあせいぜい京太郎アンチをそうやって増やせばいいよ

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