幼馴染「えっ…女ちゃんは生えてないの?」(107)

腹筋がんばれだぜ

小さな幼と男と女で 花を育てる、ほのぼのストーリーとか

小学校 校庭

幼「えっ…女ちゃんは生えてないの?」

幼「アサガオ」

女「うん」

女「わたしのだけ、芽が出ないの…」グスッ

幼「だいじょうぶだよ。女ちゃん」

幼「わたしと男くんで、きょーりょくするからね」

幼「男くん、いいよね?」

男「うん、がんばろ。女ちゃん」

女「…うん」

……

幼「どうするの~、男くん?」

男「まずはアサガオ、見せて」

女「うん」サッ

男「…うーん。種が少し、ふかくうまりすぎ、かな」

男「あと、水が少し多いかな」

男「」イジリイジリ

男「…これでいいかな。どうぞ」

女「ありがと」

幼「よかったね~、女ちゃん。これで芽が出るよぉ」

幼「男くんは、たよれるもん。わたし、しんじてる」

男「このくらい、たいしたことないよ。…幼、ありがとう」

幼「えへへ」

……

女「幼ちゃん、男くん!!」タタッ

女「アサガオ、芽が出たよ」ニコッ

幼「よかったね~」ニコ

男「そっか」ニコ

女「ふたりとも、ありがとう」

女「男くんがいろいろ、助けてくれたり」

女「幼ちゃんがいい肥料、くれたおかげだよ」

男「ふふっ、よかったね」

幼「うん♪」

……

幼「女ちゃん、うれしそうだったね~」

幼「いいことすると、気持ちいいね~」ニパー

男「うん。人によろこんでもらえるって、いいよね」

男「ボクたちふたりで、いろんな人を、助けてあげようね」ニコッ

幼「うん、わたしたちなら、できるよね?」

男「うん。もちろん!」

下校ルート

ニャーニャー

幼「あっ、ねこちゃん!」

幼「かわい~♪」

男「ホントだね」ニコ
幼「ねこちゃん、にゃーにゃー」ナデナデ

猫「にゃーにゃー」シッポフリフリ

男「にゃーにゃー」

幼「えへへ、にゃんにゃん」ナデナデ

猫「にゃん、にゃー」スリスリ

幼「ふふ」ナデナデ

男「幼ちゃん、ねこがほんと大好きだね」

幼「うん、大好きだよ」ニコッ

男「ふふっ」

男(ねこと遊ぶ幼ちゃん、かわいいなあ)

