ナッパ「この土なら良い三倍満が育つぜ」 (64)

ベジータ「…そうだ、ちょっとこいつらのお手並みを拝見させてもらおうか。きっとドラゴンボールのことも喋る気になるだろうぜ…」

ベジータ「おいナッパ。栽培マンがあと5粒ほどあっただろ、出してやれ」

ナッパ「へっへっへ…お遊びが好きだなベジータも…」

クリリン「サイバイマン……?」

悟飯「な…何それ…?」

ナッパ「ん…確かにあったぜ」

ナッパ(けどよ、ベジータの言う5粒ではなく6粒なんだが…)

ナッパ(しかも一つだけ色が違う…)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416231067

ベジータ「何をグズグズしている、ナッパ。お客さんがお待ちかねだぞ」

ピッコロ「俺たちをお客さん扱いとはな…」

クリリン「ま、まぁまぁ。まだ悟空の奴も来てないわけだし…」

クリリン「あいつらにまだやる気がないのは、こっちにとって好都合だろ」

ピッコロ「…チッ」

悟飯「お父さん…」

ナッパ「あ、あぁ。すまねぇ。今植える」

ナッパ(まぁ色が違かろうと栽培マンに違いはねぇよな)

ナッパ「この土なら良い栽培マンが育つぜ」

ナッパ「…よし…」

クリリン「し、しかし…なんだってんだろうな…」

ボコ ボコボコ…

ボコボコ… グググ…

ベジータ「…ん、ナッパ。俺の記憶では栽培マンは5粒だったはずなんだが…」

ベジータ「今動いてるのが6箇所に見えるのは気のせいか?」

ナッパ「ベジータの記憶違いか知らねぇが、6粒あったからそのまま植えてやったぜ」

ベジータ「!?」


栽培マンA「グエ…」

栽培マンB「グエーッ!」

栽培マンC「グエエ」

栽培マンD「グエッ」

栽培マンE「グエエー」

三倍満「………」


ベジータ「な…な…」

ナッパ「おい、どうしたんだベジータ?」

ベジータ「何てことをしてくれやがったんだ…ナッパーっ!!!!」

クリリン・ピッコロ・悟飯「!?」

ナッパ「ど、どうしたってんだベジータ…何を栽培マン如きにそんなに慌ててやがるんだ?」

ベジータ「き…貴様の目は節穴か!あれが栽培マンに見えるのか!」

ベジータ「貴様に渡しておいた瓶の中には栽培マンは5粒しかなかったはずだぞ!!」

ナッパ「あ…あぁ…俺も色が違う粒があって変だなとは思ったんだが…」

ベジータ「だからそれが栽培マンではないから5粒だと言っただろうが!!」

ナッパ「そ、そうとは言ってなかったじゃねーか!」


クリリン「ど、どうしたってんだろうな?」

悟飯「何かすっごい慌ててる…」

ピッコロ「あの慌てよう…何か都合が悪いことがあったのは確かだろうな…」

ピッコロ「そして…もう一つ確かなことは…」


三倍満「………」


ピッコロ(…奴らが慌てている原因が恐らく、こいつの出現であることも…)

