アスカ「アスカ解体新書弐」 (141)






アスカ「そっか。あたし、笑えるんだ」






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416137832



               .「\                 /`ヽ、                    /7
                ヽ \     二立コヒ二┼‐┼‐┼ _ヒゝ ニニ!           / /
                ヽ  ヽ      ニフK_ノノ〒 |__二二,ノ| |ヽ|__、          /   /
                 ヽ  ヽ  、、           |  |      | 〉,、          /   /  _
             、   ヽ  ヽ ヾ\ ̄\      .|  .|       | || .〉         /  ./ / _,.ゝ
   \`''‐- 、、._    \ー、_ゝ ヽ_ゝ\\ /       | └――ーi| || | l 、、      /  /ι-'''"    _,. ‐--ァ
     \    `''ー- 、\  ____   \!        | ┌一'> 」 || | |  |  ___/ /'''''7 _,. -‐''"_,.-‐''"
      `''ー、       \\ \    ヽ   |  |二ニヽ ! ./  /  /|_〃.| |  |  |     _,.-‐''ン''"_,..-‐''"
         `''ー"< ┌" .\ \   ヽ   |___    V   | ./ 「 .| |  | /  / ̄/  >  `‐''"
             ヽ ヽ__\ ,|   ヽ ┌‐ァ /_,..-‐''"> | ./  \/ /  ノ / <"  / ,/
        / ̄ ̄ ̄   _,,....ゝ `    ヽ  ! 「、"< _,.-''"  .|./    ,/ ,/ /,/  / /
        /_,,...--一'''''"´          ヽ | レ   `''     .l/     / ///   //
      "´                  ヽ|              //  ̄    `
                                        ´        アスカ解体新書弐

前スレ:レイ「綾波レイ解体新書」 シンジ「えっ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391263519/)

レイ「綾波レイ解体新書」 シンジ「えっ」 の続編にあたります

アスカ解体新書シリーズはSSちゃんねる様などでまとめられているようです、ありがとうございます


●注意


解体新書シリーズはエヴァンゲリオンANIMA及び、公式設定ではないエヴァ2(PS2、PSP)の設定を多く引用、改変し独自設定を行っております

よって、デアゴスティーニ・ジャパン発行のエヴァンゲリオン・クロニクルの解説と異なる点が多々あります

エヴァ独特の難解な単語があります

前作の予告編からの続きとなりますが、タイトルにあるように「真希波・マリ・イラストリアス解体新書withサクラ」 ではないです

ぶちゃけ、シンエヴァが当分先っぽいこと、金曜ロードショーでヱヴァがあったこととかで、我慢できなくなりました


―――ネルフ松代起動実験場


女性オペ「プラグ深度100をオーバー。精神汚染濃度も危険域に突入!」

ミサト「なぜ急に!」

女性オペ「パイロット、安全深度を超えます!」

リツコ「引き止めて! このままでは搭乗員が人ではなくなってしまう!」

ミサト「実験中止! 回路遮断!」

女性オペ「ダメです! 体内に高エネルギー反応!」

リツコ「まさか……」

ミサト「使徒!」

アスカ「ここは……」

アスカ「(エヴァを起動した後、プラグ前方に吸い込まれて……)」

アスカ「何であたし、こんな赤い海のど真ん中に居るんだろう」

???「あたしが呼んだからよ」

アスカ「誰!?」

???「誰とは失礼ね!」

???「まあいいわ。色々立て込んでるから、さっさと片付けましょ」

???「あたしと一つにならない? 心も体も一つにならない? 」

???「―――それはとてもとても気持ちいいことなのよ?」

???「なーんて、言ってみたりしてね」クスクス

アスカ「あたしの声? 何よ……まさか、使徒なの!?」

???「ふふ……使徒っていうのは半分は正解かもね」

アスカ「へ?」

???「あたしとあんたは、同じようで違う」

惣流アスカ「それこそ、ヒトと使徒の違いと同じように、ね」

アスカ「あたしと瓜二つ顔……。なんなのよ、一体……!」

惣流「気づいてるはずよ」

惣流「あんたの体を乗っ取る事はできなかったけどさ」

惣流「パーソナルデータは手に取るように分かるのよね。虚勢を張っても無駄なのよ、アスカ」

アスカ「はぁ? ふざけんな! 急に出てきて意味が分からないことをペレペラと!」

アスカ「使徒があたしだってぇの!? 正体を現しなさいよ!」

惣流「正体ねぇ」

惣流「説明してもいいけど、あんたこのままだと殺されるわよ?」



惣流「他でもないエヴァ初号機に」

アスカ「(首が締まって息が……まさか、シンジ……!)」

アスカ「どう、して」

惣流「そりゃ、今の3号機、パターン青、使徒だからね」

アスカ「やっぱり、あんた……! 使徒っ!!」

惣流「分かってないわねぇ」

惣流「ヒトと使徒の違いなんて微々たるもんよ」

惣流「それに使徒かどうかなんてただの数字のお遊びに過ぎないし」

アスカ「ぐ……ぅ」グタァ

惣流「……意識を失った、か」

惣流「まぁいいわ。そこで眠ってなさい」

惣流「あんたは死なないわ」

惣流「あたしが守るから……ってね」

惣流「自分の命を助けるのって変な感じね」

惣流「それにしても」チラッ

アスカ「……」

惣流「なんでこの娘、こんなスケスケのプラグスーツ着てるのかしら?」ミサトノシュミ?

惣流「まぁ、いいわ。シンジの首を絞め続けるのも何か嫌だし」

惣流「エヴァ3号機。あんたには恨みはないけど」

惣流「紛い物(ダミー)に殺されて頂戴」


―――ネルフ本部 隔離室


リツコ「細胞組織の侵食跡は消えたものの、使徒による精神汚染の可能性も否定できない」

リツコ「このまま隔離するしかないわね」

マヤ「まさか、処置ってことはないですよね」

リツコ「貴重なサンプル体よ。ありえないわ」



惣流「(とりあえず生命の危機は去ったか。まずは一安心ね)」

惣流「(さてと、もう少しであの娘が起きる)」

惣流「(あたしとあの娘の違い。見定める必要があるわ)」


―――???


幼アスカ「ママー!ママ!私、選ばれたの。人類を守るエリートパイロットなのよ。世界一なのよっ!」

幼アスカ「誰にも秘密なの。でも、ママにだけ教えるわね」

幼アスカ「色んな人が親切にしてくれるわ。だから寂しくなんかないの」

幼アスカ「だからパパがいなくても大丈夫。寂しくなんかないわ」

幼アスカ「だから見て。私を見て!」



アスカ「(これは、あたしの記憶?)」

惣流「あ~あぁ。明日はもう日本か。お昼にはミサトが迎えに来るって言ってたし」

惣流「ちぇ、加持さんともしばらくお別れね。つまんないの」

加持「日本に着けば新しいボーイフレンドも一杯できるさ。サードチルドレンは男の子だって話だぞ」

惣流「バカなガキに興味はないわ。私が好きなのは加持さんだけよ」

加持「……そいつは光栄だな」



アスカ「(違う……。あたしのじゃない。それならこれは何なの?)」

惣流「これは決して崩れることのないジェリコの壁!」

惣流「この壁をちょっとでも越えたら死刑よ!」

シンジ「ジェリコの壁? ええと……流石に笛? は持ってないよ?」

惣流「!!!」

惣流「あ、あんたの荷物の中にチェロがあったわよね!?」

惣流「今度アレをあたしの為に弾きなさい、いいわね!」(早口)