幼「にゃん」

幼「…男くん、このねこちゃん、捨てられちゃったのかなあ?」

男「…かもね、ダンボール箱に入ってるし」

幼「…かわいそうだね」

幼「わたしが飼い主し、探してあげようかな…」

幼「…うちで飼うの、無理そうだし」

男「幼ちゃんの家、マンションだしね。隣の僕んちもだけど…」

男「よし、僕も手伝うよ」

幼「…いいの?たいへんだよ、男くん?」

男「いいよ。とりあえず、神社の裏にでも連れて行こうか。屋根とか、壁とかあるからさ」

幼「ありがと、そうしよっ」ニコッ

神社軒下

ニャー

幼「このねこちゃん、ちっちゃいね~」ナデナデ

男「うん、でも元気そうだね。良かった」

幼「とりあえず、あったかいミルクとか、あげてみようかな」

男「ぼくは古いタオル、探してみるよ。ダンボールの中に、敷いてあげたほうが寝心地いいから」

幼「じゃ、一度、帰ろ」

男「うん、近くだからすぐ来れるね」

幼「じゃ、おてて、つないでこっ!」

男「うん」ギュッ

幼「えへへ」ギュー

幼「…えへへ、男くんとひみつができちゃった…」ボソ

男「…色々、調べないと…。バレないように、大人の人の意見も聞こう…」

幼「」

幼「…男くん、しっかりしてる。小学生なのに」

幼「わたしもがんばろ」

……

猫「にゃん♪」ピチャピチャ

幼「男くん!ねこちゃん、ミルク飲んでるよっ!」

男「うん、結構元気だな」ニコ

幼「うん」

男「…さて、飼い主探しはどうやってやろうかな?」

幼「えっと…」

幼「そうだ!わたし、ポスター作る!!」

幼「で、飼ってくれる人探す」

男「いいね」

男「幼ちゃん、絵上手いからね」

幼「わたし、がんばる」フンス

男「じゃあ、ぼくはポスターを貼れる場所を探すよ」

男「学校の掲示板とか、先生に聞いてみる」

幼「商店街も、いいかも。駄菓子屋さんとかに、聞いてみる」

幼「わたし、ポスター、すぐつくるよ」

男「手伝うよ」

男「よし、行こう!」

幼「うん!!」

幼宅

幼「白黒のきじとらねこちゃん…」カキカキ

幼「男くん、ねこちゃん、こんなかんじかな」カキカキ

男「うん、うまいね」ニコッ

男「かわいいよ。さすが、幼ちゃん」

幼「…かわいい」カアッ

男「?」

幼「えへへ♪」

男「優しい飼い主さん、見つかるといいね」

幼「うん!!」

数か月後

猫「にゃん、にゃーにゃー」スリスリ

幼「もー、くすぐったいよぉ」

幼「えへへ、にゃーにゃー」ナデナデ

男「…すごいかわいいなあ」ボソ

幼「にゃー♪」

男「ポスター、あちこち貼れて、良かったね」

幼「うんっ!」

幼「ねこちゃん、大きくなったよね」

男「そうだね。幼ちゃんと僕で、一生懸命、世話したからだね」

男「これで飼い主さん、みつかるね」

幼「…うん」ナデナデ
幼「……」

幼と幼馴染、表記どうしたらいいかな?

いえ、参考になりました。ほかに読みにくいところとかない?