ベジータ「良いか!頭の悪い貴様にでも分かるように優しく説明してやるがな!」

ベジータ「お前に渡しておいた瓶の中にあったのは全部で確かに6粒だ!」

ベジータ「だが、栽培マンはその内の5粒!もう一つは全く違う種類の粒だ!」

ナッパ「じゃ、じゃあそう言えば良いじゃねーか!」

ベジータ「貴様のような単細胞に『栽培マンはあと5粒』で伝わると思った俺が馬鹿だったわ!」

ナッパ「ぐっ…いくらベジータとは言えそれは俺を侮辱しすぎだぜ!」

ナッパ「大体あれが栽培マンじゃないって言うんなら、あれは何だって言うんだ!?」

ベジータ「あれは最近試作段階として作られた、栽培マンと語呂は似ているが似て非なるもの…」

ベジータ「三倍満だ!」


三倍満「………」

クリリン「三倍満?」

ピッコロ「何だ、心当たりがあるのか?」

クリリン「いや、あるにはあるんだが…本当に俺の知ってるそれかどうか…」

ピッコロ「良いから話してみろ!」

クリリン「わ、分かった…」

クリリン「昔武天老師様に師事していた時、悟空と共に修行の際の一環として習ったものに麻雀があるんだが…」

悟飯「麻雀?」

クリリン「あぁ。算数と数学がわりにな…。4人1組になって行う競技の事だ。いや、遊戯って言った方がいいのかな?」

クリリン「とにかくその麻雀の中に関する上がり点に、その三倍満ってのがあるんだ」

クリリン「特にこの三倍満を悟空の奴が大好きでよー。毎回狙ってるとか意味不明なこと言う始末でさ」

ピッコロ「いまいち全容が掴めなくて気に入らんな…上がり点?競技でなく遊戯?もっと詳しく説明してみろ」

クリリン「お、おう」

クリリン(今そんな場合なのか?…いや、やっこさんも言い合ってるし大丈夫か…)

クリリン「丁度ここにカード麻雀があるからやりながら説明しよう」

ベジータ「フリーザ様が麻雀の上がり点数の中でも三倍満が一番好きなのは単細胞の貴様でも良く知っているだろう!」

ベジータ「たまに平和的な解決目的で点惑星1個のレートとかで麻雀をやっているようだが…とにかく三倍満が大好きなんだあいつは!」

ナッパ「負けたら暴力的解決になるって聞いてるがな…」

ベジータ「とにかく!語呂の近い栽培マンに似せて、三倍満という別の種類の戦闘要員を軍の科学者たちが作り上げたわけだ!」

ベジータ「だが、この三倍満は試作段階のフェーズを深めていくまでもなく実用が中止された!」

ベジータ「それが何故だか分かるかこの単細胞!!」

ナッパ「お、俺が分かるわけねーだろ!!」

ベジータ「貴様はそんなんだから未だに多面張とフリテンを覚えきれんのだ!!!」

ベジータ「栽培マンの戦闘力は1200!これは麻雀における子の40符1飜以下!」

ベジータ「俺たちサイヤ人にかかれば御するのは容易いが、はっきり言って弱い!」

ベジータ「ところがこの三倍満!あろう事かアホな研究者たちは『三倍満って言うからには戦闘力はあれしかないっしょ?』みたいなノリで戦闘力を決めやがった!」

ベジータ「その戦闘力が…」

ピッコロ「…ふむ。なるほど。三麻と言うやつだがなかなか面白いものだな」ペシ

悟飯「あ、ピッコロさん!それロンです!清一色抜きドラ3…かな?」

ピッコロ「ぬ…。やはり牌が偏る三麻は打点が高いな…」

悟飯「えっと…三本場で倍満だから…」

ピッコロ「お前は子だから16900だな…」

クリリン(何か二人共ハマってるんだが…良いのかこれで…)

