ジャイアント・オーク「明日は旅行だ!」セコンド・ゴブリン「早く寝ろよな」 (48)

>>1は遅筆
・途中何も言わずに更新が途切れる時があるがエタらせはしないと思う
・ルールを守って楽しくデュエル!

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オーク「コーチ!明日はどこかへ旅行に行きませんか?」

ゴブリン「何言ってんだ。せめて試合に勝ってから言うんだな」

オーク「こうも毎日毎日トレーニングじゃ飽きちゃいますよ!たまには骨抜きしたいんです!」

ゴブリン「ったく、しょうがねえな。なら今話題のパワースポットにでも行ってくるか」

オーク「パワースポット?」

ゴブリン「お前が少しでも勝てるようにお祈りしに行くんだよ。分かったらさっさと準備しろ!」

オーク「わーい!やったー!」

オーク「えーっと昼食にお菓子に酔い止めに……」

ゴブリン「おいおい、遠足に行くわけじゃないんだぞ!」

ゴブリン「G(ジャイアント)、お前はこのジムに来てから一度も勝ててないから神頼みしに行くというのにだな……」

オーク「ふんふーん」

ゴブリン「聞いちゃいねえ」

オーク「ところでそのパワースポットってどこなんです?」

ゴブリン「聞いて驚け。《異次元の古戦場-サルガッソ》だ」

オーク「サルガッソか……。聞いたことないな」

ゴブリン「意外と知られてない場所だからな。かつての英雄たちが戦ったとされる戦場にいけばご利益はあるかもしれん」

オーク「うーん、楽しみだ!これは今日眠れそうにないな」

ゴブリン「早朝のバスで出るから早く寝た方がいいぞ」

オーク「はーい」

翌日

オーク「ひえー!なんで目覚ましが鳴らないんだよー!」ドタドタ

ゴブリン「もっと早く走れー!間に合わなくなるぞー!」

オーク「あいてっ!」ドサッ

ゴブリン「転んでる場合か!立て、立つんだG!」

ゴブリン「このままだと間に合わん、最悪オレだけでも乗らせてもらうぞ!」

オーク「ああっ!待って!」

バス内

ゴブリン「さあ早く来い!乗り遅れたなら自分の足で走ってくるんだ!」

デスガイド「えー、右手に見えますのは……」

ゴブリン「スピードが落ちてるぞ!日頃の特訓を思い出せ!」

デスガイド(この客うるさいな)




