モバP「巴に鍋を御馳走になる」 (98)

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モバP(以下P)「よしっ、今日の業務はこれで大丈夫!お先に失礼しますねちひろさん」

ちひろ「お疲れ様です。今日は何か用事があるんですか?定時で退社できるように頑張ってましたけど」

P「実は巴に鍋をしようと誘われてまして、これから巴達と一緒に食材の買い出しに行くんです」

ちひろ「鍋ですか...いいですね~、寒くなって来ましたし」

P「そう言う事なんで今日は失礼します。お疲れ様です」

ちひろ「はい、お疲れ様です」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416844508

-女子寮前-

巴「おっ、来よったなP。お疲れじゃの」

P「ああ、待たせてすまない。巴と...」

ほたる「Pさん、こんばんは」

悠貴「プロデューサーさん、こんばんはっ!」

P「こんばんは、二人とも。ほたるは巴と同室だとして、悠貴は巴が誘ったのかな?」

巴「鍋は大人数で楽しむもんじゃからの。予定がないもん探したら悠貴がそうじゃったから、誘ったんじゃ」

悠貴「巴さん、今日は誘っていただいて、有難うございますっ!」

巴「こちらこそありがとの。誘いをうけてくれて」

ほたる「悠貴ちゃんとあまり一緒にお仕事をしたことがないから...今日は一杯お話ししようね」

悠貴「はいっ、今日は一杯お喋りしましょうねっ、ほたるさん」

巴「...前から気になっとったんじゃが、うちらは同い年じゃから、さん付でのうてもええぞ?」

ほたる「うん...敬称を付けなくていいよ?むしろそうしてくれた方が嬉しいかな」

悠貴「えっと...みなさん私と同い年でも、アイドルとして先輩ですから...ちゃんと敬称を付けた方がいいかなって」

巴「そんなの気にせんでええんじゃ。今日は同じ鍋をつつく仲になるんじゃけぇのう」

悠貴「それじゃあ...今日はおじゃましますねっ。巴ちゃん、ほたるちゃん」

巴「ふふふ、今日はうまい鍋を食べさせるけえのう。楽しみにしとけや」

ほたる「私も楽しみにしているからね、巴ちゃん」

P「ははは、そろそろ買い出しに行こうか?ところで今日は何鍋にするんだ?」

巴「昨日親父から牡蠣が送られてきてのう。今日は牡蠣をメインにした寄せ鍋にするつもりじゃ!」

悠貴「牡蠣ですか、いいですねっ」

ほたる「昨日荷物が届いた時に吃驚したね。でも殻つきだったけど...お魚屋さんに頼んで殻を取ってもらわなくてもいいの?」

巴「心配せんでええ。うちが殻を外せるけぇ、その必要はないんじゃ」

悠貴「巴ちゃんそんなことできるんですかっ?はぁ...凄いなぁ...」

巴「な~に、広島の女の嗜みじゃ。たいしたことないわ」

P「いやいや、十分凄いよ。メイドの時も思ったけど、巴は家事スキルが高いな」

巴「そうかのう?うちだけじゃのうて、他の皆も同じようなもんじゃないんか?」

悠貴「そんなことないですよっ!私はそんなことできませんっ」

ほたる「そうだよ巴ちゃん。もっと自慢していいよ、ねぇPさん?」

P「うん、巴はもういつお嫁さんになっても大丈夫、その位凄いよ」

巴「上京する前に親父にも同じ事言われたんじゃが、Pにそう言ってもらえると嬉しいのう。親の贔屓目なしで、そう評価してもらえるけぇ」

P「ああ、でも贔屓目なしとは言えないかな」

巴「どうしてじゃ?」

P「巴は俺がスカウトしたアイドルだからね。俺が魅力があると思ってスカウトした可愛いアイドルなんだから」

P「どうしても贔屓しちゃうかな。勿論二人もだよ」

巴「......」

ほたる「えっと...」

悠貴「あわわっ...」

P(あっ、言い過ぎたか...?)

巴「ふっ」

P「巴?」

巴「Pがうちにかわいい言うて来るのも慣れてきたからのう、そんな動揺はもうせん」

巴「でも、かわいい言うてくれて嬉しかったぞ。ありがとのう、P」

ほたる(やっぱり巴ちゃんは凄いな...私はまだPさんの事を見れないよ)

悠貴(かっこいいなぁ...)

巴「さて、あんまり話し込んだら遅くなりおるからいけん。買い出しに行こうか」

ほたる「あれっ?巴ちゃん?」

巴「何じゃほたる?はよ行かんとええもんが無くな...」

ほたる「そっちの道はお買い物に行くスーパーの方向じゃ...ないよ?」

巴「.......」

悠貴「あ、あの...巴ちゃん、顔がとっても赤いですよっ?」

巴「こ、これは道を間違えたから、恥ずかしゅうて顔が赤くなっとるんじゃ!決してPがかわいい言うてくれた事が理由じゃないけぇ!」

悠貴「でも...」

巴「と、とにかく、はよう買い出しに行くぞ!」

P(かわいいなぁ)

ほたる(かわいい...)