その数か月後

引き取り手「かわいい猫ちゃんですね」
引き取「大切に可愛がりますね」

男「はい、よろしくお願いします」

幼「…優しい、ねこちゃんなんです。人なつっこくて…」

幼「大事に、…してあげてください…」

引き取「はい」

猫「にゃーん」ペロペロ


幼「…楽しかったよ。わたしも大好き」ナデナデ

幼「…げんきでね。いっぱい幸せになってね」グスッ

猫「にゃ~」

男「いい子にするんだよ」

幼「…またね」

猫「にゃーん」

引き取「じゃあ」

……

幼「…ふぇ、ふううっ…」グスッ

幼「ふう…、うぇ、ふうぅ…、ふぇっ」グスグス

男「……」ナデナデ

男「優しそうな女のひとだったね」

男「遠くないし、またいつでも会えるよ」ニコ

男「猫ちゃん、喜んでるよ」ナデナデ

幼「…うん」クスン

男「…よく、泣かないで、お見送りしたね」

幼「…泣いてお別れは、ねこちゃんもさびしいもん…」グスッ

男「…そっか、やさしいね。幼ちゃん。…ぼくがそばにいるからね」

幼「…うん」クスン

男「」ナデナデ

中学校

女生徒a「…それじゃあ、男くん、幼ちゃん、資料運ぶの手伝ってくれてありがとう」ペコ

女生徒a「すごく重いから、一人じゃ運べなかったよ」

幼「気にしないで。困ったときは、お互い様だよ」ニコ

男「うん。僕らが困ったときは助けてもらうかもしれないしさ」

女生徒a「二人はほんとに優しいね~」

……

幼「いいことすると、気持ちいいね~」

男「うん。…まあ、たいしたことじゃないんだけどね」

幼「まあね、でもいいの」ニコ

男「うん」

幼「じゃ、帰ろう」

男「そうだね」

帰り道

幼「…男くん、わたし絶対、男くんと同じ高校に行きたいな」テクテク

男「うん。僕も離れ離れになりたくない」テクテク

幼「ずっといっしょにいるために、もっともっと、がんばらなきゃ」フンス

幼「…がんばるには充電が必要だな~」

幼「男くんが手をつないでくれなきゃ、がんばれないかも…」

男「…これでいいかな」ギュッ

幼「うんっ!!」ギュッ
幼「えへへ~、充電できた~」

幼「…男くんの手、あったかい」

男「…幼ちゃんも」

幼「えへへ」

男「ふふっ」

女の子「ふぇ、…うっく…ひっく」グスッ

幼「…あっ、男くん」

男「うん、迷子かな?」

幼「どうしたの?」

女の子「…ううっ…ひっく」グスッ

幼「おしえて?」ニコッ

女の子「…あのね、おねーちゃんとね、はぐれちゃったの…」

幼「うん」

女の子「…おねーちゃん、ふぇぇぇん」

幼「泣かないで~、平気だよ」ダキシメ

幼「男くん…」ナデナデ

男「うん、僕らでお姉さんを探してあげよう」

幼「大丈夫だよ~。私と男くんで、いっしょにお姉さん、探してあげるからね」

幼「あなたのお名前は?」ニコ

女の子「…女の子」

幼「女の子ちゃんかぁ…、かわいい名前だね」ニコ

幼「女の子ちゃんのお姉さんとは、どこではぐれちゃったのかな?」

女の子「…こっち」

男「…うん、まずははぐれた所に行ってみるのがいいね」

幼「お姉さんも女の子ちゃん、探してるかもしれないからね」

幼「さあ、いこっ。手つないで、ね」

女の子「ぐすん」コクリ

男「…こっちなら駅前から来たのかな?」テクテク

幼「じゃあ、もしかしたら電車で遠くから来たのかなぁ…」テクテク

男「…だとしたら大変だな。近場の子ならいいんだけど」

幼「とりあえず、駅前に行ってみよっ!話はそれからだよ」

幼「…そういえば女の子ちゃんのリボン、おしゃれだね~、いいな~」

女の子「…おねーちゃんにもらったの」

幼「そっかぁ、仲良しさんだね」

女の子「おねーちゃんはやさしいの」

幼「うんうん」ニコ

男「お姉さんと女の子ちゃんは、どこに行くところだったの?」

女の子「…えっとね、えっとね、…わかんない」

男「そう」

男「…まあ、仕方ないかな。女の子ちゃん小さいし」ボソ

幼「おねーちゃんはどんな人なの?」

女の子「おねーちゃんは美人さんなの」

女の子「でね、お料理が得意なの」

幼「そうなんだ~」ニコ

男「…やさしくて、美人で料理が得意。…幼ちゃんみたいだね」ボソ

女の子「わたし、おねーちゃんみたいになりたい」ニコッ

幼「女の子ちゃんなら、きっとなれるよ。とってもかわいいもん」

女の子「うん、がんばる!!」

幼「がんばれ~!!」

男「…女の子ちゃん、元気になってきたね。さすが幼ちゃん」

女の子「ありがと~。おねえさんもとっても美人さんだよ」ニコッ

男「…確かに可愛いし、きれいだよね」ニコッ

幼「…そんな、恥ずかしいよ」カアッ

男「」クスッ

男「ところで女の子ちゃんのおうちはどこかな?」

女の子「とおくだよ」

男「遠く?どの辺?近くに何か目印あるとかない?」

女の子「えっ、…う~ん」

男(…手がかりが得られないな。どうしたものか…)

男「じゃあ、お姉さんとはぐれた場所ならわかるかな?」

女の子「…ここをこっちに、もう少し行ったところなの。…たぶん」

男「大まかな道順だけで、具体的な場所はよくわからないのかな?」

幼「みたい。でも行ってみれば思い出すかもしれないよ」

男「そうだね」

幼「…こっちならやっぱり駅前であってるね」

男「うん」

……

幼「駅前についたね」

女の子「…ここ知ってるかも」

男「やっぱり駅前でよかったかあ…」

男「うん、とりあえず商店街で、女の子ちゃんやお姉さんのこと、知ってる人がいないか聞いてみよう」

幼「うん」

ガヤガヤ

女の子「幼おねーちゃん…」ギュッ

幼「…人が多いね。気をつけて、女の子ちゃん。…そうだ!」

幼「迷子にならないように、みんなで手をつなごうよ」

男「幼ちゃんはもう女の子ちゃんと、手つないでるじゃない」

幼「うん、だから女の子ちゃんの反対の手と、男くんがつなぐの」

幼「そうしたらひとかたまりで安心だよ」ニコッ

男「…たいして意味があるように思えないけど。…僕ははぐれないし」

幼「いいから、いいから。ほらっ、女の子ちゃんも」クスッ

男「うん」

女の子「わかったー」

(三人で手をつないでます)