ピッコロ「しかし、これ以上に打点が高いのか?三倍満とやらは…」

クリリン「あ、ああ…」

クリリン「滅多にお目にかからない上がりだからな。下手すると役満より出現確率は低いかもしれん」

悟飯「そんなのをお父さんは毎局狙ってたんですね…」

クリリン「そんな三倍満の打点が…」




「「24000だ」」

「「しかもその値は際限無く上昇する」」


ナッパ「に、24000!?ありえねえ!そんな戦闘力あるわけがねえ!」

ナッパ「ベジータですら戦闘力18000しかねえって言ってたじゃねえか!」

ベジータ「故障だというのならさっき外したスカウターで三倍満の戦闘力を確認してみやがれ…!」

ナッパ「わ、分かった…」カチャッ

ナッパ「…………」ピピピピピピピピ

ボンッ

ナッパ「!?」

ナッパ「す、スカウターが…!」

ベジータ「どうだ分かったか?そのスカウターでは20000以上を推定できない」

ベジータ「つまり少なく見積もっても三倍満の戦闘力は20000は下らないという事だ…」

ナッパ「な、なんてこった…」

ベジータ「こんなものを御することが出来るのはほんの一部だけだ!だから実用化の目処も立たずにその殆どが廃棄された!」

ベジータ「フリーザは心底残念がってたが、俺たちにとっては願ったり叶ったりだ!」

ベジータ「こんなとんでも戦闘力がわんさかいてたまるか!」

ナッパ「お、おいベジータ…様を付けておけよ…」

ベジータ「うるさい!それどころじゃないことが分かってるのか貴様には!」

ベジータ「スカウターで会話を拾われてようが知ったことか!遠くのフリーザより近くの三倍満の方が恐ろしい事すら分からんのか!」



―フリーザ宇宙船内―


『スカウターで会話を拾われてようが知ったことか!遠くのフリーザより近くの三倍満の方が恐ろしい事すら分からんのか!』


フリーザ「……三倍満は、全て廃棄されたと聞いていましたが…」タン

ザーボン「…はっ。申し訳ありません。事後処理が上手く行っていなかったようで…」タン

ドドリア「フリーザ様に様を付けない無礼者のベジータに関してはどう致します?」タン

フリーザ「……放っておきなさい。三倍満の戦闘力なら、確実にベジータを仕留められるでしょう」

フリーザ「そうなれば、サイヤ人は根絶やしになります。…地球にあるドラゴンボールとやらも一緒に破壊されてしまうでしょうが、仕方ありませんね」

キュイ「ドラゴンボールとやらが地球以外の惑星にあるかもしれません。そちらを当たってみては如何でしょうか?」タン

フリーザ「そうですね…そうしてみましょうか…」タン

キュイ「あ、フリーザ様。それロンです。16000です」

フリーザ「…………」

ザーボン「…………」

ドドリア「…………」

キュイ(…あれ、もしかしてマズった?)

フリーザ「ふ、ふふふ…。す、素晴らしい上がりですよキュイさん…」

フリーザ「ちょ、ちょーっとモニターのベジータの声に気を取られてしまいましたね…切りましょうか…」ピッ

ザーボン(空気読めよ)

ドドリア(ホントに)

キュイ(何だ、ベジータの声がウザかっただけか)

キュイ「ベジータの声は耳障りですからね…。これで聞けなくなると思うとせいせいしますよ」

フリーザ「そ、そういう事ですよ…ふふふ…」

キュイ「あ、フリーザ様」

フリーザ「?」

キュイ「申し訳ありません。それだと三暗刻も付くみたいです。三倍満で24000でしたね」

フリーザ「………」

ザーボン・ドドリア(あのさぁ…)

ベジータ「貴様に渡した瓶の中に入れておいたのはその中で俺が発見した最後の三倍満だったと言うわけだ…!」

ナッパ「そ、そうだったのか…す、すまねえな…ベジータ…」

ベジータ「…なぁに」ブアッ

ナッパ「!?」

ベジータ「俺の折角の切り札をこんなところで使った単細胞のサイヤ人なぞ必要ない!」

ベジータ「死ね!」ビッ

ナッパ「ベ…ベジー…!!!!」


カッ ドズウウウゥン


クリリン「おいピッコロ、また長考かよ」

ピッコロ「ぐ…どっちのターツをほぐすべきか…」

悟飯「いつもピッコロさんのところで止まってますよぉ」

クリリン「ん?」

天津飯「何やってるんだお前ら…」

ピッコロ「静かにしろ。気が散る」

悟飯「またピッコロさんですよぉ」

ヤムチャ「おいおい敵前でカード麻雀かよ…」

餃子(麻雀とか牌…いやカード操り放題…)

