ウルスラ「1970年の世界の話です…」 (56)


ウルスラ「皆さんどうも。カールスラントの双子の天才でお馴染みのウルスラです。
少し前に私が『未来の自分』と『現在の自分』を入れ替える薬を開発してからはや数週間。
いろいろなことが起こりました。
未来の宮藤さんの魔法力放出銃(ビームガン)それとシャーリーさんの超高速戦闘
他の501のメンバーもひととおり試してもらいましたが…報告書はまだ姉様のだけです
話が長くなりました。今回のお話は未来からまた誰かが来たようです。
今回は作者オリジナルキャラが出てきます。注意して読んでください。
さて…今回はどんなことやら……」


1970.春期 午後訓練 扶桑軍事養成所(1945.501劇場版)

ペーチュ「もう無理…もう走れない……」

教官「甘ったれるなペーチュ一等兵!また貴様が最後か!」

ペーチュ「そうよ!私が最後で何か悪い?」

教官「貴様のせいで訓練が長引いていることがわからんのか!」

ペーチュ「じゃあ走らせないで!」

教官「全くこの生徒は…午後の訓練はここまでとする!各自解散!」


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投下していくよー


扶桑軍事養成所 宿舎(以下宿舎)

ペーチュ「はぁ…また今日もビリだったかぁ……」

ルームメイト「しょうがないよペーチュ。私達とは違ってまだ使い魔と契約してないからウィッチとしての基礎体力はまだないんだし」

ペーチュ「使い魔のことはやめてよ…誰も私には懐いてくれないし」

ルームメイト「それもそうね。この話はやめましょ」

ペーチュ「それにしても今年で13かぁ…士官学校に入ったはいいけど成績不十分で本国送還されそうだよ」

ルームメイト「ペーチュは使い魔に懐かれる前に警戒されて終わりって感じだし…あと本国送還はないと思うよ。だってペー
チュは……」

ペーチュ「おっと!親と使い魔の話はそこまでだ。なんで母親が501でその娘がこうなんだってみんな言ってるから……」

ルームメイト「この会話何回目だろう…ついこの前入学式で会ったばっかりなのに」

ペーチュ「それだけ印象に残ってるってことでしょ?」

ルームメイト「さて。明日も訓練ですし早めに寝ましょ?」

ペーチュ「了解!おやすみな!」


1971 夏期 飛行訓練

教官「また貴様かペーチュ一等兵!」

ペーチュ「また私だ!飛行教官殿!」ヨロヨロ

教官「貴様使い魔はどうした!1年の時に契約するとカリキュラムに書いてあっただろう!」

ペーチュ「私は数々の使い魔達と契約を結ぼうとしましたが相手にされず。過剰に近づけば警戒され!特別に来年のカリキュ
ラムで取得させると前任教官は言っていました」ヨロヨロ

教官(使い魔なしでユニットを起動させ…自分で魔力バランスをとってこうして空に浮いている。このことがどれだけ凄いことなのか彼女は知っているのか……)

教官「そうか!ならついてこられるまでついてこい!それでは皆私のあとについて来い!」ブーン

ペーチュ「最後までついてってやる!」ヨロヨロ

教官(彼女の潜在能力を殺してはいけない…なんとしてでも開花させなくては……)

ペーチュ「とべぇ!」ヨロヨロ

教官(私の権限で彼女を坂本中佐の所に連れて行ってみるか…それで何かが変われば……)