悠貴(かわいいですっ)

巴(くっ、顔を見とるわけじゃないのに...三人が何を思うとるか雰囲気で分かる)

-スーパー-

巴「とりあえず、野菜は買わんといけんのう。三人はなんか食べたい具材はあるんか?」

悠貴「私は人参やセロリが生でなければ、大丈夫ですっ」

巴「人参はともかくセロリは鍋には入れんぞ。そもそも鍋で生野菜はないけぇ」

P(軽くトラウマになっとる...不憫な)

ほたる「私も...特にないかな。Pさんはどうなんですか?」

P「そうだな...牡蠣が入るから魚介がいいよな。鱈なんかどうかな」

巴「鱈か...ちと旬には早いが、鍋にはええのう。二人は鱈は大丈夫か?」

ほたる・悠貴「「大丈夫だよ(ですっ)」」

巴「そうか、じゃあ鱈は決まりじゃのう。しめは麺と雑炊、どっちにするかのぅ....」

P「悩ましいな~、牡蠣の旨みがしみ込んだ出汁で食べる麺、雑炊...どっちも捨てがたい」

悠貴「どっちも美味しそうですねっ」

ほたる「あの...ここはPさんに決めてもらっていいですか?Pさんはお客様ですし」

巴「そうじゃのう、ほたるの言う通りじゃ。P、ここはビシッと決めてくれるか?」

P「俺が決めていいのか?悠貴はそれでいいのかな?」

悠貴「私だと決めきれませんから、プロデューサーさんお願いしますっ」

P「そうか、じゃあ......雑炊がいいかな。ごはんの方が体に優しい気がするし」

巴「鍋のしめは雑炊で決まりじゃな。あと必要なのは春菊、シイタケ、白菜、豆腐...」

悠貴「あっ、巴ちゃんこれはどうですかっ?私大好きなんですっ」

巴「おっ、ええのう。うちも好きなんじゃ」

ほたる「私も糸こんにゃくより、これの方が好きだよ」

巴「いや~危うく忘れるところじゃったわ」

P「ん?それなんだ?変わった名前のくずきりだな」

巴・ほたる・悠貴「「「えっ...?」」」

P「...え?」

悠貴「あのっ、プロデューサーさんはマ○ニー○ゃんを知らないんですかっ?」

P「マロ○ーち○ん?ごめん、初めて知った」

ほたる「あっ、私達は三人は西日本出身ですけど...プロデューサーさんは関東出身でしたよね」

P「ああ、そうだけど」

巴「西日本だけじゃのうて、関東でも市民権を得たと思うとったんじゃがのぅ。まだまだ知らんもんもおるか」

巴「まあええわ、今日Pに食べて覚えてもらおうかの。これは春雨で西の方じゃとポピュラーな鍋の具材じゃ」

P「へぇ~春雨なのか。なんでマ○ニー○ゃんって名前なんだ?」

巴「なっ!?それは、その...のう、ほたる?」

ほたる「えっと...どうしてだっけ?悠貴ちゃん?」

悠貴「えぇっ!?私ですかっ?その...美味しければ、名前の由来なんて気にしなくて大丈夫ですよっ!きっとプロデューサーさんも好きになりますからっ!」

巴「そうじゃのう!悠貴の言う通りじゃ!食材は美味ければそれでいいんじゃ!細かい事を気にしたらいけん!」

ほたる「よくお出しを吸って美味しんですよ、Pさん」

P「そ、そうか、楽しみだな。他に必要なものを買おうか?」

悠貴「そうしましょうっ!巴ちゃん、他に何か買わなくていいんですかっ?」

巴「ポン酢を念のために買っとこうかのぅ。部屋に残ってる分じゃあ心もとないけぇ」

ほたる「ポン酢はあっちに置いてあるみたいだよ」

P「......」

P(三人とも普通に買い物を続けているようだけど...)

ほたる(そういえばどうして...なんだろう?)

悠貴(マ○ニー○ゃんはマロ○ーち○んって名前なんですかねっ?)

巴(考えたことなかったのぅ...)

P(なんて考えてるんだろうな...三人とも考えている仕草が可愛いなぁ)

P「あっ、カセットコンロを使うんならガスも買っといたほうがいいんじゃないか?」

巴「ガスを買う必要はないぞ。卓上IH調理器を使うけえ。勿論土鍋も卓上IH調理器に対応しとるもんがあるぞ」

P「凄いな、そんなものを持っているのか。よく鍋をするからか?」

巴「いや...なんで持っとるか言うと...」

P(ん?なんか歯切れが悪いな?)