オーク「ひいひい……」

別のバス停

オーク「ふう……すっかりはぐれちゃったよ」

クリッター「お?ニイちゃんお疲れだねー。バスに乗り遅れたのかい?」

オーク「え?ああ、うん。サルガッソに行きたいんだけどどこのバスに乗ればいいのか分からなくて」

クリッター「サルガッソか……。それなら今から5分後に来るバスに乗れば行けるぜ」

オーク「ホント!?」

クリッター「俺はこの辺詳しいからね。まあ、《手違い》しないように気をつけろよ」

クリッター「お、俺の乗るバスが来たようだ。じゃあなニイちゃん!」



オーク「いやー、親切な悪魔もいるもんだ」

サルガッソ

???「じゃーんじゃじゃーん!今明かされる衝撃の真実ゥ!お前が落ちた落とし穴を掘ったのは……この俺様よ!」

???「《姑息な落とし穴》を……」




ゴブリン「結局Gの野郎は来なかったな。しゃあねえ、オレだけで観光するか」

ゴブリン「ほう、なかなかいい所じゃねえか。あの灯台なんか特に」

ゴブリン「あっちには穴が開いてら。なになに……《異次元の落とし穴》?近づかない方が良さそうだな」

もけもけ「もけ〜」フラフラ

もけもけ「もけもけ〜」ドンッ

ゴブリン「ん?おお!?誰だ後ろから押した奴は!」

ゴブリン「うわああああああ!」

ゴブリン「いてて……ここは?」

異次元の狂獣「グルル……ガウッガウッ!(いてーな!俺の背中に落ちてきて謝罪もなしかよ!)」

ゴブリン「な、なんだオメー!やる気か?」

異次元の狂獣「アオウッ!(食ってやらあ!)」バクッ

異次元の狂獣「グウウ……(ざまーみやがれ。雑魚が俺様にたてつくからだ)」

異次元の狂獣「グッ!?ギャオウ!(なんだ!?口の中で何が起きている!)」ペッ

ゴブリン「へっ、引退したとはいえオレもまだまだ戦えるな」

異次元の狂獣「グルル……(テメー……)」

ゴブリン「来いやあ!テメーみたいな奴は一から教育してやらあ!」

ゴブリン「ハッハッハッ!どうだ参ったか!」

異次元の狂獣「ガウ……(この俺が負けるなんて……)」

ゴブリン「よーし、テメーはオレのジムで可愛がってやる!さてここから脱出を……」

マンティコア「待て。俺様の部下をひどい目に合わせてくれたみてえだな」

ゴブリン「何者だ!?」

マンティコア「俺様の名は《暗黒のマンティコア》。この辺の異次元を根城にしている」

ゴブリン「はっ、この辺の異次元なんて大層なもんだ。オメーめオレのジムに連れて鍛え直してやる!」

マンティコア「それはどうかな。ハアッ!」ゴオオ

ゴブリン「な、なんて咆哮だ!足が動かねえ!」

マンティコア「ククク。俺様の咆哮には戦意を喪失させる効果があるのさ」

マンティコア「さらに……くらいやがれ!」

ゴブリン「なんだこの壁みてーなのは……な、なんか力が抜けていくぞ」

マンティコア「これぞ《分断の壁》!貴様はもはやどうすることもできまい!」

異次元の狂獣「ガウッ!(出た!マンティコアさんのトラップコンボだ!)」

ゴブリン「ち、ちくしょー……」

荒野

オーク「あの悪魔の通りのバスに乗ったらこんなとこ来ちゃったよ……」

オーク「騙されたのかなあ……」

グレファー「おい。貴様こんなとこで何をしている」

オーク「あ、いやちょっと道に迷っちゃって」

グレファー「道に?それは大変だな。俺が近くの町まで送ってってやろう」

グレファー「俺は《戦士ダイ・グレファー》。お前の名は?」

オーク「《ジャイアント・オーク》です」

グレファー「よし、では早速行くぞ!」

オーク「グレファーさんはどうしてここに?」

グレファー「ここには俺のライバルがいてな。今日も戦いを挑もうと探していたところなんだ」

オーク「へえ。ライバルですか」

グレファー「むっ。噂をすれば……見つけたぞ、《荒野の女戦士》よ!」

女戦士「げっ、また現れたよあのヘンタイ……」

グレファー「ここであったが22時間と17分目!今日こそ決着をつけてやる!」

女戦士「悪いけどパス。あたしは今そんな気分じゃないの」

グレファー「問答無用!くらえっ!」

女戦士「ちょっと、戦士の癖に不意打ちとかありなの!?」

オーク「うわっ!切られた部分の空間が!」

グレファー「フフフ……この剣は異次元へと繋がる空間を生み出すことが出来るのだ!今日こそは負けんぞ女戦士よ!」

女戦士「同じ軍なのにマジで殺しに来てるよ……。仕方ない、腕が落ちても文句言わないでよ」

グレファー「ふっ、それでこそ我がライバル。さあ来い!」