ペーチュ「うぉおおー」ヨロヨロ


1971 秋期 宿舎

ルームメイト「ペーチュなにかしたの?」

ペーチュ「なにがって?」

ルームメイト「クラスで話題になってるよ!ペーチュが坂本中佐の家に行くんだって!」

ペーチュ「ただの相談会だって。」

ルームメイト「それでもあの坂本中佐だよ!扶桑のサムライだよ!」

ペーチュ「はいはいそうですね。」

ルームメイト「あ…そうかペーチュの親って……」

ペーチュ「親の話はしないでって言ってるでしょ?あと親のつてじゃないから」

ルームメイト「あ…ごめんね」

ペーチェ「もう慣れたって。明日早いからもう寝るね」

ルームメイト「うん。おやすみペーチュ」


翌日 坂本邸前

教官「くれぐれも失礼のないようにね」

ペーチュ「わかってますって」

教官「それでは……」

コンコン

教官「扶桑軍事養成所からきました!坂本中佐はおられますか?」

ペーチュ「そんなに大声出さなくても……」

タッタッタッ

???「はーい!いまいきまーす」

ガラガラ

???「どなたですか?」

教官「なっ…宮藤少将!なぜあなたがここに!」

宮藤「なぜって言われても…」

坂本「私の介護をしてもらっている。というところだ」

宮藤「介護じゃありません!手伝いです!」

坂本「こういうことだ」

教官「そうですか…それで今回の件ですが……」

坂本「おっと。立っているのも疲れるだろう。中に入ってゆっくりな?」

坂本邸 茶の間



坂本「資料を見せてもらった…が」

教官「坂本中佐。どこかわからない場所が?」

坂本「いや…14の時のおまえとそこのペーチュの成績を比べたのだが…ペーチュの方が優秀だと…」

宮藤「坂本さん…ここじゃないですか?『使い魔との契約ができず飛行脚にうまく乗れない』って」

坂本「ふむ…これは珍しい…ペーチュ!この問題について何か意見はあるか?気になったことでもいい」

ペーチュ「ダー!私は使い魔候補と真剣に向き合いましたが最初は相手にされませんでした!それでも私は彼等と友好を深め
ようとした結果!警戒され!一部から威嚇されました!」

坂本「軍人としてはいいが私はもう退役した身だ。かしこまらんでいいぞ」

教官「そんな…いいんですか?」

坂本「そうか…だったら崩して話せ。硬いのは好まん」

ペーチュ「わかりました。ありがとうございます」

坂本「さて…どうせ長話になろう。今日は泊まるといい」

教官「私は業務がありますので…」

坂本「そうか…ならペーチュだけでも泊まるといい」

ペーチュ「えっ!?」

坂本「そんな驚くことか?なにも煮て焼くことはない。ちょっと話があるだけだ」


夕刻 坂本邸

ペーチュ「教官が帰ってしまった……」

宮藤「なれない家ってちょっと怖いよね…わかるよペーチュさん」

ペーチュ「宮藤少将!」

宮藤「階級はやめてってば。ここはもう軍じゃないし私も緊急時以外はもう民間医療師だからさんでいいよ!」

ペーチュ「宮藤…さん!」

宮藤「よし!じゃあ私は夕飯作ってくるからね!期待して待ってて!」

ペーチュ「お言葉に甘えます……」

宮藤「うーん…まだ硬いね!私達って年は離れているけど友達だよ!だから遠慮しちゃダメだよ!」

ペーチュ「了解です!宮藤さん!」


夕食 坂本邸

坂本「ん?今日は秋刀魚か…また腕を上げたな宮藤」パクパク

ペーチュ「美味しい…苦いけど美味しい……」モグモグ

宮藤「今日横須賀で水揚げされたばかりなんです!」パクパク

坂本「今日の早朝いなかったのはそのためか……」パクパク

ペーチュ(秋刀魚の塩焼きを食べやすいように割り、そして骨を完璧に抜いている…)

坂本「ん?どうしたペーチュ?そんな難しい顔をして」パクパク

ペーチュ「いえ…魚の骨抜きがとても素晴らしく……」

宮藤「宮藤家伝統の魚の骨抜き術だよ!あとでペーチュさんにも教えてあげるね」パクパク

ペーチュ「ほんとですか!お願いします!」ガツガツ


夕食後 坂本邸

ペーチュ「やばい…食いすぎた」

坂本「成長期だからそのくらい食べたほうがいい」

宮藤「見ているこっちが嬉しくなってきました!また朝も頑張りますね!」

ペーチュ(いや…流石に遠慮しておくべきだった…ってことは501はこの料理を毎日!?)

坂本「おっとそろそろ20時か…布団を敷くぞ」

宮藤「もうそんな時間ですか?」

坂本「確かに今日は早いが…寝ながら昔話でもしよう」

宮藤「修学旅行みたいですね!わくわくしてきました!」

ペーチュ「昔話ですか……」

坂本「そうだ。今日は寝かせないからな?ペーチュ」


就寝前 坂本邸

坂本「さて…誰の武勇伝から話そうか……」

ペーチュ「坂本中佐から聞かせてください」

坂本「ん?私からか?」

ペーチュ「おねがいします」


坂本「坂本美緒。退役時階級中佐。撃墜数150オーバー」

坂本「撃墜数は各員自己申告や報告書等で報告だが私は途中で報告し忘れていたな」

坂本「各員501にいた頃は資料集に乗っているため省くが…私は上がりを迎えたあと、一度だけ全盛期の私のような魔力が
身体に湧いてきた」

坂本「そこで私は軍に飛行申請し、扶桑の空を烈風丸と共に舞い上がった」

坂本「そこでなんと私は大型ネウロイ4、小型ネウロイ11機と遭遇してしまった」

坂本「その時私の武器は烈風丸ひと振りのみ、だが魔力に余裕があったために戦ってしまった」

坂本「その後ネウロイとの死闘を続け、4機のネウロイを撃墜したが…私の右腕にダメージを与えた…残りはどうなったかは
わからん。なんせ魔力切れで撃墜されたらしいからな」