シンジ「素人に毛が生えた程度だけど、それでよかったら」

惣流「よろしい!」

惣流「冷却液の圧力を全て三番に回して、早く!」

シンジ「アスカっ! ケーブルが千切れて!!」

惣流「せっかくやったのに。やだな、ここまでなの……」

シンジ「アスカ、今、助けるから!」

惣流「シンジ……。バカ、無理しちゃって」

惣流「そういえば、ユニゾンの前夜。アンタ、あたしに対してキス未遂があったわね……」

惣流「もしかして、本当にあたしとキス、したかったの?」チラッ

シンジ「……すぅ」スヤスヤ

惣流「……」ムカ

惣流「バカ面、ムカつく」

惣流「あたしを惑わすんじゃ、ないわよ……!」チュッ

アスカ「がらがら~、貸切みたいね」

シンジ「アスカは、僕のこと軽蔑しないの?」

アスカ「あたしが来たから写真を捨てようとしたんでしょ?」

シンジ「けじめをつけたいから」

アスカ「過ぎたことは、忘れてしまえばいいのよ」

シンジ「簡単に言うんだね……」

アスカ「霧島さんのこと、可哀想だとか全然思わない。エヴァが原因だとしても自分が悪いとか感じない」

アスカ「……冷たいのよ、あたしの心」


シンジ「冷たくなんかないよ」

アスカ「何で」

シンジ「だって、アスカは僕の感傷に付き合ってくれてるじゃない」

アスカ「……あんたの中で霧島さんは生き続けるんでしょうね」ギュッ

シンジ「忘れられないと思う」

アスカ「少し、羨ましいと思った」プイッ

シンジ「そっか」

シンジ「さてと……まだ、二十時か」

惣流「ミサトの馬鹿、やっぱり結婚式の二次会に行ってる」ソワソワ

シンジ「……」

シンジ「加持さんの事はもういいの?」

惣流「ばか」

惣流「あたし、先にお風呂入ってくる……」タタタッ

シンジ「待って」ギュッ

惣流「何よ……」

シンジ「正直、自分でも戸惑ってたんだ。この半年の間で色々な事があり過ぎて」

シンジ「でも、アスカへのこの気持は本物だと思う」



シンジ「―――好きです。本当に好き」



アスカ「(嘘……。あいつがこんな)」

>>16

ミス、惣流がアスカになってるorz



惣流「がらがら~、貸切みたいね」

シンジ「アスカは、僕のこと軽蔑しないの?」

惣流「あたしが来たから写真を捨てようとしたんでしょ?」

シンジ「けじめをつけたいから」

惣流「過ぎたことは、忘れてしまえばいいのよ」

シンジ「簡単に言うんだね……」

惣流「霧島さんのこと、可哀想だとか全然思わない。エヴァが原因だとしても自分が悪いとか感じない」

惣流「……冷たいのよ、あたしの心」

>>17

同じく修正



シンジ「冷たくなんかないよ」

惣流「何で」

シンジ「だって、アスカは僕の感傷に付き合ってくれてるじゃない」

惣流「……あんたの中で霧島さんは生き続けるんでしょうね」ギュッ

シンジ「忘れられないと思う」

惣流「少し、羨ましいと思った」プイッ

シンジ「そっか」


―――赤い精神世界


アスカ「……夢?」

惣流「やっとお目覚めかしら?」

惣流「あんた、外の時間で大体、一週間近く寝てたのよ。良い夢見れたかしら?」

アスカ「さあね」

惣流「あんたが見たのは可能性の一つよ」

惣流「そしてあんたの努力次第で叶えられた願いの一つでもあるわ」

アスカ「なっ……! 何なのよそれ!」バッ

惣流「あたしと比べて欲が無いなって事よ」

惣流「式波・アスカ・ラングレーさん?」クスクス

惣流「しっかし、あんたってば、お人好しよね」

惣流「『エヴァに頼らなくていい。あなたには、エヴァに乗らない幸せがある』……か」

惣流「確かに。“あたし達”のチッポケな人生で、エヴァに乗らない選択を示してくれた人は今まで居なかったもの」

惣流「だ・か・ら、綾波レイに碇シンジを譲ってあげる気になったわけ?」

惣流「だって悟ったんでしょ。自分よりレイの方があのバカを思う気持ちが強いって」

アスカ「何を……」

惣流「絆創膏の数。なまじ頭がいいと損よねぇ」

アスカ「……」

惣流「考えてもみなさいよ」

惣流「シンジって凄く希少価値があるじゃない?」

惣流「まず、同じエヴァのパイロット」

惣流「ナナヒカリとは言えどもエヴァを操る才能はあったってことよね」

惣流「それに、クラスの女の子には人気」

惣流「オマケに、ネルフトップの碇司令の息子」

惣流「しかも、多少ならあたしの我儘を聞いてくれる!」

惣流「ずっと空軍のオトナの社会で生きてきたあんたにとって」

惣流「シンジの隣は凄く新鮮で、居心地が良かったわよねぇ」

惣流「それを失ってもいいのかしら?」

惣流「シンジの隣以上に、腰を落ち着ける場所は見つけられそう?」

アスカ「そんなの、分かるわけないわよ……」

アスカ「別に、エコヒイキにシンジを譲ろうなんて思ってない!」

アスカ「ただ、3号機の起動実験であいつの食事計画が全部パーになるのはあんまりだと思っただけで!」

惣流「ふーん」ジトメ

アスカ「何よ」

惣流「いや、シンジへの好意を否定しないのね、あんた」

アスカ「なっ!」////

惣流「ほんと、あんたってあたしと違うわ」

惣流「あんた、素直な良い子ね」

惣流「まあでも、そんなあんたの気持ちを踏みにじるのが碇シンジっていうバカなんだけ、どっ」ヨット

アスカ「?」

惣流「今、外。大変なことになってるわよ?」

惣流「覚醒した初号機と、使徒からサルベージされた綾波レイの融合」

惣流「セカンドインパクトの続き、サードインパクトが始まったのよ」

アスカ「サードインパクト!? 何で急にそんな」

惣流「もともと、エヴァ初号機にはそれだけの力があった」

惣流「ただ、覚醒のトリガーに碇シンジが選んだのが、式波アスカじゃなくて綾波レイだったって事よ」

アスカ「シンジがエコヒイキを選んだ……」

惣流「そ。そして古の生命が滅んだ後に再構築される新世界の、種とその苗床でもあるわ」

惣流「あんたは、初号機という方舟に乗り損なった哀れな女なのよ」

アスカ「……この際、バカシンジとエコヒイキのことはいいわ」

アスカ「そういうあんたは、こうなるのが分かってたわけ?」

惣流「まあね。ただこのインパクトはあたしの本意じゃない」

アスカ「……いい加減、あんたの正体教えなさいよ」

惣流「あんたの可能性の一人」

惣流「別の世界から精神だけやってきて、使徒と入れ替わった、あんたのそっくりさん。それがあたし」

惣流「“パーフェクトインパクト”の阻止の為にね」

惣流「サードなりフォースなり、インパクトの種類はいくつかあるわ」

惣流「ただ、“パーフェクトインパクト”別名、“多元世界補完計画”は少々やっかいで多元宇宙(パラレルワールド)に影響を及ぼす」

惣流「“あたし達”はそれを監視し、時には介入する。それが、グレゴ―ル『見張るもの』としての役目」

アスカ「(あたし達?)」

アスカ「で? 今回バカシンジが起こしたサードはそれじゃないわけ?」

惣流「そ、“パーフェクトインパクト”に至るには“筋が悪い”し“数が揃ってない”」

惣流「ただ、これからどうなるかは分からないけどね」

アスカ「じゃああんたはあたしの味方なわけ?」

惣流「あたしは飾り駒」

惣流「それを抜きにすれば……まぁ、あんたの味方よ」

アスカ「イマイチ信用出来ないわね」

惣流「期間限定で派遣されてきた社外アドバイザーみたいなもんよ」

惣流「アテにされ過ぎても困るし、あんたはあたしじゃないんだから」

アスカ「……そんなの当たり前じゃない、使徒モドキ」

惣流「ふふっ。ただね、脅すようで悪いけどさ」



惣流「あんたの現実はあんたの予想の、更に上をいくわよ」


―――ネルフ本部 隔離室


マヤ「第二の少女、意識レベル上昇、覚醒します」

リツコ「さて、彼女に使徒の影響が出ていなければいいのだけれど」

ミサト「……私達は生き残ってしまった。それなら何が何でも生き抜くだけよ」

ミサト「アスカ、彼女もまた生きてるんですもの」

アスカ『ミサト……?』

マヤ「パターン青は検出されません! アスカ、良かった!」

アスカ『どうなってるの?』