幼「えへへっ♪」ギュッ

女の子「えへへ~」ギュッ

男「……」ギュッ

男(…中学生にもなって、こんな手のつなぎかたするとは)

男(…これじゃ、まるで)

幼「親子みたいだね」ニコニコ

幼「私と男くんがお母さんとお父さん、女の子ちゃんが娘さん、なーんて」ニパー

女の子「幼おねーちゃんと男おにーちゃんと家族~♪」ニコニコ
男(…いいとこ、三兄妹かな)チラッ

幼・女の子「♪」

男「…まあ、いいかな」クスッ

男(…まてよ、その設定だと僕と幼ちゃんは…)

男「」カアッ

やっぱりなにかヤマやオチがあったほうがいいのかな?
淡々としててスマン

男「…これで街中歩くの?」ギュー

幼「そうだよ、女の子ちゃんをきっちり守らなきゃ」ニコニコ

女の子ちゃん「えへへ~」ギュー

幼「さっ、行こう」

男「……」

……

男「……この子のお姉さん、知りませんか?迷子なんです」

モブ「いや、知らないな」

……

幼「……この子、このあたりで迷子になったんです。何かわかりませんか?」

モブ「ごめんなさい。わからないわ」
……

幼・男「すみません……」

……

男「広場のベンチで休もうか、女の子ちゃんも疲れてるし」

女の子「……」

幼「うん」スワリ

男「ふー」スワリ

幼「なかなか見つからないね…」

幼「女の子ちゃんが一度、駅前から離れちゃったからかな」

男「商店街と駅前広場、両方あちこち探したんだけどね」

男「小さい駅なんだけどな」

幼「あとはどこ行こうかな?」

男「駅裏とかかな」

男「…交番、は駅前から離れてるから、連れていくなら最後だね」

男「…女の子ちゃん」

女の子「…ふぇぇ、おねーちゃん、おかーさぁん!」ジワッ

女の子「うぇぇぇ~ん!!」ポロポロ

幼「…泣いちゃだめだよ、くるしいもん」ダキシメ

幼「だいじょうぶだよ~、女の子ちゃん」ナデナデ

女の子「」グスン

幼「…私がお願い事がかなうおまじない、教えてあげる」

幼「手のひらを出して」

女の子「…うん」スッ
幼「まず、手のひらにうずを書くの」グルグル

幼「そしたら、書きながら呪文を唱えるんだよ」

幼「ウカナウカナウカナー、ってね」

幼「これでどんな願い事もかなうんだよ」ニコ

幼「だからもうお姉さん、見つかるよ」

女の子「…ほんと?」

幼「ほんとだよ。私は一番大切な人に、このおまじない教わったんだよ」

幼「このおまじないのおかげで、その人とずっといっしょにいられてるんだよ」

幼「だから、女の子ちゃんもきっとだいじょうぶだよ」ニコ

女の子「…うん」コクリ

男「……」

男「…そうか」ボソ

おやすみなさい

……

幼「…あれ、男くん?」

男「…ほら」スッ

女の子「アイス?…いいの?」

男「どうぞ。そこで買って来たんだ」

男「チョコとバニラ。オーソドックスにね」

女の子「ありがと~わたし、アイスだいすき~」ニコー

男「…ほら、幼ちゃんにも。チョコブラウニーとストロベリー、好きでしょ。僕も同じの」

幼「ありがと。…覚えててくれたんだね」ニコッ

男「当然。一歳からのつきあいだよ。」ニコッ

幼「えへへ」

女の子「……」ジーッ

女の子「幼おねーちゃんと男おにーちゃんは付き合ってるの~?」

男「あう!?」

幼「ふぇっ!?」

男「……」カアッ

幼「……」カアッ

女の子「仲のいいだんじょは付き合ってるんだよね?おねーちゃんが言ってたよー」

女の子「おにーちゃんとおねーちゃん、とっても仲良しさんだもん」

