勇者「力には種類があってだな…」 (22)

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この世の「力」には沢山の種類がある。その種類っていうのは、幾つかの部類わけができてだな…

まず、「収」と、「発」

これは、ベクトルの向きを現していて…
まぁ、自分に向かっているのが収。相手に向かうのが発と思えば大体はOKだ

そして、「束」と、「散」

文字通り、束ねるか散るかの違いだ。

この世にある力は全て、この4つの部類で区別できるとされていてだな…

あぁ、頭が痛くなってきた。俺は知能派じゃないんだ…後は女にでも聞いてきてくれ…

ちゅんちゅんちゅん……


どこからかスズメの声が聞こえる。だからどうしたって感じだが

俺は村の中心にある、英雄像の近くのベンチに腰をかけていた。
今日は、あいつとのデートってわけですわ。

最近、教習所に通い詰めで忙しかってからな…久しぶりのフリーデイ。存分に楽しもうじゃないか

「あ、勇者。みーっけた!」

そうだ、フリーデイの今日の晩御飯はカレーにしよう。コトコト煮込んで…

「おーい、勇者ー、聞こえてないのー?」

ハンバーグカレーにしよう。うん、これがフリーデイのディナーに相応しい料理だ

「……100まじっくぱわー(以後MP」

勇者「ん?あぁ、女、来てたのk」

女「わぁたしのキックをくらえぇぇぇ!!」

女の細い足が、常人とは思えない速さで俺の脛目掛けて蹴り出される。

ちなみに、足を纏っているのはMP。MPは付加効果を付ける時に主に使われ、平均にして5000~10000ほど持っているとされていて…


グキッ


勇者「おっファァァァァァアァ!!!!!!!!!!!!」

そんな危なっかしいものを足に纏って、他人を蹴るなんて論外だ。皆は真似しちゃいけないぞ☆

勇者「」

女「ありゃ、少しやりすぎたかな…」

焦りの表情を見せる女。可愛い、天使だ

女「骨、折れてなきゃいいけど」

やってる事は悪魔、いや魔王だけどな

勇者「人を蹴るのにMPなんて使っちゃいけません。骨折れてないから許すけど」

女「ならよかったよー。買い物できないかと思ったんだからねっ!?」

なぜ俺が責められた。

女「荷物持ち君、それでは買い物ショッピングと行こうじゃないか!」

勇者「待て、俺は荷物持ちじゃないし買い物とショッピングは同じ意味だ」

女「確かに、買い物ショッピングはおかしいね…言い直すよ」

間違いを受け入れてくれてよかった…

女「荷物持ち君、買い物に行こう!」

勇者「あれ、俺が荷物持ちなのは不変なんですか!?」

そもそも、女の方が力は強いんだから荷物持ちなんて必要ないと思うんだけどな…

なんて事を言えば俺の人生ゲームオーバー決定だ。選択肢は間違えてはいけない

女「おぉ、この靴下かわいいよ!」

こんな風に買い物をして楽しむ辺り、女も乙女なんだよな…

女「あ、このゾンビのカツラとか可愛い…!」

…まぁ、好みは人それぞれ。文句を言ったらダメだ

女「勇者、このカツラかぶってみて?」

勇者「それはさすがに断る。」


──────────────

今いるのは、英雄ビルにある衣類コーナーだ。
あ、英雄ビルってのは英雄街にある一番大きな建物で…
英雄街ってのは昔、英雄が生まれたとされる街で…
英雄は、魔王を倒したとされている人物で…



