アムロ「強くてニューゲームか…」(174)

―――宇宙世紀0079

地球連邦と地球からもっとも遠いコロニー群、サイド3…ジオン公国の間で、後に一年戦争と呼ばれる戦いが繰り広げられた時代

その戦乱を潜り抜けた少年が居た

白き流星

白い悪魔

モビルスーツ・ガンダムを駆り、戦局を変えたとまで言われた少年

アムロ・レイ

かつて、伝説となった少年は時の流れと共に大人になり

自らの業と共に光の中へと消えた

そして…

アムロ「……………ここは」

目が醒めると同時に違和感を覚える。

アムロ「……νガンダムに乗っていた筈だが」

今居る場所はどう見てもmsのコックピットではない

アムロ「………ここは」

辺りを見回して、ようやく自らの居る場所を把握する

アムロ「……俺の……部屋…? サイド7の……」

今はもうある筈もない、懐かしい空間の中にアムロ・レイは居た。

ハロ「ハロッ!!アムロ!!オハヨ、オハヨ!!」

アムロ「ハロ?お前まで…」

近づいてきたハロを抱え上げ、部屋の中を歩く。

…やはり、かつての自分の部屋だ。

忘れる訳がない

アムロ「…何故?」

疑問を声に出しても誰も答えてはくれない

?「アムロー!!起きてるの!?アムロー!!」

階下からの声。

良く知る声であり、そして酷く懐かしい声。

フラウ「アムロ!!聞いてるの!?」

アムロ「っ!!」

階段を駆け上がり、無遠慮に開かれた扉から顔を出したのは、フラウ・ボゥという“少女”だった

フラウ「アムロ…って、起きているなら返事くらいしなさいよもうっ!!」

アムロ「フラウ…?」

眠いからねる

ぶん投げたらゴメンよ、ばいちゃノシ

フラウ「アムロ?そんな驚いた顔してどうしたのよ?」

アムロ「いや、キミはフラウ・ボゥ…だよな?」

フラウ「寝ぼけてる?もしかして?」

目の前の少女はフラウ・ボゥだ。

あの頃の、自分を何かと面倒を見てくれていた幼馴染に間違いない。

アムロ(……どういう事だ…これは!?)

自分は夢でも見ているのか?

乗機であるνガンダムの…サイコフレームが見せる幻の類いなのか?

……それとも、自分は既に死後の世界にでもいるのだろうか?

フラウ「……アムロ、顔色が悪いわよ?」

アムロ「………っ……」

フラウの心配する声を微かに聞きながら、アムロは自分に何が起きたのか必死に考えていた。

ハロ「アムロ、ノウハミダレテル!!アムロ、ノウハミダレテル!!」

アムロ「…黙っていてくれハロ!!」

ハロ「ハロ!!ハロ!!」

フラウ「アムロ!!気分が悪いからといってハロに当たらないでよみっともない!!」

出来うる事ならば自分だって冷静でいたい。

だが、何も解らないという事実は冷静さを根こそぎ奪っている。

フラウ「アムロ、気分が優れない所悪いけど今すぐにここを出ないといけないのよ」

アムロ「……家を?何故だ?」

フラウ「放送、やっぱり聞いてなかったのねアムロ、今朝方避難勧告が出されたのよ、もうご近所さん達はほとんどシェルターに向かってるわよ」

アムロ「避難…勧告…?」

その言葉に、ぞくりとした物を感じた。

フラウ「そうよ、早く行かないと」

アムロ「……待て、フラウ…少し待ってくれ」

かつての記憶、忘れられる筈もない出来事が脳裏に浮かぶ。

アムロ「………フラウ・ボゥ」

フラウ「……?」


アムロ「…今は、いつだ?何年の何月何日だ、フラウ?」

フラウ「日にちの感覚までおかしくなってるのアムロ?」

アムロ「良いから答えてくれ!!」

フラウ「うっ…怒鳴らなくても良いじゃないの…えと、今日は…――――――――」

アムロ「ッッ!!」

やはりか、と思うべきなのか。

フラウの口から放たれた日付は、正にあの日の日付だった。




サイド7にジオン……ザクが侵攻してきた日と。

アムロ「くそっ!!何故だ!?」

フラウ「何故って言われても…私だって不満はあるわよ」

アムロの台詞の意味をいまいち把握していないフラウの言葉を聞きながら、アムロは急いで身仕度する。

何故?