ミサト「聞きたいことは山ほどあるでしょうけど、簡潔に言うわ」

ミサト「エヴァに、もう一度……乗って頂戴」


―――第二発令所


マヤ「封印された2号機とはいえ、良く乗る気になってくれましたね、アスカ」

リツコ「予想以上に現状を素早く飲み込んでくれたしね。正直有難いわ」

ミサト「碇司令、副司令は共に行方不明」

ミサト「更に、初号機によるインパクトは不完全な物理的な衝撃破のみとはいえ、第3新東京市は完全に崩壊」

青葉「初号機が現在、我々の観測下にあるのは幸いですね」

リツコ「ただ、加持君からの情報で、ゼーレが建造したエヴァンゲリオンMark.6が現在本部に接近中」

加持「ゼーレの狙いは、真のエヴァンゲリオンであるMark.6とリリスの融合によるサードインパクトの完遂だろうからな」

日向「今更バチカン条約がどうこうなんて、言ってられませんよ」

ミサト「Mark.6を止める。それが私達の使命。失敗は許されないわ」

惣流「(ナルシストサイコホモやネコムスメの、インパクトへの介入は無し)」

惣流「(そのせいで、2号機は最強の拒絶タイプとの使徒戦に投入されず、バチカン条約で封印されたまま)」

惣流「(初号機はカシウスの槍で刺されず、そのまま上昇)」

惣流「(現在エネルギー切れを起こして、衛星軌道上を飛行中か)」

惣流「(シンジの願いは“綾波レイを助ける”っていう漠然としたものだった)」

惣流「(すべてやり直すなんて大それた事は考えず、衝撃波で街が崩れただけで怖気ついたか)」

惣流「(あいつらしいといえばそうだけど。ま、“あたしのシンジ”じゃないからそれはどうでもいい)」

惣流「(碇司令や副司令が雲隠れしたのが気になるけど、まずは降りかかる火の粉は払わないとね)」

マヤ「エントリースタート」

加持「それにしても痛々しいな。顔には眼帯、体には包帯か」

リツコ「エヴァのシンクロに肉体のダメージは殆ど影響はないわ。痛みも本人は感じてないようだし」

ミサト「すまないわね、アスカ」

アスカ『別にいいわよ。それに今踏ん張らないでどこでやれってんのよ』

ミサト「世界の命運はあなたに掛かってると言っても過言ではないわ。頼むわね」

アスカ『辛気臭い顔をしちゃってさ』

アスカ『あたしにはやらないといけない事があるのよ』

アスカ『だから、絶対に負けないわ』

ミサト「答えたくないなら答えなくてもいいわ。その理由は何?」

アスカ『空に飛んでったバカシンジをシバくのよ』

アスカ『エコヒイキの願いは、あのバカを二度とエヴァに乗らないようにする事だったでしょ』

アスカ『それなのにあいつはエヴァに乗った』

アスカ『―――それって本末転倒じゃない。エコヒイキの真心が分かってない!』

アスカ『だからあの二ブチンの根性を叩き直すのよ!』

アスカ『そして、エコヒイキの願いをあたしが代わりに叶える』

アスカ『あたしが、エヴァを必要としない世の中を作るわ!』

ミサト「……アスカ、貴方は真っ直ぐね。立派だわ」

アスカ『やめてよ、ミサト』

アスカ『それに、エコヒイキもシンジも元々民間人じゃない』

アスカ『あたしはずっと軍属、式波アスカ大尉よ?』

アスカ『あたしにとって、エヴァに乗ることは日常の一部だった。感謝されるいわれはないわ』

アスカ『……だってこれがあたしが選んだ使命なんだもの』

惣流「(あんた、強いのね)」

アスカ「(強い? 女の意地よ。だって悔しいじゃない)」

アスカ「(エコヒイキは全部見透かしてた)」

アスカ「(あたしにはエヴァ以外で生きる道を示して、シンジにはエヴァに乗らなくていいように、特攻までして使徒を倒そうとした)」

アスカ「(あいつから見て、あたしやシンジは、エヴァのパイロットには向いてなかったのかもしれない)」

アスカ「(あいつから見て、あたしやシンジは、何気ない日常を送るのが本分だと思ったのかもしれない)」

アスカ「(でも、その日常の傍らにエコヒイキは居ないのよ? それって凄く残酷で歪じゃない)」

惣流「(……そうね。その通りだわ)」

惣流「(それでも、これからの戦い)」

惣流「(一時的に勝利を収めたとしても、長く、辛い戦いになるわ)」

惣流「(戦士として生きる事に後悔はないのね?)」

アスカ「(エコヒイキの願い。バカシンジとの思い出)」

アスカ「(それだけでも、あたしは戦える)」

アスカ「(God helps those who help themselves.)」

アスカ「(幸せは自らの手で掴むものよ。どんな時でもね)」

惣流「(そっか)」


―――ゼーレ・モノリスの間


キール「エヴァンゲリオン初号機と碇の息子。そして第一の少女によるインパクトは到底看破できるものではない」

モノリス04「左様。第3新東京市崩壊で事が収まったのはある意味幸いだったよ」

モノリス02「だからといって我々のスケジュールに支障をきたした事実は変わらない」

モノリス06「碇ゲンドウ。奴のしでかした罪はあまりにも重い」

モノリス05「その碇だが、ネルフ本部より姿をくらましたようだ」

モノリス02「日本政府の手引かね」

モノリス03「断定は出来ないが、彼らが日本ネルフ本部と関係を密にしていたのは紛れも無い事実だよ」

モノリス04「だが、我らの願いとともに真のエヴァンゲリオンであるMark.6は既にネルフ本部直上に向かっている」

モノリス07「どちらにしても真の補完は彼の地で行われるということか」

モノリス05「渚カヲル。いや、タブリス。奴は信用に値するかね」

モノリス02「我らの願いを成就させるにはアダムスの記憶。この世界の理を知った者が必要だ」

キール「タブリス、分かっているな?」



カヲル「―――分かっているよ。奇跡は起こるさ。希望がそこにあるのだから」

とりあえず本日はここまで

おやすみなさい

やっと家にエヴァ14巻届きました―

「あんたのオリジナルはもっと愛想があったよ」のネタバレきましたね

来るべき『真希波・マリ解体新書』ネタが増えることは嬉しいですね

10年近くLAS人やってる身としてはシンジくんの太陽がアスカであって欲しいところです

投下は22時頃開始します

みやあとかgodとかあったなあ。
どれもエタったが

>>47
懐かしいですね
LAS逆行で完結した作品って少ない印象です

では再開します


―――ジオフロント


ミサト『―――お出でなすったわね』

アスカ「あれが、真のエヴァンゲリオン、Mark.6!」

カヲル『……本来であれば君たちを無視して、すぐにでもシンジ君を迎えに行きたいところなんだけどね』

カヲル『ただ、それは出来ない。僕はリリスの下に行く必要があるんだ』

カヲル『そこをどいてくれ、式波・アスカ・ラングレーさん』

惣流「(へぇ、ダミープラグかと思えば、この世界のオリジナルじゃない)」

惣流「(しかも、多元宇宙(パラレルワールド)の別の渚カヲルとの記憶の共有化もしてるってわけ?)」

カヲル『……君はどうやら体の中に別の君を飼っているようだね』

カヲル『あまりオススメは出来ないな。君の中のそれは、獣だよ』

アスカ「ご忠告どうも。だけど、あたしの中のあたしは間違いなくあたし自身なのよ」

ミサト『アスカ? 何を言ってるの?』

アスカ「別に。ただ、相手の疑問に答えてあげただけよ」

リツコ『渚カヲル、マルドゥック機関を通さずゼーレが直接選んだ第四の少年』

ミサト『アスカ……』

アスカ「いけるわ。人でも使徒でも立ちはだかるモノは倒すだけよ」

カヲル『そうかい。ただ、君たちが望まざるとも終局の時は近づいてるけどね』

アスカ「何を言って」

マヤ『!!! 先輩! これは……』

リツコ『どうしたの、マヤ?』

マヤ『ネルフ全ての外部端末からデータ進入、MAGIへのハッキングを目指しています!』

リツコ「マヤ! MAGIの自立防御プログラムを立ち上げて!」

カヲル『無駄さ』

マヤ「第666プロテクト展開できません! そんな!」

ミサト「Mark.6! あの少年がMAGIに攻撃しているのね」

カヲル『リリスの下に行くにはそれが一番手っ取り早いからね』

カヲル『ヘブンズドア周辺にある爆弾も無効化させてもらった』

