【咲-Saki-】咲「お姉ちゃんのアカウントを特定した」 (24)


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てるてる@teru-mi87ga

今日、妹が会いに来た。
あの子を、あのド変態に近づけるわけにはいかない。
心を鬼にして追い返した。

ごめんね、咲

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てるてる@teru-mi87ga

インターハイの団体戦で優勝した。
菫が喜んでいたから私も嬉しい。
先輩たちにはすごく感謝された。

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てるてる@teru-mi87ga

個人戦も優勝した。
荒川さんと辻垣内さんはとても強かった。
菫にたくさん褒められた。

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てるてる@teru-mi87ga

チームが解散した。
先輩たちはもう引退してしまうみたい。
菫はまた私とチームを組んでくれるらしい。
他の三人がどんな人でも、菫が居るならそれでいいや。

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てるてる@teru-mi87ga

新しいチームのメンバーを選んでくれと言って菫が一年生を連れて来た。
打った限り、強いのは二人しかいなかった。
最後の一人は来年の一年生を見てから決めることにして、四人チームになった。
これで卓が立つ。

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てるてる@teru-mi87ga

今日はプリンを賭けて打った。
東一局で全員飛ばして独り占めした。
やはり菫が一番手ごわい。

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てるてる@teru-mi87ga

三月なのにもう新入生が入って来た。
特待生で、入学は決まっているらしい。
とても強かった。
あの子に似ている。虎姫の五人目は淡に決めよう。
菫にも懐いてたし、多分大丈夫。

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てるてる@teru-mi87ga

部内戦が始まった。
流石に部内では負けないと思う。
菫も居るし。

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てるてる@teru-mi87ga

勝った。
これで虎姫が一軍。
菫はこれからが本番だと言っていた。

私は、本番は全国大会からだと思う。
この五人に勝てるチームは臨海と龍門淵ぐらいしか思いつかない。

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てるてる@teru-mi87ga

長野予選の結果を聞いた。
菫も私も龍門淵が上がってくると思っていたけど、そうはならなかった。

咲が勝った。
去年より強くなってるはずの龍門淵に勝ったなら、きっと決勝まで来るだろう。
私が咲を守らなければならない。

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てるてる@teru-mi87ga

今年は番狂わせが多いらしい。
奈良でも晩成が負けたらしいし、北海道や岩手も初出場のところが名門を破って出てきた。
菫は初出場のチームのデータを整理するのに忙しくてあまり相手をしてくれない。

寂しい。

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てるてる@teru-mi87ga

二回戦、ここまでは順調。
私と菫だけでも、ここまでは来れたと思う。
次の千里山に勝つには淡、尭深、誠子の力も必要。
菫にしっかり言っておいてもらおう。

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てるてる@teru-mi87ga

咲の高校が姫松や永水を破って準決勝に進出した。
二位抜けは姫松。
臨海と有珠山も強いけど、私は咲が出てくると思う。
菫は臨海と姫松が上がってくると思っているらしい。

うーん…菫に言われるとそんな気がしてくる。

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てるてる@teru-mi87ga

千里山の園城寺さんが倒れた。
とても心配。
お見舞いに行こうと思ったけど、道に迷ってしまった。
菫、助けて。

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てるてる@teru-mi87ga

明日は咲の高校と対戦する。
私は先鋒。
試合が終わったら、大将戦までにあのド変態を探し出して縛り上げなければいけない。
次鋒戦が終わったら菫にも手伝ってもらおうか?
いやダメだ、家族の恥をよりにもよって菫に見せるわけにはいかない。

一人で何とかしないと…


咲「…あの、これって…」

久「間違いなくチャンピオンね」

和「まあ、お義姉さんも女子高生ですし、SNSぐらいやっていてもおかしくはないですが」

咲「良かった…嫌われてたわけじゃないんだ…」

バタン

優希「ごめん、点棒一杯取られたじぇ…」グスン

まこ「安心せえ、またわしが取り返しちゃるけえ」グリグリ

優希「先輩…うん!」パアア


京太郎「…でも、だとすると、これ…」

久「ええ、気になるわね、『ド変態』。咲、心当たりは?」

咲「えっと…ありません…」フルフル

和「…念のため、咲さんは単独行動をしないようにお願いします」

久「暴漢だとしたら二人でも危ないわ。咲は常に三人以上…できれば須賀君も同行するようにして」

京太郎「了解っす」

咲「頼りにしてるよ、京ちゃん」

京太郎「つっても、喧嘩には自信ないから何かあったらすぐ逃げろよ。時間ぐらいは稼ぐから」

和「咲さんは逃げる、一人は助けを呼ぶ、須賀君は時間を稼ぐ…ただし、危ないと思ったら須賀君も逃げてください」

京太郎「ま、インハイの会場だからどこ行っても近くに警備員が居るさ。何とかなるだろ」


華菜「白糸台が断トツだし…」

美穂子「想定の範囲内よ、勝負はここから。トップの白糸台は三校からマークされる、レベルの高い打ち手の集まる決勝での逃げ切りは困難だわ…久ならきっと…」


イケダアアアア!イケダアアアア!


