シンジ「性転換ライト…?」 (38)

(葛城家)


シンジ「ただいま…」

シンジ「…アスカもミサトさんもまだ帰ってないのか」

シンジ「晩ご飯どうしようかな…」

シンジ「あ、ポストに入ってたものの整理もしとかないと」

シンジ「僕がやらないと溜まってく一方なんだもんな…どうせミサトさん宛てばっかりなんだからたまにはミサトさんが片付けてくれればいいのに…」

シンジ「…通信販売の手紙ばっかりだ。こういうのは全部処分してもいいよな………、ん?」

シンジ「なんだこれ」

シンジ「性転換ライト…?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369557518

シンジ「このライトの光を浴びた人物の性別が、男性なら女性に、女性なら男性に変わります」

シンジ「ははは…いやいや。さすがにこれは…」

シンジ「そんな簡単に人間の性別が変えられたら大変だよ、うん…」

シンジ「いくら技術が進歩したからってそんな魔法みたいな話あるわけないじゃないか」

シンジ「こういう広告って大体どれも多少は誇張してるけど、ここまであからさまな嘘書いて大丈夫なのかなぁ」

シンジ「値段も…うわっ、ものすごく高いし…。冗談で作った広告だったとしても訴えられても文句言えないレベルだよこれじゃ」

シンジ「…馬鹿馬鹿しいや。ご飯の準備しよう」グシャグシャ ポイッ

シンジ「……」

シンジ「……」…ガサガサッ

シンジ「…」

(数日後)


クロ○コヤマト「んじゃ失礼しまーす」プシュー

シンジ「お疲れ様でーす…」

シンジ「…」


(シンジの部屋)


シンジ「…好奇心に負けて買ってしまった…」

シンジ「はぁ…何やってるんだろう僕…」


ガサガサ


シンジ「本体はこれか。なんか懐中電灯みたいなちゃちなライトだな…」

シンジ「説明書…あった。えーと、まずは本体に持ち主の登録をします…と」

シンジ「なになに…?指紋認証システムを使うので、指紋の登録を行います。本体の赤と青のボタンを………」


——ピピッ


シンジ「…これでいいのかな」

シンジ「これでライトの持ち主として登録された人以外、自分や他人の性別が変わってもその事に気付かなくなるのか」

シンジ「…ますます嘘くさい…」

ガラッ


アスカ「シンジー」

シンジ「うわ!ア、アスカ!」

アスカ「さっき誰か来てなかった?」

シンジ「あ、ああうん。宅配便だよ」

アスカ「ふぅん。あんた、なんか頼んだの?」

シンジ「うん…、えっと、本屋に置いてなかった料理の本を」

アスカ「なーんだ。つまんないのー」


ガラッ パタン


シンジ「……」

シンジ「危なかった…」

シンジ「こんな馬鹿馬鹿しいものに大枚はたいたなんてアスカに知られたら何て言われるか」

シンジ「…仮に、ありえないだろうけどもし万が一これが本物だったとしても」

シンジ「アスカを男に変えたってひとつもメリットが無いよな…精々僕への暴力の質が上がるだけだろうし」

シンジ「…」

シンジ「よし。使ってみて何とも無かったとき、冗談だって誤魔化しても笑って許してくれそうな人に実験台になってもらおう」

(翌日)