アスカ「MAGIにハッキング? あたしを忘れてんじゃないわよ!!」ダッダッダ

カヲル『忘れてはいないさ。ただ、Mark.6の脅威じゃない』ヒラリ

アスカ「こんのッ!」

カヲル『そのボウガンの様なもので僕を倒せるとでも思っているのかい?』

アスカ「知るか! あんたはあたしが倒す。そう決めてんのよ!!」

カヲル『その決意は素晴らしいものだね。意志は時として、本来、届かないものをたぐり寄せる力がある」

カヲル『だけど、その腕は僕には届かない』



カヲル『―――アンチATフィールド、展開』

惣流「(マズイ、アンチATフィールド!)」

アスカ「ATフィールドの出力が落ちて……きゃっ」ドサッ

惣流「(チッ、ATフィールドが張れない以上、2号機には12000枚の特殊装甲の鎧しかない)」

アスカ「(コンチクショー! なんか秘策はないの!?)」

惣流「(アンチATフィールドはあいつにとっても諸刃の剣)」

惣流「(その性質上、あいつのATフィールドも個体生命の形を維持する程度の強度しかないわ)」

アスカ「(つまり)」

惣流「(お互い、ノーガードの殴り合いになるわ。だけど……)」

カヲル『戦いにすらならないさ』

カヲル『Mark.6がアンチATフィールドを最大出力で展開すれば、周囲20kmの生命体を即座に生命のスープに還元させることが出来るからね』

リツコ「つまり、その宣言は最後通牒ということね」

カヲル『話が早い人は好きですよ。赤木リツコ博士』

ミサト「リツコッ!」

リツコ「彼の言う事に嘘、偽りはないわ」

リツコ「MAGIの陥落は本部が占領された事と同義」

リツコ「おまけに、ドグマの爆弾も無効化させられたとなると、Mark.6を道連れにすることも適わない」

リツコ「私たちの負けね」

書きたいシーンはあるけど全体の筋が通らないので今日は終わりにします

おやすみなさい

再開します
ただし、10レス程度で終わります
インターステラーがかなりえがった


―――新横須賀


国連軍兵士「じゃあ、この便が最後で良いんだな?」

女性オペ『はい。そちらの便でネルフ本部関係者の移送は完了になります』

国連軍兵士「了解。ふんっ、国連の予算の大半を分捕ってきた組織があっけないものだな」

国連軍兵士「世間じゃ、ネルフが秘密裏に世界壊滅を企てていたって話だぜ」

国連軍兵士「殺されずに、幽閉されるだけで済んだことを有難いと思ってほしいもんだな」

アスカ「……」

国連軍兵士「ダンマリかい……いいか? 俺の後に搭乗するように。VTOLは初めてじゃないな?」

アスカ「……」

国連軍兵士「たく……何で“上”はこんな無愛想なガキ一人の為に便を一つ増やしたかね」

女性オペ『軍曹。無駄話はそこまで。彼女はVIPなんだから丁寧に扱って』

国連軍兵士「へいへい、じゃあ行きますか? お姫様。あんたのお仲間が待っている夢の豪華客船」

国連軍兵士「国連軍太平洋艦隊旗艦、空母オーバー・ザ・レインボーに」


―――オーバー・ザ・レインボウ フライトデッキ


ミサト「あたし達の後にアスカ一人でだなんてどういう事よ!」

国連軍兵士「Miss、何度も説明しましたが私には答える権限がありません」

ミサト「堅物どもめ! 彼女はまだ、14歳の女の子なのよ!?」

国連軍兵士「ですが、同時にユーロ空軍のエース。式波・アスカ・ラングレー大尉でもあります」

ミサト「だから、それは大人の都合でしょうが!」

日向「まあまあ」

日向「(葛城さん、奴ら、アスカの事を悪いようには扱いませんよ)」

日向「(彼女の原隊はユーロです。政治的な理由も考えて、自分たちと別便だったのでは?)」

葛城「(……あいつらがそんな甘ちょろい奴らならいいでしょうけどね)」

葛城「(太平洋艦隊の裏に居るのは間違いなくゼーレよ。拷問でもして口を割らせることぐらい躊躇しないわ)」


―――ゼーレ・モノリスの間


キール「では、査問委員会を始める」

モノリス02「加持主席監察官、司会進行を求める」

加持「ご指名に応えまして……。今回の事件、エヴァンゲリオン初号機と使徒よりサルベージされた第一の少女によるニア・サードインパクト」

加持「並びに、第二の少女への使徒からの接触。この二件について重要参考人を呼んでおります」

加持「一人は赤木リツコ、E計画担当・エヴァンゲリオン開発総責任者」

加持「そして、エヴァンゲリオン2号機専属操縦者、第二の少女、式波・アスカ・ラングレー大尉です」

>>60

ミス

ミサトさんが葛城になってるorz

>>60
訂正


―――オーバー・ザ・レインボウ フライトデッキ


ミサト「あたし達の後にアスカ一人でだなんてどういう事よ!」

国連軍兵士「Miss、何度も説明しましたが私には答える権限がありません」

ミサト「堅物どもめ! 彼女はまだ、14歳の女の子なのよ!?」

国連軍兵士「ですが、同時にユーロ空軍のエース。式波・アスカ・ラングレー大尉でもあります」

ミサト「だから、それは大人の都合でしょうが!」

日向「まあまあ」

日向「(葛城さん、奴ら、アスカの事を悪いようには扱いませんよ)」

日向「(彼女の原隊はユーロです。政治的な理由も考えて、自分たちと別便だったのでは?)」

ミサト「(……あいつらがそんな甘ちょろい奴らならいいでしょうけどね)」

ミサト「(太平洋艦隊の裏にいるのは間違いなくゼーレよ。拷問でもして口を割らせることぐらい躊躇しないわ)」

モノリス04「赤木リツコ博士に質問しよう」

モノリス04「ニア・サードインパクトは偶発的なものなのか、それとも、ネルフ首脳部による意図的なものなのか、どちらなのか?」

リツコ「偶発的なものであると断言できます」

モノリス07「ほう……それは何故かね」

リツコ「お言葉ですが、私たち技術部としてはエヴァにあのような機能があるというのは承知していませんでした」

リツコ「そもそもヒトの域に留めておいたエヴァが、何故あのような力を発揮したのか……その説明を求めます」

キール「君たちの質問に答える必要性はない」

モノリス05「困るな赤木博士。これは君たちへの査問だぞ」

キール「まあいい。その件については回収したエヴァ初号機に残されたログを洗い出せば済むことだ」

リツコ「(軌道上の初号機をゼーレは既に回収済みか……)」

加持「重要なのはもう一つの件ですね。使徒からの第二の少女への接触。この件ですが……」

???「加持主席監察官」

???「その件に関しては僕が彼女の尋問しよう」

アスカ「あんた……!」

カヲル「やあ、一日と四時間ぶりかな?」

カヲル「改めて自己紹介をしようか、僕は渚カヲル」

カヲル「第四の少年、エヴァンゲリオンMark.6専属パイロットであり、ゼーレ査察官でもある」

リツコ「ゼーレ査察官? その歳で凄いわね。リョウちゃんとは大違い」

加持「俺はあくまでネルフ内部の自己チェックの為の人間だからな」

加持「彼は、上位機関であるゼーレがネルフをチェックする為に存在する」

加持「確かに、ある意味、彼のほうが色々な裏事情を知ってそうだ」

カヲル「……その辺にしておきましょうか。僕の興味はあくまでここに居る、式波・アスカ・ラングレーにある」

アスカ「あたしはあんたなんかに興味は無いんだけど?」

カヲル「訂正しよう。正確には君の左目に潜んでいるもう一人の君に聞きたいことがある」

カヲル「その左目の眼帯、取ってくれるかな」

惣流「(悪いけど、あんたの口、借りるわよ)」

アスカ「(仕方がないわね……)」

惣流「これでどうかしら」ポイッ

リツコ「2号機に乗る前は、ものもらいのように腫れていただけなのに……虹彩が変化してる?」

カヲル「鮮やかな薄紫色……ヘリオトロープか」

加持「ギリシャ語で“太陽に向く”か。しかも初号機のパーソナルカラーに近い」

カヲル「元々ロイヤルブルーだった瞳に、使徒と接触したことで朱が入ったんだね」

惣流「左目の事はいいわ。渚カヲル、あんたがあたしに聞きたいことは何なの?」

カヲル「簡単さ。君がアダムスかどうか……その確認だよ」