クリリン「いや、三倍満について説明しようとしたら何か成り行きで…」

天津飯「三倍満?」

クリリン「あぁ、またそこから説明しないといけないのか…」

ヤムチャ「それよりさっきの大爆発は何だったんだ?巻き込まれそうになったぞ」

クリリン「え?そんなのあったんですか?」

天津飯「何か話が錯綜してるな」

ベジータ「それについては俺が説明してやる」

ヤムチャ「…てめーか。悟空を殺した奴らの仲間ってのは」

ベジータ「……そのゴクウとやらが誰かはさておき」

ベジータ「少し休戦だ。と言うより貴様ら、命が惜しくば俺に協力しろ」

ピッコロ「…どういうつもりだ?」

ベジータ「何を悩んでいるんだ、ナメック星人。切るのは左から二番目に決まっているだろうが」

ピッコロ「むぅ…。なるほど…」

天津飯「おい、何敵と慣れ親しんでいるんだ…」

クリリン「うーん…俺たち、あいつらがモコモコ生えてきてからずっと流れで麻雀してたからな…」

悟飯「この人、まだ地球に来てから何も悪いことしてなさそうですし…」

クリリン「話を聞くだけ聞いてみても良いんじゃないか?」

餃子「天さん、どうする?」

天津飯「むむむ…」

ベジータ「いずれにせよ、貴様らが今を生きるためには俺の話を聞く他ない」

ベジータ「俺の手にかかれば貴様らなどあっという間に殺せる。その俺が協力を仰いでいるからには、黙って話を聞きやがれ!」

ベジータ「………と言う訳だ。はっきり言って単体でかかったら俺ですら適わん」

クリリン「参ったな。いつの間にか一人いなくなってたと思ったら仲間割れがあったのか…」

ピッコロ「三麻に熱中してたからな…」

悟飯「終わったら4人麻雀やりましょうね!」

餃子「…三倍満」

天津飯「確かに一匹だけやたら異様な気を放っているが…」

ヤムチャ「へっ!嘘くせえ!おい、ベジータとか言ったな?」

ヤムチャ「俺と栽培マンとやらにやらせてくれ。ここらでお遊びはいい加減にしろって事を見せてやりたい」

ヤムチャ「戦闘力だか何だか知らんが、これだけの大人数で一斉に動けば何とでもなるだろう」

ベジータ「……お前、これほどまでの力量差に気付いていないと言うのか?いや、それとも…」

ベジータ「…好きにしろ。どちらにしろ俺は後数時間は動くつもりはない」

ベジータ「だが一つだけ忠告はしておく。止めておいた方が良いぞ。命が惜しいのならば、な」

ヤムチャ「そのままあのヤローの首を取ったらお前も仕留めてやるよ…」

ヤムチャ「行くぞ!栽培マン!」

ベジータ「このアホに付き合ってやれ、栽培マン」

栽培マン*5「ギィッ!」

ヤムチャと栽培マン*5が三倍満へと飛びかかったその刹那。

一向は見た。これまで微動だにしなかった三倍満が動作に移ったことを。

栽培マンAの上空からの蹴りを交わし

栽培マンBの背後からの拳を受け流し

栽培マンCの頭から放たれた消化液を弾き飛ばし

栽培マンDの突進を突き飛ばし

栽培マンEの羽交い締めを物ともせず

ヤムチャが放ったかめはめ波は全くの効力を成さなかった。

全ての攻撃を受け流した三倍満はそのまま反撃へと移る。

栽培マンの戦闘力は1200、ヤムチャの戦闘力は1480。対して三倍満の戦闘力は24000。

24000?否。

それは子の場合である。


ベジータ「そう言えば言い忘れていたが」

悟飯「?」

ベジータ「ここは奴の誕生した場所であり、良い土を使っている。奴のポテンシャルが最も発揮する場所だ」

ピッコロ「つまりどういう事だ?」

ベジータ「今の三倍満の戦闘力は36000だ。あいつらが20人いたとしても、話にならん」


先に…

言っておけよ…


圧倒的な戦闘力の差に、成す術はない。

ヤムチャだったもの「」

クリリン「ヤムチャさーん!!!!」

ベジータ「だから忠告してやったと言うのに…おい!汚いから片付けておけよそのボロクズを!」

天津飯「み…見えなかった…。ヤムチャのかめはめ波によって起きた爆煙が晴れたと思ったら、特攻した全員が絶命していた…!」

ピッコロ「とんでもない速さだ…!!」

ベジータ「おまけにあのアホどものせいでまた戦闘力が上がってしまっている」

悟飯「どういう事ですか?」

ベジータ「あいつらは場所によるが、敵を倒す事に戦闘力が300だったり1500だったり上昇する」

餃子「ひええ…」