アスカ「あ〜……あっつい…」

シンジ「アスカ今日、朝からずっとそればっかだね」

アスカ「るっさいわねー、暑いもんは暑いんだもん!仕方ないじゃない」

シンジ「で、でもどうせ変わらないなら言わないほうが…」

アスカ「はぁ…もう、そんなのあたしの勝手じゃないの」


タタタタ バシッ


シンジ「うわっ」

トウジ「よ、センセ。おはよーさん!」

シンジ「な、なんだトウジか…おはよう」

アスカ「鈴原、あんた相変わらずあつっくるしい格好してるわねぇ…見てるだけで鬱陶しいわ」

トウジ「やかましい。お前らも朝から夫婦喧嘩とはほんま、この暑いのによーやるわ」

アスカ「は…はぁ!?あんたバカぁ!?どこが夫婦喧嘩に見えるのよ、目ぇおかしいんじゃないの!」

トウジ「そうカッカしすぎると旦那様に逃げられるでぇ?」

アスカ「バ、バ、バ…バッカじゃないの!あたしは加持さんみたいな大人の男にしか興味ないの!あんたらみたいな子供に興味ないんだから!」

トウジ「お〜こわっ!般若や、般若!」

シンジ「なんだよアスカ…自分だって子供のくせに…」

アスカ「…ふん!付き合ってらんないわ!!」タタタタッ

トウジ「ありゃ…ちーとからかいすぎたか?邪魔してすまんな、シンジ」

シンジ「あんなのいつもの事だからいいよ、別に。お昼になれば機嫌も戻るだろうし」

トウジ「そうか?そんならええんやけど…」

シンジ(……)

シンジ(そうだ。あのライト…)

シンジ(トウジにならきっと冗談も通じるだろうし、…試してみようかな)キョロキョロ

シンジ「あ、あのさ、トウジ」

トウジ「ん?なんや」

シンジ「…ごめん!」カチッ

トウジ「!?」


ピカッ

シュウウウウウウウウ


シンジ「うっ、思ってたより眩し…」

トウジ?「…うう…な、なんや今のは…」

シンジ「トウジ、ごめ——— ?!」


トウジ?「…ん。なんやセンセ、呆けた面して」

シンジ「トッ…トウジ…!?その声と髪は……」

トウジ?「おいおい、トウジて誰やねん…。いくらウチが男勝りな性格やからって男みたいなあだ名付けるんは流石に酷ないか?センセ。そこはちゃーんとトウ子て呼んでもらわな」

シンジ「え…」

トウ子「あ、せや!ノート無くなってしもたから授業始まるまでに購買で買うとかなアカンのやった!センセ、ごめんけどウチ先行くわ!そんじゃー」タタタタタタッ

シンジ「…」

シンジ「…ほ…本物…だったなんて…」

(数日後)


アスカ「シンジー。今日のお弁当!」

シンジ「うん、はいこれ」

アスカ「ヒカリ、お昼食べるわよ」

ヒカリ「うん。…あ、ねぇ、鈴原も一緒に食べない?」

トウ子「ウチもええのん?」

アスカ「別にいーけど、お弁当のおかずは分けないからね〜?」

トウ子「はーいはい、言われんでもわかっとる。ウチかて別に他人の愛妻弁当なんか食いたないもん」

アスカ「ふん、なっまいき」

トウ子「好きに言うとき。…な〜委員長、お弁当ちょっとだけ分けてぇなー♪」

ヒカリ「もー鈴原ったら。別にいいけど、たまには自分で作らないとダメよ?」

トウ子「委員長が作ったのが美味しいんやもん」

ヒカリ(…もう。可愛い事言うんだから、鈴原…)キュン


ケンスケ「次、体育か」

シンジ「そうだね」

ケンスケ「いやぁ、それにしても俺たちって勝ち組だよな!」

シンジ「なんで?」

ケンスケ「そりゃお前…、女子校でも無いのに俺とお前と渚以外みんな女子なクラスなんて2-Aだけだぜ?」

シンジ「あ、そっか。そうだね」

ケンスケ「そっかって…。碇は相変わらずそういうとこ無頓着だよなぁ」

シンジ「…あのさ、ケンスケ」

ケンスケ「何だよ?」

シンジ「体育の前にちょっと時間いいかな?ケンスケに用があるんだけど…」

(体育終了後)


トウ子「よっしゃー!卓球勝負、ウチの勝ちぃー!」

アスカ「へぇ、すごいじゃないの。あんた運痴なのに」

ヒカリ「相田さんと勝負してたんだって。勝った方が明日のお弁当おごるって」

アスカ「弁当って…。女の賭け事にしちゃ随分色気無いわね…」

ケン子「あーあ…あたし今月苦しいから勝負なんてイヤだって言ったのに…」

トウ子「はん、そんなん今更やわ!…まぁ、そんなにお金無いんならジュース1本にまけといてやってもええけど?」


綾波「…碇君」

シンジ「綾波。どうしたの?」

綾波「今日の体育、男子は何をやっていたのか教えて欲しいの」

シンジ「あ、日誌…今日は綾波が日直なんだね」

綾波「ええ」

シンジ「本当は男子も卓球だったんだけど…今日はカヲル君が休みだから、僕はずっと校庭走らされてたよ」

綾波「そう…。お疲れ様」

シンジ「ありがとう。…でもまぁ、男子がこんなに少なくちゃ仕方ないよね」

綾波「そうね。それにしてもうちのクラス…どうして、こんなに男女比が偏ってしまったのかしら」

シンジ「う、うん。ほんと、不思議だよね」

シンジ(…)