女の子「わたし、4歳でおとなだから、わかるよー。ふたりは恋人同士なの~?」

男「…それは、その…」

幼「…あのね」

女の子「どうなの~?」

?「あっ、いたっ!!」

姉「探したんだよー!!心配したんだから!!」

女の子「おねーちゃん!!」ダッ

姉・女の子「」ギュッ

女の子「ふぇぇ~ん、おね~ちゃん~!!」ギュー

姉「…もう、すぐいなくなっちゃうんだから」ナデナデ

姉「…妹の面倒見てくれたんですね。ありがとうございました」ペコッ

幼「いえ」ニコッ

男「気にしないでください」

幼「女の子ちゃん、とってもいい子でしたよ」

男「ええ。いっしょにいて、楽しかったです」

姉「…そうですか、すみません。この子、すぐ一人で遠くまで行っちゃうから」

姉「…やっぱり遠いところにいませんでしたか?」

幼「そんなことありませんよ」

男「近くでお利口さんで、待ってましたよ」

男(…なるほど。確かに学校と駅前は遠いね)

姉「ほんとにありがとうございます。アイスまでごちそうになっちゃってすみません」ペコッ

女の子「ありがと~」ニコ

帰り道 夕暮れ時

幼「女の子ちゃん、お姉さん見つかって良かったね」

男「うん。姉さん、僕らと同い年なんだって。またふたりに会えるといいね」

幼「うん」

幼「」ポスッ

男「…なんで僕にもたれるのかな?」

幼「…なんか疲れちゃって。…いいよね」

男「うん」

幼「…夕焼け、きれい」

男「…そうだね」

男(いいかんじだな)

男(…カップルか。女の子ちゃんに言われて、改めてはっきり意識しちゃったな)

男(今までもずっとそうなりたかったけど、恥ずかしくてしっかり口に出して言えなかったんだよな)

男(なし崩しにしちゃいけないよね)

男(僕は、自分で思いを伝えたい)

男「ねぇ、幼ちゃん」

幼「なぁに?」

男「幼ちゃん…」

幼「ふふっ、どうしたの?」

男「…幼ちゃん」カアッ

幼「もー、なぁに?」
幼「……」クスッ

幼「男くん」ニコ

男「うん」

幼「おーとこくん♪」

男「ああ」カアーッ

幼「男くーん」ニコニコ

男「…うん」

幼「えへへ、名前呼び合うって楽しいねぇ」
男「そうだね。…それにとってもうれしい」

幼「うんうん、よくわかるよ♪」

男「…あのね」

男「…同じ高校にさ、受かったら言いたいことがあるんだ」

幼「うん」

男「すごく大事なこと…、なんだ」

男「今は受験とか忙しいから後になっちゃうけど、必ず伝えなきゃいけないことがあるんだ」

幼「…男くん?」

男「…待っててくれるかな?」

男「…訳がわからないかもしれないし、身勝手だけどさ」

男「…お願い」ペコッ
幼「……」

幼「…わかった」

幼「わたし、待つね」

幼「…大事なことなんだよね?」

男「…うん」

幼「じゃあわたし、信じて待ってるね」ニコ

幼「絶対、伝えてね」

男「必ず」

幼「……」

幼「家が近所だと、いっしょに帰れていいよね」ニコッ

幼「…こうやって、男くんと並んで帰ると、すごく安心するんだよ」

幼「…だから、ずっといっしょに帰ろうね」

男「うん」

男「…僕も、誰かと毎日いっしょに帰れるのはいいと思う。ひとりじゃさびしいよね」

男「夕焼けはきれいだけど、終わりってかんじがして悲しくなるからね」

男「…まあ、僕らは帰りだけじゃないけどね」

男「ありがとう、幼ちゃん」

男「…幼ちゃんのおかげで、僕はさびしくなったことはないよ」

男(…それが好きな人となら、なおさら…)