どうして今、自分は過去をもう一度繰り返している?

アムロ(…そんな事を考えている余裕は無い…か!!)

これから起こる事を自分は知っている。

アムロ「……なら…!!」

あの惨劇を黙って見過ごす訳にはいかない。

………

アムロ「………あった」

フラウに言付けをし、家を出たアムロが向かったのは軍用施設の一角だ。

自分の記憶を辿り、可能な限り早くそれを動かす為に。

アムロ「……ガンダム」


大型のトレーラーに乗せられたガンダムがアムロの目の前にあった。

テム「アムロ、非常事態だと言うのに何故港へ向かわなかった?」

アムロ「…父さん」

この時はまだ民間人であるアムロが軍用の施設へ入れたのは父親であるテム・レイのおかげと言って良い。

テム「……まあ良い、どうせ私達もこれと一緒にホワイトベースへ向かう、今からなら一緒に居た方が安全だろうからな」

既にコロニー内にはザクが侵入している

散発的な爆発音がコロニー内に響いていた。

アムロ「……父さん」

テム「なんだアムロ?話なら後にしてくれ」

アムロ「………」

やはり、と言うべきか。

父はモビルスーツ…ガンダムの事以外は考慮している様子は無い。

アムロ(………良いさ、分かっていた事だ)

振り返りもせずに周りに指示を出す父親から離れ、アムロはガンダムへと近付く。

アムロ(この混乱の中なら近づいても気付く奴は居ない、予定通り勝手に動かさせて貰う…!!)