惣流「アダムス……第一使徒アダムが複数いるということ?」

キール「そうではない。アダムスとはセカンド・インパクトの時に観測された、多元宇宙(平行世界)で生まれた、外来の人工的な神々のことだ」

キール「パーフェクト・インパクト……全てのエヴァが揃った状態で、全ての条件をクリアした時に生まれる至高の存在、我らの悲願」

キール「それが達成された世界もまた、存在するのだ」

カヲル「アダムスの正体は分かっているんだ」

カヲル「アダムスを産み出す為の儀式の依代……これはつまりエヴァパイロットの事だからね」

リツコ「まさか……!」

カヲル「そう。アダムスとは別の世界の僕たちだったモノだ。だからチルドレン。自分という存在の同位体は僕たちが観測できる数だけ無数に存在するんだ」

惣流「観測……つまり、綾波シリーズの数だけ存在する、いえ、あたしたちが認識できるのね」

カヲル「知っていたのかい。そうだよ。綾波シリーズには他の世界の情報因子が混ざっている」

カヲル「いわば、他の世界を見通せる井戸のようなものだからね」

カヲル「だからこそ君という存在に対する疑問は深まるんだ」

カヲル「シンジくんに対するその執着心。君は式波ではなく、惣流だね」

アスカ「ご名答、その通りよ」

>>69
ミス 最後、惣流がアスカになってる…



カヲル「アダムスの正体は分かっているんだ」

カヲル「アダムスを産み出す為の儀式の依代……これはつまりエヴァパイロットの事だからね」

リツコ「まさか……!」

カヲル「そう。アダムスとは別の世界の僕たちだったモノだ。だからチルドレン。自分という存在の同位体は僕たちが観測できる数だけ無数に存在するんだ」

惣流「観測……つまり、綾波シリーズの数だけ存在する、いえ、あたしたちが認識できるのね」

カヲル「知っていたのかい。そうだよ。綾波シリーズには他の世界の情報因子が混ざっている」

カヲル「いわば、他の世界を見通せる井戸のようなものだからね」

カヲル「だからこそ君という存在に対する疑問は深まるんだ」

カヲル「シンジくんに対するその執着心。君は式波ではなく、惣流だね」

惣流「ご名答、その通りよ」

以上です

ヱヴァ破のQの予告編で出てきた
「幽閉されるNERV関係者」と
「ついに集う 運命を仕組まれた子供たち」の場面を想像していただければ
ただし、この世界線では集まったのは、カヲル君と惣流アスカだけですけどね

再開

遠坂凛ちゃんとアイーダ姫がぽんこつ可愛いくて生きるのがツライ

リツコ「惣流? アスカ、何を言ってるの」

惣流「惣流・アスカ・ラングレー。セカンドチルドレン、弐号機専属パイロット」

惣流「この世界風に言うと第二の少女ってところかしらね」

加持「俺達が知っているアスカに君がとり憑いた……そういうことかい?」

惣流「ええ、加持さん。このホモの言うとおり、あたしはこことは違う世界から精神だけ飛んできた」

惣流「本来なら、肉体の主導権も完全にあたしが式波アスカから奪うつもりだったけど」

カヲル「式波アスカは惣流アスカと違っていた。そういうことだね」

惣流「そう。この娘はあたしと違って優しすぎる。憎たらしいほどにね」トントン

カヲル「正直に言おう。君とは異なる惣流・アスカ・ラングレーが存在する世界もまた僕たちは観測しているんだ」

カヲル「シンジくん以外を望まない君と、君のことをそこまで思っていないシンジくんの二人ぼっちの世界だけどね」

惣流「……ふーん。綾波シリーズがあるって事は渚シリーズも存在する、か」

惣流「赤木博士は知っていたんでしょ、綾波シリーズの事」

加持「……」

リツコ「(リョウちゃんは既に察知していたようね……)」

リツコ「綾波シリーズ。初号機から碇ユイをサルページさせる計画で産み出された副産物」

リツコ「その実態は、生体並列コンピュータ。ある意味、MAGIの姉妹にあたる存在」

惣流「六角形の入れ物に無造作に入れられた綾波レイの頭。加持さんも見たことあるでしょ」

加持「ああ……。あれはてっきりダミープラグのシステムに必要なものだと思っていたんだけどな」

惣流「綾波レイの正体は使徒リリス。神様とも言える存在。そして神様は別の世界とも繋がっている。そうよね、渚カヲル」

カヲル「君は些か知りすぎているようだね……本当に何者なんだい?」

惣流「あたしというキャラクターの幸せを、本分を全う出来たあたし自身よ」

惣流「シンジと共に、使徒が存在しない何気ない日常を得た世界……それがあたしの世界」

惣流「その代償は大きかったけどね。あたし自身も含めて」

カヲル「だからこそ、君はその日常を壊すものを決して許さないのか」

惣流「そうよ。“あたし達の日常”それが最優先事項だもの」

加持「その“あたし達”の中に、君の本来の体の持ち主と彼女の世界は含まれているのか」チャキ

惣流「あたしに銃を向けるんだ、加持さん。引き金を引けるのかしら?」

加持「返答次第では」

キール「撃ちたまえ。加持主席監察官。2号機パイロットは危険分子だ」

加持「……」

惣流「答えを言うわ……“あたしの知ったこっちゃない”」

加持「……」


パーーーーーーン


カキーーーーーン


リツコ「ATフィールド……!」

惣流「言っておくけど、これはあたしの魂が発現させたもの。式波アスカにそんな力はないわ」

惣流「それと、渚カヲル。あたしはアダムスじゃない。あたしはエヴァそのものよ」

カヲル「君が福音だとでも言うのかい……。やっぱり、君はただの獣だよ」

惣流「ハンっ! 自分の顔を鏡を見てから言いなさいよ」

惣流「あんた、あたしが自分の世界でシンジを手に入れたって言った時から顔が醜く歪んでるのよ」

惣流「あんたも分かってるはずよねぇ。観測できるどの世界でも“渚カヲルは碇シンジを手に入れることはできない”って」

カヲル「だまれ……!」

惣流「断言するわ。こいつはこの状況を利用することしか考えてない」

惣流「如何にして碇シンジを手に入れるかをね」

惣流「老人たちもネルフも考えることね、どうすべきかを。勿論、式波アスカ、あんたもね」

リツコ「あなたはどうするつもり」

惣流「あたしは眠ることにする。現状でこの世界ではパーフェクト・インパクトは起こらないから」

惣流「それじゃ、Bis dann!」

アスカ「あぁ……ッ…」バタン

リツコ「アスカ、しっかりなさい!」

カヲル「加持主席監察官、彼女を医務室へ」

加持「ああ……」

加持「(これ以上、俺に聞かれたらまずい。そういう事か)」

加持「アスカ、立てるかい」

アスカ「……いいわ。自分の足で歩ける」

加持「無理はするなよ」

キール「では赤木博士、込み入った話をしよう」

リツコ「(リョウちゃんとアスカが居なくなったという事は、話の話題はネルフの暗部の事かしらね)」

モノリス04「君たちに汚名返上の機会を与えると言ったら、どうするかね?」

リツコ「……仰る意味が分かりません」

カヲル「あなた達に碇司令や副司令に対抗する盾と矛としての役割を担って欲しい……という事ですよ」

モノリス02「碇、冬月両名とも消息は不明だが我らの知らぬどこかで力を蓄えるはず」

モノリス06「特務機関ネルフという組織は崩壊したが、その構成員が失われたわけではない」

リツコ「……そのまま、新組織に人員を割り当てると」

キール「全ての責任を碇たちにとってもらう、悪い話ではあるまい」

モノリス04「君たちにこれ以上の陵辱、つらい思いはさせたくないのだ」

リツコ「(もとより、私達が取れる選択は少ない)」

リツコ「(老人たち、碇司令、いったい何を考えているの?)」

キール「新組織には我々も秘密裏に最大限の援助をしよう。勿論、結果的に君たちの名誉の回復も行われる」

カヲル「ただし、この事は赤木博士、貴方の心の中に留めておいて下さいね」

カヲル「あくまで、旧ネルフ構成員によるレジスタンスである。そこが重要なので」

リツコ「……」

ここらで今日分の投下は終わります
風呂敷畳めるかぁ? スパロボ由来の要素とかガイナの他の作品の用語とか入れすぎ
マクロの部分がグダグダ
でも好きなようにやってるから気持ちイイ!