見てる人、ありがとうございます

幼「えへへ、じゃ、また明日ね」ニコッ

男「うん」ニコッ

幼「」ガチャ

男「…家がすぐ近くっていいよね」

男「また、逃げちゃったな…」

男「…なんでかな?」

……

幼稚園時代

幼「…ふぇ、ひっく…うう」グスグス

男「…幼ちゃん、どうしたの?だいじょうぶ?」

幼「…ころんじゃったの、いたいよぉ…」グスッ

男「うんうん、いたいよね」アタマナデナデ

男「僕がそばにいるからね、平気だよ」

幼「おとこくん」ダキツキ

男「よしよし、泣かないでー」ギュッ ナデナデ

男「…そうだ、幼ちゃん」

男「ぼくね、いいおまじない知ってるんだ。それをしたら、いたくなくなるかも」

幼「おまじない?」

男「うん、手のひら出して」

幼「うん」スッ

男「…こうやってね、指で手のひらをぐるぐるして」

男「じゅもんをとなえるんだ」

男「ウカナウカナウカナー」

男「やってみて」ニコッ

幼「ウカナウカナウカナー、…こう?」グルグル

男「そうだよ」

男「お願いごとがかなうおまじないなんだよ」

男「お母さんが教えてくれたんだ。きっと、いたいのもなくなるよー」ニコッ

幼「そうなの?」

男「うん!!」

幼「……」

幼「ほんとだー、いたくないよー!!」

男「でしょ」

幼「男くんありがと~!わたし、男くんだいすき~!!」

男「ふふっ、ぼくもだいすきだよ」ニコ

幼「じゃあね」

幼「わたし、おとこくんとずっといっしょにいたいー!」

幼「…このおまじないで、ずっといっしょにいられるよね?」

男「うん、ぼくもいっしょにいたい!」

男「ふたりでおまじないしよっ!」

幼「うんっ!」

男・幼「ウカナウカナウカナー!」グルグル
幼・男「いつまでもふたりいっしょにいられますように!!」

幼「これでいっしょにいられるね♪」

男「ねー」

……

チュンチュン

男「…朝だ」

男「…夢かぁ、懐かしいな」ファーッ

男「今日は合格発表か…。大丈夫なはず、…多分」

男「夢見も良かったし」

男「…起きようか」ムクッ

……

高校合格発表会場

幼「緊張するね…」

男「ふたりでできる限り頑張ったんだし、信じよう」

幼「いっしょに勉強するの、楽しかったよね」ニコッ

男「うん、すごくね」ニコッ

男「さっ、行こう」

幼「うん!!」

……

男「…受かった」

幼「…うぐっ、うっうっ…」グスグス

幼「…受かってる」グスッ

幼「…うれしいよぉっ」

男「幼ちゃん、おめでとう!!」

幼「男くんもおめでとう、これでふたり通えるよっ!!」

男「離れ離れにならないよ!」

男「やったー!!」

幼「やったねー!!」

男・幼「良かったー!!」ダキツキ ギュッ

男「……」カアッ

幼「……」カアッ

男「」ギュッ

男「…あのね、幼ちゃん」

幼「…うん」カアッ

ザワザワ

男(…こんな人が多いところじゃ無理だ)

男「…帰りに話したいことがあるんだ。いい?」

幼「うん」

姉「…あの、男さん、幼さん」

男「はい?…ああ、姉さんじゃないですか。久しぶりですね」ニコ

男「姉さんもここを受けたんですか?」

姉「はい。ここの高校受けたんです」

姉「さっき見ていたんですけど、お二人も受かったみたいですね。良かったです」

姉「私も受かってたんで、いっしょに通えますね」

幼「おめでとう。知ってる人に会えて良かった~。女の子ちゃん、元気にしてますか?」ニコ

姉「はい。元気過ぎて困るくらい」ニコ

姉「妹が会いたがってましたよ。…ここに来てますから、みんなで帰りませんか」

女「幼ちゃん~!!」

女生徒a「男くん!!」
男「あっ、二人も来てたんだ?」

女「うん、受かってたよ」ニコッ

女生徒a「私もだよ」ニコッ

幼「おめでとう~。わたし達もだよ」ニコ


男「これでみんなで通えるね」ニコッ

…うーん、話がめちゃめちゃになってきてるな、ごめん。見てる人ありがとう。

女生徒「ねっ」ニコッ

幼「ふふっ♪」

女「…特に幼ちゃんと男君は、いっしょでよかったね」ボソッ

女生徒「…うん、応援しようね」ボソッ

女「…もちろん」ボソッ

幼(…何話してるのかな?)