ベジータ「…まぁ、残り数時間もすれば俺が奴を倒してやる。その代わりにドラゴンボールとやらの事を全部話せ」


三倍満 現在戦闘力 38100

ベジータ「ん。ツモ。6000オールだな」

ピッコロ「チッ…」

悟飯「ベジータさん、強いですね」

クリリン「またベジータが1着か~」

ベジータ「暇を潰すのは麻雀がやはり一番だな…」

ベジータ「おい三つ目かチビ。入るか?」

天津飯「…いや、俺は良い。万一、三倍満が動いた場合に備えなくては…」

餃子「ボクも見張る…」

ベジータ「三倍満は親…つまりベストコンディションの場合、自分からは動かないと説明しただろうが…」

悟飯「それだと三倍満じゃなくなるって話ですね」

クリリン「相手が動いてからじゃないとダメって話でもあるな」

ピッコロ「親の第一打はどうやっても三倍満にならないという事だな…」

クリリン「くぁーっ、ベジータマジ強いわ!悟空も強かったなー」

ピッコロ(また焼き鳥か…)

悟飯「やっぱりお父さんは麻雀も強かったんですか?」

クリリン「あぁ。1着を良くランチさんと争ってたよ。良くもまぁ引きが強くて…早くあいつも来ないかなー」

ベジータ「…そのゴクウとやらは、やはりカカロットの事か?」

クリリン「ああ。今向かってるはずだ。あの世で特訓をしてな!」

ベジータ「ドラゴンボールとやらで生き返らせたのか…ちっ、無駄なことを」

ベジータ「今更ラディッツに苦戦したカカロットが帰ってきても状況は激変はしない」

悟飯「お父さんはその時よりももっともっと強くなって帰ってきます!」

ベジータ「へっ。そうそう強くなれれば苦労はしねぇっての」ペシッ

クリリン「あ、それロン。18000」

ベジータ「この野郎…っ!」

天津飯「……ところで、どうやって三倍満を倒すつもりだ?」

ベジータ「丁度この頃は、後5時間もすれば日が暮れて満月になる」

クリリン「あっ!そういう事か!」

悟飯「?」

ベジータ「尻尾のあるサイヤ人は満月を見るとブルーツ波の影響で大猿になる…。その戦闘力は人間の状態の10倍だ」

ベジータ「だがその代償として、理性を失いがちになる。大猿化の中途半端な状況で三倍満に攻撃してやられては元も子もない」

ベジータ「お前らはその間俺の警護をしろ」

餃子「…その後お前がボクたちを倒さないという保証は何処にある?」

ベジータ「…………」

ピッコロ「安心しろ、その大猿化は出来ない」

ベジータ「どういう事だ?」

ピッコロ「月は俺が事前に破壊してある」

ベジータ「なっ…!!」

ベジータ「ぐっ…!ならどうするつもりだ!奴を倒す方法が本当にないぞ!」

ベジータ「俺が大猿化すれば三倍満の多少の戦闘力のアップも問題ないとは思っていたが、そうと分かれば大問題だ!」

ベジータ「今現在奴の戦闘力は最低でも37800だ!俺が二人いても適わんぞ!!!」

ベジータ(厳密にはやはり時間帯によるが、パワーボールによる大猿化は可能ではある…)

ベジータ(しかしパワーボールは俺自身の寿命を縮めかねん…。使うつもりはない!)

天津飯「手段が無いと分かったら慌てふためいているな…」

餃子「格好悪い…」

ベジータ「やかましいわ!」

クリリン「ま、まぁまぁ…」


クリリン「!」

ピッコロ「!」

悟飯「!」

天津飯「!」

餃子「!」

ベジータ「?」


クリリン「来たかっ!悟空!」

ベジータ「気配でわかる不思議な力とやらか…」

ベジータ「カカロットか分からんが…スカウターで推測してみるか…」

ベジータ「………!」ピピピピ

クリリン「悟空の戦闘力とやらは幾つなんだよ!」

ベジータ「5000だ。あと4分ほどで着くだろう」

天津飯「ご…5000か…。それじゃ三倍満に遠く及ばない…」

ベジータ「いや、最低でも5000という事だ。そこからお前たちお得意の戦闘力上げが出来るはず」

ベジータ「……カカロットの戦闘力次第だが…策はありそうだな…」

悟空「おっす!」

悟飯「おとうさーん!」

クリリン「悟空ーっ!」

天津飯「悟空…」

餃子「待ってた!」

ピッコロ「へっ…。相変わらずとぼけた顔しやがって」

悟空「……ヤムチャの気が感じられねえ…」

クリリン「や、ヤムチャさんは…」

悟空「…おめぇか、ヤムチャをやったのは…」

ベジータ(戦闘力がどんどん上昇してやがる…)