ほたる「牡蠣と一緒に、巴ちゃんのお父さん贈ってくれたんですよ」

巴「ほ、ほたる!?余計な事は言わのぉて...」

ほたる「巴ちゃんのことを心配して...巴ちゃんのお父さんが送ってくれたんだよ?余計なことなんて...そんな言い方は駄目だよ」

巴「親父の気持ちは...うちも分かっとる。じゃがのう...」

悠貴「巴ちゃんのお父さんからのプレゼントなんですかっ?」

ほたる「うん...カセットコンロは事故があったら怖いから、鍋をするならこれを使いなさいって、手紙が添えられていたんです」

P「カセットコンロでの事故は毎年起きているからな...巴のお父さんも心配だったんだろうな」

悠貴「素敵なプレゼントじゃないですかっ!どうしてそのことを言うのが嫌なんですっ?」

巴「親父のうちを大切にしてくれとる事は嬉しいんじゃが...火を使うのは危ないけぇ贈られたと思うたら...」

巴「子供...幼子の扱いをされとるみたいでのう。Pに聞かれて、そう思われるのが嫌じゃったけぇ、あまり言いたくなかったんじゃ」

P「そんな風には思わないさ。娘の事を心配する、父親だったら当然さ。何かあってからじゃ遅いんだし」

P「巴のお父さんが自分なりに、巴に対してしてあげられることをしただけさ」

巴「そうじゃのう...Pにハッキリ言われて目が覚めたわ!そんなことで恥ずかしがる方が餓鬼やけんのう」

P「こんな時にすまないな、説教くさい事を言って」

巴「うちの間違いを正してくれたんじゃ。うちがPに謝られることはないけぇ。むしろ礼を言わにゃいけん」

巴「P、いつもありがとうの」

P「そうか...よしっ、じゃあこの話はこれでお終いにして、買い物を続けようか」

-帰り道-

悠貴「う~、まだ11月ですけど、今日は冷えますねっ」

P「でも冷える分、鍋が益々楽しみになるな。温まるぞ」

巴「そこまで期待されたら、一層腕によりをかけて作らんといかんのう。楽しみにしときや」

P「最初っから楽しみにしているさ」

ほたる「本当に今日は冷えますね...巴ちゃん、あれを準備していて良かったかもね」

巴「ちと出すのは早いと思っとったんじゃが、今日ぐらい冷える日じゃったらあれは丁度いいのう」

悠貴「あれってなんですかっ?ひょっとしてコタツですかっ?」

ほたる「悠貴ちゃん...正解です♪冬が近いから、少し前に出したんだよ」

P「コタツで鍋を囲むのか...いいな!」

悠貴「楽しみですね、プロデューサーさんっ♪」

巴「ならさっさと帰って、鍋の支度を始めようかのう。ほたる、悪いんじゃがちょいと手伝ってくれんか?」

ほたる「勿論だよ...二人で美味しいお鍋を作ろうね?さぁ...早く帰りましょうか」

-女子寮 巴・ほたるの部屋-

P「御邪魔します」

悠貴「御邪魔しますねっ」

巴「二人は寛いでくれや。すぐに鍋の準備したるけぇ」

悠貴「えっ?そんなの悪いですよ...私も手伝いますからっ」

ほたる「今日の二人は、お客さんなんですから....ゆっくりしていて下さいね」

巴「身体も冷えとるじゃろ?コタツで温まったらええ」

P「二人もああ言ってくれているし、ここは好意に甘えようか」

悠貴「そうですねっ。わぁっ、コタツだぁ...温まりますねっ」

P「いいよなぁ...日本の冬はやっぱりこれだよなぁ。事務所のやつもそろそろ出そうかな」

悠貴「いいですねっ♪皆でコタツでお喋りしながら、ミカンを食べて....まったりしすぎてお仕事に遅刻しちゃうかもっ、なんて....」

P「...ああ...そう言えば問題があるな...」

悠貴「えっ...?」

P「悠貴は知らないだろうけど...前にコタツを出した時は一部のアイドルが問題を起こしてな...」

悠貴「え、えっと...ひょっとして杏さん...ですか...?」

P「まあ、筆頭は杏だったな...普段以上にだらけてな、仕事はともかくレッスンの遅刻を何度やったことか...」

悠貴「あ、ははは...」

P「愛海もコタツで問題を起こした一人だな...」

悠貴「愛海さん...ですかっ?趣味はともかく、あんまりコタツでだらけている姿が想像できないんですけどっ?」

P「うん。まさしくその趣味で問題を起こしていたんだよ」

P「コタツの中に潜んで、コタツで温まろうとしたアイドルの胸を無差別に揉むというテロまがいの問題を起こしたんだ」

悠貴「う、うわぁ...」

P「対策として使わないときはコタツ布団を外すっていう面倒なルールができたりしてな、いや~大変だった」

P「他にも大人組が夜な夜な酒盛りをしていたり...で、酔いつぶれて俺が寮に送ったりしてな...」

悠貴「た、大変だったんですねっ、プロデューサーさん...」

P「うん...そのことを思い出したら、コタツを出すのは止めようかなって気になってきたよ...」

悠貴「でっ、でもコタツを純粋に楽しみにしている人はいますよっ。問題を起こしちゃった人だって、話せば分かってくれますっ、きっと!」

P「そうだなー...一部の問題のために、みんなから楽しみを取り上げるのはどうかと思うよな」

P「コタツで俺もアイドルと親睦を深める機会ができたこともあったし...来週あたりに出そうかな」

悠貴「その時は今みたいに、たくさんお話をしましょうねっ」

P「そうだね。やっぱり悠貴は良い子だなぁ~」

悠貴「ど、どうしたんですかっ?突然っ?」

P「どうしたって、思ったことを言っただけだよ。スカウトした時から真面目でひたむきな子だと思っていたけど」

P「こうやって話すと、改めてそう思ってね。事務所の皆とはどうだ?」

悠貴「皆さんとってもいい人達で、とっても良くしてもらってますっ!以前のお仕事で泰葉さんや乃々さんたちと仲良くなれましたっ」

悠貴「あ...でも...」

P「何かあったのか?」

悠貴「それが...珠美さんを落ち込ませちゃって。どうしてなのか理由がよく分からないんです...」

P「良ければ詳しく聞かせてくれないか?」

悠貴「はい...珠美さんと事務所でお喋りをしていたんですけど、私の年齢を聞いたら落ち込んじゃって」

P(あっ...)