うん、説明を始めたら終わらない。ニコリ

要するに大きなビルってわけだ。

女「ふぅ、結構買ったねぇー」

女が、俺の至る所にぶら下げられた買い物袋を見て満足そうに頷く

おかしい。耳にまで買い物袋を下げるのはさすがにおかしい。悪魔だ

女「…明日から、また教習所かぁ」

ビルの窓から夕日が差し込む。
そう、フリーデイも後少しで終わりを迎える。
そうなればいつもの地獄がこんにちはってわけだ

女「…平和になれば、きっと、また」

もうすぐ耳がちぎれそうです

女「さ、帰ろっか」

勇者「あぁ、下の八重歯にかけた買い物袋を持ってくれたら帰ろうな」

女「…私、乙女だもん☆」

八重歯にMP1000かけて、荷物を持って帰る事になりました。

結局、女は家に着くまで買い物袋を持つことはなかった。
いや、持てとは言わないが。「持とうか?」とかの一言は欲しかった。

女「ありがとね、勇者。助かったよ」 ナデナデ

撫でてくれるのは嬉しいが、それより八重歯の買い物袋を取ってくれ

女「明日から、またよろしくね。じゃっ…」

女は、俺にもたせている袋を指差して…

女「発…束…!」

そう言うと、買い物袋は、すっと消えてしまった

勇者「あいも変わらず、お前の能力はチートだな…」

女「えへへ、これでも教習所の成績1位ですから」 ニコッ

勇者「やっぱ、トップは違うねぇ…」

女の能力。発束の力、物を瞬間移動させる力。

実にチートだ。空間操るとかパルキアじゃん。あくうせつだんとか使えちゃったりするのかしら

女「じゃあ、おやすみ…また明日」

小さく手を振り、笑顔の女。
思わず、キュンってなっちまう

勇者「…はいはい、また明日ー」

背中を見せて、後ろに手を振る。完全に格好つけてますわ自分

少し歩くと、女の家の玄関の扉が閉まる音が聞こえた。
…さ、帰ってカレー作るか

勇者「ただいまー」

誰もいない家に、帰りの挨拶。メイドとかが居れば人生バラ色なんだが。

勇者「カレー、カレー、カレー…っと」

足早に玄関を去り、キッチンへと向かう。目当てはハンバーグカレー。フリーデイディナーである

勇者「ほいっ」

取り出した皿に、手をかざす…そして、力を込めれば


ジュゥゥゥ…


ハンバーグカレーのできあがり!
あいも変わらず、チープな能力だ。

俺の能力は、想像を具現化させる能力。
聞こえはいいが、実現可能であり、想像をリアルにする必要があり、消費MPも想像料に比例するのでコスパが悪すぎ…

などなど。色々と問題点の多い能力である。

いやはや。しかし日常生活をする分には最高の能力なんだけどな。


…こんな事で、勇者になれるのかね?

おっと、カレーは冷めないうちに食べないとな。いただきます

ちゅんちゅんちゅん

スズメの声が聞こえる。
そういえば焼き鳥にスズメってあったな

時刻は朝。時計が一昨日壊れたので正確にはわからない。
一つだけわかるのは

勇者「…遅刻だ」

俺の日常は、教習所に始まり教習所に終わる。昨日のフリーデイは一年に数回しかない貴重な休日だ

そんな教習所の始まりは早い。
俺の起床時間の2時間前には点呼を取られてる

勇者「そうだ。瞬間移動で行くか」

そうと決まれば、布団の上に座って…静かに力を込めて…

……

なんて、現実逃避してる場合ではない。さっさと目を開けて準備を…

女「あれ?男、来てたの?」

何故か目の前に女の顔。
いい匂いだ。あと可愛い。俺、まだ歯を磨いてないけど臭くないかな?少し心配だ

勇者「現実逃避って怖いな…」

俺の想像はリアリティを求めすぎたみたいだ。女が目の前にいるかのように感じる

おどおどしている女(以後、おど女「あ、あれ?男くん来てたんだ。えっと、えと先生に遅刻って言いに行かないと…その、怒ってたから…」

ふむ、どうやらここは教習所らしい。
瞬間移動成功だな。なわけないか

とにかく理由はわからないが教習所に到着。今は休憩時間みたいなので、次の時間から頑張るか

剣豪「……」

部屋の端にいるアイツがこっちを見た気がした。…気のせいか

先生「よし、それじゃあ今日もMP測定するぞー」

休み時間が終わると同時に、魔翌力測定係りの先生が教室に入ってきた。
毎度おなじみ魔翌力測定だ

先生「コード順にならべー…ん、001、MP7050」

コードネーム順に並んだ奴らに、順番に魔翌力測定機を当てていく

ちなみにコードネーム099が女で100は俺だ。

剣豪「……」

あいつは、098。いつも部屋の隅にいるクール笑だ

女「ゆ、ゆうしゃ…!」

女がそわそわしながら、こちらに近づいてくる。可愛い。

女「え、けんごう君と近いよ…どしよ」

あー、女はクール君にほの字だったりする。ちなみに俺は女にほの字だ

女は男からの人気No. 1で、剣豪はその逆。

女がモテるのはわかるが、剣豪のどこがいいのやら…俺にはわからん

勇者「ほれほれ、近づいてみたら反応あるかもよ?」

女「えぇ、そ、そんなの無理だよ!///」

可愛い

おど女「あ、あの…えっと、その…勇者くん…」

後ろにいた101、おど女が俺に近づいてきた

勇者「ん?なんか用か?」

おど女「えっ…?えと、なんにも、ないです…」

肩を下げて悲しむおど女。…なんか俺、悪い事した?