女戦士「ハアッ!」ブン

グレファー「なんの!とりゃあ!」ガキン

女戦士「チッ、それなら!」シャッ

グレファー「うおっ!?今のは危なかったぞ」

女戦士「喋ってる場合かよ!」




オーク「す、すごい……。なんて高レベルな戦いなんだ……」

グレファー「どおりゃあ!」

女戦士「たあああっ!」

ガキン

グレファー「しまった!」ダッ

女戦士「武器が飛んでった!」ダッ

グレファー「だが、掴んだのは俺の方が先みたいだな!」

グレファー「その隙だらけの背中にダイレクトアタックだ!」

ブウン

グレファー「グハッ!?何故俺の腕が……!」

女戦士「さっきあんたが作った空間、ちょっと利用させてもらったよ」

グレファー「くっ、俺としたことが……」

女戦士「さて、あんたいつも付きまとってばっかでムカつくしちょっと異次元で頭冷やしてきな!」ドン

グレファー「ま、待て!うおおおおお!」シューン



女戦士「さてと……。いやーごめんね戦いに巻き込んじゃって」

オーク「い、いやむしろ戦いの参考になりました」

女戦士「そういってくれると嬉しいよ。あんた、どうしてあいつと一緒に?」

オーク「ちょっと道に迷っちゃって……。それであの人が近くの町まで送ってくれるって」

女戦士「そっかー、道に……。どこへ行こうと思ってたの?あたしなら目的地まで道、分かるかもしれないし」

オーク「サルガッソって場所なんですけど……」

女戦士「サルガッソかー、結構遠いわね。ここから行くには異次元を渡った方が近いかも」

オーク「異次元ってどうやって……」

D・D・M「異次元への道をお探しかな?」

オーク「うわっ!あなたは一体?」

D・D・M「私は《D・D・M》。異次元のプロです」

女戦士「異次元のプロってすごくうさんくさい肩書きね……」

D・D・M「あなた達異次元に行きたいのでしょう?ならば私の開発した《異次元隔離マシーン》を使って異次元へ飛びなさい」

オーク「コーチに会うにはその手しかないか……。よし、行くよ!」

女戦士「あたしも行くわ。サルガッソって古戦場なんでしょう?戦士としてはちょっと興味があるわね」

D・D・M「そこのお嬢さんはこの鎧をつけなさい。異次元に入る時の重力を吸収してくれますよ。そこのオークは……脂肪が重力を跳ね返してくれるでしょう」

オーク「適当すぎない!?」

D・D・M「さあマシーンのスイッチを押しますよ」ポチッ

D・D・M「出ました!これが異次元の空間です。ささ、消えないうちに早く」

女戦士「よーし」ヒョイ

オーク「行くぞ!」ヒョイ




女戦士「うう……すごい重力。この世との因果が切断されてるみたい」

オーク「は、腹の肉が千切れる……」

異次元

オーク「うわああああああ!」

女戦士「ちょっ、落ちてる!?」

オーク「いてっ!」ドシーン

女戦士「あたっ!」

「ぐえっ!」

オーク「今、下から声が……」

グレファー「えーい!降りんか!」

女戦士「あら、あんたこんなとこにいたの」

グレファー「お前達!よくも俺を閉じ込めてくれたな!」

女戦士「これに懲りたらもうあたしを追うのやめてよね」

グレファー「まだお前との決着がついていない以上、戦いをやめるわけにはいかん!」

女戦士「駄目だこりゃ……ん?なんか聞こえない?」

オーク「ここには誰もいないはずじゃ……あ、あれは!?」


異次元竜「ギャアアアアス!」


グレファー「《異次元竜 トワイライトゾーンドラゴン》!こんなとこに生息していたのか!」

オーク「く、食われるー!」

女戦士「どうする?あたし達で倒せるとは思えないけど……」


「あれ、その声は女戦士さん?」

異次元の戦士「俺です!戦士です!かつて酒場で飲みあったじゃないですか!」

女戦士「ああ、戦士くんか。いたねえそういえば」

オーク「知り合いなんですか?」

異次元の戦士「いや知り合いなんてもんじゃないっすよ!昔、一緒の戦場で戦ってた戦友ってやつです!」

女戦士(ぜんぜん覚えてない)

グレファー「それでその竜はなんなんだ」

異次元の戦士「こいつ?こいつは俺が異次元に迷い込んだ時戦って仲良くなったんです。今でも時たま修行相手になってくれますよ」

異次元竜「…………」スーッ

グレファー「おい、消えたぞ」

異次元の戦士「きっと恥ずかしがり屋なんすよ!女戦士さんのこと紹介しようと思ったのになー」

女戦士(もしかして彼、異次元竜と仲良くなったと思い込んでるだけなんじゃ……)