女「…ところでそっちの人は?」

男「姉さんだよ。ここに通うんだ」

姉「姉です、よろしくお願いしますね」

女「男君と幼ちゃんの友達の女です。よろしくね」

女生徒「女生徒です。仲良くしてくださいね」

幼「じゃ、みんなで帰ろうね」

帰り道

姉「…というわけで、お二人に妹を見つけてもらったんです」

女の子「そうなのー」ニコニコ

女「ふたりらしいねー」ニコ

女生徒「困ってる人、ほっとけないんだもんね」

幼「…そんなことないよ」

女「こないだなんて、図書室で恋のキューピットしちゃって…」

女生徒「うんうん、無口ちゃんよろこんでたもんね」

女「私、小学校から付き合いあるんだけど、よく助けてもらったよー。ありがと、ふたりとも」

女生徒「私も、委員会の仕事とか手伝ってもらったよ」

男「…なんかテレるな」

幼「…うん」

女「みんな、男君と幼ちゃんのお世話になってるわけだー」

姉「そうですね」ニコ
女の子「おにーちゃんとおねーちゃん、いいひとー♪」

女生徒「ほんとにねっ」ニコ

男「…すごいくすぐったいな。そんなたいしたことじゃないよ」

幼「うん、わたしたちが好きでしてるだけだよ」

女「ふふっ」

女生徒「それでもえらいよ」

女の子「うん」

姉「そうですよ」

女の子「ねーねー」

男「…うん?」

幼「なあに?」

女の子「おねーちゃんとおにーちゃんはつきあってるの?」

女の子「わたし、ずっとふたりがつきあってたらすてきだなーって、思ってたの」

女の子「ふたりは恋人どうしなのー?」

男「…なあっ!…そ、それはね…」カアッ

幼「…ふぇ…、わ、わたしたちは…」カアッ

姉「?」

女「…またか」

女生徒「…うん」

女「…そうだ!」

女「女生徒ちゃん、姉ちゃん、来てっ!」チョイチョイ

ボソボソ

ボソボソ

女「…ねっ!頼んだよ」

姉「はい。協力します」

女生徒「わかった。がんばりましょ」

女「…バレないようにね」

男(みんなで帰るの、楽しいな)ニコ

男(…でも、幼ちゃんに話どうしよう)

幼(…大事な話かぁ)

幼(…男くん)

遊園地

男(入口で待ち合わせ…)

男「少し早く来すぎたかな…」キョロキョロ

幼「このくらいでいいんじゃないかな」

幼「遅刻するより30分前行動だよ」ニコッ

男「ふふっ、そうだね」

男(女さんと女生徒さんが、姉さんや女の子ちゃんも誘って、遊園地で合格祝いをすることを企画したんだ)

男「…実は早起きしたんじゃなくて、楽しみすぎて寝られなかったんだよね」

幼「わたしもだよ」ニコッ

幼「こんな大きな遊園地、初めて行くんだもん♪」

幼「わくわくして、寝てられないよ~」

男「僕たち、子供みたいだ」クスッ

幼「ねっ♪」

男(…寝られないのはそれだけが原因じゃないんだけど)

男(色々、悩んじゃうんだよね…)

男「…まあ、ここ有名どころだし、仕方ないよな」

幼「うんっ」

男「…ところでさ、その服可愛いね」

男「幼ちゃんのふんわりしたイメージにぴったりで」

幼「ありがと、うれしいな」ニコッ

幼「男くんスカートにブラウスみたいな、女の子らしいの好きだよね」

幼「わたしもそういう服、可愛いから大好き」

男「僕は幼ちゃんに似合うから好きなんだけどね、そういうの」

幼「…ふぇ!?」

男(つい本音が…)

幼「」カアアッ

男「…自分でも恥ずかしいこと言っちゃったなあ」ボソ

♪♪♪~

男「…おや、メールだ」パッ

男「……」ジーッ

男「…!?」

男「…これは」

幼「…どうしたの?」

男「…みんな少し遅れてくるって。電車が遅刻してるとかで」

男「先に遊んでていいってさ」

幼「わたし、待ってもいいよ。みんなで遊んだほうが楽しいもん」

男「結構遅れてるから、気にしないで先に楽しんで欲しいって」

男「ほらっ」(メール見せる)