シンジ(僕以外みんな女子…)キョロキョロ

シンジ(最初こそこんなことしちゃダメだって思ったけど、1人2人と性別を変えてくうちにどうしても好奇心を抑えきれなくなっちゃったよ)

シンジ(性格は性別を変えてもあんまり変わらないみたいだから、周りが女子ばっかりになっても思ったほど居心地も悪くないし…)

シンジ(……)

シンジ(でも、流石に悪ふざけがすぎたかな…)

シンジ(今日、下校する前にちゃんとみんなを元に戻して…)

ヒカリ「ねぇ、碇君」

シンジ「わ!?な…何?」

ヒカリ「もし良かったら今日の国語のプリント、渚君に持ってってくれないかな?私今日、委員会で遅くなっちゃうから…」

シンジ「…」

ヒカリ「あ…ダメならいいの。ごめんね」

シンジ「う、ううん。大丈夫。持っていくよ…」

ヒカリ「本当?ごめんね、それじゃ、よろしくね」


シンジ(…トウ子もケン子も、悪くはないんだけど…)

シンジ(なんか…なんとなく何かが物足りないんだよなぁ)

シンジ(……)

シンジ(…いや!ダメだダメだ!男友達だって1人くらいは残しておかないと、後々困るのは僕なんだから)

シンジ(…)

(ネルフ パイロット宿舎)


カヲル「やぁ、シンジ君か。どうしたんだい?」

シンジ「あのこれ…委員長から預かってきたんだ。今日の国語のプリント」

カヲル「ああ…ありがとう。手間を掛けさせてしまってごめんね」

シンジ「ううん、いいんだ」

シンジ「…」

カヲル「どうかしたのかい?」

シンジ「…」

カヲル「シンジ君?」

シンジ「—…ごめん、カヲル君!」カチッ

カヲル「えっ」


ピカッ

シュウウウウウウウウウ


シンジ「…!!!!」

カヲル?「ん…気のせいかな、今何か…」

シンジ「………」

カヲル?「…シンジ君?どうしたの、ぼーっとして」

シンジ「カ、カ、カ、カ、カヲル君…!?」

カヲル?「…顔が赤いよ。もしかして体調が良くないの?」

シンジ「い、いやっ、そ、そのっ…」

カヲル?「うーん…熱は無さそうだけど…」ピトッ

シンジ「カ…カヲルく…」

カヲル?「ねぇシンジ君。本当に大丈夫…?私のこと、ちゃんとわかる?カヲリだよ。渚、カヲリ」

シンジ「…」

シンジ「ハァ…ハァ…ハァ……… …うっ」

シンジ「…」

シンジ「…最低だ、俺って…」

シンジ「まさかカヲル君があんな子になるなんて期待以上だったな…」

シンジ「あれじゃアスカや綾波にも引けを取らないじゃないか、反則だよあんなの…」

トウジ(「おーい、センセ!悪いんやけど今日の宿題写さしてくれへんか?このとーりや!」)

ケンスケ(「なぁ碇。これ見てくれよ。こないだ買ったばっかのエアガンなんだけどさぁ…」)

カヲル(「シンジ君、今日はこれからどこに行くんだい?」)

シンジ「…」

シンジ「何やってるんだろう僕は…。大事な友達にあんな事して…」

アスカ(「ねーねーシンジ!この間の国語のテスト何点だった!? …ふっふーん、あたしの勝ちぃ!見なさいよホラ、今回は漢字だってバッチリよ!これがあたしの実力なんだからっ」)

綾波(「碇君。次の音楽の授業なんだけど…ペアを作らないといけないらしいの。だから…もし良ければ、私と…」)