先生「098ー、お前は変わらずMP0だ」

そういえば、剣豪は男の中では実力No. 1なのにMP0だ。あと、総合順位は3分の1程度。
よくわからないクール君なことった

先生「099ー、おっ。最高記録更新か?MP530000だな。」

どこのフリーザーだよ。
女は実力もMPもNo. 1。流石だ

先生「100ー、お前は…2800。もっと根性出せよー?」

勇者「そんなこと言われても、これ限度っす」

ちなみに101は8200。俺はワースト2位という結果だった。

午後からは、魔界攻略だった。

魔王が倒され、魔物の数は減ったが全滅したわけではない。
更には人同士の争いが起きたため、土地をゲットするのは重要である。

普通は、危険な行為は勇者と見なされた教習所卒業生がするのだが…
あまり危険度のない所は、実戦慣れのために生徒に行かせるケースがある。

先生「…というわけで、今回からは背後を取られないようにする為に4人1組となってもらう」

先生「しかし、それだと実力の高くないもの同士が集まると危険なので、そこらは私たちが調節した」

ってことは、俺と組む奴は5人グループか。

先生「098、099、100、101。17組目はお前らだ」

勇者「えっ、四人なんっすか?」

俺が一番ビックリしたわ。成績最下位なんだが。

先生「成績上位2名がいるから問題ないだろ」

鼻くそほじりながら話すな。クソ教師め。

5人なら楽だったのに…はぁ、どうして4人…

女「よ、よろしくね!剣豪くん!」

剣豪「…」

よりによって、クール君と一緒とは…ついてないぜ

指疲れたんで寝ます。おやすみなさい

再開したり、途切れたりすると思いますが何卒ご勘弁を

魔界攻略は簡単なものだった。

中身じゃなくて、経緯とかが。

ゴブリンが最近作った国家(仮)を狩ればいいってことだ。
そこには鉱山があるとかなんとか…難しい事はよくわからん

女「ってことで、これからは二組に分かれて陽動と暗殺として行動してもらうよー」

真面目に地図を広げて、んー…と唸る女ちゃん。マジ天使だ…そろそろ鼻血が出るくらい天使だ

女「陽動は危険性が少ないから、勇者くんとおど女ちゃんにいってもらうね」

勇者「ふむふむ…って、え?」

女「私と剣豪君は勇者君たちが連れてきたゴブリンを倒していく。これでいい?」

おど女「あ、はっ、はいっ」

剣豪「…」 コクリ

勇者「…」 コクリ

勇者「じゃねぇよ!なぁに格好つけてんだ!敵は野蛮なゴブリン?いやいや…獣のお前を女と一緒に行動させる方が可笑しいわ!ヘソで茶でもわかしたろか!?あぁ?」

女「ちょっ、ちょっと勇者くん!」

勇者「魔物討伐だかなんだか知らないけど、お前と女ちゃんは一緒にできるか!」

女「任務に私情は…」



剣豪「なら、俺とお前でやるか?」

勇者「…あ?」

剣豪「その女を守りたいなら、自分で守ればいいだろう…陽動、暗殺、そんなの関係なしに守って見せればいいだろう」

剣豪「まぁ、できれば。の話だけどな」 クスクスクス

女「ちょっと、剣豪くんまで…」 アタフタ

勇者「…やってやんよ」


ここに、俺と剣豪の戦いの幕が切って落とされた

ゴブリンは魔物の中では個体値が低く、少し力の強い男ぐらいの力しか持っていない。
それに加え知能が著しく低いため、初心者に戦場を慣れされる為によく使われている

──────────────

勇者「はぁっ!!」

一思いに。襲いかかるゴブリンに一閃。

昔は何にもできなかった俺でも、教習所に通い詰めたおかげか、それなりに闘う事はできた

勇者「ふんっ!!」

走りながら、周りのゴブリンに斬撃を与えていく

戦いが始まってから約2分…俺逹二人が倒した数は50を越えようとしていた。


女『相手の数は、500程度…気をつけてね二人とも』


女さんが教えてくれた、せめてもの情報だ。ちなみにおど女はモジモジしてるだけだった

チラリと目線を剣豪に向ける。
そこには、相手の攻撃をスラスラと躱してカウンターを与えるクール君が居た

悔しいことだが、やはり剣豪は強い。魔翌力なしでここまでできるなんて…天才ってやつなんだろうか

それから、また数分がたった時…



キィン


甲高い音が辺りに響き渡った

犯人は俺じゃないよ。多分クール君

「おぉ、見かけない奴らがゴブリン倒してると思えば…中々の奴が来てるじゃねぇか」

クール君の刀と響音を作ったのは、どうやら大柄な男のようだった

「俺は戦士の国から来た…大柄ってもんだ」

いや聞いてないんだが。

「お前達も魔界を侵略しに来た口か?それなら辞めとけ。俺と戦うハメになるぜ?」

そう言ってにへへと笑う大柄は、どこか良いやつなオーラがでていた

勇者「…状況が最悪だな。剣豪、ここは一旦ひこ 剣豪「…」 シャキッ

こいつ、剣を構えやがったぞ…正気とは思えん

こんなに優しくしてくれてるのに、どうして反抗しちゃうのかね。反抗期ってやつか?

大柄「ほぉ…坊ちゃん、戦う気か…そこのおチビはどうだ?」

勇者「いや、遠慮しときます」

俺の戦いの幕は繋いで上げられた

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