悟空「そして東の都の人たちを殺したのもおめぇか!」

悟空「答えろ!」

ベジータ「8000…。…何とかなるかもしれんな。……説明してやる」

悟空「なーんだ。ヤムチャを殺したのはおめぇじゃねぇのか」

ベジータ「お前の言う東の都の連中を殺した奴も、もう俺が粛清してある」

悟空「そうなるとおめぇと戦う理由がねぇんだよな…困ったな」

悟空「でも、ヤムチャはあいつのせいでやられちまったのか…!カタキ、取ってやらねぇとな…!」

ベジータ「…お前との戦いは後だ、カカロット。正直に答えろ」

ベジータ「今の状態のそれが限界か?」

悟空「いや?これの2倍までは体が持つとは思うけど…それ以上はどうかな~」

ベジータ「……それだけあれば、何とかなるか…?」

ベジータ「良いか、お前ら。大猿化が出来ないと分かった今、はっきり言ってカカロットと俺以外は足手まといだ」

ベジータ「貴様らは帰ってミルクでも飲んでやがれ」

クリリン「ミルクはともかく…足手まといってのはマジっぽいな…」

悟飯「麻雀でもやって待ってましょう!」

天津飯「悔しいが実力差は歴然だからな…」

餃子「そうする…」

悟空「あ、ピッコロ!おめぇにちょっと話が…」

ピッコロ「何だ?」

悟空「……………」ごにょごにょ

ピッコロ「…………」ごにょごにょ

ピッコロ「…フン」

悟飯「ピッコロさんも麻雀打ちますよね?」

ピッコロ「いや、俺は行く用がある。お前たちで先に行っていてくれ」

クリリン「じゃあ、カメハウスで待ってるからな。早く来いよ」

悟飯「待ってますよー!」

天津飯(この面子で囲んだら…餃子のやり放題なんだが…)

餃子(超能力は有能)