ヒカリ(「碇君、あのね。もし良かったら来週クラスのみんなでどこか遊びに行きたいなって思ってるんだけどね…。あ!べ、別に鈴原の誕生日が近いからとかそんなのは関係なくって…!」)

シンジ「…」

シンジ「…いや…別にいいじゃないか。みんな自分の性別が変わっちゃったことに気付いてないんだ。誰かに迷惑かけてるわけでもないんだ…」

シンジ「そうだよ…毎日こんなに頑張ってるんだから、僕のささやかな楽しみくらい許されたっていいじゃないか…」

シンジ「いい事じゃないか、僕の夜のおかずが増えて僕は幸せになれるんだから…」

シンジ「この際僕の周りの人みんな女の子にしちゃおうかな」

シンジ「そりゃ全く罪悪感が無いかって聞かれたら、そうじゃないけど、でも…」

シンジ「…はぁ」

シンジ「もう寝よう…」

シンジ(…)

シンジ(……)

シンジ(おかずとしてだけじゃなくても、カヲリちゃんなら頼み込んだらヤラせてくれそうだな…)

シンジ(いや…でも、まだダメだ。焦りすぎたらきっと泥沼化して人生ハーレム化計画が台無しになる)

シンジ(うーん…いくら女の子が増えてもやっぱり一番の強敵はアスカな気がするなぁ。アスカをどうやってハーレムの一員に組み込むか…それが問題だ)

>>11ミスしてました、訂正


(その夜—シンジの部屋)

シンジ「ハァ…ハァ…ハァ……… …うっ」

シンジ「…」

シンジ「…最低だ、俺って…」

シンジ「まさかカヲル君があんな子になるなんて期待以上だったな…」

シンジ「あれじゃアスカや綾波にも引けを取らないじゃないか、反則だよあんなの…」

トウジ(「おーい、センセ!悪いんやけど今日の宿題写さしてくれへんか?このとーりや!」)

ケンスケ(「なぁ碇。これ見てくれよ。こないだ買ったばっかのエアガンなんだけどさぁ…」)

カヲル(「シンジ君、今日はこれからどこに行くんだい?」)

シンジ「…」

シンジ「何やってるんだろう僕は…。大事な友達にあんな事して…」

アスカ(「ねーねーシンジ!この間の国語のテスト何点だった!? …ふっふーん、あたしの勝ちぃ!見なさいよホラ、今回は漢字だってバッチリよ!これがあたしの実力なんだからっ」)

綾波(「碇君。次の音楽の授業なんだけど…ペアを作らないといけないらしいの。だから…もし良ければ、私と…」)

ヒカリ(「碇君、あのね。もし良かったら来週クラスのみんなでどこか遊びに行きたいなって思ってるんだけどね…。あ!べ、別に鈴原の誕生日が近いからとかそんなのは関係なくって…!」)

シンジ「…」

(翌日)


トウ子「あ〜やっっっと終わったぁ…6限目が数学の日はほんま最悪やわぁ」

ヒカリ「鈴原、ちゃんとノート取ってる?途中から寝てたみたいだったけど…」

トウ子「うっ…さっすが委員長、よーウチの事見張っとるなぁ…」

ヒカリ「え!鈴原のこと見張ってるなんて、べ、別に私そんなつもりは…っ」

ケン子「ね、みんなそろそろ帰りましょ。今日5時から観たい番組があるの」

シンジ「ひょっとして…戦略自衛隊のドキュメンタリー番組?」

ケン子「それそれ♪」

カヲリ「シンジ君。私も一緒に帰ってもいい?」

シンジ「いいよ!…あ、ねぇ、綾波とアスカも一緒に帰ろうよ」

綾波「…碇君///」

アスカ「…」

ヒカリ「アスカ…どうしたの?」

アスカ「なーんかうるさそうだし、いいわ。あたし1人で帰る」

ヒカリ「え、でも…」

アスカ「じゃーねヒカリ。また明日ね」

ヒカリ「…うん…」

(通学路)