坂本「それで起きたのは宮藤の家の寝間だ。付きっ切りで看病してくれたが…私の右腕はもう動かなくなっていた……」

坂本「この件で私は半永久的に空を飛べなくなった…とさ」

坂本「どうだ?少しは為になっただろう」

宮藤「最初から重すぎです。」

坂本「そうか…なら次はミーナの話でもしよう」


坂本「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。現在カールスラント空軍少将新人育成員兼歌手。撃墜数250オーバー」

坂本「ミーナは上がりを迎えたあと、母国カールスラント奪還作戦に作戦指揮官として参加。その指揮能力を再評価され新人
育成のために再度士官学校を受け直した」

坂本「その後育成学校で歌った歌が評価され全国デビュー。それで貰ったお金は全額学校に寄付するとまた全国に広まった」

坂本「いまはカールスラントで引き続き新人育成に勤めているわけだが…明日ミーナの曲を聴くか?」

ペーチュ「是非ともお願いします!」

坂本「そうかそうか」


坂本「よし。次はリネットの話だ」

坂本「リネット・ビショップ 退役時階級大尉、現婦人 撃墜数100オーバー」

坂本「リネットは才能ではなく努力で実力を掴んだいいウィッチだ」

坂本「退役寸前で小隊長に任命されて慌てるさまはいまでも鮮明に思い出す」

坂本「小隊長になってからは小隊員にコアを見つけさせ対艦ライフルで射止める『ヒット トゥ キル』の世界最速を叩き出
したのが一番でかいな」

ペーチュ「その『ヒット トゥ キル』ってなんですか?」

坂本「まず4人以上の編隊を作り一人の狙撃手を残し残りはネウロイのコアを打ち抜く早さを競っているのだ」

坂本「リネット本人は普通にやっていることだがほかだとそうはいかない」

坂本「これもまたリネットの大きな成長だな。現在は子供がいて幸せにやっているらしいぞ」

宮藤「リーネちゃんはミーナさんにいろいろ聞いていたなぁ」

坂本「ミーナも教えがいがあると喜んでいたな」


坂本「よし。次はリネットの話だ」

坂本「リネット・ビショップ 退役時階級大尉、現婦人 撃墜数100オーバー」

坂本「リネットは才能ではなく努力で実力を掴んだいいウィッチだ」

坂本「退役寸前で小隊長に任命されて慌てるさまはいまでも鮮明に思い出す」

坂本「小隊長になってからは小隊員にコアを見つけさせ対艦ライフルで射止める『ヒット トゥ キル』の世界最速を叩き出
したのが一番でかいな」

ペーチュ「その『ヒット トゥ キル』ってなんですか?」

坂本「まず4人以上の編隊を作り一人の狙撃手を残し残りはネウロイのコアを打ち抜く早さを競っているのだ」

坂本「リネット本人は普通にやっていることだがほかだとそうはいかない」

坂本「これもまたリネットの大きな成長だな。現在は子供がいて幸せにやっているらしいぞ」

宮藤「リーネちゃんはミーナさんにいろいろ聞いていたなぁ」

坂本「ミーナも教えがいがあると喜んでいたな」


坂本「シャーロット・E・イェーガー 退役時少佐,現フリーライター 撃墜数200オーバー」

坂本「501解散後リベリオン合衆国を上がり前に除隊申請を出したが受け取られず、ネウロイの巣を攻撃し出てきたネウロイを叩くという荒技を世界に見せつけた」

坂本「その時のシャーリーを見た人は口を揃えて言ったらしい『スカイ ダンス』と」

坂本「その後退役という形でストライカーを捨て、自前の戦闘機で世界の空を飛び、最新情報をかき集めている」

坂本「私が最後にシャーリーを見たのは『音速の飛行機!リベリオンを舞う!』という記事でいい顔をしていたな」

坂本「いまはどうしているかわからんが…まぁうまくやっているのだろう」

ペーチュ「この前臨時教師として学校に来ていました!音速を超えた時の感想や空での加速の仕方などを話していました」

坂本「そうか…元気ならいいだろう」


坂本「シャーリーときたらルッキーニだな。あいつは……」

宮藤「ルッキーニちゃんのことはやめません?」

坂本「ペーチュの為だ。過去を学ぶのもいいだろう」


坂本「フランチェスカ・ルッキーニ 1952、戦死KIA 最終階級大尉 撃墜数50オーバー」

坂本「501解散後ロマーニャ公国に戻り天才的飛行術でロマーニャを代表する悲劇のウィッチだ」

坂本「いつも笑顔を忘れず、どんな不利でも仲間を信じ…そして仲間を信じすぎたんだ……」

坂本「マスコミは悲劇と語っていたが実際は違う。ルッキーニは当時のロマーニャ公国空軍に殺されたんだ」

坂本「ロマーニャ復帰後、軍に再配されたが軍の上層部と喧嘩が常時で自由を欲するルッキーニには窮屈過ぎたんだ」

坂本「そんな時に突如ネウロイ3機がロマーニャを襲来。ルッキーニは自分が出なくてもすぐ終わると思っていたが思いの
ほか味方が苦戦。ルッキーニは軍の命令無しで仲間を救出しにいった」

坂本「その結果。軍の出した命令は『ルッキーニ中尉を残し各員魔法力及び装備の補給。終了しだい待機。ルッキーニ中尉の援護の為待機せよ』だ」

坂本「聞こえはいいだろうが戦況は『ロマーニャ本国の守備隊が苦戦する相手をルッキーニひとりで相手をさせた』ということだけだ」

坂本「その後ルッキーニは2機を撃墜。その時3機目のネウロイのビームがロマーニャ公国領を攻撃し始めた時に集中力が切れたんだろう」

坂本「そこでルッキーニ救出に援護隊を発進させていれば……」

坂本「空軍の出した通信は『補給に時間がかかっている。もう少し堪えてくれ』だ」

坂本「ルッキーニはその言葉を信じ最後まで戦ったさ。命が尽きる時までな」

坂本「そして魔力が切れたんだろうな…目撃者からは『魔女のシールドは発動したがビームがシールドを貫通した』と」

坂本「上がりを迎えたシャーリーがその場にいて忠実に記事にしていたさ。まぁロマーニャ空軍に記事をもみくちゃにされたが」


ペーチュ「当たり所が悪かった…んですか?」

坂本「座学は優秀なペーチュからそんな愚問を聞くとはな。問1、魔法力が残り少ない時にネウロイのビームが来た。その時どういう行動をすればいいか。」

ペーチュ「えっと…回避が可能なら回避をし、即時帰投。回避が不可ならビームを正面に武器を捨て両手でシールドを張る…ですよね」

坂本「そうだ。なぜ武器を捨てるのかは習ったな?」

ペーチュ「回避性能を上げるためと武器を持つとその分魔法力が武器の方に流れてしまうので武器を捨て、武器に流れていく魔法力をシールドと飛行に回すためです」

坂本「完璧な回答だ。だがひとりで空を舞い。魔法力が減少しているにもかかわらずネウロイのヘイトを集めなければならない…辛かっただろうな」

宮藤「坂本さん…もう……」

坂本「そうだな……」


坂本「あと誰が残っているか?」

宮藤「ハルトマンさん。バルクホルンさん。エイラさん。サーニャちゃんです」

坂本「あと宮藤もだな。明日は早いもう寝るぞ」

ペーチュ「おやすみです中佐!宮藤さん!」


翌日 04:00 坂本邸

宮藤「せいっ!せいっ!」ブン!ブン!

坂本「朝は素振りに限るな宮藤!そろそろその刀に名でも付けないのか?」

宮藤「いえ…この刀に名前は付けないつもりです。そうしたら戦争に使わなきゃいけない気がして…」

坂本「『ネウロイに泣きながら銃を構える少女』…か」

宮藤「私の書いた本を読んだんですか?恥ずかしいですよ」

坂本「出版したときはいろいろなところから苦情が来たな…不謹慎や臆病者だと」

宮藤「ネウロイと戦うにはそれくらいがちょうどいいのです」

坂本「さて…ペーチュを起こしてこよう。宮藤は朝食を頼む」


04:30 坂本邸


坂本「起きろペーチュ!朝食だ!」

ペーチュ「んあ?おはようございます中佐」

坂本「朝食の準備がもうすぐ終わる。顔を洗って居間に来い」

ペーチュ「了解です!」


朝食  坂本邸


ペーチュ「朝は…豆腐と野菜のおひたしだけ?」

坂本「なんだ?不満か?」

ペーチュ「いえ…ですがこれでは昼まで……」

宮藤「坂本さんは朝の05:00に朝食。これは起きてすぐの空腹を紛らわすためでタンパク質は08:00にとります。その後昼食は13:00。夕食は18:00です」

ペーチュ「1日4食ですか…太ったりしませんか?」

坂本「我々は軍を抜けているがトレーニングを欠かさずやっている。昔は基礎体力のためとか言っていたが今は老い防止だな。老けるのは辛い」

ペーチュ「その割には綺麗ですよね。おふたりは30後半なのに」

坂本「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。まぁそのためのトレーニングだからな」

宮藤「ありがとね。ペーチュさん」

坂本「ペーチュは08:00に間食を取りしだい宮藤とともにトレーニングコースを回周!宮藤の判断でトレーニングを終了せよ。私は少し学校の方に用事があるから夜まで帰らん!夕食までには帰る。あとは任せた」

宮藤「了解です!坂本さん」

ペーチュ「私は学校に行かなくていいんですか?」

坂本「それに関して学校に行ってくる。あと昼頃に訓練用のユニットが届くと思う。訓練に使ってくれ」


坂本「それじゃあ、いってくる」

宮藤、ペーチュ「いってらっしゃいです」


間食後 坂本邸


宮藤「それじゃあペーチュさん。ランニング行きますよ」

ペーチュ「どのくらい走るんですか?」

宮藤「とりあえず暇だから一度、駿河の猪鼻湖にいこう!」

ペーチュ「駿河ってあの富士のですよね。どうやって…」

宮藤「実は軍のスクランブル用に坂本さんの家に私のユニットをおいてもらえてるんだ」

ペーチュ「そうなんですか…すごいです」

ペーチュ(魔導エンジンが4つ…それに奥に見えたけどあの兵器…実弾式の銃じゃない……)

宮藤「とりあえずいこっか」キュィーーン



ペーチュ「このあと宮藤さんと一緒に湖に行って周囲を数週走らされた……

ご褒美にお団子を買って二人で食べましたがまたなんとも美味しい……

『扶桑の茶菓子は世界一ィィィィイイイ』と母が絶賛していたのがよくわかりました!

まぁお団子を食べて家に帰ったらちょうどユニットが届いていたから

宮藤さんの命令でユニットを装着。ゆらゆらな飛行を見せてしまいました……

その時宮藤さんは私の顔を見て『綺麗な黒髪だね』と言ってくれました。

なぜそんなことを言ったのかはわかりませんが『父が扶桑人だったので』と返して沈黙がなくなりました。

その後私達は昼食をとり、ここからは自由行動と宮藤さんが言ってどこかに出かけていきました」




宮藤「どうしたの?ペーチュさん?」

ペーチュ「いえなにも」



夕飯前 坂本邸

坂本「帰ったぞ!」

ペーチュ「おかえりです。坂本中佐」

坂本「ここは軍じゃないんだが……」

ペーチュ「すみません…でもこれがしっくりくるんです」

坂本「そうか…今日の訓練はどうだった?」

ペーチュ「富士の湖に行き、その後ユニットで飛行練習をしました」

坂本「駿河か…ということは宮藤のユニットを見たか?」

ペーチュ「はい」

坂本「アレは一応軍事機密だ。そこだけは覚えておいてくれ。ペーチュ一等兵」

ペーチュ「りょ…了解です!」

宮藤「坂本さーん!そろそろできますよー」

坂本「おぉそうか!いま行く」

ペーチュ「今日はお刺身らしいです」

坂本「宮藤から宮藤家伝統の魚の骨抜き術を習ったか?」

ペーチュ「はい…まだ完璧ではありませんが」

坂本「あれは覚えて損はない。覚えておけ」

ペーチュ「そのつもりです」



夕食後  坂本邸

宮藤「今日は坂本さん何しに学校へ?」

坂本「ペーチュをいつまで預かっていていいか聞きにいったんだ」

ペーチュ「それでどうでした?」

坂本「明日の学校に間に合うように。つまり今日までだ」

宮藤「え?それじゃあ」

坂本「明日の朝ここを出れば余裕で間に合う」

ペーチュ「そうですよね……」

宮藤「それで今日は誰から話しますか?」

坂本「そうだな…ハルトマンにしようか」

宮藤「でもミーナさんのときもそうですけどカールスラントのことは…」

坂本「まぁいいじゃないか」



坂本「エーリカ・ハルトマン 退役時階級大佐 現医者 撃墜数500オ-バー」

坂本「ハルトマンは501解散後すぐにカールスラントの医学大学へ入学。軍と掛け持ちで学校に通っていた」

坂本「若いうちに学業を学ばないと後半入ってこなくなると焦ってはいたが卒業はできたようだ」

坂本「学校に入るようになってからは生活面を見直し、あのような惨劇は起きない部屋になった…と聞いた」

坂本「上がりを迎えてからは軍の医療施設や各方面を飛び回っているところを私はちょくちょく聞いている」

坂本「あとハルトマンも結婚して2児の母になっているな」

ペーチュ「はい。来年にもうひとりらしいです」

坂本「おぉそうか。また連絡してやらんとな」

宮藤「ハルトマンさんの『母乳の成分と栄養価値』って本読みました…勉強になりました」

坂本「宮藤も子供を作ったらどうだ?」

宮藤「セクハラですよ坂本さん!…まだ私は戦えますので」

坂本「そうか…無理だけはするなよ」


坂本「流れはバルクホルンだな」

宮藤「バルクホルンさんは子沢山なんですよね!羨ましいです!」

坂本「だったら…」

宮藤「このはなしはおしまいです!次お願いします」



坂本「ゲルトルート・バルクホルン 退役時階級中佐 現保育士 撃墜数450オーバー」

坂本「全国で数少ない二丁持ちだった為か501解散後各国から要請がきたが全て断り、ハルトマンの学業補佐と戦闘補佐を進んでやっていたな」

坂本「ハルトマンが卒業手前で上がりを迎え…たしか名家の男と結婚して幸せに暮らしている」

坂本「妊娠が発覚するまではミーナと共に新人育成に励んでおり出産のために祝退となった」

坂本「その後2年置きに子供を出産しリネットの母親のところに子供の育て方を聞きに行くなど子育てに励んでいるらしい」

坂本「ネウロイと戦い。翼を失ったものは子育てに励む。これが今の女性の生き方なのだろうか」

宮藤「なら今まで戦っている私は男性になるんですか!?坂本さん!私と子供を!」

坂本「まぁそう興奮するな宮藤。次はエイラの話でもしよう」


坂本「エイラ・イルマタル・ユーティライネン 退役時階級少佐 現フリーター 撃墜数150オーバー」

坂本「501解散後エイラはサーニャと共にサーニャの親を探しに全国を旅しているようだ」

坂本「サーニャと旅をする際の資金は所々の戦闘機を借りてショーを行って稼いでいるらしい」

坂本「宮藤と同じく軍に申請して自分のユニットを持ちネウロイが現れたら戦う。これの繰り返しで援助金ももらっているそうだ」

坂本「いまはスオムスに一軒家と別荘がありそこに住んでいるらしいな」

坂本「いつ上がりを迎えたかは不明だが元気にやっているらしい」

坂本「続けてサーニャだ」



坂本「サーニャ・V・リトヴャク 退役時大尉 現スオムス軍事夜間教師 撃墜数50オーバー」

坂本「501解散後エイラと共に世界を回っていく為に夜型だった生活リズムを昼型に変え、両親を探しに行動を開始した」

坂本「その後両親とオラーシャの小さな村で再会。親の無事を確かめるとエイラの提案により両親と共にスオムスに移った」

坂本「その後両親をエイラの別荘へ招待し、両親は無事そこに住んでいる」

坂本「サーニャとエイラはその後サーニャの提案で軍周辺の一軒家を買い生活をしているらしい」

坂本「それと養子を2人預かっているそうだ」

宮藤「養子ですか…考えたこともありませんでした」

ペーチュ「聞こえはいいですが戦争孤児ってことですよね」

坂本「そうだ。この世から争いを早くなくさないとな……」


宮藤「それじゃあ私は寝ますね!」

坂本「おいおい。いまから宮藤の話をするんだぞ?」


宮藤「わかりました…宮藤芳佳 18歳 天気は晴! はいおしまい」



坂本「部下の前でみっともないぞ宮藤少将?」

宮藤「だって自分語りですよ!恥ずかしいじゃないですか」

坂本「ほぅ…部下に自分のことを話せないのか…」

宮藤「部下部下ってもう私は軍属じゃないですよ……」

坂本「スクランブルの時は軍に戻るだろう!言わなければ501入隊後のアノコトを話す!」

宮藤「わかりました話します!話すから言わないでくださいよ?」



宮藤「宮藤芳佳 現在扶桑皇国海軍少将兼医者 撃墜数750オーバー」

宮藤「私は501解散後、欧州のヘルウェティア医学校に行き卒業しました」

宮藤「卒業して家に着くと父からの手紙とまた設計図が付属されていました」

宮藤「当時、科学力では最高峰であったウルスラさんの所属するカールスラントの研究所に設計図は運び込まれ、1年が経つくらいに家にユニットと武器、それとウルスラさんがきたのを覚えています」

宮藤「ウルスラさん曰く『設計図通りに作れたものの誰も動かすことはできなかった』らしく当時19才だった私はそれほどそのユニットに興味を示さなかったんです」

宮藤「月日は流れ。ユニットと武器の整備と汚れふきをしていた時に軍人さんが家に来て私に言ったんです」

宮藤「『坂本中佐がネウロイに囲まれている』と。その時私は思ったんです。」

宮藤「坂本さんを助けなきゃって」

宮藤「その時兼定が吠えたんですよ…欧州の時のように。そしたらまた体から魔力が溢れ出すような感覚がしてもしかしたらって」

宮藤「その時に私の新しい人生が始まったんです」


宮藤「いま私が使っているユニット、武器には名前はありませんが直感で使えるって思ったんですよね」

宮藤「実際に履いてみてすごいとしか思いませんでした」

宮藤「そして坂本さんを助けに横須賀から太平洋沖30Kmの地点で坂本さんとネウロイの群れを確認。すぐネウロイ掃討に移りました」

宮藤「ただ持っていた銃。みんなはビームガンと呼んでいますが私は使い方がいまいち分からずユニットの性能とシールドを使った高速体当たりを繰り返して残りのネウロイを殲滅しました」

宮藤「すぐさま坂本さんを治療。基地に戻ると名誉として中尉に階級があがりました」

宮藤「その後私はこの武器の使い方をマスターし、魔力が衰えない限り戦うと胸に誓いネウロイと戦ってきました」

宮藤「そして30後半になった今でも魔力は衰えず撃墜数だけ増えていっているわけです


宮藤「私話すのがヘタって言われるんですけどどうでしたか?」

ペーチュ「わかりやすかったですし…またなんというか……」

坂本「あとあとで宮藤に助けられたって聞いたがそんなことがあったのか……」

宮藤「言ってなかったですか?」

坂本「初めて本人から聞いたな」

宮藤「では今言いました。これでおしまいです!さぁ寝ましょう」

坂本「それもそうだな。おやすみ」

ペーチュ「おやすみです……」


翌日 坂本邸前


ペーチュ「お世話になりました!」ヨロヨロ

坂本「達者でな!」

宮藤「また遊びにきてね!」

ペーチュ「はい!それじゃ出撃します!」ヨロヨロブーン


坂本「あとで返せばいいものの」

宮藤「自分で履いて持って行っちゃいましたね。レンタルしたユニット」

坂本「そうだ。ペーチュには使い魔がいないっていう話…どう思う」

宮藤「ペーチュさんには既に使い魔はいると思います。まだ帰ってきていないだけで」

坂本「どういうことだ?」

宮藤「お散歩して迷子って感じではないでしょうか。私の兼定もよくありましたし」

坂本「そうか…あの教官に言っておいたほうがいいか?」

宮藤「いえ…その時が来るまで待ちましょう」


扶桑軍事養成所 職員室

コンコン

ペーチュ「2年のペーチュ一等兵です教官殿はいらっしゃいますか?」

教官「お。戻ってきたか」

ペーチュ「素敵な2泊3日をありがとうございました」

教官「あら。あなたがそんなことを言うなんて…どうだった?」

ペーチュ「501のいろいろな話が聞けて勉強になりました」

教官「そぅ。坂本中佐から話は聞いているからユニットをハンガーに置いておいて頂戴。あとで適当に回収させとくから」

ペーチュ「了解しました!」


扶桑軍事養成所 飛行訓練


ペーチュ「また飛行訓練かぁいやだなぁ」

ルームメイト「その上官がいないときはだらけて居るときはビシッとしているペーチュってホント素敵」

ペーチュ「おぉ…ひさしぶりぃ」

ルームメイト「3日前にあったばっかりだよね…それよりも坂本中佐の話教えてね?」

ペーチュ「ごめん…軍事機密らしい」

ルームメイト「え…逆にどんな話をしてきたのか気になってきた」

教官「そこの二人!静かにしろ!」

教官「これより飛行訓練として海上に出てもらう!そこで注意するべき点はなんだ!ペーチュ!」

ペーチュ「現在ネウロイは地上には巣はありません。ネウロイは海中に巣を作り個体を増やしています。なので海へ出過ぎるとネウロイの遭遇率が上がり危険なので遠くにいかないこと」