アムロ「………同じだ、あの時と」

コックピットに入り、シートへ座る。

正面のディスプレイの表示を読み取り、機体のチェックをする。

アムロ「……火が入っている、それも同じだ」

コントロールレバーを握り、ゆっくりと動かす。

アムロ「……また、こいつに乗るとはな」

駆動音が大きくなり、機体各所の排気ノズルから熱を吐き出す。

アムロ「……やれるさ、あの時も出来たんだからな」

消灯していたデュアルセンサーが光を放つ。

アムロ「さあ、立ち上がれ…ガンダム!!」

………

デニム「ジーン!!我々の任務は偵察だ、戻れ!!」

ジーン「シャア少佐だって戦いで出世したんだ!!」

ザクiiにて偵察任務についていたジオン兵、その一人の独断専行によりサイド7のコロニー内は凄惨な状況となっていた。

ジーン「へへ…パーツばかりでろくな戦力も居ねぇか」

辺りを銃撃しながら進むザク。

発砲による爆発音と建物が瓦礫と化して崩れる音、そして逃げ惑う人々が放つ悲鳴と断末魔。

モビルスーツ・ザクが進む道は地獄と言えるものと化していく

ジーン「………ん…なんだ?」

辺りの破壊に勤しんでいた最中、ある物を見つけた。

上空、コロニーの円筒の中央と言った方が良いか。

そこに光る物がある。

ジーン「………落ちて…いや近付いてくる?」

その光がバーニアの光だとようやく気付く。

その光を放つ物はまるで白い流星のように見えた。

ジーン「……っ!? で、デニム曹長!!」

僚機に呼び掛けを始めた時には、ジーンが操るザクは…その白い流星によって行動不能に陥れられていた。

アムロ「遅かったか…!!」

上空からの奇襲により、瞬く間に一機を行動不能にしたアムロは憤るように言葉を吐く。

奇襲、言葉にすれば簡単だが…アムロのしたそれは凄まじいの一言だった。

アムロ「……腕と足を切り落とされれば何も出来ないだろう、パイロット…コックピットを焼かれたくなければ投降しろ!!」

ジーン「…ひ…ひぃ……!?」

ガンダムが両腕に持つビームサーベルをザクのコックピットへと向ける

つかれた、休憩

今日は戻らんかもしれんから一応じゃーなノシ

デニム「ジーン!!」

ジーン「で、デニム曹長!!助けて下さい!!」

もう一機のザクがアムロの操るガンダムへと迫る

アムロ「……そんな隙だらけの突撃など!!」

行動不能にしたザクに突き付けたサーベルを一旦戻し、突進してくるもう一機と向かい合う。

ショルダースパイクを使ったタックルをギリギリのタイミングで回避し、すれ違いざまに先程のザクと同様に腕部、脚部、さらに頭部を切り裂く。

ジーン「っ!?バカな!!」

アムロ「その機体ではもう戦闘は無理だ、大人しく投降しろ」

襲撃に来たザクは撃破した。

これでコロニー内の安全は一応確保された筈だと思う。

アムロ(……恐らく、このザクの本当の目的は偵察の筈……なら)

軍人としての知識を元に推測する。

アムロ(このザク、本隊はシャアの部隊だった筈だ…奴がこんな馬鹿な兵の動かし方をしないと言うのはわかっている)

アムロ「……本来の任務を継続している奴が最低でも一機、間違いなくいる筈だな」

スレンダー「デニム曹長達が…!?」

スペースコロニーの出入口付近で待機、状況の観察を行っていたスレンダーは瞬く間に撃破された僚機を目撃し、連邦のmsの性能に驚愕する。

スレンダー「し、少佐に報告を…!!」

先行した二人は撃墜こそされたものの、戦死は免れている。
だが、救助に向かうのは無謀過ぎる上に本来の任務にも背く。

スレンダー「シャア少佐ならば…!!」

迷う事なくスレンダーはコロニーから脱出を決める。

だが

スレンダー「……っ…!! 発見された!?」

例の連邦のms、白い奴が真っ直ぐに此方へと向かって来る。

スレンダー「う…うあああああああ!?」

勝てる訳が無い。

恐怖心に囚われたスレンダーは一目散に逃げ出した。

アムロ「…やはり居たか!!」

敵機が居るとすればコロニーの出入口付近、そう踏んでいたアムロの視界に、目立つ事も構わずに森林部からジャンプするザクの機影が移った。

アムロ(母艦に戻るつもりか…)

出入口へと着地し、外へと出ようとするザクを見て考える。

アムロ「………なら、案内人になって貰う」

そこで、コックピット内にある通信機器から連絡が入る。

?「ガンダムを動かしている奴!!これ以上勝手な真似をするな!!」

通信を入れると同時に、怒鳴り付けるように叫ぶ声。

アムロ「ブライトか?」

ブライト「っ!? 子供? お前がガンダムを動かしたのか!?」

アムロ(……ブライトも若い、それに俺と初めて会ったような態度だ…フラウと同じだな)

アムロ「ブライト、説明は後でする、可能なら指示したポイントまでビームライフルを射出してくれ!!」

ブライト「何を言っている!!ホワイトベースに戻れと言っているんだ!!」

状況の説明をする時間が惜しい、ブライトからすれば自分の行動の意味を察する余裕も経験もまだ無いのだろう。

アムロ「………良いから黙って指示に従ってくれ!!このままでは奴が来るぞ!!」

ブライト「奴? 一体何を言っている? それに何故俺の名前を知っているんだ!?」

アムロ「…細かい事は後にしてくれ!! シャアの名前くらいは今のお前でも知っているだろう、奴が居るんだよブライト!!」

地の文つきだとやっぱりおせーな

普段書かないからめんどくさい

とりあえず寝る、さっきまで寝てたけど二度寝するじゃーなノシ

ブライト「…シャア? 赤い彗星のシャアか!?」

アムロ「そうだ、サイド7を襲撃した部隊は奴の部隊だ!!」

ブライト「…ッッ!!」

通信機越しに息を飲む気配が伝わる。

連邦の軍人ならば赤い彗星の恐ろしさをまず知っている筈だ。

パオロ「い…今の話は本当か…ガンダムのパイロット…!!」

掠れて呻くように、別の人物の声が割って入る。

アムロ(……この人は…ホワイトベース本来の艦長の……)

パオロ「あ…赤い彗星が居るならば……尚更…む、無理をするな…逃げろ…!!)