綾波「どうしたのかしら、彼女」

シンジ「ああ…アスカのこと?なんか機嫌悪いみたいだったね…」

ケン子「惣流が機嫌悪い時はあんまり刺激しないのが一番だと思うわよ。明日になれば元気になってるでしょ」

シンジ「そうかな…それだといいんだけど」

トウ子「せやなー。生理にでもなっとんのとちゃう?」

ヒカリ「バ、バカ!碇君もいるのに何てこと言うのよ鈴原ってば」

トウ子「うちのクラス女ばっかやし、センセもそない気にしてないんとちゃう?」

ヒカリ「だからってねぇ…、あ。もうこんなとこまで歩いてきちゃった」

カヲリ「ふふ、みんなで話してるとあっという間だね」

シンジ「そうだね」

ヒカリ「じゃあ、私たちはここで」

トウ子「センセ、綾波、渚、また明日ー」

ケン子「…きゃ!5時まであと10分しかないじゃない!急がないと…!」

シンジ「…」

カヲリ「ねぇ、シンジ君。これから本部に行く?」

シンジ「うーん…ちょうど、どうしようかなって思ってたところだったんだけど…」

カヲリ「私、シンジ君ともっと話がしたいな。…一緒に行かない?」

シンジ「あ…」

カヲリ「…ダメ?」

シンジ「そ、そんなことないよ!うん、本部に行こう!」

綾波「…あの…碇君」

シンジ「ん?」

綾波「私も…一緒に行っていいかしら」

シンジ「うん、もちろん」

カヲリ「…そうね、人数は多い方が楽しいよね。一緒に行こう」

(ネルフ司令室)


冬月「…碇」

ゲンドウ「なんだ」

冬月「何故か最近突然気になり始めたんだが…本部の職員の男女比は随分と偏っているな」

ゲンドウ「そうだな…」

冬月「私とお前とお前の息子以外は全員女性だぞ。妙な話だよ」

ゲンドウ「…問題ない。職員の働きは上々だ」

冬月「聞いた話だとお前の息子のクラスメイトも、女子ばかりだそうだが…」

ゲンドウ「エヴァの適合者になり得る子供がシンジ以外全員女子生徒ばかりだったというだけの話だ。特に問題はなかろう」

冬月「私はそうは思わんがな…」

ゲンドウ「どういう意味だ」

冬月「考えてもみろ。お前の息子は中学2年生…今が最も多感な時期だぞ。ネルフでも学校でも異性ばかりの中にいて、同性の友人と接する機会が全く無いというのは良くない事だとは思わんかね」

ゲンドウ「そういうものなのか…」

冬月「碇…、たまには息子と会話でもしてやったらどうかね」

ゲンドウ「…」

(ネルフ施設内)


マヤ「日向さん、この書類の事なんですが…」

日向♀「ああ、うん。大丈夫。私がやっておくから」

マヤ「本当ですか?ありがとうございます」

日向♀「いいのよ。終わったら葛城さんに渡しておけばいいのね?」

マヤ「はい。…良かったぁ、日向さんが手伝ってくれて。これで私も先輩に渡す書類に取り掛かれます」

青葉♀「ねぇ、マヤちゃんでも日向でもいいからマスカラ持ってないー?今日仕事終わってからライブなのに忘れてきちゃってー」

マヤ「青葉さんったら…この間も同じような事言ってたよね」

日向♀「私は持ってきてないから葛城さんに頼んでみる?」

青葉♀「そんなこと言って、あんたはどうせ憧れの葛城さんに会いたいだけなんでしょー」

日向♀「そ、そんな事無いわよ!」

マヤ「え、もしかして日向さんってそうだったんですか?…私も、同性に憧れちゃう気持ちはちょっとわかりますけど」


キャーキャー


ゲンドウ(やはり女性職員ばかりだと騒がしいな…)

ゲンドウ(冬月の言うとおり、この状況は多少パイロット…いや、シンジの負担になっている可能性もある、か…)

ゲンドウ(……)