オーク「とにかく、脱出方法を探さなきゃ。戦士さん、この辺詳しくないですか?」

異次元の戦士「俺に任せてくださいよ!この辺は庭みたいなもんですから!」




異次元の戦士「えーっとこの辺をまっすぐ行けばいいはず……」

グレファー「なんかさらに迷ってる気がするんだが気のせいか?」

異次元の戦士「そんなことないっす!……たぶん」

女戦士「頼りないわねー……」

オーク「あれ、あっちにも人がいるぞ。おーい!」


アサイラント「…………」ジャキッ


アサイラント「フン!」

オーク「うわあっ!」

グレファー「て、敵襲か!」

異次元の戦士「女戦士さん!俺の後ろに隠れて!」

女戦士「あんたじゃ頼りないわ。あたしも戦う」


「ちょっとアサイラントさん!勝手に剣振り回しちゃダメじゃないですか!」


グレファー「お、お前は……!」

グレファー「俺!?」

ライトレイ「えっ……。僕がもう一人?」

オーク「どういうこと?」

女戦士「あんた兄弟いたんだ」

グレファー「お、俺は一人っ子だぞ!」

ライトレイ「なんか混乱してるみたいですね。ちょっと落ち着いてもらえないでしょうか」

ライトレイ「僕の名は《ライトレイ・グレファー》。こっちの彼女は《D.D.アサイラント》さんです」

ライトレイ「僕たちは別の空間からやって来たんです」

異次元の戦士「別の空間だと?」

ライトレイ「いわゆる別世界というやつです。僕は光の道を選んだダイ・グレファーなんです」

オーク「性格もぜんぜん違うね」

ライトレイ「とある事情で異次元に飲み込まれ、そこでアサイラントさんにあったんです。それでアサイラントさんの目的を果たすために一緒に旅を」

女戦士「目的って?」

アサイラント「……私はかつて多くの戦場で引っ張りだこだった」

アサイラント「私の力は戦場で多くの兵士を葬ってきた」

アサイラント「だが、環境の変化とでも言うのだろうか……。私にだんだん仕事の依頼をしていくヤツが減っていったんだ」

アサイラント「戦いの来ない戦士の価値など無にも等しい。私は誰かに必要とされたかった……」

アサイラント「いろんな異次元をまわりいろんな世界を見に来た……。しかし、そこに私は必要とされなかった」

アサイラント「もはや外の世界では誰一人私のことを覚えていないのだ。だから誰かに覚えてもらいたいがために私は必要とされる世界を探している……」

アサイラント「もう無理かもしれないがな……」

オーク「そ、そんなことないよ!」

アサイラント「なんだと?」

オーク「ボクだって弱いよ……。ジムに通ってるのにいつまで経っても一勝もできやしない」

オーク「顔と力が一致しないやつとまで言われてる……。でもね」

オーク「コーチはボクを必要としてくれたんだ!ボクみたいな弱いやつでも絶対強くなれるって!」

オーク「だから……諦めないで!」

グレファー「うむ!オークの言う通りだ!この世に必要のないヤツなどいない!」

女戦士「こんなヘンタイでも剣の腕は確かだからね」

異次元の戦士「元気出してくださいよ!俺たちはあなたのこと覚えてあげますから!」

アサイラント「…………」

アサイラント「フッ、ずっと孤独だった異次元の中で存在を確かめることができるとはな」

ライトレイ「みなさん……ありがとうございます!」

グレファー「よーし!脱出に向けて再度探索だ!」

一方、別の場所

マンティコア「フハハハハ!もう降参しちまいな!」

ゴブリン「ちっくしょー……オレはもう駄目かもしれねー……」

ゴブリン「最後に……Gの顔を見ておきたかったぜ……」

マンティコア「ククク……死ねい!」ブン


漆黒の魔王「させるものか!」ガキン


ゴブリン「な、なんだ?」

マンティコア「何者だ貴様!」

漆黒の魔王「我が名は《漆黒の魔王 LV6》……」

漆黒の魔王「貴様を我が剣の錆にしてくれる!」

マンティコア「いきなり出てきて何を……まあやれるものならやってみろ!」

漆黒の魔王「ぬん!」ズバァッ

マンティコア「ぎゃあ!」ドサッ

ゴブリン「意外とあっさりやられたな……さっきまでオレを苦しめてたとは思えんぞ」

マンティコア「…………」