ブライト「パオロ艦長!! ご無理を為さらずに…!!」

アムロ「……大丈夫です、いくらこのガンダムの性能が圧倒的だと言っても今は単機です、敵艦に牽制を掛ける以上の事はしません」

パオロ「…………ホワイトベースの……出航までの時間を稼げるか…少年…!!」

ブライト「パオロ艦長!? いくらなんでもそれは!!」

アムロ「可能な限り善処します、ですから許可を下さい」

パオロ「…良いだろう……やりたまえ…!!」

アムロ「……よし、これで良い」

通信を切り、ザクの追跡に専念する。

追跡を気取られないギリギリの距離をとりつつ、母艦へのコースを辿らせる。

アムロ(………今の所気付かれてはいないな、動きにフェイクのような物を感じられない)

もしくは、逃げる事に夢中になり過ぎて追跡されているのも構わずに退避しているだけかもしれないが

アムロ(弱気なパイロットなのは確かなようだが…どちらにせよ真っ直ぐ帰還してくれれば何も言う事は無い)

時間にして数分後、ザクが進む空間の前方にそれを発見する

アムロ「……居たな? シャアのムサイ級!!」

敵の巡洋艦を確認した瞬間にバーニアを点火し、接近し始める。

直後、ガンダム目掛けて火線が無数に伸びる。

アムロが追跡していたザクも、着艦を中断して射撃体制に入っていた。

アムロ「…その程度の弾幕などで!!」

アムロ「奴が出てくる前に主砲ぐらいは潰させて貰う!!」

メガ粒子砲と対空機関砲の火線の網を、雑作も無く掻い潜る。

スレンダー「う、うわあああああああ!?」

アムロ「退け!!」

進路上に居たザクを蹴り飛ばし、更にムサイに接近する。

アムロ「戦闘力だけ奪わせて貰うぞ…!!」

主砲であるメガ粒子砲の砲頭をビームサーベルで切り裂き、更に機銃をバルカンで潰す。

アムロ「……さあ、出てこい…シャア!!」

アムロには一つ気になる事があった。

アムロ(………奴も、シャアも戻って来ているのか?)

アムロとシャアはあの時、同じ場所に居た。

大気圏へと突入し…そして淡い光に包まれていくアクシズに。

アムロ(……貴様も居るのか? シャア?)

それを確かめなくてはいけない。

アムロ(……もし、貴様がアクシズを落とそうとした時のシャア・アズナブルならば……今の内にお前を…俺は貴方を殺さなくてはいけなくなる)