教官「パーフェクトな回答だ。皆聞いたな!これより沖20Kmまで自由に行動していい!20分後に陸に戻る為に時計をしておけ!では解散!」



横須賀海岸沖19Km地点

ルームメイト「今日もヨロヨロだねペーチュは」ブーン

ペーチュ「ねぇ使い魔貸してよぉ」ヨロヨロ

ルームメイト「使い魔は契約後、契約者本人が魔力を失わない限り使い魔は他のウィッチと契約できないってこの前習ったじゃん」ブーンクルクル

ペーチュ「そうだっけ…じゃあ両手で引いてくれよ…飛行不安定なんだ」ヨロヨロ

ルームメイト「了解!任せて」ブーン

ペーチュ「ありがと」ブーン



ヴーヴーヴーヴーヴー


ペーチュ「ネウロイだと!」ブーン


扶桑軍事養成所 職員室

アナウンス「飛行訓練中断!生徒は即帰投。教師及び守備隊はスクランブル!」

教官「ネウロイ出現場所はどこだ!」

教員「沖30Kmの地点!なお横須賀に向かって移動中!」

教官「ネウロイ予報では早すぎる…近くに巣が移動してきているのか……」

教員「守備隊がスクランブル開始!」

教官「よし…私も出る!ユニットと斬馬刀を出しておけ!」

教員「機銃はどうしますか?」

教官「いらん!飛べない生徒を持ち帰る!」

教員「わかりました。ご武運を」


滑走路


教官「守ってみせる…こんどこそ!」ブーン


横須賀海岸沖17Km地点

ペーチュ「このままじゃ……」ブーン

ルームメイト「ペーチュは前を向いて!私は方向を操作するから!」ブーン

ペーチュ「それじゃ追いつかれる!あんただけでも逃げて!」ブーン

ルームメイト「いま先生達が助けに来てくれるから!それまで黙って!」ブーン

ペーチュ「ごめん…ッネウロイからビームが!」ブーン

ルームネイト「ッシールド!」盾!ブーン

ペーチュ「うわぁ!」ヨロヨロ

ルームメイト「ペーチュ!手を離すな!」ブーン

ペーチュ「ごめん…魔力切れ……あんただけでも生きて!」ヨロヨロ…ボチャーン

ルームメイト「先生達呼んでくるから待ってて!」


横須賀海岸沖  水中

ペーチュ(いろんな人に迷惑かけてばっかだな…私)

ペーチュ(あ…これがネウロイの巣なんだ…『海中の竜巻』って習ったけどその通りだな……)

ペーチュ(使い魔は契約できないし…ユニットで空を自由に飛べない…極めつけには魔力切れ…これじゃあ『カルラン』って馬鹿にさてれもしょうがないよな……)

ペーチュ(いい人生だったよ)


横須賀海岸沖8Km地点

ルームメイト「先生!」ブーン

教官「ひとりか!ペーチュは!」ブーン

ルームメイト「私がネウロイのビームをシールドした時にバランスを崩して海へ……」ブーン

教官「そうか…他に何かあるか?」ブーン

ルームメイト「ペーチュは魔力切れと言っていました……」ブーン

教官「そうか…私はペーチュを救いに行ってくる。基地で待っていてくれ」ブーン

ルームメイト「わかりました!…お願いします」ブーン

宮藤「スクランブルだと聞きました!」キーン

教官「宮藤さん…前方ネウロイ1!それとペーチュがダイブしそうです!」ブーン

宮藤「…ペーチュさん探索に探知系ウィッチを生徒と教師から出して捜索!教官さんは他の守備隊と合流後戦闘に参加してください!」キーン

教官「わかりました…感謝します宮藤さん……」ブーン

宮藤「ネウロイの注意を惹きつけます!宮藤芳佳!いきます!」キュィーン

教官「くッ」ブーン

教官(なんていうスピード…それと風を破る音……)



宮藤(守備隊の動きが遅すぎる…一体何をやっているの?)


横須賀海岸沖14Km地点 ネウロイ戦闘空域


宮藤「私ひとりでやってもいいけど……」キーン

宮藤「ペーチュさんはどこだろう……」キーン

教官「到着しました!守備隊が6人続いてきます」ブーン

宮藤「わかりました…『ヒット トゥ キル』を行います。ネウロイのコアの探索をお願いします」キーン

教官「了解!」ブーン

宮藤「コアが露出ししだいビームガンで狙撃を行います…散開!」キーン


扶桑軍事養成所 滑走路



コワカッタネー…アブナカッター……



ルームメイト「お願いです…ペーチュを助けて…教官…宮藤少将……」

クラスメイトA「へ~ペーチュってダイブしたんだ」

クラスメイトB「飛行技術は最悪だしね!陸でおとなしくしていれば無事だったのにね!」

ルームメイト「…神様ッ!」



続く!

投稿は明日しますお

おつ


テスト


こっちも

乙です

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