マンティコア「なーんちゃって」

ゴブリン「生きてやがったか!」

マンティコア「俺様の本当の力……それは再生能力よ!わざとやられてお前たちの驚く顔を見るのが俺様の楽しみなんだよ」

漆黒の魔王「それはどうだかな……」

漆黒の魔王「お前の能力はすでに終わっている……」

マンティコア「何を言って……これは!傷口に模様が!」

漆黒の魔王「貴様が再生能力を持っているのならば我はそれを封じる能力を持っている」

マンティコア「バ、バカな!」

漆黒の魔王「油断したな……。貴様がわざとやられていなければ勝機はあったものを……」

漆黒の魔王「傷を負った体で我に勝てると思っているのか?」

マンティコア「ぐ……。俺様の……負けだ……」

ゴブリン「やるじゃねえかあんた!あいつを倒しちまうなんて!」

漆黒の魔王「我はただ……強き者と戦いたいだけだ……」

漆黒の魔王「ム……やはりまだレベルアップは出来ぬか……」

ゴブリン「レベルアップ?」

漆黒の魔王「我が体に埋め込まれたシステムよ。敵を倒すことでさらなる高みにたどり着くことができるのだが……」

漆黒の魔王「どうにもシステムが壊れているようでな、何体敵を倒しても『調整中』としか出てこないのだ」

ゴブリン「あんたも苦労してんだねえ……さて、連中はどうするか」

マンティコア「俺様たちを倒してもこの異次元にはまだ上がいる。せいぜいあがいてみせろ」

ゴブリン「テメーのその態度が気に入らねえな。よし!テメーらうちのジムで鍛え直してやる!だからオレたちと一緒に脱出だ!」

マンティコア「……敗者は勝者に従うだけだ。そこの魔王がいいと言えば俺様は従う」

漆黒の魔王「構わん……好きにしろ……」

ゴブリン「よっしゃ!全員で脱出しようぜ!」

異次元の狂獣「グウウ……(めんどくせー)」




マンティコア「こっちだ……」

ゴブリン「楽な道案内がいていいねえ。にしてもGの野郎は今頃何してんだろうな」

漆黒の魔王「Gとは……?」

ゴブリン「オレのジムのひよっこよ。まだまだ弱えけどいつかは強くなると信じてひたすらトレーニングしてんのさ」

漆黒の魔王「ほう……強くなるのが楽しみだ。強き相手と戦うのは我の楽しみだからな」

ゴブリン「あんたはどういう理由でここに来たんだい?」

漆黒の魔王「我は……」

マンティコア「向こうに誰かいるぞ!」


「ハーッハッハッハッ!君の剣の実力はその程度なのかね?」

「言ってな!オレの剣が一番最強だって教えてやんよ!」


ゴブリン「あいつらなんかあんたに似てないか?」

漆黒の魔王「あやつらは……」

騎士デイ「ムッ!あそこに誰かいるぞ!剣を止めたまえ!」

ダーク「はあ?勝負に人もクソもねえだろうが!」

騎士デイ「だがあそこにいる彼は……」

ダーク「ああ!?またオレじゃねえか!」

漆黒の魔王「やはり我だったか」

ゴブリン「おいおいこりゃ一体どういうことだ?」

騎士デイ「説明しよう!私の名は《騎士デイ・グレファー》。私たちは別の世界から来たのだ。ちなみに『騎士』は『ナイト』って読むんだぞ」

ダーク「オレが《ダーク・グレファー》だ。わけ分かんねえ異次元に放りこまれ、目の前に別世界のオレがいるんだ、オレだってよく分かんねえよ」

マンティコア「だが貴様らは何故戦いを?」

騎士デイ「ハッハッハッ!別世界の私がたるんでないかチェックをしたのだ!もっとも、強いのは私のようだがな」

ダーク「吐かせ!剣の腕はオレの方が上だろーが!」

ゴブリン「わかったわかった!とにかくオメーらもここから脱出したいんだろ?だったらオレたちと協力してくれ」

騎士デイ「フム……私たちはこの異次元に関してはよく知らないし脱出に関しては君たちについていった方がいいかもな!」

ダーク「チッ、まあオレも早く脱出して果たしたい目的があるからな」

漆黒の魔王「決まりだな。だが同じ異次元に何故我がこんなにも……何かあるというのか……」

マンティコア「喜べ、もうすぐ出口だ」

ゴブリン「おっ、やっとここから出られるのか!」

騎士デイ「オーウ!早くこんな薄汚い異次元から脱出して明るい日の光を浴びようではないか!」

ダーク「オレは気に入ってんだけどな、ここの空気」