来年が2015年な事に内心、動揺したり

until You come to me にミサトさんが出てこない事に違和感を感じたり

では、再開します


―――医務室


リツコ『―――分かりました。そのお話、お受けいたしますわ』


アスカ「盗聴とは趣味が悪いわね、おじさん」

加持「はは、おじさんとは手厳しいな。俺は加持リョウジ。一度、自己紹介はしたはずだぞ」

アスカ「あたし、どうでもいい事は覚えない主義なのよ」

アスカ「……でもこれからは、そうは言ってられないようね」

加持「―――心苦しいが、君と2号機は新しい組織の力の証明になるだろう」

アスカ「で? それって、今までのあたしのライフワークとなにか、変わりがあるの?」

加持「……少し、子供扱いが過ぎたかな?」

アスカ「何かを失って、覚悟を決めるってのが大人なら、あたしはもう一人前の大人よ」

アスカ「それに、これからもやる事は同じ」

アスカ「エヴァに乗る。敵を倒す。やることは変わらないじゃない」

アスカ「正直、惰性でここまで来たってのは……あるわ」

アスカ「何も考えず何となくエヴァに乗って、何となく日本に来て、使徒と戦って」

加持「変わった理由は……シンジ君かい?」

アスカ「初めて、人と一緒に居て心地良いと思ったのよ」

アスカ「冴えない、バカなガキ。そう思ってた筈なんだけどね」

アスカ「何だろ、今のあたし、変に饒舌ね」

加持「もう一人の君の影響だと思うかい?」

アスカ「分かんない。あたしもあいつがあたしに何をさせたいのか、あいつが本心では何を考えているのか」

アスカ「全然、分かんないのよ」

加持「君はもう一人の君が嫌いかい?」

アスカ「何かその言い方は気持ち悪い。まるであたしがナルシストみたいじゃない」

アスカ「でも……そうね。嫌いなわけないじゃない」

アスカ「だって、あの娘はあの娘で一生懸命に生きてる……そう感じるのよ」


―――衛星軌道上 SSTO


冬月「初号機から発せられた強力なATフィールドがいい目眩ましになったな」

ゲンドウ「ああ……。我々が移動する時間は十分に稼げた」

冬月「ゼーレは初号機の確保を優先したか」

ゲンドウ「“アレ”はトロイの木馬だというのに……老人たちめ、気付薬にしては劇物だよ」

冬月「だからこそだろう。ああ見えて現在の初号機は安定しているよ」

冬月「むしろ問題はパイロットだろう。アダムスもしくは、使徒。どちらに肉体を乗っ取られても頭が痛い」

ゲンドウ「第二の少女はどうなった」

冬月「彼女にとり憑いたのは三番目の可能性。“観測者”だったようだ」

ゲンドウ「そうか」

冬月「興味は無いか……なら、君はどう思うかね? 真希波君?」

マリ「問題ないよ。式波・アスカの中の惣流・アスカは休眠状態になったようだし」

マリ「それより、二人共そろそろ教えなよ」

マリ「綾波シリーズでどこまでこの世界の行く末を見通せたのかを、さ」

冬月「……君たちユーロには感謝している。一度はゼーレに与した我々をこうして拾ってくれたのだからね」

マリ「冬月先生たちがゼーレとは違う思惑で行動しているのは分かっていたからね」

ゲンドウ「それを踏まえて話そう……ユイの、古い友人である君に」

ゲンドウ「綾波シリーズはそれ自体が一種の死海文書……預言書として機能するのは分かるな?」

マリ「彼女らの中にある情報が別の世界の綾波シリーズからもたらされているからでしょ」

ゲンドウ「そうだ。そして、綾波シリーズから情報を引き出す度に覗き見た世界から因果が流入する」

マリ「それは……初耳だにゃ」

ゲンドウ「この世界は闇の中を照らす光が一斉に瞬いているようなものだよ」

ゲンドウ「……我々はその光の中から適切な光を見つけなければならない」

ゲンドウ「だが、正直に言おう」


ゲンドウ「―――既に預言書をもとにしたシナリオは破綻している」

ゲンドウ「我々の、老人たちの、そしてユイが書いた別々のシナリオ……その全てがな」

マリ「この世界では可能性が多すぎて、それを選びとるのが難しかったから?」

冬月「それだけではないんだよ。因果の糸は絡まり、ある時には大きな塊となり、より大きな因果を作り出す事にもなる」

マリ「何それ、ほんと、この世界はシッチャカメッチャカだね」

ゲンドウ「だが、カオスの中でのみ作り出す事ができるものも存在する」

ゲンドウ「我々の狙いはそこだよ。カオスの中に枠組みを作り、その入れ物にカオスを注ぐ」

マリ「何とか、形としての体裁は整う?」

ゲンドウ「その為に必要なのがネブカドネザルの鍵と、今シャトルが向かっている場所に眠るシロモノだよ」

マリ「煩悩と苦の均衡を図る……ミラレパの綿衣(わたぎぬ)か」


―――ゼーレモノリスの間


カヲル「内と外の心のバランスこそ、ネブカドネザルの鍵で開放される人類(リリン)が真に必要としているものなんだね?」

キール「そうだ。アダムスとは……内なる自分たちに打ち勝った者達だよ」

キール「彼らは全ての人類と文字通り心を接続した……儀式の依代になった事でな」

キール「人の心に巣食う功罪、それを一瞬で五感で覚え、それでもなお、他人に絶望せず、他人に寄り添うことを良しとした者達だ」

カヲル「心の均衡を保つ為に足りないものを注ぎ足す……それが貴方達が目指す補完なのかい?」

キール「この世界(カオス)にはどちらかに偏った者があまりにも多い」

キール「このままでは、予測される災害に我々は対処できないだろう」

カヲル「災害……第一始祖民族、いや……反螺旋属(アンチスパイラル)によるこの世界への本格的な介入か」

キール「そうだ。反螺旋属の末裔であり、尚且つ、アダムスの記憶を持つ者よ」

カヲル「だけど、“この世界の僕”はタブリス(自由意志の使徒)としての役割を与えられている」

カヲル「忘れてはいないだろうね、リリンの老王」

キール「お前の意志は尊重する。それが、我らの契約。違いはしまい」

カヲル「なら、何故僕をリリスの下にそのまま向かわせず、惣流・アスカ・ラングレーと会わせた」

カヲル「アダムスでは無い彼女の影響力はそんなに無い筈だろう?」

カヲル「……まさか、初号機を僕に対する人質にしているんじゃないだろうね」

キール「お前とて感じているのだろう」

キール「“あの初号機”が紛い物であるということを」

カヲル「……分かっているさ。だけど、あの中には間違いなく碇シンジ君は存在するんだ」

カヲル「たとえ、紛い物であっても良い。そこにあるモノにシンジ君の名と魂の欠片が含まれているのなら」

キール「……最早、何も言うまい。タブリス、お前の心にも平穏があらんことを」

カヲル「ありがとう。キール・ローレンツ」





カヲル「―――さあ行くよ。おいで、アダムスの器。そして初号機のしもべ」

今日は終わりです

2015年までにはケリを付けたいです

目新しい単語が出てきても、基本的に意味は無いです

最初はただのLASイチャラブが書きたかっただけだったのに……どうしてこうなった


今年中ならけっこう駆け足更新?