悠貴「私何かいけない事をしちゃったんでしょうかっ?」

P「....まあ、なんだ...悠貴は何も悪い事はしていないよ。大丈夫だよ」

悠貴「そう...ですかっ?プロデューサーさんは珠美さんが落ち込んだ理由が分かるんですかっ?」

P「なんというか...珠美は自分自身と闘っているんだよ。それ以上は何も言えないかな」

悠貴「よく分かりませんけどっ、今度珠美さんとまたお喋りをして仲良くなろうと思いますっ」

P「うん、それがいいと思うよ。珠美も気持ちの整理が着いているだろうし」

悠貴「はいっ!事務所の皆さんともっと仲良くなりたいんですっ!」

P「じゃあ今日は巴とほたるともっと仲良くなるいい機会だな。いや、もうなっているか」

悠貴「前よりお互いの事が分かって、仲良くなれたと思いますよっ!でも、まだ巴ちゃんとほたるちゃんの様には」

悠貴「あんな風に仲良くなれたら、素敵ですよねっ」

P「ん...?」

ほたる「巴ちゃん、お野菜はこんな感じで...いいかな?」

巴「バッチリじゃ!ほたる、ちと出汁の味見をしてくれんか?...どうじゃ?」

ほたる「うん、牡蠣のお出汁がしっかり取れてて...とっても美味しいよ」

巴「そうか!ほたるがそう言うてくれたなら、Pと悠貴にも喜んでもらえるのう」

ほたる「ふふふ...あれ?巴ちゃんそれは?」

巴「これか?鍋だけじゃあ牡蠣を使いきれん思うてのう。作ってみたんじゃ」

ほたる「良い匂い...」

巴「ふふふ...期待しとってのう、ほたる。この食べ方も美味いけぇ」

ほたる「うん、楽しみだよ。匂いで...美味しいのが分かっちゃうんだから」

巴「そうか?」

ほたる「そうだよ?...ふふふっ♪」

悠貴「ねっ?」

P「そうだな。あんな風になれたらいいよな」

P(あの二人を同室にしたのは正解だったみたいだな...よかった)

悠貴「私も皆さんと巴ちゃんとほたるちゃんの関係みたいになれるかなっ?」

P「なれるさ、悠貴なら」

悠貴「そうですかっ?えへへっ...ありがとうございますっ!今日は巴ちゃんとほたるちゃんだけとじゃなくて、プロデューサーさんとももっと仲良くなりたいんですっ」

悠貴「でも私は皆さんほどプロデューサーさんの事を知りませんから...ですから、今日はプロデューサーさんのお話をたくさん聞けたらなって」

P「そうか..じゃあ今まで巴とほたるとどんな仕事をしてきて、どんな思い出ができたか話そうかな」

P「そうしたら、巴とほたるの事ももっと知れるだろうし。どうかな?」

悠貴「いいですねっ!二人がどんなお仕事をしてきたのか、興味がありますっ!」

巴「二人とも準備ができたぞ。鍋を持って行くけぇ、テーブルの卓上IH調理器の電源を入れてくれんか」

P「分かった。じゃあ話は二人が揃ってからな」

悠貴「そうですねっ!」


巴「全員に食器は行き渡ったかのう?」

ほたる「大丈夫だよ巴ちゃん」

P「それじゃあ...」

P・巴・ほたる・悠貴「「「「いただきまーす」」」」

P「じゃあ早速牡蠣を...うん、美味しい!」

悠貴「ぷりぷりして、とってもクリーミーですねっ♪それに...火の通った人参美味しいですっ♪」

P「引っ張るね、あの時のこと」

巴「鍋の具材はまだまだあるけぇ、どんどん食べてくれや」

悠貴「は~いっ♪」

P「美味しいから、どんどん箸が進むよ」

ほたる「Pさん、マ○ニー○ゃんはどうですか?」

P「ほたるが言っていた通り出汁をよく吸っていて、美味しいよ。今まで知らなかったのがもったいないな」

ほたる「そうですか...気に入ってもらえてよかったです♪でもマロ○ーち○んがそんなに美味しいのも、巴ちゃんが取ったお出汁のおかげですから」

P「ああ、そうだな。野菜も鱈も牡蠣も出汁がしみ込んでより美味しくなっている。やっぱり巴は料理が上手だな」

巴「ちと褒められすぎで、こそばゆいが...そう言われたらやっぱり嬉しいのう。ありがとな」

悠貴「褒められ過ぎなんて、巴ちゃん謙遜しすぎですよっ。箸が止まらないくらい美味しいですよっ♪」

巴「ふふ、そんな満面の笑顔で食べてもらえたら、作った甲斐があったというもんじゃ」

P「巴も鍋の世話は一旦おいて、食べようよ」

巴「そうじゃな。ところでPも明日休みじゃろ?ちひろの姐さんには確認をとっとるぞ。明日は何か特別な用事はあるんか?」

P「まあ、家で資料作成やらできることはしようとは思っているけど、特別な用事は無いかな」

巴「なら大丈夫じゃな。実は親父から牡蠣だけじゃのぉて、こいつも送られてきたんじゃ」

P「これは...また高そうな日本酒だな」

巴「事務所の姉御たちは酒好きが多いと話したんじゃ。それで姉御たちにと送ってくれたもんの中の一つでのう」

巴「うちは酒の味はまだ知らんが、相当美味い酒らしいけぇ明日が休みなら一杯どうじゃ?」

P「う、う~む」

P(鍋に日本酒...正直堪能したいが...この場に居るのは中学生の三人...)

P(この環境で酒を飲むのは....宜しく無いよな。折角の巴の誘いだけど)

巴「つまみになると思って焼き牡蠣もつくったけぇ、親父もこれをよくつまみにしとったぞ」

P「じゃあ折角だからいただこうかな...はっ!?」

巴「そうか!じゃあP盃をもっとって、うちがお酌するけぇのぉ」

P「あ、ああ、わかった」

P(焼き牡蠣の魅力に負けて、反射的にOKを出してしまった。でも、まぁ...この場に居るのは巴、ほたる、悠貴...)