漆黒の魔王「我にはそのような感情など分からぬ」

マンティコア「出口は近いが……一つ問題がある」

ゴブリン「なんだよ、もったいぶっちゃって」

マンティコア「この異次元の主が随分前から住み着いてな、脱出のためにはヤツをどかさねばならん」

騎士デイ「な、なんだってー!?」

ダーク「面白え……どんな奴が相手かオレが確かめてやる」

ダーク「突撃じゃあああああ!」ダッ

ゴブリン「お、おい!」


ゴゴゴゴゴ……


漆黒の魔王「むっ……!」

騎士デイ「ダークの奴が戻ってきたぞ!」

ダーク「うおおおお!?なんじゃありゃあ!」ダダダダ

騎士デイ「お、おいどこまで逃げて……ギョエーッ!」


暗黒大要塞鯱「ギュギュアアアァァァッ!」


ゴブリン「なんじゃあのデカイのはーっ!」

マンティコア「あいつが主だ。奴を倒さん限り出口へは近づけん!」

漆黒の魔王「しかしあの大きさではな……今は逃げるしかない」

異次元の狂獣「ギャウギャウ!(全速前進だーっ!)」

ゴブリン「ハヒーハヒー、オレも年だ、もう走れねー!」

騎士デイ「近くにシャトルのような隠れられる場所はないのかね!」

マンティコア「シャトルは無いが向こうの分かれ道を右に曲がれば小部屋がある。そこならやり過ごすことはできるはずだ」

ダーク「うし!右だな!」

漆黒の魔王「早くしろ、奴が来るぞ!」


暗黒大要塞鯱「ギョオアアアァァァッ!」


ゴブリン「ひいひい……。オレで最後か……」

騎士デイ「見ろ、奴はデカすぎて入ってこれないぞ!」


暗黒大要塞鯱「ギュウウウウゥゥゥ……」


ゴブリン「よし、ここで作戦会議を……」


オーク「コーチ!」


ゴブリン「その声は……Gか!こんな所にいたとはな!」

漆黒の魔王「見ろ、我らもいるぞ」

グレファー「げえっ、俺に似てるのが何人もいるー!」

ライトレイ「こんなとこで会うなんてまさに《異次元の邂逅》ですね」

アサイラント「して、なぜ貴様らはここに?」

マンティコア「そこにいる鯱がいるだろう。そいつを倒さないと出口へはたどり着けんのだ」

異次元の戦士「異次元の中に鯱がいるって時点でおかしいことに気付こうよ!」

やべ

マンティコア「そこにいる鯱がいるだろう。 ×
マンティコア「そこにいる鯱が見えるだろう。 ・・

女戦士「困ったものね。あの大きさじゃどんな攻撃も効きそうにないわ」

ダーク「クソがっ!このオレが手も足も出ねえなんてよ」

ゴブリン「まあ、しばらくはここで休んでようぜ。オレも走ってばかりだし、奴もまだ動け……」


ゴゴゴゴゴ……


暗黒大要塞鯱「ギイイイイィィィッ!」ズズズ


ゴブリン「やろう!壁を壊しながら進んでやがる!」

異次元の戦士「こっちっす!こっちから逃げれます!」

オーク「ひいえええ!」ドタドタ

ゴブリン「逃げろおお!」

異次元の戦士「うわわわわわ」

女戦士「ちょっと早く!」

アサイラント「…………」

マンティコア「いくら不死身でもさすがに何度も殺されるのは勘弁だぜ!」

異次元の狂獣「ガウガウ……(なんで俺がこんな目に……)」

騎士デイ「優雅に逃げさせてもらうよ!」

ダーク「これは戦略的撤退だ!」

漆黒の魔王「何とか隙を見て……奴を狩らねば」

ライトレイ「光の力が役に立たないなんて!僕はなんて無力なんだ!」

グレファー「俺が最後かよー!」


暗黒大要塞鯱「ギュウウウオオオオ!」





オーク「うわっ!ここ行き止まり!?下に穴があるけど……ここすごく高いぞ!」

ゴブリン「急に止まってんじゃねえ!」ドン

オーク「へ?」

オーク「うわああああああ!」ヒュー

ゴブリン「G!ってオレも落ちるううう!」ヒュー
異次元の戦士「なんだなんだなんだなんだなんだああああ!」ヒュー
女戦士「えっ、嘘!?こんなとこで落ちるってアリ!?」ヒュー
アサイラント「ぬっ……!」ヒュー
マンティコア「俺様は少しなら飛べるけどな」ヒュー
異次元の狂獣「ギャギャウギャウ!(嫌だー!死にたくなーい!)」ヒュー
騎士デイ「あ!」ヒュー
ダーク「い!」ヒュー
漆黒の魔王「う!」ヒュー
ライトレイ「え!」ヒュー
グレファー「オーマイガーッ!」ヒュー


