エレン「新リヴァイ班の愉快な耐久訓練」 (21)

※ネタバレ、色々崩壊あり


―――


エレン「…新リヴァイ班のメンバーで訓練?」

リヴァイ「そうだ」

アルミン「でも、我々は王政から身を隠している状況なのに…」

リヴァイ「確かにな。だが、てめぇらはまだヒヨッコだ、この意味がわかるか?」

ハンジ「君たちは同期だし仲もいいみたいだから、チームワークが乱れるとかは無いと思うけど。そうは言っても、やっぱりまだ新人だからね。それに調査兵団の大半も失ってしまった。君たちが戦力の頼りなんだよ。だからもっと強くなってもらわなきゃいけない…こういうちょっと時間が空いた時にでも訓練はしておくべきだと思うんだ」

リヴァイ「…そういう事だ」

ミカサ「それで…訓練とはどういう事を」

ハンジ「どんな状況でも一切動じない耐久訓練だ」

コニー「耐久訓練?」

サシャ「何をやるんですか?」

ハンジ「これから1日君たちを様々な衝撃的な事件が襲う。なにが起きても一切動じず冷静に流す訓練だ」

ジャン「もっと具体的に…」

ハンジ「今日1日君たちはツッコミまたは笑ってはいけない」

アルミン「………は?」

ヒストリア(もう今ツッコミたい)

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エレン「あの………それって」

ハンジ「何名か今からもうツッコミたそうにしてるけどダメだからね。訓練は今から始まってるんだから」

アルミン「!?」

ハンジ「と、いうわけで頑張りたまえ!」

リヴァイ「ちなみに一回でもツッコむか笑えばアウトだ。退場して1週間掃除当番の罰を与える」

ジャン「いや、ちょっ…!」

アルミン「ジャン、ダメだ!!」

ジャン「は!あぶねぇ、ツッコむところだった!」

ハンジ「とりあえず部屋で待機してなよ、また来るから。またねぇ、あはははは」

ガチャッ

エレン「…」

ミカサ「…」

コニー「なんだよこれ…どういう事だよ…」

サシャ「いきなりあんなこと言われても…私たちはどうしたらいいんですか…」

ヒストリア「…」

アルミン「…とりあえず、もう今から気を抜かない方がいいだろう。ハンジさんとリヴァイ兵長が部屋から出た…これはつまり…」

ジャン「これからこの部屋で何かが起こる可能性があるな」

ミカサ「付き合ってられない。部屋からでよう」ガチャッ

ミカサ「な!?外側から鍵を閉められている!?」ガチャッガチャッ

エレン「窓も外側から閉められているぞ…」

ジャン「なんか意味不明な徹底的ぶりだな」

アルミン「もう僕ら監禁されてる気分だよ」

ヒストリア「…」

ミカサ「仕方ない。こうなったら窓ガラスをぶち破って…」

ガチャッ

ハンジ「大変だあああ!!!」バタンッ

ミカサ「ひゃっ!?」ビクウッ

ハンジ「あ、いい忘れてたけど声に出して驚いてもアウトだから」

ミカサ「!?」

ハンジ「まあ、これはいい忘れてた私が悪いから今回は見逃してあげるよ。次からは気をつけてね」

ミカサ「…どうも」

エレン「それで大変な事とは…」

ハンジ「それは…ニック司祭が……ニック司祭が…」

ハンジ「拷問を受けてころされたんだ!!!」

エレン「!?」

ジャン「!!」

アルミン「!!」

コニー「!!」

サシャ「!!」

エレン「ちょっ…それもう訓練どころじゃ…」


「何を言ってやがる…これは何が起きても動じない訓練だ」

エレン「!!リヴァ…」

ニック司祭(リヴァイの格好)「人がしぬなんか珍しい事じゃねえだろ。もちろん気分悪いし悲しいだろうが…感情に振り回されてばかりじゃ何も出来やしない」


エレン「」

アルミン「」

ミカサ「」

ジャン「」

コニー「」

サシャ「」

ヒストリア(部屋のタンスから出てきた)


ガタンッ

ニック(リヴァイの格好)「とりあえず、お前ら落ち着け…座って冷静になれ」

エレン「…」ガタンッ

ミカサ「…」ガタンッ

ニック(リヴァイの格好)「…ちっ……今日は紅茶が不味いな…」

アルミン(うわあ…)