P(これがまゆや留美さんだったら警戒するけど、俺が節度を持って飲んでいれば大丈夫だろう)

P「それじゃあ、いただきます...おおっ、美味い!それに後味がすっきりしていて飲みやすい」

巴「Pがそう言ってくれるんなら、事務所の姐さん方にも受けはいいじゃろうのう。忘年会までとっとくか」

悠貴「そう言えば私達って同い年だから、成人するのも一緒ですねっ」

ほたる「...7年後か...その時も私たちは一緒に居られますかね?」

巴「七年後にうちらがどんな道を進んどるかわからんが、今日まで築いてきた関係がなくなるわけじゃない」

巴「例えうちとほたるが違う道におっても、会いたい時に会えばいいんじゃけぇ。そうじゃろ、ほたる?」

ほたる「そうだね...うん、巴ちゃんの言うとおりだね。一緒じゃないとか、離れているとか....大切なことはそこじゃなかったよね」

巴「そうじゃ!成人した暁には盃を交わして、一緒に酒の味を知ろうか」

悠貴「その時は私もご一緒させて下さいねっ」

巴「ええのう、他の事務所の同い年のアイドルにも声を掛けてみようかのう。祝い事は人数が多いほうが盛りあがるけぇ」

P「まだ大分先の話だけど、いいな。その時は俺がみんなにお酌をするよ」

ほたる「はい...宜しくお願いします。その時を楽しみにしていますね。でも今日は私たちがPさんにお酌をしますから...盃が空になってますよ、どうぞ」

P「おお、すまないなほたる。ありがとう」

悠貴「次は私がお酌をしますからねっ」

P「じゃあお願いしよう...かな」

P(未成年のアイドルにお酌をさせるって、結構とんでもない事だよな...)

悠貴「任せてくださいっ!そういえば巴ちゃんと、ほたるちゃんとの思い出話をしてくれるって言ってましたよねっ?」

P「ああ、そうだね」

巴「ちいと待てやP。なんじゃその話は?」

P「悠貴が俺の事をまだよく知らないから、何か話を聞きたいって頼まれてな」

P「なら二人と一緒に仕事をした思い出話をすれば、二人の事も分かっていいと思ってね」

ほたる「確かにそうかもしれませんね。でも...Pさん視点で話すとなると、Pさんのその時の想いを聞くことになりますから...ちょっと恥ずかしいですね」

巴「別に恥ずかしい思い出なんぞないけぇ、大丈夫じゃろ?」

ほたる「そうだね...みんないい思い出だもんね」

巴「というわけで、どんどん話して構わんぞPよ」

P「それじゃあ...まずはほたるとの思い出話からこれは夏祭りでの思い出なんだけどね」

P「二人で一緒にお守りを選びあったんだよ」

ほたる「そうでしたね...自分で選ぶより、Pさんに選んでもらった方が良いと思ってお願いしましたよね」

ほたる「おかげで不幸が減った気がします。きっとPさんが真剣に私の事を考えて、選んでくれたおかげです...」

ほたる「でも選んでもらった後に、Pさんのお守りを選ぶことを頼まれたのは...驚きました」

P「だって誰かに自分の事を考えて、お守りを選んでもらえるのって嬉しいじゃないか」

P「俺だってほたるに選んでもらった無病息災のお守りのおかげで、健康に過ごせているよ」

ほたる「そんな...私のおかげだなんて...Pさんいつもお忙しくしていますし...私たちのためには無理もしてますから、そのお守りを選んだんです」

悠貴「ほたるちゃんのPさんへの想いが詰まっているんですねっ」

巴「ならPが無病息災で居られるのは、ほたるのおかげでもあるじゃろ?ほたるが真剣にPのことを考えて選んだお守りじゃけぇ」

P「そうだよ。ほたるがそんな温かい気持ちで選んでくれたからご利益があると思えるし、自分でもその想いに応えようって思ったから」

P「俺がこうして大病を患わずにいられるんだよ」

ほたる「私も...Pさんに選んでもらった大願成就のお守りがあったから、少しずつでもいいから...前に進もうと思いました」

ほたる「だから...幻想公演 黒薔薇姫のヴォヤージでも、モデルのお仕事でもやり遂げることができました」

P「どっちも立派だったぞ。モデルの時に”一緒に歩けて嬉しいです。でも、ちゃんと一人でも行けます”って言われたときは嬉しかったよ」

P「ほたるが自分の力を信じられるようになったと思って。まあ...ほたるが手元から離れていく気もして、ちょっぴり寂しさもあったけどね」

ほたる「Pさんと一緒だったから...Pさんが笑顔でステージに送り出してくれたからそう言えたんです」

ほたる「この人がこうしてくれているんだから...私は大丈夫なんだ...できるんだって...自信を持てたんです」

ほたる「まだまだ至らないところがたくさんありますから...これからも宜しくお願いします。...まだ大願は成就していませんしね?」

P「そうだね...うん、そうだった」

悠貴「ううっ...素敵な思い出話と..いいお話を聞かせて頂いてありがとうございましたっ」

P「おいおい、泣いて...いるのか悠貴?」

悠貴「だって...だって...」

巴「ほら、これで涙をふけや」

悠貴「あ、ありがとうございます....っ、ううっ」

ほたる「悠貴ちゃん、落ち着いた?」

悠貴「...吃驚させちゃってごめんなさい...次は巴ちゃんとの思い出話を聞かせていただけますかっ?あれっ?盃が空になってますね」

P「ありゃ!あっ、本当だ。話しながら飲んでたんだねー」

悠貴「じゃあ、今度は私の番ですねっ!プロデューサーさんどうぞっ」

P「ありがとうな、悠貴っ」

巴「....」

巴(親父より早いペースで飲んどるが、大丈夫か?結構強い酒じゃと聞いとるんじゃがのう...)