悟空「…よし、みんな行ったか…」

ベジータ「良いか、良く聞いておけ。そして初めから全力でかかれ」

悟空「おめぇこそ、出し惜しみしねぇでくれよな!」

ベジータ「…ふん、お前に言われるまでもない」

悟空「これが終わったらおめぇとも、カメハウス行って戦いてぇなぁ!」

ベジータ「それは、実戦でか?卓の上でか?」

悟空「勿論、両方だ!」

ベジータ「作戦はこうだ!きちんと覚えろよ!二度は言わんぞ!!」

ベジータ「この場所で戦った場合の三倍満の戦闘力は36000以上。俺たち二人が束になっても勝てる相手ではない」

ベジータ「だが、場所さえ移せば奴はベストコンディションではなくなる。移動する際にもこいつはまた戦闘力を上げるから、そう遠くまで行く必要はないだろう」

ベジータ「恐らく移動した後の三倍満の戦闘力は27000程度。言っておくがこれでも俺よりも、勿論お前よりも遥かに強い」

悟空「協力して戦おうってんだろ?分かってるって」

ベジータ「喜ぶが良い。貴様のような下級戦士が超エリートと徒党を組めるのだからな…」

悟空「落ちこぼれだって必死に努力すればエリートを越える事があるかもよ?」

ベジータ「くっくっく…面白い冗談だ」

悟空・ベジータ「行くぞっ!」

2倍界王拳発動の悟空とフルパワーのベジータが三倍満に一撃を加えると同時にその場から離れる。

三倍満はその攻撃を受け反撃に移るため、二人を追った。

ベジータの想定通り、適当な移動を終えた後、三倍満の戦闘力は27000程度に推移。

しかしながら、2倍界王拳発動中の悟空の戦闘力は16000程度。

フルパワーのベジータの戦闘力は18000程度。

これでもまだ、戦闘力の差の開きは大きい。

ましてや急増のコンビである二人の攻撃の足並みは揃わない。

戦いの時間が伸びるに連れ、押されていく二人。


ベジータ「ちいいいいっ!」

悟空「このままじゃまじぃ…体持ってくれよ!3倍だーっ!!」


三倍界王拳の悟空が三倍満の戦闘力に肉薄し、その攻撃が三倍満に初めて通った。

大きく仰け反って体制を崩す三倍満。これを見てベジータはここを機と定めた。


ベジータ「カカロット!同時にエネルギー波を放つぞ!全力でかかれよ!」

悟空「分かった!」

ベジータ「ギャリック砲!!!!」

悟空「三倍満かめはめ波!!!!」


同時に放たれたそのそっくりな二つのエネルギー波は、見事三倍満に直撃。

24000の2回分は、丁度親の役満に相当する。


三倍満「………!」


当然、子の三倍満では多少の積みがあったとしてもひとたまりもない。

ここに三倍満の消滅を持って、三倍満との死闘に終止符が打たれることとなった。

悟空「はあっ…はあっ…。や、やったぞ…」

ベジータ「はあっ…はあっ…そのようだな…」

悟空「へへっ…。限界を越えた界王拳のおかげで、オラもう体ガタガタだ…」

ベジータ「へっ、やっぱり限界を越えてたってわけか…」

悟空「い、言ったろ?2倍以上は…体が持つか分からねぇって…」

ベジータ「確かに、そんな事を言っていたな…」

悟空「修行で試したのは2倍までだったんだ…。3倍以上はいつまで持つか分からねぇ…」

悟空「正直、賭けだった…。けど、三倍満を移動させた以上、ここで仕留めねぇと…」

ベジータ「ベストコンディションではない、親でない三倍満は、自分から仕掛けられるからな…」

悟空「戦闘力ってのを下げるためとは言え、やっぱ格上のあっちから行動出来るってのはつれーぞ!」

悟空「い、いててて…まぁ無事に済んだから良いけど…もう鼻くそほじくる力もねーや…」

ベジータ「そうか…」


ベジータ「そいつは好都合。動けないまま、そのまま死ね」ブオオオオン

悟空「……やっぱり、おめぇはそういう奴なんだな」

ベジータ「それはそうだろう。わざわざこんな辺境の星に、観光のために来ると思うか?実は善人で、話せば分かるとでも思ったか?」

ベジータ「厄介なのは、三倍満と貴様だけだという事は分かった。ならばまずは貴様と徒党を組み、三倍満を倒す。その後に疲弊しきった貴様を殺せば全て解決だ」

ベジータ「戦闘力が何倍にもなるとかいう隠し玉も、動けないようなら何の意味も持たんからな」

悟空「…目的はやっぱりドラゴンボールか?」

ベジータ「その通りだ。俺にはどうしても倒さなければならない奴がいてな…。そこで俺は考えた。年老いもしない永遠の若ささえあれば、いずれはそいつに追いつけると」

悟空「今みたいにオラと組んで戦っても無理なんか…?」

ベジータ「そいつは今戦った三倍満のレベルを超越している。こいつの10倍…いや100倍…あるいはそれ以上かもしれん…」

悟空「なるほどな…。確かに、レベルの違いってやつを、今オラ初めて感じたぞ…」

ベジータ「安心しろ。他の奴らもドラゴンボールの事を全て聞きだしたらまとめて地獄に送ってやる」

悟空「ふ…ふふふ…」