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「え?…ああ、なんだ、父さんか」

ゲンドウ「学校の方は…どうだ」

シンジ「急にどうしたの?楽しいよ」

ゲンドウ「そうか。何か困り事は無いのか?」

シンジ「何なのさ…いきなりそんなこと聞いてくるなんて」

ゲンドウ「学校でもネルフでも、お前の周囲は女性ばかりだからな…。多少は不都合な事もあるのではないかと思ってな」

シンジ「父さんや副指令は僕の人生ハーレム計画に必要ないんだよ…」ボソッ

ゲンドウ「何か言ったか?」

シンジ「別に」

綾波「碇君。飲み物を買ってきたんだけど…いる?」

シンジ「あ、綾波。ありがとう」

カヲリ「あなたも?…私も買ってきたんだけど…もういらないかな」

シンジ「そんなこと無いよカヲリちゃん。ありがとう」

加持♀「あら、シンジ君たち」

シンジ「加持さん!」

加持♀「奇遇だね。これから私の畑に来ない?ごちそうするわよ〜」

シンジ「わぁやった!綾波、カヲリちゃん、行こう!」


キャッキャウフフ


ゲンドウ「」

(葛城家)


アスカ「あーーーーーーーーーもうっ!!ムカつく!」ガンッ

アスカ「何よシンジの奴…ファーストやフィフスにあんなにデレデレしちゃってさ…」

アスカ「大体ずっとおかしいと思ってたのよ。なんでネルフ本部もうちのクラスも、あいつ以外女しかいないわけ?」

アスカ「どんな子が相手だってあたしが魅力で劣ってるとは思えないけど…あのバカシンジ、誰にでもすぐ鼻の下伸ばすんだもん」

アスカ「はぁ…嫌んなっちゃうわ、もう…」

アスカ「…げっ。あたしの洗濯物にあいつのTシャツが紛れ込んでるじゃない!」

アスカ「ったくもう…」


(シンジの部屋)


アスカ「タンスに突っ込んどけばいいかな…」

アスカ「よいしょっと」ガラガラ

アスカ「…ん?何コレ…」

(数時間後—葛城家)


シンジ「ただいま〜…」

シンジ「こんな時間なのに真っ暗だ。アスカもミサトさんもまだ帰ってないのかな…」

シンジ「えっと、電気電気…」


…グイッ!


シンジ「!?」

シンジ(な…なんだ?誰かいる…!?)

シンジ(う…。意識…が………)


バタッ


???「………」

シンジ「…う…うう……?」

???「…ようやくお目覚めか」

シンジ「だ…誰!?」

???「はぁ?この至近距離でわかんねーのかよ、俺だよ俺!」

シンジ「えっ…!ま、まさか…アスカ…アスカなの…!?」

アスカ♂「はん。そのまさかだよ、このバカシンジ」

シンジ「アスカ…どうしてそんな姿に?」

アスカ♂「そりゃお前が一番良くわかってんじゃねーの?こいつのおかげだよ」

シンジ(僕がタンスの中に隠しておいた性転換ライト…!)