暗黒大要塞鯱「ギャアアアオオオオオオン!」






オーク「……あれ?痛くない?」

ゴブリン「どうなってんだこりゃあ」

D・D・M「いやーみなさん!お疲れ様でーす!」

女戦士「あ、あんたは!」

異次元の戦士「お疲れ様って……どういうことだよ?」

D・D・M「本日は私の考えた『異次元ツアー』に参加していただき誠にありがとうございます」

アサイラント「異次元ツアーだと……?」

D・D・M「あれ、知りませんかね?昔は結構有名だったんだけどな……。やっぱあれだな、帰還装置が使用禁止になってから一気に知名度落ちたもんなー」

マンティコア「俺様はそのツアーに参加した覚えはないぞ」

D・D・M「いやーでも同じ出口から出てきたじゃないですか。というわけで今回のツアー代金は……っと」

グレファー「待て待て待てーい!勝手に参加扱いにし料金をふんだくるとは悪魔の所業!この俺が成敗してくれる!」

D・D・M「MATTE!分かりました分かりました!もともと関係無い方を巻き込んだこちらにも不備はありますし、今回はタダにしときますから!」

D・D・M「はあ……。日に日に客は減ってく一方、別の異次元も巻き込んで関係無い人たちを呼んじゃうのもなくはないしもう廃業だな……」






グレファー「さてと、お前たちともお別れだな」

ライトレイ「あなたたちといた時間、短かったけど忘れませんよ!」

ダーク「次会う時があったら他の奴らとも戦ってみてえぜ!」

騎士デイ「紳士たるもの別れは笑ってな!……グスン」

漆黒の魔王「我もまた高みを目指しながら歩いていくとしよう……。早くLV8にならねばな」

D・D・M「みなさーん、準備はいいですかー?」

グレファー「そうだ、最後に聞きたいのだが何故君たちはあの異次元に飛ばされたんだ?」

ライトレイ「君は僕だからね。考えてることと同じじゃないかな」

ダーク「あいつ……次あったらぶっ飛ばす!」

騎士デイ「他のお三方と同じ理由だよ」

漆黒の魔王「なるほど、つまりは……」


「「「「そこの女戦士にやられました」」」」


女戦士「別世界でも結局変わんないのね……。同情するわ、別世界のあたし」

D・D・M「それじゃいきますよ。異次元隔離マシーンスイッチオン!」ポチッ

グレファー「さらばだ!」

「「「「さらばだ!」」」」シューン





グレファー「よし!帰ろう!隊長や将軍が待ってるぞ!」

女戦士「そうね。早く帰って隊長の料理が食べたいわ」

異次元の戦士「女戦士さんが行くなら俺も行きます!ひさびさに異次元から脱出できましたし!」

女戦士「あなたたちも来ない?」

アサイラント「私か……」

D・D・M「私もですか?」

女戦士「ええ。フリード軍は誰でも歓迎よ」

アサイラント「ちょうど人のぬくもりに飢えていた所だ……助かる」

D・D・M「失業した瞬間に新しい職が見つかるなんて!ありがとうございます!」

女戦士「決まりね。それじゃ行きましょっか」