P「巴との思い出話、か...やっぱりハワイでの仕事の思い出かな」

巴「うちの演歌がハワイでも通じたけぇのう。歌にもいろいろあるが、最後にものを言うんが情熱を込めることじゃと分かったけん!」

P「いやいやいやいやっ...それもあるけど、やっぱり一番思い出はあれ...だろっ?」

巴「あれ...?なんのことじゃ?」

P「ほらっ、あれだよっ、あれ...夕暮れの砂浜でのあれっ!」

巴「夕暮れの砂浜...P!その話はいけん!?」

P「え~、何で?あんなに可愛かったのに?いや~あの時の巴は可愛かったな~」

悠貴「なんですかっ?凄い気になりますっ!」

P「えっとね、夕暮れの砂浜に巴が一人で佇んで、いたから、何をしているのかなーって近づいたんだよ。そしたら...」

巴「わー!?P、われ酔っとるじゃろう!?」

P「大丈夫、大丈夫っ。酔ってないから、酔ってないから。ほらっ、ちゃんと会話してる、できてる」

ほたる(酔ってる人の常套句だよね...)

悠貴(あわわっ!?ひょっとして私のせいですかっ?)

巴「とにかく!その話は禁止じゃ!うちとPの二人だけの秘密じゃと約束したぞ!」

P「えっ...?ああ...そう言えばそうだったね。やっぱり酔っているのかな?これ以上は飲むのは止めておこっかな」

巴「そのほうがええ。酒はしまっとくぞ」

P「そうだね。お願いするよ」

巴(手遅れな気もするが...これ以上は悪化することはないけぇ、大丈夫じゃろ...多分)

P「えーとっ、他の思い出だと...新春に演歌でライブをしたことも、いい思い出だよね。アイドルが演歌を歌うっていう、新境地を開拓できたんだから」

巴「うちが求めとったアイドルの姿じゃった。正直アイドルという身分で、演歌を歌うことを叶えられるとはのう」

P「巴がそれだけ演歌に熱意があったから、叶えられたのさ」

巴「そうかもしれんが、Pが一緒にやってくれたけぇ叶えられたんじゃ」

巴「他の事務所ならアイドルが演歌を歌いたい言うたら、反対されるじゃろう。Pやったから一緒に頑張ってくれたんじゃ」

巴「ましてやうちは最初はアイドルに乗り気じゃなかった。親父に無理やりアイドルにされたけぇ」

巴「じゃけどPは根気強くうちに接してくれた。そうしとったら...アイドルをやるのも悪うないと思えるようになって、今ではPのもとでアイドルになれて良かったと思うとるぞ」

P「そう思ってくれてありがとうな。でも俺はプロデューサーとして当たり前のことをしていただけだよ」

P「形はどうであれ、事務所のアイドルになってくれたんだからね。アイドルになったことを良かったと思ってほしいからさ」

巴「Pは当たり前のことと言うとるけど、それをやり通す事がどんだけ難しい事か自覚しとるんか?」

P「難しい事かもしれないけど、この仕事を選んだのは俺自身だからね。やり通さないと...」

P「やり通した見返りで、みんながアイドルになってよかったと思ってくれるのなら、これ以上の事はないよ」

巴「まあ...Pじゃからとしか言いようがないのう」

ほたる「だから私たちの今があるんだよ...Pさんと一緒だから」

悠貴「私もそう思いますっ!」

P「おいおい、三人とも俺を持ち上げすぎだって。俺一人だけ頑張って、アイドルがその気じゃなかったら空回りだからね」

P「皆が着いてきて...同じ方向を目指してくれているからだよ」

巴「なら尚更感謝して、大切にせんといかんのう。この一期一会の出会いに」

P「そうだね、大切にしていこう。思い出話としてはこんな感じところでどうかな?ちょっと思い出話とは言えなかったかな?」

悠貴「いえっ、そんなことありませんよっ!お二人との思い出話、聞けて良かったですっ」

悠貴「私もプロデューサーさんや、皆さんと一緒にもっと素敵な思い出を作りたいですっ」

P「もうすぐクリスマスだし、年末のパーティもあるからね。作る機会はたくさんあるよ」

P「さてと、みんな箸が止まっていたね。折角二人が作ってくれた鍋なんだから、食べながら話を続けないか?」

悠貴「そうですねっ!」

巴(酒を飲むのをやめたら呂律も直ってきたみたいじゃのう)

ほたる(大丈夫...みたいだね)

悠貴(よかった....)

-------

---

巴「そろそろ締めに入ろうかのう。三人ともどうじゃ?」

P「そうしようか...ところで三人とも、ちょっといいかな?」

ほたる「なんですかPさん?」

P「いやね、さっきまで思い出話をしていたんだけど、三人とスキンシップが少ないかなって考えてね」

悠貴「スキンシップですかっ?」

P「うん。事務所の他の同じくらいの年齢のアイドルとはスキンシップが結構あると思うんだけど、三人とはあまりないよね」

巴「そうか?」

P「例えば紗南はゲームをするときに膝の上に座ってくるし、莉嘉は事務所で宿題をするときに膝の上に座ってくるし...」

P「小梅は膝の上に座って映画を勧めてくれるし、あとありすは事務所に人がいないときは膝の上に座ってくるし...」

悠貴「確かに、プロデューサーさんの膝上に座ったことはありませんけどっ...ほらっ!私って身長が大きいですしっ」

P「大丈夫、大丈夫!きらりだって座ったことがあるんだし。なんなら試してみるか?おいで」ポンポン

悠貴「え、えぇ~!?」

ほたる「あの、Pさん...?酔ってらっしゃいますよね?」

P「ん~~?酔ってないよ?途中で飲むのもやめたし」

巴「嘘つくなや。いつものPと様子が違い過ぎとる。ほれっ、何本指を立てとるかわかるか?」

P「小指と人差し指と親指の三本だな~」

巴「うっ」

P「なっ?正解だろ?俺が酔ってないってことが分かったところで...ほらっ、悠貴おいで」

悠貴「えっと、じゃあ...おじゃましますねっ」ストンッ

P「いらっしゃ~い♪どお?どんな感じ?」

悠貴「その、とっても温かい気持ちになれましたっ」

P「そうか、そうか~」ナデナデ

悠貴「は、はぅ~~」モジモジ

P「ふん、ふん、ふ~ん♪」ナデナデ

悠貴「あ、あのっ、もう十分に堪能しましたからっ!」

P「そう?じゃあ座りたくなったら、いつでも大丈夫だよ?」

P「それじゃあ次はほたる!」

ほたる「わ、私ですか!?」

P「うん。ほたるほたるっ、さあおいで」ポンポン

ほたる「は、はい?...失礼します...?」ストンッ

巴(完全に酔うとるから、変に抵抗せんほうがええと思うとるんじゃな)

P「...」ジー

ほたる「あの...Pさん?そんなに見つめられると...恥ずかしいです」

P「あっ、ゴメン。前から思ってたけど、ほたるって肌が白く透き通っているよね」

ほたる「そ、そうですか?ありがとうございます...」

P「うん。だからこうして膝上に座ってもらっていると...」

巴・ほたる・悠貴「「「...?」」」

P「こう、抱きしめたくなる」ギュ~

ほたる「わっ?わっ?わわっ!?」ジタバタジタバタ

巴「何しとるんじゃP!」

P「いや~ついつい。悪かったよほたる」

ほたる「だ、大丈夫です...気にしてませんよ?」

ほたる「ちょっと...いい気持ちになれましたし...」ボソッ

巴・悠貴「「えっ?」」

P「じゃあ最後は巴。どうぞ、どうぞ!」

巴「どうぞ、どうぞ...じゃないわ!うちはそげなことせんぞ!」

P「も~、ワガママ言わない」

巴「ワガママとちがうわ!常識でものをゆっとるだけじゃ!」

P「しょうがないな~。巴が来ないなら...」

P「俺の方から行くしかないじゃない」

巴「何でそんな結論になるんじゃ!?ひっ!?こっち来んな、酔っぱらい!」

P「捕まえた~♪こんなに足取りがしっかりしているのに、酔っぱらい扱いとは失礼な」

巴「顔を赤くして、妙なことばっかして、失礼なことなんぞあるか!」

P「ん~、まあそれは置いておいて...はいっ、完成っと。どう?」

巴「どうって、そんな事ゆわれても...」カァー

P「あれっ?巴顔を真っ赤にしてる?可愛いな~♪まるで夕暮れのハワイの時に...」

巴「あん時のことは秘密じゃと何度ゆうたらっ...頬を擦り付けるな!うっ、ううっ...」

巴「きゅぅぅ....」

P「あれっ?巴?巴~?...巴眠っちゃった...お腹一杯になったからかな?」

ほたる「絶対違うと思います」

悠貴「ですよねっ!」

P「歯を磨いていないけど...眠っちゃったんなら仕方ないか。じゃあこのまま寝室に運ぶか」

P「ほたるー、寝室はあっちでいいのかな?巴を布団に寝かしてくるー」

ほたる「は、はい...お願いします。部屋の右側にあるのが巴ちゃんのお布団です」

P「うーん、そうか。ありがとう。じゃあ行ってくるよー」

ほたる「...」

悠貴「...」

悠貴「...片付けましょうか?手伝いますっ」

ほたる「そうしようか...ありがとう悠貴ちゃん。お鍋はそのまま台所のコンロの上にお願いね」

悠貴「分かりましたっ!それにしても嵐のような時間でしたね...」

ほたる「Pさんが酔っているのを見たのは初めてだけど...まさかああいう感じになっちゃうとは思ってなかったな...」

ほたる「これも...そのうちいい思い出になるの...かな?」

悠貴「きっといい思い出になりますよっ!今は恥ずかしさが残ってますけど、笑い話になるかなって!」

ほたる「そうだね...ねぇ悠貴ちゃん?」

悠貴「なんですかっ?」

ほたる「Pさんの膝上に座ってみて...悠貴ちゃんはどうだったの?」

悠貴「私は、その...なんというかっ」

ほたる「私は...また機会があったらお願いしようと思ったよ。Pさんも”いつでも大丈夫”って言ってくれてたし...」

ほたる「やっぱり、甘えられる大人の人がいるのは...嬉しい事だよね。前にいた事務所には、そんな人はいなかったから...」

悠貴「ほたるちゃん...私もまたお願いしようって思ってますっ。私って身体が人より大きいから、ああいう風に甘えちゃいけないって勝手に思ってて」

悠貴「でも偶には...あんな感じに甘えたいですよねっ」

ほたる「その時はちゃんと酔っていないPさんで...だよね?」

悠貴「そうですよねっ!えへへっ♪」

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---

悠貴「片付き終わりましたねっ!」

ほたる「悠貴ちゃん、お茶をどうぞ。悠貴ちゃんが手伝ってくれたから早く終わったよ。ありがとう」

悠貴「こちらこそっ!美味しいお鍋御馳走様でしたっ。またお鍋しましょうねっ」

ほたる「うん。巴ちゃんとPさんと一緒にまた....そう言えば、Pさんが巴ちゃんを寝かしに行ってから大分経つけど....」

ほたる「まだ居間に戻ってこないなんて...いくらなんでも遅すぎないかな?」

悠貴「そう言えば、そうですね...様子を見に行きませんかっ?」

ほたる「それじゃあ一緒に見に行こう」

-寝室-

ほたる「Pさん、どうかしましたか?....あっ...」

P「ぐぅ....」

巴「すぅ....」

悠貴「プロデューサーさん、巴ちゃんと一緒に眠っちゃってますねっ。巴ちゃん、プロデューサーさんの抱き枕になってますっ」

ほたる「起こすのも悪いから...今日はこのまま泊まってもらおうかな」

悠貴「起きてもプロデューサーさん、お家に帰れなさそうですしね...あの私も泊まっていいですかっ?」

悠貴「同室の由愛さんはお仕事で今日は一人ですから、あんなに賑やかだったのに一人で居るのは寂しくって」

ほたる「勿論いいよ。今日は最後まで、みんなで一緒に居よう」

悠貴「はいっ!ありがとうございますっ...それで提案があるんですけど」

ほたる「なに?」

-------

---

ほたる「それじゃあ悠貴ちゃん、おやすみなさい」

悠貴「ほたるちゃんおやすみなさいっ。こうしてみんなで並んで寝ると、本当の兄妹みたいですねっ」

ほたる「この四人だと...Pさんが長男のお兄ちゃんで、巴ちゃんが長女でお姉ちゃん...次女は」

悠貴「次女はほたるちゃんですよっ。優しくて思いやりのある...私は甘えん坊の末っ子ですっ」

ほたる「ふふ...私だって甘えん坊だよ?だから今日はしっかり者で頼りになる、お兄ちゃんとお姉ちゃん一緒に寝ようか」

悠貴「私はお兄ちゃんの隣でっ」

ほたる「私はお姉ちゃんの隣で」

ほたる・悠貴「「おやすみなさい」」

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-------

---

P「う...朝か...頭痛っ!...俺いつの間に寝たんだ?確か...」

巴「おう...ようやっと起きたか。おはよう...」

P「おはよう巴....なあ、聞いてもいいかな?」

巴「なんじゃい?」

P「どうして俺は...巴を抱きしめているんだ?どうして俺は...ここに居るんだ?」

巴「昨日Pが何をしよったか、記憶を遡ってよう思い出しや」

P「......」

P(思い出される昨日のセクハラ行為の数々...)

巴「思い出したか?昨日何をしよったか」

P「昨日はすまない。酔っていたとはいえ数々のセクハラ行為を...」

巴「うちはもう気にしとらん。それにうちもPがどれくらい飲めるんか知らんと飲ましたけぇ、うちにも非がある」

巴「うちに詫びる必要はもうないぞ」

P「そうか?わかったよ...でもほたると悠貴にもちゃんと謝らないと...」

巴「そうじゃな。でも、二人もそんなに気にしてないと思うぞ?ゆっくり後ろを見ろや」

P「後ろを?...あっ」

悠貴「すぅ....」

P(悠貴が俺の背中に寄りかかって眠っている...)

巴「うちの背中にはほたるが寄りかかって眠っとる。どういう経緯でこうなったんかは知らんが」

巴「こうしとるんなら、二人もそんなに気にはしとらんじゃろ」

P「でも謝ることはちゃんとしないと。例え二人が気にしてなくてもね」

巴「そうじゃのう。まっ、二人が目を覚ますまで待っとくかのう」

P「そうだね。おっと巴を離さないと...」

巴「うちはこのままで構わん...いや、ちとPに話したいことがあるけぇ、このままで居させてくれんか?」

P「ああ、分かったよ....何だい?」

巴「昨日も似たようなことをゆったんじゃが...Pは酔っておったからのう、改めて話したいんじゃ」

巴「うちは今アイドルになって本当に良かったと思っとる。初めは親父の顔たてるためとしか思うてなかったんじゃが」

巴「アイドルになってできた仲間も、思い出もかけがえのないものじゃ。それに夢もできた...」

巴「うちはうちの筋を通して、アイドルというもんを極めてみせる。そして年末の大舞台に立ってみせる」

巴「そのためには、うちだけじゃあいかん。Pの力も必要じゃ。じゃからPよ、これからも一緒に宜しく頼むぞ」

P「勿論だよ。それは俺の夢でもある。一緒に叶えよう、絶対にな」

巴「楽しみに待っとれよ!うちがその舞台に立つことを、アイドルを極めることを!」

P「待っているよ。ふふ、巴があの舞台に立つ姿か...楽しみだな」

巴「ふふ...Pよ、ちと失礼するぞ?」ポスッ

P「と、巴?」

巴「流石にこんだけゆうたら、恥ずかしく顔が真っ赤になると思うてのう...その顔をPに見られんようにするために、Pに抱きしめてもらったままでいたんじゃ」

巴「こうしとったら、Pの胸に顔を埋めたら、顔を隠せるけぇのう。しばらくこのままで居させてもらっていいか?」

P「...いいよ。気が済むまで使ってくれ」

ほたる(ふふ...しっかり者のお姉ちゃんも、お兄ちゃんには甘えたいよね...)

巴「ありがとうの...二人が起きたら朝飯の支度をするかのう、四人で食べようや」

巴「うちが作る味噌汁も美味いぞ、Pよ」

おわり

>>1です

今回はこれで完結です。
お付き合いいただきましてありがとうございます。

アイドルの口調(特に広島弁)や性格等の指摘、アドバイス、要望がございましたら
書き込んでいただければ大変助かります。

次回作の主要アイドルを安価させて頂きます。
対象アイドルは下記になります。
・きらり
・美穂
・響子
・瑞樹

安価は+4とさせて頂きます。
ご協力頂ければ幸いです。

また今日の昼から出張で二週間ほど安価の確認ができませんので、
戻り次第確認後HTML化を依頼をいたします。

行きたくねえよ、飛行機で二時間弱の海外...

それでは失礼いたします。

安価了解です。
次回はきらりが中心の話を書きます。

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