ネヴァーモア「勝てる……勝てるんだ!」(9)

(あらすじ)

(マッポー都市ネオサイタマにて勢力を広めるニンジャ組織、アマクダリ・セクト。)

(キョート共和国のニンジャ組織、ザイバツ・シャドーギルドとは協定を結んでいたはずだが、突如ザイバツ・ニンジャがダイミョ行列めいてマルノウチへと押しかけてきた。)

(この狼藉に抗議するため、アマクダリの精鋭ニンジャ達がマルノウチ・スゴイタカイビルへと向かうのであった。)

本拠地ネオサイタマで迎えたザイバツとのマルノウチ攻防戦。

大将フューネラルが一撃で撃破され、ブラックウィドーも爆発四散し惨敗だった。

会議室に響くアガメムノンの溜め息、どこからか聞こえる「もはやこれはドラゴンべイン=サンのケジメ案件では?」の声。

無言で帰り始める幹部達のなか、アマクダリ首魁ラオモト・チバの側近ネヴァーモアは独り座席で泣いていた。

ソウカイヤ時代に手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間……

それを今のアマクダリで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。

ネヴァーモア「どうすりゃいいんだ……」

ネヴァーモアは悔し涙を流し続けた。

どれくらい経ったろうか、ネヴァーモアははっと目覚めた。

どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ。

ネヴァーモア「チクショウめ、帰ってカラテトレーニングをしねえと」

ネヴァーモアは毒づいた。

立ち上がって伸びをした時、ネヴァーモアの耳に合成マイコ音声が飛び込んできた。

「終着、ガイオン・ステーションドスエ」

ネヴァーモア「ここは……?新幹線の中……?」

新幹線から飛び出したネヴァーモアが見たのは、優雅で奥ゆかしいアッパーガイオンの風景だった。

桜のコリドーが美しく、サイバー雅楽音が鳴り響いていた。

ネヴァーモア「キョートナンデ?」

どういうことか分からずに呆然とするネヴァーモアの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「オニヤス=サン、これよりキョート城へ攻め込む、早く行くぞ」

声の方に振り返ったネヴァーモアは目を疑った。

ネヴァーモア「ダ……ダークニンジャ=サン?」

「なんだ、イクサ前だってのに居眠りか?」

ネヴァーモア「バ……バイセクター=サン?」

「そいつの名はヒュージシュリケンだ。間違えるとはスゴイ・シツレイなニュービーよ」

ネヴァーモア「アースクエイク=サン……」

ネヴァーモアは半分パニックになりながら、手渡されたキョート城襲撃ミッションの参加者名簿に目をやった。


ラオモト・カン
ダークニンジャ
ゲイトキーパー
インターラプター
ビホルダー
アースクエイク
ヒュージシュリケン
ダイダロス
オニヤス・カネコ



暫時、唖然としていたネヴァーモアだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。

ネヴァーモア「勝てる……勝てるんだ!」

バンディットからニンジャ装束を受け取り、キョート城へ全力でスプリントするネヴァーモア、いや、オニヤス・カネコ。

その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった……



翌日、アマクダリ会議室で冷たくなっているネヴァーモアが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。

【ネヴァーモア「勝てる……勝てるんだ!」】終わり


このSSはコピペ改変をSS風にするというハイ・テックなシステムです。

なお、私は偶然ここへ来てSSを書いており、暗黒メガコーポ・DeNAやウチカワ・セイイチ=サンとは実際無関係。

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