ベジータ「どうした?死を前にして気でもふれたか?」

悟空「いや…多分お前の言ってる事は多分色々と無理だなって思ってよ…」

ベジータ「へっ、戯言を。そのまま笑いながら死んでろ」


「それはこっちのセリフだ」

ベジータ「誰だっ…ぐはぁっ!」

ピッコロ「そいつにはまだまだ死なれちゃ困るんでね…」

ベジータ「ナメック星人!ば、馬鹿な!いつの間に…!?はっ!」ヒュンッ

ピッコロ「遅すぎて欠伸が出るぜ」

ベジータ「ぐっ…ならばこれを受けきってみろ!もしくは避けるか!?この位置関係で避けてみろ!貴様は助かっても地球はコナゴナだーっ!!!」

ベジータ「ギャリック砲っ!!」

ピッコロ「ふん…。避けるまでもない」

ピッコロ「かあっ!!」

ベジータ「!?」

ベジータ「き…気合だけで…俺の最強の技を消し飛ばしやがっただと…」

悟空「も、もう良いだろ、ベジータ…」

ベジータ「あ…ああ…あああ…」ガタガタ

悟空「これがお前の言っていた…レベルの違いって奴なんだろ…」

悟空「う…上手くいったみてぇだな…神コロ様…」

ピッコロ「…ベースは殆どピッコロだ。ピッコロで良い」

ベジータ「ど…どういう事だ…き、貴様…そんな力を隠し持っていたのか…!」

ピッコロ「いや、お前と対峙した時の俺にはこんな力はなかった…」

悟空「おめぇが欲しがってるドラゴンボールってのは、神様ってナメック星人が作ったやつなんだ…」

悟空「神様は神様になる時に、悪い心を分離させなければならなかった。そしてそれがピッコロ大魔王って奴だったんだ」

悟空「二人は元々一人のナメック星人で、分離によって両者とも著しく弱体化してしまっていた」

悟空「そして今回、神様の方の寿命は尽きる直前だった…」

悟空「放っておけばどっちもおっ死んじまう。ドラゴンボールもなくなっちまう。そうするともうやるべき事は…」

ベジータ「…………」ブルブル

ピッコロ「死ぬほど嫌だったがな…。死ぬよりはマシだからな…」

悟空「だからまず一つ。もう地球に神様はいない。つまりドラゴンボールはもう、ねぇんだ」

悟空「そしてもう一つ。…オラもここまでとは思わなかったが、一体化して一人になったこいつは…強えぇ…」

悟空「それこそ、オラたちが100人がかりで束になってかかっても勝てそうもねぇな、こりゃ…」

ピッコロ「…まぁ、そんなところだ。今の俺は、神でもピッコロでもない…。本当の名前さえ忘れた一人のナメック星人と言ったところだ…」

ベジータ「…………」ガタブル

ピッコロ「レベルの違いに気付いて涙まで流したか…。まぁ良い、お前は今のところは地球に危害を加えていない。せめて苦しまずに葬り去って…」

悟空「…ピッコロ。こいつを殺すのは止めてもらえねぇか?」

ピッコロ「………そう言うと思ってたぜ。一応、理由を聞かせて貰おうか?」

悟空「もしかしたらこいつも、おめぇみてえに改心して、オラたちの仲間になってくれるかもしれねぇし…」

ピッコロ「ハッ。お前はいつも甘いな。こいつも言っていただろう。善人だと思ったか?と」

ピッコロ「それに第一、俺がいつお前らの仲間になったと言うんだ?」

悟空「…強がっちゃって」

ピッコロ「………他の理由は?」

悟空「やっぱり一番は、こいつと正々堂々戦ってみてぇってのかな…。結局、こいつとは今回共闘しただけだったし…」

悟空「もしこいつが暴走しても、今のピッコロなら余裕で止められるだろ?」

ピッコロ「まぁ、それはそうだが…」

悟空「それに何より…」

悟空「こいつと対局して、三倍満をブチ当ててねぇからな」

ピッコロ「へっ…。本当に甘いやつだよお前は…」

ピッコロ「さしずめ…あんまいマンと言ったところか…」

悟空「…………」

ベジータ「…………」

ピッコロ「…………」

悟空「ピッコロ…」

ピッコロ「うるさいこれ以上何も言うな!」


完ッ!



「け、研究データが…!!」

「パーフェクトな人造人間を作るための研究データが…パァ…ぐすん…」



「良く分かりました。では、点ドラゴンボールで対局しましょう」

「ザーボンさん!追いかけるんですよ!早く!テンパりなさい!」



「悟空さんとの手合わせ、楽しみだな。超サイヤ人同士で戦うの初めてだし」

「久々にこいつを振るってみるか…」



「俺は?」

「ドラゴンボール無くなったわけだけど、俺は?」

以上になります。
ヤムチャが死なないと親の三倍満と戦う理由がないからね。仕方ないね。
この時点のベジータとはそう簡単に和解出来ないからね。力で押さえ込むしかないね(腹パン)
原作の神コロ様の寿命設定が適当過ぎるんですがこれは一体どうしたら…

初DBSSになりましたが、読んで頂けた方、ありがとうございました。後ほど一作投稿してから、まとめてHTML化依頼致します。

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