アルファ「いかがですか?」
山岡「だめだな。煎り方はきちんとしたジャーマンローストだが、豆が古すぎる」
アルファ「……ごめんなさい。最近横浜も流通が悪くて仕入れが滞ってるんです」
山岡「ふん……ミルクはコレ?」
アルファ「はい」
山岡「コーヒーは古いのに、鮮度の要求される牛乳はあるのか……」ゴクッ
アルファ「……」
山岡「んぐっ!? なんだこれは! 豆乳じゃないか!」
アルファ「ええ、ごめんなさい……牛乳も仕入れられなくて」
山岡「コーヒー豆に大豆を入れるのか? 豆臭くって飲めたもんじゃない。砂糖は?」
アルファ「あ、はい! とっておきがあるんです」……コトッ
山岡「なんだこれは……黒糖!? 臭くて飲めないと言ったコーヒーに、えぐみの強い砂糖を足せって言うのか!?」
アルファ「でも、その砂糖、とっても美味しいんですよ」
山岡「こんなもの……ゴリゴリ……ふん、ただの黒糖じゃないか」
アルファ「そ、そうかもしれませんけど、でも……」
山岡「だいたい、コーヒーに黒糖を入れるなんてどういう了見だ! 香りを楽しむ飲み物に、こんな臭い豆乳や砂糖を入れて! 商売する気はあるのか!?」バンッ!
アルファ「……ひっ!?」
ココネ「アルファさん!? どうしました?」
アルファ「こ、ココネ……なんでもないの。釣り人さんの様子、見てきてくれる?」
ココネ「は、はい……」 ギィ……カラン
『ヨコハマ買い出し紀行』と『美味しんぼ』の、胸くそ悪くなる感じのssにしようかと思いましたが、
山岡が私のアルファさんをいじめるので、方針転換です。
いじめるって…自分で書いといてwww
だいたい山岡さんこんな言い方しないだろ(;^_^)
山岡「だいたい、なんでカフェでコーヒーを頼んだのに、向かいに店員が座るんだ」
アルファ「い、いけませんか?」
山岡「あたりまえだろう! コーヒーを味わいに来たのに、どうしてロボットの顔なんか見なくちゃならないんだ!」
アルファ「そ、そんな……」
山岡「ああ、もういい! 勘定を……」
ギィ……カラン
アルファ「あ、いらっしゃいませ」
海原「ご無沙汰しております」
山岡「な……海原雄山!」
海原「ん? ここはおまえのような男が来て良い店ではないぞ」
山岡「それなら、俺だって聞きたいね。どうしてアンタがこんなへんぴな店に来た!?」
海原「ふん、おまえに教える義理などない! すぐに勘定済ませて出て行くことだな!」
山岡「な、なにを……」
海原「さてアルファさん、お久しぶりですな」
アルファ「ええ、先生もお元気そうでなによりです」
海原「最近、メニューはどうなりましたかな?」
アルファ「コーヒーはまだなんとかなってるんですけど、砂糖と牛乳が……」
海原「なるほど……たしかに仕入れルートは先細る一方……」
アルファ「でも、なんとかやっていけてます」
山岡「ふん、あの豆乳コーヒーで、なんとかやっていけてる……だと?」
海原「豆乳? ……なるほど、私も一杯もらおうか」
アルファ「はい、いまお入れしますね」
山岡「海原雄山、なぜアンタがこんなコーヒーを……」
海原「こんな時代、こんなコーヒーを淹れられるのも、もう、この店くらいなものだろう」
山岡「それは……」
海原「関東地方で最後に残ったカフェ……その噂を聞きつけて、ノコノコやって来たのではないか?」
山岡「ぐ……」
アルファ「お待たせしました。コーヒーと、ミルクと、お砂糖です」
海原「うむ。では、いただこう……」
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