アムロ「………そうは…出来うる事ならばしたくは無い…!!」

アムロ「……っ…!!」

背後に気配を感じ、咄嗟に横にずれるように移動する。

その刹那、先程まで居た所を赤い影が横切った。

アムロ「……来たか!!」

赤い影…否、朱色のカラーリングのザク。

その機体から、正確な射撃でマシンガンがガンダム目掛けて乱射される。

アムロ「……ちぃ!!」

腕部でメインカメラを保護しながらガンダムを後退させるアムロ。

すかさず赤いザクは追撃に来る。

アムロ「………やはり他のザクとは違うな、シャア!!」

アムロ「ザクのマシンガン程度ではガンダムの装甲は抜けない…さあどうするシャア!!」

回り込むように一定の距離を保ちつつ、正確に当ててくる赤いザク。

だが、アムロの言うようにガンダムの装甲にはほとんどダメージは無い。

アムロも被弾するのは避けたい部分を上手く保護しつつ後退する。

アムロ「………さあ、どうだ?」

アムロ「来たな…!!」

マシンガンを撃ちつつ、赤いザクがガンダムに接近する、マシンガンを持たない左腕部にヒートホークを携帯したようだ。

アムロ「………シャアならば……」

突然メインモニタ正面から赤いザクが消え失せる。

アムロ「……っ!!」

直後、カメラの死角…側面から蹴りが放たれた。

だが

アムロ「…そこ!!」

アムロはその不意討ちにすかさず反応し、攻撃が届く前にサーベルで凪ぎ払った。

アムロ「…回避したか…!!」

しかし、サーベルの一閃はザクのショルダーを浅く抉る程度に終る。

アムロ「………」

アムロはその接近戦の後は追撃に出ず、距離を取る。

赤いザクも同様だ。

アムロ「………そろそろだな」

更に下がるガンダム。

ザクの射程距離から抜けない程度の距離を保ちつつ、付かず離れずといった具合に相手を誘導しながら後退する。

アムロ「………違うな、やはり」

その状態を少し保った後、アムロは呟く。

アムロ「……あれはシャアだが、動きに若さがある……どうやら俺だけが時間を遡って来たらしいな」

シャア「……誘われているのか?」

ガンダムに牽制の射撃を行いながら、疑惑を口にする。

シャア「あの性能……それにパイロットの技量、実際に目の当たりにしても信じがたい…」

先程の攻撃、慢心と言えなくも無いが…避わされるとは微塵も思っていなかった。

反撃を避わせたのもほとんどまぐれに近い。

シャア「……まともな射撃用の武装も持たないとたかをくくったは良いが…じり貧だな」

スレンダー「シャア少佐!!」

シャア「来たかスレンダー!! 持って来たバズーカを私に渡せ!!」

初撃でマシンガンでは通用しないと判断したシャアは、スレンダーにバズーカを取りに行かせていた。
武装が届くまで足止めさえしていれば良い。

そう判断し、無闇に格闘戦を仕掛けず、敢えて向こうの動きに合わせていた。

シャア「よし…可能ならば行動不能にした後で捕縛する!! 援護しろスレンダー!!」

アムロ「……誘いに乗った!! 後は!!」

シャアのザクが武器を交換し、再び接近してくるのを確認し、アムロも次の行動を開始する。

アムロ「近付かなければ勝てると思ったかシャア!!」

現在アムロとシャアが交戦しているのは、サイド7のミラー周辺だ。

アムロは、このポイントにシャアを誘い込む為に動いていた。

アムロ「丸腰だと思ったのが間違いだったな!!」

アムロは、ミラーの背面…指定した場所にビームライフルがあるのを確認し、それをガンダムに持たせた。

シャア「ッッ!? 避けろスレンダー!!」

スレンダー「っ!?」

シャアの警告も虚しく、直後にスレンダーの操るザクをビームライフルのメガ粒子が貫いた。

そして、爆砕。

シャア「一撃…!? ザクを一撃だと!?」

ビームライフルの威力に驚愕するシャア

同時に自らの浅はかさを悔やむ。

シャア「……乗せられたと言うのか!? この私が!! 功をを焦るばかりか慢心していたと言うのか!?」

直後、シャアのザクにもメガ粒子が迫る。

シャア「…ッッ!!」

回避するシャア、だかその避ける位置を知っているかのような追撃の光が更に迫る。

シャア「ちぃぃっ!!」

避け切れずに左脚部を焼き落とされる。

更に光はシャアの赤いザクを襲う。

シャア「なんだこれは!? 私は何と戦っているのだ!?」

右腕部に掠り、マニュピレータが使い物にならなくなる。

シャア「私は何と戦っている!?」

シャア「…くぅ…っ…!!」

残るバーニアを最大出力で点火し、離脱を試みる…だが。

シャア「……化け物め…!!」

いつの間にか接近していた白い化け物…ガンダムがサーベルを振り上げていた。

アムロ「……もう抵抗は出来まい……聞こえているかシャア・アズナブル」


シャア「………聞こえている」

シャアのザクを完全に無力化した後で、アムロは回線を開いた。

シャア「……声から察するにまだ子供だな…正規のパイロットか?」

アムロ「…………」

この言い草…やはりあの時代のシャア・アズナブルでは無い。

戦っている時に感じていたものはやはり正しかったようだ。

アムロ(……ならば)

アムロはこの不可思議な現象を…戦いながらもその事を頭の片隅で常に考えていた。

何故時を遡ったのか?

それは考えても現状では答えなど出はしない。

ならば時を遡った事で何が出来る?