華菜「ん?電話だし…清澄の部長?」

美穂子「久から?」

華菜「もしもし、華菜ちゃんだし!キャプテンに話?…試合中に何の用だし?緊急?わかった、鶴賀の連中も呼んでそっち向かうし」

美穂子「…緊急?」

華菜「詳しい話は会場でするから、とにかく人手が欲しいって言ってるし」

美穂子「あらあら、穏やかじゃないわね。何事かしら?」


菫「松実といい染谷といい大したものだ。すまんな、少し削られた」

尭深「大丈夫です、まだ安全圏…」


誠子「…見つからない!?最低限の人員だけ残して探索に回せ!朝から様子が変だった、今回はいつもの迷子じゃない!」


菫「…照は?」

尭深「それが…先鋒戦からまだ戻っていません」

菫「亦野の様子を見る限り、手は尽くしているようだな。あとは私が引き受ける、お前たちは試合に集中しろ」

誠子「あ、弘世先輩、お疲れ様です」

菫「捜索の担当者を教えろ、後は私が責任を持ってあの馬鹿の捜索を指揮する」

誠子「お願いします」


菫「で、淡は?」

尭深「宮永先輩を探しています、まだ自分の試合まで時間があるからって…」

菫「…まあ、じっとさせておくよりマシか。最悪の場合、あいつには試合前に見つかったと嘘の情報を教える、話を合わせろよ」

尭深「はい」

菫「全く、三年になっても落ち着きのない奴だ…」


『大将戦前半終了ーーー!ここで三校が横並び!大きく沈んだ姫松高校末原選手、ここから巻き返せるかー!?』

『ここまでも苦境を乗り越えて決勝まで来たわけだし、少なくとも何とかしてくれるってチームメイトは信じてるだろうね。想いは力になる、まだわかんねーよ』

『泣いても笑っても次が最後の半荘、一万人の頂を目指す少女たちの戦いはファイナルステージへ突入します!』



咲「何とか追いつけた…後半大丈夫かなあ…」

?「あなたなら大丈夫よ」

咲「…え?この声…お母さん?」

母「ええ、そうよ、立派になったわね咲」

咲「どうしてここに?決勝に出てる選手以外は立ち入り禁止のはずなのに…」

母「常に二人以上の護衛がついていたし、ここ以外では…いえ、あなたの応援に来たのよ。事情を話したら通してくれたわ」

咲「そうなんだ、ありがとう、お母さん」ニコッ

母「」ズキューン


母「はあはあ…咲たん可愛い、もう我慢できない…」

咲「え?お母さん?」

母「いただきまーす!」

咲「きゃあああああああああ!!!??」


照「…警備員が倒れてる…この近くか?」


菫「ここに居たか、探したぞ、照」

照「菫…ちょうど良かった、手を貸してほしい」

菫「まずは何故姿を消していたのかを説明してもらおうか」

照「…そうしたいけど、多分、時間がない。何も聞かずに、あのド変態を拘束するのを手伝ってほしい」

菫「ド変態…ああ、おばさんか。妹にもそうなのか?」

照「…恥ずかしながら」

菫「だったら私に説明すればいいものを…全く、余計な手間をかけさせて」

照「ごめん、身内の恥だから…」


『きゃあああああああああ!!!??』


菫「…急ぐぞ」

照「うん」


母「咲たんのツノペロペロ!咲たんの指ペロペロ!咲たん可愛いprprpr!」

咲「いやああああ!お母さんやめてーーー!」



菫「ロン(物理)」

照「ロン(竜巻)」


母「あうっ!?」



咲「た、助かった…?」

照「咲、無事か?」

咲「お、お姉ちゃん…怖かったよぉ…」グスン

照「ごめん、このド変態を止められなかった」

咲「ド変態って…」チラッ


菫「ロン(物理)ロン(物理)ロン(物理)」

母「おうっ!おうっ!おうっ!もっと!もっとおおお!」

菫「黙れ、頭を撃ちぬくぞゴミが」ギロッ

母「その冷たい視線も最高だわ!え…エクスタシイいいいいい!!!」


咲「…うん、ド変態だね」ヒキ

照「お父さんと別れてからああなった、私にも常にあんな感じ。咲にあれを見せたくなくて…冷たくすれば、諦めてくれるかなって…」

咲「そうだったんだ、ホントに嫌われたんじゃないかって思ってたよ…ありがとう」


『大将戦後半を始めます、選手は対局場に…』


照「これは私が処理しておく。行って」

咲「うん!行って来るね、お姉ちゃん!」



その後、お母さんは私の応援に来ていたお父さんに引き取られた。