ジャン(ダメだ…なんかもう見てて痛々しい)

サシャ(本人は頑張って兵長の真似をしてるつもりなのでしょうが似てないのがまた…)

コニー(バカな俺でもわかる……これはスルーした方がニック司祭の為にもいいと)

ヒストリア「………」プルプルプル


ニック(リヴァイの格好)「今日はやけに暑いな…眼鏡…」

ハンジ「ああ、そうだね。暑いなら脱げばいいじゃん」

ニック「そうだな」←リヴァイのカツラと調査兵団の服を脱ぐ

エレン「~~~っ!!!」

ミカサ「」

アルミン(それ脱いだらもうただのニック司祭じゃねえかよ!!)

ジャン(くっ…いきなり強敵を寄越しやがって…)

ヒストリア「…」

サシャ(しかし、ヒストリアの無表情っぷりもスゴいですね)

コニー(たぶん最後まで残るのヒストリアだろうな…)

ニック「おい、お前ら…なんだこりゃ。(掃除が)全然なってないぞ」

エレン「あ!はい!すみません、ニッ…リヴァイ兵長!」

ニック(お掃除姿)「ちっ…おれがやるからどいてろ」

ミカサ「」

アルミン(ヤバい…ツッコミたい、何か言いたい!)

サシャ(その姿は卑怯ですよ!!もうただの変なオッサンじゃないですか!!)

コニー(ああ…もうダメだ…もう我慢の限かい…)









ヒストリア「ぶふおぉっ!!!」

エレン「!!!」
ミカサ「!」
ジャン「!」
アルミン(な、ヒストリア!?)
サシャ(あちゃぁ…)
コニー(まさか…一番最後まで残ると思ってたヒストリアが…)


ヒストリア「………」


ハンジ「はい、凄い声だして笑ったね。アウトー」

ヒストリア「………」

リヴァイ(ニック司祭の格好)「まずヒストリアだな。1週間掃除当番の刑だ」

ヒストリア「ぶふぉっ!!!」

エレン「兵長、なにやってんですか」

ハンジ「はい、こっちおいで」

ヒストリア「……はい」

エレン「まあ、なんだ、気にすんな。ただの遊びみてえなもんだしよ」

サシャ「終わったらお芋わけてあげますから!」

ヒストリア「……ありがとう…」ノソノソ


アルミン「ヒストリア、顔真っ赤にしてたね」

ミカサ「そりゃ、あんな笑い声聞かれたら私でも恥ずかしい」

コニー「ずっと堪えてたんだろうな、あれ」


ハンジ「あ、ちなみにアウトになった人は今後、君たちの刺客として現れるから覚悟しといてね」バタンッ

ジャン「!?」

アルミン「…まずい…まずいぞ……」

ミカサ「え?」

アルミン「ヒストリアは基本シリアスなキャラだ……だが、ヒストリアみたいな子がキャラ崩壊を起こしたら、とんでもない兵器に変貌する可能性がある!!」

サシャ「確かに、ヒストリアが『ピキャアアアッ!!!』って叫びながら庭を駆け回ってるだけで腹筋が崩壊しそうですね」

コニー「やめろよ、吹き掛けただろ」

ジャン「…で、このまま俺達はどうすりゃいいんだよ」

エレン「まあ…とりあえずここで待機だろ。また鍵閉められてるし」

コニー「この間に中央憲兵でも来たらどうするんだろうな」

アルミン「中央憲兵もこの訓練の協力者だったりしてね」

サシャ「そんなわけないじゃないですかぁ、アルミン」

アルミン「そうだよね、あははは」

ミカサ「こんなことに付き合う必要はない。今度こそ窓をぶち破って出る」

エレン「んなことして叱られても知らんぞ」

ミカサ「こんな場所に閉じ込められているよりマシ」ジャキンッ



ハンジ「よお、諸君!聞いてくれ!!」ガチャン

ミカサ(ちっ!!)