>>104
はい
結局エヴァ新作、2015年じゃないか庵野監督ぅって感じですからね…(ボソッ
先に、破とQの空白期間を書きたいな、と


では、再開します


―――オーバー・ザ・レインボウ艦橋


副長「!!! 艦長! ネルフ本部方面から信号をキャッチ、パターンは青です!!」

艦長「なんだとッ!」

ミサト「何ですって!」ドンガラシャーン

艦長「葛城君! 君はまた艦内をうろついて……君を艦橋に招待した覚えはない!」

ミサト「ですが! パターン青が検出されたということは第3新東京市に最後の使徒が現れたということです!」

加持「そういう事です。ゼーレの少年が乗ったエヴァンゲリオンMark.6。奴が最後の使徒ですよ」

ミサト「加持!」

艦長「ううむ」

加持「只今より特務機関ネルフは解体、そしてその人員は新しく組織された機関に移行されます。予定通りにね」

ミサト「何よそれ……聞いてないわよ!」

加持「後からゼーレより正式な辞令がくるさ。リッちゃんは既に作業を始めてる」

加持「惚ける時間はないぞ葛城、これからMark.6を今度こそ止めるんだからな」

ミサト「……いいわ、覚悟を決める。艦長!」

艦長「ヴィレ(VILLE)か……分かった、君の指揮下に入ろう」

艦長「加持リョウジ司令長官殿」


―――太平洋艦隊 2号機専用洋上エヴァ簡易ドック


リツコ「2号機応急処置とチューニングは済ませたわ」

アスカ『ありがとう。赤木博士』

リツコ「ふふっ……私はやるべき事をやっただけよ」

リツコ「よろしくて? このドックはホバークラフトの能力を持っています」

リツコ「ドックの側面に取り付けられた巡航ミサイルを改造したブースターが六機」

リツコ「これで加速して、ここから新横須賀を通って一気に、第3新東京市で会敵」

リツコ「私達が準備してあげられるのはそこまで。ごめんなさい」

アスカ『上等じゃない。あいつがアンチATフィールドを展開する前に瞬殺してやるわよ』

アスカ「(渚カヲル……ゼーレに選ばれたあたし達と同じ仕組まれた子供)」

アスカ「(もう一人のあたしは言ってた。あいつは、老人たちに完全に従ってる訳じゃないって)」

アスカ「(なら、あいつは何の為にリリスの下に行こうとしているの)」

アスカ「(Mark.6の使徒としてと衝動? サード・インパクトを完遂させるため?)」

アスカ「(違う。そうじゃない)」

アスカ「(シンジを……手に入れる為? それなら、何で初号機じゃなくて、リリスなの?)」

アスカ「(一体、リリスに何があるっていうのよ)」


―――セントラルドグマ


カヲル「エヴァンゲリオンMark.6、第12使徒」

カヲル「エヴァとして建造されながら、急遽予定を繰り上げるために使徒にされた、“本物のエヴァ初号機”のコピー」

カヲル「因果なものだね。君こそ、一番この世界で生まれる次世代のアダムスの器に近い機体だったというのに」

カヲル「だけど、安心していいよ。この世界では死海文書の契約の改定は出来ない」

カヲル「間違いなく、君は最後の使徒であり、最初の使徒である僕と共にある資格があるのだから」

カヲル「君も見ていくといい、式波・アスカ・ラングレーさん。君も知りたいだろう……この物語の結末に何があるのかを」


―――ヘブンズ・ドア前


カヲル『遅かったじゃないか。待っていたよ』

アスカ「渚カヲル……あんた、何がしたいのよ。ここにはシンジは居ないのよ?」

カヲル『……ふふっ、いい事を教えてあげるよ』

カヲル『碇司令や、副司令がネルフの全ての人間を欺いてきた嘘の正体』

カヲル『それが、これだよ』


ゴゴゴゴゴゴ


アスカ「ヘブンズ・ドアが開く……」

アスカ「どうして……何であんたがそこにいんのよ!」



アスカ「シンジぃぃィイイ!!!」

アスカ「嘘よ……だって、シンジはエコヒイキと初号機の中に」

カヲル『理屈は簡単さ。初号機はリリスのコピー。だけど、ただのコピーじゃない』

カヲル『リリスにとって初号機はまさに半身。内部では繋がってるんだ。そして同じようにリリスの半身として存在する者がいた。綾波レイだよ』

カヲル『綾波レイはリリスの魂。だけど、その魂は初号機に定着してしまったんだ』

カヲル『だから、リリスは綾波レイと一緒に初号機に取り込まれたもう一つの魂を自分の魂と認識して、その大部分を初号機から奪った』

アスカ「それじゃ、シンジは……」

カヲル『第二使徒リリス。それが現在のシンジくんの名前だよ』

カヲル『シンジくんに綾波レイの役割をさせる。これが、碇司令の狙いだったのさ』

アスカ「どうして、そんな事を」

カヲル『これ以上の綾波シリーズからの因果の流入を阻止するため』

カヲル『そして、この世界唯一のアダムスの記憶を持つ僕からシンジくんを守るための退避手段』

アスカ「……渚、あんたシンジをどうするつもりだったのよ」

カヲル『シンジくんをこの牢獄から開放するのが目的だった』

カヲル『碇ユイが作り出した、この“多元太陽系迷宮”からね』

カヲル『この太陽系は外の世界と乖離しているんだ。君は“本物の初号機”がどこにあるのか、知っているかい?』

アスカ「そんなの、ゼーレが回収して……」

カヲル『それは偽りの初号機、紛い物、ダミーだよ。このMark.6と同じように世界に矛盾が生じないように碇ユイと本物の初号機が作り出した人形さ』

カヲル『いま、2号機に本物の初号機の座標を送った。確認してみるといい』ピッ

アスカ「何よ…これって……初号機が」

アスカ「ヘリオポーズ(太陽圏境界)にいるってーの!?」

カヲル『オーバーレインボウ号で僕が惣流・アスカ・ラングレーに言った言葉を覚えているかい?』

カヲル『「―――君とは異なる惣流・アスカ・ラングレーが存在する世界もまた僕たちは観測しているんだ」ってね』

カヲル『これは確認だったんだ。彼女が“この世界”を正しく認識しているかをね』

>>115
ミス
オーバー・ザ・レインボウ号が
オーバーレインボウ号になってる……orz

>>115
差し替え


カヲル『オーバー・ザ・レインボウ号で僕が惣流・アスカ・ラングレーに言った言葉を覚えているかい』

カヲル『「―――君とは異なる惣流・アスカ・ラングレーが存在する世界もまた僕たちは観測しているんだ」ってね』

カヲル『これは確認だったんだ。彼女が“この世界”を正しく認識しているかをね』

アスカ「教えなさい、渚カヲル。あたし達の世界、一体どうなってるの」

カヲル『色々な見方が出来るだろうね。碇ユイから見ればこの世界は、《自分の胎内》』

カヲル『シンジくんから見ればこの世界は《贖罪の場》』

カヲル『そして、他の子供達(チルドレン)から見れば、ここは《希望》』

カヲル『当然、僕にとってもこの世界……いや、“この周回”は《希望》だった。条件は整っていたからね』

カヲル『この世界は初号機が作り出した“多元太陽系迷宮”の中……』

カヲル『この世界ではまるで時間がループしているように、仕向けられているんだよ』

カヲル「最後だから言おう、僕は、碇ユイが作り出した“多元太陽系迷宮”に矛盾を生じさせることで、シンジくんを開放するつもりだった」

カヲル「僕が、順番を繰り上げる事によって、僕自身と綾波レイの役割を入れ替える」

カヲル「本来であれば“シンジくんを含めたリリン”の母はリリスだ。アダムである僕じゃない」

アスカ「それが矛盾だっていうの?」

カヲル「リリンが還るべきガフの門をアダムの門にすることによって、輪廻はねじ曲がる」

カヲル「“多元太陽系迷宮”はリリスのガフの門を活用しているからね」

アスカ「でも……それって! あんたにシンジを縛り付けることじゃない! そんなの!」

カヲル『これしかなかったんだ!』

カヲル『リリスからアダムのガフの門に切り替わっても、“多元太陽系迷宮”の、“リリンの螺旋力の増大を封じ込める”という本質は機能する!!』

カヲル『そうしなければ、この星の生命体は絶滅してしまうんだ! 反螺旋属(アンチスパイラル)によって!!』

カヲル『だが、僕の計画は破綻してしまった。不完全とはいえ、偽りの初号機によりガフの門は開き、シンジくんはリリスになってしまった』

カヲル『……逃げた方がいい、式波・アスカ・ラングレー。リリスには既にネブカドネザルの鍵が埋め込まれた』

カヲル『ガフの門より、リリンの魂は開放され、リリン達は暴走を始めるだろう』

カヲル『自分がより高度な螺旋力を持った存在になる為……インフィニティになる為に!』

カヲル『リリスを、シンジくんを喰らう為に変異が始める、行くんだ! シンジくんが帰るべき場所を守るために!』

本日は以上です

渚カヲル解体新書が無い分、カヲル君を目立たせてます

Aパートがアスカ、Bパートがカヲル君ですね

>>120
再開する前に修正
ガフの門ではなく、バラルの扉ですね……



アスカ「でも……それって! あんたにシンジを縛り付けることじゃない! そんなの!」

カヲル「これしかなかったんだ! そうさ! リリスからアダムのガフの門に切り替わっても、“多元太陽系迷宮”の、“リリンの螺旋力の増大を封じ込める”という本質は機能する!!」