アムロ「…………」

シャア「……どうした? 私を殺すべきか迷っているのか?」

違う。

それはもうどうすべきか答えは出した。

アムロ「……貴方を殺したりはしない、貴方にはやるべき事がある」

シャア「………」

何が出来る?

あの時のアムロ・レイに出来ず…今の自分になら出来うる事はなんだ?


…考えるまでもない。

アムロ「……シャア・アズナブル、いや…ジオン・ズム・ダイクンの息子…キャスバル・レム・ダイクン」

シャア「……ッッ!!」

止めるのだ。

アムロ「…全てを話す、だから俺と共に来い!!」

あの忌まわしい記憶が紡がれぬように。

この男が、人類に絶望してしまわぬように。

さーてこっからどうしよう考えてねーや

とりあえずじゃーなノシ

サイド7へのザク襲撃から数日…

連邦軍の新造戦艦…ペガサス級強襲揚陸艦「ホワイトベース」はサイド7を離れ、連邦の宇宙での拠点であるルナツーへとたどり着いた。

アムロ・レイの奮戦によりサイド7は甚大な被害ではあるが…人々が住めぬ程ではない。
…無論、その比較を出来うる存在はアムロ・レイのみではあるが。

ホワイトベースが正規クルーの大半を失った事による、一部民間人をクルーとして徴用した事はアムロが一度経験したそれと大差が無い事もある。

だが、あの時のように大量の民間人でホワイトベース内がひしめくといった状況ではないだけでも僥幸なのかも知れない。

少なくとも、戦いと、飢えという恐怖に怯え…荒んでいく無数の瞳からの物言わぬ威圧からは開放されるのだから。

そして、フラウ・ボゥやカツ、レツ、キッカといったかつてホワイトベースで共に生き抜いた者も、今はこの艦に乗って居ない。

アムロ「………戦争なんて、本来は子供がするものじゃないからな」

セイラ「アムロ、出撃準備良くて?」

物思いに耽っていた思考を凛とした声が外部へと引き出される。

セイラ「ルナツーの防衛宙域を出たら即座に戦闘になるかもしれないわ、大変でしょうけれど……」

アムロ「……大丈夫ですよセイラさん」

セイラ・マス、彼女はホワイトベースに乗り込んでいた。

いや、彼女だけでは無い。
現在、ホワイトベースを操舵しているのはミライ・ヤシマだしさらには砲座にはカイ・シデン…ハヤトの姿まである。

ブライト「アムロ、行けるか?」

アムロ「……ああ、そっちは大丈夫なのか?」

ブライト「……指揮をするのが慣れていないなんて泣き言を言っても良いならば喜んで泣いてやるさ」
アムロ「……お前なら大丈夫さブライト」

ブライト「生意気な奴だ、出撃前のチェック忘れるなよアムロ!!」

アムロ「了解だ」

ホワイトベースの人員は、一部を除いてほとんど変わりない。

セイラ「……アムロ、レーダーに反応合ったそうよ」

アムロ(………シャアを退けたからといって、ジオンが俺達を放置する訳でも無い、か)

当然と言えば当然、ましてやあの赤い彗星が撃破される程なのだ…以前よりも警戒されてもおかしくはない。

アムロ「……アムロ、102ガンダム…出るぞ!!」

アムロの言葉と同時にガンダムを乗せたカタパルトが加速、火花を散らしながら、白き流星を宇宙へと解き放つ。

セイラ「……102発進を確認、次…発進準備よろし?」

?「……問題ない」

セイラ「……………」

?「…何かな?」

セイラ「……いいえ、103発進お願いします」

ブライト「シュミレータの成績は凄まじかったが実戦は違う、頼むぞ」

?「了解だブライトキャプテン…肝に命じておく」

セイラ「………」

ブライト「……期待している、クワトロ・バジーナ」

クワトロ「…ふっ、103ガンダム、出る!!」

クワトロと呼ばれた男は、赤く縫ったガンダム…rx-78-1(改修を施し、使用はrx-78-2と同じ)にて宇宙へと踊り出る。

ちなみにクワトロさんは大尉じゃなくアムロの初期と同じ曹長って事でグラサンだけどノースリーブじゃないクワトロさんです

風邪辛いからねるじゃーな

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