幼「うん」

男「とりあえず、先行って待ってようか?」

幼「そうだね」

幼「……」

男「どうしたの?」

幼「…男くんも服似合ってるし、カッコいいよ」カアッ

男「…ありがと」カアアッ

園内

ガヤガヤ

幼「混んでるねー。人ばっかりだよー」

男「うん、人気があるところだしね」

幼「あんまり待たないで乗れそうなの、あるかな?」

男「…観覧車乗りたいんだけどいいかな…?ほら空いてそうだし」

幼「…いきなり観覧車?…いいよ」ニコ

幼「いこっ」

観覧車

ガタンガタン

幼「…でね、あのわたしたちが見つけたねこちゃん、元気にしてるんだよ」

幼「わたし安心しちゃった」ニコッ

男「うん、そっかよかった」ニコッ

男「懐かしいねー」

幼「うん♪」

幼「ほんと合格してよかったねー。ほっとしたよ~」

幼「学校楽しみだね」

幼「朝いっしょに行こうね。あとね、わたしお料理練習してるから…お弁当作ってあげる」

幼「…あんまりおいしくないかもだけど、食べてくれたらうれしいなって…」カアッ
男「ううん、すごくうれしいよ。楽しみに待ってるね」ニコ

幼「みんな遅いね~」

男「……」

男「…幼ちゃん」

幼「…男くん?」

男「幼ちゃんは今楽しい?」

男「僕はすごく楽しいよ」

男「…いつもそばに幼ちゃんがいるから」

男「僕はいつも幸せなんだ」

幼「……」

男「いつもごまかしてゴメンね。言わなくても伝わるかもなんて、あいまいにしたくないから、…今言うよ」

男「大好きです、幼ちゃん」

男「…あのおまじない覚えててくれてたよね。あのころからずっと好きなんだ」

男「だから僕のそばにいてください」

幼「……」

幼「えへへ」

幼「…夢かなっちゃった。男くんのおまじない、やっぱりよくきくね」

幼「…男くんもおまじない、覚えててくれてたんだね」ニコッ

男「うん、わすれないよ」

幼「…うれしいな」

幼「わたしの答えは初めから決まってるよ」

幼「好きだよ、男くん」

幼「男くんがいてくれるから、わたしもずっと幸せなんだもん」

幼「これからもわたしを幸せにして…」ニコッ

男「…幼ちゃんといるだけで、僕のほうがたくさん幸せになっちゃうな」

幼「そんなことないよ。わたしのほうが幸せだもん♪」

男「僕のほうが幸せだよ」

幼「わたしのほうが…」

幼・男「……」

幼「えへへっ」

男「あははっ」

幼「さっそくたのしいね」ニコッ

男「なっ」ニコッ

男「この幸せ、みんなに分けてあげたいね」

幼「そうだね」

……
幼「観覧車、よかったね」ニコ

男「王道だしね」
幼「王道いいよね」

男「次はどれ乗る?」
幼「…あれ」ユビサシ

男「…どれ?」フリムキ

幼「……」
幼「」チュッ

男「!?」チュー

幼「初キスしちゃったね~」ニコッ

男「…うん」ボーッ

幼「ウカナウカナウカナー」グルグル

男「…何してるの?」
幼「次のおまじない」

幼「今度はお嫁さんにしてもらうんだもんっ!!」

幼「忘れないでよね!!」ニコッ

男「もちろん」ニコッ

……

女「うまくいってよかったね」

女「デート作戦成功だよ!」

女生徒「男くんにメールで発破かけたかいがあったね」

女「そうだね」

女の子「おにーちゃんとおねーちゃん、たのしそー」ニコッ

姉「ですね」

女「いい子達だもん。これくらい、いいことあってもいいよね」

女生徒「…メールで、もう少し遅れるって伝えましょう」ピッ

姉「ふたりきりにしてあげるんですね」

女「じゃあ、私達も邪魔しないように、思いっきり遊ぼー!!」

女の子「おーっ!!」

おしまい

読んでくれた方、ありがとうございます

すげー出来悪かったな
すまん

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