ゴブリン「向こうもまとまったみたいだな。オレたちも行くか」

ゴブリン「オメーら!帰ったらビシバシ鍛えてやっからな!」

マンティコア「これ以上俺様に強くなることを求めるか……。ジムが破壊されても文句は言うなよ?」

異次元の狂獣「ガガウガウ……(このおっさんメンドクセーな……いつか食ってやる)」

オーク「それじゃあ帰りましょうか」

オーク「あっ!」

ゴブリン「どうした、G。」

オーク「結局サルガッソ行ってない!」

ゴブリン「んなとこよりもっと珍しい体験できたからいいじゃねえか」

ゴブリン「オメーも帰ったらトレーニングだ!特別教師としてフリード軍のみなさんでも呼んできてやろうか!」

オーク「か、勘弁してくださーい!」

数年後

暴君「お前達には我が城で働いてもらう。異次元のスペシャリストとして恥じない働きをしてもらおうか!」



「「「「はっ!」」」」



異次元の戦士「いやー。まさか女戦士さんと同じ職場になれるなんて!どうです、今日俺と一緒にお茶でも……」

女戦士「アサイラントさん。今日はあたしと一緒にカフェでも寄らない?」

アサイラント「フッ、構わんさ。だが話は短く簡潔にな。お前の世間話は長いからな」

女戦士「なによ、あたしの話は長くないって。そういえばこの間グレファーの奴が竜騎士に昇格したって……」

アサイラント「フフフ……」

異次元の戦士「…………」

D・D・M「お若いの。まだまだチャンスはありますぜ。若いうちはアタックですよ!」

異次元の戦士「玉砕される未来しか見えねーよ……」






ゴブリン「お、客か?珍しいな」

ゴブリン「今はうちの奴らは出払っててな。そろそろ帰ってくるはずだが」

ゴブリン「お、きたきた!マンティコアの奴また防衛に成功しやがったか。『不死身のチャンプ』の名は伊達じゃないな!」

ゴブリン「異次元の狂獣の奴は獣部門でいい仕事してるぜ。最近後ろから殺気がするが気のせいだろうな」

ゴブリン「んで、うちの永遠のルーキーなんだが……この間ついに1勝したんだよ!」

ゴブリン「あいつならできると思ってたぜ。なんせオレがあいつを育てたんだからな!ハハハハ!」

ゴブリン「おい!オメーにお客さんだよ!オメーの熱心なファンだそうだ」

ゴブリン「さ、早く顔を見せてやれ……」









クリッター「ここどこ!?」

天使「すいませーん、相乗りいいですかー?」


今度こそ終

何とか完結したよ
本当はグレファースレ立てる予定だったけどいろいろ話を膨らませたら最終的にこの二人が主役になってしまった
途中まったくレス無かったから誰も読んでないかと思ったよ!こんなスレタイじゃ読む気も起きないけどさ
ちょっと登場人物が多かったのは反省


ここまで読んでくださってありがとうございます


次のネタが思いつかないのでモンスター名書いてくれればそれでスレ立てる……かも
ただしDTネタは勘弁な!

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