アスカ♂「まさかお前がこんな変態グッズを隠し持ってたとはな。これでようやく合点がいったぜ…。お前、これで周りの男連中を片っ端から女に変えたんだな?」

シンジ「な、なんでこんな…こんなのおかしいよ!なんでアスカがそのライトで自分の性別を変えた事覚えてるの!?」

アスカ♂「はぁ…お前ほんっとバカだなぁ。このライトの説明書、ここ読めよ」

シンジ「も…『持ち主としてライトに登録できるのは3人までです』!?そんな…、じゃあアスカもこれに持ち主登録して…」

アスカ♂「間抜けな奴」

シンジ「ご、ごめんアスカ!ほんの出来心だったんだよ…。みんなはちゃんと元に戻すから、この縄ほどいてよ!」

アスカ♂「…お前を拘束したのはそいつらを元に戻してもらうためじゃねぇよ。俺は誰が元々は男だったのかなんて知らねーし、興味もねーもん」

シンジ「じゃあ…どうしてこんなことするんだよ!」

アスカ♂「…」スッ…

シンジ「!?」

アスカ♂「ふん…いつまで経っても俺の気持ちに気付かないお前が悪いんだ…」

シンジ「アスカ!ちょっと待っt」

アスカ♂「…」カチッ


ピカッ

シュウウウウウウウ


シン子「…!」

アスカ♂「ふーん…女の俺と比べれば全然だけど…ま、合格レベルだな」

シン子「アス…カ…」

アスカ♂「お前は自分に優しくしてくれるなら誰でもいいんだろ?…でも、俺はそうじゃねぇ」

シン子「…」

アスカ♂「このライトを見つけた時、ひらめいたんだ。多少強引にでもお前を俺だけのものにする方法をな…」

シン子「アスカ…!ちょっと待って!お願い、ちょっとだけ落ち着いて話そう?ね?」

アスカ♂「お前が全部俺のものにならねーなら、俺何も要らねぇ」

シン子「待って!!こっちに来ないで!お願いだから私の話もちょっとは聞いt」

アスカ♂「…問答無用」

シン子「」



シン子「きゃあああああああ!」

シンジ(……あの後)

シンジ(事が済んだらアスカはすぐに自分の性別を元に戻して、その後僕の性別も元に戻してくれた)

シンジ(例のライトはアスカに取り上げられ、あれから一度も目にしていない…)

シンジ(…)

シンジ(いや…それだけなら良かったんだ)

シンジ(だけど…)

トウジ「おはよーさん、センセ!」

ケンスケ「はよーっす」

カヲル「やぁシンジ君。おはよう」

シンジ「…おはよう、みんな…」

カヲル「…どうかしたのかい、シンジ君。最近あまり元気が無いようだけど」

トウジ「何か悪いモンでも食ったんか?」

ケンスケ「まさか。トウジじゃないんだから…」

シンジ「…」

トウジ「お。綾波や」

ケンスケ「ほんとだ。おーい、綾波ー」

シンジ「…」

綾波♂「…何か用?」

シンジ「…」

綾波♂「…碇君?」


シンジ(アスカは…アスカは……)

シンジ(『もう僕が二度とあんな気を起こさなくて済むように』と、僕の周りにいる人たちを片っ端から男に変え始めてしまった…)

ヒカリ♂「みんな、おはよー」

トウジ「げっ…」

ヒカリ♂「あ、鈴原!…今日は鈴原が朝の掃除当番だって昨日ちゃんと言ったのに…なんでこんな時間に登校してるんだよ!」

トウジ「へーいへい、男のくせにガミガミと口うるさい奴やでホンマ…」

ヒカリ♂「僕じゃなくて鈴原がおかしいんだろ!大体お前は一昨日の日直だって結局すっぽかして……」

トウジ「こういう時は…逃げるが勝ちや!」ダッ

ヒカリ♂「今日は逃がさないからな!待てー!」ダッ

ケンスケ「ったく…あいつら毎朝毎朝良く飽きないなー…」タタタタ

シンジ「…」

カヲル「シンジ君、僕たちも行こうか。まだ時間はあるからあんなに急がなくても大丈夫だろうけど…」

シンジ「…」ポロポロ

綾波♂「碇君?…どうして泣いてるの?」

カヲル「具合が悪いのかい?どこか痛むとか…」

シンジ「ごめん、みんな…。全部…僕の…僕のせいなんだ…」

綾波♂「…君が何を言っているのか、僕には良くわからない」

シンジ「僕が悪いんだ…。人生ハーレム化計画なんて馬鹿なこと考えたりしたから…!」

カヲル「えっ?」

綾波♂「…?」

(ネルフ施設内)


アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ


ミサト「あら、アスカじゃないの。こんな時間にどうs」

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ」カチッ


ピカッ

シュウウウウウウウ


リツコ「あら?アスカ。私に何か用事でm」

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ」カチッ


ピカッ

シュウウウウウウウウ


マヤ「アスカ?今日は学校は——」

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ」カチッ


ピカッ

シュウウウウウウウウ



アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ

アスカ「目標をセンターに入れてスイッチ…」カチッ


アスカ「目標をセンターに入れて、スイッチ」


カチッ

終わる

色々とホラーだった(KONAMI)

>>16
タイトル見れば大体どんな話かわかるだろ?
わざわざエヴァSSにマイナスレス残しに来ずに大好きな進劇SSだけ読んでればいいのに

>>34
書いてる途中で自分でも何やってんだろ俺…って気分になったのは確かだから大丈夫だ、問題ない。
気を遣ってくれてありがとう。

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