エレン(またタイミングいいな)

アルミン(どこかで監視してるんじゃないのか)

ジャン「また何か起きたんですか?」

ハンジ「違う!とてもおめでたい話だ!」

コニー「おめでたい話?」

ハンジ「調査兵団のメンバーの女の子が結婚することになったんだ!」

サシャ「結婚ですか!それはおめでたいですね!」

アルミン(…なんだろう…何か嫌な予感が…)

ハンジ「と、言うわけで君たちも結婚式に出席してくれたまえ。皆で祝ってあげようじゃないか」

エレン「それって今ですか?」

ハンジ「ああ!今だ!」

ミカサ「…」

コニー「誰の結婚式なんだろうな!」

サシャ「たくさん祝ってあげなきゃ駄目ですね!」

アルミン「…」

ジャン「アルミン、顔色が悪いみたいだが…」

アルミン「ああ、凄く嫌な予感がするんだ」

エレン「まあ、確かに結婚式でも何か起こるんだろうが、そこまでめちゃくちゃな事は起きないと思うぞ。さすがに結婚式そのものぶち壊すような事は…」

アルミン「いや、もう結婚式そのものが…」

エレン「え?」

アルミン「ハンジさんは、アウトになった人は今後刺客として現れると言っていた……今アウトになった人はヒストリアのみ」

アルミン「そして、結婚……この2つから何を連想する?」

エレン「…」

ミカサ「………うっ…」

ジャン「うわ……まさか…」

エレン「なんか考えただけでムカムカしてきた」

コニー「俺でもわかったぜ…アルミンの考えている事が」

ミカサ「でもアルミン…たぶん貴方の考えている事は起きないと思う」

サシャ「そうですよ、彼はもう壁外に…」

アルミン「…僕もそう信じたいけどね」

―――壁教教会

ハンジ「さあ、着いたよ!教会だ!」

エレン(わざわざ壁教の教会で結婚式って…)

アルミン(まさか本当に中央憲兵も訓練の協力者じゃないよな)

ハンジ「さあ、入って入って」

エレン「は、はい…」

アルミン「…」

ミカサ「アルミン、心配しなくても大丈夫……だと思う」

ジャン(今あいつは壁外にいるんだ。ここにいるわけが…)

ワーッワーッ

コニー(…ん?)

サシャ(なんか聞き覚えのある声が…)



ガチャン





ユミル「結婚おめでとおおお!!!」


ベルトルト「ヒストリア!!ライナー!!おめでとう!!」



ライナー「ははは」

ヒストリア「…」





エレン「」
ミカサ「」
ジャン「」
サシャ「」
コニー「」

アルミン(予想通りだった)

ヒストリア「私は、ライナーと結婚することになりました。今日からヒストリア・レイスではなくヒストリア・ブラウンです」

ライナー「ライナー・レイスでも良かったがな」

エレン「………」

ミカサ(だめ、笑いそう)

ヒストリア「お父さん…今まで愛情こめて育ててくれてありがとう」

ロッド「ああ…本当に、大きくなったな」グスッ


リヴァイ「てめえ、自分の娘ほったらかしにしてただけじゃねぇか」

エレン「…!!」プルプル

ミカサ(危ない、笑いそうになった)

ジャン(そういう的確なツッコミはやめてください)

ヒストリア「ユミル…今までありがとう。これからも親友であり家族でいてください」

ユミル「ああ…頑張れよ」グスッ

エレン(てか何であいつらがここにいるんだよ)

ヒストリア「ベルトルトは……フーバー」

ベルトルト「ああ、ライナーを頼むよ」グスッ

ヒストリア「リヴァイ兵長……今までありがとうございます。身長差と年齢差の数字が同じくらいでしたが良い上司ですね」

リヴァイ「ああ」


ヒストリア「そしてエレン…私に色々言ってくれてありがとう。結婚しよ」

エレン「!?」

アルミン「!?」

ミカサ「!?」

ヒストリア「ミカサ…たくましい腹筋でした。結婚しよ」

ミカサ「!?!?」

ヒストリア「コニー……コニーに助けられて惚れました。結婚しよ」

コニー(いきなり何を言い出してんだこいつ)

ヒストリア「サシャ…可愛いよサシャ。結婚しよペロペロ」

サシャ「照れますねぇ」アハハ

ヒストリア「ジャン………口は悪いけど周りをよく見れる意外と頼りになる人でしたね。結婚シヨージャン?」

ジャン(ちょっと楽しくなってないかあいつ)

ヒストリア「アルミン」

アルミン(よしきた!例え演技でも結婚しよって言って貰える!!)