カヲル「そうしなければ、この星の生命体は絶滅してしまうんだ! 反螺旋属(アンチスパイラル)によって!!」

カヲル「だが、僕の計画は破綻してしまった。不完全とはいえ、偽りの初号機によりバラルの扉は開き、シンジくんはリリスに吸収されてしまったんだ」

次のレスから本編再開します

アスカ「渚! あんたは!?」

カヲル『僕は、ここに残る』

カヲル『このカシウスの槍で、リリスを殺す。そうすればシンジくんの魂は初号機に戻る』

アスカ「……」

カヲル『大丈夫。僕を信用してくれ』

アスカ「……わかった。あんたを信じる」

アスカ「よく分からないけど、あんたがシンジを思う気持ちは本物だと思うから」

カヲル『ありがとう』


【 坂本竜一 - BELIEVE : ttp://y2u.be/TmG9uDoGztw


カヲル「思えば、僕は幸福だ」

カヲル「何度も、何度も違う形で君との出会いと別れを祝うことが出来る」

カヲル「姿形や役割を変えようとも、君と僕の縁が切れることは無いということだね」

リリス・シンジ「……」

カヲル「……いいんだ。君は君のままでいてくれれば、それでいい」

カヲル「僕の使命は君を助けることだ。それに不満を持ったことはなかった……」

カヲル「むしろ、僕は君に何度も救われているんだ。ありがたいことにね」


ズシャッ!



カヲル「せめて、君と同じ時に逝きたいと思ったのは我儘かな」

カヲル「……君ごと、Mark.6をカシウスの槍で貫いた」

カヲル「これで、使徒も全て撃破したことになる。アダムスの生き残りも一つ減った」

カヲル「……後の事は心配ないさ。目覚めるであろう“二人目の僕”と式波アスカがどうにかするだろう」

カヲル「君の躯(むくろ)にリリン達が辿り着くのは難しくなっただけでも価値はあるさ」

リリス・シンジ「アリガトウ」

カヲル「……ふふっ、幻聴でもいいさ。こちらこそ」


カヲル「――ありがとう。シンジくん」


―――ジオフロント


アスカ「ちっ、エヴァ専用のエレベーターから出てきたと思ったら何なのこいつ等!」ズシャッ

アスカ「これが、渚の言ってた、インフィニティの成り損ない……」

アスカ「あたし達と同じ人間の末路だって言うの!?」

ミサト『アスカ! そこから離脱して!!』

アスカ「分かってるわよ! だけどね……」

赤い巨人の群れ「……」

アスカ「活動時間は後、3分。こいつ等を振りきるってのは難しそうね」


―――オーバー・ザ・レインボウ号 艦橋


日向「葛城さん! パターン青、消滅しました!」

マヤ「同時に、謎の巨人の出現も打ち止めです」

ミサト「巨人の出現範囲は」

マヤ「関東地方、東海地方の半数です。全ての巨人がネルフ本部に向かっています!」

加持「インフィニティ。ゼーレの死海文書・掟の章に記された、我々人類(リリン)の変異した姿か」

加持「まさに、獣だな」

リツコ「ミサト、2号機はどんな形になっても、技術部が死力を尽くして直します。だから」

ミサト「ええ。2号機の脱出できる時間を作る。脱出ポイントの策定、急いで!」

青葉「今、やってます。……葛城さん! 緊急連絡!! この回線は……!」

ミサト「どうしたの」

青葉「すみません。繋ぎます。相手は戦略自衛隊技術総主任、時田シロウ技術一佐です!」

リツコ「時田ですって!?」

時田「久し振りだね、ネルフの……いや、今はヴィレだったかな」

リツコ「時田、あなた……」

時田「状況は戦自でも把握している。要はあのお嬢ちゃんが脱出する時間を稼げばいいんだろう」

ミサト「まさか、ネルフからの技術協力要請があったアレ、完成させたの!?」

時田「計画では移動用、N2リアクターだったんだがね。関係各所を説き伏せるのに苦労したよ」

時田「――ジェット・アローンはATフィールドが微弱なあれとも戦闘も可能だし、エヴァ2号機への給電もできる」

時田「既に、ジオフロント上空にジェット・アローンを搭載した輸送機が待機している」

時田「こいつは俺の息子同然だ。上手く使ってくれよ」


―――ジオフロント


アスカ「まずはあの不格好なロボットが着地できる場所を作る!」

アスカ「でもって電気!」

時田『先行して、プラグをケーブルごと降下させた。新開発の急速充電装置だ』

アスカ「よっこらしょっと、あんがと、オジサン。このロボット、なるべく壊されないように守りながら戦ってあげるわ」ガチャン

時田『ありがとう。だが、お嬢ちゃんの命が最優先だ。無理はしないでくれたまえよ』

アスカ「分かってる!」

アスカ「ミサト、ジオフロントから脱出できる、生きてるエレベータは!?」

ミサト『今、そっちにデータを送ったわ』

アスカ「サンキュー。何とかなりそうね……」

時田『……残念だが、JAはここまでだ』

時田『機体の冷却材が底をついた。もともと冷却用水の取り込み用のパーツをオミットしているから、ここでお別れだ』

アスカ「そう……。あんたのお陰で生き永らえたわ」

アスカ「ありがとう。JA」


―――オーバー・ザ・レインボウ号 艦橋


日向「何とか、なりましたね」

加持「では、時田大佐からの提案通り、JAのN2リアフターを暴走させてターミナルドグマへ続く道を封印する」

加持「各地に出現した赤い巨人は戦略自衛隊が対処しているが、じきに突破してリリスに向かうだろう」

加持「だが、エヴァンゲリオンMark.6の撃破と最後との使徒の殲滅という目標は達成できた」

加持「アスカと2号機を回収後、旧ネルフ各支部との衛星会議だな」フゥ

ミサト「戦いはこれからよ」

ミサト「人類の巨人化がどこまで進行するか。それに潜伏した碇司令」

ミサト「私達がこれから経験するのは、より人類の存亡を賭けた戦い」

リツコ「下手をすれば……いえ、間違いなく人類同士の戦いになるわね」

ミサト「目聡い奴らはもう次に向けて準備をしているわ」

ミサト「それを踏まえて、私達は一人でも多くの協力者を獲得していかなくてはいけない」

ミサト「次の時代に、私達の命と願いを託すために」

ミサト「(アスカ。あなたのエヴァを必要としない世の中を作るっていう願いを成就させてあげる為に)」

ミサト「それが、私達の希望なのだから」


―――ゼーレ 研究所


キール「タブリス。やはり、リリスと共に逝ったか」

キール「これで、この世界のアダム。そしてリリスも失われた」

キール「これで、次のループの器となりえるのは仮初めの初号機のみ」

キール「だが」

カヲル「一人目の僕の思い、確かに僕にも届いた」

カヲル「僕はアダムスの記憶を持っていないけれど……今度こそ、シンジくんを幸せにしてみせるよ」

キール「カヲル。私の希望よ。お前が碇の計画を乗っ取り、次の世界へ我々を導くのだ」

キール「そして、いつの日か人類がシンの補完を達成した時、エヴァンゲリオン初号機の呪縛から離れた時、対決するのだ」

キール「我らの始祖たる存在。全宇宙とな」



終わり

次回予告


エヴァQ世界の自分に乗り移ったメタ世界の碇シンジ

だが、既にこの世界は死の淵に立たされていた

死んだ筈の友人との再開

不審な行動をする猫娘にとった彼の意外な行動とは


次回「真希波・マリ・イラストリアス解体新書withサクラ」




今度こそ、シン・エヴァが終わったら公開

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom