ミカサ「恋はアッカーマンの戯れ」(112)


訓練兵なりたて時の話

フラハン、ナクミナ、サムハン、ジャンミカ
要素あり

キャラ崩壊甚だしい
軽いエロ、ホモ要素
設定捏造

なんでも許せる方意外は、そっ閉じ推奨

コメ、支援絵 等 悦びます

しぶに転載するかもしれません

完結済み 時間があるときにぼちぼち投下します



ミカサ「私はミカサ・アッカーマン」

ミカサ「エレンの…家族」

ミカサ「…以上になりたい」

ミカサ「邪魔するやつは排除する」

ミカサ「誰であろうと」ジャキーン

エレンが巻いてくれたマフラーを少し引き上げ、顎を埋める。ざわめていた心が落ち着く。

…エレン……あなたは私だけのもの。

あなたには私だけがいればいい


★フランツとハンナ★

女子寮

ミーナ「さっきエレンって子巨人見たって話してたじゃない?」

ハンナ「してたー!シガンシナ出身なんだってね…超大型巨人も見たって言ってたね」

ミーナ「ねー。途中すっごい動揺してたけど、でも、なんか格好いいこと言ってたね」

ミーナ「顔も可愛いかったよね」

ハンナ「熱い感じで…なんていうか男の子らしいっていうか」

ミーナ「何?気になっちゃう!?」キャー

ハンナ「なっちゃうかも~」キャー

ハンナ「彼ってなんかいいよね~」キャー



ミカサ「………」


翌日 朝
食堂

エレン「…」モッキュモッキュ

ミカサ「……」モッキュモッキュ

アルミン「………」モッキュモッキュ

アルミン「…今日から本格的な訓練が始まるね」

エレン「そうだな。技術をしっかり身に付けて、巨人を一匹残らず駆逐しまくってやる」

エレン「特に、壁に穴開けた皮膚ズルムケのでっかい奴とスッゴイ固くてでかい奴!!あいつら絶対許さねえ!!刻んで削いでぶったぎってやる!!」ギリリ


ライナー 「」ドキーン

ベルトルト「むぐっ!ごっ、げぇほ!!ごほっ!!げぇほ、げほげほげほ……!!」
ガチャン!!カランカラン…

フランツ 「…ここ、空いてるかな?」

アルミン「うん、どうぞ。フランツ…にトムだっけ。隣の部屋だよね」

ナック「そうそう。もう部屋も名前も覚えてるのか君。早いな」

アルミン「全員はまだだけど…昨日言葉を交わした人は大体覚えてるよ」

フランツ「へえ、君頭良さそうだものね。アルミンにエレンにミカ…サ?だよね。昨日巨人の話をしていたね」

エレン「巨人…やっと訓練兵になれたんだ。俺はっ……」ギリリ

ハンナ ミーナ「ここ空いてますか~?」

アルミン「あと二人なら座れるよ」

ミーナ「じゃこのテーブルにお邪魔しまーす」

ミカサ「」ピク


ミーナ「あっ、君、昨日シガンシナの巨人の話をしていた子でしょう?」

エレン「…そうだけど」モッキュモッキュ

ミーナ「私は直接見たことなくて…。昨日もう少し話の続き聞きたかったけど時間がなくて聞けなくて残念だったな」

ミーナ「よかったらだけど、私たちにまた聞かせてくれない?巨人の話」

ミカサ「辛い思い出を話すのは楽しくない。他の話にするべき」

ハンナ「そ、そうよね…ごめんなさい。悲しい思いでだよね…」シュン

エレン「気にすんなよ。パン旨いから食えば?」モッキュモッキュ

ハンナ「う、うん。ちょっと固いけど…お…美味しいね」モッキュモッキュ

ミカサ「エレンが気にするなと言うなら、気にしなければいい」

ミーナ「…ところであなた、エレンと知り合いなの?」

ミカサ「エレンは私の全て」

ミーナ「はっ!?」

アルミン「えっと、ミカサとエレンと僕は小さい頃からの幼馴染みでさ…孤児になってからも開拓地で一緒に暮らしてたんだよ」

ハンナ「ああ、幼馴染みなのね…あと、家族みたいな…?」

フランツ「君たちはどこ出身なの?」

ミーナ「私はトロストだよ。東の方」

ハンナ「私も。ミーナの家の近く」

ミーナ「私たちも小さい頃からの知り合いなのよね」

ナック「俺とフランツは西の方のトロストなんだ」

フランツ「同じトロストでも、東西の方向違うと余り接点無いよね」

ハンナ「そうね。西の方は行ったことないなぁ…たしか結構賑やかなとこだよね?市場とかあったり」

フランツ「色んな店が沢山あるよ。とくに雑貨や甘味の店が多いかな」

ミーナ「雑貨や甘味とか女の子の心擽るな~」

ハンナ「そう言えばさ、訓練兵ってお給料貰えるんだよね?」

ミーナ「そうだよ~お給料貰ったら買い物行こっか!」キャー

ハンナ「行こう、行こう!」キャー

フランツ「…よかったら、ナックと僕で案内するけど?」

ハンナ「ほんと?嬉しい。その時は、お願いしてもいいかな…?」ニコ

フランツ「もちろん」ニコ

ミカサ「」…ジー

格闘訓練中
訓練場


エレン「今習った技試したい」キョロキョロ

ミカサ「エレン、私と…」

エレン「おっ、あそこの金髪のでかいやつ強そうだな。あいつに相手頼もう♪おーい、お前、俺とヤらないか~」タタッ



ライナー「あいつ…ヤらないか…だと…!?」ビクッ

ベルトルト「ライナー…誘われてるのは対人格闘訓練…だよ?」


ハンナ「あっ、エレーン、私と…」

ミカサ「」ズイッ

ハンナ「」ピク

ミカサ「エレンはあの金髪のデカブツとヤる」

ミカサ「その次は私とヤる」

ハンナ「えぇ~じゃあその次でもいいんだけど…」

ミカサ「あそこにいる、今一人の…フラ…フラ…フラフラムンムンとでも、ヤれ…ヤったらいい」

ハンナ「…それ、もしかしてフランツのこと?」

ミカサ「そう、そんな感じの名前」


ミカサ「さぁ、早く。教官に叱られる」

ハンナ(せっかくエレンと組めるかと思ったのに…残念だなぁ)

ミカサ「早く、フラムツがこっちを見てる」

ハンナ「わ、わかったわよ…フランツ~」

ミカサ「」ニヤ

フランツ「ハンナ。相手になってくれる?」

ハンナ「あ、うん、お願いします。腕をひねる場合はお手柔らかにしてね…」

フランツ「僕はひねらないよ。男に掴まれたら痛いだろ?」

フランツ「まだ始めたばかりで、体も慣れてないし。ならず者役は僕がやるから、ハンナが兵士役をやってみて」

ハンナ「それじゃフランツが練習にならないんじゃない…?」

フランツ「後でトムか他の男子にでも、技をかけさせて貰うよ。さあ、やってみて」

ハンナ「ほんと?じゃあお言葉に甘えて…えーい!!」

フランツ「」サッ

ハンナ「わぁ!!」グラッ

フランツ「」ガシッ

フランツ「大丈夫?」

ハンナ「あ、ありがとう。こういう戦ったりとか全くしたことないから、難しいね~」

フランツ「大体の人は未経験だよ。さあ、もう一回やってみて?避けられたら、左側に回って腕を掴んでぐいっとこう…」バッ…クイッ

ハンナ「いたた」

フランツ「あっ、御免ね」アセッ

ハンナ「うぅ、大丈夫…。凄い上手だね」


フランツ「まぁ、一応男だからね。小さい頃から武道習ってたし、体を鍛えるのが趣味みたいなもので…」

ハンナ(温厚そうに見えるのに、意外)

ハンナ「ふーん…そうなんだ。じゃあ、もう一回やってみるね」

ハンナ「えーい!!」タタタッ

フランツ「!!?」バッ… グイッ!!

ハンナ「きゃっ!?」

ハンナ(え!?何!!?抱きすくめられ…)

ドスーン……

ジャン「ぐ…ぐはっ…」ガク


ハンナ「何、この子…今飛んで……」

ミカサ「ハンナ、フランツ、邪魔をしてすまなかった」

ハンナ「ミ、ミカサ…なんかこの子飛んで来たんだけど!?」

ミカサ「勢いがつきすぎて飛んでしまった」

ミカサ「ハンナ、怪我はない?」

ハンナ「大丈夫…っ!?あっ…」ズキ

フランツ「…もしかして足、挫いちゃった?」

ハンナ「右の足首がちょっと痛いかな…」ズキズキ

ミカサ「それなら、フランツに医務室に連れていって貰えばいい」

フランツ「そうだね。行こうハンナ」

ハンナ「私はちょっとだから大丈夫だよ…」

ハンナ「それより、そこの気絶してる彼を、医務室に運んだ方がいいんじゃない?」

ミカサ「大丈夫」

ミカサ「はぁっ!!」ゴス!!

ジャン「うごぁ!?…はぁっ…ミ、ミカサ…」

ミカサ「ジャン、平気?」

ジャン「ぐっ…ど、どうってことねぇよ!!俺はっ…俺は平気だ!!」ガバッ

ミカサ「と、言うわけなので、二人だけで行くといい」

ミカサ「ただ、今のままでは歩くことは出来ない」

ミカサ「ので、背負うか抱えるかした方がいい」

ハンナ「あ、わわっ…(まだ抱き合ったままだった!!)う、痛っ」ズキ

ミカサ「フランツがおんぶかお姫様抱っこでもしたらいい」ズイッ

ハンナ「えっ、そんな、そこまではいいよ…。肩を貸してもらえたら歩けるから」

フランツ「そう…?じゃ背中に腕廻して。身長差があるから、肩には廻らないから」

ハンナ「ごめんね。お願いします」



ミカサ「いってらっしゃい」ニヤ

ジャン「ミカサ、もういっぺん頼む!!」サッ

ミカサ「ごめんなさいジャン。次はエレンとする。ので、また今度」

ジャン「待ってくれ…ミカサ…!!」


フランツ「…ごめん、何か飛んで来たから、危ないと思って…急に抱えちゃったから挫いちゃったんだね」

ハンナ「え、そんな、飛んでくる人に当たった方が危ないし、大怪我するとこだったよ!」

ハンナ「えっと…助けてくれてありがとう」ニコ

フランツ「…うん」ニコ

夕食時
食堂

ミカサ「ハンナ、足はどう?」

ハンナ「うん、軽い捻挫だって。テーピングしておけば訓練に支障はないって」

アルミン「怪我したの?」

ハンナ「ジャンが飛んできて…避けたら挫いてしまって…」

アルミン「飛んで…?」

エレン「誰かに投げられたってことか!?スゲーな!!そいつと今度組んでみたいな!!誰だ?ジャンの相手は!?」

ミカサ「エレン、私」エッヘン

エレン「何だお前か」

ミカサ「私は強い。明日は私と組めばいい」ウキウキ

エレン「お前とはしないよ。今まで何かっつーと片手で投げ飛ばされてたしな。戦い飽きたよ。それに訓練で俺相手だと絶対手ぇ抜くだろ」

ミカサ「」ガックリ

エレン「他の強そうな奴と組みてぇな。今日組んだライナーとベル、ベルルトルン?なんかスゲー上手くて、めちゃめちゃ参考になったぜ!?」

エレン「明日もヤろう♪」ワクワク



ハンナ(格闘訓練、女の子と組む気は無さそうだね。…残念)



エレン「ボーッとしてないで早く食えば?今日のパンも旨いぜ」モッキュモッキュ

ハンナ「あ、うん、そうだね…美味しいね、パン」モッキュ

エレン「しっかり食べないとな。明日、体が動かなくなるからな!」ニカッ

ミーナ(エレン、くっそかわいい)キュン

ハンナ(エレン笑うと、とってもかわいい)キュン

ミカサ「」ジー


フランツ「ここ、空いてるかな」

ミーナ「あ、フランツとナック。あいてるよ、どうぞ」

フランツ「…ハンナ、足はどう?」

ハンナ「大丈夫だよ。テーピングしてるからあまり痛くないの」

フランツ「そうか。ならよかった…」ニコ

ミカサ「」ジー


エレン「ごちそうさまでした~。アルミーン、座学のわからないところ教えて欲しいんだ~」カチャカチャ

アルミン「うん、いいよ。エレンはやる気満々だね。最初から張り切りすぎると息切れするかもよ?」カチャカチャ

エレン「しっかり兵士としての知識と技術を身に付けて、巨人を駆逐しないといけないからな!!うなじを削いで削いで削ぎまくってやるぜ!!」


ライナー「」ドキドキ

ベルトルト「」ブルブル


ミーナ「私たちも片付けて部屋いこっか」

ミーナ「エレンも行っちゃったしね」ボソ

ハンナ「…うん」カチャ

フランツ「ハンナ、それ僕が置いてくるよ。貸して」

ハンナ「えっ」

フランツ「足少し痛むだろ?僕が怪我させちゃったみたいなものだし…ね?さ、貸して」

ハンナ「あ、ありがとう…」


ミカサ「ジャン?」カチャカチャ

ジャン「なっ、何だミカサ…」カチャッ!!

ミカサ「お給料が入ってすぐの休みに、トロスト区西側市場で、恋人祭というイベントがあるらしい」

ジャン「恋人祭…!?」

ミカサ「その祭の日を一緒に過ごしたカップルの二人は、仲睦まじく過ごすことができ、死も二人で迎え、土に帰り、その後の世界でも一緒にいることができると伝えられる、昔のまじないなんかを模した、色々なサービスがあちこちの店で企画されているそう」


ジャン「カ、カップル…!?」


ミカサ「お付き合いをしている、もしくはこれからしようとしている二人に、ぴったりな一大イベントだそう」


ジャン「」ドキドキ



フランツ「…」チラ



ミカサ「なので……」



ミカサ「私はエレンと行こうと思っている」

ミカサ「ので」

ミカサ「ジャンは誰かと行けばいい。では」クルッ

ジャン「何だよ!!くっそ!!エレンかよ!?」

ジャン(しかもチラシ棒読みかよ!!不器用だなミカサ!!だがそこがいい!!)


女子寮

ミーナ「ちょっと~。フランツって優しくな~い?背も高いし、ガタイもいいよね…顔は十人並みだけど」

ハンナ「私は顔はエレンの方好きかも。目が大きくて可愛い顔してるから」

ミーナ「支給の食事のパンを美味しそうに食べるとことか可哀想で。開拓地は食べ物あまりないんだなって改めて思ったな~」

ミーナ「美味しい物いっぱい食べさせてお世話してあげたくなるな。母性本能くすぐる感じ」

ハンナ「自分のやりたいことに向かっていく熱い志もすてき…でも巨人に夢中で女の子には興味無さそうだよね」

ミーナ「フランツの事はどうなの~?」

ハンナ「フランツ?」

ミーナ「そうだよ~。だって抱きすくめて助けてくれてさ、それがなかったら飛んできた男の子とぶつかって、もっと怪我してたかもしれないじゃな~い」

ハンナ「う~ん、そうかもね」

ミーナ「頼り甲斐があってステキ~。私も助けられたい~抱かれたい~」キャー

ハンナ(鍛えるのが趣味って言ってたっけ)

ハンナ(背も高くて、筋肉質で胸板広かった…)

ハンナ(抱えられた腕も力強くて…)

ハンナ(優しい…?)ポ

ミーナ「おぉ!?意識、始めました!?」

ハンナ「えっ、え~…えぇ~…」

ハンナ「で、でもっ、助けてくれたのは危なければ助けるだろうし、足だって自分のせいだって言ってたから、責任感じてるから世話やいてくれるんじゃないかな…誰にでも…と思うけど…」

ミーナ「けど?」

ハンナ「う~ん、どうかな」

ミーナ「お給料入ったら外出の約束してたよね?楽しみだね」ワクワク

ミーナ「いつにするか日にち決めないとね!」

ハンナ「…うん」


ミカサ「」ジー


立体起動訓練中
訓練場


ハンナ「わぁぁ!?」バシュッ

ミーナ「ひゃああ!?」ブシュウ

ミーナ「こっ、こわ~!?」ブブシュウ プスン…

教官「おい、こら~!!そのままじゃあ巨人の餌だ!!家畜になりたくないなら、思いきってガス吹かして飛べ!!」


ハンナ「そう言われても…えいっ」パシュッ

ハンナ「ひゃぁぁ」プスン…ブラーン ブラーン

教官「そんな高さで、巨人のうなじを狙えると思うのかー!!人間のうなじにも届かないぞ!!豚でももう少し飛べるはずだ!!」

ハンナ「は、はいっ!!」ブシュウ!!


ハンナ(できる子はもうあんなところまで飛ぶんだ…)

ハンナ(フランツ…結構上手。木の上まで飛べてる)

ハンナ(ミカサは凄い。もう命綱無しで他の木に移ってる)

ハンナ(エレンも…木の真ん中辺りまで行けてるんだ)

ハンナ(上手くいかないなぁ…私)


フランツ「ハンナ、どう?」

ハンナ「あ、えっと…全然、かな…命綱ついてても、なんか怖くて…」

フランツ「よかったら、一緒にやってみない?」

ハンナ「…でも、フランツの練習が出来ないんじゃない?だから…大丈夫だよ」

フランツ「僕は木の上までと、近くの木に移ることができたから、まだの人を見てこいって言われたんだ」

フランツ「だから…さ、ハンナ、だいぶ難儀してたみたいだから」

ハンナ「ほんと、へたくそで恥ずかしいなぁ…」カアア

フランツ「仕方ないよ、こればっかりは個人差だからね…でも練習したら、出来る様になるさ」

フランツ「適正試験は通ってるんだからね」ニコ


フランツ「僕でよければだけど、どう?する?」

ハンナ「ほんと…いいの?じゃあ、お願いしてもいいかな?」

フランツ「なら、始めようか」

フランツ「僕は隣の木に登るよ。ハンナはそのままの命綱着けて、今の木に登ってみて」

ハンナ「う、うん」

フランツ「まず最初だよ。左のアンカーを出して、三メートル位上を狙って。あの枝のあたりかな」パシュッ

ハンナ「うん」バシュッ

フランツ「次は右のアンカーをそこの枝にだして…ガスをふかして、両方のアンカーを巻き取って、左のアンカーを外す」

ハンナ「えいっ、うわ…」バシュッ…ブシュウキュルキュル…


フランツ「そう、そしたらまた三メートル位上に左のアンカーを出して、ガスをふかして、両方のアンカーを巻き取る」パシュッ…キュルキュル

ハンナ「うう…」

フランツ「上手に出来てるよ?そのまま上に行ける?」

ハンナ「フランツ…これ以上は…」

フランツ「アンカーもしっかり刺さっているし、タイミングもいい。行けそうだよ?」

ハンナ「でも、高さが怖くて…もうこれ以上は…ううっ…」ジワ

フランツ「大丈夫。命綱ついているから。」

フランツ「それに、僕がいる。もし、アンカーが刺さらなくて宙ぶらりんになったら、絶対助けにいくから」

フランツ「だから頑張ってみて?」


ハンナ「う…うん、が、頑張ってみる…」ブル

フランツ「さぁ、なるべく下は見ないで、また右からだ。やってみて?」

ハンナ「ううっ…」パシュッ


フランツ「凄いハンナ。一番上までこれたよ?」

ハンナ「あ、ありがとうフランツ…隣についてくれてたから…怖かったけど、何とか登れた…」

フランツ「怖ささえ克服出来れば、操作はなかなか上手いから、上達は早いと思うよ?」

ハンナ「怖さね…なかなか克服出来るきがしないな…」

フランツ「慣れればどうってことないさ。自主練するときは、いつでも付き合うよ」ニコ

ハンナ「ありがとうフランツ。絶対お願いする。ミーナと私じゃいつまでたっても上達しなさそうだもの」

フランツ「そう?」フフッ

フランツ「じゃあ、降りようか。ゆっくりアンカーを出して…」

ハンナ「こうかな…」キュルキュル…


フランツ「地面に戻れたね」ストッ

ハンナ「はぁ~。よかった~戻れた~…」スタッ

ハンナ「ほんとにありがとうフランツ。丁寧に教えてくれたから、上まで行けたよ…」

フランツ「ハンナが頑張ったからだよ。もう一回一緒に登ってみる?」

ハンナ「うん、おねが…」

モブ美「ねぇ~フランツ~!!私も上まで登れないの~、教えてくれな~い?」

フランツ「あ…」

ハンナ「…私は一回登れたから…。行ってあげて?」ニコ


フランツ「いいの?もう一回一緒に登ってからでもいいんじゃないかと思うけど」

ハンナ「そしたら授業の時間が無くなっちゃうよ…あの子、まだ登れて無いって言ってたし…あの…だから…」

フランツ「…ハンナって優しいよね」ニコ

フランツ「なら、行くね。また今度」



モブ美「もう~フランツ~!!ずっと待ってたのに~」

フランツ「え、特に約束とかはしてな」

モブ美「早く来てほしかったぁ~。フランツじゃなくちゃ私嫌だもの~」イチャ



ハンナ「……」

ハンナ(フランツこそ誰にでも優しいよね…)ハァ

夕食時
食堂

ミーナ「でさぁ、やっと登れた訳~。トーマスに教えてもらってさ~。トーマスの教え方上手かったな~」

アルミン「僕もミカサに教えてもらって、何とか上まで行けたよ。体がついていかなくて、難しい」

ミカサ「アルミンは頭ではわかっているので、体をもう少し鍛えた方がいい。取り合えず寝る前に腹筋腕立て背筋100回」

アルミン「無理だよ…ミカサじゃないんだから。日中の訓練で精一杯だよ」

ミカサ「私は300回している。アルミンはやればできる子。やるべき」

アルミン「もう少し体が慣れたらね」ハハ…


エレン「今日のパンも旨いな」モッキュモッキュ

エレン「お前いつもボーッとしてるのな。疲れてんの?早く食えば?」モッキュモッキュ

ハンナ「あ、うん…」モキュ…



ハンナ(あ、フランツが来る)


モブ美 モブ奈「フランツ~こっち来てよ~!!一緒に食べようよ!!」

ハンナ(え…)

モブ美「席とって置いたんだ。立体起動の事聞きたいの。ナックも来て!皆で食べよう!!」

フランツ「え…」チラ

モブ美「ここ座って~。今日の立体起動なんだけど~」


ハンナ(あっちに行っちゃった…)


サムエル「ここ、二つ空いてるかな」

ミーナ「あたしとハンナの隣が空いてるよ?」

トーマス「じゃ僕はミーナの隣に座ろうかな」

サムエル「俺はハンナの隣、いい?」

ハンナ「…うん、どうぞ」


ミーナ「トーマス、今日は助かったよ~。ギリギリ時間内に登れたもん」

トーマス「時間内に登れないと、今度から別チームで教官に指導されるからね」

ミーナ「ほんとよかった~ありがとうね」

サムエル「ハンナも登れていたね?」

ハンナ「う、うん。最初は登れて無かったけど、教えてもらって何とか…」

サムエル「俺、わりと早く終わってたから、ハンナに教えてあげようとしたら、先を越されててね。残念だったな」

ハンナ「…そうなんだ」

ハンナ(あっちのテーブル、なんか会話弾んで楽しそう)


サムエル「ねぇ、ハンナ…食事終わったら、時間ある?」

ハンナ「…特にはないけど」

ハンナ(教えてくれたお礼言いたかったな)

サムエル「じゃあ…東側出入口前の倉庫の前に来てくれない?話があるんだ。ミーナと一緒でいいよ。トーマスもいるから。な?」

トーマス「どう?ミーナ」

ミーナ「なになに~?いいよ、行く行く~」

ハンナ(また…教えて欲しいんだけどな…フランツに)

ミカサ「」ジー


夕食後
食堂

コニー「なあ、なあ、女子とかどうよ!?」

マルコ「どうよって…コニーは気になる人がいるの?」

コニー「まぁ、いるっちゃいるけど。結構カップリングが誕生してるみたいだからさ」

マルコ「そうだね。年頃の男女が共に過ごすわけだから、そういうのあるよね」

ライナー「クリスタなんかしょっちゅう告白されてるみたいだけどな」

コニー「顔が綺麗だしな。人当たりがいいし、もてるんじゃね!?」

ライナー「女子はおっとりしてて、優しさがあるのがたまらんと思うがな」


コニー「おっとりと言うと、ハンナなんかも人気だな」

マルコ「笑うと優しい顔だし、実際とても女の子らしいようだね。サムエルが絶対落とすみたいなこと言ってたみたいだよ」

コニー「あいつどうしようもねぇな。まだ一ヶ月たってないのに何人目だよ」

ライナー「あまり色恋にうつつをぬかすと訓練に支障が出るかもしれん。ほどほどにしないとな」



マルコ「僕は、強気で勝ち気で、一見こっちが守られてるみたいだけど、実は弱くて繊細な部分があって実際は僕が支えてあげてるみたいなのがいいな」

コニー「複雑だな。理解出来ないのは、俺が馬鹿だからじゃないよな」

ベルトルト「僕も…似てるな。一見蓮っ葉だけど、虚勢を張っていただけで、本当は優しくて、儚くて脆い…」

コニー「ギャップ萌え?」

ベルトルト「普段は生意気な口を利いて、人を小馬鹿にする所があるけど、いざ事に及ぶときは、手折られるまま、流されるままに…」

ベルトルト「此方の言うことに抗えず、恥じらいながらも従順で、相手の色に染まっていく…どんな命令も、最終的には優しく受け入れてくれるんだ」

ベルトルト「ただ、僕は主導権は女性の方がいいな」

マルコ「…部分的にだけど、強く共感するね!君とは気が合いそうだ!!」


コニー「?」

アルミン「昼は娼婦、夜は淑女ってところかな」

コニー「なるほど~…」

アルミン「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

マルコ「……」

コニー「……」


エレン「みんなどうした?背中丸めて座って。内緒話なら席外そうか?」

アルミン「いや…いいんだ」

アルミン「皆、ただの生理現象なのさ」

コニー「ベルトルト、お前、頭のなかそういうのなんだ…真面目なやつかと思ってたのに。むっつりなんとかってやつだな」

ベルトルト「そっ、そういうんじゃなくて、好みのタイプっていうから…」

アルミン「まぁ…色々な愛の形があるってことだね」


ジャン「おい、フランツ…」

フランツ「何?」

ジャン「お前、ハンナと今日立体起動の訓練してたよな」

フランツ「うん、教えてあげてたよ」

ジャン「このハンカチなんだけどさ、ハンナのみたいなんだけど、落ちてたんだ」

ジャン「俺喋ったこと無いからさ、フランツ渡してくれないか?」

フランツ「…あぁ、良いよ」


ジャン「ええと、サムエルがさ~食後東側出入口前の倉庫の前でハンナと待ち合わせしてるって言ってたから、持っていって貰おうと思ったんだが、もういなくてな」

フランツ「…そうなんだ」

コニー「ひとけの無い所だな。もしかしてニューカップリング誕生しまくりんぐ!?」グヒヒ

ジャン「そ、そうかもな。恋人祭にでも誘うんじゃね…?」

フランツ「…」

フランツ「…ちょっとトイレ行くわ」

コニー「行ってらっしゃ~い。ごゆっくり」ニシシ


マルコ「なに?その恋人祭って?」

ジャン「今度トロスト区でな……」

ワイワイ



ジャン「」チラ…

ミカサ「」サムズアップ

ミカサ「」ニヤ

ジャン(ミカサが…笑った…!!)パァァ


東側出入口前 倉庫前


ミーナ「ごめ~ん、待った?」

サムエル「少しね。…ハンナ、話って言うのはさ」

ハンナ「あ、うん…」

サムエル「俺と付き合ってほしいんだけど」

ハンナ「うん?…え!?」

サムエル「君って、おっとりしてて、優しくてさ。ふんわりした雰囲気に癒されるんだよね…」

ハンナ「…」


サムエル「それに、顔だって…笑うととってもキュートでソバカスも愛らしいし」スッ

ハンナ「」ビクッ

ミーナ「いきなりほっぺ撫でるなんて、やらしいな~。ハンナあんまり楽しくなさそうだよ、やめたら?」

サムエル「嫌かどうかはハンナが決めることだろ?」

ハンナ「…えっと…サムエルとはあまり喋ったこと無いし…よく知らないし…付き合うとかは…」

サムエル「それはこれから知ればいいんじゃない?俺は君のこと凄く好きだよ…」グィッ


ハンナ「痛っ…手、離して…」

ミーナ「ちょっと、止めなさいよ!!」

トーマス「ミーナは僕と話そうよ」サッ

ミーナ「なっなにするの…」

トーマス「俺は何もしないよ。友人の恋の行方を見守りたいだけだから」

ミーナ「はぁ!?ちょっと、どきなさいよ!!ハンナ!!」

サムエル「不安そうな顔も可愛いな…」

サムエル「柔らかそうな唇だね。赤くて艶があって…美味しそう。食べちゃおうかな」スッ…

ハンナ「…!!」

ミーナ「あんた!!なにやってんの、馬鹿!!やめなさいったら…!!」




ハンナ「…………!!」


ハンナ「…………?」

サムエル「何か用なのか?取り込み中だ」

フランツ「…もうすぐ点呼の時間だぞ。お前の部屋、早い順番じゃないのか?」

サムエル「急いで戻れば間に合うさ」

サムエル「…本当に取り込み中なんだけど、肩をつかんだ手、どけてくれないか」

フランツ「…」ググッ…


サムエル「痛いな。わかったよ戻ればいいんだろ」チッ

サムエル「体術では君には敵わないからな…」

ハンナ「」ホッ

サムエル「ハンナ、今度の休みはあいてる?町でイベントがあるみたいなんだけど」

ハンナ「…」

サムエル「考えといて。僕は本当に君のことが可愛いと思ってるんだよ」ニコ

ハンナ「」フイッ

サムエル「戻らないといけないなら仕方ないな。じゃ、また。大好きだよハンナ」

サムエル「君らも早く帰れよな。おい、トーマス。行くぞ」


フランツ「……大丈夫だった…?」

ハンナ「あっ、うん…う…」ポロ

ミーナ「ハンナ、平気!?」タタッ

ミーナ「あいつ、そんなやつだって思わなかった。強引なやつ…」

ミーナ「ほんと、何ともない?ごめん。告白はされると思ったけど、あんなことするなんて思わなかったから…誘いにのっちゃって。ほんと、ごめん」

ハンナ「うん…大丈夫…」ポロポロ…グス

ミーナ「フランツ、ありがとうね。助けてくれなかったらどうなっていたか…」

フランツ「なにもなかったなら、良かったよ」

フランツ「その…邪魔では無かったかな…」

ミーナ「全然!!むしろ助けてくれた的な!!」

フランツ「そう…」ホッ


フランツ「あ、僕、ハンナのハンカチを渡したかったんだ」

ハンナ「私の…?」グス…

フランツ「落ちてたみたいだよ?」

ハンナ「ありがとう…」

フランツ「井戸へ行って、顔を少し流すかい?」

ミーナ「そうね、その方がいいよ。泣き顔で戻って皆になんか言われてもめんどくさいしね」

ハンナ「うん…そうする」

フランツ「女子寮の近くまで送るよ。さぁ、行こう」

ハンナ「うん…」グス…


数日後
女子寮 談話室

ミーナ「恋バナ~タ~イム!!」イヤッホー

ミーナ「訓練兵士の男子とかどうよ!?」

ユミル「どうよって、まずお前はどうよ」

ミーナ「いいな~って思う男子はいっぱいいるよ?ナックとか、エレンとか~、ベルトルトなんかも可愛い顔してるよね」

ユミル「お前、基本面食いなのな」

ミーナ「顔は大事!!中身は何かきっかけがあれば変わるかも知れないけど、顔はかわらないでしょ?ねぇ、ハンナ?」

ハンナ「そうねぇ…顔ねぇ…」


ミーナ「でもね、顔はかっこいいけど、サムエルはだめ!!」

ミーナ「このあいだ、ハンナが無理矢理キスされそうになってさ~もう最悪。飢えすぎだっつーの!!」

ミカサ「それはいけない。良い男の風上にも置けない。そのうち懲らしめてやろう」

ユミル「おい、なにする気だよ、こえ~な」ククッ

ユミル「サムエルは要チェックだな。皆メモっとけよ~」


サシャ「…私はお父さんみたいな人がいいですかね。腕っぷしが強くて、狩りがうまくて、料理ができて、物知りな人で、私と人生をともに歩き優しく導いてくれたりして」

サシャ「で、沢山ご飯を食べさせてくれたらそれでいいです」

ユミル「お前、何気に理想高くないか?男子のなかにはいなさそうだな。教官とか?」

サシャ「嫌ですよ~毎日おこられて晩御飯抜きで走らされそうじゃないですか~勘弁してくださいよ~…」

ユミル「あれは愛の鞭だ。私らを立派な兵士にするためのな。だから実生活では以外と優しいのかも知れないぞ?」


ミーナ「クリスタは?もう、何人かから、告白されちゃってるんだって?」

クリスタ「うーん、五人かな。」

ミーナ「すっごいね?まだ一ヶ月もたって無いのに。さすが104期一番の可愛い女子」

クリスタ「そんなことないよ…でも、今は勉強や実技についていくだけで精一杯だし…」

ユミル「クリスタには私がいれば良いんだよ」ニカ

クリスタ「ユミルが断ってくれちゃうの」

ユミル「世間知らずのお姫さまのお目付け役さ」

ミーナ「クリスタの相手にしてもいい、お眼鏡にかなう男子はいないの?」

ユミル「まだあんまり知らないが、せめて成績が十番以内だろ」

ユミル「憲兵に行けるような、頭がよくて力のあるやつじゃないと話になんねぇなぁ~」


ミカサ「ユミルはどうなの」

ユミル「私はな~むさ苦しい性欲の塊の年頃の男共には興味ねぇな」

ミカサ「ユミルは背が高いから、背が高くて、ユミルより強い男子が良いのでは?」

ユミル「でかいやつ?って言うと、ベルトルト、ライナー、マルコ、フランツ…あたりか?」

ユミル「大きくて強くてもな~…」

ミカサ「フランツなんかとても優しい。モテる。この間、モブ子とモブ美に告白されていたようだ」

ミカサ「体術もなかなかの手練れ。ライナーやベルトルトや私ほどでは無いけど」

ミカサ「私は今彼がイチオシ」ビシィ


ミーナ「じゃ、告れば良いじゃないの~」

ミカサ「私にはエレンがいる。守られるより、守る方がいい」

ユミル「私も守って貰うより、面倒見てやる方が好きかな」グリグリ

クリスタ「も~髪の毛絡まっちゃうよぉ~」


ハンナ(フランツってモテるんだ…たよりがいがあって、優しいもんね…)

ハンナ(モテるって事は、やっぱり誰にでも…優しいってことだよね)ズーン

ハンナ(告白されて…その後どうしたのかな。付き合ったりとかしてるのかな…)


ミーナ「ミカサはずるい~エレン可愛いじゃない、頂戴よ~」

ミカサ「それはできない。エレンは私のものだから。ミーナはナックかベルトルトにするべき」

ミーナ「私とハンナはエレンを愛でる会を立ち上げます!!ねえ、ハンナ?」

ハンナ「あ、うん。うーん…?」

ミカサ「エレンは生意気強気素直可愛い。だけど巨人を倒す事で頭がいっぱい。女の子と遊んでいる暇はない」

ミーナ「ミカサだって女の子じゃない~」

ミカサ「私は特別。普通の女の子ではない」

ユミル「ジャンを投げ飛ばす位だからな。普通じゃないじゃん」ダハハ


ミーナ「そう言えば、ナックと今度の休みにトロストの市場に買い物いく約束したんだ♪」

ユミル「さっそくデートか?」

ミーナ「ずっと前に案内してくれるって言われてたからね。あの辺行って見たかったんだけど、不案内で。そしたら、そこ出身だって言うからさ」

ミーナ「ハンナはどうする?フランツもハンナが来るなら行くって言ってたけど」

ユミル「お前懲りねぇな。ホイホイついていくとまた襲われんぞ」

ミーナ「ナックとフランツは紳士だよ?皆もそう思うでしょ?」

ユミル「ナックも悪い噂はきかねぇな」


サシャ「フランツは善人ですよ。夕食抜きで死にそうなとき、こっそりパンを分けてくれました」

ミカサ「確かに普段の行動から、彼は信用できると思う。誠実な人。パンの件は別として」

ミカサ「サムエルの時も助けてくれたのでしょう?絶対安心」

ミカサ「というか、間違いがあってもフランツならそのまま間違ってしまっても良いと思う。むしろ間違いに乗っかるべき」

ミーナ「んん…?それって、まぁ、大丈夫ってことが言いたいのかなミカサは」


ハンナ「町にも行ってみたいし…フランツが来るなら行こうかな…」

ミーナ「決まりね!!伝えておく♪」

ユミル「町に行くなら土産宜しくな。とびきり甘~いお菓子と話な」

ミーナ「女子会のお供だね。了解でーす。んじゃ集金しまーす」フヒヒ

ユミル「菓子のぶんは払うが話のぶんは払わねぇぞ」フヒヒ


休日
トロスト区 西側 市場


ハンナ「お店も人もいっぱい~」

ミーナ「賑やかでワクワクするね~!!」

ナック「今日は特別混んでいるね。どこから行く?」

ハンナ「なんか皆にお土産たのまれてて…。寮生活だと甘いもの食べる機会がないから、お菓子とか買いたいな」

ミーナ「あと日用品とかもみたい~!」

フランツ「お菓子は、持ち帰れて日持ちするのだと少し先に、いいお店があるよ」

ハンナ「ほんと?行ってみたい!」

ミーナ「まずはそこからだね!!さぁ行こーう」


菓子屋 店内

ハンナ「わ~すごい…形が可愛い」

フランツ「形も可愛いけど、味も凄く良いんだよ」

ハンナ「ふうん…小さくて沢山入ってるのもあるし、部屋の子たちとも一緒に食べられるね」

ハンナ「…沢山あって迷っちゃうな~」

ハンナ「わぁ~こっちのも美味しそう~」

ハンナ「これもすっごく可愛い~」ウフフ

フランツ「…」フフッ


フランツ「ハンナは甘めなのが好き?」

ハンナ「好きだけど、控えめ位が好みかな…」

フランツ「木の実とかドライフルーツ入りなんかはどう?好き?」

ハンナ「…そういうの結構好きかも」

フランツ「じゃあ、これと…これなんかどうかな?甘さが控えめだけどドライフルーツが沢山入っているんだ」

ハンナ「数も沢山入ってるね。うん、これにするね。ありがとうフランツ」ニコ

フランツ「どう致しまして」ニコ


店員「お客様~こちら只今キャンペーンを行っておりまして」

店員「カップルのお客様にはこちらの焼菓子二つつけさせて頂いております。お二人は恋人同士でよろしいですよね?」


フランツ「えっ?」チラ

フランツ「あ…はい」

ハンナ(えっ)カァァ



店員「どうぞお二人で仲良く召し上がって下さいね~」

店員「ありがとうございました~」


ハンナ「…もらっちゃったね」

フランツ「はは、もらっちゃったね」

ハンナ「なにか、二つあったみたいだけど…一つ渡すね」ガサ

フランツ「…おまけは、ハンナにあげるよ?」

ハンナ「…そう…じゃあ貰っておくね…」

ハンナ(恋人じゃないのに、貰っても迷惑だよね。私の馬鹿馬鹿馬鹿…)ズーン


ミーナ「なにそれ、おまけもらったの?カップルキャンペーンの?」

ナック「僕らは声もかけられなかったのにな」ハハ

ミーナ「何だ~貰えるものなら私も何かほしかったなぁ。得しちゃったね」

ハンナ「あ、うん…」


ミーナ「あっちのお店にもいって見ようよ~!ねえ、ナック、可愛いアクセサリーショップとか知らない~?」

ナック「俺さ、可愛いアクセサリーなんてしないからな~」

ミーナ「興味あるとか御用達とか言われても怖いしな~」

ナック「人気があるのはそこの先の赤い壁の店かな。入ったこと無いけどな」

ミーナ「ほんと?行ってみようよ!!髪の毛まとめるやつ欲しかったんだ!!」ワーイ

ナック「おい、待てよ~!!人が多いから迷子になるだろ!?」タタタッ

フランツ「僕らも…行く?」

ハンナ「う、うん、行こうか…」

フランツ「…」


ハンナ(でっ、でもさっき、恋人って…はいって言ったよね。言ったよね…)ドキドキ

ハンナ(…恋人祭?今そんなイベント中なんだ)

ハンナ(このお店の看板に書いてある)

ハンナ(えっと…キャンペーンでお付けするものは、一対になる、何か…をカップルの方にプレゼント…か。ふうん)

ハンナ(おまけ貰えるから、そう言っただけなのかな…)

ハンナ(ところで、さっきのお菓子やさんはなにくれたのかな…)ゴソ

ハンナ(ハートのクッキーだ。半分に分かれてる)

ハンナ(これじゃ、別れるみたいじゃない…でも、くっ付けたらぴったりだし、これでいいのかな)


ハンナ(あれっ?)

ハンナ(みんながいない…)

ハンナ(もしかして、はぐれた…?)

ハンナ(皆に迷惑が)キョロ

ハンナ(どうしよう…私一人だと帰れない)


フランツ「ハンナ?」

ハンナ「えっ」クルッ

フランツ「もう他のお店に行く?」

ハンナ「ええっ、うしろ…にいてくれたの?」

フランツ「ずっといたよ」ニコ

ハンナ「よかった~。私はぐれたかと思って」

ハンナ「探して歩くことになったら、人混みだし、皆に迷惑がかかると思って…すっごい不安になっちゃった」

フランツ「この辺はじめてでしょ?はぐれたら帰れなくなるだろうからさ。僕はよく知ってるけどね。だから見失わないように側にいたよ」

ハンナ「ありがとうフランツ。本当によかった~はぐれてなくて…」

フランツ「…」フフッ


ハンナ「ミーナとナックは?」

フランツ「あっちの雑貨屋に行ったよ。僕らも行ってみる?」

ハンナ「そうね、行ってみたい」

フランツ「じゃあ行こうか」スッ

ハンナ(えっ…手?)カァァ

フランツ「…人が多いところを通るからね。はぐれると困るから…手を繋いでもいい?」

ハンナ「あ、あの…」

フランツ「…もし迷惑なら、離れない様についてきて?」

ハンナ「えっと…つ、繋いで貰おうかな…手…」キュッ…

フランツ「行こう」ニコ

ハンナ「…うん」ニコ


ハンナ(フランツの手…大きい)

ハンナ(暖かい…恥ずかしい…)

ハンナ(でも…嬉しい)


ハンナ「お店のなかに二人は居ないね」

フランツ「もしはぐれても、夕刻の鐘がなる頃に広場の鐘の下で待ち合わせているから、平気だと思うよ」

ハンナ「そうだったの?私知らなかった…はぐれたらそこに行けばいいんだね?」

フランツ「もし、迷子になったらね。まぁ、僕はハンナを迷子にさせたりしないけど」

ハンナ「…頼もしいな」フフ

フランツ「町を案内するって言ったしね。何か見る?」

ハンナ「そうね…髪留めとか見ようかな」


ハンナ「これも可愛いな~」

ハンナ「こっちもシンプルで素敵」

フランツ「こういうのが好きなんだ」

ハンナ「ほんとは大きめの花とか蝶とかついてるキラキラしたのが好きなんだけど…訓練中はつけられないでしょう?」

ハンナ「だから、小さめの引っ掛かりがないものをね、選ぼうかなって…」

フランツ「そうなんだ。色はこんな感じが好きなの?」

ハンナ「うん、玉虫色っていうか…角度によって色が変わるから、綺麗で好きなの」

フランツ「ふうん…」

ハンナ「決めた。これ、買ってくる。店員さんあっちだね。ちょっと待ってて」タタッ

フランツ「待ってるよ」


フランツ「…」

店員「あれ?ケフカさんとこの坊っちゃん。いらっしゃい。今日は休み?」

フランツ「あ、こんにちは。ちょっと買い物に」

店員「あれ彼女?可愛い子だね。あの子も訓練兵かい?」ニコ

フランツ「ええ、まぁ…」

フランツ「…」チラ


ハンナ「お待たせ~…会計混んでて、遅くなってごめんなさい」

フランツ「そんなには待たなかったよ。次はどこに行こうか?」

ハンナ「フランツは行きたいところは無いの?」

ハンナ「私の行きたいところばかりまわってもつまらないでしょう…?」

フランツ「そんな事は無いけど…なら、あとで広場の奥の丘の上に行ってみない?少し高くなっていて、市場の様子がよく見えるよ」

ハンナ「じゃあ、そちらに向かいつつ、気になるお店があったら入ってもいい?」

フランツ「そうだね。市場についたのが、昼を過ぎて結構たってからだけど…夕刻までまだ時間があるから、ゆっくり向かえるね」

フランツ「さ、行こう」サッ

ハンナ「…うん」キュッ


市場 広場奥 丘の上



フランツ「ベンチが沢山あって、休めるね」

ハンナ「色々付き合ってくれてありがとう…座って休もう?」

フランツ「普段の訓練に比べればまだまだ動き足りないくらいさ。あそこ空いてるね」

ハンナ「あれ、ミーナとナックじゃない?」

フランツ「そうだね…でも…邪魔しちゃいけない雰囲気あるな…」

ハンナ「ほんと…なんか…恋人同士みたい…」


フランツ「………」

ハンナ「………」

フランツ「待ち合わせの時間までまだ少しあるから、僕らはこっちに座ろうか」

ハンナ「そうだね…その方がいいかも」


フランツ「結構買い物したね」フフッ

ハンナ「どこのお店でも、おまけ沢山貰っちゃったね…」

フランツ「恋人同士に見えたのかな」

ハンナ「…そうなのかな…」


フランツ「さっきの店でハンナが会計してるとき、飲み物買ったんだ。あげるよ。飲もう?」

ハンナ「ありがとう。頂きます」ニコ


ハンナ「なんか珍しいものがあったりしてつい…いっぱい買っちゃって。荷物もってもらってごめんなさい。重いよね」

フランツ「いいよ。重たくもないし、そのつもりだったし、これくらいは全然、持つよ」

フランツ「それに…今日はハンナと二人で過ごせて嬉しかったよ」

ハンナ「フランツって優しいね…女の子に人気あるのわかるなぁ」ボソ


フランツ「僕が?」

ハンナ「いつも声かけてる女の子とかいるし…何人かに…こ、告白されたりとかしてるって噂で」

フランツ「はは、そんな噂されてるの?確かに言われたことは無くはないけど」

フランツ「好きな子がいるって断ったんだよ」

ハンナ「そうなんだ」

ハンナ(やっぱりいるんだ、好きな子…)シュン


ハンナ「…ごめんね、その…今日なんか、こんなイベントで、私なんかにつきあってもらって…その子と行きたかったかも知れないのに…」

フランツ「いいんだ。君たちと約束してたからね」

フランツ「最初から好きな子を誘おうと思ってたし」

フランツ「今日好きな子と来ることができて、僕は楽しかったよ」


ハンナ(……え)

ハンナ「あ、あの……えっと」

フランツ「好きだよ、ハンナ」

フランツ「恋人って意味で…付き合ってほしい」

ハンナ「…」

フランツ「ほんとはもっと早く言いたかったけど、サムエルの事とかあったし…男子を避ける様子があったから、なかなか言い出せなくて」

フランツ「でも、ミーナが誘ってくれて、来てくれて良かった」

フランツ「嫌ならさっきの言葉は忘れてくれて構わないよ」

フランツ「誰かみたいに無理矢理どうこうなんてしない。大人しく引き下がるから」


ハンナ「………」ガサ

フランツ「……?」

ハンナ「」ガサガサ

フランツ「………何してるの、ハンナ」

ハンナ「」ガサガサガサガサ ガサガサ

フランツ「ハンナ?」


ハンナ「石鹸に蝋燭、洗濯の板、メモ帳とハンカチ…文鎮と匂い袋に膝掛けとヘアブラシ、ペンダントトップ、あとはクッキー…」

ハンナ「こっこれ…こっちの袋に入れたから…」

ハンナ「フランツに…あげるね。貰ったおまけの…全部の半分」

フランツ「…えっ」

ハンナ「わっ、私達…恋人同士だから…」

フランツ「ハンナ…」ニコ

ハンナ「…」…ニコ


夕刻の鐘「リーン…ゴーン」


ハンナ「はっ、ええっ!?ちょっと…えええ~…」

ハンナ「ミーナとナックまでしてる…!?ええ~…」

フランツ「祭りの日の丘の上で、夕刻の鐘が鳴ったとき…」

フランツ「恋人同士はキスをすると、ずっと一緒に仲睦まじくいられて…死ぬときも死んだあともずっと一緒でいられるっていうジンクスがあって…」

フランツ「だから今、周りの皆、キスしてるっていう訳なんだけど…」

フランツ「別にしなくてもいい訳なんだけど…」

フランツ「次は来年になってしまうし…」

フランツ「いや、でも僕らまだ早いかな」アハハ


ハンナ「…フランツとなら…今でもいい…かな」

フランツ「えっ」

ハンナ「来年だと…先だもの。私もフランツの事、好きだから…今したい」

フランツ「いいの?」

ハンナ「…うん」

フランツ「じゃあ、目、瞑ってくれる…?」


ハンナ(…目を閉じていても、フランツが近づいて来るのがわかる…)

ハンナ(私変な顔してないかな)

ハンナ(身体中がくすぐったい)

ハンナ(熱い)


軽く触れた唇はすぐに離れた。
目を開けたら微笑む彼が、そっと私の肩を引き寄せて、指を絡ませた。

もう一度近づいて来る彼に、私はまた目を閉じる。啄むように唇をかさねてくる。
柔らかくて、あたたかで、とっても優しい。

片手で抱き締められて、絡めた指に力が込められる。しっかりと拘束された私の襟元に顔を埋めた彼は、耳たぶと首筋にキスをした。

彼の柔らかな吐息と唇が触れるたび、身体中がくすぐったくて堪らない。でも嫌じゃない。ずっとこうしていたい。もっとして欲しい。いつまでも。


夕食後
女子寮 談話室


ハンナ「というわけで、フランツと恋人同士になりました~」キャー

ハンナ「あと、この髪飾りくれたの。綺麗な細工の花がついたもの」

ハンナ「訓練には使えないけど、休みの日には絶対つけるの」

クリスタ「わぁ~玉虫色っていうの?キラキラしてとっても綺麗~。素敵~」

ユミル「ふう、あまい…甘いな。なんて甘さの土産話だ。この菓子が塩味に感じるほどに」

サシャ「しょっぱくなんか無いですよ?ほどほどに甘くて、凄く美味しいです」モグモグ

ミーナ「それは目から出た塩水の味じゃない?」

ユミル「塩水でるほど羨ましくなんか無いね」


ユミル「お前はナックとどうだったんだよ?」

ミーナ「好きだって言われてキスはしたけど…付き合うっていうか何て言うか」

クリスタ「ええーっ、キスしたのに、付き合って無いの!?」

ミーナ「他にもいい男いるし…まずはナックと付き合ってみるけど、他の子も知りたいって言うか」

ユミル「…女サムエルって呼ぶぞ」

ミーナ「そ、それは勘弁!!ほんと、やめて!!」

ミカサ「」フフ…


翌日 夕食後
食堂

エレン「お~い、ベルトントン~!!昼間の訓練の体術の事なんだけど~」

ベルトルト「…うん…何?」

ライナー「ベルトルトだぞ、エレン。言いにくい名前だが、いい加減覚えてやれ」ハハ



アルミン「…この一ヶ月にそんな事があったの」

ミカサ「そう」


ミカサ「エレンを狙う者があれば排除する」

ミカサ「しかし、同じ訓練兵の仲間。傷つけ、駆逐することは不可能」

ミカサ「なら、他の人とくっ付けたらいいと思った」

ミカサ「エレンを狙う者がいなくなり、私は嬉しい。恋人が出来たら、彼らも嬉しい。皆幸せ。いいアイデア」


ミカサ「幸い、フランツは早い段階からハンナの事を好いていたよう」

ミカサ「あとはハンナを誘導するだけだった」

アルミン「でも、ジャンを投げつけるのはやりすぎじゃない?」

ミカサ「フランツは手練れ。ジャンを受け止めるか、ハンナを庇うか、どちらかすると思っていた」

ミカサ「ジャンも受け身は上手。ちょっと投げられたくらいなら平気と思った」

ミカサ「しかし、あんなに情熱的に抱きすくめたりするとは思わなかった。こちらが恥ずかしい思いをした位」


ミカサ「恋人祭の話をフランツの近くでわざとしたり」

ミカサ「ハンナのハンカチをこっそり拝借して、ジャンにサムエルの話をさせてから渡して貰ったり」

ミカサ「ハンナにフランツがいかに女の子に人気があるか話したりしたら」

ミカサ「あとは勝手にくっついてくれた」

ミカサ「ミーナに関しては、彼女は移り気。ほおっておいても問題ない」

アルミン「…生き生きしてるね、今」

ミカサ「とても楽しかった。皆幸せになれてよかった」


ミカサ「幸せといえば、サムエルも幸せにしてあげた」

アルミン「そう言えば最近、サムエルの調子が変なんだけど…ミカサ、何かしたの?」

ミカサ「格闘訓練中組んでいるとき、私の事を好きだと言ってきた」

ミカサ「ので、投げた」


アルミン「…投げたの?」

ミカサ「そう、投げた。そしたら頭から落ちた。その後医務室に運ばれた」

ミカサ「昼過ぎまで寝ていたようだ。目が覚めたら別人のように、人当たりのいい真面目な男子になっていたそうだ」

アルミン「頭を強く打って性格が変わる事ってあるんだ…興味深いね…」

ミカサ「顔はいいので、性格が良くなれば念願の彼女ができるだろう。彼も幸せになれてよかった」

アルミン「まぁ、今のサムエルが彼女が欲しいかって言ったら、どうなのかなっていう所はあるけどね」


ミカサ「アルミン」

アルミン「何?」

ミカサ「お水のコップ持って」

アルミン「?…持ったよ」

チーン☆

アルミン「乾杯なの?」フフッ

ミカサ「そう、乾杯」ニヤ

ミカサ「アッカーマンの戯れにより生まれたフランツとハンナの恋人同士に乾杯」




投下してみたら以外と短かった。

これで終わりです。

また、アッカーマンさんの戯れに、誰かが巻き込まれるかも知れません。

ネタよ、降ってこい!!


ベルトントン…ベルトントン……見覚えのある文字だな…

乙ありがとう

ここ一ヶ月進撃のSSを知ってから、まとめから何から、読みまくって。

だいたい読んじゃって、ひまつぶし出来なくなったから自分で書いてみた。

ベルトルトのいい間違いはどこかで読んだのが頭に残ってたのかも。

間違いに今気づいた
訂正お願いします。


>>5

アルミン「うん、どうぞ。フランツ…にトムだっけ。隣の部屋だよね」

が、

アルミン「うん、どうぞ。フランツ…にナックだっけ。隣の部屋だよね」

の間違えです。途中までトムのつもりで書いていて、でもナックの方がイケメンぽかったので変更しました。直し忘れです。失敗…

覚えてるねとか言われてるのにおもいっくそ間違えてるし

このSSまとめへのコメント

1 :  NG   2015年01月04日 (日) 02:00:36   ID: Hh11QquJ

策士なアッカーマンさんも素敵です!

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