ヒストリア「私に変装して色々大変だったみたいで…」

アルミン「…」

ヒストリア「変なおじさんを目覚めさせちゃったみたいですね」

アルミン(ん?)

ヒストリア「これからも頑張ってね」

アルミン(え!?何を!?)

ピクシス「では…ヒストリア・ブラウン、ライナー・ブラウン…お互いに永遠の愛を誓うか?」

ライナー「誓います」ドンッ

ヒストリア「誓います」

リヴァイ「散々他人に求婚しといてなに言ってやがる」

ミカサ(いちいちツッコむのやめろコノヤロー)プルプル


ピクシス「では誓いのキスを…」

ライナー(さあ、来い、お前の唇を全力で受け止めてやる!!!)

ヒストリア「…」

アルミン(え?待って?本当にキスすんの?)


ライナー(もうすぐ…もうすぐでヒストリアの唇!!)

ヒストリア「…っ!!!」



ヒストリア「いやあああああああ!!!!!」

パチイイインッ!!!

ライナー「ぐふおーっ!!?」ズザザー

エレン「!?」

ジャン「!?」

ヒストリア「なにこいつ、鼻毛出てる!!!」

ライナー「」

ヒストリア「しかも下半身から何か銃口を向けられた気がしたわ!!なんて卑猥で破廉恥な男なの!!!」

ライナー「」


アルミン(うわあ…)

コニー(演技だろうがなかなかキツいなあれ)

サシャ(いや、半分本気じゃないですか?)

ピクシス(台本では平手打ちのあと鼻毛発言だけだったはずじゃが……ああ…)

ライナー「」チーン

ベルトルト(ライナー…股間が山になってるじゃないか)

ユミル(後で潰さなきゃいけねぇな)

エレン(おいおい、どうすんだこれ色々と)

ヒストリア「さあ、ライナー立って。結婚の続きしよ」

ライナー「ああ…そうだな。結婚しよう」

アルミン(何事もなかったかのように続行するのか)


ハンジ「さあ、結婚式続けるよ!!はああい、ウェディングケーキ持ってきて!!」

モブリット「はい!!」タッタッタ

サシャ「ケーキ!うまそう!!」ガタッ

コニー「落ち着けサシャ!」

ピクシス「それでは、ケーキ入刀を…」スッ←ブレード渡す

エレン(巨人斬るもんでケーキ斬るのかよ…)

ヒストリア「ライナー、ちゃんと支えて」

ライナー「ああ、こうか?」スッ

ヒストリア「きゃ!どこ触ってんのスケベ!」バシンッ

ライナー「ぐぱっ!!」

ヒストリア「しかも鼻血まで垂らしてイヤらしい!!」

ライナー「いや、これヒストリアが殴ったから…」

ヒストリア「ああもう、ライナーで入刀!!!」バンッ


ブチャッ!!



ライナー「」←ケーキに顔埋まる


コニー「ぶはあああっ!!!」


サシャ「あっ!」

エレン「!!」

ミカサ「…っ」

ジャン(コニー…)

アルミン(耐えられなかったか)


コニー「あ、しまっ…」

ハンジ「吹き出しちゃったね、コニー。アウト二人目」


ライナー「」←ケーキに顔埋まる

コニー「くそっ…すまねえ…」

サシャ「いいんです、私もヤバかったですから…」

エレン「気にすんな、コニー」

コニー「おう、ありがとな」

ハンジ「では、このケーキを皆でわけて食べよう」

サシャ「わーい!わーい!」ダダダダダッ

ジャン「おいこら待て、まだ切ってないぞ!!まるごとかぶりつく気かこいつ」

ライナー「ふー…」ゴシゴシ

ヒストリア「…」


ヒストリア「あ、ケーキにライナーの顔の形ができてる」

サシャ「なんやとおおおおお!!?」ズザザー!

ヒストリア「ライナーケーキだね」

サシャ「ぶふうううっ!!!」


ミカサ「ああ…サシャ…」

アルミン「これまた勢い良くアウトしたね」

エレン「サシャの反応に笑いかけたぞ」


サシャ「…あ」

ハンジ「はい、サシャもアウトねー」

サシャ「しまった…」ガク

ヒストリア「サシャ、ケーキだよ」チラチラ

サシャ「うほーーい!」バクウッ

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