お父さんは「ここまでとは思わなかったが、そうなるわな」と言っていた。
心当たりがあったのかな?

インターハイが終わったあと、お父さんとお母さんは長野で一緒に暮らすようになった。
長野で暮らしている分には私が知ってるお母さんそのものだった。

…なにがあってああなったんだろう?

気になってお母さんに尋ねてみたら、「足りないものがあったのよ」と返された。
良くわからないけど、多分聞かない方がいいんだと思う。

お姉ちゃんは卒業までは白糸台の寮に残って、卒業後は長野か東京のプロチームに入りたいって言ってた。
ドラフトがあるから希望が通るとは限らないけど、第一志望は長野だって。
長野に来たら、また家族四人で住めるね。

あ、そうそう、あのあとでお姉ちゃんのTwitterを見たらこんなことが書いてあったよ。


てるてる@teru-mi87ga

あのド変態が、よりにもよって決勝戦のインターバル中に咲を襲った。
菫のおかげで事なきを得たけど、やはりこのゴミは処分しなければならない。

智葉に頼んで東京湾に沈めてもらおう。

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てるてる@teru-mi87ga

智葉と話していたら、お父さんが話しかけて来た。
咲の応援に来ていたらしい。
困ったことはないかと聞かれたので、あのゴミのことを話した。
お父さんは「そうか…」と言ってその場を去った。

あのゴミのために菫の手を煩わせるのも嫌だし、なるべく早く消してほしいと智葉にお願いした。

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てるてる@teru-mi87ga

お母さんの奇行が止んだ。
どうやら、お父さんがなにかしたらしい。
二人が長野で同居することも聞かされた。

お母さんがまともに戻るなら、咲に冷たくする理由もない。
私たち、家族に戻れるのかな?

ーー

てるてる@teru-mi87ga

咲を突き放した罪悪感を紛らわせるために始めたツイッターだけど、もう必要ない。
また、みんなと家族に戻れた。

これから、今までの分も家族としての時間を取り戻していきたいと思う。

だから、これが最後の呟き。



菫「なあ、ところでお前、やたら私のことばかり書いていたよな?」

照「…知らない。あれは私ではない」

菫「お前以外の誰があの内容を知っているというんだ。あれをすべて知っているのはせいぜい私ぐらいだろう」

照「なら、きっと菫に違いない」

菫「その詭弁は私本人に対しては無意味なことは理解できるな?」

照「う…」

菫「告白するならちゃんとしてくれよ。私の方は準備が出来ているから」

照「へ?」

菫「さて、行くか」

照「ちょ、ちょっと待って菫、今なんて」

菫「すまんが、部長の引継ぎで忙しいからな。大事な用件以外は後にしてくれ」

照「ちょっと、菫、菫ってば!」

菫「はいはい、また後でな」




それっぽいアカウントを見つけてストーリーが進むにつれて確信を深めていくみたいな流れのシリアス長編にしようと思った。
気づいたらいつものギャグ短編になっていた。

多分、最初の五行ぐらいで道を間違えた。

これはこれで

うむ、なかなか面白い

面白かったよ

GJ

いくら変態でも不人気サイコパスリンシャンモブ不細工畜生には欲情しないと思うよ(正論)

読んでる途中の>>5くらいで酉を確認したらやっぱりww乙!

華菜の携帯電話の着信音に誰もツッこまないのが面白かった。

この母親的に常に咲の近くに和と京太郎がいることにどんなリアクションをしたのかもっと見たかった

皆様、乙ありがとうございます。

>>21 
母親に注目するという発想から【哩(一年生)「宮永照の強さの秘密を探る」】とかいう酷いネタが浮かんできたんですが…

書いてくださいお願いします!

【咲-Saki-】哩「宮永照の強さの秘密を探る」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416805197/)

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